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JP5501231B2 - 単一スイッチ方式のスイッチドリラクタンス機を制御する方法、制御装置、および電力変換装置 - Google Patents

単一スイッチ方式のスイッチドリラクタンス機を制御する方法、制御装置、および電力変換装置 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、米国仮特許出願第60/955,663号「Control Strategy for Single Switch Based Switched Reluctance Machine Drives(単一スイッチ方式のスイッチドリラクタンス機駆動装置の制御方式)」(Krishnan Ramu)(出願日:2007年8月14日)によって提供される優先権の利益を享受し、この仮特許出願は、参照によって本出願に組み込まれている。
本開示は、スイッチドリラクタンス機の分野に関し、より詳細には、単一スイッチ方式の制御回路を有する多相スイッチドリラクタンス機を制御する制御方式に関する。
誘導電動機およびユニバーサルモーターは、現在のところ一定速度かつ低馬力が要求される用途において使用されており、主たる理由は、これらのモーターのコスト競争力である。このような関連技術のモーターを置き換える目的で、過去10年にわたり、単相のスイッチドリラクタンスモーター(SRM)に関する研究が行われてきた。しかしながら、従来の単相SRM機は、一般的に高性能用途には適しておらず、なぜなら、出力パワー密度が低い、トルク発生のデューティサイクルがわずか50%であるといった制限があるためである。さらに、単相SRM機では、自己始動のための永久磁石または補助巻き線も必要である。
単相SRMのこれらの制限のため、特に、高トルクもしくは高効率、またはその両方の用途のための多相(すなわち、二相以上を有する)SRM機への関心が高まっている。例えば、家庭用電化製品および動力工具などの可変速度用途においては、二相SRMをブラシレスモーター駆動装置として採用することができる。二相SRMは、設計が比較的単純であることと製造コストが低いため、特に望ましい。特許文献1には、さまざまなタイプの二相SRMが記載されている。
図1Aおよび図1Bは、関連技術の二相SRM100を示している。SRM100は、4つの固定子磁極115を有する固定子110と、2つの回転子磁極125を有する回転子120とを含んでいる。回転子120は、回転子120の中心に結合されている固定シャフト130を中心に回転するようにされている。直径方向に対向する固定子磁極115Aのそれぞれに、第1の組の同心巻き線140(例えば、銅線コイル)のそれぞれが配置されている。これらの巻き線140は、電気的に直列または並列に接続することができる。同様に、直径方向に対向する固定子磁極115Bのそれぞれに、第2の組の同心巻き線150が配置されている。これらの巻き線150は、同様に直列または並列に接続することができる。図1Aは、第1の相が駆動されているSRM100を示している。この第1の相においては、電流が巻き線140を通じて印加され、結果としての磁力によって回転子磁極125が固定子磁極115Aに整列する。図1Bは、第2の相を示しており、この相においては、巻き線150を通る電流に起因して回転子磁極125が固定子磁極115Bに整列する。巻き線140および巻き線150を選択的に励磁することによって、SRM100の第1の相および第2の相が駆動され、回転子120の回転速度を制御することができる。
多相SRMの相巻き線は、一般には、SRMに関連付けられる制御回路によって励磁される。本文書において使用する「相巻き線」は、SRMあるいは他のブラシレス機の単相を駆動するために使用される巻き線など、1つまたは複数の巻き線を意味する。例えば、図1Aおよび図1Bにおいて、巻き線140および巻き線150の各組が、SRM100における相異なる相巻き線を構成することができる。一般に、SRM制御回路は、巻き線における電流の流れをオンおよびオフにするため、1つの相巻き線あたり1つまたは複数のスイッチを有する。例えば、相巻き線のそれぞれに、電気式スイッチ、機械式スイッチ、または電気機械式スイッチ(例:リレー)、例えば各種のトランジスタスイッチ(これに限定されない)を関連付けることができる。図1Aおよび図1Bに示したSRM100を再び参照し、少なくとも1つのスイッチ(図示していない)を使用して、相巻き線140を通る電流の流れを制御することができ、少なくとも1つの別のスイッチ(図示していない)によって、相巻き線150を通る電流の流れを制御することができる。特許文献2の図1〜図4には、多相SRM機において使用するための関連技術のマルチスイッチ制御回路のさまざまな例が示されている。
関連技術のマルチスイッチ式のSRM制御回路の1つの欠点は、そのコストである。すなわち、制御回路における各スイッチには、一般に、その動作を制御するための追加の回路が関連付けられている。例えば、各スイッチは、そのスイッチの状態を変更するための回路が関連付けられているトランジスタスイッチによって実施することができ、さらに、別の回路コンポーネント(例えば、ダイオード、抵抗器、キャパシタ)を関連付けることができる。また、マルチスイッチ回路における各スイッチは独立して制御されることがあるため、スイッチ制御方式を実施するために追加の回路が要求されうる。スイッチのそれぞれに関連付けられる追加の回路によって、SRM制御回路のコストおよび複雑さの両方が大幅に増大する傾向にある。
マルチスイッチ制御回路の不都合を克服する目的で、多相SRM機において単一スイッチ制御回路が使用されてきた。単一スイッチ回路では、一般に、マルチスイッチ制御回路よりも要求される回路が少ない(例えば、より少ないトランジスタスイッチおよびダイオード)。結果として、単一スイッチ制御回路では、SRMのコストおよび複雑さの両方を低減することができる。さらに、このような単一スイッチ回路は、複数のスイッチを制御するための複数の制御方式が要求されないという利点を持つ。SRMの複数の相をトリガーするために1つのみのスイッチが能動的に制御される。特許文献2には、さまざまな単一スイッチ式のSRM制御回路が開示されている。
図2は、二相SRMにおいて使用することのできる単一スイッチ制御回路200を示している。特許文献2の例えば図10には、類似する単一スイッチ制御回路が開示されている。制御回路200は、直流電流(DC)電源210および制御回路220を含んでいる。DC電源210は、交流電流(AC)電圧源215と、フルブリッジ整流器(ダイオードD1,D2,D3,およびD4)と、電源用キャパシタC1とを有する。電源用キャパシタC1は、その正の端子(すなわち、正のレール)と負の端子(負のレール、共通、またはグランドとも称する)との間に実質的にDC(すなわち、一定の)電圧レベルが維持されるように、有極性とすることができる。これに代えて、DC電源として使用するための、実質的に一定の電圧レベルおよび電流源を供給する別のタイプの電源、例えば、ハーフブリッジ整流器あるいはDC電圧源(バッテリーなど)に置き換え得ることが、当業者には理解されるであろう。
制御回路220は、主相巻き線L1および補助相巻き線L2を含んでおり、いずれも、DC電源210の正のレールに電気的に接続されている端子を有する。主相巻き線L1の負の端子は、トランジスタスイッチQ1のコレクタ端子と、ダイオードD5のアノード端子とに、電気的に接続されている。補助相巻き線L2の正の端子は、補助キャパシタC2の正の端子と、ダイオードD5のカソード端子とに、電気的に接続されている。このコンテキストにおいて、電流は、相巻き線にその正の端子を通じて入り、負の端子を通じてその相巻き線から出る。補助キャパシタC2は、電源用キャパシタC1と同じ極性を有する有極性のキャパシタとすることができる。補助キャパシタC2の負の端子は、電源用キャパシタC1の負の端子に電気的に接続されている。
相巻き線L1および相巻き線L2は、制御回路220から空間的に隔てることができ、場合によっては、制御回路の一部ではなくSRMモーターの一部を形成するものとみなすことができるが、説明を目的として、これらの巻き線は制御回路220の中に示してある。いくつかの実施形態においては、主相巻き線L1を、SRM100におけるトルクの大部分を発生させるために使用することができ、したがって、補助相巻き線L2よりも多量の銅(またはその他の導体)を有する、もしくは、多くの巻数を有する、またはその両方であるようにすることができる。
電流が主相巻き線L1を流れるとき、二相SRMの第1の相が駆動される。第2の相は、電流が補助相巻き線L2を流れるときに駆動される。電流が相巻き線L1またはL2のいずれかを流れ、したがって巻き線が励磁されると、結果としての磁気エネルギによって、励磁されている巻き線に対する回転子120の位置に応じて、SRMに正または負のトルクが発生する。例えば、回転子磁極125が、励磁されている巻き線の固定子磁極に向かって回転している場合、その固定子磁極におけるインダクタンスの変化は正であり、したがって、SRMによって出力される正のモータリングトルクが発生する。これに対して、回転子磁極125が、励磁されている巻き線の固定子磁極から離れる向きに動いている場合、インダクタンスの傾きは負であって負の回生トルクが発生し、このトルクによってDC電源用キャパシタC1またはC2にエネルギが戻される。
動作時、トランジスタスイッチQ1は、主相巻き線L1または補助相巻き線L2のいずれかに電流を導き、したがって、SRMにおける所望の相の駆動を選択する。この例示的な実施形態に示したように、トランジスタスイッチは、NPNバイポーラ接合トランジスタによって実施されており、そのエミッタ端子が共通(グランド)電位に電気的に接続されており、コレクタ端子が主相巻き線L1およびダイオードD5に接続されている。トランジスタスイッチQ1は、そのベース端子に印加される制御信号230によってオンおよびオフになる。制御信号は、追加の制御回路(図示していない)(例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイなど)によって供給される。
トランジスタスイッチQ1がオンになると、電源用キャパシタC1からのDC電圧が主相巻き線L1およびトランジスタスイッチQ1に印加され、これによって主相巻き線L1およびトランジスタスイッチQ1に電流が流れる。DC電源電圧レベルと比較したときの、通電中のトランジスタスイッチQ1における電圧降下は、一般には無視できる。トランジスタスイッチQ1がオンである間、補助キャパシタC2がDC電圧源キャパシタC1に放電するため、補助相巻き線L2における電流は急激に減衰し、これによって補助キャパシタC2における電圧が最終的に電源用キャパシタC1における電圧に等しくなり、結果として補助相巻き線L2の両端の電圧が0になる。補助キャパシタC2がDC電源210に迅速に放電してDC電源電圧レベルに達することができるようにするため、補助キャパシタC2は、DC電源容量C1と比較して相対的に小さい静電容量を有することができる。
主相巻き線L1を通る電流が所定のレベルを超える、または何らかの別の基準が満たされたとき、トランジスタスイッチQ1に印加されている制御信号230を調整してトランジスタスイッチQ1をオフにすることができる。この場合、主相巻き線L1を通る電流は、ダイオードD5を通るように経路変更され、ダイオードD5は、トランジスタスイッチQ1が通電を停止したとき順バイアス状態になる。経路変更された電流によって、補助キャパシタC2がその残留電圧(DC電源電圧に等しい)よりも高電圧に急速に充電され、補助キャパシタの電圧がDC電源電圧を超え、それによって電流が補助相巻き線L2を流れる。
トランジスタスイッチQ1がオフになるとき、主相巻き線L1を電流が流れ終わる前に、補助キャパシタC2によって補助相巻き線L2に電流が発生する状況が起こりうる。補助相巻き線L2を通る電流は、主として、補助キャパシタC2の電圧と、相巻き線L1およびL2を通る電流の流れに対するC2の電圧の影響とによって決まる。このような状況においては、主相巻き線および補助相巻き線に電流が同時に流れることにより、SRMによって発生する正味トルクが減少することがあり、なぜなら、主相巻き線L1によって正のトルクが発生するのと同時に補助相巻き線L2によって負のトルクが発生しうる(またはこの逆)ためである。したがって、トランジスタスイッチQ1の状態がオンからオフに変化するとき、主相巻き線L1および補助相巻き線L2に電流が同時に流れることによって、SRMにおける正味トルク損失(またはスイッチング損失)の可能性が存在する。
