JP5501117B2 - 透明被膜付基材および透明被膜形成用塗布液 - Google Patents
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Description
粒子が得られることを発見した。このようにして得られた貫通孔を有するマイクロリング状粒子を用いた透明被膜は耐擦傷性、膜強度、密着性等に優れるとともに応力を加えた場合にもボイドを生じにくく、このため透明性、ヘーズが悪化しないことを見出して本発明を完成するに至った。
形したものであり、粒子そのものではない。
[1]基材と、該基材表面に形成された透明被膜を有する透明被膜付基材であって、該透明
被膜がマイクロリング状無機酸化物粒子と有機無機ハイブリッドマトリックス成分とを含み、かつ透明被膜中のマイクロリング状無機酸化物粒子の含有量が固形分として0.01〜80質量%の範囲にある透明被膜付基材。
[2]前記マイクロリング状無機酸化物粒子の平均外径(DO)が10nm〜20μmの範囲にあり、貫通孔の平均径(DI)が1nm〜12μmの範囲にあり、リング幅(WR)と平均外径(DO)との比(WR)/(DO)が0.2〜0.45の範囲にある[1]の透明被膜付基材。
[3]前記マイクロリング状無機酸化物粒子を構成する無機酸化物が、シリカ系無機酸化物
である[1]または[2]の透明被膜付基材。
[4]前記マイクロリング状無機酸化物粒子が下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されている[1]〜[3]の透明被膜付基材。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数)
[5]前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基
、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、ハロゲン基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含む[4]の透明被膜付基材。
[6]前記透明被膜の膜厚(Th)が50nm〜20μmの範囲にある[1]〜[5]の透明被膜付基材。
[7]前記マイクロリング状無機酸化物粒子の平均外径(DO)が10nm〜20μmの範囲にあり、平均外径(DO)と膜厚(Th)との比(DO)/(Th)が0.3〜1.0の範囲にある[1]〜[6]の透明被膜付基材。
[8]前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が、下記式(2)で表される有機珪素化合物の加水分解重縮合物を含む[1]〜[7]の透明被膜付基材。
Rn-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜3の整数を示す)
[9]前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が、さらに下記式(3)で表される有機珪素化合物の加水分解重縮合物を含む[8]の透明被膜付基材。
SiX4 (3)
(但し、式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種である)
[10]マイクロリング状無機酸化物粒子と有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分と有機溶媒とを含む透明被膜形成用塗布液。
[11]前記マイクロリング状無機酸化物粒子の平均外径(DO)が10nm〜20μmの範
囲にあり、貫通孔の平均径(DI)が1nm〜12μmの範囲にあり、リング幅(WR)と平均外径(DO)との比(WR)/(DO)が0.2〜0.45の範囲にある[10]の透明被
膜形成用塗布液。
[12]前記マイクロリング状無機酸化物粒子を構成する無機酸化物が、シリカ系無機酸化物である[10]または[11]の透明被膜形成用塗布液。
[13]前記マイクロリング状無機酸化物粒子が下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表
面処理されている[10]〜[12]の透明被膜形成用塗布液。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種を示し、nは0〜3の整数を示す)
[14]前記Rが、ハロゲン置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、カルボキシル基、ケトン基、エーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ホスフェート基、ハロゲン基、チオール基、スルホニル基から選ばれる少なくとも1種以上の有機官能基を含む[13]の透明被膜形成用塗布液。
[15]前記有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分が、下記式(2)で表される有機珪素
化合物の加水分解物を含む[10]〜[14]の透明被膜形成用塗布液。
Rn-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種を示す。nは1〜3の整数を示す)
[16]前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が、さらに下記式(3)で表される有機珪
素化合物の加水分解物を含む[15]の透明被膜形成用塗布液。
SiX4 (3)
(但し、式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種を示す)
[17]前記マイクロリング状無機酸化物粒子の濃度が固形分として0.0001〜48質量%の範囲にあり、有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分の濃度が固形分として0.2〜57質量%の範囲にあり、全固形分濃度が1〜60質量%の範囲にある[10]〜[16]の透明被膜形成用塗布液。
