JP5502834B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
(a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を、幅方向に相互に50mm〜500mmの範囲で、ずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程。
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程。
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラム周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程。
<実施の形態1>
<アッセンブル工程>
図1はアッセンブル工程を示す横方向概略図であり、図2はアッセンブル工程を示す斜視概略図である。図1および図2において、フィルム状のインナーライナー2は離型紙で被覆された状態で、保管ロールR1から第1駆動ローラR2を介して矢印方向に送られて剥離ローラR3,R4において離型紙と分離される。そして、インナーライナー2は、一対のカレンダーロールR7に送られる。
図3は裁断工程を示す斜視概略図である。積層体1はベルトコンベヤによって裁断機に、巻取ロールR8から送られるか、もしくはアッセンブル工程から連続的に送られる。積層体1は、タイヤのサイズに応じて長手方向に所定の長さで裁断され、裁断シート4を製造する。なお積層体の裁断はナイフカットなどの従来の方法が採用できる。この裁断シート4の、裁断方向がドラムの円周方向に、長手方向の裁断長さがドラム5の幅方向に対応することになる。またインナーライナーの裁断長さはタイヤサイズによって、適宜、調整される。
図4は、裁断シート(積層体)の接合工程を示す概略図である。ここで図4(a)は、裁断シート4の断面図であり、図4(b)は、裁断シート4をドラム5上に巻きつけ方法を示す概略図である。インナーライナー2がドラム5の表面に隣接するように積層体を巻きつける。ここでインナーライナーの端部2a,2bが相互に接合されて接合部を形成する位置と、未加硫ゴムシートの端部3a,3bが相互に接合されて接合部を形成する位置は、相互にオフセットされている。
前述の如く接合工程において、インナーライナーと未加硫カーカスプライの積層体を製造し、これをドラム状で円筒状に形成する。接合工程の後、ドラム両端に位置する積層体の両端部分をビードコアの周りに巻き返した後、ビードコア同士の間隔を狭めながらインナーライナーと未加硫のカーカスプライの積層体の中央部を膨出変形させる。この作動に伴って積層体の中央部分に、ベルト部材、トレッドゴム等を貼着し、さらにサイドウォール、ビードエーペックスなどの他のゴム部材をも貼り付けて生タイヤを成形する。このように成形された生タイヤを金型に投入して、従来の方法で加硫することで製品タイヤを製造することができる。
本発明の実施の形態においてインナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接するように配置される第2層の複合体で構成されている。前記第1層は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIBS」ともいう。)を主体とする熱可塑性エラストマー組成物で、前記第2層はスチレン系熱可塑性エラストマー組成物であり、前記第1層および第2層の少なくともいずれかの熱可塑性エラストマー組成物は、前記熱可塑性エラストマー100質量部に対して、粘着付与剤を0.1〜100質量部含んでいる。
前記第1層は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)を主体とする熱可塑性エラストマーの組成物からなる。SIBSのイソブチレンブロック由来により、SIBSからなるポリマーフィルムは優れた耐空気透過性を有する。したがって、SIBSからなるポリマーをインナーライナーに用いた場合、耐空気透過性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
複合体の第2層はスチレン系熱可塑性エラストマー組成物で構成される。ここでスチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてスチレンブロックを含む共重合体をいう。例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」ともいう。)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(以下、「SIB」ともいう。)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBS」ともいう。)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIBS」ともいう。)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEBS」ともいう。)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEPS」ともいう。)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SEEPS」ともいう。)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBBS」ともいう。)がある。
あることが好ましい。
本発明において第1層及び第2層の少なくともいずれかは、熱可塑性エラストマー100質量に対し、粘着付与剤が0.1〜100質量部は配合される。ここで「粘着付与剤」とは、熱可塑性エラストマー組成物の粘着性を増進するための添加剤をいい、例えば、次の粘着付与剤が例示される。また粘着付与剤は、重量平均分子量Mwが、1×102〜1×106で、軟化点が50℃〜150℃の範囲であることが望ましい。重量平均分子量が1×102未満の場合、粘度が低くなり、シートの成形性が不利となり、一方、1×106を超えると第1層及び第2層への粘着性付与が十分でなくなる。
[C9石油樹脂]
