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JP5561609B2 - 二重壁構造を有する合成樹脂製ボトル - Google Patents

二重壁構造を有する合成樹脂製ボトル Download PDF

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Description

本発明は、インサート成形技術を利用して成形した二重壁構造を有する合成樹脂製ボトルに関するものである。
二重壁構造の合成樹脂製ボトルとして、外殻体を透明にした構成のものが優れた光学的な加飾機能が発揮できることから、高級感のあるパーケージングで商品の差別化が要望される化粧料容器への利用展開が進んでいる。
その二重壁構造の成形手法として、内層を構成するボトル本体の一部もしくは全体をインサート材とし、透明な外殻体を射出成形により成形するインサート成形手法が知られている。
このインサート成形にあっては、インサート材となるボトル本体を金型内に保持し、ボトル本体の外周面と割金型との間に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を射出して充填する。たとえば、特許文献1には、ボトル本体をインサート材として割金型に組付け、ボトル本体内に冷却水を循環供給して冷却する方法が記載されている。
特開昭49−083751号公報
上記説明したような二重壁構造を有するボトルでは、ボトル本体と外殻体とを密着させることができる。
ボトル本体と外殻体を密着させた場合、ボトル本体の胴部外周面の色彩や模様は、ぼんやり浮き上がるような幻想的な味わいの装飾感を醸し出し、胴部外周面に積層した印刷層等の加飾層は、透明な外殻体の周壁中に浮き上がり、視る角度や位置によって見え方が変わる複雑な立体感のある、光学的な装飾効果(以下、立体装飾効果と記す)を発揮させることができる。
しかし、上記のような二重壁構造を有するボトルでは、ボトル本体と外殻体が融着される材料の組合せに制約がある。例えば、ボトル本体と外殻体が同系統の材質ならば、両者の材料を融着させることも可能であるが、必ずしも強い融着力を有するとは限らない。
また、異系統の材料を用いた場合、両者の融着力は同系統の材質を用いた場合に比べ融着する可能性は低いものとなる。
融着力の強さに係わらず、ボトル本体と外殻体が密着していれば、上述した立体装飾効果は得られる。しかし、ボトル本体と外殻体が強く融着していなければ、予期せぬ衝撃を受けた時、ボトル本体と外殻体の弾性の違いなどから弱い融着力で密着している部分(以下、密着部分と記す)が剥離することがある。
例えば、PET系材料で形成された二重壁構造を有するボトルを側面から落下させると、ボトルの接地部が少し潰れる扁平変形を起こし(図2Fa)、接地部の左右横側(図2HL, HR)の有底筒形状の外殻体の開口部近傍が剥離する(図2Fb, Fc)。
このような剥離部分は、密着部分と装飾効果が異なる。ボトル本体と外殻体の密着部分では上記の立体装飾効果が得られる。しかし、剥離部分では上記の立体装飾効果は得られにくい。
従って、二重壁構造を有するボトルが剥離を起こすと、当初は該ボトル側面全面に立体装飾効果を備えていても、衝撃によって生じた剥離部分で部分的に立体装飾効果を失うため、局所的に立体装飾効果を失ったまだら模様を呈することになり、醜い外観を与えてしまう。
上記のように、予期せぬ衝撃により立体装飾効果を失う問題を解決するため、本発明は、高級感のあるパッケージングの実現を目的とした二重壁構造を有するボトルの剥離を防止し、予期せぬ衝撃に対して、立体装飾効果が失われることのない二重壁構造を有する合成樹脂製ボトルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の主たる構成は、口筒部を有する合成樹脂製ブロー成形壜体であるボトル本体と、該ボトル本体の胴部と底部を外装する有底筒状の透明な合成樹脂製の外殻体とから構成され、前記外殻体は前記ボトル本体をインサート材とした射出成形により形成され、前記外殻体と前記ボトル本体とが密着している二重壁構造を有する合成樹脂製ボトルであって、前記外殻体内周面と前記ボトル本体の胴部外周面の密着部分の上端部のみに、接着層を周設したことを特徴とする、と云うものである。
上記のように、外殻体とボトル本体との密着部分の上端部のみに接着層を周設したことで、外殻体とボトル本体との密着部分が接着されているため、予期せぬ衝撃を受けた場合でも二重壁構造を有するボトルに剥離が生じることを防ぐことができる。