透明被膜付基材
本発明に係る透明被膜付基材は、基材と、該基材表面に形成された透明被膜を有する透明被膜付基材であって、該透明被膜がマイクロリング状無機酸化物粒子と有機無機ハイブリッドマトリックス成分とを含み、透明被膜中のマイクロリング状無機酸化物粒子の含有量が固形分として0.01〜80質量%の範囲にあることを特徴としている。
本発明に用いる基材としては、従来公知のものを特に制限なく使用することが可能であり、ガラス、ポリカーボネート(PC)、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロポリオレフィン、ノルボルネン等のプラスチックシート、プラスチックフィルム等、プラスチックパネル等が挙げられる。中でも樹脂系基材を好適に用いることができる。また、このような基材上に、他の被膜が形成された被膜付基材を用いこともできる。他の被膜としては従来公知のプライマー膜、ハードコート膜、高屈折率膜、導電性膜等が挙げられる。
本発明に用いるマイクロリング状無機酸化物粒子は、平均外径(DO)が10nm〜2
0μmの範囲にあり、貫通孔の平均径(DI)が1nm〜12μmの範囲にあり、リング
幅(WR)と平均外径(DO)との比(WR)/(DO)が0.2〜0.45の範囲にあることを特徴としている。本発明に係るマイクロリング状無機酸化物粒子は貫通孔を有している。
本発明では、シリカまたはシリカとシリカ以外の酸化物とからなるシリカ系複合酸化物が好ましい。
シリカ系複合酸化物としてはシリカ・アルミナ、シリカ・ジルコニア、シリカ・ボリア等が挙げられる。シリカ系複合酸化物の場合、シリカの含有量が50質量%以上のものが好ましい。
。さらに、1次粒子がリング状であってもよく、また2次粒子(すなわち複数の粒子の集合体)がリング状を形成していてもよい。このような本発明に係るマイクロリング状粒子の電子顕微鏡写真を図2、3および4に示す。図2、3は後述する実施例1、図4は実施例7で得られたマイクロリング状粒子の電子顕微鏡写真(SEM)である。
μmの範囲にあり、さらには20nm〜20μmの範囲にあることが好ましい。平均外径が前記範囲の下限未満のものは、得ること自体が困難であり、また貫通孔を設けることも難しくなる。平均外径の上限は特に制限されるものではないが、前記範囲の上限を越えると、透明被膜形成用塗布液に用いた場合に容易に沈降したり分離する場合があり、得られる透明被膜の透明性やヘーズ、膜強度、耐擦傷性、基材との密着性が不充分となる場合がある。但し、用途によっては、上記上限を超えたものでも使用可能である。
0μmの範囲にあることが好ましい。また、リング幅(WR)と平均外径(DO)との比(WR)/(DO)が0.2〜0.45、さらには0.25〜0.4の範囲にあることが好ましい。
/(DO)が小さすぎると、粒子径の割にリング幅が狭いので粒子強度が低く、透明被膜
に用いても充分な膜強度、耐擦傷性等が得られない場合がある。(WR)/(DO)が大きすぎると、平均外径の大きさによっては貫通孔が小さすぎてしまい、貫通孔を設ける効果が発現できない場合もあり、透明被膜に応力を加えた場合にボイドが生成する場合がある。
子の電子顕微鏡写真を撮影し、100個の粒子について平均外径(DO)、貫通孔の平均
径(DI)およびリング幅(WR)測定し、その平均値として得られる。
本発明に係るマイクロリング状無機酸化物粒子は、必要に応じて有機ケイ素化合物等で処理されていてもよい。
但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種を示す。nは0〜3の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。
ルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル-3,3,3−トリフルオロプロピルジメトキシシラン、β−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキ
シメチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシメチルトリエキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシエチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン
、γ−(β−グリシドキシエトキシ)プロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリ
ロオキシメチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシメチルトリエキシシラ
ン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシエチルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、
γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、γ-(メタ)アクリロオキシプロピルトリエトキシシラン、
ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラオクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、3-ウレイドイソプロピルプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、
トリメチルシラノール、メチルトリクロロシラン等が挙げられる。
素化合物を加水分解することによって表面処理することができる。
このようなマイクロリング状無機酸化物粒子は、上記した粒子径(平均外径)、貫通孔等を有する粒子が得られれば特に制限はないが、本発明に用いるマイクロリング状無機酸化物粒子の製造方法としては、以下の方法が好ましい。