C9石油樹脂とは、ナフサを熱分解して、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどの有用な化合物を得ているが、それらを取り去った残りのC5〜C9留分(主としてC9留分)を混合状態のまま重合して得られた芳香族石油樹脂である。例えば、商品名として、アルコンP70、P90、P100、P125、P140、M90、M100、M115、M135(いずれも、荒川化学工業(株)社製、軟化点70〜145℃)、またアイマーブS100、S110、P100、P125、P140(いずれも出光石油化学(株)製、芳香族共重合系水添石油樹脂、軟化点100〜140℃、重量平均分子量700〜900、臭素価2.0〜6.0g/100g)、さらに、ペトコールXL(東ソー(株)製)がある。
C5石油樹脂とは、ナフサを熱分解して、エチレン、プロピレンやブタジエンなどの有用な化合物を得ているが、それらを取り去った残りのC4〜C5留分(主としてC5留分)を混合状態のまま重合して、得られた脂肪族石油樹脂である。商品名として、ハイレッツG100(三井石油化学(株)製、軟化点が100℃)、またマルカレッツT100AS(丸善石油(株)製、軟化点100℃)、さらにエスコレッツ1102(トーネックス(株)製、軟化点が110℃)がある。
商品名として、YSレジンPX800N、PX1000、PX1150、PX1250、PXN1150N、クリアロンP85、P105、P115、P125、P135、P150、M105、M115、K100(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点は75〜160℃)がある。
商品名として、YSレジンTO85、TO105、TO115、TO125(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜165℃)がある。
商品名としてタマノル803L、901(荒川化学工業(株)製、軟化点120℃〜160℃)、またYSポリスターU115、U130、T80、T100、T115、T145、T160(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜165℃)がある。
軟化点90℃のクマロン樹脂(神戸油化学工業(株)製)がある。
商品名として、15E(神戸油化学工業(株)製、流動点15℃)がある。
商品名として、エステルガムAAL、A、AAV、105、AT、H、HP、HD(いずれも荒川化学工業(株)製、軟化点68℃〜110℃)、またハリエスターTF、S、C、DS70L、DS90、DS130(いずれもハリマ化成(株)製、軟化点68℃〜138℃)がある。
商品名として、スーパーエステルA75、A100、A115、A125(いずれも荒川化学工業(株)製、軟化点70℃〜130℃)がある。
商品名として、タマノル510(荒川化学工業(株)製、軟化点75℃〜95℃)がある。
商品名として、エスコレッツ5300(トーネックス(株)製、軟化点105℃)がある。
本発明では第2層をスチレン系熱可塑性エラストマーとSIBSの混合物、特に、SISとSIBSの混合物層、またはSIBとSIBSの混合物で構成することができる。この場合、SIBSの配合量は、熱可塑性エラストマー成分の10〜80質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲で調整される。SIBSが10質量%より少ないと第1層との
接着性が低下し、SIBSが80質量%を超えるとカーカスプライとの接着性が低下する傾向がある。
本発明において、インナーライナーは前記第1層と第2層で形成される複合体が使用される。ここで第1層、第2層は熱可塑性エラストマーの組成物であり、加硫温度、例えば150℃〜180℃において、金型中で軟化状態にある。軟化状態とは分子運動性が向上し固体と液体の中間状態を意味する。また、熱可塑性エラストマー組成物は軟化状態では隣接する部材と粘着、接着しやすい。そのため、熱可塑性エラストマーの形状変化や隣接部材との粘着、融着を防止するために、タイヤの製造の際には、冷却工程を必要とする。冷却工程は、タイヤ加硫後に、10〜300秒間、50〜120℃に急冷し、ブラダー内を冷却する。冷却媒体としては、空気、水蒸気、水およびオイルより選択される1種以上が使用される。かかる冷却工程を採用することで、インナーライナーを0.05〜0.6mmの範囲の薄いインナーライナーを形成することができる。
本発明の空気入りタイヤは、前述の方法で得られたインナーライナーと未加硫ゴムシート(カーカスプライ)を用いて、他の部材とともに生タイヤを成形し、その後加硫することによって製造できる。複合体PLを生タイヤに配置する際は、第2層PL2が、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。このように配置すると、タイヤ加硫工程において、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物よりなる第2層、例えばSIS層またはSIB層はカーカスプライCとの接着強度を高めることができる。得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため優れた耐空気透過性および耐久性を有する。
実施の形態2では、インナーライナー2の幅W2は、未加硫ゴムシート3の幅W1よりも広く形成される。
図5は裁断工程を示す概略図である。積層体1はベルトコンベヤによって裁断機に巻取ロールR8から送られるか、もしくはアッセンブル工程から連続的に送られる。積層体1はタイヤのサイズに応じて長手方向に所定の長さで裁断されて裁断シート4が製造される。なお積層体の裁断はナイフカットなどの従来の技術が採用できる。この裁断シート4の裁断方向がドラムの円周方向に、一方、長手方向の裁断長さがドラム5の幅方向に対応することになる。
図6(a)は、裁断シートの断面図、図6(b)は裁断シートをドラムに巻き付ける状態を示す概略図である。ここでドラム5の上にインナーライナー2が接するように巻きつけられ、その両端2a、2bは重複するようにして接合部を形成する。その上にインスレーションなどの未加硫ゴムシート3の両端3a、3bを接合するには、未加硫ゴム片6が用いられる。この場合に接合部は2ヶ所形成されるが、前記インナーライナーとの接合部位置とはオフセットされている。
実施の形態2において、インナーライナーは、実施の形態1と同様な熱可塑性エラストマー組成物が使用され、さらにその厚さも同様な仕様のものが採用される。
