第1の態様によれば、本発明は式(I)
[式中、
Rは水素またはC
1−4アルキルを表し;
R
1は水素、C
1−4アルキル、C(O)OH、C(O)NH
2または(C
1−4アルキレン)R
10を表し;
R
2およびR
3は独立して水素、C
1−4アルキルを表すか、またはR
2はR
3と一緒になって、かつそれらが結合する炭素原子と一緒になってC
3−8シクロアルキル基を形成し;
R
4はC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシまたはハロゲンを表し;
R
5およびR
7は独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C(O)NH
2、C(O)OH、または(C
1−4アルキレン)R
10を表し;
R
6およびR
8は独立して水素またはハロゲンを表し;
R
9は水素、(C
1−4アルキレン)R
10、C(O)NH
2、C(O)OHを表すか、または
R
9はRと一緒になって、酸素、硫黄、または窒素から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい6員複素環を形成し;
R
10は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C(O)NH
2、C(O)NH(C
1−4アルキル)、C(O)N(C
1−4アルキル)
2、またはC(O)OHを表し;
nは0、1、または2を表す]
で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を提供する。
ここで用いられる「塩」は、無機もしくは有機の酸または塩基、四級アンモニウム塩、および内部に形成された塩から調製された、本発明の化合物のいずれの塩も指す。薬学上許容される塩は、その親化合物に比較したより高い水溶性により、医学応用へ特に適する。このような塩は明らかに、薬学上許容される陰イオンまたは陽イオンを有している。本発明の化合物の適切な薬学上許容される塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸、および硫酸、ならびに有機酸、例えば、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マレイン酸、コハク酸、カンファー硫酸、イソチオン酸、ムチン酸、ゲンチジン酸、イソニコチン酸、糖酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィン酸、アルギン酸、ガラクツロン酸、およびアリールスルホン酸、例えばベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸、により形成される酸付加塩;アルカリ金属およびアルカリ土類金属、および有機塩基、例えば、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、リジン、およびプロカインにより形成される塩基付加塩;および内部に形成された塩を含む。薬学上許容されない陰イオンまたは陽イオンを有する塩は、薬学上許容される塩の調製のために有用な中間体として、および/または治療目的ではない、例えばin vitroの状況における使用のために、本発明の範囲内である。
本発明はその範囲内に、式(I)で表される化合物の塩の、可能な全ての化学量論的および非化学量論的な形態を含む。
式(I)で表される化合物は双性イオンとして存在できる。
式(I)で表される化合物は、結晶形として得ることができる。これらの結晶形またはそれらの混合物は、本発明の範囲内に包含されることが理解されなければならない。
さらに、式(I)で表される化合物の結晶形の幾つかは多形で存在し得り、これらは本発明に含まれる。
本発明の化合物の幾つかは、水性および有機溶媒のような溶媒から結晶化、または再結晶化され得る。このような場合には溶媒和物が形成され得る。本発明はその範囲内に、水和物を含む化学量論的な溶媒和物、および、凍結乾燥のようなプロセスにより産生され得る可変量の水を含む化合物を含む。
それ故、式(I)で表される化合物の塩、溶媒和物、および水和物は本発明の態様を形づくる。
以下、式(I)で表される化合物、その薬学上許容される塩、本発明のいずれの態様において定義される、その溶媒和物、水和物、および結晶形(化学プロセスでの中間体化合物を除く)は、「本発明の化合物」と称される。
対象発明は、同位体により標識された化合物もまた含み、これらは式(I)で説明されるものと同一であるが、1以上の原子が、通常天然に見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置換されている。本発明の化合物またはその薬学上許容される塩に取り込み可能な同位元素の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、および塩素の同位元素、例えば2H、3H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iを含む。
前述の同位元素および/またはその他の原子のその他の同位元素を含む本発明の化合物は、本発明の範囲内である。同位体により標識された本発明の化合物、例えば3H、14Cのような放射性同位元素が取り込まれたものは、薬物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム標識された、すなわち3H、および、炭素−14、すなわち14C同位元素は、それらの調製の容易さおよび検出能により特に好ましい。11Cおよび18F同位元素はPET(positron emission tomography:陽電子放出断層撮影)に特に有用であり、125I同位元素はSPECT(single photon emission computerized tomography:単一光子放出コンピュータ断層撮影)に特に有用であり、全て脳の画像処理に有用である。さらに、重水素、すなわち2Hのような比較的重い同位元素による置換は、より大きな代謝安定性、例えばin vitro半減期の増大、または必要な投薬量の減少からもたらされるある種の治療的な利点を可能にすることから、ある状況下では好ましいであろう。同位体により標識された本発明の化合物は一般に、以下の模式図および/または実施例中に開示される手順の実行により、同位体標識されていない試薬を、容易に入手可能な同位体標識された試薬に置き換えることにより調製できる。
当業者は、式(I)で表される化合物が、少なくとも2のキラル中心(すなわち(1a)から(1d)の式中に*で示される炭素原子)を含むことを理解するであろう。
くさび形の結合は、該結合が紙面の上にあることを示し、これはβ配置を指す。破線の結合は、該結合が紙面の下にあり、かつα配置にあることを示す。
式(I)で表される化合物には、例えばR2およびR3、R1およびR9、R5およびR6、R7およびR5が同一ではない場合に、さらなる不斉炭素原子が可能である。
全ての鏡像異性体、ジアステレオ異性体を含む立体異性体の全て、およびラセミ体を含むそれらの混合物の全ては本発明の範囲内に包含され、かつ式(I)で表される化合物への言及は、他に記載のない限り全ての立体異性体を含むことが理解される。
ここで用いられる「ハロゲン」との語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。
ここで、基または基の一部として用いられる「C1−4アルキル」との語は、1ないし4の炭素原子を含む直鎖または分岐の飽和炭化水素基を意味する。このような基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tertブチルなどを含む。
ここで用いられる「C1−4アルキレン」との語は、1ないし4の炭素原子を含む直鎖または分岐の飽和炭化水素リンカー基を意味する。このような基の例は、メチレンおよびエチレンなどを含む。
ここで用いられる「C3−8シクロアルキル」との語は、3ないし8の炭素原子の飽和単環式炭化水素環を指す。このような基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルなどを含む。
酸素、硫黄、または窒素から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい6複素環の例は、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルなどを含む。
一実施形態によれば、本発明は式(IA)
(式中、
Rは水素またはC
1−4アルキルを表し;
R
1は水素、C
1−4アルキル、C(O)OH、C(O)NH
2または(C
1−4アルキレン)R
10を表し;
R
2およびR
3は独立して水素、C
1−4アルキルを表すか、またはR
2はR
3と一緒になって、かつそれらが結合する炭素原子と一緒になってC
3−8シクロアルキル基を形成し;
R
4はC
1−4アルキル、C
1−4アルコキシまたはハロゲンを表し;
R
5およびR
7は独立して水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C(O)NH
2、C(O)OH、または(C
1−4アルキレン)R
10を表し;
R
6およびR
8は独立して水素またはハロゲンを表し;
R
9は水素、(C
1−4アルキレン)R
10、C(O)NH
2、C(O)OHを表すか、または
R
9はRと一緒になって、酸素、硫黄、または窒素から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい6員複素環を形成し;
R
10は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C(O)NH
2、C(O)NH(C
1−4アルキル)、C(O)N(C
1−4アルキル)
2、またはC(O)OHを表し;
nは0、1、または2を表す)
で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を提供する。
本発明の一実施形態によれば、Rは水素を表す。
本発明の一実施形態によれば、R1は水素またはメチルを表す。
本発明の一実施形態によれば、R9は水素、C(O)NH2、CH2OHを表すか、またはR9はRと一緒になってモルホリン環を形成する。
本発明の一実施形態によれば、R2およびR3は独立して水素またはメチルを表す。
本発明の一実施形態によれば、R4は独立してメチルまたはフッ素を表し、かつnは2を表す。
本発明の一実施形態によれば、R、R1、R5、R6、R7、R8およびR9は水素を表す。
本発明の一実施形態によれば、R9は水素、C(O)NH2、CH2OHを表すか、またはR9はRと一緒になってモルホリン環を形成する。
本発明のさらなる実施形態によれば、R9はC(O)NH2、CH2OHを表すか、またはR9はRと一緒になってモルホリンを形成し、かつR、R1、R5、R6、R7、R8は水素を表す。
本発明のさらなる実施形態によれば、R、R5、R6、R7、R8は水素、R9はC(O)NH2、CH2OHを表すか、またはR9はRと一緒になってモルホリン環を形成し、かつR1はメチルを表す。
本発明のさらなる別の実施形態によれば、R、R1、R5、R6、R8、R9は水素を表し、かつR7はC(O)OHまたはCH2OHを表す。
本発明のさらなる別の実施形態によれば、R、R1、R6、R7、R8、R9は水素、かつR5はC(O)OHまたはCH2OHを表す。
本発明のさらなる別の実施形態によれば、Rは水素、R1は水素またはメチル、R2およびR3は独立して水素またはメチル、R4は独立してメチルまたはフッ素を表し、かつnは2、R5は水素またはC(O)OH、R6は水素、R7は水素またはC(O)OH、R8およびR9はC(O)NH2、CH2OHを表すか、またはR9はRと一緒になってモルホリン環を形成する。
本発明の化合物は、以下に示す例1〜37、またはそれらの薬学上許容される塩を含む。
一実施形態によれば、本発明は:
(5R,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(ジアステレオ異性体1);
(5R,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(ジアステレオ異性体2);
(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド;
(2S,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド;
(2R,5S,7R)−N8−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド;
(2S,5S,7R)−N8−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド;
(2R,5S,7R)−N8−{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド;
(2S,5S,7R)−N8−{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド;
(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸ナトリウム;
(4S,5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−4−カルボン酸リチウム;
(5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド;
(2R,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド;
(2S,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド;
(2S,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド;
(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド;
(2R,4S,8a’R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N,8a’−ジメチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド;
(2R,4S,8a’S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N,8a’−ジメチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド;
(2R,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド;
(2R,4S,8a’R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド;
(2S,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
および
(2R,4S,8a’S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド;
からなる群より選択される化合物、またはその薬学上許容される塩を提供する。
さらなる実施形態によれば、本発明は式(Ia):
で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を提供する。
さらなる別の実施形態によれば、本発明は式(Ib):
で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を提供する。
さらなる実施形態によれば、本発明の化合物は
(2R,5S,7R)−N
8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N
8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(Ic)
またはその薬学上許容される塩である。
さらなる実施形態によれば、本発明の化合物は
(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(Ic)
を提供する。
さらなる実施形態によれば、本発明は
(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(Ic)
の塩酸塩を提供する。
さらなる実施形態によれば、本発明は
(2S,5S,7R)−N
8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N
8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(Id):
またはその薬学上許容される塩を提供する。
本発明はまた、式(I)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を調製する方法も提供し、該方法は:
(a)R
11がメチルまたはエチルで、かつR、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、およびR
9が式(I)で定義される、式(II)で表される化合物を、
(i)R
9がC(O)NH
2を表す、式(I)で表される化合物を得るため、20〜70℃の範囲の温度において、メタノールのような適切な溶媒中で、アンモニアと共に;
もしくは、
(ii)R
9がC(O)
2Hを表す、式(I)で表される化合物を得るため、室温ないし還流の範囲の適切な温度において、メタノール、水、THFのような適切な溶媒中で、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムのような適切な金属水酸化物と共に;
もしくは、
(iii)R
9がCH
2OHを表す、式(I)で表される化合物を得るため、−78℃ないし室温の範囲の適切な温度において、THFのような適切な溶媒中で、水素化ホウ素リチウムのような適切な還元剤と共に反応させること;
または、
(b)R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8が式(I)で定義される、式(III)で表される化合物を、
R
9がRと一緒になって、酸素から選択されるさらなるヘテロ原子を含む6員複素環を形成する、式(I)で表される化合物を得るため、マイクロ波照射を任意に使用して、適切な温度におけるジクロロメタンのような適切な溶媒中で、適切なルイス酸、例えば三フッ化ホウ素の存在下でトリエチルシランのような適切な還元剤と共に反応させること;
または、
(c)R、R
2、R
3、R
4、R
6、およびR
8が式(I)で定義され、かつR
5およびR
7が独立して水素、ハロゲン、C(O)NH
2を表すか、またはR
10が水素、ハロゲン、C(O)NH
2、C(O)NH(C
1−4アルキル)、C(O)N(C
1−4アルキル)
2を表す(C
1−4アルキレン)R
10を表す、式(IV)で表される化合物を、
R、R
2、R
3、R
4、R
6、およびR
8が式(I)で定義され、R
1およびR
9が水素を表し、かつR
5およびR
7が独立して水素、ハロゲン、C(O)NH
2を表すか、またはR
10が水素、ハロゲン、C(O)NH
2、C(O)NH(C
1−4アルキル)、C(O)N(C
1−4アルキル)
2を表す(C
1−4アルキレン)R
10を表す、式(I)で表される化合物を得るため、メーヤワイン塩およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムと共に反応させること;
または、
(d)R、R
2、R
3、R
4、R
6、およびR
8が式(I)で定義され、かつR
5およびR
7が独立してC(O)OR
11または(C
1−4アルキレン)C(O)OR
11を表す、式(IV)で表される化合物を、
(i)R、R
2、R
3、R
4、R
6、およびR
8が式(I)で定義され、R
1およびR
9が水素を表し、かつR
5およびR
7が独立してC(O)
2Hまたは(C
1−4アルキレン)C(O)
2Hを表す、式(I)で表される化合物を得るため、メーヤワイン塩およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムと共に、続いて室温ないし還流の範囲の適切な温度において、メタノール、水、THFのような適切な溶媒中で、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムのような適切な金属水酸化物を用いる加水分解反応によって、もしくは
(ii)R、R
2、R
3、R
4、R
6、およびR
8が式(I)で定義され、R
1およびR
9が水素を表し、かつR
5およびR
7が独立してCH
2OHまたは(C
1−4アルキレン)CH
2OHを表す、式(I)で表される化合物を得るため、メーヤワイン塩およびシアノ水素化ホウ素ナトリウムと共に、続いて水素化ホウ素リチウムのような選択的還元剤の添加によって反応させること;
または
(e)R、R
2、R
3、R
4、R
7、およびR
8が式(I)で定義され、R
1およびR
6が水素を表し、かつR
11がメチルまたはエチルを表す、式(V)で表される化合物の、
R、R
2、R
3、R
4、R
7、およびR
8が式(I)で定義され、R
1およびR
6が水素を表し、R
5がC(O)
2Hを表し、かつR
9がC(O)NH2を表す、式(I)で表される化合物を得るための、還流温度のような適切な温度における、テトラヒドロフラン(THF)のような適切な溶媒中での、LiOHおよびH2O2の水溶液のような金属水酸化物による塩基性加水分解;
を含んでなり、その後、薬学上許容される塩への変換が続いてもよい。
式(I)で表される幾つかの化合物は、式(I)で表される化合物の反応により取得され得る。
従って、R9がCH2R10を表し、式中R10がハロゲンを表す式(I)で表される化合物は、R9がCH2OHである式(I)で表される化合物の、−78℃ないし室温の範囲の適切な温度において、ジクロロメタンのような適切な溶媒中での(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DAST)のような適切な試薬(例えばOrganic & Biomolecular Chemistry, 2(5), 797-802; 2004を参照)、または低温ないし還流の範囲の適切な温度において、ジクロロメタンまたはクロロホルムのような適切な溶媒中での塩化チオニル(例えばTetrahedron: Asymmetry, 14(20), 3153-3172; 2003を参照)との反応により調製することができる。あるいは、該反応は四塩化炭素およびトリフェニルホスフィンを用いて、ジクロロメタンのような適切な溶媒中で、室温ないし還流の範囲の適切な温度において実行されてよい(例えば、Journal of Medicinal Chemistry, 49(24), 7013-7023; 2006を参照)。
RがC1−4アルキルの式(I)で表される化合物は、Rが水素の式(I)で表される化合物と、R12がC1−3アルキルの適切なアルデヒドR12CHO、および適切な還元剤との還元的アミノ化により調製され得る。
例えばRがメチルを表す場合、前記還元的アミノ化は典型的に、Rが水素の式(I)で表される化合物と適切なアルデヒド、例えばホルムアルデヒド(36%水溶液)を、メタノールのような適切な溶媒中で、室温のような適切な温度にて数分ないし数時間の範囲の時間反応させ、続いて適切な還元剤、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムを−40℃ないし室温の範囲の適切な温度にて添加することを含んでなる。さらなる還元剤はナトリウムトリアセトキシボロヒドリドおよび水素化ホウ素ナトリウムを含むが、これらに限定されない。あるいは還元工程は、適切な水素圧、例えば1atmにおいて、適切な触媒、例えば炭素上のパラジウムの存在下に、室温ないし高温の範囲の適切な温度における水素化により実行されてよい。
R
7が、Xがハロゲンを表すCH
2Xを表すか、またはR
7がCH
3を表し、R
9がC(O)NH
2を表し、かつR、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
8、R
10が式(I)に記載される、式(I)で表される化合物は、R
7がCH
2OHを表し、R
9がC(O)NH
2を表し、かつR、R
2、R
3、R
4、R
8、R
10が以下のスキーム1による式に記載される、式(I)で表される化合物から調製され得る。
工程(i)は典型的に、ピロリジン窒素の適切な保護、および−78℃ないし室温の範囲の適切な温度において、ジクロロメタンのような適切な溶媒中で、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(DAST)のような適切な試薬と共に(例えば、Organic & Biomolecular Chemistry, 2(5), 797-802; 2004を参照)、または低温ないし還流の範囲の適切な温度において、ジクロロメタンまたはクロロホルムのような適切な溶媒中で、塩化チオニルのような適切な試薬と共に(例えばTetrahedron: Asymmetry, 14(20), 3153-3172; 2003を参照)反応させることを含んでなる。あるいは、該反応は四塩化炭素およびトリフェニルホスフィンを用いて、ジクロロメタンのような適切な溶媒中で、室温ないし還流の範囲の適切な温度において実行されてよい(例えば、Journal of Medicinal Chemistry, 49(24), 7013-7023; 2006を参照)。
工程(ii)は典型的に、高温において、エタノールのような適切な溶媒中で、塩化物のような適切なハロゲン化化合物のメチル基へのRaney(登録商標)-Nickelによる還元を含んでなる(例えば、Journal of Organic Chemistry, 65(19), 6249-6253; 2000を参照)。
R8がハロゲンの式(I)で表される化合物は、適切な塩基、およびそれに続く適切なハロゲン化剤の添加による、R8が水素の式(I)で表される化合物の反応によって調製され得る。従って、例えばR8がフッ素の式(I)で表される化合物の調製のためには、−78℃ないし室温の範囲の適切な温度において、THFのような適切な溶媒中で、N−フルオロベンゼンスルホンイミドの存在下で、リチウムジイソプロピルアミドのような適切な塩基の添加によって実行される。
R
1がC
1−4アルキル、(C
1−4アルキレン)OH、(C
1−4アルキレン)ハロゲンを表し、かつRが水素の式(II)で表される化合物は、以下のスキーム2に従い、R
1が水素の式(II)で表される化合物の反応によって調製され得る。
工程(i)は典型的に、適切な保護基、例えばtertブチルオキシカルボニル(Boc)による窒素の保護、式(II)で表される化合物を、任意にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンのような適切な塩基の存在下で、0℃ないし還流温度の範囲の適切な温度において、適切な溶媒、例えばジクロロメタンまたはN,N−ジメチルホルムアミド中で、二炭酸ジ−tert−ブチルと反応させることを含んでなる。
工程(ii)は典型的に、数分ないし数時間の範囲の間の、−78℃ないし室温の範囲の適切な温度における、THFのような適切な溶媒中での、リチウムビス(トリメチル)アミドのような適切な塩基を用いるアルキル化と、それに続く、Xが−78℃ないし高温の範囲の適切な温度において、ハロゲン、メシル、トシル、トリフルオロメタンスルホニルのような適切な脱離基を表し、かつP’がトリメチルシリル、tertブチルジメチルシリル、tertブチルジフェニルシリルのような適切な酸素保護基を表す(C1−4アルキレン)X(VIII)、P’O(C1−4)アルキルX(IX)、またはX(C1−4アルキレン)ハロゲン(X)のin situ添加を含んでなる。
工程(iii)は典型的に脱保護反応を含んでなり、PがBocを表す場合、前記脱保護反応は典型的に、式(VII)で表される化合物をジクロロメタンおよびトリフルオロ酢酸の混合物と反応させることを含んでなり得、かつP’がトリメチルシリル、tertブチルジメチルシリル、tertブチルジフェニルシリル基を表す場合、酸素保護基の除去は、室温のような適切な温度において、THF、アセトニトリル、またはメタノールのような適切な溶媒中で、テトラブチルアンモニウムまたはフッ化セシウムのような適切なフッ素化試薬を用いて選択的に実行されてよい。
あるいは酸素保護基は、PがBocである場合、窒素保護基を除去するために前記と同じ反応条件を用いて非選択的に除去されてよい。
R、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8が式(I)で定義され、かつR
1が水素、およびR
11がメチルまたはエチルを表す、式(II)で表される化合物は、式(XI)
(式中、P
1は適切な窒素保護基、例えば(RまたはS)tertブチルスルフィニルまたはtertブチルオキシカルボニル(Boc)またはベンジルオキシカルボニル(Cbz)を表し、R
11がC
1−4アルキルを表す)
で表される化合物の反応によって調製され得り、この反応は窒素保護基P
1の脱保護と、それに続く、得られた遊離アミンのin situ分子内環化、および化合物(II)を形成するためのイミン中間体の最終還元を含んでなる。
例えばP1がtertブチルスルフィニルまたはBocを表す場合、前記脱保護反応は典型的に、式(XI)で表される化合物を、ジクロロメタンのような適切な溶媒中のトリフルオロ酢酸、または、メタノールのような適切な溶媒中の塩酸と室温にて反応させることを含んでなる。脱保護された中間体は、酸性条件下においてin situで環化し得り、得られたイミンは、同じ反応条件においてトリエチルシランのような適切な還元剤によって還元され得る。使用されてよいさらなる適切な還元剤は、例えば水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素リチウムを含む。反応は、0℃ないし室温の範囲の温度において、THFまたはメタノールのような適切な溶媒中で実行できる。
あるいは触媒的な水素化が、メタノール、エタノール、酢酸エチルのような適切な溶媒中で、適切な触媒、例えば炭素上のパラジウムを用いて、適切な水素圧、例えば1atmにおいて実行されてよい。
以下のスキーム3に描写するように、前記環化反応は、単一のジアステレオ異性体への分離がクロマトグラフィーまたは結晶化のような従来の手段によって実行され得る、ジアステレオ異性体混合物の形成を可能にする。
さらなる実施形態によれば、R
2、R
3、R
4、R
7、およびR
8が式(I)で定義され、かつR、R
1、R
5、R
6、およびRが水素を表す、式(II)で表される化合物は、式(XII)
(式中、P2は適切なエノールエーテル保護基、例えばtertブチルジメチルシリルを表し、かつP1は適切な窒素保護基、例えばベンジルオキシカルボニル(Cbz)を表す)
で表される化合物を、適切な水素圧、例えば1atmにおいて、水素雰囲気下の適切な溶媒、例えばメタノール中で、フッ化セシウムおよび適切な触媒、例えば炭素上のパラジウムによって環化させ、それに続き窒素保護基を除去して調製され得る。
以下のスキーム4に描写するように、前記環化反応は、単一のジアステレオ異性体への分離がクロマトグラフィーまたは結晶化のような従来の手段によって実行され得る、ジアステレオ異性体混合物の形成を可能にする。
さらなる実施形態によれば、式(II)で表される化合物は、式(XIII)
(式中、R
11はメチルまたはエチルを表し、R、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6は式(I)で定義される)
で表される化合物の、適切な水素圧、例えば1atmにおける、適切な溶媒、例えばメタノール、エタノール、酢酸エチル中での、炭素上のパラジウムのような適切な触媒による触媒的な水素化によって調製され得る。
式(III)で表される化合物は、式(XIV)
(式中、R、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
10は式(I)で定義され、かつP’は、還元的アミノ化とそれに続くin situ環化による適切なアルコール保護基を表す)
で表される化合物から調製され得る。例えば前記還元的アミノ化は、反応化合物(XIV)について、中間体イミンを形成するために、室温のような適切な温度において、アセトニトリルのような適切な溶媒中で、グリオキサール溶液(水中で40wt.%)のような適切なアルデヒドにより実行されてよい。適切な還元剤、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムの添加に続いて中間体アルデヒドが得られてよく、これはアルコール保護基P’の除去後にin situで環化し得り、化合物(III)が得られる。還元的アミノ化は、触媒的な量の酸、例えば氷酢酸の添加によって任意に促進され得る。
Rが水素を表し、R
2、R
3、R
4、R
6、R
7、R
8、およびR
10が式(I)で定義され、かつR
5が水素、ヒドロキシ、ハロゲン、C(O)NH
2、C(O)OR
11、またはR
10が水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C(O)NH
2、C(O)NH(C
1−4アルキル)、C(O)N(C
1−4アルキル)
2を表す(C
1−4アルキレン)R
10、またはR
11がメチルまたはエチルを表す(C
1−4アルキレン)C(O)OR
11を表す、式(IV)で表される化合物は、以下のスキーム5に従って調製され得る。
工程(i)は典型的にウィティッヒ型反応を含んでなり、これは典型的には、式(XIVa)で表される化合物を、メトキシメチルホスホニウムクロリドのような適切なアルキルトリフェニルホスホニウム塩から産生されたリンイリド、およびブチルリチウムまたはtert−ブトキシドカリウムのような適切な塩基と共に、テトラヒドロフランのような適切な溶媒中で、−78℃ないし室温の範囲の適切な温度にて反応させることを含んでなる(例えば、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 17(18), 5218-5221; 2007を参照)。
工程(ii)は典型的に、自然に中間体ヘミアミナールへと環化し得る遊離アルデヒドを得るため、適切な反応条件、例えばテトラヒドロフランのような適切な溶媒中の塩酸による中間体エノールエーテル(XV)の脱保護を含んでなる。
工程(iii)は典型的に酸化反応を含んでなり、これは典型的には、式(XVI)で表される化合物を、クロロクロム酸ピリジニウムのような適切な酸化剤と共に、ジクロロメタンのような適切な溶媒中で、室温のような適切な温度にて反応させることを含んでなる(例えば、Organic Letters, 8(17), 3833-3836; 2006を参照)。
工程(iv)は典型的に、式(XVII)で表される化合物を、リチウムビス(トリメチル)アミドのような適切な塩基と共に、テトラヒドロフランのような適切な溶媒中で、−78℃のような適切な温度にて反応させ、続いて適切なアシル化剤を添加することを含んでなる。従って、R5がC(O)OR11を表す化合物を調製するためには、−78℃のような適切な温度にて、クロロギ酸メチルが添加される(例えば、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 16(13), 3564-3568; 2006を参照)。
工程(v)は典型的に窒素の脱保護を含んでなる。例えば、P1がCbzを表す場合、前記脱保護反応は典型的には、適切な水素圧、例えば1atmにおいて、適切な溶媒、例えばメタノール、エタノール、酢酸エチル中で、炭素上のパラジウムのような適切な触媒による触媒的な水素化によって実行され得る。
