JP5494054B2 - 二段階乳化によるリポソーム製造方法 - Google Patents
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Description
(1)一次乳化工程:有機溶媒(O)、水性溶媒(W1)、および混合脂質成分(F1)を乳化することにより、W1/Oエマルションを調製する工程;
(2)二次乳化工程:上記工程(1)により得られたW1/Oエマルションと水性溶媒(W2)とを、0.1μm以上5.0μm以下の細孔径を有する膜を用いて乳化し、W1/O/W2エマルションを調製する工程;
(3)上記工程(2)により得られたW1/O/W2エマルションに含まれる有機溶媒を除去することにより、リポソームの懸濁液を調製する工程;
ただし、上記一次乳化工程は、さらにリポソームに内包させる物質を添加した上で行ってもよい。
・混合脂質成分(F1)・(F2)
一次乳化工程で用いる混合脂質成分(F1)は主としてリポソームの脂質二重膜の内膜を構成し、場合によっては外膜の構成にも寄与する。混合脂質成分(F2)は主としてリポソームの外膜を構成する。混合脂質成分(F1)および(F2)は、同一の組成であっても、異なる組成であってもよい。
水性溶媒(W1)および(W2)ならびに有機溶媒(O)は公知の一般的なものを用いることができる。水性溶媒としては、純水や、浸透圧調整やpH調整に適した塩類や糖類、その他の化合物を添加したものが挙げられる。また、リポソームの用途に合わせて、W1にはゼラチンなどのゲル化剤、デキストランなどの増粘多糖類、キチン/キトサンやポリ−L−リジンなどの荷電性高分子といった物質を封入してもよい。有機溶媒としては、たとえばヘキサン(n−ヘキサン)やクロロホルム、塩化メチレンなどの水と混和しにくいものが挙げられ、これらを単独で使用しても混合して使用してもよい。また、水よりも沸点の低い有機溶媒を使用することが好ましい。
本発明において、リポソームに内包させる物質(薬剤類と総称する)は特に限定されるものではなく、リポソームの用途に応じて医薬品、化粧品、食品などの分野で知られている各種の物質を用いることができる。
本発明のリポソームの製造方法は、下記工程(1)〜(3)を有し、必要に応じてその他の工程を適宜組み合わせることができるものである。
一次乳化工程は、有機溶媒(O)、水性溶媒(W1)、および混合脂質成分(F1)を乳化することにより、W1/Oエマルションを調製する工程である。
二次乳化工程は、上記工程(1)により得られたW1/Oエマルションを、細孔径0.1μm以上5.0μm以下、好ましくは0.1μm以上3.0μm以下を有する膜を用いる膜乳化法により、水性溶媒(W2)中に液滴として分散したW1/O/W2エマルションを調製する工程である。
溶媒除去工程は、前記二次乳化工程により得られたW1/O/W2エマルションに含まれる有機溶媒(O)を除去することにより、脂質二重膜を有するリポソームの懸濁液を調製する工程である。
リポソーム水溶液(1mL)全体の蛍光強度(Ftotal)を分光光度計(U−3310、日本分光株式会社)により測定した。次に0.01M,CoCl2トリス塩酸緩衝液30μLを加えて水性溶媒(W2)に漏出したカルセインの蛍光をCo2+により消光することで、ベシクル内の蛍光強度(Fin)を測定した。さらに、カルセインを加えないでサンプルと同じ条件でベシクルを作製し、脂質自身が発する蛍光(Fl)を測定した。内包率は下記式より算出した;
内包率E(%) = (Fin−Fl)/(Ftotal−Fl)×100。
超遠心装置で固形分(リポソーム)を分離(デカント)し、上澄と固形分をそれぞれHPLCで定量した。HPLCカラムとしてVarian Polaris C18-A (3μm, 2x40 mm)を用いてアッセイされた。内包されていない当該化合物と内包されている当該化合物の絶対値から、シタラビンの内包率を算出した。
リポソーム水溶液をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒(体積比:4/6)で10倍に希釈し、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計(UPA−EX150、日機装株式会社)を用いて体積平均粒径を算出した。
くぼみのあるスライドガラスを用いてリポソーム水溶液25μLのプレパラートを作成し、正立顕微鏡(Axio Imager.A1、カールツァイス社製)の明視野条件で観察し、多胞リポソームの個数を測定した。
(一次乳化工程によるW1/Oエマルションの製造)
ホスファチジルコリン含量が95%である卵黄レシチン「COATSOME NC-50」(日油株式会社製)0.3g、コレステロール(Chol)0.152gおよびオレイン酸(OA)0.108gを含むヘキサン15mLを有機溶媒相(O)とし、カルセイン(0.4mM)を含むトリス−塩酸緩衝液(pH8、50mmol/L)5mLを内水相用の水分散相(W1)とした。50mLのビーカーにこれらの混合液を入れ、直径20mmのプローブをセットした超音波分散装置「UH−600S」(株式会社エスエムテー製)により、25℃にて15分間超音波を照射し、乳化処理を行った。得られたW1/Oエマルションの室温下での平均粒径は247nmであった。