実施の形態2における空気入りタイヤの製造方法は、まず前記複合体PLを用いてインナーライナーと未加硫ゴムシート(カーカスプライ)を積層して積層体を製造する。その積層体を用いて他の部材とともに生タイヤの成形し、その後加硫することによって製造する。複合体PLを生タイヤに配置する際は、複合体PLの第2層PL2が、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。このように配置するとタイヤ加硫工程において、第2層PL2とカーカス6との接着強度を高めることができる。得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため優れた耐空気透過性を有する。
本発明の実施の形態1、2に基づいて製造された空気入りタイヤの構造を図8に基づいて説明する。図8は空気入りタイヤの右半分の概略断面図である。空気入りタイヤ11は、トレッド部12と、該トレッド部両端からトロイド形状を形成するようにサイドウォール部13とビード部14とを有している。さらに、ビード部14にはビードコア15が埋設される。また、一方のビード部14から他方のビード部に亘って設けられ、両端をビードコア15のまわりに巻き返して係止されるカーカスプライ16と、該カーカスプライ16のクラウン部外側には、少なくとも2枚のプライよりなるベルト層17とが配置されている。
<複合体>
本発明の第1層および第2層よりなる複合体の製造に用いた熱可塑性エラストマー(SIB、SIBSおよびSIS)は以下のとおり調整した。
攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613ml、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次に反応容器にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤などを除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間乾燥することによりスチレン−イソブチレンジブロック共重合体を得た(スチレン成分含有量:15質量%、重量平均分子量:70,000)。
カネカ(株)社製の「シブスターSIBSTAR 102(ショアA硬度25、スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:100,000)」を用いた。
クレイトンポリマー社製のD1161JP(スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:150,000)を用いた。
上記、SIBS、SISおよびSIBなどのスチレン系熱可塑性エラストマーを、2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてペレット化した。その後、Tダイ押出機(スクリュ径:φ80mm、L/D:50、ダイリップ幅:500mm、シリンダ温度:220℃、フィルムゲージ:0.3mm)にて、各種配合剤と混合してインナーライナーを作製した。
本発明において、未加硫ゴムシートは、カーカスプライを用い、そのトッピングゴムの配合は、以下のとおりである。
天然ゴム(注1) 100質量部
カーボンブラック(注2) 50質量部
亜鉛華(注3) 3質量部
老化防止剤(注4) 0.2質量部
硫黄(注5) 1質量部
加硫促進剤(注6) 1質量部
加硫助剤(注7) 1質量部
(注1)TSR20
(注2)東海カーボン(株)社製「シーストV」(N660、N2SA:27m2/g)
(注3)酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」
(注4)大内新興化学社製「ノクラック6C」
(注5)鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」
(注6)大内新興化学社製「ノクセラーDM」
(注7)ステアリン酸:花王(株)社製、「ステアリン酸ルナックS30」
<空気入りタイヤの製造>
本発明の空気入りタイヤの製造を、前述のアッセンブル工程、裁断工程、接合工程に基づき実施した。表1〜表6に示す仕様で比較例、実施例の空気入りタイヤを製造した。なお、加硫は170℃で20分間、プレス成型し、加硫金型から取り出さずに100℃で3分間冷却した後、加硫タイヤから取り出し、図8に示す基本構造を有する195/65R15サイズのものを製造した。インナーライナーの配合及びタイヤの成形方法を、タイヤの評価結果とともに表1〜表6に示す。
(注2)粘着付与剤B:テルペン樹脂、YSレジンPX1250(ヤスハラケミカル(株)製、軟化点は125℃、重量平均分子量Mw:700)。
(注3)粘着付与剤C:水添ロジンエステル、スーパーエステルA125(荒川化学工業(株)製、軟化点125℃、重量平均分子量Mw:700)
(注4)ステアリン酸:花王(株)社製、「ステアリン酸ルナックS30」
(注5)酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」
(注6)老化防止剤:大内新興化学社製「ノクラック6C」
(注7)加硫促進剤:大内新興化学社製「ノクセラーDM」
(注8)硫黄:鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」
<比較例1〜20>
比較例1〜4、比較例7,8は、第1層、第2層のいずれにも粘着付与剤を配合しない例、比較例5,6は、第1層に粘着付与剤を配合した例、比較例9〜20は第2層に粘着付与剤を配合した例である。比較例18,20は、第1層に粘着付与剤を第2層に粘着付与剤とSIBSを配合した例である。
実施例1〜4,7,17〜22、参考例1〜11は第1層に粘着付与剤を配合せず、第2層にSIBSまたは粘着付与剤を配合した例である。実施例23〜24,31〜36、参考例12〜14は、第1層および第2層にSIBSまたは粘着付与剤を配合した例である。
<加硫接着力>
第1層とカーカスプライ層および第1層と第2層の未加硫ゴムシートを張り合わせて170℃×20分で加硫し、加硫接着力測定用のサンプルを作製する。引張試験機により剥離力を測定することで加硫接着力とした。下記計算式により、比較例1を基準として各配合の加硫接着力を指数で表示した。なお加硫接着力の指数が大きいほど、加硫接着力が高いことを示す。
<屈曲亀裂成長>