Rが水素を表し、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
8、およびR
10が式(I)で定義され、かつR
7がC(O)OR
11を表し、ここでR
11がメチルまたはエチルを表す、式(IV)で表される化合物は、以下のスキーム6に従って調製され得る。
工程(i)は典型的に、式(XIX)で表される化合物を、50℃のような適切な温度にて、エタノールのような適切な溶媒中で、塩酸ヒドロキシルアミンおよび炭酸水素ナトリウムと反応させることを含んでなる。
工程(ii)は典型的に、式(XX)で表される化合物を、還流温度のような適切な温度にて、アセトニトリルのような適切な溶媒中で、尿素Na2HPO4およびmCPBAと反応させることを含んでなる。
工程(iii)は典型的に、式(XXI)で表される化合物を、ジメチルスルホキシドのような適切な溶媒中で、フッ化カリウムおよびテトラブチルアンモニウムヨージドと反応させ、続いてマレイン酸ジメチルを添加することを含んでなる。
工程(iv)は典型的に、式(XXII)で表される化合物のニトロ基の還元と、それに続き得られたアミンをin situ環化して、ラクタム(IV)を得ることを含んでなる。前記還元反応は、メタノールのような適切な溶媒中で、Raney(登録商標)-Nickelの存在下に実行されてよい。
式(IV)で表される化合物を、−78℃のような適切な温度において、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートのような適切なルイス酸の存在下に、水素化ジイソブチルルミニウムのような適切な還元剤と反応させることによって中間体ヘミアミナールが得られ、これは、0℃ないし室温の範囲の適切な温度において、ジクロロメタンのような適切な溶媒中で、トリメチルシリルシアニドおよびトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸と反応させることによって都合よく化合物(V)に変換でき、化合物(V)が調製され得る(例えば、Journal of the American Chemical Society, 129(42), 12890-12895; 2007を参照)。
式(XIII)で表される化合物は、以下のスキーム7に従って取得され得る。
工程(i)は典型的に、−15℃ないし25℃の範囲の適切な温度における、テトラヒドロフランのような適切な溶媒中での、適切な塩基、例えば水素化ナトリウムまたはtert−ブトキシドカリウムの存在下での、ケトン(XIX)とトリフェニルメチルホスホニウムブロミドとのウィティッヒ反応を含んでなる。
工程(ii)は典型的に、オレフィン(XXIII)を、第二世代のHoveyda-Grubbs触媒、すなわち(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチルメチレン)ルテニウムの存在下、典型的にはジクロロメタンまたは1,2−ジクロロメタン中で、還流で数時間アリルグリシン窒素保護誘導体と反応させることを含んでなる。
工程(iii)は典型的に、室温において、塩基、例えば炭酸水素ナトリウムまたは炭酸塩の存在下、アセトニトリルのような双極非プロトン性の溶媒中でのホモアリルアミン誘導体(XXIV)のヨウ素分子による環化を含んでなる。
化合物(XIV)の反応はまた、適切なN保護基によって保護された窒素Nによっても実行され得る。
式(XIV)で表される化合物は、R9がCH2OHを表す、式(I)で表される化合物と、トリメチルシリルクロリド、tertブチルジメチルシリルクロリド、tertブチルジフェニルシリルクロリドのような適切な酸素保護剤との反応によって調製され得る。
式(XI)で表される化合物は、式(XII)
(式中、R
2、R
3、R
4、R
7、およびR
8が式(I)で定義され、R
11がメチルまたはエチルを表し、P1は適切な窒素保護基を表し、かつP2は適切なエノールエーテル保護基、例えばシリルエノールエーテル(すなわちtertブチルジメチルシリル、tertブチルジフェニルシリル、トリメチルシリル)を表すか、またはアルキルエーテルエノール(すなわちエチル、メチル)を表す)
で表される化合物の反応により調製され得、これは化合物(XI)を形成するために、適切な試薬によるエノールエーテル保護基P2の脱保護を含んでなる。
例えば、P2がtertブチルジメチルシリルエノールエーテルを表す場合、保護基の除去は、典型的には式(XII)で表される化合物とフッ化セシウムを、アセトニトリルまたはメタノールのような適切な溶媒中で、酢酸のような弱酸の存在下、室温にて反応させることを含んでなり得る。さらなる適切なフッ化物試薬、例えばテトラブチルアンモニウムフルオリドが、THFのような適切な溶媒中で、室温にて使用されてよい(例えば、Greene, Wutz “Protective groups in organic synthesis”を参照)。
式(XII)で表される化合物は、式(XXIV)
(式中、R
2、R
3、R
4、R
7、およびR
8が式(I)で定義され、かつP1は適切な窒素保護基を表す)
で表される化合物と、適切なホスホン酸塩(XXV)
(式中、R’は適切なC
1−4アルキル基、例えばメチルを表し、かつR
11はメチルまたはエチルを表す)
(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666; J. Org. Chem. 2006, 71, 9144-9152を参照)との、ホスホン酸塩カルボアニオンを産生するための塩基存在下での、ホーナー・ワズワース・エモンスオレフィン化によって調製され得る。
例えば、R’がメチルを表し、R11はメチルまたはエチル置換基を表し、かつP2はtertブチルジメチルシリルエーテルまたはエチルエーテルを表す場合、前記ホーナー・ワズワース・エモンス反応は、典型的には、式(XXIV)で表される化合物と適切な塩基、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エンを、アセトニトリルのような適切な溶媒中で、金属塩、例えば塩化リチウムの存在下、0℃のような適切な温度にて反応させ、続いて化合物(XXIV)を添加することを含んでなる(J. Org. Chem. 2006, 71, 9144-9152を参照)。水素化ナトリウム、水素化カリウム、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミドのような、さらなる適切な塩基が、THFのような適切な溶媒中で、−78℃ないし室温の範囲の温度にて使用されてよい(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666; L. Kurti, B. Czako “Strategic applications of named reactions in organic synthesis”を参照)。
式(XXIV)で表される化合物は、式(XXVI)
(式中、R
2、R
3、R
4、R
7、およびR
8は式(I)で定義され、かつP1は適切な窒素保護基を表す)
で表される化合物の酸化的開裂によって調製され得り、これは−78℃のような適切な温度における、ジクロロメタンのような適切な溶媒中でのオゾンによる処理、それに続く、−78℃ないし室温の範囲の適切な温度における、硫化ジメチルのような適切な還元剤による、中間体オゾニドのアルデヒド(XXIV)への還元を含んでなる。トリフェニルホスフィンのようなさらなる還元剤が、ジクロロメタンのような適切な溶媒中で、−78℃ないし室温の範囲の温度にて使用されてよい。
あるいは、前記酸化的開裂は、化合物(XXVI)と四酸化オスミウムとを、1,4−ジオキサンのような適切な溶媒中で室温にて反応させること、それに続く過ヨウ素酸ナトリウムによる処理を含んでなり得る。
式(XXVI)で表される化合物は、式(XXV)
(式中、P1は適切な窒素保護基を表す)
で表される化合物のアリル化によって調製され得り、これはイミン(XXV)にアリル有機金属試薬誘導体を添加して、二つのジアステレオ異性体(XXVIa)および(XXVIb)
の混合物を得ることを含んでなる。
前記ジアステレオ異性体混合物は、クロマトグラフィーまたは結晶化のような従来の手段によって単一のジアステレオ異性体へ分離され得る。
例えば、P1が(RまたはS)tertブチルスルフィニル基を表す場合、前記アリル化反応は典型的に、式(XXV)で表される化合物と適切なアリル有機金属試薬、例えばin situで臭化アリルおよび亜鉛から産生されたアリル臭化亜鉛(allyl zinc bromide)とを、THFのような適切な溶媒中で、−78℃ないし室温の範囲の温度にて反応させることを含んでなる。適切なアリル有機金属試薬の例は、限定はされないがアリルマグネシウム試薬、アリルホウ素誘導体試薬、アリルシラン、アリルスタンナン誘導体を含み、反応はルイス酸によって促進され得る。
あるいは、保護基が存在せず、かつP1が水素を表す、式(XXV)で表される化合物は、適切なアリル有機金属誘導体試薬、例えばアリルホウ素試薬と反応し得る(Chem. Commun., 2005, 5551-5553を参照)。tertブチルオキシカルボニル(Boc)または(Cbz)のような適切な保護基P1による窒素の保護により、化合物(XXVI)が得られる。
式(XXV)で表される化合物は、式(XIX)
で表される化合物と適切なアミン、例えば(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミドまたは(S)−(−)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミドとを、THFのような適切な溶媒中で、チタニウム(IV)エトキシドの存在下に反応させることによって調製され得る(Synlett, (16), 2565-2568; 2006を参照)。適切なアミンの例は、限定はされないが例えばp−トリルスルフィンアミド、アンモニア、ベンジルアミン、グリシンのようなその他のいずれのスルフィンアミドを含む。
あるいは、式(XXVI)で表される化合物はスキーム8に従って調製され得り、ここでR
7およびR
8は式(I)で定義され、かつP1は適切な窒素保護基を表す。
工程(i)は典型的に、R
7およびR
8が水素を表す化合物(XXVIII)を得るため、tertブチルオキシカルボニル(Boc)のような適切な窒素保護基により保護された式(XXVII)で表される化合物を、MeOHのような適切な溶媒中のアンモニアによって処理し、それに続き、例えば4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−プロペン−1−イル)−1,3,2−ジオキサボロランのような適切なアリル有機金属試薬を添加することによって形成されるイミン中間体のin situ形成を含んでなる。
工程(ii)は典型的に、式(XXVIII)で表される化合物の、適切な窒素保護基P1による保護を含んでなる。例えば、P1がベンジルオキシカルボニル(Cbz)を表す場合、前記保護反応は典型的に、式(XXVIII)で表される化合物と二炭酸ジベンジルとを、DCMのような適切な溶媒中で、0℃のような適切な温度にて反応させることを含んでなり得る。
工程(iii)は典型的に、式(XXIX)で表される化合物と、適切なアミン、例えば{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}メチルアミンまたは{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルアミンとを、トリホスゲンおよび適切な塩基、例えばトリエチルアミンの存在下、酢酸エチルのような適切な溶媒中で、還流温度のような適切な温度にて反応させることを含んでなる。例えば、式(XXIX)で表される化合物が単一の鏡像異性体で、かつアミンが{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルアミンのようなラセミ体である場合、この反応は、単一のジアステレオ異性体への分離がクロマトグラフィーまたは結晶化のような従来の手段によって実行され得る、ジアステレオ異性体混合物の形成を含んでなる。
工程(i)に記載されるアリル化反応は、単一のジアステレオ異性体への分離がクロマトグラフィーまたは結晶化のような従来の手段によって実行され得る、ジアステレオ異性体混合物を産生する。スキーム9を参照のこと。
化合物(XIX)の調製については、2002年4月25日に公開されたPCT公報、国際公開第0232867号に記載される。
化合物(XXVI)の調製については、2007年9月27日に公開されたPCT公報、国際公開第2007107818号に記載される。
化合物(XXVII)の調製については、2008年7月31日に公開されたPCT公報、国際公開第2008090117号に記載される。
一般式(I)で表される化合物の特異的な鏡像異性体が必要とされる場合、これは例えば、式(I)で表される化合物の対応する鏡像異性混合物を、従来の方法を用いて分解することにより取得され得る。
従って、例えば、式(I)で表される化合物の特異的な鏡像異性体は、式(I)で表される化合物の対応する鏡像異性混合物からキラルHPLCの手順を用いて取得され得る。
あるいは、一般式(I)で表される化合物の鏡像異性体は、適当な光学的活性のある中間体から、ここに記載されるいずれの一般的な過程を用いて合成され得る。
式(I)で表される化合物の塩、例えば薬学上許容される塩としての分離が望まれる場合、これは遊離塩基型の式(I)で表される化合物と適当な量の適切な酸を、アルコール(例えばエタノールまたはメタノール)、エステル(例えば酢酸エチル)またはエーテル(例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン)のような適切な溶媒中で反応させることにより達成され得る。
薬学上許容される塩はまた、式(I)で表される化合物のその他の薬学上許容される塩を含むその他の塩からも、従来の方法を用いて調製され得る。
式(I)で表される化合物は、対応する溶媒和物を得るための適当な溶媒からの結晶化または適当な溶媒の蒸発により、溶媒分子に結合して容易に分離され得る。
式(I)で表される化合物およびその薬学上許容される塩は、サブスタンスPおよびその他のニューロキニンを含むタキキニンに対する親和性を有し、かつそれらの特異的なアンタゴニストである。
タキキニンは、共通のカルボキシル末端配列(Phe−X−Gly−Leu−Met−NH2)を共有するペプチドのファミリーである。これらは下等および進歩した生命形の両方の生理機能に積極的に関与する。哺乳類の生命形における主要なタキキニンは、サブスタンスP(SP)、ニューロキニンA(NKA)およびニューロキニンB(NKB)であり、これらは神経伝達物質および神経調節物質として作用する。哺乳類のタキキニンは、幾つかのヒトの疾病の病態生理の一因となり得る。
タキキニン受容体の三つの型、すなわちNK1(SP選択的)、NK2(NKA選択的)およびNK3(NKB選択的)が同定されており、これらは中枢神経系(CNS)および末梢神経系にわたって広く分布する。
本発明の化合物は、特にNK1受容体のアンタゴニストである。
本発明の化合物は、タキキニンにより仲介される状態の処置に有用である。
本発明の文脈内で、ここで用いられる徴候について記載する語は、アメリカ精神医学会(American Psychiatric Association )により発表されたDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th Edition (DSM-IV) および/またはInternational Classification of Diseases, 10th Edition (ICD-10) において分類される。ここで言及される疾患の様々な亜型は、本発明の一部として企図される。以下にリストされる疾病の後の括弧内の数は、(DSM−IV)による分類コードを指す。
式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩は以下の疾患の処置に使用されてよい:
大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合性エピソードおよび軽躁病エピソードを含むうつ病および気分障害;大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、他に特定されないうつ病性障害(311)を含むうつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害(軽躁病エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および他に特定されない双極性障害(296.80)を含む双極性障害;うつ病性の特徴、大うつ病様エピソード、躁病性の特徴、および混合性の特徴を伴う亜型を含む、一般身体疾患による気分障害(293.83)を含むその他の気分障害、うつ病性の特徴、躁病性の特徴、および混合性の特徴を伴う亜型を含む物質誘発性気分障害;および特定不能の気分障害(296.90)、
パニック発作を含む不安障害;広場恐怖を伴わないパニック障害(300.01)および広場恐怖を伴うパニック障害(300.21)を含むパニック障害;広場恐怖;パニック障害の病歴のない広場恐怖(300.22)、動物型、自然環境型、血液−注射−外傷型、状況型およびその他の型の亜型を含む特定恐怖(300.29、以前の単一恐怖)、社会恐怖(社会不安障害、300.23)、強迫性障害(300.3)、心的外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、一般身体疾患による不安障害(293.84)、物質誘発性不安障害、分離不安障害(309.21)、不安を伴う適応障害(309.24)および特定不能の不安障害(300.00)、
物質依存症、物質欲求および物質乱用のような物質使用障害を含む物質関連障害;物質中毒、物質離脱、物質誘発性せん妄、物質誘発性持続性認知症、物質誘発性持続性健忘性障害、物質誘発性精神病性障害、物質誘発性気分障害、物質誘発性不安障害、物質誘発性の性的機能不全、物質誘発性睡眠障害、および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)のような物質誘発性障害;アルコール依存(303.90)、アルコール乱用(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘発性持続性認知症、アルコール誘発性持続性健忘性障害、アルコール誘発性精神病性障害、アルコール誘発性気分障害、アルコール誘発性不安障害、アルコール誘発性の性的機能不全、アルコール誘発性睡眠障害、および特定不能のアルコール関連障害(291.9)のようなアルコール関連障害;アンフェタミン依存(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘発性精神病性障害、アンフェタミン誘発性気分障害、アンフェタミン誘発性不安障害、アンフェタミン誘発性の性的機能不全、アンフェタミン誘発性睡眠障害、および特定不能のアンフェタミン関連障害(292.9)のようなアンフェタミン(またはアンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘発性不安障害、カフェイン誘発性睡眠障害、および特定不能のカフェイン関連障害(292.9)のようなカフェイン関連障害;大麻依存(304.30)、大麻乱用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘発性精神病性障害、大麻誘発性不安障害、および特定不能の大麻関連障害(292.9)のような大麻関連障害;コカイン依存(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘発性精神病性障害、コカイン誘発性気分障害、コカイン誘発性不安障害、コカイン誘発性の性的機能不全、コカイン誘発性睡眠障害、および特定不能のコカイン関連障害(292.9)のようなコカイン関連障害;幻覚剤依存(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘発性精神病性障害、幻覚剤誘発性気分障害、幻覚剤誘発性不安障害、および特定不能の幻覚剤関連障害(292.9)のような幻覚剤関連障害;吸入剤依存(304.60)、吸入剤乱用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤誘発性持続性認知症、吸入剤誘発性精神病性障害、吸入剤誘発性気分障害、吸入剤誘発性不安障害、および特定不能の吸入剤関連障害(292.9)のような吸入剤関連障害;ニコチン依存(305.1)、ニコチン離脱(292.0)、および特定不能のニコチン関連障害(292.9)のようなニコチン関連障害;アヘン類依存(304.00)、アヘン類乱用(305.50)、アヘン類中毒(292.89)、アヘン類離脱(292.0)、アヘン類中毒せん妄、アヘン類誘発性精神病性障害、アヘン類誘発性気分障害、アヘン類誘発性の性的機能不全、アヘン類誘発性睡眠障害、および特定不能のアヘン類関連障害(292.9)のようなアヘン類関連障害;フェンシクリジン依存(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘発性精神病性障害、フェンシクリジン誘発性気分障害、フェンシクリジン誘発性不安障害、および特定不能のフェンシクリジン関連障害(292.9)のようなフェンシクリジン(またはフェンシクリジン様)関連障害; 鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬依存(304.10)、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬乱用(305.40)、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬中毒(292.89)、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬離脱(292.0)、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬中毒せん妄、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬離脱せん妄、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬持続性認知症、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬持続性健忘性障害、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬誘発性精神病性障害、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬誘発性気分障害、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬誘発性不安障害、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬誘発性の性的機能不全、鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬誘発性睡眠障害、および特定不能の鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬関連障害(292.9)のような鎮静剤、催眠剤、または抗不安薬関連障害;多物質依存(304.80)のような多物質関連障害;およびタンパク質同化ステロイド、硝酸塩吸入剤、および亜酸化窒素のような、その他の(または不明の)物質関連障害、
原発性睡眠障害、例えば原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)、および特定不能の睡眠異常(307.47)のような睡眠異常;原発性睡眠障害、例えば悪夢障害(307.47)、夜驚症(307.46)、睡眠時遊行症(307.46)、および特定不能の睡眠時随伴症(307.47)のような睡眠時随伴症;他の精神疾患に関連した不眠症(307.42)および他の精神疾患に関連した過眠症(307.44)のような他の精神疾患に関連した睡眠障害;一般身体疾患による睡眠障害、特に神経障害、神経因性疼痛、下肢静止不能症候群、心および肺疾患のような疾病に付随する睡眠妨害;および、不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型および混合型の亜型を含む物質誘発性睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差ぼけ症候群、を含む睡眠障害、
制限型およびむちゃ食い/瀉下型の亜型を含む神経性無食欲症(307.1)のような摂食障害;瀉下型および非瀉下型の亜型を含む神経性過食症(307.51);肥満;過食症;むちゃ食い障害;および特定不能の摂食障害(307.50)、
自閉症性障害(299.00)、アスペルガー障害(299.80)、レット障害(299.80)、小児期崩壊性障害(299.10)、および特定不能の広範性障害(299.80、非定型の自閉症を含む)を含む自閉症スペクトラム障害、
注意欠陥/多動性障害合併型(314.01)、注意欠陥/多動性障害注意力障害優位型(314.00)、注意欠陥/多動性障害多動性−衝動性型(314.01)および特定不能の注意欠陥/多動性障害(314.9)の亜型を含む、注意欠陥/多動性障害;多動性障害;小児期発症型(321.81)、青年期発症型(312.82)、および特定不能の発症型(312.89)の亜型を含む行為障害、反抗挑戦性障害(313.81)、および特定不能の破壊的行動障害のような、破壊的行動障害;およびトゥレット障害(307.23)のようなチック障害、
妄想性人格障害(301.0)、統合失調質人格障害(301.20)、統合失調型人格障害(301.22)、反社会性人格障害(301.7)、境界性人格障害(301.83)、演技性人格障害(301.50)、自己愛性人格障害(301.81)、回避性人格障害(301.82)、依存性人格障害(301.6)、強迫性人格障害(301.4)、および特定不能の人格障害(301.9)の亜型を含む人格障害。
本発明の化合物は、性的欲求低下障害(302.71)および性嫌悪障害(302.79)のような性的欲求障害を含む性的機能不全;女性の性的興奮の障害(302.72)および男性の勃起障害(302.72)のような性的興奮の障害;女性のオルガズムの障害(302.73)、男性のオルガズムの障害(302.74)および早漏(302.75)のようなオルガズムの障害;性交疼痛症(302.76)および膣痙(306.51)のような性交疼痛障害;特定不能の性的機能不全(302.70);露出症(302.4)、フェティシズム(302.81)、窃触症(302.89)、小児性愛(302.2)、性的マゾヒズム(302.83)、性的サディズム(302.84)、服装倒錯的フェティシズム(302.3)、窃視症(302.82)、および特定不能の性嗜好異常(302.9)のような性嗜好異常;小児の性同一性障害(302.6)、および青年または成人の性同一性障害(302.85)のような性同一性障害;および特定不能の性的障害(302.9)に有用であり得る。
本発明の化合物はまた、抗炎症剤としても有用であり得る。これらは特に、喘息、インフルエンザ、慢性気管支炎および関節リウマチにおける炎症の処置において;クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患のような消化管の炎症性疾患および非ステロイド性抗炎症剤により誘導された損傷;疱疹および湿疹のような皮膚の炎症性疾患;膀胱炎のような膀胱の炎症性疾患、過活動膀胱および切迫性尿失禁;ならびに眼および歯の炎症の処置において有用であり得る。
本発明の化合物はまた、アレルギー性疾患、特に蕁麻疹のような皮膚のアレルギー性疾患、および鼻炎のような気道のアレルギー性疾患の処置にも有用であり得る。
本発明の化合物はまた、催吐(emesis)、すなわち吐き気、むかつきおよび嘔吐(vomiting)の治療にも有用である。催吐は急性催吐、遅延性催吐、および予測性催吐を含む。本発明の化合物は、誘導された催吐の治療にも有用である。催吐は例えば、アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、カルムスチン、ロムスチンおよびクロラムブシルのような癌化学療法剤;細胞傷害性抗生物質、例えばダクチノマイシン、ドキソルビシン、マイトマイシン−Cおよびブレオマイシン;抗代謝産物剤、例えばシタラビン、メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル;ビンカアルカロイド、例えばエトポシド、ビンブラスチンおよびビンクリスチン;およびその他、例えばシスプラチン、ダカルバジン、プロカルバジンおよびヒドロキシ尿素;のような薬物ならびにそれらの組み合わせ;放射線宿酔; 放射線療法、例えばがん治療におけるような、胸部または腹部への照射;毒物;代謝性疾患、もしくは感染症、例えば胃炎が原因となる毒素、または細菌性もしくはウィルス性の胃腸感染症の間に放出されるような毒素;妊娠;乗り物酔い、回転性めまい、浮動性めまいおよびメニエール病のような前庭障害;術後の不調;胃腸管閉塞;胃腸運動の低下;内臓性、例えば心筋梗塞または腹膜炎;片頭痛;頭蓋内圧の上昇;頭蓋内圧の低下(例えば高山病);モルヒネのようなオピオイド鎮痛薬;ならびに、びらん性GERDおよび症候性GERDまたは非びらん性GERDのような胃食道逆流症(GERD)、胃酸過多症(acid indigestion)、食物および飲料の過剰摂取、胃酸過多(acid stomach)、溜飲、呑酸/逆流症、突発性の胸焼け、夜間の胸焼け、および食事により誘導される胸焼けのような胸焼け、消化不良および機能性消化不良により誘導され得る。
本発明の化合物はまた、過敏性腸症候群、びらん性GERDおよび症候性GERDまたは非びらん性GERDのような胃食道逆流症(GERD)、胃酸過多症(acid indigestion)、食物および飲料の過剰摂取、胃酸過多(acid stomach)、溜飲、呑酸/逆流症、突発性の胸焼け、夜間の胸焼け、および食事により誘導される胸焼けのような胸焼け、消化不良および機能性消化不良(例えば潰瘍様消化不良、運動障害様消化不良、および不特定の消化不良)慢性便秘症のような消化器疾患;乾癬、掻痒症および日焼けのような皮膚疾患;アンギナ、血管性頭痛およびレイノー病のような血管攣縮性疾患;くも膜下出血に続く脳血管痙攣のような脳虚血;強皮症および好酸球性肝姪症のような線維症および膠原病;全身性エリテマトーデスのような免疫亢進または抑制に関連する疾患、および結合組織炎のようなリウマチ性疾患;および咳の処置にも有用であり得る。
本発明の文脈内での「疼痛」との語は、慢性炎症性疼痛(例えば、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎および若年性関節炎に付随する疼痛);筋骨格痛;腰痛および頸部痛;捻挫および筋挫傷;神経因性疼痛;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌および線維筋痛に付随する疼痛;片頭痛に付随する疼痛;群発頭痛および習慣性頭痛に付随する疼痛;インフルエンザまたはその他のウィルス感染、例えば感冒に付随する疼痛;リウマチ熱;機能性腸疾患、例えば非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群に付随する疼痛;心筋虚血に付随する疼痛;術後疼痛;頭痛;歯痛;月経困難症;神経痛;線維筋痛症候群;複合性局所疼痛症候群(CRPSタイプIおよびII);神経因性疼痛症候群(糖尿病性神経障害;化学療法による神経因性疼痛の誘導;坐骨神経痛;非特異的腰痛;多発性硬化症の疼痛;HIV関連神経障害;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛を含む);および身体外傷、切断術、癌、毒素または慢性炎症状態からもたらされる疼痛を含む。
本発明の化合物は、全身性の悪液質、感染症または悪性腫瘍に二次的な悪液質、ならびにAIDS、腎不全、心不全および肺機能不全に二次的な悪液質を含む悪液質に有用であり得る。
本発明の化合物はまた、癌、慢性閉塞性肺疾患、結核、慢性心不全、および末期の腎不全を患う患者の臨床的進展を特徴付ける衰弱状態である、食欲不振−悪液質症候群を患う患者の処置にも有用であり得る。
ここに述べる疾患の様々な型および亜型は、すべて本発明の一部として企図される。
本発明の化合物は、うつ病、不安症、睡眠障害、または催吐の処置または予防に特に有用である。
本発明の化合物は、睡眠障害の処置または予防に特に有用である。
本発明はそれ故、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩を治療法での使用のために提供する。
従って本発明はまた、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩を、上記疾患の処置または予防における治療的物質として使用するためにも提供する。
本発明はさらに、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩を、うつ病、不安症、睡眠障害、または催吐の治療に使用するために提供する。
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳類においてタキキニンにより仲介される状態の処置または予防の方法を提供し、該方法は治療的に有効な量の式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩を患者へ投与することを含んでなる。
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳類においてNK1受容体の拮抗作用が有益である状態の処置または予防の方法を提供し、該方法は治療的に有効な量の式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩を患者へ投与することを含んでなる。
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳類における上記疾患の処置または予防の方法を提供し、該方法は治療的に有効な量の式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩を患者へ投与することを含んでなる。
本発明はさらに、ヒトを含む哺乳類におけるうつ病、不安症、睡眠障害、または催吐の処置または予防の方法を提供し、該方法は治療的に有効な量の式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩を患者へ投与することを含んでなる。
別の態様によれば、本発明はタキキニンにより仲介される状態の処置に使用する薬剤の処置における、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
別の態様によれば、本発明はNK1受容体の拮抗作用が有益である状態の処置に使用する薬剤の製造における、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
別の態様によれば、本発明は上記疾患の処置に使用する薬剤の製造における、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
別の態様によれば、本発明はうつ病、不安症、睡眠障害、または催吐の処置に使用する薬剤の製造における、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩の使用を提供する。
