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JP5493528B2 - Cmp研磨液及びこのcmp研磨液を用いた研磨方法 - Google Patents

Cmp研磨液及びこのcmp研磨液を用いた研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、CMP研磨液及びこのCMP研磨液を用いた研磨方法に関する。
半導体集積回路(以下、「LSI」という。)で代表される半導体デバイスの開発において、高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されており、化学機械研磨(以下、「CMP(Chemical Mechanical Polishing)」という。)等の種々の技術が用いられてきている。主に、CMPは、シリコン、ガリウム砒素等からなるウエハ表面に形成された、酸化膜、金属膜、セラミックス膜等の多層配線形成用の薄膜を平坦化するために利用されている(例えば、特許文献1参照)。このように、ウエハ表面に配線の高密度化及び微細化が更に進んだ多層配線が形成された超LSIを製造する上で、CMPは必要不可欠な技術になっている。
従来、配線用の金属として、タングステン、アルミニウム、アルミニウム合金等がインタコネクト構造体に汎用されてきたが、近年では、LSIの更なる高性能化のために、これらの金属より配線抵抗の低い銅又は銅合金の利用が試みられている。しかし、銅又は銅合金は従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられたドライエッチング法による微細加工が困難である。そこで、あらかじめ溝部(凹部)及び隆起部(凸部)が形成された絶縁膜上に銅又は銅合金の薄膜を堆積して溝部に銅又は銅合金を埋め込み、次いで、隆起部上に堆積した銅又は銅合金薄膜(溝部以外の薄膜)をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆるダマシン法が主に採用されている(例えば、特許文献2参照)。
銅又は銅合金を研磨するために、これまで様々なCMP研磨液の開発が試みられてきた。銅又は銅合金を研磨するためのCMP研磨液は、一般に、酸化金属溶解剤、酸化剤、砥粒を含む。このような研磨液では、砥粒の機械的作用により、研磨後の被研磨体の表面(以下、「研磨面」という。)の平坦性が低下する可能性がある。平坦性が低下する要因としては、研磨面に傷が生じる現象(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、金属配線部分の中央が深く研磨されて皿状のくぼみが生じ、研磨面の金属配線部分が平坦でなくなる現象(ディッシング)、金属配線間の隆起部の絶縁膜が必要以上に研磨されたうえ、金属配線部分の中央に皿状のくぼみが生じる現象(エロージョン)等がある。
このような平坦性の悪化を抑制するために、銅又は銅合金に対する防食剤や、水溶性ポリマ等をCMP研磨液に添加することにより、銅又は銅合金表面に保護膜を形成する方法が提唱されている(例えば、特許文献3参照。)。また、平坦性の悪化を抑制するために、砥粒の会合度が10以下(会合度が1、すなわち単分散の場合も含む。)であり、界面活性剤や親水性ポリマを構成成分として含有する研磨液が知られている(例えば、特許文献4参照)。
米国特許第4.944.836号明細書 特許第1969537号公報 特許第3337464号公報 特開2007−180448号公報
近年、半導体デバイスの薄型化や小型化、それに伴う配線の微細化がより進んでおり、良好なCMP速度と研磨後の研磨面の平坦性とを一層高水準で両立することが要求されている。例えば、上記特許文献4等ではディッシングの発生量は上限値200nmまで許容されているが、良好なCMP速度を維持しつつ、ディッシング量を更に低減してより高いレベルでの平坦性を達成することが要求されるようになってきている。
本発明の目的は、このような実情に鑑みてなされたものであり、良好なCMP速度が得られると共に、従来のCMP研磨液よりも優れた平坦性が得られるCMP研磨液及びこれを用いた研磨方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、砥粒、酸化金属溶解剤、酸化剤、防食剤、水溶性ポリマ及び水を含有し、pHが7以下であり、砥粒がアニオン処理されており、かつ、砥粒が所定の粒子径を有するCMP研磨液を用いることで、銅に対する優れた研磨速度と平坦性とを両立できることを見いだした。なお、特に断りのない限り、本発明でいう「銅」には、純銅の他、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物等が包含される。
本発明は、銅を含む金属を研磨するためのCMP研磨液であって、該CMP研磨液は、砥粒、酸化金属溶解剤、酸化剤、防食剤、水溶性ポリマ及び水を含有し、CMP研磨液のpHが7以下であり、砥粒がアニオン処理されており、砥粒の平均一次粒子径が10〜80nmであり、砥粒の平均二次粒子径が25〜250nmであり、平均二次粒子径を平均一次粒子径で除して求められる会合度が2.3以上であるCMP研磨液である。
