JP5543895B2 - 熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物 - Google Patents
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(1)下記(A)、(B)、(D)および(E)成分を含む、熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物:
(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂:100重量部
(B)窒化硼素:10〜120重量部
(C)繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であるガラス繊維:20〜100重量部
(D)ハロゲン化フタルイミド系難燃剤:5〜40重量部
(E)アンチモン化合物:2〜20重量部。
(2)(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂として、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含む、(1)に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(3)(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂として、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を、該樹脂成分の20〜100重量%の割合で含む、(1)または(2)に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(4)(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を含有している、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(5)さらに、珪酸マグネシウム塩を含む、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(6)(B)窒化硼素と珪酸マグネシウム塩の合計量が、(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、200重量部以下である、(5)に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(7)珪酸マグネシウム塩が、タルクである、(5)または(6)に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(8)珪酸マグネシウム塩が、嵩比重0.4g/ml以上のタルクである、(5)〜(7)のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(9)さらに、(F)白色顔料を、(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、10重量部以下の割合で含む、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(10)(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂が、実質的に、ポリブチレンテレフタレート系樹脂のみからなる、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(11)(D)ハロゲン化フタルイミド系難燃剤が臭素原子を含む、(1)〜(10)のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(12)(E)アンチモン化合物が、三酸化アンチモンである、(1)〜(11)のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(13)照明部材用である、(1)〜(12)のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
(14)(1)〜(13)のいずれか1項に記載のポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物を射出成形してなる成形体。
(15)(14)の記載の成形体が、LED照明用放熱部材であることを特徴とする成形体。
(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂:100重量部
(B)窒化硼素:10〜120重量部
(C)繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であるガラス繊維:20〜100重量部
(D)ハロゲン化フタルイミド系難燃剤:5〜40重量部
(E)アンチモン化合物:2〜20重量部。
ポリアルキレンテレフタレート系樹脂とは、テレフタル酸が全ジカルボン酸成分の50モル%以上を占め、エチレングリコール又は1,4−ブタンジオールが全ジオールの50重量%以上を占める樹脂をいう。テレフタル酸は全ジカルボン酸成分の70モル%以上を占めることがより好ましく、95モル%以上占めることがさらに好ましい。エチレングリコール又は1,4−ブタンジオールは全ジオール成分の70モル%以上を占めることがより好ましく、95モル%以上占めることがさらに好ましい。本発明においては、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート系樹脂が好ましい。
本発明に用いる(A−1)ポリアルキレンテレフタレート樹脂とは、いわゆるホモポリマーであって、テレフタル酸が全ジカルボン酸成分の50モル%以上を占め、エチレングリコールまたは1,4−ブタンジオールが全ジオールの50重量%以上を占める樹脂をいう。テレフタル酸は全ジカルボン酸成分の80モル%以上を占めるのが好ましく、95モル%以上を占めるのがさらに好ましい。エチレングリコール又は1,4−ブタンジオールは全ジオール成分の80モル%以上を占めるのが好ましく、95モル%以上を占めるのがさらに好ましい。