治療法に用いられる場合、式(I)で表される化合物は通常標準的な医薬組成物へと処方される。このような組成物は標準的な手順を用いて調製できる。
本発明はさらに、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩、および薬学上許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩、および薬学上許容される担体を含んでなる、上記疾患の処置に用いるための医薬組成物を提供する。
本発明の化合物は、精神病性障害を処置または阻止するために以下の薬剤と組み合わせて使用することができる:i)抗精神病薬;ii)錐体外路の副作用のための薬物、例えば抗コリン薬(例えばベンズトロピン、ビペリデン、プロシクリジンおよびトリヘキシフェニジル)、抗ヒスタミン薬(例えばジフェンヒドラミン)およびドーパミン作動薬(例えばアマンタジン);iii)抗うつ薬;iv)抗不安薬;およびv)向知性薬、例えばコリンエステラーゼ阻害薬(例えばタクリン、ドネペジル、リバスチグミンおよびガランタミン)。
本発明の化合物は、うつ病および気分障害を処置または阻止するために、抗うつ薬と組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物は、疼痛を処置または阻止するために、オピオイド鎮痛薬と組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物は、双極性障害を処置または阻止するために、以下の薬剤と組み合わせて使用することができる:i)気分安定薬;ii)抗精神病薬;およびiii)抗うつ薬。
本発明の化合物は、不安障害を処置または阻止するために、以下の薬剤組み合わせにより使用されてよい:i)抗不安薬;およびii)抗うつ薬。
本発明の化合物は、ニコチン離脱を改善およびニコチン欲求を減少させるために、以下の薬剤と組み合わせて使用することができる:i)ニコチン補充療法、例えばニコチンベータ−シクロデキストリンの舌下剤およびニコチンパッチ;およびii)ブプロピオン。
本発明の化合物は、アルコール離脱を改善およびアルコール欲求を減少させるために、以下の薬剤と組み合わせて使用することができる:i)NMDA受容体アンタゴニスト、例えばアカンプロセート;ii)GABA受容体アゴニスト、例えばテトラバメート(tetrabamate);およびiii)オピオイド受容体アンタゴニスト、例えばナルトレキソン。
本発明の化合物は、アヘン剤離脱を改善およびアヘン剤欲求を減少させるために、以下の薬剤と組み合わせて使用することができる:i)オピオイドmu受容体アゴニスト/オピオイドカッパ受容体アンタゴニスト、例えばブプレノルフィン;ii)オピオイド受容体アンタゴニスト、例えばナルトレキソン;およびiii)血管拡張性の降圧薬、例えばロフェキシジン。
本発明の化合物は、睡眠障害を処置または阻止するために、以下の薬剤と組み合わせて使用することができる:i)ベンゾジアゼピン系薬、例えばテマゼパム、ロルメタゼパム、エスタゾラム、およびトリアゾラム;ii)非ベンゾジアゼピン系催眠剤、例えばゾルピデム、ゾピクロン、ザレプロン、およびインディプロン;iii)バルビツール酸系薬、例えばアプロバルビタール、ブタバルビタール、ペントバルビタール、セコバルビタール、およびフェノバルビタール;iv)抗うつ薬;v)その他の鎮静剤−催眠剤、例えば抱水クロラールおよびクロルメチアゾール。
本発明の化合物は、食欲不振症を処置するために、以下の薬剤と組み合わせて使用することができる:i)食欲刺激薬、例えばシプロヘプチジン(cyproheptidine);ii)抗うつ薬;iii)抗精神病薬;iv)亜鉛;およびv)月経前薬剤(premenstrual agents)、例えばピリドキシンおよびプロゲステロン。
本発明の化合物は、過食症を処置または阻止するために、以下の薬剤と組み合わて使用することができる:i)抗うつ薬;ii)オピオイド受容体アンタゴニスト;iii)制吐薬、例えばオンダンセトロン;iv)テストステロン受容体アンタゴニスト、例えばフルタミド;v)気分安定薬;vi)亜鉛;およびvii)月経前薬剤(premenstrual agents)。
本発明の化合物は、自閉症を処置または阻止するために、以下の薬剤と組み合わて使用することができる:i)抗精神病薬;ii)抗うつ薬;iii)抗不安薬;およびiv)刺激薬、例えばメチルフェニデート、アンフェタミン製剤、およびペモリン。
本発明の化合物は、ADHDを処置または阻止するために、以下の薬剤と組み合わて使用することができる:i)刺激薬、例えばメチルフェニデート、アンフェタミン製剤、およびペモリン;およびii)非刺激薬、例えばノルエピネフリン再取り込み阻害薬(例えばアトモキセチン)、アルファ2アドレナリン受容体アゴニスト(例えばクロニジン)、抗うつ薬、モダフィニル、およびコリンエステラーゼ阻害薬(例えばガランタミンおよびドネゼピル(donezepil))。
本発明の化合物は、人格障害を処置するために、以下の薬剤と組み合わて使用することができる:i)抗精神病薬;ii)抗うつ薬;iii)気分安定薬;およびiv)抗不安薬。
本発明の化合物は、男性の性的機能不全を処置または阻止するために、以下の薬剤との組み合て使用することができる:i)ホスホジエステラーゼV阻害薬、例えばバルデナフィルおよびシルデナフィル;ii)ドーパミンアゴニスト/ドーパミン輸送阻害薬、例えばアポモルヒネおよびブプロプリオン(buproprion);iii)アルファアドレナリン受容体アンタゴニスト、例えばフェントラミン;iv)プロスタグランジンアゴニスト、例えばアルプロスタジル;v)テストステロンアゴニスト、例えばテストステロン;vi)セロトニン輸送阻害薬、例えばセロトニン再取り込み阻害薬;v)ノルアドレナリン輸送阻害薬、例えばレボキセチンおよびvii)5−HT1Aアゴニスト、例えばフリバンセリン。
本発明の化合物は、女性の性的機能不全を処置または阻止するために、男性の性的機能不全に特定化された同薬剤、およびそれに加えてエストラジオールのようなエストロゲンアゴニストと組み合わて使用することができる。
抗精神病薬は、定型抗精神病薬(例えばクロルプロマジン、チオリダジン、メソリダジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、チオチキセン、ハロペリドール、モリンドン、およびロキサピン);および非定型抗精神病薬(例えばクロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、アリピプラゾール、ジプラシドン、およびアミスルプリド)を含む。
抗うつ薬は、セロトニン再取り込み阻害薬(例えばシタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン、およびセルトラリン);セロトニン/ノルアドレナリン二重再取り込み阻害薬(例えばベンラファキシン、デュロキセチン、およびミルナシプラン);ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(例えばレボキセチン);三環系抗うつ薬(例えばアミトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、およびトリミプラミン);モノアミンオキシダーゼ阻害薬(例えばイソカルボキサジド、モクロベミド、フェネルジン、およびトラニルシプロミン);およびその他(例えばブプロピオン、ミアンセリン、ミルタザピン、ネファゾドン、およびトラゾドン)を含む。
気分安定薬は、リチウム、バルプロ酸ナトリウム/バルプロ酸/ジバルプロエクス、カルバマゼピン、ラモトリギン、ガバペンチン、トピラマート、およびチアガビンを含む。
抗不安薬は、アルプラゾラムおよびロラゼパムのようなベンゾジアゼピン系薬を含む。
オピオイド鎮痛薬は、アルフェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、コデイン、ジアセチルモルヒネ、ジヒドロコデイン、フェンタニル、ハイドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、ロフェンタニル、メペリジン、メサドン、モルヒネ、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、プロポキシフェン、レミフェンタニルおよびスフェンタニルを含む。
本発明の化合物は、てんかん、うつ病および気分障害、精神病性障害、または疼痛を処置するために、Naチャネル遮断薬と組み合わせて使用することができる。
Naチャネル遮断薬との組み合わせの文脈内で「てんかん」との語は、発作性疾患およびてんかん症候群を含むことを意図する。以下に述べるてんかんおよび発作の様々な型は、本発明の一部として企図される:部分発作起始(側頭葉てんかん、新皮質てんかん、およびラスムッセンに取って代わる)、全般発作起始、レノックス・ガストー症候群の発作(強直性、脱力、ミオクローヌス、意識消失、および全身性強直性間代性)、欠伸発作症候群、および若年性ミオクローヌスてんかん。
本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせはまた、抗けいれん剤で処置可能および/または予防可能な疾患、例えば外傷後てんかんを含むてんかん、強迫性障害(OCD)、睡眠障害(概日リズム障害、不眠症およびナルコレプシーを含む)、チック(例えばジル・ド・ラ・トゥレット症候群)、運動失調、筋強剛(痙縮)、および顎関節機能不全の処置および/または予防にも有用であり得る。
Naチャネル遮断薬との組み合わせの文脈内で「精神病性障害」との語は:
i)妄想型(295.30)、破瓜型(295.10)、緊張型(295.20)、識別不能型(295.90)および残遺型(295.60)の亜型を含む、統合失調症;統合失調症様障害(295.40);双極型およびうつ型の亜型を含む、統合失調感情障害(295.70);色情型、誇大型、嫉妬型、被害型、身体型、混合型および不特定型の亜型を含む、妄想性障害(297.1);短期精神病性障害(298.8);共有精神病性障害(297.3);妄想を伴う、および幻覚を伴う亜型を含む、一般的な症状に起因する精神病性障害;物質誘発性妄想を伴う(293.81)、および幻覚を伴う(293.82)亜型を含む、精神病性障害;および特定不能の精神病性障害(298.9)を含む。
Naチャネル遮断薬との組み合わせの文脈内で「疼痛」との語は、慢性炎症性疼痛(例えば、関節リウマチ、変形性関節症、リウマチ性脊椎炎、痛風性関節炎および若年性関節炎に付随する疼痛);筋骨格痛;腰痛および頸部痛;捻挫および筋挫傷;神経因性疼痛;交感神経依存性疼痛;筋炎;癌および線維筋痛に付随する疼痛;片頭痛に付随する疼痛;群発頭痛および習慣性頭痛に付随する疼痛;インフルエンザまたはその他のウィルス感染、例えば感冒に付随する疼痛;リウマチ熱;機能性腸疾患、例えば非潰瘍性消化不良、非心臓性胸痛および過敏性腸症候群に付随する疼痛;心筋虚血に付随する疼痛;術後疼痛;頭痛;歯痛;月経困難症;神経痛;線維筋痛症候群;複合性局所疼痛症候群(CRPSタイプIおよびII);神経因性疼痛症候群(糖尿病性神経障害;化学療法による神経因性疼痛の誘導;坐骨神経痛;非特異的腰痛;多発性硬化症の疼痛;HIV関連神経障害;ヘルペス後神経痛;三叉神経痛を含む);および身体外傷、切断術、癌、毒素または慢性炎症状態からもたらされる疼痛を含む。
Naチャネル遮断薬との組み合わせの文脈内で「うつ病および気分障害」との語は、
大うつ病エピソード、躁病エピソード、混合性エピソードおよび軽躁病エピソードを含むうつ病および気分障害;大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、他に特定されないうつ病性障害(311)を含むうつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害(軽躁病エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および他に特定されない双極性障害(296.80)を含む双極性障害;うつ病性の特徴、大うつ病様エピソード、躁病性の特徴、および混合性の特徴を伴う亜型を含む、一般身体疾患による気分障害(293.83)を含むその他の気分障害、うつ病性の特徴、躁病性の特徴、および混合性の特徴を伴う亜型を含む物質誘発性気分障害;および特定不能の気分障害(296.90)を含む。
一実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせの投与によって処置され得る「うつ病および気分障害」は双極性障害である。
一実施形態によれば、ここで上に定義された組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標));オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標));フェニトイン;カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標));リドカイン(ALGRX−3268);サフィナミド(NW−1015);ラルフィナミド(NW−1029);ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド);ルフィナマイド(RUF−331);3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬を含んでなる。
さらなる実施形態によれば、ここで上に定義された組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標))、オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標))、フェニトイン、カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標))、リドカイン(ALGRX−3268)、サフィナミド(NW−1015)、ラルフィナミド(NW−1029)、ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド)、およびルフィナマイド(RUF−331)からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬を含んでなる。
さらなる実施形態によれば、ここで上に定義された組み合わせは、
3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン;
R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン;
(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、
またはそれらの薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬を含んでなる。
さらなる実施形態によれば、ここで上に定義された組み合わせは、3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジンまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物である、Naチャネル遮断薬を含んでなる。
化合物3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジンおよびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、付与された欧州特許第0021121B号および米国特許第4,602,017号に記載される。化合物3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジンおよびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、欧州特許第0021121B号および米国特許第4,602,017号に記載されるいずれの方法を用いても調製され得る。
別の実施形態によれば、ここで上に定義された組み合わせは、R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物である、Naチャネル遮断薬を含んでなる。
化合物R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンおよびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、1997年3月13日に公開されたPCT公報、国際公開第97/9317号に記載される。化合物R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジンおよびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、国際公開第97/9317号に記載されるいずれの方法を用いても調製され得る。
さらなる追加の実施形態によれば、ここで上に定義された組み合わせは、(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミドまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物である、Naチャネル遮断薬を含んでなる。
化合物(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミドおよびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、PCT公報、国際公開第2007/042239号に記載される。化合物(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミドおよびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、国際公開第2007/042239号に記載されるいずれの方法を用いても調製され得る。
さらなる追加の実施形態によれば、ここで上に定義された組み合わせは、(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オンまたはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物である、Naチャネル遮断薬を含んでなる。
化合物(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オンおよびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、PCT公報、国際公開第2007/042240号に記載される。化合物(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オンおよびその薬学上許容される塩および溶媒和物は、国際公開第2007/042240号に記載されるいずれの方法を用いても調製され得る。
一実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標));オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標));フェニトイン;カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標));リドカイン(ALGRX−3268);サフィナミド(NW−1015);ラルフィナミド(NW−1029);ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド);ルフィナマイド(RUF−331);3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬;ならびに(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる。
従って本発明は、さらなる態様において、本発明の化合物と共にさらなる単数または複数の治療薬を含んでなる組み合わせを提供する。
上で言及された組み合わせは医薬製剤の形における使用に都合よく提供され得り、従って、上に定義される組み合わせと共に薬学上許容される担体または賦形剤を含んでなる医薬製剤は、本発明のさらなる態様を含んでなる。このような組み合わせの個々の成分は、別々の、または組み合わせた医薬製剤において、連続的または同時のいずれかにより投与されてよい。
本発明の化合物が、同じ疾病状態に対して活性のある第二の治療薬と組み合わせて使用される場合、各化合物の用量は、化合物が単独で使用される場合の用量とは異なる可能性がある。当業者は適当な用量を容易に理解するであろう。
従って一実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせは、それらのうち少なくとも一が治療量未満用量で提供される。
治療量未満用量(subtherapeutic dose)は、単独で投与された場合、患者に有意な臨床的利点を生じるために要求される薬物用量よりも少ない薬物用量を意味することが意図される。
一実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標));オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標));フェニトイン;カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標));リドカイン(ALGRX−3268);サフィナミド(NW−1015);ラルフィナミド(NW−1029);ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド);ルフィナマイド(RUF−331);3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択される治療量未満用量のNaチャネル遮断薬;ならびに本発明の化合物を含んでなる。
別の実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標));オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標));フェニトイン;カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標));リドカイン(ALGRX−3268);サフィナミド(NW−1015);ラルフィナミド(NW−1029);ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド);ルフィナマイド(RUF−331);3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬;ならびに治療量未満用量の本発明化合物のを含んでなる。
さらなる実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標));オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標));フェニトイン;カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標));リドカイン(ALGRX−3268);サフィナミド(NW−1015);ラルフィナミド(NW−1029);ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド);ルフィナマイド(RUF−331);3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬;ならびに式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなり;このような式(I)で表される化合物およびNaチャネル遮断薬化合物の両方が治療量未満用量にて投与される。
一実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標));オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標));フェニトイン;カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標));リドカイン(ALGRX−3268);サフィナミド(NW−1015);ラルフィナミド(NW−1029);ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド);ルフィナマイド(RUF−331);3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択される治療量未満用量のNaチャネル遮断薬;ならびに(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物を含んでなる。
別の実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標));オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標));フェニトイン;カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標));リドカイン(ALGRX−3268);サフィナミド(NW−1015);ラルフィナミド(NW−1029);ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド);ルフィナマイド(RUF−331);3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬;ならびに(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物の治療量未満用量を含んでなる。
さらなる実施形態によれば、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬との組み合わせは、ホスフェニトイン(Cerebyx(商標)、Prodilantin(商標)、Pro-Epanutin(商標)、またはCereneu(商標));オクスカルバゼピン(Trileptal(商標)、Oxrate(商標)、またはWockhardt(商標));フェニトイン;カルバマゼピン(カルバトロール、Equetro(商標));リドカイン(ALGRX−3268);サフィナミド(NW−1015);ラルフィナミド(NW−1029);ラコサミド((2R)−2−(アセチルアミノ)−3−メトキシ−N−(フェニルメチル)プロパンアミド);ルフィナマイド(RUF−331);3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬;ならびに(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド、またはその薬学上許容される塩を含んでなり;このような化合物(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミドおよびNaチャネル遮断薬化合物の両方が治療量未満用量にて投与される。
従って本発明はまた、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬化合物の組み合わせを、治療法における使用のためにも提供する。
従って本発明はまた、(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド、またはその薬学上許容される塩と、3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬化合物との組み合わせを;てんかん、うつ病および気分障害、精神病性障害、または疼痛の処置または予防における治療的物質として使用するためにも提供する。
一実施形態によれば、本発明は本発明の化合物とNaチャネル遮断薬化合物の組み合わせを、てんかん、うつ病および気分障害、精神病性障害、または疼痛の処置または予防における治療的物質として使用するために提供する。
一実施形態によれば本発明は、(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド、またはその薬学上許容される塩と、3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬化合物との組み合わせを;てんかん、うつ病および気分障害、精神病性障害、または疼痛の処置または予防における治療的物質として使用するために提供する。
本発明はさらに、治療的に有効な量の本発明の化合物とNaチャネル遮断薬化合物との組み合わせを患者へ投与することを含んでなる、ヒトを含む哺乳類におけるてんかん、うつ病および気分障害、精神病性障害、または疼痛の処置または予防の方法を提供する。
本発明はさらに、治療的に有効な量の(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド、またはその薬学上許容される塩と、3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬化合物との組み合わせを患者へ投与することを含んでなる、ヒトを含む哺乳類におけるてんかん、うつ病および気分障害、精神病性障害、または疼痛の処置または予防の方法を提供する。
別の態様によれば、本発明はてんかん、うつ病および気分障害、精神病性障害、または疼痛の処置に使用する薬剤の製造における、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬化合物との組み合わせの使用を提供する。
別の態様によれば、本発明はてんかん、うつ病および気分障害、精神病性障害、または疼痛の治療に使用する薬剤の製造において、(2R,5S,7R)−N8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド、またはその薬学上許容される塩と、3,5−ジアミノ−6−(2,3−ジクロロフェニル)−1,2,4−トリアジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;R(−)−2,4−ジアミノ−5−(2,3−ジクロロフェニル)−6−フルオロメチルピリミジン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物;(2R,5R)−2−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−7−メチル−1,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−6−オン、またはその薬学上許容される塩もしくは溶媒和物、および(5R)−5−(4−{[(2−フルオロフェニル)メチル]オキシ}フェニル)−L−プロリンアミド、またはその薬学上許容される塩からなる群より選択されるNaチャネル遮断薬化合物との組み合わせの使用を提供する。
治療法に用いられる場合、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬化合物との組み合わせは通常標準的な医薬組成物へと処方される。このような組成物は標準的な手順を用いて調製できる。
本発明はさらに、本発明の化合物とNaチャネル遮断薬化合物との組み合わせ、および薬学上許容される担体を含んでなる医薬組成物を提供する。
周囲温度および気圧に適切な混合により調製され得る本発明の医薬組成物は、通常、経口、非経口、または直腸投与に適合するよう、錠剤、カプセル、経口液体調製品、散剤、顆粒、舐剤、再構成可能な粉末、注射もしくは点滴可能な溶液または懸濁液、または坐薬の形であってよい。一般に、経口投与が可能な組成物が好ましい。
経口投与のための錠剤およびカプセルは単位用量の形であってよく、かつ従来の賦形剤、例えば結合剤、注入剤、錠剤化潤滑剤、崩壊剤、および許容される湿潤剤を含んでよい。錠剤は、通常の医薬業務における公知の方法に従ってコートされてよい。
経口液体調製品は例えば、水性もしくは油性の懸濁液、溶液、乳濁液、シロップ、またはエリキシル剤の形であってよいか、または使用前に水もしくはその他の適切なビヒクルにより再構成するための乾燥製品の形であってよい。このような液体調製品は、従来の添加物、例えば懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含んでよい)、保存料、および所望により従来の香味剤または着色剤を含んでよい。
非経口投与のため、本発明の化合物またはその薬学上許容される塩、および無菌ビヒクルを利用して液体単位剤形が調製される。化合物は使用するビヒクルおよび濃度に依存して、ビヒクル中に懸濁できるかまたは溶解できる。溶液の調製において、化合物は適切なバイアルまたはアンプルに充填して密閉する前に、注射用に溶解してフィルター滅菌できる。補助剤、例えば局所麻酔薬、保存料および緩衝剤は、ビヒクル中に有利に溶解される。安定性を増大させるため、組成物はバイアル充填後に凍結させ、減圧下で水分を除去できる。非経口の懸濁液は実質的に同じ様式にて調製されるが、化合物はビヒクル中に溶解される代わりに懸濁され、滅菌は濾過では達成できない。化合物は、無菌ビヒクルへの懸濁前にエチレンオキシドへ暴露することにより滅菌できる。化合物の均一な分布を促進するため、組成物中に界面活性剤または湿潤剤が有利に含まれる。
経皮投与に適切な組成物は、軟膏、ゲル、およびパッチを含む。
組成物は投与方法に応じて、0.1重量%ないし99重量%、好ましくは10ないし60重量%の有効物質を含み得る。前述の疾患の処置に使用される化合物の用量は、疾患の重篤度、患者の体重、およびその他同様の因子による通常の様式において変動するであろう。しかしながら、一般的な指針としての適切な単位用量は、0.05ないし1000mg、さらに適切には1.0ないし200mgであってよく、このような単位用量は1日1回を超えて、例えば1日に2または3回投与されてよい。このような治療法は、数週間または数か月間に延長され得る。
以下の中間体および実施例は、本発明の化合物の調製を例証する。
各出発物質に続く手順において、通常は記述への参照が提供される。これは単に熟練化学者への補助として提供されるものである。出発物質は必ずしも参照のバッチから調製されていない可能性がある。
収率は他に記載のない限り、産物が100%の純度であったと仮定して算出された。
化合物は、ACD/Name PRO 6.02 化学命名ソフトフェア((Advanced Chemistry Development Inc.、トロント、オンタリオ州、M5H2L3、カナダ)を用いて命名される。
陽子磁気共鳴(NMR)スペクトルは、Varian装置で300、400、500、または600MHz、またはBruker装置で300MHzおよび400MHzのいずれかにおいて記録された。化学シフトは、残余の溶媒ラインを内部標準として用い、ppm(δ)により記録された。分割パターンは、s,一重線;d,二重線;t,三重線;q,四重線;m,多重線;b,広幅、としてデザインされた。NMRスペクトルは25ないし90℃の範囲の温度にて記録された。一を超える配座異性体または異性体が検出された場合、最も豊富なものについての化学シフトを報告した。
全イオン流(TIC)ならびにMSおよびピークに付随するUVスペクトルと共同するDAD UVクロマトグラフィーによる追跡は、2996PDA検出器を備え、かつ陽性または陰性のエレクトロスプレーイオン化モードで操作されるWaters Micromass ZQ(商標)質量分析計に結合されたUPLC/MS Acquity(商標)システムにおいて取得された[LC/MS−ES(+または−):分析はAcquity(商標)UPLC BEH C18カラム(50x2.1mm,1.7μm粒径)を用いて行った。移動相:A−水+0.1%HCO2H/B−CH3CN+0.06%HCO2H.勾配:t=0分3%B,t=0.05分6%B,t=0.57分70%B,t=1.06分99%B0.389分間持続,t=1.45分3%B,停止時間1.5分.カラムT=40℃。流速=1.0mL/分.質量範囲:ES(+):100−1000amu.ES(−):100−800amu.UV検出範囲:210−350nm。この方法論の使用は、記載される化合物の分析的な性質決定における「UPLC」によって示される。
