JP5584444B2 - 1,2−ジシクロヘキシルテトラフルオロエチレン骨格を有する化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
このような液晶素子には液晶相を示す材料が使用されているが、現在のところ、これら全ての特性を単独の化合物で満たすわけではなく、1つまたは2つ以上の特性の優れた複数の液晶化合物や非液晶性化合物を混合して液晶組成物として要求性能を満たしている。
液晶素子の分野において、液晶組成物に使用される化合物に要求される種々の特性の中でも、他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れ、化学的にも安定であり、かつ液晶素子に用いた場合に広い温度範囲で高速応答性に優れ低電圧駆動できる性質を有する化合物を提供することは重要な課題である。
式中、MG1およびMG2は、1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基などの骨格を有するメソゲン基である(特許文献1参照)。
式中、A1〜A4は、トランス−1,4−ジ置換シクロへキシレン基または1,4−ジ置換フェニレン基であり、Y1,Y2は、−COO−,−OCO−,−CH2CH2−などの連結基である(特許文献2参照)。
(特許文献3参照)
(非特許文献1参照)
特許文献2に記載された方法は、フッ素化試薬(フッ素化ヨウ素)の入手、取り扱いが容易ではなく、反応副生物が多く、収率は満足できるものではない。
特許文献3に記載された合成方法では、両端がシクロヘキサン環のフッ素化前駆体の合成は困難であり、CF2CF2連結基に結合する環構造はベンゼン環に限られ、さらに、合成できる化合物は左右対称構造のものに限られる。
非特許文献1における両端がシクロヘキシル基のジケトンのフッ素化は、通常のフッ素化試薬では進行せず、反応性は高いが毒性が強いSF4を用いる必要があり、危険性が高く、スケ−ルアップが容易でなく、かつ収率が低いといった問題がある。
非特許文献2の方法は、合成される化合物がCF2CF2連結基の両側にフェニル基を有する化合物に限られている。
上記式(I)および(II)中、Cyaは置換基を有してもよいシクロヘキシル基であり、Cybは置換基を有してもよいシクロヘキシル基またはシクロヘキセニル基であり、Xはヨウ素原子、臭素原子である。
R1:水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF5、炭素数1〜18のアルキル基、または下記式(C12)で表される基。前記アルキル基中の1個以上の−CH2−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
(Qは、−CH2−または−CH2CH2−であり、基中の水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。)
(Qは式C12と同じ意味を示す。)
A1〜A4の基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該基中に存在する1個または2個の=CH−基は窒素原子に置換されていてもよく、1個または2個の−CH2−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子に置換されていてもよい。
X:ヨウ素原子、臭素原子。
a、b、c、d:相互に独立して0または1である。ただし、0≦a+b+c+d≦2を満たす。
は、前記式(C12)で表される基であってもよく、c=d=0の場合に下記式(C2)で表される基
は、前記式(C22)で表される基であってもよい。)
また、式(4)において、c=d=0の場合に下記式(C4)で表される基
は、下記式(C42)であってもよい。
は、下記式(C52)で表される基であってもよい。
第1工程:下記式(1)で表される化合物を塩基存在下、下記式(3)で表される化合物と反応させて下記式(4)で表される化合物を製造する工程。
第2工程:下記式(4)で表される化合物を脱水し、下記式(5)で表される化合物へと変換する工程。
第3工程:下記式(5)で表される化合物を水素還元し、下記式(2)で表される化合物へと変換する工程。
本発明の製造方法によって得られる式(2)で表される化合物は、他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れ、化学的にも安定であり、かつ液晶電気光学素子に用いた場合に広い温度範囲で高速応答性に優れ、低電圧駆動できる。
また、本発明の製造方法によって得られる化合物は、該化合物を構成する環基、置換基および連結基を適宜選択することにより、液晶素子に要求される様々な性能、具体的には、例えば、広い動作温度範囲、低動作電圧、高速応答性、化学的安定性等、を満たした液晶組成物を調製できる。
置換アルキル基としては、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、フルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基、等が挙げられる。
R1としては、反応性や副反応が生じにくいことから、水素原子、フッ素原子、−SF5、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18の置換されたアルキル基、または前記式(C12)で表される基が好ましい。
R2としては、反応性や副反応が生じにくいことから、水素原子、フッ素原子、−SF5、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18の置換されたアルキル基、または前記式(C22)で表される基が好ましい。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が挙げられる。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基が挙げられる。
アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基が挙げられる。
アルキルチオアルキル基としては、メチルチオメチル基、エチルチオメチル基が挙げられる。