(第1の製造方法)
先ず、平均粒子径が概ね3〜100nmの従来公知の前記無機酸化物ゾルを噴霧乾燥して、少なくとも表面に窪み(凹部)を有する粒子を調製する。噴霧乾燥方法としては、例えば、本願出願人の出願による特開昭61−174103号公報に開示した方法に準拠して製造することができる。
(第2の製造方法)
第2の製造方法は、例えば、本願出願人の出願による特開2001−233611号公報、特開2004−203683号公報等に開示した中空シリカ系微粒子の製造方法に準拠して製造することができる。
い。
本発明に用いる有機無機ハイブリッドマトリックス成分としては有機珪素化合物が用いられる。なかでも、下記式(2)で表される加水分解性有機珪素化合物の加水分解重縮合物
であることが好ましい。
Rn-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜3の整数を示す)
このような有機珪素化合物としては前記した式(2)で表される有機珪素化合物のn=1
,2,3の有機珪素化合物が挙げられる。
れる有機珪素化合物の加水分解重縮合物を含んでいてもよい。
SiX4 (3)
(但し、式中、X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種)
具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシシラン、テトラブトキシシランなどの加水分解重縮合物が挙げられる。
れる2官能シリコン樹脂を用いることができる。
具体的には、ジアクリレート変成ポリシロキサン、ジメタクリル変成ポリシロキサン、ジグリシジル変成ポリシロキサン、ジポリエステル変性ポリシロキサン、ジポリエーテル変性ポリシロキサン等、およびこれらの混合物が挙げられる。このとき、2官能シリコン樹脂はモノマーを用いることが好ましい。
このような2官能シリコン樹脂を用いると、撥水性、撥油性、耐指紋付着性、耐薬品性等に優れ、1官能シリコン樹脂の脱離(以下、ブリードアウトということがある)を抑制することができ、撥水性、撥油性、耐指紋付着性、耐薬品性を長期に維持することができる。
れる1官能シリコン樹脂を用いることができる。
具体的には、アクリル変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、グリシジル変成ポリシロキサン、ポリエステル変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン等およびこれらの混合物が挙げられる。例えば、片末端(メタ)アクリルシリコン、片末端グリシジルシリコンオイル等が挙げられる。また、アクリル系シリコン樹脂モノマーまたはそのポリマー(シリコンオイル)、エポキシ系シリコン樹脂モノマーまたはそのポリマー(シリコンオイル)も好適である。このとき、1官能シリコン樹脂としてはモノマーを用いることが好ましい。
リレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、グリセリンジメタクリレート、2-ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート等が挙げられ
る。このようなOH基を有する有機樹脂を有機無機ハイブリッドマトリックス成分と混合して使用すると基材の種類によっても異なるが、密着性に優れた透明被膜を得ることができる。基材によっては密着性が不良になる場合があり、たとえば、基材がTACの場合、2-ヒドロキシエチルアクリレートの(少量の)使用によって密着性を向上させることが
可能となる。かかる有機樹脂を使用する場合、必要に応じて触媒を含んでいてもよい。
50nm〜20μm、さらには100nm〜20μmの範囲にあることが好ましい。但し、膜厚はリング状粒子の大きさを越えることはない。
子からリング状粒子を構成し、その粒子径(平均外径(DO))が、10〜500nmに
ある場合、平均外径(DO)と膜厚(Th)との比(DO)/(Th)が0.05〜1.0、好ましくは0.1〜0.9の範囲にある透明被膜とすることが好ましい。
/(Th)が前記範囲にあれば、より基材との密着性、硬度、耐擦傷性等に優れた透明被
膜付基材を得ることができる。
[透明被膜形成用塗布液]
本発明に係る透明被膜形成用塗布液は、前記マイクロリング状無機酸化物粒子と有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分と有機溶媒とからなることを特徴としている。
マイクロリング状無機酸化物粒子
マイクロリング状無機酸化物粒子としては前記したマイクロリング状無機酸化物粒子が用いられる。
有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分としては、前記式(2)で表される有機珪素
化合物の加水分解物であることが好ましい。
本発明に用いる有機溶媒としては前記有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分を分散できるとともに前記したマイクロリング状無機酸化物粒子を均一に分散することができれば特に制限はなく、従来公知の溶媒を用いることができる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2-プロパノール(IPA)、ブタノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプロピルグリコールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、ジプロピルケトン、メチルペンチルケトン、ジイソブチルケトン、イソホロン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上混合して使用することもできる。