上記一次乳化工程により得られたW1/Oエマルションを分散相として、SPG乳化法によるW1/O/W2エマルションの製造を行った。SPG膜乳化装置(SPGテクノ社製、商品名「外圧式マイクロキット」)に直径10mm、長さ20mm、細孔径2.0μmの円筒形SPG膜を用い、装置出口側に外水相溶液(W2)である3%のカゼインナトリウムを含むトリス−塩酸緩衝液(pH8、50mmol/L)を満たしておき、装置入口側から上記W1/Oエマルションを供給して、W1/O/W2エマルションを製造した。膜乳化に必要とした圧力は約25kPaであった。
上記二次乳化工程により得られたW1/O/W2エマルションを蓋のない開放ガラス製容器に移し替え、室温下で約24時間攪拌し、ヘキサンを揮発させた。微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの室温下での平均粒径は233nm、カルセイン内包率は71%であり、多胞リポソームは確認されなかった。
二次乳化工程で細孔径5.0μmのSPG膜を使用し、膜乳化に必要とした圧力は約10kPaであること以外は、実施例1と同様の操作を行った。微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの室温下での平均粒径は244nm、カルセイン内包率は70%であり、多胞リポソームは3個であった。
(一次乳化工程によるW1/Oエマルションの製造)
実施例1と同様の脂質組成を含む混合溶媒(ヘキサン:ジクロロメタン=8:2)15mLを有機溶媒相(O)とし、カルセイン(0.4mM)を含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、50mmol/L)5mLを内水相用の水分散相(W1)とした。50mLのビーカーにこれらの混合液を入れ、実施例1と同様の乳化処理を行った。得られたW1/Oエマルションの室温下での平均粒径は207nmであった。
上記一次乳化工程により得られたW1/Oエマルションを分散相として、SPG乳化法によるW1/O/W2エマルションの製造を行った。実施例1と同様の膜乳化装置に細孔径1.0μmのSPG膜を用い、装置出口側に外水相溶液(W2)である3%のカゼインナトリウムを含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、50mmol/L)を満たしておき、装置入口側から上記W1/Oエマルションを供給して、W1/O/W2エマルションを製造した。膜乳化に必要とした圧力は約10kPaであった。
上記二次乳化工程により得られたW1/O/W2エマルションを密閉容器に移し替え、500mbarの減圧室温条件下で約4時間攪拌し、次いで180mbarの減圧室温条件下で約18時間撹拌し、溶媒を揮発させた。微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの室温下での平均粒径は203nm、カルセイン内包率は49%であり、多胞リポソームは確認されなかった。
一次乳化工程で、高圧ホモジナイザー(ナノマイザー、吉田機械興業社製)を用いて100MPaの圧力条件で乳化処理を行い、二次乳化工程で、細孔径0.5μmのSPG膜を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行った。得られたW1/Oエマルションの室温下での平均粒径は127nmであり、得られたリポソームの室温下での平均粒径は123nm、カルセイン内包率は53%であり、多胞リポソームは1個であった。膜乳化に必要とした圧力は約20kPaであった。
脂質として、ホスファチジルコリン含量が80%である卵黄レシチン「PL−100M」(キューピー社製)0.3g、コレステロール(Chol)0.152gおよびオレイン酸(OA)0.108gを使用した以外は、実施例3と同様の操作を行った。得られたW1/Oエマルションの室温下での平均粒径は232nmであり、得られたリポソームの室温下での平均粒径は237nm、カルセイン内包率は62%であり、多胞リポソームは確認されなかった。膜乳化に必要とした圧力は約10kPaであった。
有機溶媒相(O)に混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)を用い、有機溶媒除去の減圧条件を180mbar、22時間とした以外は、実施例3と同様の操作を行った。得られたW1/Oエマルションの室温下での平均粒径は189nmであり、得られたリポソームの室温下での平均粒径は197nm、カルセイン内包率は42%であり、多胞リポソームは6個であった。膜乳化に必要とした圧力は約10kPaであった。
二次乳化工程で細孔径5.0μmのSPG膜を使用したこと以外は、実施例3と同様の操作を行った。得られたW1/Oエマルションの室温下での平均粒径は203nmであり、得られたリポソームの室温下での平均粒径は210nm、カルセイン内包率は46%であり、多胞リポソームは1個であった。膜乳化に必要とした圧力は約2kPaであった。
二次乳化工程で細孔径0.2μmのSPG膜を使用したこと以外は、実施例4と同様の操作を行った。得られたリポソームの室温下での平均粒径は120nm、カルセイン内包率は40%であり、多胞リポソームは2個であった。膜乳化に必要とした圧力は約25kPaであった。