このようなCMP研磨液によって、良好なCMP速度が得られると共に、従来のCMP研磨液よりも優れた平坦性が得られる原因は詳細には不明であるが、本発明者らは以下のように推察している。但し、原因が以下の内容に限定されるものではない。
本発明の研磨液を用いた研磨の基本的なメカニズムは、酸化金属溶解剤を添加しpHを7以下(好ましくは酸性側)にした上で、酸化剤で銅の表面を酸化して酸化層を形成し、その酸化層を砥粒によって削り取るものであると考えられる。そして、水溶性ポリマと防食剤との作用によって、比較的研磨されやすい反応層が銅表面に形成されると推定される。このように形成された反応層を、上記特定の条件を満たす砥粒で研磨することにより、平坦性を損なうことなく、良好な研磨速度で銅を研磨することができると考えられる。
本発明では、CMP研磨液における砥粒の含有量が1質量%以下であることが好ましい。
本発明では、酸化金属溶解剤が無機酸及び有機酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸又はその塩であることが好ましい。
本発明では、防食剤がトリアゾール化合物であることが好ましい。
本発明では、トリアゾール化合物がベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明では、水溶性ポリマが、アクリル酸系化合物をモノマとして含む前駆体成分を重合して得られる水溶性ポリマであることが好ましい。
本発明では、CMP研磨液のpHが2〜5であることが好ましい。
本発明では、銅を含む金属が銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明は、銅を含む金属層を表面に有する基板と、研磨布(研磨パッド)との間に、上記CMP研磨液を供給し、銅を含む金属層の少なくとも一部を研磨する研磨方法を提供する。
本発明の研磨方法では、上記研磨液を用いていることにより、良好なCMP速度が得られると共に、従来のCMP研磨液よりも優れた平坦性が得られる。これにより、微細化、薄膜化、寸法精度に優れ、信頼性の高い、低コストの半導体デバイス等を好適に製造することができる。
本発明によれば、銅を含む金属を、高速且つ平坦性良く研磨することができるCMP研磨液を提供することができる。また、本発明によれば、上記のCMP研磨液を用いて、微細化、薄膜化、寸法精度に優れ、信頼性の高い、低コストの半導体デバイス等の製造における研磨方法を提供することができる。
会合度が1の砥粒が基板表面に供給されたときの状態を模式的に示す断面図である。 会合度が1の砥粒が基板表面に供給されたときの状態を模式的に示す平面図である。 会合度が1より高い砥粒が基板表面に供給されたときの状態を模式的に示す断面図である。 会合度が1より高い砥粒が基板表面に供給されたときの状態を模式的に示す平面図である。 本発明のCMP研磨液を使用した研磨方法の一例を示す模式断面図である。
本発明のCMP研磨液は、銅を含む金属を研磨するためのCMP研磨液であって、該CMP研磨液は、砥粒、酸化金属溶解剤、酸化剤、防食剤、水溶性ポリマ及び水を含有する。以下、発明を実施するための最良の具体的態様について詳細に説明する。
(pH)
CMP研磨液のpHは、7以下であり、7未満が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜5が更に好ましい。CMP研磨液のpHは、後述する酸化金属溶解剤として用いられる化合物をpH調整剤として添加することにより調整することができる。もちろん、pH調整剤を含まずにCMP研磨液のpHが7以下である場合には、pH調整剤を含有する必要はない。
CMP研磨液のpHは、pHメータ(例えば、堀場製作所株式会社製、型番F・80)で測定することができる。pHとしては、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.01(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極をCMP研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を採用することができる。
(1.砥粒)
砥粒の材質としては特に制限はなく、例えば、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。中でも、粒子径の制御が容易であり、平坦性に優れた研磨液が得られる点で、シリカが好ましく、コロイダルシリカがより好ましい。
(2.アニオン処理)
本実施形態のCMP研磨液における砥粒は、通常の砥粒と異なり、アニオン処理されている必要がある。研磨対象である銅表面に形成される反応層がアニオン性であることから、砥粒表面にアニオン処理を行うことで、砥粒と反応層とが互いに反発し合い、砥粒が過剰に銅表面と接触することが抑制され、研磨後の銅表面の平坦性を向上させることができると考えられる。ここで、「アニオン処理」とは、酸性領域においてマイナスイオンを形成しやすい構造を、砥粒表面に付与する処理を意味する。別の観点では、pHが7以下であるCMP研磨液において、砥粒のゼータ電位がマイナス、好ましくは−5mV以下になるように、砥粒にアニオン種を付加する処理を意味する。なお、ゼータ電位は、ZETASIZER 3000 HAS(マルバーンインスツルメンツ製、商品名)を用いて測定することができる。