透明被膜形成用塗布液中の有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分とマイクロリング状無機酸化物粒子との合計濃度は特に制限されないが、固形分として1〜60質量%、さらには2〜50質量%の範囲にあることが好ましい。
は、固形分として0.0001〜48質量%、さらには0.0005〜30質量%の範囲にあることが好ましい。透明被膜形成用塗布液中の有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分の濃度は、固形分として0.2〜57質量%、さらには0.5〜54質量%の範囲にあることが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
マイクロリング状無機酸化物粒子(1)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CataloidTM SI−30、平均粒子径1
2nm、SiO2濃度30質量%)を噴霧乾燥装置の対向式2流体ノズルに供給し、処理
液量120L/Hr、ノズル圧力0.45MPa、乾燥雰囲気温度50℃、湿度7.2VOl%、の条件下に噴霧乾燥して、表面に凹部を有する無機酸化物粒子を調製した。
させ、固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(1)メタノール分散液を
調製した。
γ-アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM−5103
、SiO2成分81.2質量%)40gとメタノール2000g、濃度28質量%のアン
モニア水を0.15g入れ50℃で18時間攪拌して表面処理を行った。このあと、エタノールに溶媒置換して固形分濃度20質量%の表面処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(1) エタノール分散液を調製した。
得られたマイクロリング状無機酸化物粒子(1)について、走査型電子顕微鏡写真(SEM
)を撮影し、平均外径(DO)、貫通孔の平均径(DI)を測定し、結果を表1に示す。
有機珪素化合物としてメチルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-13)
を454.5g、エタノール185.5g、純水360.0gの混合溶液を濃硝酸でpH1.0に調整した後、50℃で2時間加水分解させた。その後、濃度1質量%のアンモニア水を添加し、pHを7.0に調整した後、さらに50℃で2時間撹拌した。次にロータリーエバポレーターで、水、アルコールを留去し、エチレングリコールモノプロピルエーテルと溶媒置換し、固形分濃度が20質量%のエチレングリコールモノプロピルエーテル溶媒に分散した有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(1)を調製した。
固形分濃度20重量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(1) エタノール分散液7.5gと有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(1)330.75gと、2-ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学製:ライトエステルHOA)7.35gと光重合開始剤1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製イルガキュア184)3.0gと、イソプロパノールとエチレングリコールモノプロピルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒154.4gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(1)を調製した
。
透明被膜形成用塗布液(1)をTACフィルム(パナック(株)製:FT−PB80UL
−M、厚さ:80μm、屈折率1.49、基材透過率93.0%、ヘーズ0.2%)にバーコーター法(バー#20)で塗布し、100℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯(120W/cm)を搭載した紫外線照射装置(日本電池(株)製UV照射装置: CS30L
21−3)で600mJ/cm2照射して硬化させ、透明被膜付基材(F-1)を調製した。こ
のときの透明被膜の厚さは4μmであった。
鉛筆硬度の測定
JIS−K−5400に準じて鉛筆硬度試験器により測定した。
耐擦傷性の測定
#0000スチールウールを用い、荷重500g/cm2で50回摺動し、膜の表面を
目視観察し、以下の基準で評価し、結果を表に示す。
筋条の傷が認められない : ◎
筋条に傷が僅かに認められる: ○
筋条に傷が多数認められる : △
面が全体的に削られている : ×
密着性
透明被膜付基材(F-1)の表面にナイフで縦横1mmの間隔で11本の平行な傷を付け1
00個の升目を作り、これにセロハンテープ(登録商標)を接着し、ついで、セロハンテープ(登録商標)を剥離したときに被膜が剥離せず残存している升目の数を、以下の4段階に分類することによって密着性を評価した。結果を表に示す。
残存升目の数93〜97個: ○
残存升目の数85〜92個: △
残存升目の数84個以下 : ×
可撓性(ボイド)
透明被膜付基材(F-1)の幅1cm、長さ5cmの切片を作成し、切片の一端を固定し、
他端を上下5cmの幅で湾曲させる操作を20回繰り返した後、目視観察し、以下の基準で評価した。
透明被膜の透明性が僅かに低下していた : ○
透明被膜に白化が認められた : △
透明被膜にボイドの生成による白化が認められた : ×
[実施例2]
透明被膜形成用塗布液(2)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(1) エタノール分散液3.0gと有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(1)53