(一次乳化工程によるW1/Oエマルションの製造)
ジパルミトイルホスファチジルコリン(COATSOME MC-6060、日油株式会社製)0.25g、コレステロール(Chol)0.152gを含む混合溶媒(ヘキサン:ジクロロメタン=8:2)15mLを有機溶媒相(O)とし、カルセイン(0.4mM)を含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、50mmol/L)5mLを内水相用の水分散相(W1)とした。50mLのビーカーにこれらの混合液を入れ、実施例1と同様の乳化処理を行った。得られたW1/Oエマルションの室温下での平均粒径は219nmであった。
上記一次乳化工程により得られたW1/Oエマルションの有機溶媒(O)にジパルミトイルホスファチジルグリセロール(COATSOME MG-6060LA、日油株式会社製)0.05gをさらに添加したものを分散相として、SPG乳化法によるW1/O/W2エマルションの製造を行った。実施例1と同様の膜乳化装置に細孔径1.0μmのSPG膜を用い、装置出口側に外水相溶液(W2)である3%のカゼインナトリウムを含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、50mmol/L)を満たしておき、装置入口側から上記W1/Oエマルションを供給して、W1/O/W2エマルションを製造した。膜乳化に必要とした圧力は約10kPaであった。
上記二次乳化工程により得られたW1/O/W2エマルションを密閉容器に移し替え、500mbarの減圧室温条件下で約4時間攪拌し、次いで180mbarの減圧室温条件下で約18時間撹拌し、溶媒を揮発させた。微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの室温下での平均粒径は231nm、カルセイン内包率は70%であり、多胞リポソームは確認されなかった。
二次乳化工程で細孔径7.0μmのSPG膜を使用し、膜乳化に必要とした圧力は約7kPaであること以外は、実施例1と同様の操作を行った。微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの室温下での平均粒径は255nm、カルセイン内包率は70%であったが、多胞リポソームは58個とやや多かった。
二次乳化工程で細孔径10.0μmのSPG膜を使用し、膜乳化に必要とした圧力は約5kPaであること以外は、実施例1と同様の操作を行った。微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの室温下での平均粒径は277nm、カルセイン内包率は68%であったが、多胞リポソームは170個とかなり多かった。
(混合溶媒による一次乳化工程によるW1/Oエマルションの製造)
ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)「COATSOME MC-6060」(日油株式会社)0.25g、コレステロール0.152g、およびジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)「COATSOME MG-6060LA」(日油株式会社)0.25gを含む混合溶媒(ヘキサン/ジクロロメタン=8/2)15mLを有機溶媒相(O)とし、カルセイン(0.4mM)を含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、50mM)5mLを内水相用の水分散相(W1)とした。50mLのビーカーにこれらの混合液を入れ、φ20mmのプローブをセットした超音波分散装置(UH−600S、株式会社エスエムテー)により、25℃にて15分間超音波を照射し乳化処理を行った。上記方法に従って測定したところ、この一次乳化工程で得られたW1/Oエマルションは体積平均粒径約212nmであった。
上記一次乳化工程により得られたW1/Oエマルションを分散相として、SPG乳化法によるW1/O/W2エマルションの製造を行った。まず、膜乳化装置に実施例2と同様の細孔径5.0μmのSPG膜を用い、装置出口側に外水相溶液(W2)である3%のカゼインナトリウムを含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、50mmol/L)を満たしておき、装置入口側から上記W1/Oエマルションを供給して、W1/O/W2エマルションを製造した。膜乳化に必要とした圧力は約10kPaであった。
上記二次乳化工程により得られた最終的なW1/O/W2エマルションを密閉容器に移し替え、20℃・500mbarの減圧条件下で約8時間攪拌し、次いで20℃・180mbarの減圧条件下で約8時間撹拌し、段階的に溶媒を揮発させた。得られたリポソーム懸濁液の粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの平均粒径は190nmであり、カルセイン内包率は62%であった。多胞リポソームは確認されなかった。
(一次乳化工程によるW1/Oエマルションの製造)
