JP5585587B2 - 5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法 - Google Patents
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Description
プロテオーム解析を通じて、本発明者らは、断酒目的に入院したアルコール依存症患者において経時的に採取された血清検体から、習慣飲酒に伴って増減する新規の血清ペプチドの一つとして5.9kDaペプチドを同定し、これが肝臓疾患診断マーカーとして利用できることを見出した(特許文献1、非特許文献1−2)。
また、本発明者らは、54残基からなる5.9kDaペプチドの全長ペプチドを抗原として得られた二種類のモノクローナル抗体を用いて、単離された5.9kDaペプチドの免疫学的測定が可能なことを示した(特許文献1)。
免疫学的測定方法の確立が困難である原因として、第一に、ペプチドに対する特異的抗体の作出が困難であることが挙げられる。第二に、プロテオーム解析により発見されているペプチドは、生体由来試料に存在しているマチュアなタンパク質の分解産物であることも多く、目的とするペプチドの配列を含む目的ペプチド以外の多くの分解産物が試料中に混在していることが挙げられる。このような場合、目的とするペプチドを免疫原として抗体を作出しても、混在した分解産物との非特異的な反応が生じ、目的ペプチドを正確に定量分析ができない。
例えば、データベースPeptideAtlas(http://www.peptideatlas.org/)中のビルドHuman Plasma PeptideAtlas 2009−05によれば、ヒトフィブリノーゲンα−E鎖(データベース内タンパク質名:ENSP00000306361)の分解産物として239種類のペプチドが観測されている。
本発明者らは、前述したように54残基からなる5.9kDaペプチドの全長ペプチドを抗原とした5.9kDaペプチドに対する二種類のモノクローナル抗体の作成、および、単離された5.9kDaペプチドの免疫学的測定には成功した(特許文献1)。しかし、これらのモノクローナル抗体を用いても、多数のヒトフィブリノーゲン分解産物を含む可能性のある検体中の5.9kDaペプチドの定量を十分に正確に測定するには更に改良の余地があるものである。
そのため、本発明者らは、当初、Fα−E鎖とFα鎖中のいくつかのアミノ酸配列を有する複数のペプチドを抗原とする複数の抗体を製造し、それらの中で5.9kDaペプチドの配列の最近傍領域を抗原とする抗体を夾雑ペプチド除去用抗体とし、残りを5.9kDaペプチド測定用抗体として用いて、5.9kDaペプチドを測定することを試みた。すなわち、複数の夾雑ペプチド除去用抗体を用いて夾雑ペプチドを除去する操作の後に、5.9kDaペプチド測定用抗体を用いて試料中の5.9kDaペプチドを測定することを試みた。
具体的には、夾雑ペプチド除去用抗体を作成するために用いる抗原ペプチドは、(a1)Fα−E鎖またはFα鎖中の5.9kDaペプチドのN末端側上流領域7個のアミノ酸配列(アミノ酸配列EFPSRGK)、(a2)Fα−E鎖中の5.9kDaペプチド領域のC末端側下流領域の13個のアミノ酸配列(アミノ酸配列RDCDDVLQTHPSG)を認識する抗体、および、(a3)Fα鎖中の5.9kDaペプチド領域のC末端側下流領域13個のアミノ酸配列(アミノ酸配列RGIHTSPLGKPSL)とした。また、5.9kDaペプチド測定用抗体として、最終的には、(b1)5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体、(b2)5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体、を用いることが良好であった。
[1].検体中の配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する分子量5,900のペプチド(5.9kDaペプチド)に、5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と、5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片とを接触させて、5.9kDaペプチドと該2つの抗体またはそれらの抗体断片との免疫複合体を生成させ、得られた免疫複合体を測定することを特徴とする、5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法。
[2].5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体が5.9kDaペプチドのN末端から1〜39番目のアミノ酸領域に存在するいずれかのエピトープを認識する抗体であり、5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体が、5.9kDaペプチドのN末端から18〜54番目のアミノ酸領域に存在しかつ前記N末端領域を認識する抗体が認識するエピトープよりもC末端側に位置するいずれかのエピトープを認識する抗体であって、これら2つの抗体が認識するエピトープは互いに重複せず、かつ、これら2つの抗体が互いに5.9kDaペプチドとの結合を妨げない、上記[1]記載の免疫学的測定方法。
[3].5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体が、5.9kDaペプチドのN末端から1〜17番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体である、上記[1]または[2]に記載の免疫学的測定方法。