アニオン処理について、シリカを砥粒として使用する場合を例に説明する。シリカは、一般式ではSiOであるが、その末端(表面)にはいくつかのシラノール基(Si−OH基)が存在している。このシラノール基における水素原子は、酸性領域においてほとんど解離しないため、通常のシリカ粒子は、酸性領域において、プラス又はゼロに近いゼータ電位を示す。ここで、前記シラノール基に、アニオン種を反応させることによって、表面にシラノール基よりもマイナスイオンを生じやすい基が存在するシリカ粒子を得ることができる。
このようなアニオン種としては、例えば、アルミン酸カリウム(AlO(OH)K)等のアルミニウム化合物を挙げることができる。より具体的には、例えば、コロイダルシリカを含む液中に上記アルミン酸カリウムを添加し、60℃以上で還流することで、シラノール基をよりイオン化しやすい基(Si−O−Al(OH))にすることができる。
アニオン処理方法としては、他にも、砥粒(研磨粒子)表面に微量金属種(例えば、チタンやジルコニウム等)を付加する方法、コロイダルシリカ等の砥粒に硫酸を添加し反応させることによって砥粒表面にスルホン酸基を導入する方法、カルボキシル基、スルホン酸基等のアニオン性基を有する水溶性ポリマで砥粒を被覆する方法等を挙げることができる。処理が簡便である点では、上記アルミン酸カリウム処理が好ましい。CMP研磨液中に不純物が混入しづらく、また、CMP研磨液の安定性に優れる点で、砥粒表面にスルホン酸基を導入する方法が好ましい。
(3.平均一次粒子径)
CMP研磨液に使用する砥粒としては、平均一次粒子径が10〜80nmのものを使用する。このような砥粒を使用することにより、優れた平坦性を維持しつつ、良好な研磨速度を得ることができる。平均一次粒子径は、研磨速度の観点では大きいことが好ましく、具体的には、15nm以上がより好ましく、25nm以上が更に好ましい。平坦性(特にディッシング)を小さくし、更に砥粒同士が過剰に凝集するのを防ぐ観点では、70nm以下が好ましく、60nm以下がより好ましい。しかしながら、平均一次粒子径が小さくなるほど、研磨速度は低下する傾向があるので、用途や必要とされる研磨速度及び平坦性に応じて、平均一次粒子径を前記範囲において適宜設定することが好ましい。
ここで、「平均一次粒子径」とは、BET比表面積から算出できる粒子の平均直径をいう。具体的には、まず砥粒を800℃(±10℃)で1時間乾燥し灼熱残分を得る。次に、この灼熱残分を乳鉢(磁性、100ml)で細かく砕いて測定用試料とする。そして、BET比表面積測定装置(例えばユアサアイオニクス(株)製、商品名:オートソーブ6)を用いて、測定用試料のBET比表面積V(単位:nm/g)を測定し、式:D=6/(ρ・V)により求められる値D(nm)を平均一次粒子径とする。なお、上記式中のρは粒子の密度(単位:g/nm)を表しており、粒子がコロイダルシリカの場合には「ρ=0.022」である。
(4.平均二次粒子径)
CMP研磨液に使用する砥粒としては、平均二次粒子径が25〜250nmのものを使用する。このような砥粒を使用することにより、優れた平坦性を維持しつつ、良好な研磨速度を得ることができる。平均二次粒子径としては、研磨速度のみに着目すると、平均二次粒子径は大きい方が良好な研磨速度が得られる傾向があり、30nm以上が好ましく、35nm以上がより好ましい。一方で、研磨後の平坦性(例えばディッシング量)に着目すると、平均二次粒子径は、100nm以下であることが好ましく、25〜100nmであることがより好ましい。また、研磨液の安定性の観点では、平均二次粒子径は、100nm以下であることが好ましい。他の成分の添加、又は、研磨液の濃縮保存によっても優れた安定性を維持できるという観点では、平均二次粒子径は25〜90nmであることがより好ましい。以上のような観点から、保存安定性と平坦性とを両立できるという点では、25〜90nmが好ましい。
ここで、「平均二次粒子径」とは、砥粒を水に分散させたものを、動的光散乱方式の粒度分布計を用いて測定し、測定結果から得られた平均粒子径である。具体的には、まずサンプル(砥粒)4gに0.3%クエン酸50mlを加え、軽く振とうしたものを測定用試料とする。この測定用試料を粒径測定装置(例えば大塚電子(株)製、商品名:ELS−8000)を用いて測定し、得られた平均粒子径の値を平均二次粒子径とする。
なお、CMP研磨液に使用する砥粒は、研磨後の表面の平坦性に優れる点で、数珠状(moniliform)に結合している結合粒子(aggregate)を含むことが好ましい。ここで、「結合粒子」とは、個々の粒子が強く結びついたものであり、超音波等の分散により再度単分散(粒子一つ一つがばらばらに分散)するような弱く凝集した粒子ではない。また、2個の粒子が結合した、いわゆる「まゆ型」の結合粒子は、平坦性の向上に十分に寄与しない傾向があり、「まゆ型」の結合粒子のみを含む砥粒(すなわち、会合度が2.0)では、十分な被研磨面の平坦性を得ることはできない。そのため、砥粒としては、3〜5粒子が凝集した結合粒子を含むことが好ましい。結合粒子の存在は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することにより確かめることができる。
(5.会合度)
