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JP5490171B2 - 回転子および同期電動機 - Google Patents

回転子および同期電動機 Download PDF

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Description

本発明は、回転子および同期電動機に関する。
同期電動機の回転子に高磁力な磁石を用いる場合、希土類磁石は、非常に高価な材料であるため、使用量を抑えるために、できるだけ肉厚を薄くした形状で利用することが多い(例えば、下記特許文献1、2参照)。また、送風機用途の電動機の場合、羽根を直接電動機の回転軸に取り付けて使用するため、電動機の出力するトルクに脈動が生じると、羽根を通して騒音の要因となる。このため、リラクタンストルクによるトルク脈動が発生しやすい磁石埋込型(IPM:Interior Permanent Magnet)の構造よりも、磁石を回転子表面に配置する構造(SPM:Surface Permanent Magnet)を取ることが多い。この場合、回転子は鉄などの軟磁性材料をバックヨークとして用い、回転子表面に薄肉のリング磁石あるいは円弧状の瓦磁石を配置する構造をとるものが一般的である。
電動機の外径が軸方向の寸法よりも大きな、扁平なモータの場合、固定子鉄心の積厚よりも回転子の軸方向長を大きく取ったときに、回転子が固定子鉄心と対向しない部分の磁束が固定に鎖交する量が電動機に特性に与える影響が大きくなる。このため、扁平なモータの場合、固定子鉄心の積厚よりも回転子の永久磁石の軸方向の寸法を大きく取ることが多い。
また、回転子を、軸方向において、複数の異なる構造あるいは磁石材料で構成し、高磁力な希土類の焼結磁石およびフェライトの焼結磁石を用いた回転子がある(例えば、下記特許文献3、4参照)。焼結希土類磁石は、大きな磁石のブロックを焼結した後、このブロックから所定の形状に切り出す製造方法をとることが多いことから、磁石の製造コストを抑えるため、平板形状で利用する場合が多い。このため、同期電動機の回転子で利用する場合には、軟磁性のコアに磁石挿入孔を設けて、回転子内部に永久磁石を配置するIPMの形態を取ることが多い。また、フェライトの焼結磁石も回転周波数が高い用途などでは、遠心力による磁石の飛散を防止するために、同様にIPMの構造をとることが多い。
また、回転子の性能を向上させるため、より磁力の高い希土類磁石を用いることがある。磁力の高い希土類磁石は材料が高価であるため、低磁力の磁石で構成される回転子の一部に希土類磁石を組み込む方法がある(例えば、下記特許文献5、6参照)。
特開2005−312166号公報 特開2009−142144号公報 特開2005−304204号公報 特開2010−68600号公報 実開平7−3278号公報 特開平9−205746号公報
しかしながら、上記特許文献1、2のように同期電動機の回転子に肉厚を薄くした形状の希土類磁石を利用する場合、軸方向の寸法を固定子鉄心よりも大きくすると、固定子鉄心に対向しない部分は、磁石表面に非磁性の空間(空気)が多く存在することとなり、磁石のパーミアンスが低下して磁石が発生する磁力が低下する。希土類磁石の永久磁石を薄く用いるため、このパーミアンスの低下による磁力の低下はより大きなものとなる。このため、固定子の積厚に対して、回転子軸方向長を長くしても、材料コストの増加に対して効果が小さくなるという問題がある。
また、上記特許文献3、4のように、軸方向において、複数の異なる構造あるいは磁石材料を用いるIPM構造の回転子の場合、隣り合う磁極の間に鉄心である軟磁性材料が存在するため、この部分を通過して、隣の磁極に短絡する磁束が多く存在する。フェライト焼結磁石の場合は、希土類の焼結磁石と比較すると磁力が低いため、磁極間の磁束の短絡の影響が希土類磁石に比べて大きい。これを固定子鉄心に対向しない回転子軸方向の両端に配置した場合、回転子表面より外側は空気であるため、磁気抵抗が大きく、パーミアンスが低下し、磁石から発生する磁束が低下する。回転子内部の磁極間で短絡する磁束は、固定子鉄心の有無に大きく影響されないため、短絡する磁束量に変化は少なく、結果として磁石より発生する磁束に対して、回転子内部で短絡する磁束量の割合が大きくなり、効果的に磁石の磁力を利用することが難しくなるという問題がある。また、希土類の焼結磁石を用いる場合は、高コストとなるという問題がある。