ボトル本体は目的に応じて不透明なものとすることができるし、透明なものとすることもできる。
尚、透明な外殻体は、上記の立体装飾効果が得られるような、半透明なもの、あるいは、着色透明なものもでもよい。
密着部分の剥離は、外殻体がボトル本体の胴部と底部を外装する形状のものにあっては、実験的な知見によれば、閉じている底部でなく、外殻体の開口部近傍に発生しやすい(図2参照)。
上記の外殻体の開口部近傍に生じる剥離を防ぐには、この剥離の生じる部分、すなわち、外殻体の内周面とボトル本体の胴部外周面の密着部分の「上端部」を接着することが有効である。
上記のように構成すれば、密着部分の全域を接着していなくても、密着部分の剥離を防ぐ大きな効果が得られる。
なお、接着層を密着部分の全域に設けた場合には、ボトル本体と外殻体は強固に接着するため、密着部分の剥離を確実に防止できる。また、異質な相性の悪い材料同士であっても、二重壁構造のボトルを構成できる。
これにより、外殻体及びボトル本体の材質に関する制約が殆どなくなり、より高い装飾効果を得るために、外殻体及びボトル本体の材料の選択枝を増やすことができる。
本発明の他の構成は、上記の主たる構成において、ボトル本体の胴部外周面に加飾層を有し、該加飾層を接着層で被覆する構成とした、と云うものである。
加飾層を設けたボトル本体をインサート材として外殻体をインサート成形すると、該加飾層が外殻体を形成する高温の溶融樹脂に接触するため劣化する恐れがある。しかし、上記の構成のように、該加飾層を接着層で被覆すれば、接着効果だけでなく、加飾層の劣化を接着層によって保護する効果も期待できる。
本発明のさらに他の構成は、上記の主たる構成において接着層を転写フィルムを用いて形成したと云うものである。この場合、接着剤を転写フィルムに加工して用いる。尚、転写フィルムには転写箔を含む。
転写フィルムを用いて接着層を形成する場合、凹凸のある複雑な面に転写形成することは難しい。しかし、目的とする位置及び範囲に、正確に接着層を形成することが可能である。
本発明のさらに他の構成は、上記の主たる構成において接着層を塗布形成したと云うものである。
塗布形成は、吹き付け、どぶ漬け、あるいは、ローラによる接着剤の塗布等、何れの方法も可能である。上記塗布により接着層を形成する場合、広範な領域に接着層を簡単に形成できる。尚、塗布の場合においても、転写フィルムの場合と同様に、接着層を形成する範囲は、密着部分の上端部だけでも全域でも良い。
本発明は、上記した構成となっているので、以下の示す効果を奏する。
外殻体内周面とボトル本体の胴部外周面の密着部分に、接着層を周設したことにより、予期せぬ衝撃に対して、ボトル本体と外殻体の弾性の違いによる前記の密着部分の剥離を未然に防ぐことが可能である。このため、二重壁構造を有するボトルの優れた特徴である上記の立体装飾効果を失うことなく、予期せぬ衝撃に対して、この立体装飾効果を維持できる。
前記の密着部分の上端部にのみ接着層を設けることで、外殻体の開口部近傍の剥離しやすい密着部分を接着しているため、密着部分の剥離を防ぐ大きな効果が得られる。
また、ボトル本体に設けた加飾層を接着層で被覆する構成としたことで、該ボトル本体をインサート材として外殻体をインサート成形しても、接着層によって加飾層が保護されているため、該加飾層が外殻体を形成する高温の溶融樹脂に直接接触して劣化することを防ぐことができる。
着部分の剥離を確実に防止できるため、異質な相性の悪い材料同士であっても二重壁構造を有するボトルを構成可能となる。外殻体及びボトル本体の材質に関する制約が殆どなくなるため、より装飾効果を有する材料の組合選択が可能になり、従来方法で使用されていた材料以外の装飾効果の高い材料の組合せによっても、二重壁構造を有するボトルを形成することができる。
さらに、転写フィルムを用いて接着層を形成することで、目的とする位置及び範囲に正確に接着層を形成することが可能である。また、塗布によって接着層を形成することで、広範な領域に接着層を簡単に形成できる。
従来の二重壁構造を有するボトルの例。 従来のボトルを側面から落下させる前の断面図(a)、落下時に剥離が生じた場合の断面図(b)。 実施のボトルの半縦断面図(a)、底面図(b)。 実施のボトル本体の正面図(a)、底面図(b)。 実施の接着フィルムの説明図。 本発明の成形方法の説明に供する成形前の金型構成図。 本発明の成形方法の説明に供する成形後の金型構成図。 参考例のボトルの半縦断面図(a)、底面図(b)。 参考例のボトル本体の正面図(a)、底面図(b)。
図1及び図2は従来の二重壁構造を有する合成樹脂製ボトル(以下、単にボトルと記す。)の説明図である。