[4].5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体が、5.9kDaペプチドのN末端から40〜54番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体である、上記[1]から[3]のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
[5].免疫複合体を、サンドイッチELISA法により測定する、上記[1]から[4]のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
[6].免疫複合体を、ラテックス免疫凝集測定法により測定する、上記[1]から[4]のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
[7].検体が、全血、血清、血漿、尿、唾液、脳脊髄液、胸水、腹水、心嚢水、関節液、または、リンパ液であって、5.9kDaペプチドを含む可能性がある、上記[1]から[6]のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
[8].5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片とを含む、5.9kDaペプチドの免疫学的測定用キット。
[9].5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片とを含み、いずれか一方の抗体またはその抗体断片が標識された標識抗体または標識抗体断片であり、他方の抗体またはその抗体断片が固相に結合された固相結合抗体または固相結合抗体断片であって、サンドイッチELISA法による5.9kDaペプチドを測定するための上記[8]に記載の免疫学的測定用キット。
[10].不溶性担体粒子に感作した5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と、不溶性担体粒子に感作した5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片とを含み、ラテックス免疫凝集測定法による5.9kDaペプチドを測定するための上記[8]に記載の免疫学的測定用キット。
[11].5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と、5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片の2つの抗体またはそれらの抗体断片の両方を1つの不溶性担体粒子に感作し得られた1種類の不溶性担体粒子;該2つの抗体またはそれらの抗体断片をそれぞれ別の不溶性担体粒子に感作し得られた2種類の不溶性担体粒子;または、これら3種類の不溶性担体粒子の混合物を含む、上記[10]に記載の免疫学的測定用キット。
[12].5.9kDaペプチドのN末端から1〜17番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体またはその抗体断片。
[13].5.9kDaペプチドのN末端から40〜54番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体またはその抗体断片。
本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法および免疫学的測定用キットにより測定される5.9kDaペプチドは、習慣飲酒などの要因に伴って生体由来試料からの検出量が減少する肝臓疾患診断用ペプチドマーカーである。
ここで、本発明の5.9kDaペプチド免疫学的測定方法および免疫学的測定用キットに用いられる5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体および5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体は、5.9kDaペプチドに特異的な免疫学的測定が可能な限りにおいて、モノクローナル抗体であっても、ポリクローナル抗体であってもよい。また、該抗体のアイソタイプは特に限定されず、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、IgE、IgMのアイソタイプの抗体が挙げられ、抗体精製の容易さの観点からは、IgG型の抗体が好ましい。そして、該抗体を得るための製造方法・産生生物についても特に限定されず、例えば、マウス由来ハイブリドーマ細胞株を用いた該抗体の製造が挙げられる。
ここで、抗原中の重複しないエピトープを認識する抗体が互いに一方の抗原との結合を妨げないために2つの重複しないエピトープが有すべき間隔は、抗原が取りうる立体構造に依存するが、好ましくは2つのエピトープ間に6残基以上のアミノ酸領域、より好ましくは20残基以上のアミノ酸領域が存在し、さらに好ましくは2つのエピトープ間のアミノ酸領域中にβターン構造をとるアミノ酸領域が含まれる。2つのエピトープ間にある程度の間隔が存在することにより、2つの抗体が互いの立体障害になる可能性が減少する。さらに、4つのアミノ酸残基により形成されペプチド鎖が急激にターンするβターン構造が重複しない2つのエピトープ間に存在することで、それぞれのエピトープを認識する抗体が互いに接触する可能性が減少する。
一方、本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法および免疫学的測定用キットに用いられる5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体は、好ましくは、配列番号1に示される5.9kDaペプチドのアミノ酸配列のN末端から18〜54番目のアミノ酸領域に存在するいずれかに存在し、かつ、前記5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体が認識するエピトープよりもC末端側に位置するエピトープを認識する抗体であり、より好ましくは、配列番号1に示される5.9kDaペプチドのアミノ酸配列のN末端から40〜54番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体である。