正味トルク発生量のこの減少は、パルス幅変調(PWM)制御方式に従ってトランジスタスイッチQ1が繰り返しオンおよびオフにされるときに、特に明らかになりうる。具体的には、一般にトランジスタスイッチQ1は、トランジスタスイッチQ1を周期的にオンおよびオフにするPWM制御信号230を、主相通電期間(main phase conduction period)の持続時間全体にわたって受け取る。このコンテキストにおいて、主相通電期間は、回転子磁極125が主相巻き線L1に向かって回転しており、したがって主相巻き線におけるインダクタンスの変化が正である期間である。したがって、主相通電期間の間の任意の時点において主相巻き線L1が励磁されると、正のトルクが発生する。
より一般的には、SRMの特定の相に関連付けられる相通電期間またはドエル時間は、その相に関連付けられている相巻き線に電流が流れた場合に正のトルクが形成されるように回転子磁極が回転している期間である。SRMの特定の相のドエル角は、その相のドエル時間中における回転子磁極の角変位である。ドエル角は、通常では回転子磁極のピッチの1/2に等しく、特定の角速度においてドエル角を移動するのに要する時間がドエル時間である。
PWM制御信号230は、主相通電期間の持続時間全体にわたりトランジスタスイッチQ1を周期的にオンおよびオフにするパルス列を備えている。PWM制御信号230における各パルスのパルス幅は、トランジスタスイッチQ1がオンである時間長と、したがって、主相巻き線L1によって正トルクが発生する時間長とを設定する。PWM制御信号230の周波数とそのパルス幅(またはデューティサイクル)とを選択することによって、主相巻き線L1によって発生する正トルク量を制御することができる。しかしながら、主相通電期間の間にPWM制御信号230によってトランジスタスイッチQ1がオンからオフに切り替わるたびに、補助相巻き線L2において同時に発生する負トルクのため、主相巻き線L1によって発生する正味の正トルクが減少しうる。この影響を説明する目的で、図3A〜図3Fは、関連技術のPWM制御方式を使用するときに起こりうる、正味正トルク発生量の望ましくない減少を示している。
図3Aは、回転子磁極の位置の関数としての、主相のインダクタンスLの関連技術におけるタイミング図を示している。インダクタンスLは、回転子磁極が主相巻き線L1に対して最もずれているとき(例:図1B)に最小となり、主相のインダクタンスLは、回転子磁極が主相巻き線L1に完全に整列している(例:図1A)ときに最大値まで増大する。タイミング図のうち、主相のインダクタンスLの値が増大している部分は主相通電期間に対応しており、この期間は主相巻き線L1を電流が流れるとSRMに正トルクが発生する。
説明を単純にするため、図3Aおよび以降に説明する類似するタイミング図は、回転子位置の関数としてのインダクタンスの線形的な変化を示している。しかしながら、主相のインダクタンスLの変化は、回転子の位置、回転子の速度、およびその他のパラメータのより複雑な関数でありうることが、当業者には理解されるであろう。さらに、図3Aは、タイミング図の1周期のみを示している(例えば、主相のインダクタンスLが最小値から最大値に変化し、最小値に戻るまでを示している)が、図示したタイミング図は回転子の回転に伴う周期性を持つことが、当業者には理解されるであろう。一般的には、主相のインダクタンスLの変化は、回転子磁極が、一般に非整列位置と整列位置との間で特定の角速度において回転することに伴う周期性を持つ。
図3Bは、PWM制御信号230の結果として主相巻き線L1を流れる主相電流iの、関連技術におけるタイミング図を示している。PWM制御信号230は、主相通電期間全体にわたりトランジスタスイッチQ1を繰り返しオンおよびオフにする。図3Bは、トランジスタスイッチQ1を切り換えることに起因する主相の電流リプルも示している。図3Dは、主相通電期間において主相電流iが主相巻き線L1を流れる結果として発生する正の総トルク量Temの、関連技術におけるタイミング図を示している。
トランジスタスイッチQ1がオンからオフに切り替わるたびに主相電流iが主相巻き線L1から補助相巻き線L2に転流される(すなわち転送される)ため、主相通電期間の間には補助相電流も発生する。図3Cは、主相通電期間において補助相巻き線L2を流れる補助相電流iの、関連技術におけるタイミング図を示している。図3Bに示した主相の電流リプルと同様に、PWM制御信号230によるトランジスタスイッチQ1のスイッチングの結果として、類似する補助相の電流リプルが生じうる。
図3Eは、補助相の電流iによって発生する補助相トルクTeaの、関連技術におけるタイミング図を示している。回転子磁極125が主相巻き線L1に向かって回転しているとき、その結果としての主相のインダクタンスLの増大に対応して、補助相巻き線L2のインダクタンスが減少する。すなわち、回転子磁極が主相巻き線L1に向かって回転している(すなわち、主相のインダクタンスが増大している)間、回転子磁極は補助相巻き線L2から離れる向きに回転している(すなわち、補助相のインダクタンスが減少している)。結果として、主相通電期間の間、主相電流i(図3B)によって正トルクが発生する(図3D)のに対して、補助相電流i(図3C)によって負トルクが発生する(図3E)。回転子磁極125が主相巻き線L1から離れる向き、補助相巻き線L2に向かって動き出すとき、補助相電流iが引き続き補助相巻き線L2を流れるならば、主相通電期間の最後に補助相電流iによって正トルクも発生しうる。
図3Fは、主相通電期間の間にSRMによって発生する正味トルクTecの、関連技術におけるタイミング図を示している。この正味トルクは、主相巻き線L1および補助相巻き線L2によって発生するトルクの合計である。したがって、SRMによって生成される正味の正トルクTecは、主相巻き線L1によって生成される正トルクTemが、補助相巻き線L2によって同時に発生する負トルクTeaだけ減少した量に本質的に等しい。SRMにおける正味の正トルクを最大にするためには、主相通電期間の間に補助相巻き線L2によって発生する負トルクTeaの量を最小にすることが望ましい。
関連技術のPWM制御方式では、正トルクの正味発生量が減少するという不都合が生じるのみならず、望ましくない騒音が生じることもある。具体的には、主相巻き線L1が正トルクを生成しており、同時に補助相巻き線L2が負トルクを発生させているとき(例えば、関連技術の図3A〜図3F)、SRMにはスイッチング損失とは別に大きな騒音が発生することがある。この望ましくない騒音によって、SRMベースの多くの消費者製品(例えば、家庭用電化製品、手持式電動工具)において使用するための単一スイッチ制御回路の商品としての魅力が大幅に低減しうる。
本明細書において引用するすべての参考文献は、参照によって本開示に組み込まれている。
米国特許第7,015,615号明細書(K. Ramuら)(出願日:2006年3月21日) 米国特許第7,271,564号(K. Ramu)(出願日:2007年9月18日) 米国特許出願第11/718,326号「System and Method for Controlling Four Quadrant Operation of a Switched Reluctance Motor Drive Through a Single Controllable Switch」(K. Ramuら)(出願日:2007年4月30日)
本発明の一態様によると、能動的に制御される第1の相と、第1の相の制御に応答的である第2の相とを有する多相SRMにおけるトルク発生量を、改良された単一スイッチ制御方式を使用して最大にする。第1の相の通電期間の持続時間全体にわたり第1の相を周期的に駆動する関連技術のPWM制御手法とは異なり、本制御方式では、第1の相の通電期間の一部のみにおいて第1の相を連続的に駆動する。例えば、第1の相の通電期間が始まった後の特定のタイミングにおいて第1の相を駆動し、第1の相を駆動停止するまで連続的に駆動したままにすることができる。第2の相は、第1の相の通電期間の間に1回、すなわち、第1の相の駆動停止に応えて、駆動されるのみである。このようにして、本制御方式では、第1の相の通電期間の間に実行される相転流の回数が減少し、これによって、SRMにおけるスイッチング損失および騒音が低減する。さらに、第1の相の駆動の適切なタイミングにより、第1の相巻き線および第2の相巻き線によって同時にトルクが発生することを防止することもできる。結果として、SRMの正トルクの正味発生量を改善することができる。
本発明の別の態様によると、1つの電圧パルスまたは電流パルス(制御パルスまたはゲーティングパルス)を使用して、多相SRMの第1の相を選択的に駆動することができる。例えば、制御パルスに応えて第1の相を選択的に駆動するスイッチに、制御パルスを入力することができる。制御パルスは、第1の相の通電期間の先頭に対する、選択される時間オフセットまたは回転子位置オフセットを起点とすることができ、第1の相の通電期間のほぼ終端まで持続することができる。したがって、第1の相の駆動のデューティサイクル、すなわち、第1の相の通電期間のうち第1の相が駆動されている割合を、制御パルスの開始位置を使用して決定することができる。
本発明の別の態様によると、第1の相の通電期間内における第1の相の連続的な駆動の開始オフセットを、測定されるSRM機械パラメータおよびテーブル探索動作に基づいて、動的に(すなわち、SRMの動作中に)決定することができる。例えば、回転子位置の1つまたは複数の測定値を使用して回転子の速度を推定し、推定された回転子の速度を使用して、所望のデューティサイクルを決定することができる。開示する開ループ制御の実施形態においては、所望のデューティサイクルを、推定される回転子速度の関数として直接的に計算することができる。これに代えて、開示する閉ループ制御の実施形態においては、所望のデューティサイクルを、推定される回転子速度から導かれる回転子速度の誤差値に基づいて決定することができる。いずれの場合にも、回転子位置とデューティサイクル値との組合せを対応する制御パルスオフセット値にマッピングするためのテーブル、すなわち、第1の相の通電期間内における制御パルスの開始位置もしくは終了位置、またはその両方を定義するテーブルを、あらかじめ計算しておくことができる。したがって、測定される回転子位置および所望のデューティサイクル値をテーブルに入力して、例えば、制御パルスの開始位置もしくは終了位置、またはその両方を決定することができる。
本発明のさらなる態様によると、本制御方式では、第1の相巻き線を通る電流の流れの大きさを、関連技術のPWM制御方式において要求される電流の流れの関数として決定することができる。例えば、関連技術のPWMベースのトルク要求量を知ることにより、開示する実施形態において使用するための対応するトルク要求量を、関連技術のトルク要求量を所望のデューティサイクルによって除することによって導くことができる。このようにして、開示する実施形態では、第1の相の通電期間において、関連技術のPWM制御方式を使用して発生するのと同じ平均トルク量または実効トルク量を発生させることができる。
当然ながら、上記の態様のさまざまな修正形態が考えられる。例えば、いくつかの実施形態においては、1つの制御パルスを2つ以上の短いパルス(サブパルス)に分割することができ、ただし、5つ以上のサブパルスとはしないことが好ましい。このような実施形態においては、各サブパルスを発生させるために使用される電流の大きさは、第1の相の通電期間の間に複数のサブパルスによって発生するトルクの平均量または実効量が、1つのみの制御パルスを使用した場合と同じままであるように、選択する。さらに、本制御方式における所望のデューティサイクルを決定する方法は、1つまたは複数のSRM機械パラメータ(例えば、回転子位置、回転子速度、機械のインダクタンス、第1の相の電流もしくは第2の相の電流またはその両方)(瞬間値および平均値の両方を含む)(ただしこれらに制限されない)の動的な測定値もしくは所定の値、またはその両方に基づくことができる。開示する実施形態は、例示的な開ループ制御および閉ループ制御の実施を示しているが、本発明を実施する当業者には別の変更形態および修正形態が明らかであろう。
本発明の態様をすべてまたは部分的に達成する目的で、多相モーターを制御する方法を開示する。この方法によると、第1の相のドエル時間が始まったとき、モーターの第1の相の励磁を、ゼロでない期間について抑制する。ゼロでない期間が終了した時点で、第1の相の励磁を有効化する。ドエル時間が終了する前または終了時に発生する無効化時において、ドエル時間の残りの間、第1の相の励磁を無効化する。