フルオロアルキル基として、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が挙げられる。
フルオロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基が挙げられる。
R2としては、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の置換アルキル基または前記式(C22)で表される基が特に好ましい。
A1〜A4の基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該基中に存在する1個または2個の=CH−基は窒素原子に置換されていてもよく、1個または2個の−CH2−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子に置換されていてもよい。なお、ハロゲン原子の置換と、窒素原子または酸素原子の置換とは、同一の基に対して同時に行われていてもよい。
1,4−フェニレン基の基中に存在する1個または2個の=CH−基が窒素原子に置換された基としては、2,5−ピリミジニレン基または2,5−ピリジニレン基が挙げられる。
トランス−1,4−シクロへキシレン基の基中に存在する1個または2個の−CH2−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子に置換された基としては、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,3−ジチアン−2,5−ジイル基が挙げられる。
以下、ハロゲン原子および窒素原子の少なくとも1つに置換された1,4−フェニレン基を「置換1,4−フェニレン基」と記し、ハロゲン原子、エーテル性酸素原子およびチオエーテル性硫黄原子の少なくとも1つに置換された1,4−シクロヘキシレン基を「置換トランス−1,4−シクロヘキシレン基」と記す。
中でも、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、および1個または2個のフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基が特に好ましい。
基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキレン基としては、−CF2CF2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CHFCH2−、−CH2CHF−、−CF2CHF−、−CHFCF2−、が挙げられる。
基中の1個以上の−CH2−がエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子に置換されたアルキレン基としては、−CH2O−、−OCH2−、−CH2S−、−SCH2−、が挙げられる。
また、これらのフッ素原子の置換とエーテル性酸素原子の置換が同時に行われた基としては、−CF2O−、−OCF2−が挙げられる。
中でも、単結合および炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
a、b、cおよびdは化合物に要求特性に応じて適宜選択することができる。
たとえば化合物(2)が低粘性であること、あるいは該化合物が他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れている点を重視する場合、0≦a+b+c+d≦1であることが好ましい。一方、化合物の高い液晶温度範囲を重視する場合、1≦a+b+c+d≦2であることが好ましい。
基中の炭素原子がアルキル基で置換された基としては、−CH2C(CH3)2−などが挙げられる。
Qとしては、原料の入手の容易さから、−CH2−または−CH2CH2−が特に好ましい。
また、式(2)において、c=d=0の場合、前記R2の好適構造に加えて、前記(C2)で表される基が前記式(C22)で表される基であるのが好ましい。
第1工程:塩基存在下、化合物(1)と化合物(3)を反応させ化合物(4)を得る工程。
第2工程:化合物(4)を脱水し、化合物(5)へと変換する工程。
第3工程:化合物(5)を水素還元し、化合物(2)へと変換する工程。
また、シクロヘキサノン誘導体化合物(3)は、市販品あるいは新実験科学講座(丸善株式会社出版)等、有機合成の成書に記載されている方法にて容易に得られる。
化合物(3)の使用量は化合物(1)1モルに対し、2〜0.33モルが好ましく、1〜0.5モルがより好ましい。
塩基の使用量としては、化合物(1)に対して0.5〜5当量が好ましく、0.8〜1.2当量がより好ましい。
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
R11:水素原子、−SF5、炭素数1〜18のアルキル基、または前記式(C12)で表される基。該基中の1個以上の−CH2−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
R21:水素原子、−SF5、炭素数1〜18のアルキル基、または前記式(C22)で表される基。該基中の1個以上の−CH2−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
A11、A21、A31、A41:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、または1,4−フェニレン基。該基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、基中に存在する1個または2個の=CH−基は窒素原子に置換されていてもよく、1個または2個の−CH2−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子に置換されていてもよい。
Z11、Z21、Z31、Z41:相互に独立して、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基であり、基中の1個以上の−CH2−はエーテル性酸素原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
a、b、c、d、およびXは前記と同じ意味である。