Rt(HPLC):x分により示されるHPLC分析は、Agilent 1100シリーズ装置において、Luna 3u C18(2) 100A(50x2.0mm)カラムを用いて行った(移動相100%[水+0.05%TFA]ないし95%[アセトニトリル+0.05%TFA]8分間,流量=1ml/分,検出波長220nm。この方法論の使用は、記載される化合物の分析的な性質決定における「HPLC」によって示される。
直接導入質量スペクトル(MS)は、ES(+)およびES(−)イオン化モード[ES(+):質量範囲:100−1000amu.導入溶媒:水+0.1%HCO2H/CH3CN50/50.ES(−):質量範囲:100−1000amu.導入溶媒:水+0.05%NH4OH/CH3CN50/50]において操作されるAgilent MSD 1100質量分析計によるか(この方法論の使用は、記載される化合物の分析的な性質決定における「MS」によって示される)、または陽性もしくは陰性のエレクトロスプレーイオン化モードならびに酸性および塩基性両方の勾配条件で操作されるHPLC装置、Agilent 1100シリーズに結合されたAgilent LC/MSD 1100質量分析計により実行された[酸性勾配LC/MS−ES(+または−):分析はSupelcosil ABZ+Plusカラム(33x4.6mm,3μm)において行った.移動相:A−水+0.1%HCO2H/B−CH3CN.勾配(標準法):t=0分0%(B),5分間に0%(B)ないし95%(B)1.5分持続,0.1分間に95%(B)ないし0%(B),停止時間8.5分.カラムT=r.t..流速=1mL/分.勾配(高速法):t=0分0%(B),3分間に0%(B)ないし95%(B)1分持続,0.1分間に95%(B)ないし0%(B),停止時間4.5分.カラムT=r.t..流速=2mL/分.塩基性勾配LC/MS‐ES(+または−):分析はXTerra MS C18カラム(30x4.6mm,2.5μm)において行った.移動相:A−5mM水溶液.NH4HCO3+アンモニア(pH10)/B−CH3CN.勾配:t=0分0%(B),0.4分間に0%(B)ないし50%(B),3.6分間に50%(B)ないし95%(B)1分持続,0.1分間に95%(B)ないし0%(B),停止時間5.8分.カラムT=r.t..流速=1.5mL/分].質量範囲ES(+または−):100−1000amu.UV検出範囲:220−350nm(この方法論の使用は、記載される化合物の分析的な性質決定における「LC/MS酸性または塩基性勾配条件」によって示される)。
マイクロ波照射に関する反応にはPersonal Chemistry Emrys(商標)Optimizerを使用した。
フラッシュシリカゲルクロマトグラフィーは、シリカゲル230−400メッシュ(Merck AG、ダルムシュタット、ドイツより供給)上で、またはVarian Mega Be-Siプレパックドカートリッジ上で、またはプレパックドBiotageシリカカートリッジ上で、またはプレパックドRediSepシリカカートリッジ上で行った。
SPE−SCXカートリッジは、Varianにより供給されるイオン交換固相抽出カラムである。SPE−SCXカートリッジと共に用いる溶出剤は、メタノールとそれに続く2Nアンモニアメタノール溶液である。
幾つかの調製品の精製は、Biotage手動フラッシュクロマトグラフィー(Flash+)またはBiotageシリカカートリッジを用いるSPX(Biotage)による自動フラッシュクロマトグラフィーのいずれか、またはRediSepシリカカートリッジを用いるCompanion CombiFlash(ISCO)による自動フラッシュクロマトグラフィーを用いて行われた。
SPE−Siカートリッジは、Varianにより供給されるシリカ固相抽出カラムである。
ジアステレオ異性体1またはジアステレオ異性体2は、単一ジアステレオ異性体としての本発明の化合物またはその中間体を意味し、この単一ジアステレオ異性体の一立体中心における絶対配置は決定されておらず、かつこの立体中心は「U」と標識される。
以下の表に、使用される略語を収載する:
BOC-Anhydride 二炭酸ジ−tert−ブチル
Cy シクロヘキサン
THF テトラヒドロフラン
EtOAc 酢酸エチル
CH3CN アセトニトリル
DCM ジクロロメタン
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−
7−エン
Et2O ジエチルエーテル
HCl 塩酸
H2 水素
LiCl 塩化リチウム
LiOH.H2O 水酸化リチウム一水和物
LiHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
mCPBA 3−クロロ過安息香酸
MeOH メタノール
Na2SO4 硫酸ナトリウム
Na2S2O3 チオ硫酸ナトリウム
NaHCO3 炭酸水素ナトリウム
Na2HPO4 第二リン酸ナトリウム
NH4Cl 塩化アンモニウム
Pd/C 炭素上のパラジウム
Si シリカ
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
DMSO ジメチルスルホキシド
NH3 アンモニア
min 分
hr 時間
rt 室温
P 圧力
Rt 保持時間
ax アキシアル
eq エクアトリアル
BOC-Anhydride 二炭酸ジ−tert−ブチル
Cy シクロヘキサン
THF テトラヒドロフラン
EtOAc 酢酸エチル
CH3CN アセトニトリル
DCM ジクロロメタン
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−
7−エン
Et2O ジエチルエーテル
HCl 塩酸
H2 水素
LiCl 塩化リチウム
CD 円二色性
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
DAD ダイオードアレイ検出器
中間体1 (2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]イミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−1−ピペリジンカルボキサミド
(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−bis(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−オクソ−1−ピペリジンカルボキサミド(国際公開第0232867号)(4g,7.93mmol)およびチタニウム(IV)の溶液中に、THF(10mL)中のエトキシド(8mL)を25℃において加え、窒素下で(R)−(+)−2−メチル−2−プロパンスルフィンアミド(1.15g,9.52mmol,Aldrich)および反応混合物を100℃に熱した。この温度にて3時間攪拌し、その後DCMおよび塩水(2mL)を加えることにより希釈した。白色の沈殿物が形成され、これを濾過除去した。得られた溶液を乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発乾固させた。未精製物をシリカカートリッジ(25g)(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc)により精製して、
表題化合物(2.2g,3.62mmol,収率45%)を黄色の粘性物質として得た。Companion CombiFlashを用いたフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc)による、所望の化合物を含む未精製画分のさらなる精製によって、さらなる
表題化合物が得られた(848mg,1.40mmol,収率17.6%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.68 - 8.07 (m, 3 H) 6.70 - 7.43 (m, 3 H) 4.80 - 5.35 (m, 2 H) 3.10 - 3.79 (m, 2 H) 2.42 - 2.95 (m, 7 H) 2.19 - 2.30 (m, 3 H) 1.46 - 1.62 (m, 3 H) 1.01 - 1.22 (m, 9 H);E+Z異性体の混合物。
中間体2および3 (2R,4R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキサミド(2)
および
(2R,4S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキサミド(3)
(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルフェニル)スルフィニル]イミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体1、50mg,0.082mmol)およびTHF(1.5mL)中の亜鉛粉末(16.14mg,0.247mmol,Aldrich)の懸濁液中に、臭化アリル(0.021mL,0.247mmol,Aldrich)を25℃において加え、混合物をこの温度にて16時間攪拌した。塩水およびEtOAcを加え、得られた混合物をCelite(登録商標)にて濾過し、二相を分離した。水相をEtOAc(3x)により抽出し、組み合わせた有機相をNa
2SO
4上で乾燥させ、蒸発乾固させた。未精製物をSP1(Biotage)システムによるシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc;25M Siカートリッジ)により精製して、二つの異なる産物を得た。
(第1溶出)(中間体2)
(2R,4R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキサミド(17.3mg,0.026mmol,収率32%)白色固体。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.98 (s, 1 H) 7.67 (s, 2 H) 7.09 - 7.18 (m, 1 H) 6.88 (dd, 1 H) 6.73 (t, 1 H) 5.84 - 6.01 (m, 1 H) 5.27 - 5.39 (m, 1 H) 4.98 - 5.09 (m, 2 H) 4.94 (s, 1 H) 4.48 (d, 1 H) 3.16 (d, 1 H) 3.03 (t, 1 H) 2.66 (s, 3 H) 2.35 (s, 3 H) 2.26 - 2.43 (m, 2 H) 2.00 (d, 1 H) 1.85 (t, 1 H) 1.77 (d, 1 H) 1.45 (d, 3 H) 1.34 - 1.59 (m, 1 H) 1.14 - 1.24 (m, 9 H). 27(R), 10(R), 6(R), C(15) NH(9) trans:相対立体化学transは、CH(6)
axに対するCH
2(2)
axおよびNH(9)の双極子相関により確認した:以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
(第2溶出)(中間体3)
(2R,4S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキサミド(11.2mg,0.017mmol,収率21%)無色の油。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.99 (s, 1 H) 7.68 (s, 2 H) 7.11 - 7.20 (m, 1 H) 6.91 (dd, 1 H) 6.77 (t, 1 H) 5.82 - 5.98 (m, 1 H) 5.25 - 5.33 (m, 1 H) 5.09 - 5.24 (m, 2 H) 4.90 (s, 1 H) 4.34 - 4.42 (m, 1 H) 3.26 - 3.39 (m, 1 H) 2.93 - 3.05 (m, 1 H) 2.70 (s, 3 H) 2.59 (d, 2 H) 2.30 (s, 3 H) 2.00 (t, 1 H) 1.77 (d, 1 H) 1.70 (d, 2 H) 1.48 (d, 3 H) 1.09 (s, 9 H). 27(R), 10(R), 6(R), C(15) NH(9) cis:相対立体化学cisは、CH(6)
axに対するCH
2(2)
axおよびCH
2(12)の双極子相関により確認した:以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
中間体4 (2R,4R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−オキソエチル)−1−ピペリジンカルボキサミド
この工程で使用する出発物質は前記と同一の手順を用いて調製し、最終精製のために組み合わされた、二つの反応において平行して使用した。DCM(50mL)中の(2R,4R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体2、500mg,0.77mmol)溶液を−78℃に冷却し、反応混合物を撹拌する10分間を通してオゾンを泡立たせた。反応を窒素雰囲気下で撹拌し、−78℃にて硫化ジメチル(10mL,135mmol)を加えた。得られた混合物を16時間撹拌して残余のオゾニドを焼失させた。
一方で、同一の反応を材料の第二の部分について行った。DCM(48mL)中の(2R,4R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体2、480mg,0.739mmol)溶液を−78℃に冷却し、反応混合物を撹拌する10分間を通してオゾンを泡立たせた。反応を窒素雰囲気下で撹拌し、−78℃にて硫化ジメチル(10mL,135mmol)を加えた。得られた混合物を16時間撹拌して残余のオゾニドを消失させた。二つの反応混合物を組み合わせ、溶媒を蒸発乾固させた。未精製物をSP1(Biotage)システムによるシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc;40M Siカートリッジ)により精製して、
表題化合物(587mg,0.90mmol,収率60%)を黄色の油として得た(収率は、使用した出発物質の二つの量の和を考慮して算出した)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.68 - 9.83 (s, 1 H) 7.91 - 8.05 (m, 1 H) 7.55 - 7.75 (m, 2 H) 7.09 - 7.23 (m, 1 H) 6.83 - 6.95 (m, 1 H) 6.65 - 6.80 (m, 1 H) 5.26 - 5.43 (m, 1 H) 5.17 - 5.26 (m, 1 H) 4.45 - 4.55 (m, 1 H) 3.10 - 3.25 (m, 1 H) 2.96 - 3.10 (m, 1 H) 2.56 - 2.81 (m, 5 H) 2.27 - 2.41 (m, 3 H) 2.14 - 2.25 (m, 1 H) 1.89 - 2.05 (m, 2 H) 1.56 - 1.72 (m, 1 H) 1.47 (d, 3 H) 1.12 - 1.29 (m, 9 H)。UPLC:Rt0.92分,m/z652[M+H]
+。
中間体5 メチル4−[(2R,4R)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニル]−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ブタノアート
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(0.185mL,1.24mmol,Aldrich)を、無水アセトニトリル(20mL)中の塩化リチウム(55.6mg,1.31mmol,Aldrich)とメチル[ビス(メチルオキシ)ホスホリル]{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}アセテート(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666)(409mg,1.31mmol)との懸濁液へ滴下して加え、混合物を0℃で1時間保持した。アセトニトリル(5mL)中の(2R,4R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−オキソエチル)−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体4、585mg,0.898mmol)溶液を、0℃にて滴下して加えた。温度を25℃まで上げながら、混合物を7時間撹拌した。反応混合物に飽和水性NaHCO
3およびEtOAcを加え、二相を分離した。組み合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発乾固させた。未精製物をSP1(Biotage)システムによるシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc)により精製して、
表題化合物(542mg,0.65mmol,収率72%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.89 - 8.07 (m, 1 H) 7.56 - 7.76 (m, 2 H) 7.03 - 7.19 (m, 1 H) 6.82 - 6.96 (m, 1 H) 6.57 - 6.80 (m, 1 H) 5.59 - 5.80 (m, 1 H) 5.23 - 5.40 (m, 1 H) 4.98 - 5.18 (m, 1 H) 4.38 - 4.59 (m, 1 H) 3.57 - 3.71 (m, 3 H) 3.12 - 3.22 (m, 1 H) 2.98 - 3.11 (m, 1 H) 2.74 - 2.87 (m, 1 H) 2.59 - 2.74 (m, 4 H) 2.28 - 2.41 (m, 3 H) 1.94 - 2.12 (m, 1 H) 1.72 - 1.94 (m, 2 H) 1.54 - 1.73 (m, 1 H) 1.40 - 1.54 (m, 3 H) 1.11 - 1.29 (m, 9 H) 0.80 - 0.94 (m, 9 H) 0.03 - 0.13 (m, 6 H)。UPLC:Rt1.19分,m/z=838[M+H]
+および860[M+Na]
+。
中間体6 メチル4−[(2R,4R)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニル]−2−オキソブタノアート
アセトニトリル(2mL)中のメチル4−[(2R,4R)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニル]−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ブタノアート(中間体5、100mg,0.119mmol)と酢酸(0.014mL,0.239mmol)との溶液にフッ化セシウム(58.0mg,0.382mmol,Aldrich)を加え、反応混合物を25℃にて5時間撹拌した。NaHCO
3飽和溶液を非常に注意深く加え、混合物をEtOAc(3x)により抽出した。組み合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発乾固させた。未精製物をSP1(Biotage)システムによるシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc)により精製して、
表題化合物(64.4mg,0.089mmol,収率75%)を白色の発泡体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.97 (s, 1 H) 7.58 - 7.72 (m, 2 H) 7.08 - 7.22 (m, 1 H) 6.88 (d, 1 H) 6.70 (t, 1 H) 5.25 - 5.38 (m, 1 H) 5.03 (s, 1 H) 4.35 - 4.50 (m, 1 H) 3.72 (s, 3 H) 2.86 - 3.22 (m, 4 H) 2.65 (s, 3 H) 2.36 (s, 3 H) 1.44 (d, 3 H) 1.32 - 2.12 (m, 6 H) 1.19 (s, 9 H)。サンプルは、比率が〜70:30の二つの種からなる(3.71ppm、3.66ppmにおけるOMeのシグナルを参照)。UPLC:予想質量がm/z=724[M+H]
+である、Rt0.87および0.93分の二つのピーク。
中間体7および8 メチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(7)(ジアステレオ異性体1)および メチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(8)(ジアステレオ異性体2)
DCM(1mL)中のメチル4−[(2R,4R)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニル]−2−オキソブタノアート(中間体6、62mg,0.086mmol)にTFA(4mL,51.9mmol)を加え、反応混合物を25℃にて6時間撹拌した。反応混合物にトリエチルシラン(1mL,6.26mmol,Aldrich)を加え、1時間撹拌した。反応混合物を一晩静置し、次の日に飽和NaHCO
3溶液中に非常に注意深く注ぎ、中和させてDCMを加えた。二相を分離し、水相をDCM(3x)により抽出し、組み合わせた有機相を乾燥させ、蒸発乾固させた。未精製物をSP1(Biotage)システムによるシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc)により精製して、二つのジアステレオ異性体を得た:
(第1溶出)(中間体7)(ジアステレオ異性体1) メチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(10.6mg,0.017mmol,収率20%)、黄色がかった粘性物質。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.90 - 8.09 (m, 1 H) 7.61 - 7.75 (m, 2 H) 7.10 - 7.22 (m, 1 H) 6.67 - 6.95 (m, 2 H) 5.21 - 5.40 (m, 1 H) 4.29 - 4.46 (m, 1 H) 3.75 - 3.94 (m, 1 H) 3.55 - 3.68 (m, 3 H) 3.13 - 3.26 (m, 1 H) 2.96 - 3.12 (m, 1 H) 2.64 - 2.81 (m, 3 H) 2.26 - 2.38 (m, 3 H) 2.00 - 2.16 (m, 1 H) 1.68 - 1.91 (m, 2 H) 1.35 - 1.67 (m, 8 H)
(第2溶出)(中間体8)(ジアステレオ異性体2) メチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(20.8mg,0.034mmol,収率40%)、無色の粘性物質。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.96 - 8.02 (m, 1 H) 7.65 - 7.73 (m, 2 H) 7.11 - 7.19 (m, 1 H) 6.85 - 6.94 (m, 1 H) 6.69 - 6.80 (m, 1 H) 5.27 - 5.39 (m, 1 H) 4.36 - 4.46 (m, 1 H) 3.77 - 3.87 (m, 1 H) 3.59 - 3.66 (m, 3 H) 3.13 - 3.22 (m, 1 H) 2.94 - 3.05 (m, 1 H) 2.68 - 2.77 (m, 3 H) 2.29 - 2.38 (m, 3 H) 1.38 - 2.14 (m, 11 H)。
中間体9 (2R,4S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−オキソエチル)−1−ピペリジンカルボキサミド
この工程で使用する出発物質は前記と同一の手順により調製した。DCM(80mL)中の(2R,4S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体3、800mg,1.23mmol)溶液を−78℃に冷却し、反応混合物を撹拌する10分間を通してオゾンを泡立たせた。反応を窒素雰囲気下で撹拌し、−78℃にて硫化ジメチル(10mL,135mmol)を加えた。得られた混合物を16時間撹拌して残余のオゾニドを消失させた。混合物を蒸発乾固させ、残渣をSP1(Biotage)システムによるシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc;40M カートリッジ)により精製して、
表題化合物(380mg,0.58mmol,収率47%)を黄色がかった固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.70 - 9.82 (m, 1 H) 7.92 - 8.06 (m, 1 H) 7.62 - 7.76 (m, 2 H) 7.11 - 7.23 (m, 1 H) 6.88 - 6.97 (m, 1 H) 6.73 - 6.83 (m, 1 H) 5.17 - 5.38 (m, 2 H) 4.32 - 4.47 (m, 1 H) 2.59 - 3.48 (m, 7 H) 2.24 - 2.39 (m, 3 H) 1.55 - 2.19 (m, 4 H) 1.41 - 1.53 (m, 3 H) 0.98 - 1.29 (m, 9 H)。UPLC:Rt0.91分,m/z=652[M+H]
+および674[M+Na]
+。
中間体10 メチル4−[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニル]−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ブテノアート
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス−7−エン(0.12mL,0.80mmol,Aldrich)を、無水アセトニトリル(16mL)中の塩化リチウム(35.9mg,0.847mmol,Aldrich)とメチル[ビス(メチルオキシ)ホスホリル]{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}アセテート(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666)(265mg,0.847mmol)との懸濁液へ滴下して加え、混合物を0℃で1時間保持した。アセトニトリル(5mL)中の(2R,4S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−(2−オキソエチル)−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体9、378mg,0.58mmol)溶液を、0℃にて滴下して加えた。温度を25℃まで上げながら、混合物を7時間撹拌した。反応混合物に飽和水性NaHCO
3およびEtOAcを加え、二相を分離した。組み合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発乾固させた。未精製物をSP1(Biotage)システムによるシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc)により精製して、
表題化合物(186mg,0.22mmol,収率38%)を白色の発泡体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.98 (m, 1 H) 7.68 (s, 2 H) 7.12 - 7.20 (m, 1 H) 6.92 (d, 1 H) 6.79 (t, 1 H) 5.66 (t, 1 H) 5.26 - 5.35 (m, 1 H) 5.00 (s, 1 H) 4.33 (d, 1 H) 3.71 (s, 3 H) 2.70 (s, 3 H) 2.60 - 3.4 (m, 4 H) 2.27 (s, 3 H) 1.48 (d, 3 H) 1.35 - 2.10 (m, 4 H) 1.05 - 1.13 (m, 9 H) 0.84 - 0.98 (m, 9 H) 0.06 (s, 6 H)。サンプルは、比率が〜3:1で、高い確率でEおよびZの異性体である二つの種からなる(3.71ppmにおけるOMeのシグナルを参照)。UPLC:Rt0.86および0.89分の近接する二つのピーク、m/z=838[M+H]
+。
中間体11 メチル4−[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニル]−2−オキソブタノアート
アセトニトリル(4mL)中のメチル4−[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニル]−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ブタノアート(中間体10、184mg,0.220mmol)と酢酸(0.025mL,0.439mmol)との溶液にフッ化セシウム(107mg,0.703mmol,Aldrich)を加え、反応混合物を25℃にて5時間撹拌した。NaHCO
3飽和溶液を非常に注意深く加え、混合物をEtOAc(3x)により抽出した。組み合わせた有機相を乾燥させ(Na
2SO
4)、蒸発乾固させた。未精製物をSP1(Biotage)システムによるシリカ上のフラッシュクロマトグラフィー(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc)により精製して、
表題化合物(108mg,0.149mmol,収率68%)を無色の油として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.92 - 8.03 (m, 1 H) 7.62 - 7.75 (m, 2 H) 6.68 - 7.30 (m, 3 H) 5.20 - 5.37 (m, 1 H) 4.94 - 5.07 (m, 1 H) 4.30 - 4.46 (m, 1 H) 3.67 - 3.81 (m, 3 H) 2.86 - 3.07 (m, 2 H) 1.58 - 2.77 (m, 14 H) 1.45 - 1.53 (m, 3 H) 1.03 - 1.12 (m, 9 H)。二つの種の混合物(3.77ppm、3.70ppmにおけるOMeのシグナルを参照)。UPLC:Rt0.87および0.93分の二つのピーク、m/z=724[M+H]
+。
中間体12(方法A)および13 メチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(12)およびメチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(13)
DCM(2mL)中のメチル4−[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−4−{[(1,1−ジメチルエチル)スルフィニル]アミノ}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニル]−2−オキソブタノアート(中間体11、106mg,0.146mmol)にTFA(2mL,104mmol)を加え、反応混合物を25℃にて5.5時間撹拌した。反応混合物にトリエチルシラン(1mL,6.26mmol)を加え、1時間撹拌して、次に一晩静置した。反応混合物を飽和NaHCO
3溶液中に非常に注意深く注ぎ、DCMを加えた。二相を分離し、水相をDCM(3x)により抽出し、組み合わせた有機相を乾燥させ、蒸発乾固させた。未精製物をシリカカートリッジ(2g)(1:0ないし0:1、シクロヘキサン/EtOAc)により精製して、二つのジアステレオ異性体を得た:
(第1溶出)(中間体12、方法A)(ジアステレオ異性体1) メチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(22.8mg,0.038mmol,収率26%)、無色の油。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.92 - 8.10 (m, 1 H) 7.65 - 7.74 (m, 2 H) 7.09 - 7.19 (m, 1 H) 6.88 - 6.95 (m, 1 H) 6.72 - 6.82 (m, 1 H) 5.24 - 5.38 (m, 1 H) 4.09 - 4.19 (m, 1 H) 3.70 - 3.80 (m, 1 H) 3.57 - 3.66 (m, 3 H) 2.65 - 3.46 (m, 5 H) 2.25 - 2.39 (m, 3 H) 2.04 - 2.21 (m, 1 H) 1.34 - 1.96 (m, 10 H)。
(第2溶出)(中間体13)(ジアステレオ異性体2) メチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(27mg,0.045mmol,収率31%)、無色の油。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.97 - 8.03 (m, 1 H) 7.66 - 7.73 (m, 2 H) 7.12 - 7.20 (m, 1 H) 6.88 - 6.94 (m, 1 H) 6.74 - 6.83 (m, 1 H) 5.26 - 5.36 (m, 1 H) 4.09 - 4.17 (m, 1 H) 3.71 - 3.79 (m, 1 H) 3.51 - 3.65 (m, 3 H) 2.63 - 3.41 (m, 5 H) 2.27 - 2.35 (m, 3 H) 2.04 - 2.18 (m, 1 H) 1.81 - 1.95 (m, 1 H) 1.38 - 1.79 (m, 9 H)。
中間体12(方法B)
メチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート
メタノール(20ml)中のメチル(2R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ヨード−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(860mg,1.179mmol)溶液に、トリエチルアミン(0.822ml,5.89mmol)、続いて炭素上のパラジウム10%(172mg,0.162mmol)を加えた。得られた混合物を、H2の気圧において、室温にて一晩水素化した。
反応混合物をsterimatにより濾過し、MeOHで洗浄し、蒸発させて乾燥させた。残渣を水性飽和NaHCO
3(20ml)およびDCM(50ml)により処理した。相を分離し、水性のものをDCM(2x50ml)により逆抽出した。有機物を組み合わせ、Mg
2SO
4上で乾燥させ、乾燥のために蒸発させて未精製物質(970mg)をオレンジ色の油として得た。この未精製物質を、6/4ないし1/1のシクロヘキサン/AcOEtによるSiO
2フラッシュクロマトグラフィーの溶出によって精製し、溶媒を蒸発させた後、