本発明の態様をすべてまたは部分的にさらに達成する目的で、多相モーターの制御装置を開示する。この制御装置は、(1)モーターの第1の相のドエル時間を求めるステップと、(2)第1の相のドエル時間が始まったとき、モーターの第1の相を励磁するための信号を、ゼロでない期間について抑制するステップと、(3)ゼロでない期間が終了した時点で、第1の相を励磁するための信号を出力するステップと、(4)ドエル時間が終了する前または終了時に発生する無効化時において、ドエル時間の残りの間、第1の相を励磁するための信号を停止するステップと、を実行するプロセッサ、を含んでいる。レギュレータは、第1の相の励磁を励磁信号に従って調整する。
本発明の態様をすべてまたは部分的にさらに達成する目的で、多相モーターの電力変換装置を開示する。この電力変換装置は、(1)モーターの第1の相のドエル時間を求めるステップと、(2)第1の相のドエル時間が始まったとき、モーターの第1の相を励磁するための信号を、ゼロでない期間について抑制するステップと、(3)ゼロでない期間が終了した時点で、第1の相を励磁するための信号を出力するステップと、(4)ドエル時間が終了する前または終了時に発生する無効化時において、ドエル時間の残りの間、第1の相を励磁するための信号を停止するステップと、を実行するプロセッサ、を含んでいる。レギュレータは、第1の相の励磁を励磁信号に従って調整する。第1の相の励磁中に第1の相によって蓄えられたエネルギは、励磁信号を停止した時点においてモーターの第2の相に印加されてこの相を励磁する。
本発明の態様のさらなる利点は、その一部を以下の説明に記載してある。
本発明の好ましい実施形態は、本明細書の以下の段落に説明されており、添付の図面を参照しながら読み進めることによって深く理解することができる。
第1の相における関連技術の二相SRMを示している。 関連技術の二相SRMを第2の相において示している。 関連技術の単一スイッチ式のSRM制御回路を示している。 図3Aは、回転子磁極の位置の関数としての、主相のインダクタンスの関連技術におけるタイミング図を示している。図3Bは、PWM制御信号の結果として主相巻き線を流れる主相電流の、関連技術におけるタイミング図を示している。図3Cは、主相通電期間の間に補助相巻き線を流れる補助相電流の、関連技術におけるタイミング図を示している。図3Dは、主相通電期間の間に主相電流が主相巻き線を流れる結果として発生する正の総トルクの、関連技術におけるタイミング図を示している。図3Eは、補助相電流によって発生する補助相トルクの、関連技術におけるタイミング図を示している。図3Fは、主相通電期間の間にSRMによって発生する正味トルクの、関連技術におけるタイミング図を示している。 図4Aは、時間の関数としての主相巻き線のインダクタンスのタイミング図を示している。図4Bは、主相通電期間の持続時間全体にわたり、主相巻き線の両端の電圧によってDC電源電圧が変調される、関連技術のPWM制御方式を示している。図4Cは、本発明の制御方式の実施形態を示している。 図5Aは、時間の関数としての主相巻き線のインダクタンスのタイミング図を示している。図5Bは、時間の関数としての補助相巻き線のインダクタンスのタイミング図を示している。図5Cは、本発明の実施形態による単一スイッチ制御方式を示している。図5Dは、図5Cに示した制御パルスによってスイッチがオフからオンになるときに発生する主相電流のタイミング図を示している。 図5Eは、図5Cに示した制御パルスによってスイッチがオンからオフになるときに発生する補助相電流のタイミング図を示している。図5Fは、主相電流に起因して主相巻き線によって発生する電磁トルクを示したタイミング図を示している。図5Gは、補助相電流に起因して補助相巻き線によって発生する電磁トルクを示したタイミング図を示している。図5Hは、主相巻き線および補助相巻き線によって発生する総(または正味)電磁トルクを示したタイミング図を示している。 図6Aは、時間の関数としての主相巻き線のインダクタンスのタイミング図を示している。図6Bは、時間の関数としての補助相巻き線のインダクタンスのタイミング図を示している。図6Cは、本発明の別の実施形態による単一スイッチ制御方式を示している。図6Dは、図6Cに示した制御パルスによってスイッチがオフからオンになるときに発生する主相電流のタイミング図を示している。 図6Eは、図6Cに示した制御パルスによってスイッチがオンからオフになるときに発生する補助相電流のタイミング図を示している。図6Fは、主相電流に起因して主相巻き線によって発生する電磁トルクを示したタイミング図を示している。図6Gは、補助相電流に起因して補助相巻き線によって発生する電磁トルクを示したタイミング図を示している。図6Hは、主相巻き線および補助相巻き線によって発生する総(または正味)電磁トルクを示したタイミング図を示している。 関連技術における主相電流の大きさと、本発明の実施形態に従って使用される主相電流の大きさとの間の関係のタイミング図を示している。 本発明の実施形態による制御方式を実施するための開ループ制御方式を示している。 図9Aは、回転子の絶対位置の関数としての主相のインダクタンスのタイミング図を示している。図9Bは、図9Aに示した主相通電期間内における制御パルスの2つの可能な位置における主相の電圧の図を示している。図9Cは、図9Bに示した制御パルスの可能な位置における主相の電流の図を示している。 閉ループ制御方式の図を示している。 図11Aは、時間または回転子位置の関数としての主相のインダクタンスを示したタイミング図を示している。図11Bは、1つの制御パルスを使用して印加される主相の電流の大きさの図を示している。図11Cは、図11Bにおける1つの制御パルスを2つの個別のサブパルスに分割する本発明の実施形態による、主相の電流の大きさの図を示している。 四相モーターの電力変換装置を示している。 図12に示した電力変換装置を使用して、四相モーターの回転中の回転子に四相モータリングトルクを印加する方法の流れ図を示している。
本発明の開示する実施形態は、単一スイッチ制御型の多相SRMにおいて、関連技術のPWM制御手法を使用したときに発生するよりも大きい正味正トルクと少ない騒音とを発生させることのできる制御方式の原理を例示している。この制御方式を理解するための数学的基礎を確立する目的で、図2に示した単一スイッチSRM制御回路200を考える。参考としてと、この制御方式の原理を説明する目的で、単一スイッチ制御回路200を参照するが、開示する制御方式は、別の単一スイッチ制御型多相ブラシレス機(本明細書に明示的に説明していないものを含む)に、より広範に適用可能であることが、当業者には理解されるであろう。以下のすべての説明および式においては、説明を目的として、記号∴が「したがって」を意味し、記号
Figure 0005501231
が「〜にほぼ等しい」を意味し、記号=が「〜に等しい」を意味し、記号∝が「〜に正比例する」を意味し、記号+が「〜に加えられる」を意味するものとする。
図2における単一スイッチ制御回路200を再び参照し、主相巻き線L1に印加される電圧Vは、数学的に以下のように書くことができる。
Figure 0005501231
この式において、R、L、i、V、ω、θは、それぞれ、主相巻き線L1の抵抗、主相巻き線L1のインダクタンス、主相巻き線L1を通る電流、主相巻き線L1の両端の電圧、回転子の角速度、回転子の角度位置である。このとき、すべての変数は、メートル、キログラム、および秒(MKS)単位において定義されている。さらに、インダクタンスは一般的には主相の電流および回転子の位置の関数であるが、説明を明瞭にする目的で、主相の電流iおよび回転子の位置θのあらゆる組合せにおいてインダクタンスLは一定値であるものと想定する。
Figure 0005501231
Figure 0005501231
さらに、抵抗による電圧降下Rを無視するならば(極めて低い速度を除いて問題なく行うことができる)、電圧Vは以下のようになる。
Figure 0005501231
Figure 0005501231
この式において、
Figure 0005501231
Figure 0005501231
この式において、dは、制御回路200においてトランジスタスイッチQ1に印加される制御信号230のデューティサイクルであり、VDCは、例えば電源用キャパシタC1において維持されるDC電源電圧である。デューティサイクルdは、トランジスタスイッチQ1の周期的なスイッチング間隔に対するトランジスタスイッチQ1のオン時間(例えば、通電モード)の比として定義することができる。したがって、主相通電期間の持続時間における主相巻き線L1の両端の平均電圧は、デューティサイクルdと、主相巻き線L1に印加されるDC電源電圧VDCとの積として近似することができる。電源電圧VDCは実質的に一定であるため、結果として式(6)から以下のようになる。
Figure 0005501231
したがって、単一スイッチ制御型SRMの速度制御は、デューティサイクルdを変化させることによって達成することができる。しかしながら、デューティサイクルdはさまざまに変化させることができる。例えば、いま、Tが主相通電期間の持続時間であるとする。主相電流iが主相巻き線L1に印加されるとき、結果としての主相巻き線L1への平均入力エネルギζは、次式として導くことができる。
Figure 0005501231
TおよびVDCは、与えられたシステムにおいて一定であり、したがって、式(8)は、代わりに以下のように複数の形として書くことができる。
Figure 0005501231
Figure 0005501231
式(9)は、関連技術のPWM制御方式に対応する。具体的には、入力エネルギは、主相通電期間の持続時間T全体にわたり主相巻き線L1に印加される平均電圧(d・VDC)に比例する。したがって、この関連技術の制御方式では、d・VDCに等しい平均電圧が発生するように、固定の時間期間TにわたるトランジスタスイッチQ1のパルス幅変調が行われる。しかしながら、前述したように、この関連技術の方式は望ましくなく、なぜなら、主相通電期間の間にトランジスタスイッチQ1が繰り返しオンからオフに切り替わるときにスイッチング損失(すなわち、正味正トルクの減少)および騒音が発生しうるためである。
式(10)は、本発明の実施形態による単一スイッチ制御方式に対応する。この方式においては、主相巻き線L1への入力エネルギは、d・VDCではなく(d・T)に比例する。したがって、主相通電期間の持続時間Tよりも短い、d・Tに等しい単一の連続的な時間区間にわたり、一定の電圧VDCを印加することができる。さらに、トランジスタスイッチQ1は1つの時間区間(d・T)についてのみオンになり、これによって、主相通電期間Tの間にスイッチQ1によって主相巻き線L1から補助相巻き線L2に電流が転流される回数が最小になる。結果として、トランジスタスイッチQ1のスイッチングによるスイッチング損失および騒音を低減することができ、なぜなら、主相通電期間Tあたりのスイッチング間隔が1つのみであるためである。さらには、後からさらに詳しく説明するように、主相通電期間T内にスイッチング間隔d・Tを適切に位置させることによって、SRMによって発生する正味正トルクを最大にすることができる。式(10)に示したように、式(9)の関連技術のPWM制御方式を使用して入力されるのと同等量のエネルギζを、本制御方式を使用して主相巻き線L1(および多相機械においては任意の他の相巻き線)に入力することができる。
図4A〜図4Cは、式(9)のPWM制御方式と式(10)に基づく制御方式との違いを示したタイミング図を示している。図4Aは、時間の関数としての主相巻き線L1のインダクタンスLのタイミング図を示している。図4BはPWM制御方式を示しており、主相通電期間の持続時間T全体にわたり、主相巻き線L1の両端の電圧VによってDC電源電圧VDCが変調される。これを目的として、PWM制御信号230は、Tよりも短い周期Tを有し、100パーセントより小さいデューティサイクルdをトランジスタスイッチQ1に印加することができ、したがって、各周期Tごとに持続時間d・TについてトランジスタスイッチQ1がオンになるのみである。