また、式(3)において、c=d=0の場合、式(3−1)で表される化合物は、前記式(C32)で表される化合物であってもよい。
また、式(4)において、c=d=0の場合、下記式(C4−1)で表される基は、前記式(C42)で表される基であってもよい。
ただし、式中の記号は以下の意味を示す。
R12:炭素数1〜10のアルキル基、または前記式(C12)で表される基。該アルキル基中の1個以上の−CH2−はエーテル性酸素原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
R22:炭素数1〜10のアルキル基、または前記式(C22)で表される基。該アルキル基中の1個以上の−CH2−はエーテル性酸素原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
A12、A22、A32、A42:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、または1,4−フェニレン基。該基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
Z12、Z22、Z32、Z42:相互に独立して、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基。
a、b、c、d、およびXは前記と同じ意味である。
また、式(3−2)において、c=d=0の場合、式(3−2)で表される化合物は、前記式(C32)で表される化合物であってもよい。
また、式(4)において、c=d=0の場合、下記式(C4−2)で表される基は、前記式(C42)で表される基であってもよい。
ただし、式中の記号は前記と同じ意味を示す。
ただし、式(4−1)において、c=d=0の場合、前記式(C4−1)で表される基は、前記式(C42)で表される基であってもよい。
また、式(5−1)において、c=d=0の場合、下記式(C5−1)で表される基は、前記式(C52)で表される基であってもよい。
ただし、式中の記号は前記と同じ意味を示す。
ただし、式(4−2)において、c=d=0の場合、前記式(C4−2)で表される基は、前記式(C42)で表される基であってもよい。
また、式(5−2)において、c=d=0の場合、下記式(C5−2)で表される基は、前記式(C52)で表される基であってもよい。
ただし、式中の記号は前記と同じ意味を示す。
ただし、式(5−1)において、c=d=0の場合、前記式(C5−1)で表される基は、前記式(C52)で表される基であってもよい。
また、式(2−1)において、c=d=0の場合、下記式(C2−1)で表される基は、前記式(C22)で表される基であってもよい。
ただし、式中の記号は前記と同じ意味を示す。
ただし、式(5−2)において、c=d=0の場合、前記式(C5−2)で表される基は、前記式(C52)で表される基であってもよい。
また、式(2−2)において、c=d=0の場合、下記式(C2−2)で表される基は、前記式(C22)で表される基であってもよい。
Cy:トランス−1,4−シクロヘキシレン基
Ph:1,4−フェニレン基
Ph2−F:2−フルオロ−1,4−フェニレン基
Ph3−F:3−フルオロ−1,4−フェニレン基
Ph2,3−FF:2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基
Ph2,6−FF:2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン基
Ph3,5−FF:3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−C3H7
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−C5H11
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−C3H7
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−C5H11
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Cy−C3H7
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Cy−C5H11
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−Ph−C3H7
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−Ph−C5H11
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2−F−C3H7
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−Ph3−F−C5H11
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2,6−FF−C3H7
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−Ph3,5−FF−C5H11
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2,3−FF−C3H7
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Ph−C3H7
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Ph−C5H11
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2−F−C3H7
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Ph3−F−C5H11
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2,6−FF−C3H7
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Ph3,5−FF−C5H11
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2,3−FF−C3H7