しかしながら、上記特許文献5のような構成の場合、磁力の高い永久磁石によりステータのバックヨークが磁気飽和を起こして磁束がモータの外部に漏れるのを防ぐ必要があるため、それほど高い磁力を得ることができない。また、上記特許文献6の様な構成とした場合、高磁力の磁石によって周方向の一部の磁力が強くなるため、回転子表面の磁束密度の分布波形が大きく歪んでしまうという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高価な高磁力磁石(希土類磁石等)の使用量を減らしても十分な磁束量を得ることができ、磁束密度の部分的な低下を抑えるこができる同期電動機の回転子を実現できる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、円環状の固定子鉄心を有する固定子と対向する回転子であって、外周側に配置された高磁力のラジアル配向の第1の永久磁石と前記第1の永久磁石の内周側に配置された軟磁性材料のバックヨークとを備える磁石部と、前記第1の永久磁石より磁力が低く極異方の配向がなされた円環状の第2および第3の永久磁石と、を備え、前記磁石部の軸方向の中心を固定子鉄心に対向する範囲の軸方向の中心としかつ前記磁石部の軸方向の厚さは前記固定子鉄心の軸方向の厚さ以下とし、前記第2および第3の永久磁石を、前記磁石部の軸方向の両端面にそれぞれ接するよう配置することを特徴とする。
本発明によれば、高価な高磁力磁石(希土類磁石等)の使用量を減らしても十分な磁束量を得ることができ、磁束密度の部分的な低下を抑えることができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1の同期電動機の構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1の永久磁石と軟磁性材バックヨークの形状例を示す図である。 図3は、第2の永久磁石における極異方配向の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1の第1の永久磁石および第2、第3の永久磁石の配置例を示す図である。 図5は、実施の形態1の回転子の誘起電圧と比較例の誘起電圧との比較を示す図である。 図6は、実施の形態2の同期電動機の誘起電圧の波形の一例を示す図である。 図7は、実施の形態3の回転子の磁極の配置例を示す図である。 図8は、実施の形態3の同期電動機の誘起電圧の波形の一例を示す図である。
以下に、本発明にかかる回転子および同期電動機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる同期電動機の実施の形態1の構成例を示す図である。図1は、同期電動機の横断面を示しており、固定子7は、円環状の固定子鉄心8を有し、固定子7の内部には、回転子5が回転可能に配置される。固定子7の固定子鉄心8は、回転子5に対して、複数の突起状のティースを有しており、ティース間の空間(スロット)には外部から電流を印加するための巻線6を配置する。巻線6は、各ティース毎に集中的に巻回されている。
回転子5は、永久磁石1(第1の永久磁石)と永久磁石2−1,2−2(第2の永久磁石,第3の永久磁石)との2種類の永久磁石を備えており、軸方向長が固定子7の積厚(固定子鉄心8の積厚)よりも大きくなっている。永久磁石1は、高磁力の永久磁石である。永久磁石1は、例えば、希土類磁石と樹脂を混合したボンド磁石であり、希土類磁石には例えばNdFeBやSmFeNなどの材料が用いられ、樹脂の材料には、ナイロンやPPS(ポリフェニレンサルファイド),エポキシなどの材料が用いられる。永久磁石2−1,2−2は、永久磁石1と比べて低磁力の永久磁石であり、例えばフェライト磁石と樹脂を混合したボンド磁石が用いられる。これに用いられる樹脂材料は、永久磁石1のものと同様である。