7.3g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学製:ライトエステルHOA)
11.94gと光重合開始剤1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製イルガキュア184)4.8gと、イソプロパノールとエチレングリコールモノプロピルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒247.76gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(2)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(2)を用いた以外は同様にして透明被膜付基
材(F-2)を調製した。このときの透明被膜の厚さは4μmであった。
透明被膜形成用塗布液(3)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(1) エタノール分散液37.5gと有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(1)3
03.75g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学製:ライトエステルHO
A)6.75gと光重合開始剤1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製イルガキュア184)2.7gと、イソプロパノールとエチレングリコールモノプロピルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒152.0gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(3)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(3)を用いた以外は同様にして透明被膜付基
材(F-3)を調製した。このときの透明被膜の厚さは4μmであった。
透明被膜形成用塗布液(4)の調製
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(1) エタノール分散液0.75gと有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(1)1
349.33g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学製:ライトエステルH
OA)29.98gと光重合開始剤1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製イルガキュア184)12.0gと、イソプロパノールとエチレングリコールモノプロピルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒619.94gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(4)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(4)を用いた以外は同様にして透明被膜付基
材(F-4)を調製した。このときの透明被膜の厚さは4μmであった。
マイクロリング状無機酸化物粒子(2)の調製
実施例1と同様にして調製したマイクロリング状無機酸化物粒子(1)200gをエタノ
ール800gに分散させ、固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(2)
エタノール分散液を調製した。なお、表面処理は行なっていない。
固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(2) エタノール分散液7.5gと有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(1) 330.75g、2-ヒドロキシエ
チルアクリレート(共栄社化学製:ライトエステルHOA)7.35gと光重合開始剤1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製イルガキュア184)3.0gと、イソプロパノールとエチレングリコールモノプロピルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒154.4gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(5)を調製した
。
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(5)を用いた以外は同様にして透明被膜付基
材(F-5)を調製した。このときの透明被膜の厚さは4μmであった。
有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(2)の調製
有機珪素化合物としてメチルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM-13)
を409.1g、正珪酸エチル(多摩化学製:エチルシリケート28)を69.4g、エタノール185.5g、純水360.0gの混合溶液を濃硝酸でpH1.0に調整した後、50℃で2時間加水分解させた。その後、濃度1質量%のアンモニア水を添加し、pHを7.0に調整した後、さらに50℃で2時間撹拌した。次にロータリーエバポレーターで、水、アルコールを留去し、エチレングリコールモノプロピルエーテルと溶媒置換し、固形分濃度が20質量%のエチレングリコールモノプロピルエーテル溶媒に分散した有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(2)を調製した。