図4Cは、本発明の実施形態による制御方式を示している。この制御方式を使用すると、持続時間d・Tの単一の制御パルスが連続的にトランジスタスイッチQ1に印加され、これによって、制御パルスの持続時間にわたりトランジスタスイッチQ1がオンになり、主相巻き線L1の両端にDC電源電圧VDCが印加される。制御パルスは、主相通電期間Tの先頭から所定のオフセットにおいて始まり、主相通電期間のほぼ終端において終わることができ、すなわち、インダクタンスの変化率が0になる、または0に近づく。制御パルスの先頭は、所定の時間オフセット、所定の回転子角度のオフセット、または、主相通電期間の先頭に対する所定の割合だけ、遅延または前進させることができる。さらに、いくつかの実施形態においては、制御パルスは、所定の時間オフセット、所定の回転子角度のオフセット、または、主相通電期間Tの終端に対する所定の割合(例えば、主相通電期間の終端の約5%〜15%の範囲内)において、終わることができる。図4Cに示した制御方式においては、図4Bに示した関連技術のPWM制御方式を使用して印加されるのと同じ平均電圧Vm(av)が、主相通電期間Tの間に主相巻き線L1に印加される。
図4Cに示した制御方式は、図4Bの関連技術のPWM制御方式に優る利点を提供する。第一に、図4Cにおいては制御パルスが単一パルスであるため、補助相巻き線L2は、主相通電期間Tの間に一回のみ、より具体的には、主相通電期間Tの終端または終端付近において、すなわち、回転子磁極が主相巻き線の固定子磁極に整列するときに、転流された主相電流を受け取る。したがって、図4Cに示した制御方式を使用して、補助相巻き線L2が、転流された主相電流iを受け取るとき、補助相巻き線L2はすでにそのモータリングトルク発生領域であり、したがって正トルクを発生させる。これは、図4Bにおけるような関連技術のPWM制御方式とは極めて対照的であり、関連技術においては、主相通電期間Tの間、トランジスタスイッチQ1によって主相電流が繰り返し(周波数1/Tにおいて)転流され、これにより、主相巻き線L1によって正トルクが発生するのと同時に補助相巻き線L2によって負トルクが発生する。さらに、図4Cにおける制御方式では、主相巻き線における正トルクと補助相巻き線における負トルクとが同時に発生することを排除することによって、SRMの動作時における騒音も減少する。
一般的には、図4Cの制御方式においては、1つの制御パルスを選択的に配置することによって、SRMの動作時、主相巻き線L1または補助相巻き線L2のいずれによっても負トルクが実質的にまったく発生しないようにすることができる。これを説明する目的で、図5A〜図5Hは、本発明の実施形態によるSRMトルクの発生を示したタイミング図を示している。図5Aは、時間の関数としての主相巻き線L1のインダクタンスLのタイミング図を示している。図5Bは、時間の関数としての補助相巻き線L2のインダクタンスLauxのタイミング図を示している。図5Cは、開示する実施形態による単一スイッチ制御方式を示している。具体的には、持続時間(d・T)の単一の制御パルスを使用してトランジスタスイッチQ1をオンにして、主相巻き線L1にDC電源電圧VDCを印加する。
図5Dは、図5Cに示した制御パルスによってトランジスタスイッチQ1がオフからオンになるときに発生する主相電流iのタイミング図を示している。同様に、図5Eは、図5Cに示した制御パルスによってトランジスタスイッチQ1がオンからオフになるときに発生する補助相電流iのタイミング図を示している。図示したように、トランジスタスイッチQ1がオフになると、主相巻き線L1を流れている電流が補助相巻き線L2に転流される。電流iおよび電流iは、通常では指数関数的な成長曲線または減衰曲線を有するが、説明を目的として、これらの電流を図5Dおよび図5Eにおける直線によって近似する。この直線近似によって、制御方式の基本的な結果が変化することはない。
図5Fは、主相電流iに起因して主相巻き線L1によって発生する電磁トルクTemを示したタイミング図を示している。主相電流iは主相通電期間Tの間に発生し、この期間Tにおいては、回転子位置の変化によって主相巻き線L1のインダクタンスが増大するため、主相巻き線L1によって発生するトルクTemは正である。図5Gは、補助相電流iに起因して補助相巻き線L2によって発生する電磁トルクTeaを示したタイミング図を示している。関連技術のPWM制御手法とは異なり、補助相電流iは補助相通電期間の間に発生し、この期間においては、回転子位置の変化によって補助相巻き線L2のインダクタンスが増大するため、補助相巻き線によって発生するトルクTeaは正である。
図5Hは、主相巻き線および補助相巻き線によって発生する総(または正味)電磁トルクTenを示したタイミング図を示している。発生する正味トルクは、主相トルクTemおよび補助相トルクTeaの合計である。これらトルクの両方が正であるため、SRMにおいて発生する正味トルクTenも正である。比較として、図3Dおよび図3Eは、関連技術のPWM制御方式を使用するときにはトルクTemおよびTeaの極性が一般に反対であることを示している。さらに、図5A〜図5Hの制御方式における違いとして、主相トルクTemおよび補助相トルクTeaが、主相通電期間Tの間の1つのみのトルクパルスから成るのに対して、関連技術のPWM制御方式を使用すると、ずっと多くの数の(例えば、各Tごとに1つの)離散的なトルクパルスが発生する。結果として、関連技術のPWM制御方式では、主相通電期間Tにおいて発生するトルクリプルが小さい。これらの異なる制御方式の間でトルクリプルの量が異なることは、家庭用電化製品、手持式工具など、トルクリプルの影響が小さいSRM用途においては重要ではない。
図6A〜図6Hは、本発明の別の実施形態によるSRMトルク生成を示した一連のタイミング図を示している。図6A〜図6Hのタイミング図は、図5Aに示したタイミング図と実質的に同じであるが、1つの著しい相違点として、主相巻き線L1の両端の電圧Vは、電圧VDCの正のパルスの後に続く、電圧(VC2-VDC)の短い負のパルスを有し、VC2は補助キャパシタC2の両端の電圧である(図6C)。この負の電圧パルスは、トランジスタスイッチQ1がオンからオフになるときに発生し、なぜなら、主相電流Iが最初に補助キャパシタC2に転流され、この補助キャパシタC2が、DC電源電圧レベルVDCよりも高い電圧レベルまで充電されるためである。次いで、補助キャパシタC2が補助相巻き線L2に放電するにつれて、主相巻き線L1の両端の電圧Vは0になる。明らかに、補助キャパシタC2の容量は、電源容量C1と比較して相対的に小さく、結果として、補助キャパシタC2は急速に充電および放電され得る。この実施形態においては、短い負電圧パルス(VC2-VDC)によって、主相通電期間Tの間に主相巻き線L1に印加される平均電圧Vがわずかに低下しうる。
デューティサイクルdは、PWMにおけるトルク要求量に基づいて決定することができる。このコンテキストにおいて、トルク要求量は、SRMの相巻き線によって発生させることが望まれるトルク量に対応する。トルク要求量は、制御回路、論理回路、または制御・論理回路(図2には示していない)、例えば、汎用または特定用途のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、その他の処理要素および論理要素によって、生成もしくは処理、またはその両方を行うことができる。制御回路、論理回路、または制御・論理回路(図示していない)は、所望のトルク量が発生するようにトランジスタスイッチQ1をオンおよびオフにするための制御信号230を、トルク要求量に基づいて生成する、もしくは適用する、または生成して適用することができる。
いま、関連技術のPWM制御方式に従って使用されるトルク要求量Tecを考える。トルク要求量Tecは、SRMにおける主相巻き線L1および補助相巻き線L2によって発生させるべき電磁トルクの所望量に一致する。要求される電磁トルクは、一般には、SRM機における機械的負荷トルクの所望量Tに一致する。例えば、従来のファンタイプまたはポンプタイプの負荷を想定すると、負荷トルクTは次式によって記述することができる。
Figure 0005501231
Figure 0005501231
SRM機は、その機械的負荷トルクに打ち勝つための十分な電磁トルクを発生させなければならない。上述したように、SRMによって発生する電磁トルクは、不連続であり、主相巻き線L1および補助相巻き線L2によって供給されるパルスの形である。説明を目的として、いま、補助相トルクの貢献分が実質的にゼロである、または、補助相トルクの影響が含まれるようにトルク要求量Tecの大きさを調整できるものと想定する。この近似下において、負荷トルクTと、SRMによって周期的に発生する一定のトルクパルスそれぞれとの間の関係は、以下である。
Figure 0005501231
Figure 0005501231
この式において、Tは主相通電期間であり、Tは、回転子が1回転子ピッチを回転するのに要する時間である。時間Tは、回転子磁極のピッチ角度と回転子速度との間の比から得ることができ、固定子磁極の円弧状面および回転子磁極の円弧状面の設計および形状に依存して、2Tに等しい、または2T以上とすることができる。
式(11)を式(13)に代入すると次式となる。
Figure 0005501231
次に、式(4)および式(6)から、角速度ωは次のように計算することができる。
Figure 0005501231
すなわち
Figure 0005501231
式(16)を式(14)に代入した結果を使用すると、デューティサイクルdと関連技術のPWM方式でのトルク要求量Tecとの間の数学的関係は以下のようになる。
Figure 0005501231
式(17)から、デューティサイクルdは次のように導くことができる。
Figure 0005501231
式(18)において、負荷トルクTを通じて得られるトルク要求量Tec、主相通電期間T、1回転子ピッチだけ回転するのに要する時間T、電源電圧VDC、および定数K,Kは、いずれも回転子速度および機械パラメータから取得または計算することができる。例えば、主相電流と、回転子の角度位置に対するインダクタンスの変化率は、動的に測定される平均値または瞬間値とする、あるいは、事前に格納される値のテーブルから取得することができる。
開示する実施形態における制御方式において使用するための所望のデューティサイクルdを決定する目的で、関連技術のPWM方式に基づくトルク要求量Tecを最初に求めることができる。例えば、関連技術の速度制御フィードバックループはトルク要求量Tecを提供することができる。通常、このトルク要求量は、回転子の速度要求値と実際の回転子速度との間の差に基づいて得られ、比例−積分制御装置を使用して拡大する(magnified)ことができ、これによって、SRMが安全に発生できるよりも大きなトルクの要求が防止されるようにと、SRMのパワーエレクトロニクスコンバータ回路の損傷が防止されるように、制御装置の出力を制限することができる。トルク要求量Tecを求めるためのこのような手法は、例えば、書籍非特許文献1に記載されている。トルク要求量Tecを求めた後、上の式(18)と、求めたトルク要求量Tecとを使用して、本制御方式におけるデューティサイクルdを計算することができる。
単一スイッチ制御方式の他のさまざまな態様は、関連技術のPWM制御方式に関連して理解することができる。例えば、開示する実施形態において使用される主相電流の大きさimnは、関連技術のPWM方式において使用される主相電流imcの関数として導くことができる。図7は、関連技術における主相電流の大きさImcと、開示する実施形態に従って使用される主相電流の大きさImnとの間の関係を示している。ここでは、電流を小文字「i」によって表し、電流の大きさを大文字「I」によって表す。図7において、電流の大きさImcおよびImnは、それぞれの通電期間TおよびdTの持続時間において一定であるものと近似してある。
主相巻き線L1によって発生するトルクは、主相電流の大きさIの二乗に比例する。さらに、与えられた時間区間において発生するトルクは、主相電流の大きさと、電流が主相巻き線に印加されている時間長とを乗じたものに比例する。したがって、主相巻き線L1によって発生する実効トルクまたは平均トルクが、関連技術のPWM制御方式と、開示する実施形態の制御方式の両方において同じであるならば、以下の関係を導くことができる。
Figure 0005501231
これにより以下である。
Figure 0005501231
これらの式において、Tは主相通電期間であり、Tは、主相通電期間Tが繰り返される時間期間であり、dは、主相通電期間Tのうち、主相電流が主相巻き線L1を流れる割合を定義するデューティサイクルである。