CMP研磨液に使用する砥粒は、良好な研磨速度と優れた平坦性を得る点で、その会合度が2.3以上であり、2.4以上であることが好ましく、2.5以上であることがより好ましい。会合度の上限は特に制限はないが、入手容易性の点から通常5以下が好ましく、3以下がより好ましい。
ここで、「会合度」とは、平均二次粒子径を平均一次粒子径で除した値である。この値が2.3以上の砥粒を使用することで、砥粒1個当たりの接触面積が小さくなり、砥粒と被研磨面との接触が抑制され、被研磨面の平坦性を向上させることができると推測される。そして、砥粒がアニオン化されると、この効果は更に高まると推測される。
会合度が2.3以上の砥粒を用いることにより被研磨面の平坦性を向上させることができる理由について、本発明者らは以下のように推察している。但し、理由は図1〜4によって説明される以下の内容に限定されるものではない。図1は、会合度が1の砥粒が基板表面に供給されたときの状態を模式的に示す断面図である。図2は、会合度が1の砥粒が基板表面に供給されたときの状態を模式的に示す平面図である。図3は、会合度が1よりも高い(例えば会合度が2.3〜3)砥粒が基板表面に供給されたときの状態を模式的に示す断面図である。図4は、会合度が1よりも高い(例えば会合度が2.3〜3)砥粒が基板表面に供給されたときの状態を模式的に示す平面図である。なお、図1〜4の砥粒の状態は、例えば、砥粒の水分散液を基板表面に垂らし、乾燥させたときの基板表面の状態を観察することにより確認することができる。
図1,2に示すように、砥粒10が会合していない場合、砥粒同士の移動が妨げられることが少なく、それぞれの砥粒10が基板20の被研磨面20aと接する確率が高くなる。一方、図3,4に示すように、砥粒10(10a,10b)が会合している場合、基板20の被研磨面20aと接した砥粒10aと、砥粒10aに結合するものの被研磨面20aと接触しない砥粒10bとが存在することとなり、砥粒10と被研磨面20aとの接触が抑制される。このように、会合度が2.3以上の砥粒を用いると、砥粒10と被研磨面20aとの接触が抑制され、被研磨面20aの平坦性を向上させることができると推察される。
(6.含有量)
砥粒の含有量は、CMP研磨液全量に対して、0.01〜1質量%であることが好ましく、0.02〜1質量%であることがより好ましく、0.05〜1質量%であることが更に好ましい。砥粒の含有量が0.01質量%以上であれば、更に良好な研磨速度が得られる傾向があり、1質量%以下であれば、平坦性を更に高く維持できる傾向がある。
(酸化金属溶解剤)
本実施形態のCMP研磨液に使用できる酸化金属溶解剤としては、特に制限はないが、有機酸、有機酸エステル、無機酸、及びこれらの塩等を挙げることができる。
酸化金属溶解剤としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;これらの有機酸エステル及びこれら有機酸のアンモニウム塩;
塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;これら無機酸のアンモニウム塩類、例えば過硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム;クロム酸;などを挙げることができる。
これらの中では、実用的な研磨速度を維持しつつ、優れた平坦性が得られる点で、無機酸及び有機酸が好ましく、ギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、アジピン酸がより好ましい。これら酸化金属溶解剤は、1種類単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
酸化金属溶解剤の含有量は、CMP研磨液全量に対して、更に良好な研磨速度を得る点で0.001質量%以上であることが好ましく、0.002質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることが更に好ましい。また、研磨後の平坦性に更に優れ、研磨後の表面に荒れが生じるのを防ぐ点で、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることが更に好ましい。
(酸化剤)
本実施形態のCMP研磨液において、酸化剤としては、銅の表面を酸化できるものであれば特に制限はなく、例えば、過酸化水素(H)、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、過硫酸アンモニウム、次亜塩素酸、オゾン水等が挙げられ、その中でも過酸化水素が特に好ましい。基板が集積回路用素子を含むシリコン基板である場合、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないので、不揮発成分を含まない酸化剤が好ましい。但し、オゾン水は組成の経時的変化が激しいので、過酸化水素が最も適している。
金属の酸化剤の含有量は、銅を充分に酸化でき、更に良好な研磨速度が得られる点で、CMP用研磨液全量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。また、研磨後の表面に荒れが生じることを更に防ぐ点で、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、15質量%以下が更に好ましい。
(水溶性ポリマ)