ここで、抗原とするペプチドは、例えば、公知のペプチド合成技術を用いて、化学合成して入手することができる。
また、上記担体としては、スカシガイのヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン(HSA)、ニワトリ血清アルブミン、ポリ−L−リジン、ポリアラニルリジン、ジパルミチルリジン、破傷風トキソイドまたは多糖類等の担体として公知なものを用いることができる。ここで、担体と抗原とするペプチドを結合させる手法としては、例えば、抗原とするペプチドに含まれる、あるいは、抗原とするペプチドを人工的に導入したCys残基のSH基を利用して担体と抗原とするペプチドとを結合させるMBS(マレイミドベンゾイルオキシコハク酸イミド)法を挙げることができる。
本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法および免疫学的測定用キットに用いられる、もしくは、本発明で提供される5.9kDaペプチドのN末端から1〜17番目および40〜54番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体は、モノクローナル抗体であっても、ポリクローナル抗体であってもよい。
これらの抗体断片としては、特に限定されない。具体的には、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、Diabody、dsFV、相補性決定領域(以下、CDRということもある)を含むペプチドが挙げられる。
Fabは、IgG型抗体をタンパク質分解酵素パパインで処理して得られる断片のうち、H鎖のN末端側約半分とL鎖全体がジスルフィド(S−S)結合で結合した分子量約5万Daの抗原に対する特異的結合能力を有する抗体断片である。本発明において、Fabは、例えば、本発明で提供される5.9kDaペプチドのN末端から1〜17番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体または5.9kDaペプチドのN末端から40〜54番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体をタンパク質分解酵素パパインで処理して得ることができる。
F(ab’)2は、IgG型抗体をタンパク質分解酵素ペプシンで処理して得られる断片のうち、Fabがヒンジ領域のS−S結合を介して結合されたものよりやや大きい、分子量約10万Daの抗原に対する特異的結合能力を有する抗体断片である。本発明において、F(ab’)2は、例えば、本発明で提供される5.9kDaペプチドのN末端から1〜17番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体または5.9kDaペプチドのN末端から40〜54番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体をタンパク質分解酵素ペプシンで処理して得ることができる。または、下記のFab’をチオエーテル結合あるいはS−S結合させ、作成することができる。
Fab’は、前記F(ab’)2のヒンジ領域のS−S結合を切断した分子量約5万Daの抗原に対する特異的結合能力を有する抗体断片である。本発明において、F(ab’)2を還元剤ジチオスレイトール処理して得ることができる。
scFvは、1本のH鎖可変領域(VH)と1本のL鎖可変領域(VL)とを12残基以上の適当なペプチドリンカー(P)を用いて連結した、VH−P−VLないしはVL−P−VHポリペプチドで、抗原に対する特異的結合能力を有する抗体断片である。
Diabodyは、抗原結合特異性の同じまたは異なるscFvが2量体を形成した抗体断片で、同じ抗原に対してscFVを上回る反応性を有する、もしくは、異なる抗原に対して同様の特異的結合能力を有する抗体断片である。
dsFvは、H鎖可変領域およびL鎖可変領域中のそれぞれ1アミノ酸残基をCys残基に置換したポリペプチドを該Cys残基間のS−S結合を介して結合させたものである。
CDRを含むペプチドは、H鎖可変領域またはL鎖可変領域のCDRの少なくとも1領域以上を含んで構成される。複数のCDRを含むペプチドは、直接または適当なペプチドリンカーを介して結合させることにより製造することができる。
ここで、免疫原とされるペプチドは、ヒト血液等の生体由来試料から精製して入手してもよいが、公知のペプチド合成技術を用い、化学合成して入手してもよい。これに限らずリコンビナントにより産生したペプチドも抗原として用いることができる。
本発明者らが作成し樹立した、前述した本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法および免疫学的測定用キットに用いられる、もしくは、本発明で提供される5.9kDaペプチドのN末端から1〜17番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体を産生するハイブリドーマ5.9N−06、および、前述した本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法および免疫学的測定キットに用いられる、もしくは、本発明で提供される5.9kDaペプチドのC末端から40〜54番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体を産生するハイブリドーマ5.9C−02は、〒292−0818日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)特許微生物寄託センター(NPMD)に、2009年8月19日に国内寄託され、受託番号として、それぞれNITE P−797およびNITE P−798が付与されている。その後に、これらの国内寄託は、2010年8月20日付でブダペスト条約に基づく国際寄託への移管請求がなされ、2010年9月13日付で国際受託番号として、それぞれNITE BP−797およびNITE BP−798が付与されている。