本発明に用いる(A−2)ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合ポリエステル樹脂(以下、「ポリエステルエーテル樹脂」と、いうことがある。)は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMGと言うことがある。)を主成分とするジオール類を共重合してなる、ポリエステルエーテル樹脂であり、PTMGに由来する成分の割合は、2〜30重量%である。この成分の割合が2重量%未満では所望の靭性の発現が困難であり、30重量%を超えると成形性が低下し、樹脂成形体の強度や耐熱性が不十分となる。PTMGに由来する成分の割合は中でも3〜25重量%、特に5〜20質%であることが好ましい。
ダイマー酸共重合ポリエステル樹脂は、1,4−ブタンジオールを主とするグリコールと、テレフタル酸、ダイマー酸とを共重合した、共重合ポリエステル樹脂である。
イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂は、1,4−ブタンジオールを主とするグリコールと、テレフタル酸及びイソフタル酸を主とするジカルボン酸を共重合した、共重合ポリエステル樹脂である。
本発明の樹脂組成物は、窒化硼素を、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、10〜120重量部の割合で含み、好ましくは、20〜100重量部であり、より好ましくは、30〜90重量部の割合で含む。窒化硼素を用いることによって、得られるポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物の熱伝導性を大きく向上させることができる。また、窒化硼素の含有量が多すぎると、成形加工性、耐衝撃性及び曲げ歪み特性が低下する場合があり、逆に少なすぎると熱伝導性が不充分となる場合がある。
本発明の樹脂組成物は、さらに、珪酸マグネシウムを含んでいても良い。珪酸マグネシウムを含むことにより、熱伝導性および耐トラッキング性能がより効果的に向上する傾向にある。本発明では、珪酸マグネシウム塩の配合量は、上記窒化硼素との合計量が、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、200重量部以下であることが好ましく、150重量部以下であることがより好ましく、100重量部以下であることがさらに好ましい。このような配合量で珪酸マグネシウム塩を含むことにより、熱伝導性および耐トラッキング性能が向上する傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であるガラス繊維を含んでいる。当該ガラス繊維の含量は、(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、20〜100重量部含み、30 〜90重量部含むことがより好ましい。
本発明に用いる(C)ガラス繊維は、Aガラス、Cガラス、Eガラス等の組成からなるものが好ましく、特に、Eガラス(無アルカリガラス)がポリアルキレンテレフタレート系樹脂の熱安定性に悪影響を及ぼさない点で好ましい。また一般的には、取り扱いの容易さや、高い強度・剛性および耐熱性を有する成形物を与える点などから、短繊維タイプ(チョップドストランド)のガラス繊維を使用することが好ましい。特に、耐衝撃特性が要求される樹脂成形体の場合には、樹脂成形体中のガラス繊維の繊維長をより長く保つ点から、長繊維タイプのものを使用することが好ましい。これらは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
この様な異形断面形状を有するガラス繊維を用いると、通常の断面形状が丸型(扁平率は1)の、いわゆる通常のガラス繊維を用いた場合と比較して、熱伝導率が特に良好となるので好ましい。これは異形断面形状を有するガラス繊維が樹脂成形体中において、とりわけ射出成形により得られた樹脂成形体において、その表面から樹脂成形体内部に向かう広い範囲に於いて、樹脂成形時の溶融樹脂の流れ方向に配向し、そしてこのガラス繊維の配向に沿って窒化硼素や珪酸マグネシウム等の板状無機化合物が配向することによると考えられる。
本発明の樹脂組成物は、ハロゲン化フタルイミド系難燃剤を、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、5〜40重量部の割合で含み、好ましくは、10〜35重量部であり、より好ましくは、15〜30重量部の割合で含む。本発明では、窒化硼素とハロゲン化フタルイミド系難燃剤を併用することにより、熱伝導性を向上することが可能になる。
ここで、ハロゲン化フタルイミド系難燃剤が含んでいるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、臭素原子が好ましい。
ハロゲン化フタルイミド系難燃剤は、公知の方法によって合成してもよいし、市販品を用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、アンチモン化合物を、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、2〜20重量部の割合で含み、好ましくは、3〜15重量部であり、より好ましくは、5〜12重量部の割合で含む。
アンチモン化合物としては三酸化アンチモン(Sb2O3)、五酸化アンチモン(Sb2O5)、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられ、三酸化アンチモンが好ましい。三酸化アンチモンを用いることにより、高い難燃効果が得られる。
本発明の樹脂組成物は、白色顔料を含んでいてもよい。白色顔料は、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、10重量部以下の割合で含み、好ましくは、1〜10重量部であり、より好ましくは、3〜10重量部の割合で含む。