CH3−Cy−CF2CF2−Cy−Cyk
C3H7−Cy−CF2CF2−Cy−Cyk
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cyk
C3H7−Cy−Cy−CF2CF2−Cy−Cyk
Cyk−CF2CF2−Cy−Ph−C3H7
Cyk−CF2CF2−Cy−Ph−C5H11
Cyk−CF2CF2−Cy−Ph2−F−C3H7
Cyk−CF2CF2−Cy−Ph3−F−C5H11
Cyk−CF2CF2−Cy−Ph2,6−FF−C3H7
Cyk−CF2CF2−Cy−Ph3,5−FF−C5H11
Cyk−CF2CF2−Cy−Ph2,3−FF−C3H7
Cyk−Cy−CF2CF2−Cy−Ph−C3H7
Cyk−Cy−CF2CF2−Cy−Ph−C5H11
Cyk−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2−F−C3H7
Cyk−Cy−CF2CF2−Cy−Ph3−F−C5H11
Cyk−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2,6−FF−C3H7
Cyk−Cy−CF2CF2−Cy−Ph3,5−FF−C5H11
Cyk−Cy−CF2CF2−Cy−Ph2,3−FF−C3H7
式中の記号Cykは以下の意味を示す。
窒素雰囲気下、4−ペンチルシクロヘキサノン(0.3g)と化合物(1A)(トランス体)(1.1g)をジエチルエーテル(9mL)に溶解し、撹拌した。反応液を−78℃に冷却し、メチルリチウムの1.5Mジエチルエーテル溶液(2.1mL)を滴下した。1時間後、室温まで昇温し、1M塩酸(5mL)を加えた後、有機相を分離した。得られた有機相を重曹水、水の順で洗浄したのち、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(4A)(0.79g)を得た。純度:65%、収率:73%(4−ペンチルシクロヘキサノン基準)。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−115.11and−115.14(mc,2F,CF2),δ−122.67and−122.74(mc,2F,CF2)
実施例1において、化合物(1A)(トランス体)(1.1g)の代わりに化合物(1B)(トランス体)(0.95g)を用いる以外は実施例1と同様に反応を行い、化合物(4A)(0.48g)を得た。 純度:62%、収率:42%(4−ペンチルシクロヘキサノン基準)。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−115.11and−115.14(mc,2F,CF2),δ−122.67and−122.74(mc,2F,CF2)
化合物(4A)(7.69g)(純度62%)をピリジン(8.6g)、トルエン(54mL)溶液に溶解した。次いで、塩化チオニル(3.7g)を加え、80℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、5%水酸化ナトリウム溶液(30mL)に注ぎ込んだ。有機相を分液し、水で洗浄した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(5A)(5.7g)を得た。純度:81%、収率:100%。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−112.27(mc,2F,CF2),δ−117.89(mc,2F,CF2)
化合物(5A)(5.7g)(純度81%)の酢酸エチル(30mL)溶液に5%パラジウム炭素(0.5g)を加えて、水素圧0.75MPaで室温にて2時間撹拌した。触媒をろ別した後、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶にて精製し、化合物(2A)(トランス−トランス体)(1.6g)を得た。純度:99.7%、収率:34%。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−116.73(mc,4F,CF2CF2)
窒素雰囲気下、シクロヘキサノン(0.3g)と化合物(1A)(1.9g)をメチル−t−ブチルエーテル(9mL)に溶解し、撹拌した。反応液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムの1.6Mヘキサン溶液(3.4mL)を滴下した。1時間後、室温まで昇温し、1M塩酸(4mL)を加えた後、有機相を分離した。得られた有機相を重曹水、水の順で洗浄したのち、溶媒を留去し、化合物(4B)(1.8g)を得た。純度:30%、収率:54%。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−115.05(mc,2F,CF2),δ−122.00(mc,2F,CF2)
窒素雰囲気下、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−オン(18g)と化合物(1C)(トランス−トランス体)(110g)(純度79%)をジエチルエーテル(1200mL)に溶解し、撹拌した。反応液を−78℃に冷却し、メチルリチウムの1.5Mジエチルエーテル溶液(300mL)を滴下した。1時間後、室温まで昇温し、塩化アンモニウム水溶液(600mL)を加えた後、有機相を分離した。得られた有機相を重曹水、水の順で洗浄したのち、溶媒を留去し、した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(4C)(49.5g)を得た。純度:84%、収率:77%(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−オン基準)。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−115.06(mc,2F,CF2),δ−121.91(mc,2F,CF2)