表題化合物を白色の発泡固体として得た(515mg,0.853mmol,収率72.4%)。
UPLC:Rt=0.68分,m/z=604[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, acetone) δ ppm 7.93 (s, 1 H), 7.79 (s, 2 H), 7.24 - 7.34 (m, 1 H), 6.71 - 6.91 (m, 2 H), 5.43 - 5.57 (m, 1 H), 4.29 (d, 1 H), 3.74 - 3.86 (m, 1 H), 3.66 (s, 3 H), 3.37 - 3.49 (m, 1 H), 2.84 (s, 3 H), 2.80 - 2.91 (m, 1 H), 2.41 (s, 3 H), 1.54 (d, 3 H), 1.48 - 2.36 (m, 8 H)。
中間体14 1,1−ジメチルエチル(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート
無水ジクロロメタン(DCM)(550ml)中の(2S)−ヒドロキシ(フェニル)エタン酸−(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジノン(1:1)(2008年7月31日に公開された、国際公開第2008090117号)溶液に、TEA(29.1ml,209mmol)、続いてBOC-Anhydride(38.8ml,167mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応を飽和NaHCO3溶液(400ml)により希釈し、二相を分離した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過して真空中で蒸発させた。残渣をシリカパネルの小パッドによって、Cyないし7:3 Cy/EtOAcを用いる溶出により精製して、
表題化合物(37.6g,122mmol,収率88%)を得た。1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 7.08 - 7.18 (m, 1 H) 6.80 - 6.92 (m, 2 H) 5.62 (br. s., 1 H) 4.16 - 4.32 (m, 1 H) 3.09 - 3.30 (m, 1 H) 2.79 (d, 2 H) 2.39 - 2.62 (m, 2 H) 2.33 (s, 3 H) 1.33 - 1.51 (m, 9 H);UPLC:Rt=0.77分,m/z=251[M−56+H]
+。
中間体15および16 1,1−ジメチルエチル(2R,4R)−4−アミノ−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体15)および1,1−ジメチルエチル(2R,4S)−4−アミノ−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体16)
1,1−ジメチルエチル(2R)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体14、37.6g,122mmol)を、MeOH(175ml,1223mmol)中の7Mアンモニアに溶解させ、室温で15分撹拌した。4,4,5,5−テトラメチル−2−(2−プロペン−1−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(26.7g,159mmol)を加え、反応を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で蒸発させて黄色の油を得、これを100mlのEtOAcに溶解し、2x50mlのNaHCO3飽和溶液、次に50mlの塩水で洗浄した。有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させて48gの未精製物を得た。この物質を8:2 Cy/EtOAcによりBiotage NH-カラム(40M)にて溶出し、800mgを精製した。
(第1溶出)1,1−ジメチルエチル(2R,4R)−4−アミノ−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体15、402mg,1.154mmol;収率0.94%)。1H NMR (500 MHz, acetone) δ ppm 7.23 (dd, 1 H) 6.86 - 6.95 (m, 2 H) 5.84 - 5.97 (m, 1 H) 5.11 (dd, 1 H) 5.07 (dd, 1 H) 5.02 (d, 1 H) 3.96 - 4.07 (m, 1 H) 3.38 - 3.48 (m, 1 H) 2.37 (s, 3 H) 2.11 - 2.23 (m, 2 H) 1.77 - 1.85 (m, 1 H) 1.67 - 1.77 (m, 1 H) 1.60 - 1.67 (m, 1 H) 1.49 - 1.58 (m, 1 H) 1.36 (br. s., 2 H) 1.18 (s, 9 H)。双極子相関:H−12に対してH−13,−14,−3,−3’,−5,−5’;H−2(3.41ppm)に対してH−20,−2(4.02ppm),−12,−3(1.75ppm),−5(1.70ppm);H−20に対してH−6(弱),−2(3.41ppm),Me−24,−5,−5’,Boc;Me−24に対してH−6(強),−17,−5,−5’,Boc。双極子相関は、ピペリジン環が非いす形配座、例えばねじれ舟形をとる場合にのみ有意義である。加えて、芳香族成分は回転障害的、すなわちMe−24およびH−20は異なる双極子相関を示す。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
(第2溶出)1,1−ジメチルエチル(2R,4S)−4−アミノ−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体16、270mg,0.775mmol;収率0.63%)。1H NMR (500 MHz, acetone) δ ppm 7.29 (dd, 1 H) 6.86 - 6.94 (m, 2 H) 5.94 - 6.06 (m, 1 H) 5.11 - 5.18 (m, 2 H) 4.99 (dd, 1 H) 4.02 - 4.12 (m, 1 H) 3.53 - 3.65 (m, 1 H) 2.36 (s, 3 H) 2.19 - 2.29 (m, 2 H) 1.86 (dd, 1 H) 1.64 - 1.78 (m, 2 H) 1.54 - 1.64 (m, 1 H) 1.21 (s, 9 H);双極子相関:H−12に対してH−3,−3’,−5,−5’,−13,−14;H−6に対してMe−24,H−12(強),−5,−5’;H−20に対してH−2(3.58ppm,強),−6(弱),−5,Boc。双極子相関は、ピペリジン環が非いす形配座、例えばねじれ舟形をとる場合にのみ有意義である。加えて、芳香族成分は回転障害的である(その他の異性体、異性体2を参照)。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
残余の未精製物を98:2 DCM/MeOHによりBiotage Si-カラム(75L)にて溶出し:
(第1溶出)1,1−ジメチルエチル(2R,4R)−4−アミノ−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体15、24g,68.9mmol;収率56.3%).UPLC:Rt=0.57分,m/z=349[M+H]+;293[M−56+H]+
(第2溶出)1,1−ジメチルエチル(2R,4S)−4−アミノ−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体3、18g,51.7mmol,収率42.2%).UPLC:Rt=0.58分,m/z=349[M+H]+;293[M−56+H]+を得た。
中間体17 1,1−ジメチルエチル(2R,4S)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート
無水DCM(400ml)中の1,1−ジメチルエチル(2R,4S)−4−アミノ−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体16、25g,71.7mmol)溶液に、DCM(100ml)中の二炭酸ジベンジル(25g,87mmol)溶液を0℃にて加え、反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を、カラム65+M、およびシクロヘキサンないし8:2シクロヘキサン/酢酸エチルを溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(Biotage system)により精製して、
表題化合物(29g,60.1mmol,収率84%)を白色の発泡体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.18 - 7.40 (m, 5 H) 7.05 - 7.13 (m, 1 H) 6.93 - 7.01 (m, 2 H) 6.85 - 6.93 (m, 1 H) 5.66 - 5.81 (m, 1 H) 4.99 - 5.19 (m, 2 H) 4.89 - 4.98 (m, 1 H) 4.74 - 4.84 (m, 1 H) 4.46 - 4.65 (m, 1 H) 3.87 - 3.98 (m, 1 H) 3.44 - 3.59 (m, 1 H) 2.20 - 2.57 (m, 6 H) 1.86 - 1.97 (m, 1 H) 1.71 - 1.83 (m, 1 H) 1.51 - 1.66 (m, 1 H) 1.16 (s, 9 H);UPLC:Rt=0.97分,m/z=483[M+H]
+;427[M−56+H]
+。
中間体18 フェニルメチル[(2R,4S)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート
無水ジクロロメタン(DCM)(500ml)中の1,1−ジメチルエチル(2R,4S)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−4−(2−プロペン−1−イル)−1−ピペリジンカルボキシレート(中間体17、29g,60.1mmol)溶液に、0℃にて30分の間TFA(125ml,1622mmol)をゆっくりと加え、反応混合物を同じ温度で2時間撹拌した。反応をDCM(300ml)で希釈し、NaHCO3の飽和溶液をpH=8になるまで加えた。二相を分離し、水層を(DCM)(200ml)により抽出した。有機層を組み合わせて乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、蒸発させて
表題化合物(23.0g,60.1mmol,定量的な収率)を無色の油として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.46 - 7.56 (m, 1 H) 7.25 - 7.41 (m, 5 H) 7.07 (br. s., 1 H) 6.92 - 7.03 (m, 2 H) 5.67 - 5.83 (m, 1 H) 5.03 - 5.19 (m, 2 H) 4.97 (s, 2 H) 3.96 (d, 1 H) 2.82 - 3.03 (m, 2 H) 2.76 (d, 2 H) 2.29 (s, 3 H) 1.99 (d, 2 H) 1.54 - 1.68 (m, 1 H) 1.36 (t, 1 H);UPLC:Rt=0.62分,m/z=383[M+H]
+。
中間体19 フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート
無水酢酸エチル(5.5ml)中のトリホスゲン(0.714g,2.405mmol)溶液に、0℃にて無水酢酸エチル(10ml)中のフェニルメチル[(2R,4S)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体18、2g,5.23mmol)およびTEAの溶液(1.8ml)をゆっくりと加え、混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次に無水酢酸エチル(10ml)中の{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}メチルアミン(国際公開第2007107818号、2007年9月27日)(1.479g,5.75mmol)およびTEAの溶液(1.63ml)を0℃にて5分の間に加えた。得られた懸濁液を5時間還流した。冷却後、反応混合物にNaHCO3飽和水溶液および酢酸エチルを加え、二相を分離した。水相を酢酸エチル(3x)により抽出し、組み合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、濾過して蒸発乾固させた。残渣をBiotageSP1(1:0ないし7:3、シクロヘキサン/EtOAc;40M)によるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、
表題化合物の二つのバッチを得た:第1バッチ(1.6g,2.40mmol,収率46.0%);1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.94 (s, 1 H) 7.61 (s, 2 H) 7.27 - 7.38 (m, 5 H) 7.24 (dd, 1 H) 7.18 (br. s., 1 H) 6.91 (dd, 1 H) 6.76 - 6.83 (m, 1 H) 5.68 - 5.81 (m, 1 H) 5.06 - 5.18 (m, 2 H) 4.88 - 5.00 (m, 2 H) 4.60 (d, 1 H) 4.36 - 4.44 (m, 1 H) 4.36 (d, 1 H) 3.36 - 3.47 (m, 1 H) 2.94 - 3.06 (m, 1 H) 2.88 (s, 3 H) 2.63 - 2.72 (m, 2 H) 2.31 (s, 3 H) 1.84 - 2.05 (m, 3 H) 1.64 (t, 1 H);UPLC:Rt=1.02分;m/z=666[MH]+。第2バッチを再びBiotageSP1(1:0ないし7:3、シクロヘキサン/EtO
Ac;40M)によるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、
表題化合物のさらなる二つのバッチを得た(0.8gおよび0.15g)。
中間体20 フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−オキソエチル)−4−ピペリジニル]カルバメート
ジクロロメタン(DCM)(50ml)中のフェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体19、600mg,0.901mmol)を−78℃に冷却し、反応混合物を撹拌する10分間を通してオゾンを泡立たせた;反応は青色を呈した。次に、これを窒素雰囲気下で撹拌し、−78℃にて硫化ジメチル(11.73mL,159mmol)を加えた。得られた混合物を16時間撹拌して残余のオゾニドを消失させた。この反応混合物を、同様の手順で調製した類似の反応混合物と組み合わせた:ジクロロメタン(DCM)(50ml)中のフェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体19、500mg,0.751mmol)を−78℃に冷却し、反応混合物を撹拌する10分間を通してオゾンを泡立たせた。溶液は青色を呈した。次に、反応を窒素雰囲気下で撹拌し、−78℃にて硫化ジメチル(10mL,135mmol)を加えた。得られた混合物を24時間撹拌して残余のオゾニドを消失させた。
組み合わせた二つの反応混合物を蒸発乾固させ、未精製物をSP1(シクロヘキサン/EtOAc、1:0に始まり,8:2においてプラトー,7:3においてプラトー,1:1ないし0:1においてプラトー)によるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、
表題化合物(868mg,1.3mmol,収率79%、二つの反応で使用した出発物質の総量を考慮)を白色の発泡体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.72 (t, 1 H) 7.85 - 8.00 (m, 1 H) 7.62 (s, 2 H) 7.45 - 7.61 (m, 1 H) 7.18 - 7.44 (m, 6 H) 6.92 (dd, 2.69 Hz, 1 H) 6.80 (td, 2.63 Hz, 1 H) 4.88 - 5.04 (m, 2 H) 4.62 (d, 1 H) 4.30 - 4.46 (m, 2 H) 3.34 - 3.54 (m, 1 H) 2.90 - 3.10 (m, 3 H) 2.90 (s, 3 H) 2.32 (s, 3 H) 2.03 - 2.25 (m, 2 H) 1.90 - 2.04 (m, 1 H) 1.73 (t, 1 H);HPLC:Rt=7.78分;MS:m/z=668[MH]
+および690[M+Na]
+。
中間体21 メチル(2E,Z)−4−[(2R,4S)−1−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−4−ピペリジニル]−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ブタノアート
DBU(0.359ml,2.400mmol)を、無水アセトニトリル(15ml)中のLiCl(110mg,2.59mmol)とメチル[ビス(メチルオキシ)ホスホリル]{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}アセテート(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666;J. Org. Chem. 2006, 71, 9144-9152,810mg,2.59mmol)との懸濁液へ滴下して加え、混合物を0℃で1時間保持した。アセトニトリル(5mL)中のフェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−オキソエチル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体20、866mg,1.297mmol)溶液を、0℃にて滴下して加え、温度を25℃まで上げながら、反応混合物を1時間撹拌した。さらなる無水アセトニトリル(10ml)中のLiCl(220mg,5.18mmol)、メチル[ビス(メチルオキシ)ホスホリル]{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}アセテート(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666;J. Org. Chem. 2006, 71, 9144-9152,1.6g,5.18mmol)およびDBU(0.718ml,4.8mmol)溶液を0℃で10分間保持し、25℃にて反応混合物に加え、一晩撹拌した。さらなる無水アセトニトリル(5ml)中のLiCl(110mg,2.59mmol)、メチル[ビス(メチルオキシ)ホスホリル]{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}アセテート(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666;J. Org. Chem. 2006, 71, 9144-9152,810mg,2.59mmol)およびDBU(0.359ml,2.40mmol)溶液を0℃で10分間保持し、0℃に冷却した反応混合物に加え、温度を25℃まで上げながら2時間撹拌した。NaHCO3飽和水溶液およびEtOAcを加え、二相を分離した。水相をEtOAc(2x)により抽出し、組み合わせた有機相を乾燥させ、蒸発乾固させた。未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(SP1;1:0ないし7:3、シクロヘキサン/EtOAc)により精製して、
表題化合物を白色の固体として得た(889mg,1.041mmol,収率80%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 6.54 - 8.14 (m, 12 H) 5.38 - 6.07 (m, 1 H) 3.72 (s, 3 H) 2.71 - 5.11 (m, 7 H) 2.51 (s, 3 H) 2.28 (s, 3 H) 0.99 - 2.13 (m, 6 H) 0.91 (s, 9 H) 0.09 (s, 6 H)。サンプルは、比率が〜3:1で、高い確率でEおよびZの異性体である二つの種からなる(E/Zは特定されていない)。UPLC:Rt=1.19分;m/z=854[M+H]+。
中間体22および23 メチル(2R,5S,7R)−8−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体22)およびメチル(2S,5S,7R)−8−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体23)
メタノール(16ml)中のメチル(2E,Z)−4−[(2R,4S)−1−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−4−ピペリジニル]−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ブタノアート(中間体21,885mg,1.036mmol)溶液に、フッ化セシウム(504mg,3.32mmol)を加え、得られた溶液を1時間静置した。次に、溶液に10%の炭素上のパラジウム(90mg,0.846mmol)を加え、得られた混合物を水素雰囲気下(P=1atm)で1時間攪拌した。触媒を濾過して除き、得られた溶液を蒸発乾固させた。残渣をEtOAcおよび水に分配し(塩を除去するため)、二相を分離した。水相をEtOAc(2x)により抽出し、組み合わせた有機相を乾燥させ、乾燥のために蒸発させた。未精製物をSP1(シクロヘキサン/EtOAc、1:0に始まり,1:9においてプラトー,0:1においてプラトー)により精製して得た:
(第1溶出)メチル(2R,5S,7R)−8−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体22、69mg,0.117mmol,収率11.29%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, acetone) δ ppm 7.89 (s, 1 H) 7.68 (s, 2 H) 7.29 - 7.38 (m, 1 H) 6.74 - 6.90 (m, 2 H) 4.75 (d, 1 H) 4.49 (d, 1 H) 4.29 (dd, 1 H) 3.79 (dd, 1 H) 3.67 (s, 3 H) 3.44 - 3.55 (m, 1 H) 3.05 (s, 3 H) 2.77 - 2.97 (m, 1 H) 2.41 (s, 3 H) 2.14 - 2.33 (m, 1 H) 1.86 - 2.02 (m, 3 H) 1.63 - 1.83 (m, 3 H) 1.47 - 1.62 (m, 1 H);C(8)の相対立体化学は、1.71ppmにおけるCH(8)とCH2(7)eqの間の双極子相関により決定された。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
HPLC:Rt=6.56分;MS:m/z=590[M+H]+。
(第2溶出)メチル(2S,5S,7R)−8−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体23、385mg,0.653mmol,収率63.0%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, acetone) δ ppm 7.89 (s, 1 H) 7.68 (s, 2 H) 7.28 - 7.41 (m, 1 H) 6.73 - 6.90 (m, 2 H) 4.75 (d, 1 H) 4.49 (d, 1 H) 4.31 (dd, 1 H) 3.81 (dd, 1 H) 3.63 (s, 3 H) 3.40 - 3.54 (m, 1 H) 3.05 (s, 3 H) 2.77 - 2.95 (m, 1 H) 2.41 (s, 3 H) 2.12 - 2.33 (m, 1 H) 1.79 - 2.11 (m, 4 H) 1.59 - 1.79 (m, 3 H);特徴的なシグナルの重複(CH2(7)およびCH2(3)eq)のため、C(8)の相対立体化学は、もう一方のジアステレオ異性体(中間体22)の相対立体化学の決定後に特定された。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
HPLC:Rt=6.63分;MS:m/z=590[M+H]+。
中間体24(方法A) フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル) アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート
無水酢酸エチル(2.5ml)中のトリホスゲン(0.35g,1.179mmol)溶液に、0℃にて無水酢酸エチル(5ml)中のフェニルメチル[(2R,4S)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体18、0.98g,2.56mmol)およびTEAの溶液(0.9ml)をゆっくりと加え、混合物を同じ温度で5分間撹拌した。次に無水酢酸エチル(5ml)中の{(1R)−1−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルアミン(Organic Letters, 5(7), 1007-1010; 2003、0.764g,2.82mmol)およびTEAの溶液(0.78ml)を0℃にて5分の間に加えた。得られた懸濁液を5時間還流した。冷却後、混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、NaHCO3飽和溶液で洗浄した(2x50ml)。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過して蒸発させ、残渣を、カラム25+Mおよび溶出剤としてシクロヘキサンないし7:3、シクロヘキサン/酢酸エチルを用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(Biotageシステム)により精製して、
表題化合物を白色の発泡体として得た(1.1g,1.618mmol,収率63.2%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.98 (s, 1 H) 7.69 (s, 2 H) 7.24 - 7.40 (m, 5 H) 7.12 - 7.25 (m, 2 H) 6.85 - 6.96 (m, 1 H) 6.71 - 6.82 (m, 1 H) 5.66 - 5.83 (m, 1 H) 5.18 - 5.30 (m, 1 H) 5.04 - 5.18 (m, 2 H) 4.84 - 5.00 (m, 2 H) 4.38 - 4.51 (m, 1 H) 3.34 - 3.45 (m, 1 H) 3.00 - 3.14 (m, 1 H) 2.59 - 2.74 (m, 5 H) 2.30 (s, 3 H) 1.83 - 2.01 (m, 3 H) 1.57 - 1.78 (m, 1 H) 1.49 (d, 3 H);UPLC:Rt=1.05分;m/z=680[M+H]+。
中間体24(方法B)および25 フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体24,方法B)およびフェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体25)
無水酢酸エチル(20ml)中のトリホスゲン(1.713g,5.77mmol)溶液に、0℃にて無水酢酸エチル(20ml)中のフェニルメチル[(2R,4S)−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体18、4.8g,12.55mmol)およびTEAの溶液(4.32ml)をゆっくりと加え(ガス形成が観察された)、得られた混合物を0℃で5分間撹拌した。次に無水酢酸エチル(20ml)中の{1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}メチルアミン(3.74g,13.80mmol)およびTEAの溶液(3.9ml)を0℃にて加え、反応混合物をこの温度で5分間攪拌し、次に6時間還流した。反応混合物をEtOAcで希釈し、NaHCO3飽和溶液を加えた。二相を分離し、水相をEtOAc(2x)により抽出した。組み合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発乾固させた。未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(SP1;シクロヘキサン/EtOAc、1:0に始まり、9:1においてプラトー、8:2においてプラトー、0:1まで)により精製して得た:
(第1溶出)フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメートを白色の固体として得た(中間体24、方法B、3.2g,4.71mmol,収率37.5%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.98 (s, 1 H) 7.69 (s, 2 H) 7.13 - 7.41 (m, 7 H) 6.85 - 6.97 (m, 1 H) 6.67 - 6.83 (m, 1 H) 5.65 - 5.81 (m, 1 H) 5.24 (q, 1 H) 5.05 - 5.17 (m, 2 H) 4.85 - 5.01 (m, 2 H) 4.33 - 4.54 (m, 1 H) 3.36 - 3.49 (m, 1 H) 2.95 - 3.17 (m, 1 H) 2.66 (s, 3 H) 2.53 - 2.77 (m, 2 H) 2.30 (s, 3 H) 1.76 - 2.02 (m, 3 H) 1.72 (t, 1 H) 1.49 (d, 3 H);C(33)の立体化学は、方法Aに従って調製された中間体24とのNMRの比較により決定した:二つのスペクトルは一致した。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
UPLC:Rt=1.04分,m/z=680[M+H]+。
(第2溶出)フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメートを白色の固体として得た(中間体25、3.39g,4.99mmol,収率39.7%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.92 (s, 1 H) 7.57 (s, 2 H) 7.06 - 7.44 (m, 7 H) 6.89 (dd, 1 H) 6.74 - 6.81 (m, 1 H) 5.67 - 5.83 (m, 1 H) 5.31 (d, 1 H) 5.06 - 5.18 (m, 2 H) 4.88 - 5.03 (m, 2 H) 4.38 (d, 1 H) 3.33 - 3.44 (m, 1 H) 2.90 - 3.03 (m, 1 H) 2.79 (s, 3 H) 2.58 - 2.77 (m, 2 H) 2.30 (s, 3 H) 1.55 - 2.09 (m, 4 H) 1.49 (d, 3 H);C(33)の立体化学は、方法Bに従って調製されたエピマー中間体24とのNMRの比較により決定した。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
UPLC:Rt=1.04〜1.05分,m/z=680[M+H]+。
混合した画分の蒸発により591mgの未精製物が得られ、これについてさらなる精製は行わなかった。
中間体26 フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−オキソエチル)−4−ピペリジニル]カルバメート
ジクロロメタン(DCM)(80ml)中のフェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体25、1.21g,1.780mmol)を−78℃に冷却し、反応混合物を撹拌する10分間を通してオゾンを泡立たせた;反応は青色を呈した。反応を窒素雰囲気下で撹拌し、−78℃にて硫化ジメチル(10mL,1。78mmol)を加えた。得られた混合物を2日間撹拌して残余のオゾニドを消失させた。溶媒を蒸発乾固させ、未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(SP1;シクロヘキサン/EtOAc、1:0に始まり,6:4においてプラトー,0:1まで)により精製して、
表題化合物を黄色がかった発泡体として得た(848mg,1.244mmol)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.66 - 9.77 (m, 1 H) 7.94 (s, 1 H) 7.48 - 7.63 (m, 3 H) 7.26 - 7.39 (m, 5 H) 7.17 - 7.26 (m, 1 H) 6.86 - 6.95 (m, 1 H) 6.71 - 6.84 (m, 1 H) 5.25 - 5.38 (m, 1 H) 4.89 - 5.02 (m, 2 H) 4.35 - 4.45 (m, 1 H) 3.36 - 3.46 (m, 1 H) 2.91 - 3.09 (m, 3 H) 2.80 (s, 3 H) 2.31 (s, 3 H) 2.03 - 2.24 (m, 2 H) 1.87 - 2.02 (m, 1 H) 1.60 - 1.75 (m, 1 H) 1.49 (d, 3 H);HPLC:Rt=7.19分;MS:m/z=682[M+H]+および704[M+Na]+。
中間体27 メチル(2Z,2E)−4−[(2R,4S)−1−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−4−ピペリジニル]−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ブタノアート