本実施形態のCMP用研磨液は、水溶性ポリマを含有する。高い研磨速度が発現しやすい点で、水溶性ポリマの重量平均分子量の下限は、好ましくは500以上、より好ましくは1500以上、更に好ましくは5000以上である。水溶性ポリマの重量平均分子量の上限は、特に制限はないが、溶解度の観点から500万以下が好ましい。水溶性ポリマの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより標準ポリスチレンの検量線を用いて測定することができ、例えば、以下の条件で測定することができる。
(条件)
使用機器(検出器):株式会社日立製作所製、L−3300型液体クロマトグラフ用示差屈折率計
ポンプ:株式会社日立製作所製、L−7100型液体クロマトグラフ用
データ処理:株式会社日立製作所製、D−2520型GPCインテグレーター
カラム:昭和電工製、商品名:Shodex Asahipak GF−710HQ、内径7.6mm×300mm
溶離液:50mM―NaHPO水溶液/アセトニトリル=90/10(v/v)
流量:0.6mL/分
試料:樹脂分濃度2%になるように溶離液と同じ組成の溶液で調整し、0.45μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターでろ過
注入量:0.4μL
校正用標準物質:Polymer Laboratories製、狭分子量ポリアクリル酸ナトリウム
水溶性ポリマとしては、例えば、
ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;
アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロ−ス、寒天、カ−ドラン及びプルラン等の多糖類;
ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ、
などが挙げられる。水溶性ポリマとしては、アクリル酸系化合物をモノマとして含む前駆体成分を重合して得られる水溶性ポリマが好ましい。上記水溶性ポリマは、ホモポリマのみならず、官能基が2種類以上含まれる共重合体でも使用することができる。
但し、CMP用研磨液を適用する基板が半導体集積回路用シリコン基板等の場合は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、水溶性ポリマとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物を含まないものが好ましく、例えば、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリルアミド、ペクチン酸、寒天、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン、それらのエステル及びそれらのアンモニウム塩等が特に好ましい。
水溶性ポリマの含有量は、CMP用研磨液全量に対して、好ましくは0.001〜15質量%、より好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量%である。水溶性ポリマの含有量が0.001質量%以上であると、研磨速度及び平坦性が更に向上する傾向があり、15質量%以下であると、CMP用研磨液に含まれる砥粒の安定性を高く保持することができる傾向がある。
(防食剤)
CMP研磨液に使用する防食剤は、銅に対して保護膜を形成しうるものであれば特に制限はないが、砥粒との組合せにおいては、トリアゾール化合物を使用することが好ましく、ベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
防食剤の含有量は、CMP用研磨液全量に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.05〜7質量%、更に好ましくは0.10〜4質量%である。防食剤の含有量が0.01質量%以上であると、平坦性が更に向上する傾向があり、10質量%以下であると、研磨速度が更に向上する傾向がある。
(その他の成分)
本実施形態のCMP研磨液は、CMP研磨液の被研磨面への濡れ性の向上、水に溶解しにくい成分の溶解補助、研磨速度の向上や平坦性の向上等の目的で、その他の公知の成分を含むことができ、例えば、界面活性剤、有機溶剤を更に含むことができる。なお、CMP研磨液における水の含有量は、CMP研磨液における砥粒等の上記含有成分の含有量の残部でよく、研磨液中に含有されていれば特に制限はない。
(研磨方法)
以上説明したCMP研磨液を用いることで、良好なCMP速度が得られると共に、従来のCMP研磨液よりも優れた平坦性が得られる基板の研磨が可能となる。本実施形態の研磨方法では、銅層を有する基板と研磨布との間に、上記CMP研磨液を供給し、基板の銅層の少なくとも一部を研磨布で研磨する。
図5を参照しながら、本実施形態に係る研磨方法について更に説明する。図5は、本実施形態の研磨方法を示す模式断面図である。図5(a)に示されるように、基板100は、シリコン基板1と、シリコン基板1上に形成された層間絶縁膜2と、層間絶縁膜2上に形成されたバリア層3と、バリア層3上に形成された銅層4とを有している。層間絶縁膜2の表面には、相互に隣接する隆起部(凸部)と溝部(凹部)とを有する段差部が形成されており、バリア層3は、層間絶縁膜2の表面の段差部に追従して形成されている。銅層4は、バリア層3の溝部を埋めるように形成されている。