白色顔料としては、後述する実施例で使用するものの他、公知の方法によって合成してもよいし、市販品を用いてもよい。
(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂
(A−1−1)PBT樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ノバデュラン(登録商標)5007(固有粘度:0.70dl/g)
(A−1−2)PBT樹脂:三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ノバデュラン(登録商標)5008(固有粘度:0.85dl/g)
(A−1−3)PET樹脂:三菱化学社製、商品名ノバペックスGS385
(B−1)窒化硼素:電気化学工業社製、商品名SGP(鱗片状、純度:99%、平均粒子径:18μm)
(B−2)タルク:松村産業社製、商品名ハイフィラー#12C(圧縮タルク、平均粒子径:5〜7μm、嵩比重:0.75〜0.9g/ml)
(B−3)タルク:松村産業社製、商品名ハイフィラー#12(平均粒子径:5〜7μm、嵩比重:0.2g/ml)
(C−1)日東紡社製、商品名CSG3PA−830(長円形断面、扁平率4、ポリエステル樹脂用)
(C−2)日本電気硝子社製、商品名T−187(丸型断面、エポキシシラン処理品、3mmチョップドストランド)
エチレンビステトラブロモフタルイミド:アルベマール社製、商品名BT−93W
(E−1)三酸化アンチモン:鈴裕化学社製、商品名ファイアカットAT−3CN
(E−2)五酸化アンチモン:日産化学工業社製(無水アンチモン酸ナトリウム)、商品名サンエポックNA−1070L
二酸化チタン:石原産業社製、商品名タイペークCR−60
酸化防止剤:ヒンダードフェノール系化合物、チバ・スペシャリティー・ジャパン社製、商品名イルガノックス1010
(炭素繊維)三菱樹脂社製、ダイアリード(登録商標)K223HE
テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂:阪本薬品工業社製、商品名SRT−3040
表1に記載の配合比(数値は質量部を示す)にて、ガラス繊維以外の成分を一括してスーパーミキサー(新栄機械製SK−350型)で混合し、L/D=42の2軸押出機(日本製鋼所社製、TEX30HSST)のホッパーに投入し、(C)ガラス繊維をサイドフィードして、吐出量20kg/時間、スクリュー回転数150rpm、バレル温度260℃の条件下押出してポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物のペレットを得た。その際の生産性を「原料フィード性」、「ストランド安定性」の2段階に分けて評価した。
前項記載の押出時における原料の充填しやすさを、次の3段階に分類した。
◎:フィード性良好で、問題なく押出可能。
○:吐出量を10kg/hとして問題なく押出可能
×:押出不可能
ストランドがダイス出口より押し出される際、振れが生じたり、太さが不均一になる等、挙動が不安定な場合には、ペレットサイズが揃わないことが問題となる。この様なペレットを用いて射出成形を行うと、射出シリンダー内でのスクリューの喰い込みが低下し、計量に時間を要する場合がある。この様な場合には通常、適宜、樹脂押出スクリューの回転数調整等の対処によりストランドの挙動が安定する。これを考慮して、ストランドの安定性を以下の4つに分けて評価した。
◎:上述の対処をせずに安定してストランド生産可能で、ペレットサイズも略均一な場合。
○:目視でペレットサイズの不揃いが見られる場合があるが、上述の対処をせずに安定してストランド生産可能な場合。
●:上述の対処を要するが、この対処により安定してストランド生産可能な場合。
×:上述の対処を施してもストランドが切れてしまい、安定してストランド生産ができない場合。
(1)ノッチ付きシャルピー衝撃強度:ISO 179に従って測定した。
(2)荷重撓み温度(DTUL):ISO 75−1,2に従って測定した。
(3)熱伝導率
射出成形機(住友重機械工業製、SH100、型締め力100T)を用いて、樹脂温度(パージ樹脂の実測温度):260℃、フィルムゲートを有する金型を用い、金型温度:80℃にて、金型: 縦100mm、横100mm、厚み3mmの成形品を射出成形し、迅速熱伝導率測定装置(京都電子工業製、Kemtherm QTM―D3)を用いて、熱伝導率を測定した。得られた試験片についてMD方向(縦方向)、TD方向(横方向)および厚み方向の熱伝導率について、それぞれ測定した。
熱伝導率は、0.1W/mKの差があれば、有為差があると言える。
試験片(厚さ3mmの平板)を、抵抗率計((株)アドバンテスト製:R8340デジタル超高抵抗/微少電流計およびR12704レジスティビティ・チェンバ)にて測定した。体積抵抗率はΩ・cmの単位で表示した。この値は1014Ω・cm以上であることが好ましい。
試験片(厚さ3mmの平板)について、120℃において400Wの水銀灯1灯を、25cmの距離から1000時間照射する促進劣化試験を行い、ΔE*を測定し耐光変色性を評価した。
射出成型機(日精樹脂工業(株)製:型式NEX−80)を使用し、シリンダー温度260℃、金型温度80℃で、図1に示すような、直径100mm、肉厚1.6mmの円盤状成形品を成形した。(ゲートは円周上の1点サイドゲート)
円板の片端を平板に固定し、反対側が平板から浮き上がった際の、最も浮き上がった箇所の高さを測定し反り量とした。この数値が小さいほど成形品にひずみがなく好ましい。
試験片(厚さ3mmの平板)について、国際規格IEC60112に定める試験法によりCTIを決定した。CTIは固体電気絶縁材料の表面に電界が加わった状態で湿潤汚染されたとき、100Vから600Vの間の25V刻みの電圧におけるトラッキングに対する対抗性を示すものであり、数値が高いほど良好であることを意味する。CTIは500V以上であるのが好ましい。
UL試験片(厚み0.8mm)について、アンダーライターズ・ラボラトリーズ(Underwriter’s Laboratories Inc.)のUL−94規格垂直燃焼試験により実施し