ホスファチジルコリン含量が95%である卵黄レシチン「COATSOME NC-50」(日油株式会社製)6.0g、コレステロール(Chol)3.04gおよびオレイン酸(OA)2.16gを含む混合溶媒(ヘキサン:ジクロロメタン=8:2)300mLを有機溶媒相(O)とし、カルセイン(0.4mM)を含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.4、50mmol/L)100mLを内水相用の水分散相(W1)とした。実施例4と同様の一次乳化工程の処理を行った。得られたW1/Oエマルションの室温下での平均粒径は135nmであった。
上記一次乳化工程により得られたW1/Oエマルションを分散相として、SPG乳化法によるW1/O/W2エマルションの製造を行った。SPG膜乳化装置(SPGテクノ社製、商品名「高速ミニキットKH-125」)に直径10mm、長さ125mm、細孔径1.0μmの円筒形SPG膜を使用すること以外は実施例4と同様にして、W1/O/W2エマルションを製造した。膜乳化に必要とした圧力は約10kPaであった。
上記二次乳化工程により得られたW1/O/W2エマルションを密閉容器に移し替え、500mbarの減圧室温条件下で約4時間攪拌し、次いで180mbarの減圧室温条件下で約18時間撹拌し、溶媒を揮発させた。微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの室温下での平均粒径は140nm、カルセイン内包率は53%であり、多胞リポソームは確認されなかった。
二次乳化工程で、直径10mm、長さ125mm、細孔径10.0μmの円筒形SPG膜を使用し、膜乳化に必要とした圧力は約5kPaであること以外は、実施例11と同様の操作を行った。微細なリポソーム粒子の懸濁液が得られ、この粒子内にはカルセインが含まれていることが確認された。得られたリポソームの室温下での平均粒径は134nm、カルセイン内包率は65%であったが、多胞リポソームは220個とかなり多かった。
水分散相(W1)に、カルセイン(0.4mM)に代えて、シタラビン(4mM)を溶解させた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたリポソームの室温下での平均粒径は168nm、内包率は32%であり、多胞リポソームは確認されなかった。
水分散相(W1)に、カルセイン(0.4mM)に代えて、シタラビン(4mM)を溶解させた以外は、実施例2と同様の操作を行った。得られたリポソームの室温下での平均粒径は200nm、内包率は33%であり、多胞リポソームは確認されなかった。
水分散相(W1)に、カルセイン(0.4mM)に代えて、シタラビン(4mM)を溶解させた以外は、比較例2と同様の操作を行った。得られたリポソームの室温下での平均粒径は195nm、内包率は30%であったが、多胞リポソームは201個とかなり多かった。
Claims (6)
- 下記工程(1)〜(3)を有することを特徴とする、単胞リポソームの製造方法;
(1)一次乳化工程:有機溶媒(O)、水性溶媒(W1)、ならびにリン脂質、ステロール類、糖脂質、グリコール、脂肪族アミンおよび長鎖脂肪酸から選ばれる混合脂質成分(F1)を乳化することにより、体積平均粒子径が二次乳化工程で用いる膜の細孔径の少なくとも1/2以下のサイズであり、かつこの上限を超えない範囲内で50〜1,000nmであるW1/Oエマルションを調製する工程;
(2)二次乳化工程:上記工程(1)により得られたW1/Oエマルションと水性溶媒(W2)とを、0.1μm以上5.0μm以下の細孔径を有する膜を用いて乳化し、W1/O/W2エマルションを調製する工程;
(3)上記工程(2)により得られたW1/O/W2エマルションに含まれる有機溶媒を除去することにより、体積平均粒子径が50〜200nmである単胞リポソームの懸濁液を調製する工程;
ただし、上記一次乳化工程は、さらに前記単胞リポソームに内包させる物質を添加した上で行ってもよい。 - 前記工程(2)が、W1/Oエマルションを、0.1μm以上5.0μm以下の細孔径を有する膜を通過させ、水性溶媒(W2)中に液滴として分散させることにより、W1/O/W2エマルションを調製する工程であることを特徴とする請求項1に記載の単胞リポソームの製造方法。
- 前記工程(2)が、前記膜を用いた乳化により得られたW1/O/W2エマルションを、0.1μm以上5.0μm以下の細孔径を有する膜を通過させる膜処理工程をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の単胞リポソームの製造方法。
- 前記工程(2)の膜としてSPG膜を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の単胞リポソームの製造方法。
- 前記リポソームに内包させる物質として医療用の薬剤類を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の単胞リポソームの製造方法。
- 前記工程(2)において、水性溶媒(W2)およびW1/Oエマルション以外にさらに、リポソーム脂質膜を破壊しない水溶性乳化剤、または混合脂質成分(F2)の少なくともどちらか一方を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の単胞リポソームの製造方法。
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