本実施形態の研磨方法を適用するにあたり、基板100の被研磨面(銅層4の表面)を研磨定盤の研磨布に押しあて、被研磨面と研磨布との間に本実施形態のCMP研磨液を供給しながら、基板100の裏面(被研磨面と反対の面)に所定の圧力を加えた状態で、基板100を研磨定盤に対して相対的に動かすことによって被研磨面を研磨することが好ましい。本実施形態に係る研磨方法では、例えば、図5(b)に示されるように、層間絶縁膜2の隆起部上に位置するバリア層3が露出した基板200が得られるまで研磨が行われる。
本実施形態の研磨方法は、研磨液の流量(研磨液供給速度)が0.035〜0.25ml/minとなる範囲で、研磨定盤の研磨布上に上記研磨液を供給しながら、被研磨膜を有する基板を研磨布に押圧した状態で研磨定盤と基板を相対的に動かすことにより研磨することが好ましい。これにより、導電性材料膜が形成されたウエハ(半導体基板)を化学的、機械的に平坦化することができる。
研磨装置としては、例えば、回転数が変更可能なモータ等が取り付けてあると共に研磨布を貼り付けられる研磨定盤と、基板を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、特に制限はないが、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用できる。研磨条件には、特に制限はないが、基板が飛び出さないように研磨定盤の回転速度を200min−1以下の低回転にすることが好ましい。
被研磨膜を有する基板の研磨布への研磨圧力は5〜100kPaであることが好ましく、研磨速度のウエハ面内の均一性及びパターンの平坦性の見地から10〜50kPaであることがより好ましい。研磨している間、研磨布にはCMP研磨液をポンプ等で連続的に供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の被研磨体は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて被研磨体上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
本実施形態において、研磨時に濃縮液を希釈してCMP研磨液を得る場合には、水又は下記に示す水溶液を用いて濃縮液を希釈することができる。水溶液は、予め、酸化剤、有機酸、添加剤及び界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有しており、この水溶液中に含有している成分と、希釈される濃縮液中に含有している成分とを合計した各成分の含有量が、研磨に使用する研磨液(使用液)の成分の含有量となるようにする。このように、濃縮液を水溶液で希釈して使用する場合には、研磨液に溶解しにくい成分を水溶液の形で後から配合することができることから、より濃縮した濃縮液を調製することができる。
また、濃縮液に水又は水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮液を供給する配管と、水又は水溶液を供給する配管とを研磨布に供給される前に合流させ、濃縮液と水又は水溶液とを混合し、希釈された研磨液(使用液)を研磨布に供給する方法がある。濃縮液と水又は水溶液との混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管等の充填物を詰め液体の流れを分流分離し合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法等の通常行われている方法を採用することができる。
更に、濃縮液を水又は水溶液等により希釈しながら研磨する方法としては、濃縮液を供給する配管と、水又は水溶液を供給する配管とを独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨布に供給し、研磨布と研磨対象の被研磨面との相対運動で濃縮液と水又は水溶液とを混合しつつ研磨する方法がある。また、1つの容器に、所定量の濃縮液と水又は水溶液とを入れ混合してから、研磨布にその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法を用いることもできる。
また、別の研磨方法としては、研磨液の含有成分を少なくとも2つの構成成分に分けて濃縮し、使用する際にそれぞれに水又は水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨布に供給し、研磨対象の被研磨面と研磨布とを相対運動させて2つの構成成分を混合しつつ研磨する方法がある。例えば、酸化剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、使用する際に水又は水溶液で構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用することができる。また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)とに分けてもよい。例えば、酸化剤、添加剤、及び界面活性剤を構成成分(A)とし、有機酸、添加剤、界面活性剤、及び水を構成成分(B)とし、使用する際にそれぞれに水又は水溶液を加え、構成成分(A)及び構成成分(B)を希釈して使用する。