したがって、上の式(20)に示したように、開示する例示的な実施形態の制御方式において使用される新しい主相電流Imnは、関連技術のPWM制御における電流要求値Imcとデューティサイクルdとの関数として計算することができる。関連技術における電流要求値Imcは、例えば、ドエル時間に対する、前進させたターンオン角度(または時間)またはターンオフ角度(または時間)の比(例:ドエル時間Tの変動に依存する)に基づいて、導くことができる。高性能用途における正確な駆動制御の場合、関連技術における主相電流Imcを、前進させたターンオン角度およびターンオフ角度(または時間)に基づいて計算することが不可欠であるが、それ以外の多くのSRM用途(例えば、家庭用電化製品、自動車用工具、手持ち工具など)においては、そのような正確な計算は重要ではない。例えば、これらの低精度用途においては、関連技術における電流要求のドエル時間を、回転子速度の関数としてあらかじめプログラムしておくことができ、あるいは、SRMの動作時における回転子速度の誤差を低減させるため、回転子速度の誤差もしくは回転子速度の誤差、またはその両方の関数として適応的に変化させることができる。
さらに、開示する実施形態において発生する主相トルクTenを、関連技術のPWMベースのトルク要求量Tecに関連させることができる。この場合、関連技術のPWM制御方式と、開示する実施形態の制御方式のいずれを使用するときも、同じトルク平均量またはトルク実効量が要求されるものと想定する。関連技術のPWM制御方式によると、トルク要求量Tecは次のように計算することができる。
Figure 0005501231
同様に、開示する実施形態の制御方式におけるトルク要求量Tenは、(上の式(12)を使用して)次のように計算することができる。
Figure 0005501231
したがって、関連技術のPWMベースのトルク要求量Tecを、(例えば式(18)を使用して求められた)所望のデューティサイクルdによって除することによって、開示する実施形態の制御方式において使用されるトルク要求量Tenでは、関連技術のPWM制御方式を使用したときに発生するのと同じトルク平均量またはトルク実効量を発生させることができ、さらに、このような関連技術のPWM制御方式における前述した問題が回避される。さらに、トルク要求量Tenでは、(関連技術のPWM制御方式の場合のように)主相通電期間の持続時間全体Tよりも短い持続時間d・Tにおいてトルクが発生するため、本制御方式では、同じトルク平均量またはトルク実効量を発生させるためには、必然的に、より短い持続時間においてより大きなトルク量を発生させる。このことは、数学的表現においては次のように表すことができる。
Figure 0005501231
この式において、Tenは、新規の制御方式に基づくトルク要求量またはトルク命令であり、Tecは、関連技術の方式に基づくトルク要求量またはトルク命令である。多くの実際の用途においては、SRM機において発生するトルクは、SRMの定常状態の動作時に要求されるトルクに実質的に等しいものと想定することができる。
開ループ制御の実施形態
図8は、開示する実施形態の制御方式を実施するための開ループ制御方式を示している。この開ループシステムは、速度推定器810と、デューティサイクル計算器820と、テーブル830とを含んでいる。速度推定器810には、1つまたは複数の回転子位置値θを入力することができる。回転子位置値は、1つまたは複数の平均値または瞬間値を含んでいることができる。回転子位置値θは、絶対位置であり、インデックスを有する回転子位置センサーから取得することができる。例えば、光学エンコーダ、または任意の他のタイプの回転子位置センサーを使用して、回転子位置を測定することができる。あるいは、1つまたは複数のSRM機械パラメータ(例えば、インダクタンス、磁束鎖交、相巻き線電流のうちの1つ以上)の測定値または推定値から、回転子位置を導くことができる。
速度推定器810は、1つまたは複数の回転子位置値θを受け取り、回転子の角速度ωを求める。回転子の角速度が直接的に測定される場合、開ループ制御方式800において速度推定器810を不要とすることができる。速度推定器810は、SRM駆動システムにおいて要求される精度に応じて、さまざまな複雑さとすることができる。例えば、単純な実施形態においては、ある時間区間内に測定される連続的な回転子位置の測定値(または推定値)に基づいて回転子の角速度ωを推定するように、速度推定器810を構成することができる。求める回転子速度は、瞬間値または平均値とすることができる。
速度推定器810によって求められた回転子角速度ωをデューティサイクル計算器820に入力することができる。デューティサイクル計算器820は、回転子角速度ωを、トランジスタスイッチQ1(図2)を制御するための所望のデューティサイクルに変換するように構成されている処理回路もしくは論理回路、または処理・論理回路(例えば、マイクロプロセッサまたはその他の処理要素)を含んでいることができる。トランジスタスイッチQ1に印加される制御パルスの所望のデューティサイクルdは、式(15)から次のように得ることができる。
Figure 0005501231
いくつかのSRM用途(例えば、低コスト用途)においては、デューティサイクル計算器820は、上の式(24)を採用して、回転子角速度ωに基づいてデューティサイクルdを計算することができる。この単純なデューティサイクル計算では、デューティサイクル計算器820によって使用される処理・論理要素に過大な計算負荷がかかる可能性を低減することができる。したがって、開示する実施形態の制御方式において過度の処理能力を消費することなく、低コストの実施形態を実現することができる。
ほとんどの低コストSRM用途においては、式(24)は十分なものであるが、より正確な速度制御が要求される用途においては、デューティサイクルの計算をさらに精緻化する必要がある。例えば、固定子の固有抵抗Rによる電圧降下を考慮することによって、より高い精度であるようにデューティサイクルdを精緻化することができる。固定子の固有抵抗についてデューティサイクルdを精緻化するためには、式(24)を次のように変形することができる。
Figure 0005501231

デューティサイクル計算のさらなる精緻化としては、主相電流の変化によるインダクタンスの変化に起因する電圧降下を考慮することができる。さらに、トランジスタの電圧降下Vの影響を加えるため、式(25)に追加の項を含めることもでき、結果として次式となる。
Figure 0005501231
通電中のトランジスタの電圧降下は、主相電流iの関数であるため、一定ではない。したがって、電圧降下Vは、制御回路200に結合することのできるメモリ(図2には示していない)に格納されている、あらかじめ計算されたテーブルを使用して求めることができる。さらに高い精度を目的として、トランジスタスイッチQ1におけるpn接合の温度変動(pn-junction temperature variations)について、さらなる精緻化を行うことができる。デューティサイクルの計算は、望ましい精度となるように精緻化することができるが、開示する実施形態では、単一スイッチ制御回路200を装備することのできる、家庭用電化製品、自動車、および手持工具の用途のほとんどにおいては、式(24)のデューティサイクル計算で十分であるものと想定する。
メモリ要素の例には、揮発性メモリおよび不揮発性メモリが含まれる。メモリ要素は、ランダムアクセスメモリ(RAM)要素、例えば、スタティックRAMおよびダイナミックRAM(ただしこれらに限定されない)を含んでいることができる。メモリ要素は、回転子位置値θとデューティサイクル値dの組合せと、トランジスタスイッチQ1に印加することのできる対応する制御パルスの開始位置もしくは終了位置またはその両方とをマッピングするための、事前に構築されるデータ構造(例えばテーブル830)、を格納している。テーブル830は、図8に示したように、dおよびθとそれらに対応するVから成り、Vは、主相のインダクタンスLおよび回転子位置θの変動に対応する制御パルスの開始位置もしくは終了位置またはその両方である。
図9A〜図9Cは、本発明の実施形態による、制御パルスの可能な開始位置もしくは終了位置またはその両方を示している。図9Aは、回転子の絶対位置θの関数としての主相のインダクタンスLのタイミング図を示している。図9Bは、図9Aに示した主相通電期間T内における制御パルスの2つの可能な位置における主相電圧Vの図を示している。図9Cは、図9Bに示した制御パルスの可能な位置における主相電流iの図を示している。図9Bおよび図9Cにおいて、制御パルスの開始位置をθおよびθ1’として表してあり、それに対応する終了位置をθおよびθ2’として表してある。
実際には、制御パルスの終了位置θを、主相巻き線の固定子磁極に整列する回転子磁極の角度位置にできる限り近くに位置させることができる。しかしながら、終了位置が正確に整列位置に配置されている場合、いくつかの実施形態においては、主相電流が負トルク領域(インダクタンスの傾きが負である領域)に漏れることがある。この理由のため、主相電流が主相巻き線L1から補助相巻き線L2に転流された後に、主相電流によって負トルクが発生し得ないように、終了位置θ2’は、主相通電期間の終端から所定の量だけオフセットしている角度θ2’に位置していることが好ましい。例えば、転流された電流によって補助相巻き線において大きな負トルクが発生しないようにするため、主相通電期間Tの終端から、ドエル角の約5%〜15%、または主相通電期間を示す何らかの別の測度の位置に、終了位置θ2’を配置することができる。より一般的には、終了位置θ2’は、主相通電期間の終端から所定の時間オフセット、所定の回転子角度オフセット、または所定の割合オフセットに位置させることができる。
一例として、図9Bおよび図9Cにおける開始位置および終了位置(θ,θ)および(θ1’,θ2’)によって定義される2つの制御パルスを考える。(θ,θ)によって定義される制御パルスの場合、減衰電流によって大きな正トルクは発生せず、なぜなら、図9Aにおける平らなインダクタンス領域の間に主相電流iが減少するためである。さらに、(θ,θ)によって定義される制御パルス位置の場合、主相通電期間Tの終端に対して主相電流の転流が長引くと、インダクタンスの傾きが負である領域内に主相電流iが流れ続けることがあり、その電流によって望ましくない負トルクが発生する。
これに対して、(θ1’,θ2’)によって定義される例示的な制御パルスでは、図9Aに示した、インダクタンスの傾きが負および0である領域の先頭より前に主相電流iが完全に流れ、その結果として、主相巻き線L1によって正トルクのみが発生する。したがって、テーブル830は、回転子の角度位置θおよびデューティサイクル値dの複数の異なる組に対して、例えばSRMモーター駆動のシミュレーションから求められる、制御パルス位置(θ1’,θ2’)に対応する制御パルス位置Vを格納していることが好ましい。したがって、テーブル830においてテーブル探索動作を実行して、1つまたは複数の回転子角度位置θと、デューティサイクル計算器820から出力されるデューティサイクルdとに基づいて、望ましい制御パルス位置(θ1’,θ2’)を特定することができる。デーブル830は、同様に他の情報も含み得る。
いくつかの例示的な実施形態においては、テーブル830に格納される、図9Bおよび図9Cに示した制御パルス位置(θ,θ)を求めるのに、以下の式を使用することができる。θおよびθの数学的表現は、SRM機の次の動的な式から開始して導くことができる。
Figure 0005501231
この式において、
Figure 0005501231
回転子角度位置θにおける主相電流の転流時、主相巻き線の電圧Vは、制御回路220の能力に応じて、0(例えば、図5Cに示したケース(i))または何らかの負の値(例えば、図6Cに示したケース(ii))とすることができる。これら2つのケースにおいて、主相電流iは、それぞれ、次のように時間の関数として求めることができる。
ケースi:
Figure 0005501231
ケースii:
Figure 0005501231
これらの式において、時定数τ=L(θ)/Reqである。式(29)および式(30)から、電流が0まで減少するのにかかる時間tは、主相電流Iに0を代入することによって求めることができる。次に、時間tを、角速度ωに基づいて対応する角度θに変換することができる。
Figure 0005501231
角度θを使用すると、電流が負トルク領域に入るかと、入る場合、どれくらいの負トルクが発生するかをチェックすることができる。この角度θが許容されるならば、制御パルスの終了位置θは、図9Cから次のように導くことができる。
Figure 0005501231
そうすると電圧パルスの角度は次のように与えられる。
Figure 0005501231