DBU(0.341ml,2.28mmol)を、無水アセトニトリル(15mL)中のLiCl(104mg,2.465mmol)とメチル[ビス(メチルオキシ)ホスホリル]{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}アセテート(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666;J. Org. Chem. 2006, 71, 9144-9152,770mg,2.465mmol)との懸濁液へ滴下して加え、混合物を0℃で1時間保持した。アセトニトリル(5ml)中のフェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−オキソエチル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体26、840mg,1.232mmol)を、0℃にて滴下して加え、温度を25℃まで上げながら、反応混合物を1時間撹拌した。さらなる無水アセトニトリル(5ml)中のメチル[ビス(メチルオキシ)ホスホリル]{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}アセテート(Tetrahedron Lett. 1981, 22, 663-666;J. Org. Chem. 2006, 71, 9144-9152,770mg,2.465mmol)、LiCl(104mg,2,465mmol)およびDBU(0.341ml,2.280mmol)溶液を0℃で10分間保持し、0℃にて反応混合物に加え、温度を25℃まで上げながら一晩撹拌した。飽和NaHCO3水溶液およびEtOAcを加え、二相を分離した。水相をEtOAc(2x)により抽出し、組み合わせた有機相を乾燥させ、蒸発乾固させた。未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(SP1;シクロヘキサン/EtOAc、1:0ないし8:2に始まり、次に8:2においてプラトー)により精製して、
表題化合物を白色の固体として得た(734mg,0.846mmol,収率68.6%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.93 (s, 1 H) 7.56 (s, 2 H) 7.16 - 7.46 (m, 7 H) 6.91 (dd, 1 H) 6.72 - 6.82 (m, 1 H) 5.48 (t, 1 H) 5.25 - 5.36 (m, 1 H) 4.86 - 5.04 (m, 2 H) 4.34 (d, 1 H) 3.72 (s, 3 H) 2.74 - 3.49 (m, 4 H) 2.80 (s, 3 H) 2.26 (s, 3 H) 1.54 - 2.10 (m, 4 H) 1.48 (d, 3 H) 0.90 (s, 9 H) 0.08 (s, 6 H);UPLC:Rt=1.22分,m/z=868[M+H]+。
中間体28および29 メチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体28)およびメチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体29)
メタノール(16ml)中のメチル(2Z,2E)−4−[(2R,4S)−1−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−4−ピペリジニル]−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジメチル)シリル]オキシ}−2−ブタノアート(中間体27,734mg,0.846mmol)に、フッ化セシウム(411mg,2.71mmol)、次に炭素上のパラジウム(10%)(73.4mg,0.690mmol)を加え、得られた混合物を水素雰囲気下(P=1atm)で1時間攪拌した。触媒を濾過して除き、得られた溶液を蒸発乾固させた。残渣をEtOAcおよび水に分配し(塩を除去するため)、二相を分離した。水相をEtOAc(2x)により抽出し、組み合わせた有機相を乾燥させ、蒸発乾固させた。未精製物をSP1(中間体28の溶出のためには、シクロヘキサン/EtOAc、1:0に始まり,1:1においてプラトー、中間体29の溶出のためには、シクロヘキサン/EtOAc、0:1まで、および0:1においてプラトー)により精製して得た:
(第1溶出)メチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体28、95mg,0.157mmol,収率18.61%)を白色の粘性物質として得た。1H NMR (400 MHz, acetone) δ ppm 7.87 (s, 1 H) 7.66 (s, 2 H) 7.23 - 7.34 (m, 1 H) 6.70 - 6.89 (m, 2 H) 5.56 (q, 1 H) 4.26 (dd, 1 H) 3.71 - 3.87 (m, 1 H) 3.67 (s, 3 H) 3.36 - 3.53 (m, 1 H) 2.94 (s, 3 H) 2.74 - 2.91 (m, 1 H) 2.41 (s, 3 H) 2.10 - 2.31 (m, 1 H) 1.66 - 2.03 (m, 6 H) 1.60 (d, 3 H) 1.52 (t, 1 H);CH(8)の相対立体化学は、CH(8)とCH2(7)eq(1.76ppm)とCH2(7)ax(1.52ppm)の間の双極子相関により決定された。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
HPLC:Rt=5.2分;MS:m/z=604[M+H]+および626[M+Na]+。
(第2溶出)メチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体29、324mg,0.537mmol,収率63.5%)を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, acetone) δ ppm 7.87 (s, 1 H) 7.66 (s, 2 H) 7.25 - 7.34 (m, 1 H) 6.70 - 6.89 (m, 2 H) 5.49 - 5.61 (m, 1 H) 4.29 (d, 1 H) 3.73 - 3.84 (m, 1 H) 3.63 (s, 3 H) 3.37 - 3.51 (m, 1 H) 2.93 (s, 3 H) 2.75 - 2.90 (m, 1 H) 2.41 (s, 3 H) 2.13 - 2.30 (m, 1 H) 1.59 (d, 3 H) 1.53 - 2.05 (m, 7 H)。特徴的なシグナルの重複(CH(7)eqおよびCH(3)eq)のため、CH(8)の相対立体化学は、もう一方のジアステレオ異性体(中間体28)の確認後に特定された。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
HPLC:Rt=5.20分;MS:m/z=604[M+H]+および626[M+Na]+。
中間体30 フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−オキソエチル)−4−ピペリジニル]カルバメート
無水ジクロロメタン(DCM)(40ml)中のフェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−プロペン−1−イル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体24、1.2g,1.766mmol)溶液中に、−78℃で混合物が青緑色になるまでオゾンを泡立たせた(7分)。同じ温度で次に窒素を30分間泡立たせ、混合物は無色になった。次に硫化ジメチル(20ml,270mmol)を加えて、温度を室温まで上げながら混合物を一晩撹拌した。
揮発物を蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SP4システム、40+Mカートリッジ、100%シクロヘキサンないし50%:50%シクロヘキサン/酢酸エチルにより溶出)により精製した。関連する画分を回収し、真空中で溶媒を除去して
表題化合物を白色の固体として得た(960mg,1.408mmol,収率80%)。UPLC:Rt=0.96分(大きなピーク),m/z=682[M+H]+。
中間体31 フェニルメチル{(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−[(2E/2Z)−3−(メチルオキシ)−2−プロペン−1−イル]−4−ピペリジニル}カルバメート
塩化メトキシメチルトリフェニルホスホニウム(405mg,1.181mmol)を、N2雰囲気下で5mlの無水THFに懸濁した。この混合物に、−30℃に冷却したカリウムtert−ブトキシド(133mg,1.181mmol)を少しずつ加えた:著しい赤色が観察された。溶液をこの温度で15分撹拌した。
別のフラスコで、6mlのTHF中にフェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−オキソエチル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体30、230mg,0.337mmol)を溶解し、−20℃に冷却した。
フェニルメチル[(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(2−オキソエチル)−4−ピペリジニル]カルバメート(中間体30)の溶液に3mlのイリド溶液を滴下して加え、温度を室温まで上げた。これを1時間撹拌した。反応を再び−20℃に冷却し、反応混合物にさらなるイリド溶液(2ml)を滴下して加え、室温で4時間静置した。反応混合物にEt2Oを加え、有機相をNH4Cl水溶液および塩水で洗浄した。二相を分離し、有機層をNa2SO4上で乾燥させた。固体を濾過して除き、溶媒を真空中で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(flash master personal、20gカートリッジ、100%Cyないし70%:30% Cy:EtOAcにより溶出)により精製した。関連する画分を回収し、溶媒を除去して
表題化合物を白色の発泡体として得た;UPLC:2ピーク Rt=1.02および1.04分,m/z=710[M+H]+および732[M+Na]+:幾何異性体の混合物(E/Z)。
中間体32 フェニルメチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシレート
テトラヒドロフラン(THF)(4ml)中のフェニルメチル{(2R,4S)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−[(2E/2Z)−3−(メチルオキシ)−2−プロペン−1−イル]−4−ピペリジニル}カルバメート(中間体31、140mg,0.099mmol)溶液に、0℃にて2N HCl(0.148ml,0.296mmol)を加え、反応を室温で一晩撹拌した。この溶液にNaHCO3飽和溶液およびEt2Oを加え、二相を分離し、有機のものをNa2SO4上で乾燥させた。固体を濾過して除き、溶媒を真空中で除去して表題化合物を得た(110mg);UPLC:Rt=0.96分,m/z=696[M+H]+。
中間体33 フェニルメチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシレート
DCM(2ml)中のクロロクロム酸ピリジニウム(PCC)懸濁液(66.5mg,0.307mmol)に、DCM(2ml)中のフェニルメチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシレート(中間体32、107mg)溶液を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。さらなるクロロクロム酸ピリジニウム(PCC)(66.5mg,0.307mmol)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。混合物にH2O、さらにDCMを加えた。二相を分離し、有機のものを水で2回洗浄し、相分離管を通して濾過した。蒸発後に得た未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(20gカートリッジ;2:1ないし1:1 Cy:EtOAcにより溶出)により精製した。関連する画分を回収し、真空中で溶媒を除去して
表題化合物(86mg)を白色の固体として得た;UPLC:Rt=0.95分,m/z=694[M+H]+。
中間体34 3−メチル1−(フェニルメチル)(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジカルボキシレート
テトラヒドロフラン(THF)(2ml)中のフェニルメチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシレート(中間体33、85mg)溶液に、−78℃でLiHMDS(0.257ml,0.257mmol)を加え、この温度で1時間撹拌した。クロロギ酸メチル(0.019ml,0.245mmol)を同じ温度で加え、反応をこの温度で2時間静置した。この溶液にNH4Cl飽和溶液、続いてDCMおよび水を加えた。二相を分離し、水性のものをDCMにより抽出した。組み合わせた有機層は相分離管を通して濾過し、溶媒を真空中で除去して
表題化合物(83mg)を白色の発泡体として得た。このバッチはさらに精製することなく次の工程で使用した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.01 (s, 1 H) 7.67 (s, 2 H) 7.24 - 7.48 (m, 5 H) 6.85 - 7.00 (m, 2 H) 6.70 - 6.84 (m, 1 H) 5.09 - 5.29 (m, 3 H) 4.34 (d, 1 H) 3.99 (t, 1 H) 3.70 (s, 3 H) 2.65 (s, 3 H) 2.58 - 3.44 (m, 2 H) 2.34 (s, 3 H) 1.54 - 2.45 (m, 6 H) 1.47 (d, 3 H);二つのジアステレオ異性体混合物の比は〜50:50である(例えばCH(6)のシグナル上に明白である。スペクトルの注釈を参照)。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
UPLC:Rt=0.96分,m/z=752[M+H]+;HPLC:Rt=7.23分。
中間体35 メチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキシレート
3−メチル1−(フェニルメチル)(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,3−ジカルボキシレート(中間体34、78mg)をメタノール(3ml)に溶解し、Pd/C(8.83mg,8.30μmol)を加え、懸濁液をH2雰囲気下(1atm)、室温にて1時間攪拌した。Pdを濾過して除き、溶媒を除去して
表題化合物(60mg)を得た;UPLC:Rt=0.82分,m/z=618[M+H]+。
中間体36 メチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキシレート
ジクロロメタン(DCM)(2ml)中の、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート(10.35mg,0.070mmol)およびメチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキシレート(中間体35、36mg)の溶液を室温で2時間攪拌した。混合物をNaHCO3飽和溶液で洗浄し、水層をDCMにより抽出した。有機層を組み合わせ、相分離管を通して濾過し、濃縮して中間体メチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(メチルオキシ)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デス−1−エン−3−カルボキシレートを得た:
UPLC:Rt=0.92分,m/z=632[M+H]+。
この中間体をメタノール(2ml)に溶解し、0℃に冷却した溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(10.99mg,0.175mmol)を加えた。MeOH中の1.25M HCl溶液を加えてpHを約3〜4に保ち、反応を室温で4時間攪拌した。この溶液にNaHCO3飽和溶液およびDCMを加え、水層をDCMにより抽出した。有機層を組み合わせ、相分離管を通して濾過し、濃縮した。未精製物をSP4(12Mカートリッジ;90:10ないし50:50 Cy:EtOAcにより溶出)により精製した。関連する画分を回収し、メチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキシレート(24 mg, 0.040 mmol)をジアステレオ異性体の混合物として得た;1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.99 (s, 1 H) 7.70 (s, 2 H) 7.08 - 7.24 (m, 1 H) 6.84 - 6.98 (m, 1 H) 6.71 - 6.80 (m, 1 H) 5.21 - 5.43 (m, 1 H) 3.95 - 4.24 (m, 1 H) 3.60 (s, 3 H) 3.20 - 3.41 (m, 1 H) 2.93 - 3.21 (m, 2 H) 2.82 - 2.99 (m, 1 H) 2.66 - 2.80 (m, 1 H) 2.71 (s, 3 H) 2.34 (s, 3 H) 2.32 (br. s., 1 H) 1.48 (d, 3 H) 1.34 - 2.13 (m, 6 H);サンプルは二つのジアステレオ異性体の混合物からなる(OCH3(22)のシグナル上に明白)。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
UPLC:Rt=0.71分,m/z=604[M+H]+。
中間体37 (2R,4E/Z)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−N−メチル−1−ピペリジンカルボキサミド
(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキサミド(国際公開第0232867号、4g,7.93mmol)をエタノール(20ml)に溶解した。溶液を50℃に温め、塩酸ヒドロキシルアミン(1.212g,17.45mmol)および炭酸水素ナトリウム(1.199g,14.27mmol)を加えて混合物を50℃で2時間攪拌した。溶媒を真空中で除去し、次にEtOAc、続いて飽和NaHCO3溶液および水を加えた。二相を分離し、有機層を乾燥および蒸発させて
表題化合物を幾何異性体の混合物(E/Z)として得た(4.1g,7.89mmol,収率100%);UPLC:2ピーク Rt=0.84および0.86分,m/z=520[M+H]+。
中間体38 (2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−ニトロ−1−ピペリジンカルボキサミド
(2R,4E/Z)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−(ヒドロキシイミノ)−N−メチル−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体37、4.1g,7.89mmol)をアセトニトリル(80ml)に溶解し、尿素(2.370g,39.5mmol)およびNa2HPO4(9.36g,65.9mmol)を加えて混合物を80℃で30分間温めた。次にmCPBA(4.10g,23.76mmol)を少しずつ(一回の添加と次の添加の間隔が15分)加えた。反応を5時間還流した。次に室温まで冷却し、塩を濾過してCH
3CNで洗浄した。濾過した溶液の量を減らし、Et2OおよびNaHCO
3飽和溶液で希釈した。二相を分離し、Na
2S
2O
3飽和溶液、水、およびNaHCO
3飽和溶液でMCPBAが無くなるまで洗浄した。有機相をNa
2SO
4上で乾燥させ、蒸発させて
表題化合物をジアステレオ異性体の混合物として得た(4.1g,7.66mmol,収率97%);UPLC:2ピーク Rt=0.94および0.96分,m/z=536[M+H]+。
中間体39 ジメチル2−[(2R,4R)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ニトロ−4−ピペリジニル]ブタンジオアート)
(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−ニトロ−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体38、500mg,0.934mmol)をジメチルスルホキシド(DMSO)(6ml)に溶解し、この溶液にフッ化カリウム(271mg,4.67mmol)およびテトラブチルアンモニウムヨージド(345mg,0.934mmol)を加えた。混合物を室温で10分間攪拌し(ピンク色の混合物)、次にマレイン酸ジメチル(0.584ml,4.67mmol)を加えた。混合物を室温で4時間および40℃で1時間攪拌し、次に水およびEt2Oを加えた。二相を分離し、有機のものを1N HClで洗浄した。有機相をNa
2SO
4上で乾燥させ、蒸発乾固させた。未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(40Mカートリッジ;9:1ないし7:3 Cy:EtOAcにより溶出)により精製して、
表題化合物の二つのバッチを得た:
第1バッチ(388mg,0.571mmol,収率61.1%);1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.00 (s, 1 H) 7.68 (s, 2 H) 7.21 - 7.28 (m, 1 H) 6.90 - 7.01 (m, 1 H) 6.73 - 6.86 (m, 1 H) 5.25 - 5.40 (m, 1 H) 4.05 (d, 1 H) 3.60 (s, 3 H) 3.56 (s, 3 H) 3.27 - 3.45 (m, 1 H) 2.71 (s, 3 H) 2.52 - 2.92 (m, 4 H) 2.30 (s, 3 H) 1.53 - 2.47 (m, 4 H) 1.48 (d, 3 H)、サンプルはCH(9)において二つのジアステレオ異性体の混合物からなる(〜55:45)。相対立体化学アンチは、CH(9)とCH2(5)axとの間の双極子相関により決定された。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
UPLC:Rt=0.96分,m/z=680[M+H]+。
第2バッチ(111mg,0.163mmol,収率17.49%)。
中間体40 メチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−4−カルボキシレート
ジメチル2−[(2R,4R)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ニトロ−4−ピペリジニル]ブタンジオアート(中間体39、250mg,0.368mmol)をメタノール(6ml)に溶解し、この溶液にRaney(登録商標)-Nickelを加えた。反応混合物を1atmのH2下で3時間攪拌した。固体を濾過して除き、溶液を2時間還流した。真空中で溶媒を除去し、未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(SP4,25Mカートリッジ,90%:10%ないし70%:30% Cy:EtOAcにより溶出)により精製した。真空中で溶媒を除去し、
表題化合物をジアステレオ異性体の混合物として得た(70mg,0.113mmol,収率30.8%)。UPLC:Rt=0.83分,m/z=618[M+H]+。
中間体41 メチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−4−カルボキシレート
ジクロロメタン(DCM)(3ml)中のトリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート(33.5mg,0.226mmol)とメチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−4−カルボキシレート(中間体40、70mg,0.113mmol)との溶液を、室温で一晩攪拌した。混合物をNaHCO3飽和溶液で洗浄し、水層をDCMにより抽出した。有機層を組み合わせ、相分離管を通して濾過し、濃縮した。得られた残渣をメタノール(3ml)に溶解し、0℃に冷却したこの溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(28.5mg,0.454mmol)を加えた。1.25M HClのメタノール溶液を加え、pHを約3〜4に維持して、反応を室温で2時間攪拌した。この溶液にNaHCO3飽和溶液およびDCMを加え、水相をDCMにより抽出した。有機層を組み合わせ、相分離管を通して濾過し、濃縮した。未精製物をSP4(12Mカートリッジ;90%:10%ないし50%:50% Cy:EtOAcにより溶出)により精製した。関連する画分を回収し、
表題化合物を単一のジアステレオ異性体として得た(12mg,0.020mmol,収率17.54%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.99 (s, 1 H) 7.68 (s, 2 H) 7.13 (dd, 1 H) 6.89 (dd, 1 H) 6.76 (t, 1 H) 5.20 - 5.40 (m, 1 H) 4.43 (dd, 1 H) 3.61 (s, 3 H) 3.11 - 3.19 (m, 1 H) 3.01 - 3.10 (m, 1 H) 2.89 - 2.97 (m, 1 H) 2.80 - 2.88 (m, 1 H) 2.71 (s, 3 H) 2.45 - 2.55 (m, 1 H) 2.32 (s, 3 H) 1.85 - 2.05 (m, 2 H) 1.61 - 1.71 (m, 1 H) 1.53 - 1.60 (m, 2 H) 1.46 (d, 3 H) 1.38 - 1.50 (m, 1 H)。情報喪失の原因となる幾つかのシグナルの重複にもかかわらず(H10eqおよびH6eq)、立体化学は以下のnoeデータに基づいて特定され得る;
1.H4と共に、H9axまたはH7axのいずれにもnoeが見られない場合、描かれるように、5における立体化学が示唆される。
2.H4/H10axに観察されるnoeは、ピロリジン面に関してC6およびC7と同じ部分におけるカルボニル基の位置を示し、かつ描かれるように、5における立体化学を確認する。
検 証は、この結果を確認する以下の工程(実施例10を参照)においてもまた行われる。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
UPLC:Rt=0.71分,m/z=604[M+H]+。
中間体42 (5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
フェニルメチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1−カルボキシレート(中間体33、70mg,0.101mmol)をメタノール(3ml)に溶解し、この溶液にPd/C(10.74mg,10.09μmol)を加えた。懸濁液をH2雰囲気下で30分間撹拌した。パラジウムを濾過して除き、溶媒を真空中で除去して
表題化合物を得た(53.6mg,0.096mmol,収率95%);UPLC:Rt=0.81分,m/z=560[M+H]+;MS:m/z=560[M+H]+および582[M+Na]+。
中間体43 1−(1,1−ジメチルエチル)2−メチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,2−ジカルボキシレート
無水ジクロロメタン(DCM)(80ml)中のメチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体13、12g,19.88mmol)溶液に、TEA(4.16ml,29.8mmol)、次にBOC-Anhydride(5.54ml,23.86mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応をNaHCO3飽和溶液(400ml)で希釈し、二相を分離した。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過して真空中で蒸発させ、残渣を、Biotage 65iをカラムとして、およびシクロヘキサンないしシクロヘキサン/酢酸エチル 7:3を溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(12.2g,17.43mmol,収率87.7%)。
UPLC:Rt=1.04分,m/z704[M+H]
+。
中間体44 メチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレートおよび
中間体45
メチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート
無水テトラヒドロフラン(THF)(16ml)中の1−(1,1−ジメチルエチル)2−メチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−1,2−ジカルボキシレート(中間体43、1g,1.421mmol)溶液に、THF中のLiHMDS 1M(2.132ml,2.132mmol)を−78℃にて加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。次にヨードメタン(0.355ml,5.68mmol)を加え、反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応を塩水(1ml)により消失させ、水(10ml)で希釈し、酢酸エチル(3x30ml)で抽出した。組み合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をジクロロメタン(15ml)に溶解し、撹拌中の溶液を0℃に冷却した。TFA(5ml,64.9mmol)を加え、反応混合物を0℃で1.30時間撹拌した。溶媒および過剰のTFAを真空中で蒸発させた。残渣を20mlの酢酸エチルに溶解し、NaHCO3飽和溶液(5ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過して蒸発させ、残渣を、Biotage SNAP 50gをカラムとして、およびシクロヘキサンないしシクロヘキサン/酢酸エチル 1:1を溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た:
中間体44 308mg,0.499mmol,収率35.1%).HPLC:Rt=6.46分; MS:m/z618[M+H]
+
および
中間体45 353mg,0.571mmol,収率40.2%);HPLC:Rt=6.37分;MS:m/z618[M+H]
+。
中間体46 (2R,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N,2−ジメチル−2−{[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
ジクロロメタン(DCM)(2ml)中の(2R,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド(実施例18、80mg,0.136mmol)溶液にTEA(0.021ml,0.149mmol)を加え、反応混合物を0℃で5分間撹拌した。TMS−Cl(0.026ml,0.204mmol)を少しずつ加え、混合物を同じ温度で一晩撹拌した。水(2ml)を加え、二相を分離した。有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させて
表題化合物を得(84mg)、これはさらに精製することなく次の工程で使用した。LC/MS(塩基性勾配条件):Rt=4.205分,m/z662[M+H]
+。
中間体47 (2R,4S,8a’R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−3’−ヒドロキシ−N,8a’−ジメチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド
エタンジアール(0.218ml,1.904mmol)をアセトニトリル(1ml)に溶解し、室温で攪拌した。アセトニトリル(1ml)中の(2R,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N,2−ジメチル−2−{[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド(中間体46、84mg,0.127mmol)溶液を滴下して加え、混合物を室温で30分間攪拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(9.57mg,0.152mmol)を加えて反応混合物を一晩攪拌した。反応を水(2ml)により消失させ、真空下でアセトニトリルを除去した。水層を酢酸エチルにより抽出した(3x5ml)。有機相を乾燥させ、真空中で蒸発させて
表題化合物(84mg)を得、これはさらに精製することなく次の工程で使用した。UPLC:Rt=0.78分,m/z632[M+H]
+。
中間体48 (2S,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N,2−ジメチル−2−{[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
ジクロロメタン(DCM)(2ml)中の(2S,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド(実施例19、80mg,0.136mmol)溶液に、TEA(0.021ml,0.149mmol)を加え、反応混合物を0℃で5分間攪拌した。TMS−Cl(0.026ml,0.204mmol)を滴下して加え、混合物を同じ温度で一晩攪拌した。水(2ml)を加えて二相を分離した。有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させて
表題化合物(88mg)を得、これはさらに精製することなく次の工程で使用した。
LCMS(塩基性勾配条件):Rt=4.205,m/z662[M+H]
+。
中間体49 (2R,4S,8a’S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−3’−ヒドロキシ−N,8a’−ジメチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド
エタンジアール(0.229ml,1.995mmol)をアセトニトリル(1ml)に溶解し、室温で攪拌した。アセトニトリル(1ml)中の(2S,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N,2−ジメチル−2−{[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド(中間体48、88mg,0.133mmol)溶液を滴下して加え、混合物を室温で30分間攪拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(10.03mg,0.160mmol)を加えて反応混合物を一晩攪拌した。反応を水(2ml)により消失させ、真空下でアセトニトリルを除去した。水層を酢酸エチルにより抽出した(3x5ml)。有機相を乾燥させ、真空中で蒸発させて
表題化合物(88mg)を得、これはさらに精製することなく次の工程で使用した。UPLC:Rt=0.77分,m/z632[M+H]
+。
中間体50 (2R,4S,8a’S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−3’−ヒドロキシ−N−メチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド
エタンジアール(0.299ml,2.61mmol)をアセトニトリル(1.5ml)に溶解し、室温で攪拌した。アセトニトリル(1ml)中の(2S,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド(実施例26、100mg,0.174mmol)溶液を滴下して加え、混合物を室温で30分間攪拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13.10mg,0.208mmol)を加えて反応混合物を一晩攪拌した。反応を水(2ml)により消失させ、真空下でアセトニトリルを除去した。水層を酢酸エチルにより抽出した(3x5ml)。有機相を乾燥させ、真空中で蒸発させて
表題化合物(115mg)を得、これはさらに精製することなく次の工程で使用した。UPLC:Rt=0.70分,m/z618[M+H]
+。
中間体51 (2R,4S,8a’R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−3’−ヒドロキシ−N−メチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド
エタンジアール(0.299ml,2.61mmol)をアセトニトリル(1.5ml)に溶解し、室温で攪拌した。アセトニトリル(1ml)中の(2R,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド(実施例24、100mg,0.174mmol)溶液を滴下して加え、混合物を室温で30分間攪拌した後、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(13.10mg,0.208mmol)を加えて反応混合物を一晩攪拌した。反応を水(2ml)により消失させ、真空下でアセトニトリルを除去した。水層を酢酸エチルにより抽出した(3x5ml)。有機相を乾燥させ、真空中で蒸発させて
表題化合物(120mg)を得、これはさらに精製することなく次の工程で使用した。
UPLC:Rt=0.71分,m/z618[M+H]
+。
中間体52 メチル(2R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−4−ペンテノアート
アルゴン雰囲気下の氷浴中で0℃に冷却した無水メタノール(60ml)中の(2R)−2−アミノ−4−ペンテン酸懸濁液(6g,52.1mmol,Aldrich)に、塩化チオニル(7.61ml,104mmol)を10分間にわたり内部温度を10℃未満に保ちながら注意深く加えた。固体を溶解し、均一な無色の溶液を室温に戻して一晩攪拌した。
混合物を蒸発乾固させ、残渣を1,4−ジオキサン(60.0ml)中に希釈し、塩基性pHにして遊離塩基を得るため飽和NaHCO
3溶液を注意深く加えた(透明で均一な溶液が得られた)。二炭酸ジ−tert−ブチル(14.52ml,62.5mmol)を少しずつ加えて混合物を室温で20時間攪拌すると、この間に幾らかの白色固体が沈殿した。
EtOAc(200ml)および水(50ml)を加え、相を分離した。水相をEtOAc(200ml)でさらに逆抽出し、最終的に回収された有機物を塩水(50ml)で洗浄した。
Na
2SO
4上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、16gの未精製物質を無色の油として回収し、これをSiO
2フラッシュクロマトグラフィー(biotage 65m)により、シクロヘキサン/AcOEt 9/1による溶出を用いて精製した(Rf=0.3)。揮発物を蒸発させ、
表題化合物を無色の油として得た(12g,52.3mmol,収率100%)。
UPLC:Rt=0.68分,m/z=230[M+H]+。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 5.53 - 5.84 (m, 1 H), 4.90 - 5.36 (m, 3 H), 4.27 - 4.53 (m, 1 H), 3.76 (s, 3 H), 2.31 - 2.77 (m, 2 H), 1.46 (s, 9 H)
中間体53 (2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−メチリデン−1−ピペリジンカルボキサミド
無水テトラヒドロフラン(THF)(50ml)中のカリウムtert−ブトキシド(1.491g,12.89mmol)溶液に、アルゴン雰囲気下でメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(4.60g,12.89mmol)を加え、得られた不均一な黄色の混合物を還流にて1時間熱した。次にスラリーを−15℃に冷却し、無水THF(20ml)中の(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−オキソ−1−ピペリジンカルボキサミド(国際公開第0232867号、5g,9.91mmol)溶液を、内部温度が−10℃を超えないようにしながら約20分の間混合物に滴下して加えた。添加の終わりに色はオレンジに変わり、10分後に水浴の温度は0℃に上昇した。反応をこの温度で10分間、次に室温で1.5時間攪拌した。
反応混合物を、飽和NH
4Cl(30mL)/水(30ml)により消失させた。AcOEt(200mL)中に入れた。相を分離し、水性のものをAcOEt(200ml)により逆抽出した。組み合わせた有機物をMgSO
4上で乾燥させ、蒸発させて乾燥させた。未精製物質(12g、淡黄色の固体)を、シクロヘキサン/AcOEt 95/5ないし85/15により溶出するSiO
2フラッシュクロマトグラフィー(biotage 65i)を用いて精製し、
表題化合物を濃厚な淡黄色の油として得た(4.79g,9.53mmol,収率96%)。
UPLC:Rt1.08分,m/z=503[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 7.79 (s, 1 H), 7.65 (s, 2 H), 7.36 - 7.42 (m, 1 H), 6.75 - 6.93 (m, 2 H), 5.41 - 5.54 (m, 1 H), 4.83 - 4.93 (m, 2 H), 4.66 - 4.76 (m, 1 H), 3.04 - 3.31 (m, 2 H), 2.68 (s, 3 H), 2.38 (s, 3 H), 2.32 - 2.68 (m, 4 H), 1.54 (d, 3 H)
中間体54 メチル(2R,4E)−4−[(2R)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニリデン]−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタノアート、E/Z混合物として。
脱気した無水ジクロロメタン(DCM)(24ml)中の(2R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−4−メチリデン−1−ピペリジンカルボキサミド(中間体53、3g,5.97mmol)およびメチル(2R)−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−4−ペンテノアート(4.11g,17.91mmol)溶液を、(1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチルメチレン)ルテニウム、第二世代のHoveyda-Grubbs触媒(0.187g,0.299mmol)を含む火力乾燥させた丸底フラスコ内へ窒素雰囲気下で加えた。緑色の混合物を攪拌し、還流にて30時間熱した(水浴温度は47℃)。
反応混合物を蒸発させて減量し、SiO
2カラム上に負荷した。シクロヘキサン/AcOEt 8/2ないし7/3の溶出による精製、溶媒の蒸発後に
表題化合物をオフホワイトの発泡体、E/Z異性体の混合物として得た(3.92g,5.57mmol,収率93%)。
UPLC:Rt=1.05分,m/z=704[M+H]
+;およびRt=1.06分,m/z=704[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) d ppm 7.98 (s, 1 H), 7.72 (s, 2 H), 6.75 - 7.44 (m, 5 H), 3.74 - 5.55 (m, 5 H), 3.61 (s, 3 H), 2.61 (s, 3 H), 2.28 (s, 3 H), 2.07 - 3.47 (m, 6 H), 1.46 - 1.58 (m, 3 H), 1.36 (s, 9 H)。
中間体55 メチル(2R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ヨード−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート
第1工程:
無水ジクロロメタン(DCM)(20ml)中のメチル(2R,4E)−4−[(2R)−1−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−4−ピペリジニリデン]−2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタノアート(中間体54、1.5g,2.132mmol)溶液に、0℃窒素雰囲気下でTFA(5ml,64.9mmol)を滴下して加え、溶液を0℃で3時間攪拌した。
混合物を熱することなく蒸発乾固させ、次に10%K
2CO
3水溶液(20ml)およびDCM(40ml)で処理した。相を分離し、水性のものをDCM(2x50ml)で逆抽出した。組み合わせた有機物をMg
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固させて、未精製の残渣1.132gを薄茶色の発泡体として得、これはさらに精製することなく次のヨード環化工程で使用した。
第2工程:
無水アセトニトリル(15ml)中の、工程1で得られた1.132gの未精製残渣に、N
2下の室温にて固体の炭酸水素ナトリウム(0.537g,6.39mmol)を加え、続いて固体のヨウ素(1.623g,6.39mmol)を少しずつ加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。混合物を水性飽和Na
2S
2O
3(30ml)およびDCM(100ml)で処理した。相を分離し、水性のものをDCM(2x50ml)で逆抽出した。組み合わせた有機物をMg
2SO
4上で乾燥させ、濃縮乾固させて、未精製物質1.4gを薄茶色の濃厚な油として得、これをシクロヘキサン/AcOEt 9/1ないし1/1により溶出するSiO
2フラッシュクロマトグラフィーを用いて精製し、揮発物の蒸発後に
表題化合物を得た(867mg,1.189mmol,収率55.8%;スポット Rf=0.58およびスポット Rf=0.51 シクロヘキサン/AcOEt 1/1)。
UPLC:Rt=0.89分,m/z=730[M+H]
+;Rt=0.9分,m/z=730[M+H]
+;Rt=1.02分,m/z=730[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) d ppm 7.81 (s, 1 H), 7.60 (s, 2 H), 7.14 - 7.23 (m, 1 H), 6.76 - 6.92 (m, 2 H), 5.39 - 5.70 (m, 1 H), 3.82 - 4.79 (m, 3 H), 3.81 (s, 3 H), 2.77 - 3.43 (m, 2 H), 2.74 (s, 3 H), 2.44 (s, 3 H), 1.64 - 2.20 (m, 6 H), 1.49 (s, 3 H)。
実施例1 (5R,7R)−N 8 −{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(ジアステレオ異性体1)
密閉したチューブ内の、7NアンモニアMeOH溶液(5mL,35.0mmol)中のメチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(ジアステレオ異性体1)(中間体7、6mg,9.94μmol)溶液を25℃で1日攪拌し、次に2日間静置した。溶媒を蒸発乾固させ、未精製物をシリカカートリッジで2回(1回目:1:0ないし95:5 DCM/MeOH;2回目:EtOAc、次に97.5:2.5 DCM/MeOH中の0.5M NH
3)精製して
表題化合物(4.7mg,7.99μmol,収率80%)を得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.95 - 8.03 (m, 1 H) 7.63 - 7.73 (m, 2 H) 7.29 - 7.37 (m, 1 H) 7.12 - 7.20 (m, 1 H) 7.00 - 7.06 (m, 1 H) 6.86 - 6.92 (m, 1 H) 6.71 - 6.79 (m, 1 H) 5.27 - 5.38 (m, 1 H) 4.34 - 4.43 (m, 1 H) 3.54 - 3.64 (m, 1 H) 3.16 - 3.25 (m, 1 H) 3.03 - 3.14 (m, 1 H) 2.67 - 2.84 (m, 3 H) 2.30 - 2.41 (m, 3 H) 1.96 - 2.08 (m, 1 H) 1.62 - 1.80 (m, 2 H) 1.38 - 1.58 (m, 8 H)。
実施例2 (5R,7R)−N 8 −{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(ジアステレオ異性体2)
7NアンモニアMeOH溶液(5mL,35.0mmol)中のメチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(ジアステレオ異性体2)(中間体8、18mg,0.030mmol)溶液を25℃で1日攪拌し、次に2日間静置した。溶媒を蒸発乾固させ、未精製物をSCXおよびシリカカートリッジで精製して(1:0ないし97.5:2.5 DCM/MeOH中の0.5M NH
3)
表題化合物の二つのバッチを無色の油として得た(総量:14.9mg,0.025mmol,収率84%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.90 - 8.08 (m, 1 H) 7.62 - 7.77 (m, 2 H) 7.26 - 7.46 (m, 1 H) 7.04 - 7.23 (m, 2 H) 6.84 - 6.96 (m, 1 H) 6.69 - 6.80 (m, 1 H) 5.24 - 5.41 (m, 1 H) 4.31 - 4.49 (m, 1 H) 3.49 - 3.65 (m, 1 H) 3.10 - 3.25 (m, 1 H) 2.94 - 3.08 (m, 1 H) 2.61 - 2.87 (m, 3 H) 2.35 (s, 3 H) 1.92 - 2.10 (m, 1 H) 1.62 - 1.84 (m, 2 H) 1.38 - 1.60 (m, 8 H)。
実施例3 (2R,5S,7R)−N 8 −{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド
密閉したチューブ内の、7NアンモニアMeOH溶液(5mL,35.0mmol)中のメチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体12、21.6mg,0.036mmol)溶液を25℃で1日攪拌した。溶媒を蒸発乾固させ、未精製物をシリカカートリッジ(2g)(最初にEtOAc、次に97.5:2.5 DCM/MeOH中の0.5M NH
3)精製して17.8mgの
表題化合物を白色の発泡体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.00 (s, 1 H) 7.70 (s, 2 H) 7.28 (d, 1 H) 7.15 (dd, 1 H) 7.03 (d, 1 H) 6.92 (dd, 1 H) 6.78 (t, 1 H) 5.31 (q, 1 H) 4.14 (dd, 1 H) 3.47 (t, 1 H) 3.27 - 3.38 (m, 1 H) 2.75 (s, 3 H) 2.76 (t, 1 H) 2.32 (s, 3 H) 2.05 - 2.15 (m, 1 H) 1.68 - 1.85 (m, 3 H) 1.52 - 1.68 (m, 3 H) 1.47 (d, 3 H) 1.39 - 1.54 (m, 1 H)。NMR分析により、大量のDCM(〜55%W/W)の存在が明らかになった。HPLC:Rt4.90分。このバッチは直接次の工程で使用した。
実施例4 (2R,5S,7R)−N 8 −{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド塩酸塩
冷却(0℃)したジエチルエーテル(1mL)中の(2R,5S,7R)−N
8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N
8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(実施例3、16.9mg)溶液に、ジエチルエーテル(0.039mL,0.039mmol)中の1N HClを滴下して加え、反応混合物を30分間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させ、
標的化合物(18.1mg)を白色の固体として得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) d ppm 9.29 (br. s., 1 H) 8.52 (br. s., 1 H) 8.01 (s, 1 H) 7.87 (br. s., 1 H) 7.74 (br. s., 1 H) 7.69 (s, 2 H) 7.16 (dd, 1 H) 6.96 (dd, 1 H) 6.78 - 6.91 (m, 1 H) 5.20 - 5.36 (m, 1 H) 4.07 - 4.39 (m, 2 H) 3.36 - 3.47 (m, 1 H) 2.78 - 2.88 (m, 1 H) 2.75 (s, 3 H) 2.42 - 2.48 (m, 1 H) 2.32 - 2.37 (m, 3 H) 1.78 - 2.20 (m, 7 H) 1.47 (d, 3 H)。NMR分析により、大量のDCM(〜20%W/W)の存在が明らかになった。HPLC:Rt4.89分。
標的化合物のこのバッチを真空下で40℃にて一晩乾燥させ、14mgを得た。
実施例5 (2S,5S,7R)−N 8 −{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド
密閉したチューブ内の、7NアンモニアMeOH溶液(5mL,35.0mmol)中のメチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体13、24.1mg,0.04mmol)溶液を25℃で1日攪拌した。溶媒を蒸発乾固させ、未精製物をシリカカートリッジ(2g)で2回(1回目:EtOC、次に97.5:2.5 DCM/MeOH中の0.5M NH
3、および2回目:98.75:1.25ないし95:5 DCM/MeOH中の0.5M NH
3)精製して
表題化合物を白色の固体として得た(22.5mg,0.038mmol,収率96%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.92 - 8.05 (m, 1 H) 7.61 - 7.77 (m, 2 H) 7.21 - 7.27 (m, 1 H) 7.13 - 7.19 (m, 1 H) 6.87 - 6.97 (m, 2 H) 6.73 - 6.83 (m, 1 H) 5.25 - 5.37 (m, 1 H) 4.08 - 4.20 (m, 1 H) 3.44 - 3.55 (m, 1 H) 3.26 - 3.38 (m, 1 H) 2.57 - 2.85 (m, 4 H) 2.26 - 2.36 (m, 3 H) 1.98 - 2.16 (m, 1 H) 1.41 - 1.82 (m, 10 H)。
実施例6 (2S,5S,7R)−N 8 −{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド塩酸塩
冷却(0℃)したジエチルエーテル(1mL)中の(2S,5S,7R)−N
8−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N
8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(実施例5、21mg,0.036)溶液に、ジエチルエーテル(60μl,0.060mmol)中の1N HClを加え、反応混合物を30分間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させ、
標的化合物(23.8mg,定量的な収率)を白色の固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.61 - 8.07 (m, 5 H) 7.11 - 7.24 (m, 1 H) 6.91 - 6.99 (m, 1 H) 6.79 - 6.90 (m, 1 H) 5.23 - 5.34 (m, 1 H) 4.13 - 4.31 (m, 2 H) 3.26 - 3.47 (m, 1 H) 2.79 - 2.92 (m, 1 H) 2.70 - 2.79 (m, 3 H) 1.79 - 2.66 (m, 11 H) 1.38 - 1.54 (m, 3 H)。8.30と9.66ppmの間の領域に酸性プロトンが存在する。
実施例7 (2R,5S,7R)−N 8 −{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド
密閉したチューブ内の、7NアンモニアMeOH溶液(5ml,35.0mmol)中のメチル(5S,7R)−8−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体22、63mg,0.107mmol)溶液を一晩振盪した。溶媒を蒸発乾固させ、未精製物をフラッシュクロマトグラフィー[Siカートリッジ(5g)、1:0ないし95:5 DCM/MeOH]により精製して
表題化合物を白色の固体として得た(53.5mg,0.093mmol,収率87%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.95 (s, 1 H) 7.61 (s, 2 H) 7.24 - 7.32 (m, 1 H) 7.15 - 7.24 (m, 1 H) 6.98 - 7.05 (m, 1 H) 6.92 (d, 1 H) 6.79 (t, 1 H) 4.65 (d, 1 H) 4.36 (d, 1 H) 4.15 (d, 1 H) 3.44 - 3.59 (m, 1 H) 3.38 (d, 1 H) 2.93 (s, 3 H) 2.75 (t, 1 H) 2.65 (br. s., 1 H) 2.33 (s, 3 H) 1.99 - 2.21 (m, 1 H) 1.51 - 1.93 (m, 6 H) 1.45 (t, 1 H);HPLC:Rt4.88分;MS:m/z=575[M+H]
+。
実施例8 (2R,5S,7R)−N 8 −{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド塩酸塩
ジエチルエーテル(1ml)中の(2R,5S,7R)−N
8−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N
8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(実施例7、45.5mg,0.079mmol)溶液に、Et2O(0.107mL,0.107mmol)中の1M HClを加え、得られた混合物を30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、
標的化合物(40mg,0.065mmol,収率82%)を白色の発泡体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.49 - 9.85 (m, 1 H) 8.36 - 8.60 (m, 1 H) 7.96 (s, 1 H) 7.92 (br. s., 1 H) 7.69 (br. s., 1 H) 7.61 (s, 2 H) 7.16 - 7.27 (m, 1 H) 6.96 (d, 1 H) 6.84 (t, 1 H) 4.65 (d, 1 H) 4.35 (d, 1 H) 4.24 - 4.32 (m, 1 H) 4.20 (dd, 1 H) 3.47 (d, 1 H) 2.95 (s, 3 H) 2.79 (t, 1 H) 2.41 - 2.57 (m, 1 H) 2.36 (s, 3 H) 1.75 - 2.23 (m, 7 H);HPLC:Rt4.84分(遊離塩基);MS:m/z=575[M+H]
+(遊離塩基)。
実施例9 (2S,5S,7R)−N 8 −{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド
密閉したチューブ内の、7Mメタノールアンモニア(methanolic ammonia)(5ml,35.0mmol)中のメチル(2S,5S,7R)−8−{[{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体23、80mg,0.136mmol)溶液を一晩振盪した。溶媒を蒸発乾固させ、未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(Siカートリッジ 5g;1:0ないし95:5 DCM/MeOH)により精製して
表題化合物を白色の固体として得た(74.4mg,0.129mmol,収率95%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.95 (s, 1 H) 7.61 (s, 2 H) 7.15 - 7.28 (m, 2 H) 6.84 - 6.97 (m, 2 H) 6.78 (t, 1 H) 4.63 (d, 1 H) 4.34 (d, 1 H) 4.08 - 4.22 (m, 1 H) 3.48 - 3.55 (m, 1 H) 3.33 - 3.42 (m, 1 H) 2.93 (s, 3 H) 2.76 (t, 1 H) 2.65 (br. s., 1 H) 2.31 (s, 3 H) 2.01 - 2.16 (m, 1 H) 1.38 - 1.85 (m, 7 H);HPLC:Rt=4.91分;MS:m/z=575[M+H]+および597[M+Na]+。
実施例10 (2S,5S,7R)−N 8 −{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド塩酸塩
ジエチルエーテル(1ml)中の(2S,5S,7R)−N
8−{[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N
8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(実施例9、66mg,0.115mmol)溶液に、Et2O(0.2mL,0.200mmol)中の1M HClを加え、得られた混合物を30分間撹拌した。溶媒を蒸発乾固させ、
標的化合物を得た(61.7mg,0.101mmol,収率88%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.50 - 9.86 (m, 1 H) 8.25 - 8.50 (m, 1 H) 7.87 - 8.01 (m, 2 H) 7.67 (s, 1 H) 7.60 (s, 2 H) 7.20 - 7.29 (m, 1 H) 6.90 - 7.00 (m, 1 H) 6.80 - 6.90 (m, 1 H) 4.58 - 4.70 (m, 1 H) 4.31 - 4.43 (m, 1 H) 4.13 - 4.30 (m, 2 H) 3.42 - 3.54 (m, 1 H) 2.95 (s, 3 H) 2.75 - 2.88 (m, 1 H) 1.74 - 2.67 (m, 11 H).HPLC:Rt=4.82分(遊離塩基);MS:m/z=575[M+H]+および597[M+Na]+(遊離塩基)。
実施例11 (2R,5S,7R)−N 8 −{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド
密閉したチューブ内の、7Mメタノールアンモニア(methanolic ammonia)(5ml,35.0mmol)中のメチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体28、90mg,0.149mmol)溶液を一晩振盪した。溶媒を蒸発させ、未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(Siカートリッジ 5g;1:0ないし95:5 DCM/MeOH)により精製して
表題化合物を白色の固体として得た(63.3mg,0.108mmol,収率72.1%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.93 (s, 1 H) 7.56 (s, 2 H) 7.23 - 7.31 (m, 1 H) 7.14 - 7.21 (m, 1 H) 6.95 - 7.05 (m, 1 H) 6.90 (d, 1 H) 6.76 (t, 1 H) 5.27 - 5.43 (m, 1 H) 4.14 (d, 1 H) 3.41 - 3.56 (m, 1 H) 3.23 - 3.39 (m, 1 H) 2.84 (s, 3 H) 2.72 (t, 1 H) 2.60 - 2.68 (m, 1 H) 2.32 (s, 3 H) 2.06 - 2.18 (m, 1 H) 1.53 - 1.87 (m, 6 H) 1.49 (d, 3 H) 1.42 (t, 1 H);HPLC:Rt=4.91分にピーク;MS:m/z=589[M+H]+および611[M+Na]+。
実施例12 (2R,5S,7R)−N 8 −{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド塩酸塩
ジエチルエーテル(1ml)中の(2R,5S,7R)−N
8−{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N
8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(実施例11、54mg,0.092mmol)溶液に、Et2O(200μL,0.200mmol)中の1M HClを加え、得られた混合物を30分間撹拌した。次に溶媒を蒸発乾固させ、
標的化合物を得た(57.4mg,0.091mmol,収率99%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.35 - 9.68 (m, 1 H) 8.35 - 8.60 (m, 1 H) 7.95 (s, 1 H) 7.90 (br. s., 1 H) 7.70 (br. s., 1 H) 7.56 (s, 2 H) 7.11 - 7.25 (m, 1 H) 6.94 (d, 1 H) 6.80 (t, 1 H) 5.28 - 5.39 (m, 1 H) 4.13 - 4.35 (m, 2 H) 3.44 (d, 1 H) 2.85 (s, 3 H) 2.77 (t, 1 H) 2.40 - 2.59 (m, 1 H) 2.35 (s, 3 H) 1.75 - 2.21 (m, 7 H) 1.50 (d, 3 H); HPLC:Rt=4.95分(遊離塩基);MS:m/z=589[M+H]+(遊離塩基)。
実施例13 (2S,5S,7R)−N 8 −{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド
密閉したチューブ内の、7Mメタノールアンモニア(methanolic ammonia)(5ml,35.0mmol)中のメチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体29、80mg,0.133mmol)溶液を一晩振盪した。溶媒を蒸発させ、未精製物をフラッシュクロマトグラフィー(Siカートリッジ 5g;1:0ないし95:5 DCM/MeOH)により精製して
表題化合物を白色の固体として得た(76.1mg,0.129mmol,収率98%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.94 (s, 1 H) 7.56 (s, 2 H) 7.24 (s, 1 H) 7.15 - 7.21 (m, 1 H) 6.84 - 6.96 (m, 2 H) 6.71 - 6.81 (m, 1 H) 5.30 - 5.40 (m, 1 H) 4.09 - 4.18 (m, 1 H) 3.47 - 3.57 (m, 1 H) 3.24 - 3.40 (m, 1 H) 2.83 (s, 3 H) 2.59 - 2.78 (m, 2 H) 2.31 (s, 3 H) 2.03 - 2.17 (m, 1 H) 1.42 - 1.85 (m, 10 H)。HPLC:Rt=4.91分;MS:m/z=589[M+H]+および611[M+Na]+。
実施例14 (2S,5S,7R)−N 8 −{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 −メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド塩酸塩
ジエチルエーテル(1ml)中の(2S,5S,7R)−N
8−{(1S)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N
8−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド(実施例13、67mg,0.113mmol)溶液に、Et2O(200μl,0.200mmol)中の1M HClを加え、得られた混合物を30分間撹拌した。次に溶媒を蒸発乾固させ、
標的化合物を白色の固体として得た(68.2mg,0.109mmol,収率96%)。1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 9.67 (br. s., 1 H) 8.34 (br. s., 1 H) 7.87 - 8.00 (m, 2 H) 7.66 (s, 1 H) 7.55 (s, 2 H) 7.13 - 7.32 (m, 1 H) 6.94 (d, 1 H) 6.76 - 6.89 (m, 1 H) 5.25 - 5.43 (m, 1 H) 4.07 - 4.38 (m, 2 H) 3.40 - 3.51 (m, 1 H) 2.84 (s, 3 H) 2.71 - 2.91 (m, 1 H) 2.33 (s, 3 H) 1.78 - 2.58 (m, 8 H) 1.50 (d, 3 H);HPLC:Rt=4.93分(遊離塩基);MS:m/z=589[M+H]+および611[M+Na]+にピーク(遊離塩基)。
実施例15
(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−3−カルボン酸ナトリウム