上記のような構成成分の異なる2つの濃縮液を用いる場合、構成成分(A)と、構成成分(B)と、水又は水溶液とをそれぞれ供給する3つの配管が必要である。この場合、3つの配管について、研磨布につながる1つの配管に残りの2つの配管を結合し、配管内で混合希釈する方法があり、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。具体的には、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分とを混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、更に、水又は水溶液の配管を結合する方法が挙げられる。その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨布に導き、研磨布と研磨対象の被研磨面の相対運動により混合希釈する方法や、1つの容器に3つの構成成分を混合して、希釈された研磨液を研磨布に供給する方法がある。
上記した研磨方法において、一の構成成分の液温と他の構成成分の液温とを互いに異ならせてもよい。例えば、一の構成成分の液温を40℃以下にし、他の構成成分の液温を室温から100℃の範囲としてもよい。この方法によれば、温度が高いと溶解度が高くなる現象を利用することにより、室温において溶解度の低い原料を溶解度の高い温度領域で溶解させることができる。また、液温が下がると室温における溶解度の低い原料が溶液中に析出してしまうため、一の構成成分と他の構成成分とを混合するためには、溶解度の低い原料を含有する構成成分を予め加温して溶解させる必要がある。この場合、加温して原料を溶解させた後に送液する方法や、析出物を含む液を攪拌した後に配管中へ送液し、配管中で加温して原料を溶解させる方法を採用することができる。
また、上記一の構成成分が酸化剤を含む場合、一の構成成分の温度が40℃以上に高められると酸化剤が分解する恐れがある。そのため、上記加温した他の構成成分と、酸化剤を含む一の構成成分とを混合した場合、液温が40℃以下となるようにすることが好ましい。このように、一の構成成分の液温と他の構成成分の液温とを互いに異ならせることにより、原料の溶解度や分解温度に応じて研磨液を調製することができる。
このように、成分を二以上に分割した研磨液を研磨布に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と、有機酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨布に供給してもよい。
成分を二以上に分割した研磨液を研磨布に供給する方法を適用する場合、その供給量は、各配管からの各研磨液の供給量の合計により表される。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(砥粒)
表1に示す砥粒A〜Rを用意した。砥粒A〜Rはコロイダルシリカである。また、砥粒のアニオン処理として、砥粒A〜D及び砥粒P〜Rはアルミン酸化合物修飾を施し、Eはスルホン酸化合物修飾を施した。
(砥粒の物性測定)
砥粒A〜Rについて、平均一次粒子径及び平均二次粒子径を以下のようにして測定し、得られた平均一次粒子径及び平均二次粒子径の値から、会合度を算出した。
平均一次粒子径は、以下のように測定した。まず砥粒を800℃(±10℃)で1時間乾燥し灼熱残分を得た。次に、この灼熱残分を乳鉢(磁性、100ml)で細かく砕いて測定用試料とした。そして、BET比表面積測定装置(ユアサアイオニクス(株)製、商品名:オートソーブ6)を用いて、測定用試料のBET比表面積V(単位:nm/g)を測定し、式:D=6/(ρ・V)により求められる値D(nm)を平均一次粒子径とした。なお、上記式中のρは粒子の密度(単位:g/nm)を表しており、粒子がコロイダルシリカの場合には「ρ=0.022」である。
平均二次粒子径は、以下のように測定した。砥粒4gに0.3%クエン酸50mlを加え、軽く振とうしたものを測定用試料とした。この試料を大塚電子(株)製、商品名:ELS−8000を用いて測定した値を平均二次粒子径とした。
(CMP研磨液作製方法:実施例1〜5)
研磨液用スラリーの総質量に対して、1,2,4-トリアゾールを0.2質量%、ベンゾトリアゾールを0.2質量%、ポリアクリル酸(重量平均分子量:80000〜170000)を1.5質量%、マレイン酸を0.6質量%、表1に示す平均一次粒子径、平均二次粒子径及び会合度を有する砥粒A〜Eを0.8質量%、及び、純水をスラリー質量全量の残部である96.7質量%含有するようにしてスラリーを得た。次いで、このスラリーと、酸化剤としての30質量%の過酸化水素水を質量比1:1で混合し、研磨液を作製した。
なお、ポリアクリル酸の重量平均分子量は下記の方法により測定した。
使用機器(検出器):株式会社日立製作所製、L−3300型液体クロマトグラフ用示差屈折率計
ポンプ:株式会社日立製作所製、L−7100型液体クロマトグラフ用
データ処理:株式会社日立製作所製、D−2520型GPCインテグレーター
カラム:昭和電工製、商品名:Shodex Asahipak GF−710HQ、内径7.6mm×300mm
溶離液:50mM―NaHPO水溶液/アセトニトリル=90/10(v/v)