本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法において生成する免疫複合体において、複合体を形成する前述した本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法および免疫学的測定用キットに用いられる、もしくは、本発明で提供される5.9kDaペプチドのN末端を認識する抗体またはその抗体断片および5.9kDaペプチドのC末端を認識する抗体またはその抗体断片のうち一方が、その抗原認識能を維持する態様で、固相、即ち、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ナイロン、ポリメタクリレートなどを素材とする基材、例えば、プラスチックチューブやマイクロタイタープレートに、直接または間接的に物理結合や化学結合、アフィニティーなどを利用して結合していてもよい。また、上記固相に結合していないもう一方の抗体またはその抗体断片が、その抗原認識能を維持する態様で、標識物質、例えば、HRP等の標識酵素、金コロイド、ユーロピウム等の標識金属、FTTC、ローダミン、Texas Red、Alexa、GFP等の化学的、生物的各種蛍光物質、32P、51Cr等の放射性物質などで標識されていてもよい。
あるいは、本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法において生成する免疫複合体において、前述した本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法および免疫学的測定用キットに用いられる、もしくは、本発明で提供される5.9kDaペプチドのN末端を認識する抗体またはその抗体断片および5.9kDaペプチドのC末端を認識する抗体またはその抗体断片の両方が、その抗原認識能を維持する態様で、不溶性担体粒子、例えば、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体のような有機高分子のラテックスやシリカ、アルミナのような無機酸化物等に直接または間接的に物理結合や化学結合、アフィニティーなどを利用して結合されていてもよい。
優れた感度および定量性を有する点からは、本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法において生成する免疫複合体を測定する手段としては、ELISA法が好ましく、サンドイッチELISA法がより好ましい。
また、測定が簡便かつ迅速である点からは、本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法において生成する免疫複合体を測定する手段としては、ラテックス免疫凝集測定法が好ましい。
本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法において行われるサンドイッチELISA法による測定は、前記標識抗体または標識抗体断片と固相結合抗体または固相結合抗体断片とを用いて、公知の方法で行うことができる。即ち、先ず、固相結合抗体または固相結合抗体断片に検体を加えて反応させ、一定時間反応させた後、固相を洗浄し、標識抗体または標識抗体断片を加えてさらに2次反応させる。次に、固相を再度洗浄し、発色基質などを加えて反応させる。ここで、発色基質としては、標識抗体または標識抗体断片の標識物質としてHRPを用いた場合、既知のDAB、TMBなどを用いることができる。
不溶性担体粒子に感作した前記2つの抗体またはそれらの抗体断片の使用態様としては、前記2つの抗体またはそれらの抗体断片の両方を1つの不溶性担体粒子に感作し得られた1種類の不溶性担体粒子のみを用いても、前記2つの抗体またはそれらの抗体断片をそれぞれ別の不溶性担体粒子に感作し得られた2種類の不溶性担体粒子を混合して用いても、これら3種類の不溶性担体粒子を混合して用いてもよい。
本発明の5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法において行われるラテックス免疫凝集測定法による測定は、前記2種類の不溶性担体粒子を用いて、公知の方法で行うことができる。即ち、検体に前記2種類の不溶性担体粒子を加えて反応させ、一定時間反応させた後、形成された凝集を測定する。
(1)免疫原の作成
5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体、および、5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体を作成するために、5.9kDaペプチドのN末端またはC末端のアミノ酸配列を含むペプチドを含む免疫原を作成した。
具体的には、まず、配列番号1に示される5.9kDaペプチドのアミノ酸配列のN末端から1〜17番目の17アミノ酸残基からなる抗原ペプチド(以下、5.9Nという)のC末端に、抗原ペプチドと担体とを結合するために用いられるCys残基を導入したペプチド、すなわち配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するペプチドを合成した。また、5.9kDaペプチドのC末端からの15残基、すなわち、配列番号1に示される5.9kDaペプチドのアミノ酸配列のN末端から40〜54番目の15アミノ酸残基からなる抗原ペプチド(以下、5.9Cという)のN末端に、抗原ペプチドと担体とを結合するために用いられるCys残基を導入したペプチド、すなわち配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するペプチドを合成した。