メチル(5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−3−カルボキシレート(中間体36、22mg,0.036mmol)をメタノール(1ml)に溶解し、この溶液に水(0.2ml)中のNaOH(1.604mg,0.040mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した。次に溶液を45℃でさらに12時間熱した。溶媒を真空中で除去し、残渣をEt2Oで数回洗浄し、固体を真空下で乾燥させて、
表題化合物を推定の比が約2:1、1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.99 (s, 1 H) 7.70 (s, 2 H) 7.04 - 7.22 (m, 1 H) 6.85 - 6.98 (m, 1 H) 6.66 - 6.82 (m, 1 H) 5.20 - 5.43 (m, 1 H) 4.06 - 4.25 (m, 1 H) 2.77 (s, 3 H) 2.55 - 3.57 (m, 5 H) 2.33 (s, 3 H) 1.46 (d, 3 H) 1.06 - 2.06 (m, 6 H);
HPLC:近接する二つのピーク Rt=4.94および4.99分;UPLC:Rt=0.66分(大きなピーク),m/z=590[M−Na+2H]。
実施例16 (4S,5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−4−カルボン酸リチウム
メチル(5R,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−4−カルボキシレート(中間体41、12mg,0.020mmol)を、メタノール(0.3ml)および水(0.3ml)に溶解した。この混合物にLiOH H2O(0.918mg,0.022mmol)を加え、反応混合物を50℃で一晩攪拌した。この溶液にテトラヒドロフラン(THF)(0.3ml)を加え、70℃でさらに1時間熱した。溶媒を真空中で除去し、
表題化合物を得た(11.2mg,0.019mmol,収率96%);1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.98 (s, 1 H) 7.69 (s, 2 H) 7.07 - 7.15 (m, 1 H) 6.84 - 6.91 (m, 1 H) 6.69 - 6.79 (m, 1 H) 5.25 - 5.38 (m, 1 H) 4.43 (d, 1 H) 2.98 - 3.23 (m, 2 H) 2.69 (s, 3 H) 2.60 - 2.92 (m, 2 H) 2.31 (s, 3 H) 1.56 - 2.04 (m, 5 H) 1.48 (d, 3 H) 1.40 - 1.54 (m, 1 H) 1.33 (d, 1 H)。以下のデータに一致する立体化学:
1.H9axまたはH7axのいずれにもnoeが見られない場合、描かれるように、5における立体化学が示唆される。
2.H4/H10axおよびH4/H10eqに観察されるnoeは、4における立体化学を示し、かつ5における立体化学の確認を提供する。以下の構造に示す原子の番号付けはNMRデータとの関連の目的のみのために含まれる。
UPLC:Rt=0.67分,m/z=590[M−Li+2H]+。
実施例17 (5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
ジクロロメタン(DCM)(2ml)中のトリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート(5.39mg,0.036mmol)と(5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチル−2−オキソ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド(中間体42、17mg,0.030mmol)との溶液を、室温で3時間攪拌した。混合物をNaHCO3飽和溶液で洗浄し、水層をDCMにより抽出した。有機層を組み合わせ、相分離管を通して濾過し、濃縮した。残渣をメタノール(2ml)に溶解し、0℃に冷却したこの溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.73mg,0.091mmol)を加えた。1.25M HClのメタノール溶液を加え、pHを約3〜4に維持して、反応を室温で一晩攪拌した。この溶液にNaHCO3飽和溶液およびDCMを加え、水相をDCMにより抽出した。有機層を組み合わせ、相分離管を通して濾過し、濃縮した。未精製物をSP4(12Mカートリッジ;90%:10%ないし50%:50% Cy:EtOAcにより溶出)により精製した。関連する画分を回収し、
表題化合物を得た(13mg,0.024mmol,収率78%);1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.01 (s, 1 H) 7.69 (s, 2 H) 7.15 - 7.21 (m, 1 H) 6.94 (dd, 1 H) 6.83 (t, 1 H) 5.20 - 5.41 (m, 1 H) 4.02 - 4.27 (m, 1 H) 3.35 - 3.44 (m, 1 H) 3.02 - 3.20 (m, 2 H) 2.86 (t, 1 H) 2.76 (s, 3 H) 2.34 (s, 3 H) 1.59 - 2.19 (m, 8 H) 1.47 (d, 3 H);UPLC:Rt=0.68分,m/z=546[M+H]+;HPLC:Rt=5.67分。
実施例18 (2R,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(THF)(2.5ml)中のメチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体44、69mg,0.112mmol)溶液に、0℃にて水素化ホウ素リチウム(0.164ml,0.335mmol)を加え、反応混合物を室温、窒素雰囲気下で3日間攪拌した。揮発物を真空中で蒸発させ、残渣をメタノール(2ml)/水中のHCl 1N(3ml)に溶解した。1時間攪拌した後、組み合わせた溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を酢酸エチル(4ml)に溶解し、NaHCO3飽和溶液(2x3ml)で洗浄した。有機相を乾燥および蒸発させ、残渣を、Biotage SNAP 10gをカラムとして、ジクロロメタン/メタノール 95:5を溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(28mg,0.047mmol,収率66.8%)。
H-NMR (500 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 7.80 (s, 1H), 7.65 (s, 2H), 7.18 (dd, 1H), 6.73 (dd, 1H), 6.63-6.69 (m, 1H), 5.3 (q, 1H), 4.22 (dd, 1H), 3.26-3.36 (m, 1H), 3.18-3.25 (s, 2H), 2.85-2.96 (m, 1H), 2.72 (s, 3H), 2.31 (s, 3H), 1.97-2.04 (m, 1H), 1.95-1.98 (m, 2H), 1.68-1.79 (m, 4H), 1.59-1.66 (m, 1H), 1.41 (d, 3H), 1.08 (s, 3H)。
UPLC:Rt=0.73分,m/z=590[M+H]
+。
実施例19 (2S,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(THF)(2.5ml)中のメチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体45、72.9mg,0.118mmol)溶液に、0℃にて水素化ホウ素リチウム(0.174ml,0.354mmol)を加え、反応混合物を室温、窒素雰囲気下で3日間攪拌した。揮発物を真空中で蒸発させ、残渣をメタノール(2ml)/水中のHCl 1N(3ml)に溶解した。1時間攪拌した後、組み合わせた溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を酢酸エチル(4ml)に溶解し、NaHCO3飽和溶液、2x3mlで洗浄した。有機相を乾燥および蒸発させ、残渣を、Biotage SNAP 10gをカラムとして、ジクロロメタン/メタノール 95:5を溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(39.8mg,0.068mmol,収率57.2%)。
H-NMR (500 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 7.92 (s, 1H), 7.78 (s, 2H), 7.27 (dd, 1H), 6.84 (dd, 1H), 6.73-6.80 (m, 1H), 5.50 (q, 1H), 4.28 (dd, 1H), 3.36-3.44 (m, 1H), 3.13-3.22 (m, 2H), 2.89-2.95 (m, 1H), 2.40 (s, 3H), 1.94 (s, 3H), 1.87-1.95 (m, 3H), 1.77-1.86 (m, 1H), 1.64-1.72 (m, 1H), 1.55-1.64 (m, 3H), 1.52 (d, 3H), 1.13 (s, 3H)。
Me−36とH−3eqとの間の双極子相関
UPLC:Rt0.72分,m/z590[M+H]
+
実施例20 (2R,5S,7R)−N 8 −{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 ,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド
密閉したチューブ内の、7Nメタノールアンモニア(methanolic ammonia)(5mL,35.0mmol)中のメチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体44、70mg,0.113mmol)溶液を、PLSにより40℃で5日間振盪した。揮発物を真空中で蒸発させ、残渣を、SNAP 10gをカラムとして、ジクロロメタン/メタノール 98:2を溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(38mg,0.063mmol,収率55.7%)。
H-NMR (400 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 8.01 (s, 1H), 7.70 (s, 2H), 7.49 (d, 1H), 7.17 (dd, 1H), 7.00 (d, 1H), 6.93 (dd, 1H), 6.76-6.83 (m, 1H), 5.32 (q, 1H), 4.19 (dd, 1H), 3.27-3.31 (m, 1H), 2.74-2.81 (m, 1H), 2.74 (s, 3H), 2.42 (bs, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.11-2.22 (m, 1H), 1.81 (m, 2H), 1.61-1.72 (m, 3H), 1.54-1.60 (m, 2H), 1.48 (d, 3H), 1.21 (s, 3H)。
HPLC:Rt=6.16分
実施例21 (2S,5S,7R)−N 8 −{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N 8 ,2−ジメチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,8−ジカルボキサミド
密閉したチューブ内の、7Nメタノールアンモニア(methanolic ammonia)(5ml,35.0mmol)中のメチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体45、75mg,0.121mmol)溶液を、PLSにより40℃で5日間振盪した。揮発物を真空中で蒸発させ、残渣を、SNAP 10gをカラムとして、ジクロロメタン/メタノール 98:2を溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(27mg,0.45mmol,収率37.2%)。
H-NMR (400 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 8.01 (s, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.39 (d, 1H), 7.16 (dd, 1H), 6.91 (dd, 1H), 6.86 (d, 1H), 6.75-6.83 (m, 1H), 5.33 (q, 1H), 4.08-4.15 (m, 1H), 3.28-3.31 (m, 1H), 2.77-2.83 (m, 1H), 2.76 (s, 3H), 2.43 (bs, 1H), 2.30 (s, 3H), 2.15 (dd, 1H), 1.74-1.87 (m, 1H), 1.59-1.73 (m, 4H), 1.50-1.57 (m, 2H), 1.48 (d, 3H), 1.26 (s, 3H)。
HPLC:Rt=6.18分
実施例22 (2R,4S,8a’R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N,8a’−ジメチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド
(2R,4S,8a’R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−3’−ヒドロキシ−N,8a’−ジメチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド(中間体47、67mg,0.106mmol)をジクロロメタン(DCM)(1ml)に溶解し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.016ml,0.127mmol)およびトリエチルシラン(0.068ml,0.424mmol)を加え、反応混合物を100℃にてマイクロ波照射下で40分間攪拌した。混合物を水(3ml)で洗浄した。有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣を、SPE NH2-カートリッジ10 gをカラムとして、シクロヘキサン/酢酸エチル 95:5ないしシクロヘキサン/酢酸エチル 8:2を溶出剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(28.5mg,0.046mmol,収率43.4%)。
H-NMR (400 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 7.99 (s, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.11-7.21 (m, 1H), 6.91 (d, 1H), 6.77 (t, 1H), 5.29-2.43 (m, 1H), 4.10 (d, 1H), 3.70 (d, 1H), 3.55 (d, 1H), 3.24-3.38 (m, 1H), 3.19 (t, 1H), 3.00 (d, 1H), 2.57-2.91 (m, 3H), 2.76 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 1.90-2.03 (m, 1H), 1.79-1.92 (m, 1H), 1.12-1.91 (m, 6H), 1.47 (d, 3H), 1.04 (s, 3H)。
HPLC:Rt=6.00分,m/z616[M+H]
+
実施例23 (2R,4S,8a’S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N,8a’−ジメチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド
(2R,4S,8a’S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−3’−ヒドロキシ−N,8a’−ジメチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド(中間体49、66mg,0.104mmol)をジクロロメタン(DCM)(1ml)に溶解し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.017ml,0.136mmol)およびトリエチルシラン(0.050ml,0.313mmol)を加え、混合物を100℃にてマイクロ波照射下で25分間攪拌した。混合物を水(3ml)で洗浄し、有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣を、SPE NH2-カートリッジ10 gをカラムとして、シクロヘキサン/酢酸エチル 9:1ないしシクロヘキサン/酢酸エチル 8:2を溶出剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(20mg,0.032mmol,収率30.7%)。
H-NMR (500 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 7.80 (s, 1H), 7.57-7.73 (m, 2H), 7.17 (t, 1H), 6.57-6.77 (m, 2H), 5.35-5.43 (m, 1H), 4.19-4.28 (m, 1H), 3.55-3.61 (m, 1H), 3.42-3.49 (m, 1H), 3.24-3.33 (m, 1H), 3.00-3.12 (m, 1H), 2.84-2.93 (m, 1H), 2.73-2.83 (m, 2H), 2.68 (s, 3H), 2.45-2.55 (m, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.85-2.01 (m, 2H), 1.66-1.78 (m, 1H), 1.45-1.61 (m, 3H), 1.41 (d, 3H), 1.32-1.38 (m, 1H), 1.19-1.27 (m, 1H), 1.01 (s, 3H)。
UPLC:Rt=0.76分,m/z616[M+H]
+
実施例24 (2R,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(THF)(6ml)中のメチル(2R,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体12、350mg,0.580mmol)溶液に、0℃にて水素化ホウ素リチウム(0.568ml,1.160mmol)を加え、反応混合物を室温、窒素雰囲気下で一晩攪拌した。揮発物を真空中で蒸発させ、残渣をメタノール(2ml)/水中のHCl 1N(4ml)に溶解した。1時間攪拌した後、組み合わせた溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を酢酸エチル(4ml)に溶解し、NaHCO3飽和溶液(2x3ml)で洗浄した。有機相を乾燥および蒸発させ、残渣を、Biotage 12+Mをカラムとして、ジクロロメタン/メタノール 95:5を溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(160mg,0.278mmol,収率47.9%)。
H-NMR (400 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 8.01 (s, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.15 (dd, 1H), 6.92 (dd, 1H), 6.75-6.83 (m, 1H), 5.32 (q, 1H), 4.43 (bs, 1H), 4.10-4.21 (m, 1H), 3.21-3.30 (m, 3H), 3.09-3.21 (m, 1H), 2.75-2.84 (m, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 1.70-1.92 (m, 3H), 1.34-1.67 (m, 5H), 1.48 (d, 3H)。
HPLC:Rt=6.56分;MS:m/z576[M+H]
+
実施例25 (2R,4S,8a’R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド
(2R,4S,8a’R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−3’−ヒドロキシ−N−メチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド(中間体51、120mg,0.194mmol)をジクロロメタン(DCM)(2ml)に溶解し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.029ml,0.233mmol)およびトリエチルシラン(0.124ml,0.777mmol)を加え、混合物を100℃にてマイクロ波照射下で50分間攪拌した。混合物を水(3ml)で洗浄し、有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣を、SPE NH2-カートリッジ10 gをカラムとして、シクロヘキサン/酢酸エチル 9:1ないしシクロヘキサン/酢酸エチル 8:2を溶出剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(31mg,0.051mmol,収率26.3%)。
H-NMR (400 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 8.01 (s, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.18 (dd, 1H), 6.93 (dd, 1H), 6.78 (td, 1H), 5.35 (d, 1H), 4.17 (dd, 1H), 3.78-3.92 (m, 1H), 3.73 (d, 1H), 3.19-3.42 (m, 2H), 3.00 (t, 1H), 2.79-2.86 (m, 1H), 2.76 (s, 3H), 2.66-2.75 (m, 1H), 2.51-2.65 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.25-2.35 (m, 1H), 1.98 (td, 1H), 1.53-1.90 (m, 4H), 1.48 (d, 3H), 1.09-1.43 (m, 3H)。
LC/MS(酸性勾配条件):Rt=2.066分,m/z602[M+H]
+
実施例26 (2S,5S,7R)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−2−(ヒドロキシメチル)−N−メチル−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキサミド
テトラヒドロフラン(THF)(7ml)中のメチル(2S,5S,7R)−8−{[{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}(メチル)アミノ]カルボニル}−7−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−カルボキシレート(中間体13、350mg,0.580mmol)溶液に、0℃にて水素化ホウ素リチウム(0.568ml,1.160mmol)を加え、反応混合物を室温、窒素雰囲気下で3日間攪拌した。揮発物を真空中で蒸発させ、残渣をメタノール(2ml)/水中のHCl 1N(3ml)に溶解した。1時間攪拌した後、組み合わせた溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を酢酸エチル(4ml)に溶解し、NaHCO3飽和溶液(2x3ml)で洗浄した。有機相を乾燥および蒸発させ、残渣を、Biotage SNAP 10gをカラムとして、ジクロロメタン/メタノール 98:2を溶出剤として用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(110mg,0.191mmol,収率33.0%)。
H-NMR (400 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 8.01 (s, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.17 (dd, 1H), 6.92 (dd, 1H), 6.74-6.84 (m, 1H), 5.33 (q, 1H), 4.41 (bs, 1H), 4.16 (dd, 1H), 3.31-3.42 (m, 1H), 3.20-3.28 (m, 2H), 3.12-3.21 (m, 1H), 2.76-2.84 (m, 1H), 2.75 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 1.77-1.89 (m, 1H), 1.60-1.77 (m, 4H), 1.49-1.58 (m, 3H), 1.48 (d, 3H)。
HPLC: Rt=6.53分;MS:m/z576[M+H]
+
実施例27 (2R,4S,8a’S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−N−メチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド
(2R,4S,8a’S)−N−{(1R)−1−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−2−(4−フルオロ−2−メチルフェニル)−3’−ヒドロキシ−N−メチルヘキサヒドロ−1H−スピロ[ピペリジン−4,6’−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン]−1−カルボキサミド(中間体50、115mg,0.186mmol)をジクロロメタン(DCM)(2ml)に溶解し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.022ml,0.223mmol)およびトリエチルシラン(0.119ml,0.745mmol)を加え、混合物を100℃にてマイクロ波照射下で50分間攪拌した。混合物を水(3ml)で洗浄し、有機層を乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣を、SPE NH2-カートリッジ10 gをカラムとして、シクロヘキサン/酢酸エチル 9:1ないしシクロヘキサン/酢酸エチル 8:2を溶出剤として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して
表題化合物を得た(21mg,0.035mmol,収率26.3%)。
H-NMR (400 Mhz) DMSO-d
6 δ ppm 8.01 (s, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.20 (dd, 1H), 6.92 (dd, 1H), 6.68-6.84 (m, 1H), 5.36 (q, 1H), 4.19 (dd, 1H), 3.86 (dd, 1H), 3.74 (d, 1H), 3.33-3.46 (m, 1H), 3.15-3.28 (m, 1H), 2.99 (t, 1H), 2.81 (1H), 2.75 (s, 3H), 2.66-2.75 (m, 1H), 2.53-2.66 (m, 1H), 2.39-2.50 (m, 1H), 2.34 (s, 3H), 1.57-1.89 (m, 5H), 1.44-1.55 (m, 1H), 1.49 (d, 3H), 1.09-1.35 (m, 2H)。
UPLC:Rt=0.70分,m/z602[M+H]
+
塩酸塩の形成(表1に要約)
一般的手順
ジエチルエーテル中の遊離塩基の溶液に、ジエチルエーテル中のHCl 1N(1.1〜2.0eq)を加えた。溶液を真空下で除去し、残渣をジエチルエーテルまたはn−ペンタン中で粉砕して対応する塩酸塩を得た。
生物学的データ
本発明の化合物は以下のアッセイに従い、in vitro生物活性を試験されてよい。
A)NK結合親和性の測定
本発明の化合物のNK1結合親和性は、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞に安定的に発現するヒトNK1受容体に対する放射性リガンドとして[3H]−GR205171を用いる、以下の濾過結合アッセイを用いて決定した(C. Griffante et al, Br. J. Pharmacol. 2006, 148, 39-45; H. M. Sarau et al, J. Pharmacol. Experimental Therapeutics 2000, 295(1), 373-381 and D.T. Beattie et al., Br. J. Pharmacol. 1995, 116, 3149-3157を参照)。
ヒトのクローン化されたニューロキニンNK1受容体を安定的に発現するCHO細胞は、10%ウシ胎仔血清および2mM L−グルタミンを補充したダルベッコ変法イーグル培地/F12ハム(DMEM/F12ハム)中で培養した。細胞は37℃の加湿されたインキュベーター内で5%CO2にて維持された。コンフルエントに達した細胞をPBS/EDTA(5mM)により回収し、その後遠心分離(1000g、8分、4℃)によりペレットにした。膜を調製するため、細胞ペレットを10倍量の膜調製緩衝液で均一化し、遠心分離した(48,000g、20分、4℃)。その後膜を500μLの一定分量として再懸濁し、使用まで−80℃にて保管した。
結合アッセイは96ウェル深底ポリプロピレンプレート(Whatman)内で、100μlのインキュベーション緩衝液(50mM HEPES,pH7.4、3mM MnCl2、および0.02%BSAを含む)、4μlのDMSO(総結合)またはDMSOに溶解した増加する濃度(最終濃度1pM〜1μM)の本発明の化合物、100μlのインキュベーション緩衝液中の放射性リガンド[3H]−GR205171(最終濃度0.2nM)、および200μlのインキュベーション緩衝液中のヒトNK1−CHO細胞膜懸濁液(最終濃度4μg/ml)からなる400μlの量で行った。非特異的結合は、1μMの未標識GR205171の添加により決定した。インキュベーションは室温で60分間進行させた。セルハーベスター(Perkin-Elmer)を用い、0.5%ポリエチレンイミン(PEI)に予め浸漬したGF/Cフィルタープレートを通した迅速な濾過と、それに続く1ml氷冷0.9%NaClによる3回の洗浄によって反応を停止させた。フィルタープレートを乾燥させ、保持された放射活性をTop Count(Perkin-Elmer)によってカウントした。
特異的結合は、1μM GR205171存在下での結合として判断された非特異的結合から、総結合を差し引くことにより決定された。特異的結合のパーセント阻害は、本発明の化合物の各濃度、および特異的結合を50%阻害するために必要とされる濃度として定義され、濃度反応曲線から得られるIC50に対して決定された。
親和性の値は阻害定数(pKi,)の負の対数として表され、放射リガンドの解離定数(KD)およびそのアッセイにおける濃度を用いるCheng-Prusoff方程式により、IC50から算出された。
B)NKの機能的効力の測定
NK受容体とその予想されるリガンドとの相互作用により誘導される細胞内カルシウム放出の阻害に対する本発明の化合物の効果を決定するために、FLITR技術を用いる機能的アッセイにより本発明の化合物をさらに特徴付けた。ヒトNK1、NK2、およびNK3受容体を発現する組み換えBacMamウィルスにより一過性に形質転換されたヒトU2OS細胞を研究に使用した(J. P. Condreay et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96(1): 127-132を参照)。簡単に述べると、U2OS細胞を組織培養フラスコから回収し、細胞濃度200〜300K/mlに再懸濁して、NKR遺伝子を保有するBacMamウィルスと1%(v/v)のウィルス/細胞比において混合した。次に10〜15K細胞/ウェルを、384ウェルGreiner bio-oneプレート内の培地(10%FBSを含むDMEM)中にまき、37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。培地を吸引した後、18〜24時間後に、30μL/ウェル緩衝液(20mM HEPESを含むハンクス液)中の細胞質カルシウム指示薬Fluo−4カルシウム3色素(Molecular Devices Co.)を細胞に負荷し、CO2中で37℃60分間インキュベートした。次に、様々な濃度の化合物を含む10μL/ウェルアッセイ緩衝液(20mM HEPESを含むハンクス液)を細胞に加え、37℃で30分間インキュベートした。最後に、0.1%BSAを含むアッセイ緩衝液中のNKRリガンド10μL/ウェルを細胞に加え、蛍光シグナルをFLIPRシステムで読み取った。サブスタンスP、NKA、およびNKBペプチドを、それぞれNK1、NK2、およびNK3受容体のリガンドとして使用した。各化合物のIC50値を、11点の3x希釈阻害曲線により決定した。各アンタゴニストの効力(fpKi)を、別の実験により決定されたリガンドのEC50を用いるCheng-Prusoff方程式により、pIC50から算出した。
結果
実施例1、2、4、6、7、9、11、13、15、16、17、および28〜37の化合物をNK1機能的アッセイ(B)により試験し、結合効力は>9.0pKiであることが示される。
本発明の化合物の中枢神経系透過およびNK1受容体結合能力は、Rupniak & Williams, Eur. Jour. of Pharmacol., 1994により記載されるスナネズミフットタッピングモデルを用いて決定されてよい。
NK1受容体アゴニストGR73632(R.M. Hagan et al., Neuropeptides 1991, 19 (2), 127-135)の脳室内(icv)投与によってスナネズミに特徴的な後肢のフットタッピング(GFT)が誘導され、これは強力なNK1受容体アンタゴニストにより阻害できる。スナネズミフットタッピングの典型は以下のように実行される;スナネズミに本発明の化合物を服用させ、続く適当な前処置時間に酸素/イソフルラン混合物を用いて麻酔した。次に頭蓋を露出し、5μLのGR73632(3pmol濃度)を、カフ付きの25G針を用いてブレグマ下4mmの深さに挿入することにより、側脳室に直接注射した(脳室内投薬)。スナネズミを注射後直ちに個別の透明な観察箱内に置き、回復させた。スナネズミが正向反射を取り戻すに従い、反復性の後肢タッピングの持続時間を5分周期にわたり記録した。NK1アゴニストにより誘導されるタッピングの50%を阻害するために必要とされる試験化合物の用量はmg/kgで表され、これはID50値と呼ばれる。
GR73632により誘導されるフットタッピング行動は、実施例4によって有意に減弱され、用量範囲は0.1〜10mg/kgp.o.にわたり、算出されたID50は約0.67mg/kgであった。