流量:0.6mL/分
試料:樹脂分濃度2%になるように溶離液と同じ組成の溶液で調整し、0.45μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターでろ過
注入量:0.4μL
校正用標準物質:Polymer Laboratories製、狭分子量ポリアクリル酸ナトリウム
(CMP研磨液作製方法:比較例1〜13)
砥粒A〜Eに替えて、砥粒F〜Rを用いたこと以外は実施例1〜5と同様にして比較例1〜13で用いるCMP研磨液を得た。
(研磨液のpH測定)
各研磨液のpHを堀場製作所株式会社製、型番F・80を用いて測定した。標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.01(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極をCMP研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値をpHとした。
(銅配線が形成された被研磨用基板)
研磨速度及びディッシング量の評価には、被研磨用基板(SEMATECH社製、商品名:「SEMATECH854」、マスクパターンウエハ)を用いた。この基板は、シリコン基板と、シリコン基板上に形成されると共に、深さ500nmの溝部により形成されたパターンを有する絶縁膜と、絶縁膜上にスパッタ法により順に形成された25nmのTaN膜と10nmの銅膜と、電解メッキ法により形成された1.2μmの銅層とを有する。なお、溝部に埋め込まれた配線パターンの配線幅は100μmであり、配線スペース幅は100μmであった。
実施例1〜5及び比較例1〜13では、下記研磨条件で被研磨用基板を研磨した。
(CMP研磨条件)
研磨装置:片面金属膜用研磨機(アプライドマテリアルズ社製、商品名:MIRRA)
研磨布:スウェード状発泡ポリウレタン樹脂製研磨布(ニッタ・ハース社製、商品名:IC−1010)
研磨圧力:13.8kPa
研磨液供給速度:200ml/min
(CMP後洗浄)
CMP処理後の基板に対しては、PVA(ポリビニルアルコール)ブラシ、超音波水による洗浄を行った後、スピンドライヤにて乾燥を行った。
(研磨評価項目)
Cu研磨速度は、上記基板の銅膜のCMP前後での膜厚差を電気抵抗値から換算して求めた。測定装置は、日立国際電気エンジニアリング社製の抵抗率測定器、商品名:VR−120/08Sを用いた。ウエハの直径方向81点(エッジから5mm部分除外)の平均値を抵抗値とした。
ディッシング量は、研磨後の基板の配線幅100μm、配線スペース幅100μmの段差を接触式段差計(Veeco製、商品名:DECKTAK V200−Si)で走査して得られた段差量で判断した。
実施例1〜5及び比較例1〜13における、Cu研磨速度、ディッシング量(段差量)の評価結果を表1に示す。
Figure 0005493528
Cu研磨速度:150nm/min以上、平坦性(ディッシング量):25nm以下を良好と判断した。表1に示されるように、実施例1〜5は、Cu研磨速度及び平坦性共に良好な結果であったが、比較例1〜13は、Cu研磨速度及び平坦性のいずれかに欠点があることが示される。
1…シリコン基板、2…層間絶縁膜、3…バリア層、4…銅層、10…砥粒、20…基板、20a…被研磨面、100,200…基板。

Claims (6)

  1. 銅を含む金属を研磨するためのCMP研磨液であって、
    該CMP研磨液は、砥粒、酸化金属溶解剤、酸化剤、防食剤、水溶性ポリマ及び水を含有し、前記CMP研磨液のpHが2〜5であり、
    前記水溶性ポリマが、アクリル酸系化合物をモノマとして含む前駆体成分を重合して得られるものであり、
    前記酸化金属溶解剤が、有機酸、有機酸エステル及びこれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    前記砥粒がアニオン処理されており、前記砥粒の平均一次粒子径が10〜80nmであり、前記砥粒の平均二次粒子径が25〜250nmであり、前記平均二次粒子径を前記平均一次粒子径で除して求められる会合度が2.3以上であるCMP研磨液。
  2. 前記砥粒の含有量が1質量%以下である請求項1記載のCMP研磨液。
  3. 前記防食剤がトリアゾール化合物である請求項1又は2に記載のCMP研磨液。
  4. 前記トリアゾール化合物がベンゾトリアゾール、1,2,3−トリアゾール、4−アミノ−1,2,3−トリアゾール、4,5−ジアミノ−1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、及び3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項記載のCMP研磨液。
  5. 前記銅を含む金属が銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜のいずれか一項に記載のCMP研磨液。
  6. 前記銅を含む前記金属を表面に有する基板と、研磨布との間に、請求項1〜のいずれか一項に記載のCMP研磨液を供給し、前記銅を含む前記金属の少なくとも一部を研磨する研磨方法。
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