次に、これらのペプチドのN末端Cys残基またはC末端Cys残基に担体であるスカシ貝ヘモシアニン(KLH)を、MBS(マレイミドベンゾイルオキシコハク酸イミド)法によりコンジュゲートし、免疫原として用いる複合体を作成した。
上記(1)で得られた免疫原をマウスに投与し、免疫マウスを得た。
具体的には、まず、上記(1)で作成した5.9N、もしくは、5.9Cを含む免疫原をそれぞれ1mg/mlとなるようにPBSで溶解した。次に、50μl(50μg)を取ってフロインド完全アジュバンド(和光純薬工業)50μlと乳化するまでよく混和した。続いて、調製した懸濁液をBalb/c6週齢雌マウス(日本クレアー)にジエチルエーテル麻酔科にてそれぞれ腹腔内投与した。2週間後には同量の5.9N、もしくは、5.9Cを含む免疫原をフロインド不完全アジュバンド(和光純薬工業)と混和し、フロインド完全アジュバンドのときと全く同様の操作により乳化懸濁液とし、それぞれマウスに投与した。以降2週間毎に同様の操作を行ない、4回目には最終免疫として5.9N、もしくは、5.9Cを含む免疫原50μl(50μg)をマウス尾静脈注射により投与した。
上記(2)で得られた免疫マウスの脾臓細胞と骨髄腫細胞を融合してハイブリドーマを作成した。
具体的には、まず、5.9N、または、5.9Cを含む免疫原を最終免疫した3日後、それぞれのマウスよりジエチルエーテル麻酔下に外科的摘出された脾臓を無菌的に分散し、脾臓細胞を調製した。細胞融合はケーラーとミルスタインの方法(Kohler, G. & Milstein, C. Nature, 256, 495-497, 1975)に従って行われ、ポリエチレングリコール(PEG4000)(メルク)を用いて脾臓細胞と骨髄腫細胞P3−X63−Ag8−U1(P3U1)を融合した。融合比率は脾臓細胞数8×107個に対して骨髄腫細胞P3−X63−Ag8−U1(P3U1)2×107個で、約4:1であった。融合細胞は10%FCS(INVITROGEN)α−MEM(IRVINE)HAT(コスモバイオ)培地に分散し96穴マイクロタイターカルチャープレート(住友ベークライト)に分注して37℃、5%CO2条件にて培養した。
上記(3)のハイブリドーマ確立の約2週間後にコロニーの生育を確認して、抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングした。
具体的には、まず、スクリーニング用プレートを作成するために上記(1)にて合成した5.9N、または、5.9CをPBS中に溶解させ、2μg/100μl/wellとなるように96穴マイクロタイタープレート(Nunc)に分注した。次に、プレートを4℃で2晩静置した後に0.05% Tween20(PBS−T)(和光純薬工業)を含むPBSで3回洗浄し、非特異的反応を抑えるためにPBSにて4倍希釈したN−102(日本油脂)溶液を200μl分注して、更に4℃で1晩静置した。続いて、完成したプレートをPBS−Tで1回洗浄した後に、上記(3)で得られたハイブリドーマの培養上清100μlを反応させ、更に洗浄を行った後に二次抗体であるHRP標識抗マウスイムノグロブリン抗体(Zymed)を加えて反応させた。洗浄後にHRPの発色基質である、TMB溶液(カイノス)を100μl加えて一定時間の発色後、1N硫酸(和光純薬工業)を停止液として更に100μl添加し、測定波長450nmにて吸光度を測定した。
前記スクリーニングにより、陽性と判定されたクローンについて、限界希釈法によって再クローニングを行い、上清を再度確認した。
結果として、5.9Nを感作したプレートと反応するハイブリドーマ5.9N−06、および、5.9Cを感作したプレートと反応するハイブリドーマ5.9C−02を得た。なお、得られたハイブリドーマの培養上清はコントロールのBSAプレートとは全く反応しなかった。
ハイブリドーマ5.9N−06および5.9C−02は、〒292−0818日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)特許微生物寄託センター(NPMD)に、2009年8月19日に国内寄託し、受託番号として、それぞれNITE P−797およびNITE P−798が付与された。その後に、これらの国内寄託を、2010年8月20日付でブダペスト条約に基づく国際寄託への移管請求を行い、2010年9月13日付で国際受託番号として、それぞれNITE BP−797およびNITE BP−798が付与された。
上記(4)で得られたハイブリドーマ5.9N−06、および、ハイブリドーマ5.9C−02がそれぞれ産生するモノクローナル抗体anti−5.9N、および、anti−5.9Cのアイソタイプを同定した。
具体的には、モノクローナル抗体タイピングキット(アマシャムファルマシア)を用いて、添付の使用説明書に従い、それぞれのハイブリドーマが産生する抗体のアイソタイプを検定した。
結果として、モノクローナル抗体anti−5.9N、および、anti−5.9Cは、表1に示すアイソタイプに属することを確認した。
ハイブリドーマ5.9N−06、および、ハイブリドーマ5.9C−02の培養上清を、Protein G Sepharose Fast Flow(GEヘルスケア)を用いて、添付の使用説明書に従い精製し、モノクローナル抗体anti−5.9N、および、anti−5.9Cを得た。
(1)ウエスタンブロッティング法による抗体の5.9kDaペプチドとの反応性確認