図1は ボトル1の全体斜視図である。また、図2は、図1に示したボトル1を側面から地上に落下させた場合に、これによって生じる剥離に関しての説明図である。
ボトル1はボトル本体2と外殻体3から構成されており、円筒状の口筒部4、肩部5、円筒状の胴部6及び底部7を有する。
ボトル1は、全高さが85mm、胴部6の径が47mmの壜体である。
ボトル本体2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製の着色した、2軸延伸ブロー成形品である。
ボトル本体2の胴部26の外周面には、加飾層17が配置、積層されている。
外殻体3は、透明なポリエステル樹脂系のPCTA樹脂製としており、円筒状の筒状部36と底部37からなる有底筒状体である。
筒状部36周壁の肉厚は2.5mmである。また、底部37の肉厚は薄い部分で3.5mmである。
図2では、図1のボトル1を側面から落下させた場合、その衝撃により剥離が生じることを説明する。
PET樹脂によって形成されたボトル本体2をインサート材として、PCTA樹脂によって外殻体3をインサート成形してボトル1を形成すると、外殻体3の内周面とボトル本体2の外周面とは、融着により密着する。
上記のボトル1を、図2(a)のように、側面から面Gに落下させた場合、面Gとボトル1の接触面に瞬間的に非常に強い衝撃力が加わる(図中Fa)。この衝撃力によって、ボトル1は僅かに横長方向に扁平する。
この扁平変形は、外側の外殻体3と内側のボトル本体2の双方とも受けるが、外殻体3とボトル本体2の弾性の違いなどから、外側の外殻体3と内側のボトル本体2の密着部分の内、上端部となる肩部領域の剥離しやすい部分に僅かに隙間(図中HL, HR)が生じるように作用する(図中Fb, Fc)。この衝撃で密着状態が解消され、外殻体3とボトル本体2とが剥離する。
ボトル1は、透明な外側の外殻体3と、不透明な内側のボトル本体2とを密着させることで、内側のボトル本体2の表面がぼんやり浮き上がるような幻想的な味わいの装飾感を醸し出し、該胴部26外周面に積層した加飾層17は、透明な外殻体の周壁中に浮き上がり、視る角度や位置によって見え方が変わるものである(立体装飾効果)。
しかし、密着状態が解消されて剥離すると、上記の立体装飾効果も失われる。このため、落下等の不測の衝撃によって部分的に剥離すると、ボトル1の側面に施された立体装飾効果は、剥離部分で失われる。従って、ボトル本体2側面は、剥離部分だけ立体装飾効果が消えて、胴部26外周面の色彩や模様が、外殻体3を素通しして見えることとなり、醜い外観を与えてしまう。
以下、本発明の実施形態を、図3から図を参照しながら説明する。
図3〜図7には、本願発明の実施を示す。
図3(a)は実施のボトル11の半縦断面図、図3(b)は底面図、図4(a)はボトル本体2の正面図、図4(b)は底面図、図5(a)及び(b)は接着層13の説明図である。
実施では、図3(a)に示すように、外殻体3の内周面とボトル本体2の胴部26外周面の密着部分の上端部のみに、接着層13が周設されている。
また、ボトル本体2の胴部26外周面には予め加飾層17が設けられており、該加飾層17を接着層13で被覆する構成にもなっている。
図3(a)に示すボトルを形成するには、例えば、ボトル本体2を予めブロー成形により形成し、該ボトル本体2の外周面に転写により接着層13を形成し、これをインサート材として外殻体3を射出成形する。
図5にはボトル本体2の外周面に転写により接着層13を形成した例を示す。転写フィルム15は接着層13とフィルム14を有する。該接着層13はエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)によって形成されている。これは、熱可塑性樹脂を主成分としたホットメルト接着剤であり、常温では固形または半固形のものである。フィルム14はPETフィルムである。
上記のようなホットメルト接着剤を用いた接着層13を用いれば、インサート成形時に、外殻体3を構成する高温の溶融樹脂によって一旦溶融し、これが冷却することで強固な接着力が得られる。
図5(a)のように、転写フィルム15の接着層13が加飾層17を被覆するようにボトル本体2に貼着する。転写フィルム15は、図4(a)に示されるように、外殻体3内周面とボトル本体2胴部外周面の密着部分の上端部に配置されるように、ボトル本体2の胴部26の上端部の目的とする位置及び範囲に正確に貼着する。貼着後にフィルム14を除去すれば、加飾層17を被覆し、かつ密着部分の上端部に配置されるように、正確に接着層13が形成できる。