屈曲亀裂成長試験は、インナーライナーが割れたり剥がれたりするかどうかで評価した。試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、タイヤ内圧は150KPaで通常よりも低内圧に設定し、荷重は600kg、速度100km/h、走行距離20,000kmでタイヤの内部を観察し、亀裂、剥離の数を測定した。比較例1を基準として、各実施例、参考例、比較例との相対値を算出し亀裂成長性を指数で表示した。指数の値が大きいほど屈曲亀裂成長が小さいことを示す。
<転がり抵抗>
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用いて、試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/hの条件で、室温(30℃)にて走行させて転がり抵抗を測定した。そして、下記の計算式に基づき比較例1を基準100として、各実施例、参考例、比較例の転がり抵抗変化率(%)を指数で表示した。転がり抵抗変化率が大きいほど、転がり抵抗が低減されていることを示す。
<静的空気圧低下率>
試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300kPaを封入し、90日間室温で放置して空気圧の低下率を計算した。数値が小さいほど空気圧が減りにくい。
JASO−C607:2000の「自動車タイヤのユニフォミティ試験方法」に準拠し、タイヤユニフォミティ試験機を用いてラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定した。比較例1を100とする相対値を指数表示した。指数が大きいほどユニフォミティが優れている。測定条件は、リムは8.0×17、タイヤ回転速度は60rpm、空気圧は200kPa、縦荷重は4000kNとした。
Claims (8)
- インナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法において、生タイヤの成形は、
(a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に相互に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程を有し、
前記インナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接するように配置される第2層で構成されており、前記第1層は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を主体とする熱可塑性エラストマー組成物で、前記第2層はスチレン系熱可塑性エラストマー組成物であり、
前記第2層は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を、熱可塑性エラストマー成分の10〜80質量%含み、
前記第1層の厚さは0.05mm〜0.6mmであり、第2層の厚さは0.01mm〜0.3mmであることを特徴とする前記空気入りタイヤの製造方法。 - 前記アッセンブル工程において、インナーライナーの幅と未加硫ゴムシートの幅は異なっており、それらの幅方向の両端部が相互に重複しないように幅方向にずらして貼り合わされる請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記第2層は、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびスチレン−イソブチレンジブロック共重合体の少なくともいずれかを含む熱可塑性エラストマー組成物である請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体は重量平均分子量が5万以上40万以下であり、かつスチレン単位含有量が10質量%以上30質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体は重量平均分子量が10万以上29万以下であり、かつスチレン単位含有量が10質量%以上30質量%以下である、請求項3または4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記スチレン−イソブチレンジブロック共重合体は直鎖状であり、重量平均分子量が4万以上12万以下であり、かつスチレン単位含有量が10質量%以上35質量%以下である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- インナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法において、生タイヤの成形は、
(a)未加硫ゴムシートと、前記未加硫ゴムシートの幅よりも広い幅を有するインナーライナーとを準備し、前記未加硫ゴムシートの幅方向の両端部が、前記インナーライナーの幅方向の両端部の内側に位置するように、前記インナーライナーの幅方向端部と前記未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に相互に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、前記インナーライナーの幅方向の両端部が重複するように接合する接合工程を有し、
前記インナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接するように配置される第2層で構成されており、前記第1層は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を主体とする熱可塑性エラストマー組成物で、前記第2層はスチレン系熱可塑性エラストマー組成物であり、
(1)前記第1層および第2層の少なくともいずれかの熱可塑性エラストマー組成物は、前記熱可塑性エラストマー100質量部に対して、粘着付与剤を0.1〜100質量部含むか、または
(2)前記第2層は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体を、熱可塑性エラストマー成分の10〜80質量%含む、
ことを特徴とする前記空気入りタイヤの製造方法。 - 前記接合工程において、未加硫ゴムシートの幅方向の両端部を未加硫ゴム片を用いて接合する、請求項7記載の空気入りタイヤの製造方法。
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