ここまで、デューティサイクルに基づく制御パルスの開始角度および終了角度(θ,θ)を導くための手法を提示した。これらの角度は、主相通電期間に対して所定のオフセットまたは所定の割合だけさらにオフセットさせることができる。例えば、開始角度θを、主相通電期間Tの先頭に対して、所定のオフセットまたは所定の割合だけ遅らせる、または前進させることができる。同様に、終了角度θを、主相通電期間の終端に対して所定のオフセットまたは所定の割合だけ遅らせることができる。
本制御方式によると、角度(θ,θ)を計算するための別の手法を採用することもできる。例えば、開始角度位置および終了角度位置を、代わりに角速度およびデューティサイクルの関数として計算することができ、テーブル830の形式において格納することができる。さらに、この手法は、SRMにおけるさまざまなタイプの処理回路もしくは論理回路または処理・論理回路、例えば、汎用および特定用途のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイなどのデバイスを使用して、実行することができる。
閉ループ制御の例示的な実施形態
図10は、開示する実施形態に従って使用することのできる閉ループ制御方式1000の概略的なブロック図を示している。この閉ループ方式は、速度推定器1010と、速度誤差計算器1020と、制御装置1030と、テーブル1040とを含んでいる。この制御方式においては、デューティサイクル計算器が存在せず、代わりに、回転子角速度ωのフィードバック制御と、それに関連する速度誤差の判定とを使用して、所望のデューティサイクルdを取得する。
閉ループ方式1000では、開ループ方式800と同様に、1つまたは複数の回転子位置値θを速度推定器1010に入力することができる。回転子位置値は、1つまたは複数の瞬間値を含んでいることができる。回転子位置θは絶対位置であり、インデックスを有する回転子位置センサーから取得することができる。例えば、光学エンコーダ、または他の任意のタイプの回転子位置センサーを使用して、回転子位置を測定することができる。あるいは、1つまたは複数のSRM機械パラメータの測定値または推定値から、回転子位置を導くことができる。
回転推定器1010は、1つまたは複数の回転子位置値θを受け取り、回転子角速度ωを求める。回転子の角速度が直接的に測定される場合、閉ループ制御方式1000において速度推定器1010を不要とすることができる。速度推定器1010は、SRM駆動システムにおいて要求される精度に応じて、さまざまな複雑さとすることができる。例えば、単純な実施形態においては、ある時間区間内に測定される連続的な回転子位置の測定値(または推定値)に基づいて回転子の角速度ωを推定するように、速度推定器1010を構成することができる。求める回転子速度は、瞬間値または平均値とすることができる。
速度推定器1010によって求められた回転子角速度ωを速度誤差計算器1020に入力することができる。速度誤差は、速度要求(命令)ω*と、SRM機の回転子の実際の回転子速度ωとの間の差として生成される。速度誤差が0まで減少するように、フィードバック制御装置、例えば、比例制御装置、比例−積分(PI)制御装置、比例−微分(PD)制御装置、比例−積分−微分(PID)制御装置によって、速度誤差を処理する。図示したように、制御装置1030はPI制御装置である。制御装置1030の出力は、所望のデューティサイクルdに合致するように正規化することができる。例えば、制御装置の最大出力が、1に等しいデューティサイクルに対応し、それ以外の制御装置の出力値すべてがそれぞれの値に応じて比例するように、PI制御装置の出力をデューティサイクルに基づいてスケーリングすることができる。
説明を目的として、いま、一方向のみの速度制御を有するSRMにおける負の速度誤差値を考える。この状況下における負の速度誤差は、実際の速度を低減させることによって、発生する機械トルクを減少させてSRMの負荷トルクに合致するように、デューティサイクルを小さくしなければならないことを示している。機械トルクと負荷トルクとが一致していないと、過大な回転子速度が生じ、したがって、負の速度誤差が発生する。したがって、過大な回転子速度を補正するためには、デューティサイクルを小さくすることによって機械トルクを低減しなければならない。この例から理解できるように、回転子速度を適切に制御するためには、負の速度誤差がデューティサイクルを低減させることに対応し、正の速度誤差がデューティサイクルを増大させることに対応する。閉ループ方式1000においては、PI制御装置1030の動作を理由として、制御においては正の出力のみを使用することができ、負の出力を0に等しいようにプログラムすることができる。したがって、このような状況においては、PI制御装置1030と、生成されるデューティサイクル信号dとの間に関数発生器(図示していない)を導入することができる。
同様に、二方向のSRM速度制御システムの場合、速度誤差値およびその極性を解釈するために関数発生器(図示していない)を使用することもできる。速度要求の極性が変化するとき、システムは回転方向の変更を要求している。したがって、制御システム200は、速度方向の変更の準備を行わなければならず、この準備については、例えば、特許文献3に記載されている。以降の手順は前述した手順と本質的に同じであり、ただし当業者には明らかであるように、必要であれば適切な修正を行う。開ループ制御方式800(図8)は、低性能の用途において有用であるのに対し、閉ループ方式1000(図10)は、一方向または双方向の、よりロバストな速度制御が要求される用途において装備することができる。
SRMにおける1つまたは複数の揮発性メモリ要素もしくは不揮発性メモリ要素、またはその両方は、回転子位置値θおよびデューティサイクル値dの組合せと、トランジスタスイッチQ1に印加できる対応する制御パルスの開始位置もしくは終了位置またはその両方とをマッピングするための、事前に構築されるデータ構造(例えばテーブル1040)を格納していることができる。テーブル1040においてテーブル探索動作を実行して、1つまたは複数の回転子角度位置θと、制御装置1030の出力によって求められるデューティサイクルdとに基づいて、望ましい制御パルス位置(θ1’,θ2’)を特定することができる。テーブル1040は、別の情報を含んでいることもできる。
本明細書に説明したように、図8および図10に示した制御装置800および制御装置1000は、図2に示した制御信号230を生成する目的に使用することができる。制御装置800および制御装置1000は、ハードウェアプロセッサ、ソフトウェアプロセッサ、またはファームウェアプロセッサによって実施することができる。
ここまで、本発明の可能な実施形態について詳しく説明した。当業者には、本明細書を検討し、開示した本発明を実施することによって、本発明の別の実施形態が明らかであろう。例えば、いくつかの実施形態においては、1つの制御パルスを2つ以上の短いパルス(サブパルス)に分割することができ、ただし、5つ以上のサブパルスとはしないことが好ましい。このような実施形態においては、各サブパルスに使用される電流の大きさは、SRMにおいて発生するトルクの平均量または実効量が、1つのみの制御パルスを使用した場合と同じままであるように、選択する。
図11A〜図11Cは、1つの制御パルスを複数の短いサブパルスに分割する実施形態を示している。図11Aは、回転子が、主相巻き線に整列していない位置から、整列した位置まで回転し、再び非整列位置に戻るときの、時間または回転子位置の関数としての主相のインダクタンスLを示したタイミング図を示している。図11Bは、1つの制御パルスを使用して印加される主相電流の大きさの図を示している(単一パルスの実施形態)。図11Cは、図11Bにおける1つの制御パルスが2つの個別のサブパルスに分割されている例における、主相電流の大きさの図を示している(ダブルパルスの実施形態)。主相電流×時間としての面積全体は、図11Bおよび図11Cの両方の実施形態において同じままであり、したがって、主相電流の実効値は両方の実施形態において同じままであり、これらの電流の結果として発生するトルク量も同じである。
図12は、四相モーターの電力変換装置1200を示している。電力変換装置1200は、AC電圧源1202と、フルブリッジ整流器(ダイオードD1、D2、D3、およびD4)と、電源用キャパシタC1とを含んでいる。電源用キャパシタC1は、その正の端子と負の端子との間に実質的に一定のDC電圧レベルを維持する。第1の相巻き線L1および第2の相巻き線L2のそれぞれは、DC電源210の正のレールに電気的に接続されている端子を有する。第1の相巻き線L1の負の端子は、トランジスタスイッチQ1のコレクタ端子と、ダイオードD5のアノード端子とに、電気的に接続されている。第2の相巻き線L2の正の端子は、キャパシタC2の正の端子と、ダイオードD5のカソード端子とに、電気的に接続されている。キャパシタC2の負の端子は、電源用キャパシタC1の負の端子に電気的に接続されている。
動作時、トランジスタスイッチQ1は、第1の相巻き線L1または第2の相巻き線L2のいずれかに電流を導き、したがって、モーターにおける所望の相の駆動を選択する。トランジスタスイッチはNPNバイポーラ接合トランジスタによって実施されており、そのエミッタ端子がグランド電位に電気的に接続されており、コレクタ端子が第1の相巻き線L1およびダイオードD5に接続されている。トランジスタスイッチQ1は、そのベース端子にプロセッサ1204によって印加される制御信号CS1によってオンおよびオフになる。
トランジスタスイッチQ1がオンになると、電源用キャパシタC1からのDC電圧が第1の相巻き線L1およびトランジスタスイッチQ1に印加され、これによって第1の相巻き線L1およびトランジスタスイッチQ1に電流が流れる。トランジスタスイッチQ1がオンである間、キャパシタC2が電源用キャパシタC1に放電するため、第2の相巻き線L2における電流は急激に減衰し、これによってキャパシタC2における電圧が最終的に電源用キャパシタC1における電圧に等しくなり、結果として第2の相巻き線L2の両端の電圧が0になる。
第1の相巻き線L1を通る電流が所定のレベルを超える、または何らかの別の基準が満たされたとき、トランジスタスイッチQ1に印加されている制御信号CS1を調整してトランジスタスイッチQ1をオフにすることができる。この場合、第1の相巻き線L1を通る電流は、ダイオードD5を通るように経路変更され、ダイオードD5は、トランジスタスイッチQ1が通電を停止したとき順バイアス状態になる。経路変更された電流によって、キャパシタC2がその残留電圧(DC電源電圧に等しい)よりも高電圧に急速に充電され、キャパシタC2の電圧がDC電源電圧を超え、それによって電流が第2の相巻き線L2を流れる。
トランジスタスイッチQ1がオフになるとき、電流が第1の相巻き線L1を流れ終わる前に、キャパシタC2によって第2の相巻き線L2に電流が発生する状況が起こりうる。第2の相巻き線L2を通る電流は、主として、キャパシタC2の電圧と、相巻き線L1およびL2を通る電流の流れに対するC2の電圧の影響とによって、決まる。このような状況においては、第1の相巻き線および第2の相巻き線に電流が同時に流れることにより、モーターによって発生する正味トルクが減少することがあり、なぜなら、第1の相巻き線L1によって正のトルクが発生するのと同時に第2の相巻き線L2によって負のトルクが発生しうる(またはこの逆)ためである。したがって、トランジスタスイッチQ1の状態がオンからオフに変化するとき、第1の相巻き線L1および第2の相巻き線L2に電流が同時に流れることによる、モーターにおける正味トルク損失(またはスイッチング損失)の可能性が存在する。
電力変換装置1200はトランジスタQ2も含んでおり、このトランジスタQ2は、プロセッサ1204によって提供される制御信号CS2の制御下において、電源用キャパシタC1からモーターの第3の相巻き線L3を通るエネルギの流れを調整する。第3の相巻き線L3によって放電される、モーターによって使用されないエネルギは、ダイオードD6によって形成される回路によってキャパシタC3に蓄えられる。トランジスタQ3は、プロセッサ1204によって提供される制御信号CS3の制御下において、キャパシタC3からモーターの第4の相巻き線L4を通るエネルギの流れを調整する。第4の相巻き線L4によって放電される、モーターによって使用されないエネルギは、ダイオードD7によって形成される回路によって電源用キャパシタC1に伝えられて蓄えられる。
本発明の好ましい実施形態においては、プロセッサ1204は、相巻き線L1、相巻き線L3、および相巻き線L4が、放電する別の相巻き線からのエネルギを受動的に受け取ることがないように、制御信号CS1〜制御信号CS3を調整する。