化合物(4C)(48g)(純度84%)をピリジン(61.5g)、トルエン(336mL)溶液に溶解した。次いで、塩化チオニル(27.9g)を加え、70℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、5%水酸化ナトリウム溶液(230mL)に注ぎ込んだ。有機相を分液し、水で洗浄した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(5C)(39.1g)を得た。純度:99.6%、収率:100%。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−112.26(mc,2F,CF2),δ−117.79(mc,2F,CF2)
化合物(5C)(38.6g)(純度99.6%)の酢酸エチル(386mL)溶液に5%パラジウム炭素(4g)を加えて、水素圧0.75MPaで75℃にて2時間撹拌した。触媒をろ別した後、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶にて精製し、化合物(2C)(31.5g)を得た。純度:94%、収率:77%。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−116.21(mc,2F,CF2),δ−116.79(mc,2F,CF2)
実施例6において化合物(1C)(トランス−トランス体)(110g)(純度79%)の代わりに化合物(1D)(トランス体)(107g)(純度79%)を用いる以外は実施例6と同様な方法で反応を行い化合物(4D)(47.5g)を得た。純度:80%、収率:73%(1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−8−オン基準)。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−110.01(mc,2F,CF2),δ−121.23(mc,2F,CF2),δ−138.86(mc,1F,Ph−F),δ−142.85(mc,1F,Ph−F)
実施例7において化合物(4C)(48g)(純度84%)の代わりに化合物(4D)(49g)(純度80%)を用いる以外は実施例7と同様な方法で反応を行い化合物(5D)(35.4g)を得た。純度:99.6%、収率:94%。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−111.96(mc,2F,CF2),δ−116.35(mc,2F,CF2),δ−138.80(mc,1F,Ph−F),δ−142.72(mc,1F,Ph−F)
実施例8において化合物(5C)(38.6g)(純度99.6%)の代わりに化合物(5D)(37.7g)(純度99.6%)を用いる以外は実施例8と同様な方法で反応を行い化合物(2D)(32.6g)を得た。純度:96%、収率:83%。
19F−NMR(CHCl3,CFCl3):δ−112.62(mc,4F,CF2CF2),δ−138.80(mc,1F,Ph−F),δ−142.74(mc,1F,Ph−F)
Claims (5)
- 下記式(1)で表される化合物を、塩基存在下、下記式(3)で表される化合物と反応させて、下記式(4)で表される化合物を得る工程を含む、下記式(2)で表される化合物の製造方法:
R 1 :水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF 5 、炭素数1〜18のアルキル基、または下記式(C12)で表される基。前記アルキル基中の1個以上の−CH 2 −はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
R 2 :水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF 5 、炭素数1〜18のアルキル基、または下記式(C22)で表される基。前記アルキル基中の1個以上の−CH 2 −はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
A 1 、A 2 、A 3 、A 4 :相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、または1,4−フェニレン基。
A 1 〜A 4 の基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該基中に存在する1個または2個の=CH−基は窒素原子に置換されていてもよく、1個または2個の−CH 2 −基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子に置換されていてもよい。
Z 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 :相互に独立して、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基であり、基中の1個以上の−CH 2 −はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子に置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
X:ヨウ素原子、臭素原子。
a、b、c、d:相互に独立して0または1である。ただし、0≦a+b+c+d≦2を満たす。
ただし、a=b=0の場合に下記式(C1)で表される基
ただし、c=d=0の場合の式(3)で表わされる化合物は、下記式(C32)で表される化合物であってもよい。
- 前記式(4)で表される化合物を、下記式(5)で表される化合物に変換して、下記式(5)で表される化合物を得る工程を含む、請求項1に記載の製造方法:
- 下記第1工程、第2工程および第3工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
第1工程:下記式(1)で表される化合物を塩基存在下、下記式(3)で表される化合物と反応させて下記式(4)で表される化合物を製造する工程。
第2工程:下記式(4)で表される化合物を脱水し、下記式(5)で表される化合物へと変換する工程。
第3工程:下記式(5)で表される化合物を水素還元し、下記式(2)で表される化合物へと変換する工程。
- 下記式(4)で表される化合物:
- 下記式(5)で表される化合物:
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