このように接着層13を設けたボトル本体2をインサート材として外殻体3を射出成形すれば、外殻体3を形成する高温な溶融樹脂と接触して接着層13は溶融し、図5(b)のように、ボトル本体2と外殻体3の密着部分を強固に接着することができる。
図6、7はボトル本体2をインサート材として外殻体3を成形するための射出金型41の構成例と、ボトル11の成形手順例を説明する図で、図6は成形前の金型構成図、図7は成形後の金型構成図、である。
図6のように、射出金型41は、主としてボトル本体保持部42とキャビティ金型43とから構成されている。
接着層13を設けたボトル本体2はその口筒部4をボトル体保持部42で固定し、キャビティ金型43内に垂下状にセットされ、ボトル本体2をコア部としての機能を発揮するインサート材とし、キャビティ金型43との間に溶融樹脂を充填して外殻体3が成形されるキャビティ44が形成されている。
キャビティ金型43のボトル本体2の底部27に対向する位置にはキャビティ44と連通するようにゲート口47が配設されている。
また、垂下設されたボトル本体2にはエアピン46が挿入されておりこのエアピン46は、その先端をボトル本体2の底部27に当接させ、その先端部に冷却エアaの噴出孔を開口させている。
そして、ボトル本体2には、エアピン46を介して冷却エアaが循環供給されるが、この冷却エアaは、冷却機により冷たくした空気を使用しても良いし、射出される溶融樹脂よりも温度の低い常温空気を使用しても良い。
そして、図6に示されるようにキャビティ金型43内にボトル本体2をセットした状態で、外殻体3を形成する合成樹脂、本実施例ではPCTA樹脂を溶融した状態でゲート口47からキャビティ44に射出する。
この際、溶融樹脂は図6中に示めされる白抜き矢印のようにボトル本体2の底部27に衝突するように流動し、胴部26の周壁に回り込み、その後周壁に沿って胴部26の上端部まで流動し、キャビティ44を充填し、図7のように外殻体3が成形される。ホットメルト接着剤を用いた接着層13は、外殻体3を形成する高温の溶融樹脂と接して融解する。
加飾層17は接着層13に被覆されて保護されているため、高温の溶融樹脂とは直接接触せず、加飾層17の劣化を防ぐことができる。
上記のように成形した場合、外殻体3を形成する、射出された高温溶融樹脂が冷却されると、外殻体3は縮小してボトル本体2と外殻体3とが密接状態に形成される。また、高温の溶融樹脂と接して融解していたホットメルト接着剤を用いた接着層13も冷却され固化し、外殻体3とボトル本体2は前記の接着層13を介して強固に接着される。
実施のボトル11では、転写フィルム15を用いて形成した接着層13が外殻体3の内周面とボトル本体2の胴部26外周面の密着部分の上端部にのみ形成されている。
尚、実施の壜体では外殻体3の筒状部36の肉厚を2.5mm、また底部37の肉厚は薄い部分で3.5mmとしている。
勿論、外殻体3の周壁の厚さに係る上記数値はあくまでも目安であり、ボトル本体2に使用する樹脂の耐熱性や、ボトル本体2の周壁の肉厚等を考慮して適宜設定するものである。
図8〜図9には、上記の剥離を防ぐ参考例を示す。
図8(a)は参考例のボトル12の半縦断面図、図8(b)は底面図、図9(a)はボトル本体2の正面図、図9(b)は底面図である。
参考例では、図8(a)に示すように、外殻体3の内周面とボトル本体2の胴部26外周面の密着部分の全面が接着されている。
図8(a)に示すボトルを形成するには、例えば、ボトル本体2を予めブロー成形により形成し、図9(a)のように、該ボトル本体2の外周面に塗布により接着層13を形成する。接着層13には、透明な溶剤可溶型のアクリル系樹脂を用いている。該接着層13は密着部分の全面に上記接着剤を塗布して形成されているため、加飾層17は該接着層13に被覆されている。
実施と同様に、接着層13を設けたボトル本体2をインサート材として、外殻体3を射出成形すればよい(図6、図7参照)。上記インサート成形によりボトル12を形成すれば、外殻体3とボトル本体2は該接着層13を介して強固に接着される。
塗布による接着層13の形成は、図示しないが、吹き付け、どぶ漬け、ローラによる接着剤の塗布等、何れの方法も可能である。何れの方法によっても、ボトル本体2の広範な領域に接着層13を簡単に形成できる。
上記の参考例は、ボトル本体2の胴部26外周面の、外殻体3の内周面との密着部分の全域に接着層13を設けてインサート成形していることにより、接着層13を介してボトル本体2と外殻体3が非常に強固に接着するため、材料同士の相性を意識せず、様々な材料によって外殻体3とボトル本体2を構成することが可能である。