図13は、図12に示した電力変換装置を使用して、四相モーターの回転中の回転子に四相モータリングトルクを印加する方法の流れ図を示している。この方法によると、プロセッサ1204は、モーターの第1の相のドエル時間が始まったかを、固定子に対する回転子の角度位置を示す情報に基づいて判定する(1302)。始まった場合、プロセッサは、ゼロでない時間期間だけ待機し(1304)、始まっていない場合、プロセッサ1204は、第1の相のドエル時間の開始を引き続き監視する。ゼロでない時間期間は、モーター負荷に印加されるトルクのトルク要求量と、第1の相の励磁の無効化の、第1の相のドエル時間の終端からの時間オフセットと、第1の相のドエル時間の間に印加される励磁パルスの数に従って、決定する。ゼロでない時間期間が経過した時点で、プロセッサ1204は、制御信号CS1をトランジスタスイッチQ1に印加することによって第1の相L1を励磁する(1306)。第1の相L1はそのドエル時間の間に励磁されるため、モーターの回転子にモータリングトルクが印加される。駆動のデューティサイクルdが経過した時点で(1308)、プロセッサ1204は、第1の相L1の励磁を制御信号CS1を通じて無効化する(1310)。
第1の相L1の励磁を無効化する(1310)ことにより、第1の相L1に蓄えられているエネルギによって第2の相L2が受動的に励磁される。第1の相L1の励磁の無効化1310は、第1の相L1のドエル時間の終端において、または短いオフセットだけ終端より前に行われるため、第1の相L1から第2の相L2に提供されるエネルギのすべて、またはほぼすべてが、第2の相L2のドエル時間の間に伝搬する。したがって、第2の相L2は、モータリングトルクのみ、または主としてモータリングトルクを発生させる。
プロセッサ1204は、モーターの第3の相のドエル時間が始まったかを、固定子に対する回転子の角度位置を示す情報に基づいて判定する(1312)。始まった場合、プロセッサは、励磁制御信号CS2をトランジスタスイッチQ2に印加することによって、第3の相L3をこの相のトルク要求量に従って励磁する(1314)。本発明のこの実施形態においては、第3の相L3は、モーターの別の相が受動的に受け取るエネルギを提供することはないため、第3の相L3の励磁1314は、第3の相L3のドエル時間内に任意の形式において実行することができ、モーターの別の相において負のモータリングトルクが発生することはない。例えば、第3の相L3の励磁は、パルス幅変調信号を第3の相L3のドエル時間の持続時間にわたってトランジスタスイッチQ2に印加することによって、または、第1の相L1に適用される励磁方式に従って、行うことができる。励磁1314のデューティ期間が経過した時点で(1316)、プロセッサ1204は、第3の相L3のドエル時間が終了したときまたは終了する前に、トランジスタスイッチQ2に印加される制御信号CS2を通じて、第3の相L3の励磁1314を無効化する(1318)。第3の相L3の励磁1314はそのドエル時間の間のみに行われるため、この励磁によってモータリングトルクのみが、または主としてモータリングトルクが発生する。
プロセッサ1204は、モーターの第4の相のドエル時間が始まったかを、固定子に対する回転子の角度位置を示す情報に基づいて判定する(1320)。始まった場合、プロセッサは、励磁制御信号CS3をトランジスタスイッチQ3に印加することによって、第4の相L4をこの相のトルク要求量に従って励磁する(1322)。本発明のこの実施形態においては、第4の相L4は、モーターの別の相が受動的に受け取るエネルギを提供することはないため、第4の相L4の励磁1322は、第4の相L4のドエル時間内に任意の形式において実行することができ、モーターの別の相において負のモータリングトルクを発生することはない。例えば、第4の相L4の励磁は、パルス幅変調信号を第4の相L4のドエル時間の持続時間にわたってトランジスタスイッチQ3に印加することによって、または、第1の相L1に適用される励磁方式に従って、行うことができる。励磁1322のデューティ期間が経過した時点で(1324)、プロセッサ1204は、第4の相L4のドエル時間が終了したときまたは終了する前に、トランジスタスイッチQ3に印加される制御信号CS3を通じて、第4の相L4の励磁1322を無効化する(1326)。第4の相L4の励磁1322はそのドエル時間の間のみに行われるため、この励磁によってモータリングトルクのみが、または主としてモータリングトルクが発生する。
モーターの4つの相すべてにおいてモータリングトルクが印加されるようにするときは、モーターの回転子の回転周期ごとに動作ステップ1302〜1326を繰り返す。
開示する実施形態の別のバリエーションは、転流前進制御を含んでいることができる。すなわち、主相巻き線による負トルクの発生を回避するため主相電流が回生領域に漏れることがないように、主相電流の転流を、インダクタンス整列位置(aligned inductance position)に達する前に適切な量だけ前進させることができる。前進させる転流角度(例えば、回転子の絶対位置に基づいて測定される)は、回転子の角速度の関数とすることができる。さらに、例えば、回転子の速度をその公称速度付近またはそれ以上に維持することのできるターンオン前進制御が提供されるように、制御パルスを回転子の速度の関数として成形または設定することもできる。
より一般的には、所望のデューティサイクルdを決定する方法は、さまざまなSRM機械パラメータ(例えば、回転子位置、回転子速度、機械のインダクタンス、第1の相の電流もしくは第2の相の電流またはその両方)(瞬間値もしくは平均値、またはその両方)(ただしこれらに制限されない)の動的な測定値もしくは所定の値、またはその両方に基づくことができる。開示する実施形態は、例示的な開ループ制御および閉ループ制御の実施を示しているが、当業者には別の変更形態および修正形態が明らかであろう。
明らかに考えられる点として、本発明の少なくとも一部は、当業者には明らかであるように、ソフトウェア(例えば、コンピュータ上で実行されるプログラム命令を有するコンピュータ可読媒体)、ファームウェア、ハードウェア、またはこれらの組合せにおいて実施することができる。本発明の教示内容は、示した特定のコンポーネントに加えて、またはそれらに代えて別の電気的コンポーネントもしくは別の機械的コンポーネント、またはその両方を採用することのできる別の実施形態にも同様に適用可能であることが、当業者には理解されるであろう。
ここまでの記載は、本発明について説明した。しかしながら、本開示は、本発明の好ましい実施形態のみを図解および説明しており、さまざまな別の組合せ、修正形態、および環境において本発明を使用できることを理解されたい。さらに、上記の教示内容と、関連する技術分野における当業者の技能または知識から導かれる変更または修正を、本文書に表現されている本発明のコンセプトの範囲内において本発明に行うことができる。
本明細書に説明した実施形態は、本発明を実施する最良の形態を説明することと、当業者が、本発明の特定の用途または使用において要求されうるさまざまな修正を施したうえで、これらおよび他の実施形態において本発明を利用できるようにすることとを、さらなる目的としている。したがって、上記の説明は、本明細書に開示した形態に本発明を制限することを意図するものではない。

Claims (50)

  1. 多相モーターを制御する方法であって、
    前記モーターの第1の相の励磁を、前記第1の相のドエル時間が始まったとき、ゼロでない期間について抑制するステップと、
    前記ゼロでない期間が終了した時点で、前記第1の相の励磁を有効化するステップと、
    前記ドエル時間が終了する前または終了時に発生する無効化時において、前記ドエル時間の残りの間、前記第1の相の前記励磁を無効化するステップと、
    前記第1の相によってその励磁中に蓄えられたエネルギを、前記第1の相の前記励磁の無効化時に印加して、前記モーターの第2の相を励磁するステップと、
    を含んでいる、方法。
  2. 前記第1の相の前記励磁が、前記ドエル時間内に1回のみ有効化および無効化される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の相の前記励磁が、前記ドエル時間内に複数回数だけ有効化および無効化される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第2の相内で発生するインダクタンスが前記第2の相の間に増加し始める前に、前記第1の相の前記励磁が、前記ドエル時間の残りの間について無効化される、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1の相を消磁するのに要求される時間を求めるステップと、
    前記ドエル時間の終了時と、前記第1の相を消磁するための前記求められた時間とに基づいて、前記無効化時を設定するステップと、
    をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記無効化時が、前記第1の相を消磁するための前記求められた時間を超えない長さだけ、前記ドエル時間の前記終了時より前に位置している、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第1の相に蓄えられているエネルギが前記第2の相に印加されることに起因する前記第2の相における負のモータリングトルクの発生が防止されるように、前記無効化時が設定される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第1の相における負のモータリングトルクの発生が防止されるように、前記無効化時が設定される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第2の相が、前記第1の相の消磁によって受動的に励磁される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第2の相が、モーターの別の相の消磁によって受動的に励磁される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第2の相が、前記第1の相の前記消磁によって受動的に励磁され、
    モーターの別の相の消磁によって前記第2の相のみが受動的に励磁される、
    請求項7に記載の方法。
  12. 前記モーターの負荷を回転させるための要求されるトルクを求めるステップと、
    前記要求されるトルクが前記第1の相によって前記ドエル時間内に発生するように、前記第1の相の前記励磁を有効化する有効化時を前記無効化時に基づいて設定するステップと、
    をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  13. 前記有効化時が、前記ドエル時間の間に前記第1の相を励磁するときに印加されるべき電流の大きさと、同じ励磁量を達成するために前記ドエル時間全体にわたり印加される推定される電流の大きさと、に基づいて設定される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記モーターの回転子の回転速度を求めるステップ、
    をさらに含んでおり、
    前記有効化時が、前記回転子の前記求められた回転速度に基づいて設定される、
    請求項12に記載の方法。
  15. 前記有効化時が、前記第1の相を励磁するときに印加されるべき電流と、前記モーターの固定子の前記第1の相の抵抗と、前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化するレギュレータの電圧降下とに基づいて設定される、請求項13に記載の方法。
  16. 多相モーターの制御装置であって、
    前記モーターの第1の相のドエル時間を求めるステップと、
    前記モーターの前記第1の相を励磁するための信号を、前記第1の相のドエル時間が始まったとき、ゼロでない期間について抑制するステップと、
    前記ゼロでない期間が終了した時点で、前記第1の相を励磁するための前記信号を出力するステップと、
    前記ドエル時間が終了する前または終了時に発生する無効化時において、前記第1の相を励磁するための前記信号を、前記ドエル時間の残りの間について停止するステップと、
    を実行するプロセッサと、
    前記第1の相の前記励磁を前記励磁信号に従って調整するレギュレータと、
    を備え
    前記第1の相を励磁するための信号を停止することにより、印加されて前記第1の相により蓄えられたエネルギが、直接電流を転流させることで前記モーターの第2の相を励磁する、