た。難燃性レベルは該規格に従い、V−0>V−1>V−2>HBの順で評価した。
表1に記載のガラス繊維以外の成分を一括してスーパーミキサー(新栄機械社製SK−350型)で混合し、L/D=42の2軸押出機(日本製鋼所社製、TEX30HSST)のホッパーに投入し、(C)ガラス繊維をサイドフィードして、吐出量20kg/時間、スクリュー回転数150rpm、バレル温度260℃の条件下押出してポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物のペレットを得た。
実施例6および比較例9では、得られた100×100×3mm厚みの板状成形品について、その中央部分約1×1cm部分を切削加工し、電子顕微鏡にて観察した結果を図2に示す。図2中、(a)および(b)は、断面が扁平なガラス繊維を用いた実施例6の成形品断面の写真を、(c)および(d)は、断面が丸型のガラス繊維を用いた比較例9の成形品断面の写真を、ぞれぞれ、示したものである。(a)および(c)は、上記切削加工した成形品を真横から見た図を示している。すなわち、画像上端と下端の実際の距離は3mmである。(b)および(d)は、(a)および(c)の点線の丸で囲んだ部分の拡大図を、それぞれ示している。また、(a)および(c)の矢印の部分が概ね、配向層とランダム層の境界である。配向層とは、樹脂の流動方向に沿って、ガラス繊維が均一に配向した層を意味し、ランダム層とは、ガラス繊維がランダムに存在している層を意味する。
図2では、矢印の内側の部分が概ねランダム層であり、外側の部分が概ね配向層である。図2から明らかなとおり、断面が扁平なガラス繊維を用いた場合(図2の(a))、配向層の部分の厚みが厚く、ランダム層の厚みが薄いことが分かる。一方、断面が丸型のガラス繊維を用いた場合(図2の(c))、配向層の厚みが薄く、ランダム層の厚みが厚いことが分かる。これより、扁平なガラス繊維を用いた場合(実施例6)、丸型のガラス繊維を用いた場合(比較例9)よりも窒化硼素やタルクが、ガラス繊維に沿って配向しやすく、結果的に、縦方向および横方向の熱伝導率が向上したと思量された。
Claims (15)
- 下記(A)、(B)、(D)および(E)成分を含む、熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物:
(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂:100重量部
(B)窒化硼素:10〜120重量部
(C)繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD1とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であるガラス繊維:20〜100重量部
(D)ハロゲン化フタルイミド系難燃剤:5〜40重量部
(E)アンチモン化合物:2〜20重量部。 - (A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂として、ポリブチレンテレフタレート系樹脂を含む、請求項1に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂として、共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を、該樹脂成分の20〜100重量%の割合で含む、請求項1または2に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂として、ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂を含有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- さらに、珪酸マグネシウム塩を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (B)窒化硼素と珪酸マグネシウム塩の合計量が、(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、200重量部以下である、請求項5に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- 珪酸マグネシウム塩が、タルクである、請求項5または6に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- 珪酸マグネシウム塩が、嵩比重0.4g/ml以上のタルクである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- さらに、(F)白色顔料を、(A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂100重量部に対し、10重量部以下の割合で含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (A)ポリアルキレンテレフタレート系樹脂が、実質的に、ポリブチレンテレフタレート系樹脂のみからなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (D)ハロゲン化フタルイミド系難燃剤が臭素原子を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- (E)アンチモン化合物が、三酸化アンチモンである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- 照明部材用である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱伝導性ポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリアルキレンテレフタレート系樹脂組成物を射出成形してなる成形体。
- 請求項14の記載の成形体が、LED照明用放熱部材であることを特徴とする成形体。
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