実施例1と同様にして調製した固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(1) エタノール分散液7.5gと有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(2) 330.75g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学製:ライトエステルHOA
)7.35gと光重合開始剤1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製イルガキュア184)3.0gと、イソプロパノールとエチレングリコールモノプロピルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒154.4gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(6)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(6)を用いた以外は同様にして透明被膜付基
材(F-6)を調製した。このときの透明被膜の厚さは4μmであった。
マイクロリング状無機酸化物粒子(3)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CataloidTM SI−550、平均粒子径
5nm、SiO2濃度20質量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、
この温度を保持しながら、SiO2として濃度1.5質量%の珪酸ナトリウム水溶液13345gとAl2O3としての濃度0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液13345gを添加して、SiO2・Al2O3粒子分散液(平均粒子径35nm)を得た。このときの反応液のpHは12.0であった。
2.0であった。
分散液500gに純水1125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5質量%)を滴下し
てpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと
純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄して固形分濃度20質量%のシリカ系中空微粒子の水分散液を得た。
水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20質量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子の水分散液を得た。
M)を撮影し、平均外径(DO)、貫通孔の平均径(DI)を測定し、結果を表1に示す。
固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(3) エタノール分散液7.5gと有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(1) 330.75g、2-ヒドロキシエ
チルアクリレート(共栄社化学製:ライトエステルHOA)7.35gと光重合開始剤1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製イルガキュア184)3.0gと、イソプロパノールとエチレングリコールモノプロピルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒154.4gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(7)を調製した
。
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(7)を用い、バーコーター法(バー#3)で
塗布した以外は同様にして透明被膜付基材(F-7)を調製した。このときの透明被膜の厚さ
は0.6μmであった。
を評価し、結果を表に示す。
マイクロリング状無機酸化物粒子(4)の調製
実施例7と同様にして固形分濃度20質量%のマイクロリング状無機酸化物粒子(3)の
エタノール(水)分散液を得た。
γ-アクリロオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM−5103
、SiO2成分81.2質量%)40gとメタノール2000g、濃度28質量%のアン
モニア水を0.15g入れ50℃で18時間攪拌して表面処理を行った。このあと、エタノールに溶媒置換して固形分濃度10質量%の表面処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(4) エタノール分散液を調製した。
M)を撮影し、平均外径(DO)、貫通孔の平均径(DI)を測定し、結果を表1に示す。
固形分濃度20質量%の表面処理したマイクロリング状無機酸化物粒子(4)エタノール
分散液7.5gと、実施例6と同様にして調製した有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分(2) 330.75g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(共栄社化学製:ライト
エステルHOA)7.35gと光重合開始剤1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ジャパン(株)製イルガキュア184)3.0gと、イソプロパノールとエチレングリコールモノプロピルエーテルの1/1(重量比)混合溶媒154.4gとを充分に混合して透明被膜形成用塗布液(8)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(8)を用い、バーコーター法(バー#3)で