以上、実施例に沿って、本発明の二重壁構造を有する合成樹脂製ボトルの構成と、その作用効果について説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
例えば、ボトル本体と外殻体の形状の組み合わせについて、上記実施例では円筒状の胴部に円筒状の筒状部を組み合せたものとしたが、外殻体を多角形筒状としてクリスタルガラス状にする等、様々な組み合わせを採用することができる。
また、ボトル本体2や外殻体3に使用される合成樹脂材についても限定されることはなく、上記実施例のPET樹脂とPCTA樹脂と云う組み合せの他にも、その相性を考慮しながら、ポリプロピレン(PP)樹脂製の2軸延伸ブロー成形品であるボトル本体2にエチレン系アイオノマー樹脂製の外殻体3を組み合せる等、成形性を含めて要求される特性を発揮できる樹脂材料を、自由に選択、使用できるのは云うまでもない。
さらに、例えばPP樹脂製の2軸延伸ブロー成形品で、PP樹脂に微粉末フィラーを分散し、ボトル本体2が白色を基調としてパール調の外観を呈するようにする等により加飾態様のバリエーションを多様にすることができる。
また、接着層13を構成する接着剤も、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いたホットメルト接着剤だけでなく、アクリル樹脂系の接着剤、あるいは、エポキシ樹脂系の接着剤など、一般的な樹脂系の接着剤を用いることができる。尚、接着剤も必要に応じて自由に選択できることは云うまでもない。
また、接着層13の配設位置は実施例に限るものではなく、少なくとも外殻体3の上端部を含む肩部領域に設ける構成とすればよく、加飾層17を被覆するかは材料の選定、成形条件、加飾配設位置等、を考慮し適宜選定すればよい。
以上のように、本発明の二重壁構造を有する合成樹脂製ボトルは、ボトル本体胴部の色彩、模様、及び胴部外周部に設けられた加飾層の装飾を、ボトル本体と密着させた透明な外殻体を通して視ることによって、ボトル本体の胴部外周面の色彩や模様は、ぼんやり浮き上がるような幻想的な味わいの装飾感を醸し出し、該胴部外周面に積層した印刷層等の加飾層は、透明な外殻体の周壁中に浮き上がり、視る角度や位置によって見え方が変わる複雑な立体感のある光学・視覚的装飾効果(立体装飾効果)を得るものであり、予期せぬ衝撃が与えられても、上記の立体装飾効果を失わず維持できるものである。従って、特に高級感を求められる化粧品容器等の分野で幅広い利用が期待される。
1 ;ボトル
2 ;ボトル本体
3 ;外殻体
4 ;口筒部
5 ;肩部
6 ;胴部
7 ;底部
11 ;ボトル(実施
12 ;ボトル(参考例
13 ;接着層
14 ;フィルム
15 ;転写フィルム
17 ;加飾層
24 ;口筒部
25 ;肩部
26 ;胴部
27 ;底部
31 ;外殻体
36 ;筒状部
37 ;底部
41 ;射出金型
42 ;ボトル本体保持部
43 ;キャビティ金型
44 ;キャビティ
46 ;エアピン
47 ;ゲート口
Fa ;接地部分に加わる作用
Fb ;外殻体の左横部に剥離を生じさせる作用
Fc ;外殻体の右横部に剥離を生じさせる作用
G ;面
HL ;剥離部分(左横部分)
HR ;剥離部分(右横部分)
a ;冷却エア

Claims (4)

  1. 口筒部(4)を有する合成樹脂製ブロー成形壜体であるボトル本体(2)と、該ボトル本体(2)の胴部(26)と底部(27)を外装する有底筒状の透明な合成樹脂製の外殻体(3)とから構成され、前記外殻体(3)は前記ボトル本体(2)をインサート材とした射出成形により形成され、前記外殻体(3)と前記ボトル本体(2)とが密着している二重壁構造を有する合成樹脂製ボトルであって、
    前記外殻体(3)内周面と前記ボトル本体(2)の胴部(26)外周面の密着部分の上端部のみに、接着層(13)を周設したことを特徴とする二重壁構造を有する合成樹脂製ボトル。
  2. ボトル本体(2)の胴部(26)外周面に加飾層(17)を設け、該加飾層(17)を接着層(13)で被覆する構成とした、請求項に記載の二重壁構造を有する合成樹脂製ボトル。
  3. 接着層(13)を転写フィルム(15)を用いて形成した請求項1または請求項に記載の二重壁構造を有する合成樹脂製ボトル。
  4. 接着層(13)を塗布形成した請求項1から請求項の何れか1項に記載の二重壁構造を有する合成樹脂製ボトル。
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