ウエスタンブロッティング法を用いて、実施例1で作成した2種類の5.9kDaペプチドのN末端またはC末端に結合する抗体が、5.9kDaペプチドの全長ペプチドに結合することを、以下に具体的に記載する方法により確認した。
合成した5.9kDaペプチドを0.5μgずつ非還元下にてSDS−PAGEを行った。その後、PVDFメンブレン(ミリポア)へ転写し、1時間ブロッキングを行った。
実施例1の(6)で精製した2種の抗体(anti−5.9Nを0.05mg/ml含むPBS−T、anti−5.9Cを0.005mg/ml含むPBS−T)をそれぞれ上記(1−1)で作成した5.9kDaペプチドを転写したメンブレンに1時間反応させた。
メンブレンをPBS−Tにて洗浄後、二次抗体としてHRP標識抗マウスイムノグロブリン抗体(Zymed)を、それぞれ30分間反応させた。
PBS−Tにて洗浄後、メンブレン用TMB溶液(和光純薬工業)にて検出を行なった。
作成した2種類の抗体はいずれも5.9kDaペプチドを認識することを確認した。
実施例1で作成した抗体を用いたサンドイッチELISA測定系を作成し、作成されたELISA測定系で抗原抗体反応が濃度依存的に測定されることを、以下に具体的に記載する方法により確認した。
実施例1の(6)で精製したモノクローナル抗体anti−5.9Cを0.5μg/100μl/wellの濃度でマキシソーププレート(Nunc)に一晩感作した。PBSで3回洗浄後、蒸留水で5倍希釈したN−102(日本油脂)にてブロッキングを行なった。
実施例1の(6)で精製したモノクローナル抗体anti−5.9Nに、Peroxidase Labeling Kit−NH2(Dojindo Molecular Technologies)を用いて、HRP標識をした。ここで、標識抗体濃度は1μg/μlとした。
上記(2−2)で作成したプレートと標識抗体を使用し、サンドイッチELISA測定系の有効性を評価した。
なお、試料として用いた血清はインフォームドコンセントを得た後、連結不可能匿名化し使用した。また、試料中の5.9kDaペプチド濃度は以下に示すSI−MS法により算出した。
SI−MS法を用いて含有5.9kDaペプチド濃度を算出した血清を試料として、サンドイッチ測定系を用いて測定したところ、5.9kDaペプチドの濃度依存的に吸光度が上昇することを確認した。
磁性ビーズとMALDI−TOF/TOF MSを組み合わせたClinProtTMシステム(Bruker Daltonics)を用いて試料中の5.9kDaペプチド濃度を算出した。
具体的には、まず、血清に5.9kDaペプチドに対する安定同位体ペプチド(SI−5.9kDa)を内部標準として一定量添加した。次に、陽イオン交換磁気ビーズ(WCX)(Bruker Daltonics)に結合させ溶出させた。続いて、溶出させた試料をそのままAnchorChip(Bruker Daltonics)に調整後、AutoFlex(登録商標) II(MALDI−TOF/TOF)により測定を行った。
ここで、解析はFlexAnalysisTM software2.4(Bruker Daltonics)を用いてベースライン補正とスムージング処理を行い、SI−5.9kDaに対応するピーク強度と血清中の5.9kDaペプチドに対応するピーク強度との比から、添加したSI−5.9kDa量を基準に血清中の5.9kDaペプチド濃度を算出した。
上記(2)で作成したサンドイッチELISA測定系を用いて、ヒト血清中の5.9kDaペプチドを測定し、抗原抗体反応が5.9kDaペプチド濃度依存的に観測されることを、以下に具体的に記載する方法により確認した。
なお、用いた血清はインフォームドコンセントを得た後、連結不可能匿名化し使用した。
SI−MS法を用いて含有5.9kDaペプチド濃度を算出したヒト血清をPBSにて希釈し、5.9KDaペプチド濃度が、それぞれ、0μg/ml、0.65μg/ml、1.30μg/ml、3.89μg/ml、7.12μg/ml、10.36μg/mlの試料を調製した。これらの試料をPBSで1/333に希釈し、100μlずつ上記(2−1)で作成した抗体結合プレートに1時間反応させた。
プレートをPBS−Tにて3回洗浄した後、上記(2−2)で作成したHRP標識抗体(PBS−Tを用いて1/4000に希釈したもの)を30分間反応させた。
プレートの洗浄後にHRPの発色基質である、TMB溶液(カイノス)を100μl加えて一定時間の発色後、1N硫酸(和光純薬工業)を停止液として更に100μl添加し、測定波長450nmにて吸光度を測定した。
測定マイクロプレートリーダーにて波長450nmの吸光度測定を行なった。吸光度測定により得られた検量線を図1に示した。
図1に示すように、anti−5.9N、および、anti−5.9Cを用いたサンドイッチELISA測定系は、血清中に含まれる5.9kDaペプチドを高感度で検出し、5.9kDaペプチド濃度依存的な吸光度上昇が確認された。
5.9kDaペプチドの全長ペプチドを認識する抗体を用いたELISA測定系によるヒト血清中の5.9kDaペプチドの測定
実施例2の(2−1)において、anti−5.9Cに代えて5.9kDaペプチドの全長ペプチドを認識する抗体anti−5.9W1(国際公開第2004/058966号に記載のハイブリドーマCN−2(受託番号:IPOD FERM BP−08565)より抽出精製)を、実施例2の(2−2)においてanti−5.9Nに代えて5.9kDaペプチドの全長ペプチドを認識する抗体anti−5.9W2(国際公開第2004/058966号に記載のハイブリドーマCN−1(受託番号:IPOD FERM BP−08564)より抽出精製)を用いて構築されたサンドイッチELISA測定系を用いて、実施例2の(3)と同様の測定を行った。測定により得られた検量線を図1に示した。