塗布した以外は同様にして透明被膜付基材(F-8)を調製した。このときの透明被膜の厚さ
は0.6μmであった。
透明被膜付基材(F-9)の製造
実施例1と同様にして調製した透明被膜形成用塗布液(1)をPETフィルム(東洋紡(
株)製:コスモシャインA−4300、厚さ:188μm、屈折率1.65、基材透過率90.0%、ヘーズ0.6%))にバーコーター法(バー#20)で塗布し、100℃で5分間乾燥した後、高圧水銀灯(120W/cm)を搭載した紫外線照射装置(日本電池(株)製UV照射装置: CS30L21−3)で600mJ/cm2照射して硬化させ、
透明被膜付基材(F-9)を調製した。このときの透明被膜の厚さは4μmであった。
[実施例10]
透明被膜付基材(F-10)の製造
実施例8と同様にして調製した透明被膜形成用塗布液(8)をPETフィルム(東洋紡(
株)製:コスモシャインA−4300、厚さ:188μm、屈折率1.65、基材透過率90.0%、ヘーズ0.6%))にバーコーター法(バー#20)で塗布し、100℃で
5分間乾燥した後、高圧水銀灯(120W/cm)を搭載した紫外線照射装置(日本電池(株)製UV照射装置: CS30L21−3)で600mJ/cm2照射して硬化させ、
透明被膜付基材(F-10)を調製した。このときの透明被膜の厚さは4μmであった。
無機酸化物粒子(R1)の調製
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:CataloidTM S-20L、平均粒子径15nm、SiO2濃度20質量%)を噴霧乾燥装置の対向式2流体ノズルに供給し、処理液
量20L/Hr、ノズル圧力0.40MPa、乾燥雰囲気温度120℃、湿度7.2VOl%、の条件下に噴霧乾燥して、無機酸化物粒子(R1)を調製した。得られた無機酸化物粒子(R1)には貫通孔はなく、平均粒径は4μmであった。
シプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM−5103、SiO2成分8
1.2質量%)40gとメタノール2000g、濃度28質量%のアンモニア水を0.15g入れ50℃で18時間攪拌して表面処理を行った。このあと、エタノールに溶媒置換して固形分濃度10質量%の表面処理した無機酸化物粒子(R1) エタノール分散液を調製
した。
実施例1において、マイクロリング状無機酸化物粒子(1)の代わりに表面処理した無機
酸化物粒子(R1)を用いた以外は同様にして透明被膜形成用塗布液(R1)を調製した。
実施例1において、透明被膜形成用塗布液(R1)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(RF-1)を製造した。得られた透明被膜付基材(RF-1)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
無機酸化物粒子(R2)の調製
シリカ・アルミナゾル(日揮触媒化成(株)製: Fine CataloidTM US
BB−120、平均粒子径25nm、SiO2・Al2O3濃度20質量%、固形分中Al2O3含有量27質量%)100gに純水3900gを加えて98℃に加温し、この温度を保
持しながら、SiO2として濃度1.5質量%の珪酸ナトリウム水溶液1750gとAl2O3としての濃度0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液1750gを添加して、SiO2・Al2O3粒子分散液(平均粒子径35nm)を得た。このときのAl2O3/SiO2モル比=0.2、であった。また、このときの反応液のpHは12.0であった。
分散液500gに純水1,125gを加え、さらに濃塩酸(濃度35.5質量%)を滴下してpH1.0とし、脱アルミニウム処理を行った。次いで、pH3の塩酸水溶液10Lと
純水5Lを加えながら限外濾過膜で溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄して固形分濃度20質量%のシリカ系中空微粒子の水分散液を得た。
、純水5Lを加えながら限外濾過膜で洗浄して固形分濃度20質量%のシリカ被覆層を形成したシリカ系中空微粒子の水分散液を得た。
洗浄を行い、固形分濃度20質量%の無機酸化物粒子(R2)の水分散液を得た。得られた無機酸化物粒子(R2)には貫通孔はなく、平均粒径は60nmであった。
シプロピルトリメトキシシラン(信越化学(株)製:KBM−5103、SiO2成分8
1.2質量%)40gとメタノール2000g、濃度28質量%のアンモニア水を0.15g入れ50℃で18時間攪拌して表面処理を行った。このあと、エタノールに溶媒置換して固形分濃度10質量%の表面処理した無機酸化物粒子(R2) エタノール分散液を調製
した。
実施例8において、マイクロリング状無機酸化物粒子(4) エタノール分散液の代わりに表面処理した無機酸化物粒子(R2) エタノール分散液を用いた以外は同様にして透明被膜形
成用塗布液(R2)を調製した。
実施例8において、透明被膜形成用塗布液(R2)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(RF-2)を製造した。得られた透明被膜付基材(RF-2)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
透明被膜形成用塗布液(R3)の調製
実施例8において、マイクロリング状無機酸化物粒子(2)の代わりにシリカゾル(日揮
触媒化成(株)製:CataloidTM SI−45P、平均粒子径45nm、SiO2濃度30質量%)を用いた以外は同様にして表面処理した無機酸化物粒子(R3) アルコール
分散液を調製し、ついで、透明被膜形成用塗布液(R3)を調製した。
実施例8において、透明被膜形成用塗布液(R3)を用いた以外は同様にして透明被膜付基材(RF-3)を製造した。得られた透明被膜付基材(RF-3)について、透明被膜の膜厚、全光線透過率、ヘーズ、鉛筆硬度、可撓性、耐擦傷性および密着性を評価し、結果を表に示す。