    制御装置。
  17. 前記プロセッサが、前記ドエル時間内に前記励磁信号を1回のみ出力および停止する、請求項16に記載の制御装置。
  18. 前記プロセッサが、前記ドエル時間内に前記励磁信号を複数回数だけ出力および停止する、請求項16に記載の制御装置。
  19. 所望のトルクが回転子に印加されるように、前記プロセッサが、前記モーターの回転子の回転速度を求め、前記求められた回転速度に基づく時間に前記励磁信号を出力する、請求項16に記載の制御装置。
  20. 所望のトルクが前記モーターの回転子に印加されるように、前記プロセッサが、前記第1の相を励磁するときに印加されるべき電流と、前記モーターの前記第1の相の固定子の抵抗と、前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化するレギュレータの電圧降下と、に基づく時間、に前記励磁信号を出力する、請求項16に記載の制御装置。
  21. 前記第2の相内で発生するインダクタンスが増加し始める前に、前記第1の相を励磁するための信号を前記ドエル時間の残りの間について停止する、請求項16に記載の制御装置。
  22. 前記プロセッサが、前記第1の相を消磁するのに要求される時間を求め、前記ドエル時間の終了時と、前記第1の相を消磁するための前記求められた時間とに基づいて、前記無効化時を設定する、請求項21に記載の制御装置
  23. 前記プロセッサが、前記無効化時を、前記第1の相を消磁するための前記求められた時間を超えない長さだけ前記ドエル時間の前記終了時より前に位置しているように、設定する、請求項22に記載の制御装置
  24. 前記プロセッサが、前記モーターの負荷を回転させるための要求されるトルクを求め、前記要求されるトルクが前記第1の相によって前記ドエル時間内に発生するような時間に、前記励磁信号を前記無効化時に基づいて出力する、請求項21に記載の制御装置
  25. 前記プロセッサが、前記第1の相に蓄えられているエネルギが前記第2の相に印加されることに起因する前記第2の相における負のモータリングトルクの発生が防止されるように、前記無効化時を設定する、請求項21に記載の制御装置
  26. 前記プロセッサが、前記第1の相における負のモータリングトルクの発生が防止されるように、前記無効化時を設定する、請求項25に記載の制御装置
  27. 前記第2の相が、前記第1の相の前記消磁によって受動的に励磁され、
    モーターの別の相の消磁によって前記第2の相のみが受動的に励磁される、
    請求項22に記載の制御装置
  28. 前記第2の相が、前記第1の相の前記消磁によって受動的に励磁される、請求項22に記載の制御装置
  29. モーターの別の相の消磁によって前記第2の相のみが受動的に励磁される、請求項28に記載の制御装置
  30. 前記プロセッサが、
    前記ドエル時間の間に前記第1の相を励磁するときに印加されるべき電流の大きさと、同じ励磁量を達成するために前記ドエル時間全体にわたり印加される推定される電流の大きさと、に基づいた時間に、
    前記励磁信号を出力する、請求項21に記載の制御装置
  31. 前記プロセッサが、前記モーターの回転子の回転速度を求め、所望のトルクが回転子に印加されるように、前記回転子の前記求められた回転速度に基づく時間に前記励磁信号を出力する、請求項21に記載の制御装置
  32. 所望のトルクが前記モーターの回転子に印加されるように、前記プロセッサが、相Aを励磁するときに印加されるべき電流と、前記モーターの相Aの固定子の抵抗と、相Aの前記励磁を有効化および無効化するレギュレータの電圧降下と、に基づく時間、に前記励磁信号を出力する、請求項21に記載の制御装置
  33. 前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧である、
    前記式、
    に従って求めるステップと、
    前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化するステップと、
    をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  34. 前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧であり、
    が前記モーターの固定子の抵抗である、
    前記式、
    に従って求めるステップと、
    前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化するステップと、
    をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  35. 前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧であり、
    が前記モーターの固定子の抵抗であり、
    が、レギュレータが前記第1の相巻き線から受け取る電流を通すことによって前記第1の相の前記励磁を有効化するときの、前記レギュレータにおける電圧降下である、
    前記式、
    に従って求めるステップと、
    前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化するステップと、
    をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  36. 前記第1の相の前記励磁を有効化するときの、前記ドエル時間内の角度位置を、式
    Figure 0005501231
    であって、
    (ω-オフセット)が、前記無効化時における前記モーターの回転子の角度位置であり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    が、前記第1の相のモーター巻き線を流れる電流がゼロまで減少する時間であり、
    オフセットが時間オフセットであり、
    θが前記有効化時における前記回転子の角度位置であり、
    Tが前記第1の相の通電期間である、
    前記式、
    に従って求めるステップと、
    前記求められた角度位置に基づいて前記第1の相の前記励磁を有効化するステップと、
    をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  37. 1つのスイッチが、前記モーターの前記第1の相および前記第2の相の前記励磁を制御する、請求項1に記載の方法。
  38. 前記モーターがスイッチドリラクタンス機である、請求項1に記載の方法。
  39. 前記プロセッサが、前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧である、
    前記式、
    に従って求め、
    前記レギュレータが、前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化する、
    請求項16に記載の制御装置。
  40. 前記プロセッサが、前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧であり、
    が前記モーターの固定子の抵抗である、
    前記式、
    に従って求め、
    前記レギュレータが、前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化する、
    請求項16に記載の制御装置。
  41. 前記プロセッサが、前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧であり、
    が前記モーターの固定子の抵抗であり、
    が、前記レギュレータが前記第1の相巻き線から受け取る電流を通すことによって前記第1の相の前記励磁を有効化するときの、前記レギュレータにおける電圧降下である、
    前記式、
    に従って求め、
    前記レギュレータが、前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化する、
    請求項16に記載の制御装置。
  42. 前記プロセッサが、前記第1の相の前記励磁を有効化するときの、前記ドエル時間内の角度位置を、式
    Figure 0005501231
    であって、
    (ω-オフセット)が、前記無効化時における前記モーターの回転子の角度位置であり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    が、前記第1の相のモーター巻き線を流れる電流がゼロまで減少する時間であり、
    オフセットが時間オフセットであり、
    θが前記有効化時における前記回転子の角度位置であり、
    Tが前記第1の相の通電期間である、
    前記式、
    に従って求め、
    前記レギュレータが、前記求められた角度位置に基づいて前記第1の相の前記励磁を有効化する、
    請求項16に記載の制御装置。
  43. 前記レギュレータが、前記モーターの前記第1の相および第2の相の前記励磁を制御する1つのスイッチである、請求項16に記載の制御装置。
  44. 前記モーターがスイッチドリラクタンス機である、請求項16に記載の制御装置。
  45. 前記プロセッサが、前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧である、
    前記式、
    に従って求め、
    前記レギュレータが、前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化する、
    請求項21に記載の制御装置
  46. 前記プロセッサが、前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧であり、
    が前記モーターの固定子の抵抗である、
    前記式、
    に従って求め、
    前記レギュレータが、前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化する、
    請求項21に記載の制御装置
  47. 前記プロセッサが、前記第1の相の励磁のデューティサイクルを、式
    Figure 0005501231
    であって、
    dがデューティサイクルであり、
    Figure 0005501231
    であり、
    が前記第1の相のモーター巻き線のインダクタンスであり、
    θが前記モーターの回転子の角度位置であり、
    が前記第1の相巻き線を流れる電流の大きさであり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    dcが前記第1の相巻き線に印加される電圧であり、
    が前記モーターの固定子の抵抗であり、
    が、前記レギュレータが前記第1の相巻き線から受け取る電流を通すことによって前記第1の相の前記励磁を有効化するときの、前記レギュレータにおける電圧降下である、
    前記式、
    に従って求め、
    前記レギュレータが、前記求められたデューティサイクルに従って前記第1の相の前記励磁を有効化および無効化する、
    請求項21に記載の制御装置
  48. 前記プロセッサが、前記第1の相の前記励磁を有効化するときの、前記ドエル時間内の角度位置を、式
    Figure 0005501231
    であって、
    (ω-オフセット)が、前記無効化時における前記モーターの回転子の角度位置であり、
    ωが前記回転子の角速度であり、
    が、前記第1の相のモーター巻き線を流れる電流がゼロまで減少する時間であり、
    オフセットが時間オフセットであり、
    θが前記有効化時における前記回転子の角度位置であり、
    Tが前記第1の相の通電期間である、
    前記式、
    に従って求め、
    前記レギュレータが、前記求められた角度位置に基づいて前記第1の相の前記励磁を有効化する、
    請求項21に記載の制御装置
  49. 前記レギュレータが、前記モーターの前記第1の相および前記第2の相の前記励磁を制御する1つのスイッチである、請求項21に記載の制御装置
  50. 前記モーターがスイッチドリラクタンス機である、請求項21に記載の制御装置
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