図1に示すように、一次抗体にanti−5.9W1、2次抗体にanti−5.9W2を用いたサンドイッチELISA測定系は、血清中に低濃度で含まれる5.9kDaペプチド濃度依存的な吸光度上昇を示さなかった。
さらに、一次抗体にanti−5.9W1、二次抗体に本発明のモノクローナル抗体anti−5.9Cを用いたサンドイッチELISA測定系、一次抗体にanti−5.9W1、二次抗体に本発明のモノクローナル抗体anti−5.9Nを用いたサンドイッチELISA測定系、および、一次抗体に本発明のモノクローナル抗体anti−5.9C、二次抗体に5.9W2を用いたサンドイッチELISA測定系においても同様の挙動が確認された。
SI−MS法を用いた定量的測定法によるヒト血清中の5.9kDaペプチド濃度測定結果と実施例2で作成したELISA測定系を用いた場合の定量測定結果との相関性を確認し、ELISA測定系が血清中に多く含まれるフィブリノーゲン関連ペプチドの中で5.9kDaペプチドの全長ペプチドを特異的に定量していることを確認した。
なお、用いた試料は、健常者から得られた血清8検体とアルコール依存症患者から得られた血清8検体であり、インフォームドコンセントを得た後、連結不可能匿名化し使用した。
具体的には、実施例2の(3)の測定結果をもとに作成した検量線に基づいて、実施例2の(3)で作成したELISA測定系を用いて、SI−MS法により含有5.9kDaペプチド濃度を算出した血清16検体中の5.9kDaペプチド濃度を定量した。
同一の試料に対するSI−MS法に基づく5.9kDaペプチド定量結果とELISA測定に基づく定量結果を比較した結果を図2に示した。
図2に示すように、SI−MS法による定量結果とELISA測定による定量結果は明確な相関性を示した。この結果は、実施例2で作成したサンドイッチELISA系が、血清中に多数存在するペプチドの中で、5.9kDaペプチドを特異的に定量していることを示唆している。
健常者から得られた血清8検体とアルコール依存症患者から得られた血清8検体は、ELISA測定による5.9kDaペプチド定量結果に対して、閾値6.8μg/mlを適用することで完全に分離可能であった。また、健常者から得られた血清8検体からなる群とアルコール依存症患者から得られた血清8検体からなる群とは、ELISA測定による5.9kDaペプチド定量結果に関して、分散分析による危険率1%以下の有意差を示した。
(1)抗5.9kDa抗体感作ラテックス粒子の調製
実施例1において作成した二種類のモノクローナル抗体(anti−5.9N、および、anti−5.9C)がそれぞれ結合した二種類のラテックス粒子を作成し、これらを混合した抗5.9kDa抗体感作ラテックス粒子を、以下に具体的に記載する方法により作成した。
なお、ここで用いられた試薬組成は以下の通りである。
BSAコート溶液;
HEPES 2−「4−(2−ヒドロキシエチル)
−1−ピペラジニル」エタンスルホン酸 25mM pH7.5
塩化ナトリウム 150mM
エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム 1.0mM
アジ化ナトリウム 0.05%
ウシ血清アルブミン(BSA) 1.0%
希釈用緩衝液;
HEPES 25mM pH7.5
エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム 1.0mM
アジ化ナトリウム 0.05%
分散用緩衝液;
HEPES 25mM pH7.5
塩化ナトリウム 150mM
エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム 1.0mM
アジ化ナトリウム 0.05%
希釈用緩衝液で1%濃度とした、粒径120nmのラテックス粒子溶液100mlに、anti−5.9Nを希釈用緩衝液に3mg/mlとなるように溶解した溶液100mlを加え室温にて1時間攪拌した。その後、20,000rpmで1時間遠心分離を行い、上清を廃棄し沈殿物を回収した。この沈殿物にBSAコート溶液を100ml加え沈殿物を懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させた後、室温で1時間攪拌した。次いで遠心分離を行い得られた沈殿物に分散用緩衝液を500ml加えて懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させ0.2%濃度anti−5.9N感作ラテックス粒子を得た。
希釈用緩衝液で1%濃度とした、粒径120nmのラテックス粒子溶液100mlに、anti−5.9Cを希釈用緩衝液に3mg/mlとなるように溶解した溶液100mlを加え室温にて1時間攪拌した。その後、20,000rpmで1時間遠心分離を行い、上清を廃棄し沈殿物を回収した。この沈殿物にBSAコート溶液を100ml加え沈殿物を懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させた後、室温で1時間攪拌した。次いで遠心分離を行い得られた沈殿物に分散用緩衝液を500ml加えて懸濁し、超音波処理を行い完全に分散させ0.2%濃度anti−5.9C感作ラテックス粒子を得た。
上記(1−1)および(1−2)で調製されたラテックス粒子溶液を1:1の割合で混合したものを、ラテックス法の第二試薬として調製した。
なお、ラテックス法の第一試薬として分散用緩衝液を用いた。
上記(1−3)で調製したLA試薬を用いて、ラテックス免疫凝集測定(LATEX測定)によりヒト血清中の5.9kDAペプチドを定量可能なことを確認した。
具体的には、SI−MS法を用いて含有5.9kDaペプチド濃度を算出したヒト血清試料10μlに対し第一試薬100μl、第二試薬100μlを反応させ、日立7180型自動分析装置を用いて、主波長570nm、副波長800nmにて19−34測光ポイント間(第二試薬添加後約1分後から5分後に相当)において、2ポイントエンド法による吸光度変化量を測定した。