Claims (13)
- 有機無機ハイブリッドマトリックス成分と貫通孔を有するマイクロリング状無機酸化物粒子とを含む透明被膜が、基材表面に形成された透明被膜付基材であって、
前記マイクロリング状無機酸化物粒子の平均外径(D O )が10nm〜20μmの範囲にあり、前記貫通孔の平均径(D I )が1nm〜12μmの範囲にあり、リング幅(W R )と平均外径(D O )との比(W R )/(D O )が0.2〜0.45の範囲にあり、前記マイクロリング状無機酸化物粒子の厚みが前記平均外形(D O )以下であり、
前記貫通孔には前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が侵入しており、
前記透明被膜中には前記マイクロリング状無機酸化物粒子が固形分として0.01〜80質量%の範囲で含有していることを特徴とする透明被膜付基材。 - 前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が、下記式(2)で表される有機珪素化合物の加水分解重縮合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の透明被膜付基材。
Rn-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種であり、nは1〜3の整数を示す) - 前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が、さらに下記式(3)で表される有機珪素化合物の加水分解重縮合物を含むことを特徴とする請求項2に記載の透明被膜付基材。
SiX4 (3)
(但し、式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種である) - 前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が、式(4)で表される2官能シリコン樹脂を含むことを特徴とする請求項2または3に記載の透明被膜付基材。
- 前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が、式(5)で表される1官能シリコン樹脂を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の透明被膜付基材。
- 前記マイクロリング状無機酸化物粒子を構成する無機酸化物が、シリカ系無機酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の透明被膜付基材。
- 前記マイクロリング状無機酸化物粒子が下記式(1)で表される有機ケイ素化合物で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明被膜付基材。
Rn-SiX4-n (1)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。X:炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素、n:0〜3の整数) - 前記透明被膜の膜厚(Th)が50nm〜20μmの範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明被膜付基材。
- 前記マイクロリング状無機酸化物粒子の平均外径(DO)が10nm〜20μmの範囲にあり、平均外径(DO)と膜厚(Th)との比(DO)/(Th)が0.3〜1.0の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明被膜付基材。
- 貫通孔を有するマイクロリング状無機酸化物粒子と有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分と有機溶媒とを含む塗布液であって、
前記マイクロリング状無機酸化物粒子の平均外径(D O )が10nm〜20μmの範囲にあり、貫通孔の平均径(D I )が1nm〜12μmの範囲にあり、リング幅(W R )と平均外径(D O )との比(W R )/(D O )が0.2〜0.45の範囲にあり、前記マイクロリング状無機酸化物粒子の厚みが前記平均外形(D O )以下であり、
前記マイクロリング状無機酸化物粒子の濃度が固形分として0.0001〜48質量%の範囲にあり、前記有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分の濃度が固形分として0.2〜57質量%の範囲にあり、全固形分濃度が1〜60質量%の範囲にあることを特徴とする透明被膜形成用塗布液。 - 前記有機無機ハイブリッドマトリックス形成成分が、下記式(2)で表される有機珪素化合物の加水分解物を含むことを特徴とする請求項10に記載の透明被膜形成用塗布液。
Rn-SiX4-n (2)
(但し、式中、Rは炭素数1〜10の非置換または置換炭化水素基であって、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種を示す。nは1〜3の整数を示す) - 前記有機無機ハイブリッドマトリックス成分が、さらに下記式(3)で表される有機珪素化合物の加水分解物を含むことを特徴とする請求項11に記載の透明被膜形成用塗布液。
SiX4 (3)
(但し、式中、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、シラノール基、ハロゲン、水素から選ばれる少なくとも1種を示す) - 前記マイクロリング状無機酸化物粒子を構成する無機酸化物が、シリカ系無機酸化物であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の透明被膜形成用塗布液。
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