結果として、表2に示すように、5.9kDaペプチド濃度依存的な吸光度上昇が確認された。
実施例3におけるSI−MS法との相関性より血清中の5.9kDaペプチドを特異的に検出することが示唆されたELISA測定とLATEX測定との相関性を確認し、LATEX測定が血清中の5.9kDaペプチドを特異的に検出することを確認した。
具体的には、上記(2)の測定結果をもとに作成された検量線に基づいて、血清中の5.9kDaペプチド濃度を定量した。同一の試料について、実施例3の(2−3)と同様にELISA測定により5.9kDaペプチド濃度を定量し、LATEX測定による定量結果との相関性を図3に示した。
結果として、図3に示すように、LATEX測定とELISA測定は高い相関性を示し、LATEX測定によっても血清中の5.9kDaペプチドを特異的に検出していることが示唆された。
配列番号3−人工配列の説明:合成ペプチド
Claims (11)
- 検体中の配列番号1に示されるアミノ酸配列を有する分子量5,900のペプチド(5.9kDaペプチド)に、5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と、5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片とを接触させて、5.9kDaペプチドと該2つの抗体またはそれらの抗体断片との免疫複合体を生成させ、得られた免疫複合体を測定することを特徴とする、5.9kDaペプチドの免疫学的測定方法。
- 5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体が5.9kDaペプチドのN末端から1〜39番目のアミノ酸領域に存在するいずれかのエピトープを認識する抗体であり、5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体が、5.9kDaペプチドのN末端から18〜54番目のアミノ酸領域に存在しかつ前記N末端領域を認識する抗体が認識するエピトープよりもC末端側に位置するいずれかのエピトープを認識する抗体であって、これら2つの抗体が認識するエピトープは互いに重複せず、かつ、これら2つの抗体が互いに5.9kDaペプチドとの結合を妨げない、請求項1記載の免疫学的測定方法。
- 5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体が、5.9kDaペプチドのN末端から1〜17番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体である、請求項1または2に記載の免疫学的測定方法。
- 5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体が、5.9kDaペプチドのN末端から40〜54番目のアミノ酸領域に存在するエピトープを認識する抗体である、請求項1から3のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
- 免疫複合体を、サンドイッチELISA法により測定する、請求項1から4のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
- 免疫複合体を、ラテックス免疫凝集測定法により測定する、請求項1から4のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
- 検体が、全血、血清、血漿、尿、唾液、脳脊髄液、胸水、腹水、心嚢水、関節液、または、リンパ液であって、5.9kDaペプチドを含む可能性がある、請求項1から6のいずれかに記載の免疫学的測定方法。
- 5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片とを含む、5.9kDaペプチドの免疫学的測定用キット。
- 5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片とを含み、いずれか一方の抗体またはその抗体断片が標識された標識抗体または標識抗体断片であり、他方の抗体またはその抗体断片が固相に結合された固相結合抗体または固相結合抗体断片であって、サンドイッチELISA法による5.9kDaペプチドを測定するための請求項8に記載の免疫学的測定用キット。
- 不溶性担体粒子に感作した5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と、不溶性担体粒子に感作した5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片とを含み、ラテックス免疫凝集測定法による5.9kDaペプチドを測定するための請求項8に記載の免疫学的測定用キット。
- 5.9kDaペプチドのN末端領域を認識する抗体またはその抗体断片と、5.9kDaペプチドのC末端領域を認識する抗体またはその抗体断片の2つの抗体またはそれらの抗体断片の両方を1つの不溶性担体粒子に感作し得られた1種類の不溶性担体粒子;該2つの抗体またはその抗体断片をそれぞれ別の不溶性担体粒子に感作し得られた2種類の不溶性担体粒子;または、これら3種類の不溶性担体粒子の混合物を含む、請求項10に記載の免疫学的測定用キット。
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| JPN6014026053; 野村 文夫: '「疾患プロテオミクスの最前線 -消化器領域の新しい疾患マーカー探索への応用-」' 日本内科学会雑誌 Vol. 97, No. 8, 20080810, p. 1888-1894 * |
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