図2は、本実施の形態の永久磁石1と軟磁性材バックヨーク3の形状例を示す図である。回転子5の軸方向の中央部(固定子7(固定子鉄心8)に対向している部分の軸方向中心から両側にそれぞれ一定距離までの部分)は、図2に示すように永久磁石1と軟磁性材バックヨーク3で構成される構造を用いている。永久磁石1は、薄肉リング形状であり、回転子5の回転軸4を中心として放射状に広がる、いわゆるラジアル配向となっている。
永久磁石1は、薄肉の磁石であるため固定子鉄心8と対向しない位置に配置すると、永久磁石1の外側が空気となり、磁気抵抗が高くなりパーミアンスが下がり表面に現れる磁束が大きく低下する。このため、永久磁石1の軸方向寸法を固定子5の軸方向寸法よりも大きくした場合には、永久磁石1の寸法を増やした割には磁束量の増加が少なく、コストパフォーマンスが悪い。したがって、永久磁石1の軸方向寸法を固定子5の軸方向寸法以下としつつ磁束量を増やすことが望ましい。本実施の形態では、永久磁石1の上下に永久磁石2−1,2−2を配置することにより、永久磁石1の軸方向寸法を固定子5の軸方向寸法以下としつつ磁束量を増やしている。
永久磁石2−1,2−2は、それぞれ永久磁石1と同軸のリング形状であり、永久磁石2−1と永久磁石2−2の間に永久磁石1を挟まれるように配置される。図1に示すように、永久磁石2−1,2−2と永久磁石1の外径は略同一である。永久磁石2−1,2−2の径方向の厚さは、永久磁石1の径方向の厚さより厚く、永久磁石2−1,2−2の内側面と回転軸4との間は空洞となっている。
永久磁石2−1,2−2には、回転子5の磁極に合わせた極異方の配向がなされている。図3は、永久磁石2−1,2−2における極異方配向の一例を示す図である。極異方の配向によって、磁極を構成している磁石の肉厚は、寸法上の肉厚(外径−内径)よりも大きくなっており、固定子鉄心8からの距離が遠くても磁石のパーミアンスの低下が小さく、固定子鉄心からの距離が離れた場合においても、磁束量の低下が少ない。極異方の磁石は磁石の厚みが大きくとれるため、固定子鉄心に対向しない回転子の軸方向端部においても比較的大きな磁束を回転子5の表面に発生させることが可能である。
以上のことから、本実施の形態では、回転子5の軸方向中央部には、図2に示すような永久磁石1と軟磁性材バックヨーク3で構成される磁石部を配置し、当該磁石部の軸方向の上下に永久磁石2−1,2−2をそれぞれ配置して、回転子5を構成する。図4は、本実施の形態の永久磁石1および永久磁石2−1,2−2の配置例を示す図である。
このように、本実施の形態では、同期電動機において、磁石のパーミアンスを高く取れる回転子5の軸方向中央付近の固定子鉄心8に対向している部分には、高磁力の永久磁石1を配置し、パーミアンスが低くなりやすい固定子鉄心8に対向しない部分を含む軸方向の端部には低磁力ではあるが極異方の配向をもった永久磁石2−1,2−2を配置するようにした。このため、高価な高磁力の永久磁石の使用量を減らしても十分な磁束量を得ることができ、磁束密度の部分的な低下を抑えることができる。
また、永久磁石1の内側に軟磁性材バックヨーク3の代わりに、永久磁石2−1,2−2と同じ材料で、極配向を行った永久磁石を配置する構成も考えられる。この場合、永久磁石1の背面は、非磁性材料となるため、パーミアンスが低くなり、永久磁石1から発生する磁束量が低下するが、内側に配置する永久磁石の磁力が加わることで、全体の磁束量の低下をおさえることができる。なお、永久磁石1の磁極数が多いとき、永久磁石1の表面の磁極の幅が狭いとき、あるいは、永久磁石1の肉厚を厚く用いる場合ほど、永久磁石1のパーミアンスの低下は小さくなるので、永久磁石1の内側に軟磁性材のバックヨークを配置した場合との差は小さくなる。また、磁極の幅が広くなる、あるいは永久磁石1の厚みを薄くすると、パーミアンスの低下が大きくなり、内側に軟磁性材バックヨーク3を配置した本実施の形態の方が、より大きな磁束を取り出すことができる。
図5は、本実施の形態の回転子の誘起電圧と比較例の誘起電圧との比較を示す図である。図5の横軸は、回転子5の永久磁石1の軸方向長さを示しており、縦軸は同期電動機を構成した際の誘起電圧の値を示す。図5は、固定子鉄心8の積厚を15mmとした場合の3次元の磁界解析の結果を示したものである。誘起電圧11,12は、比較例における3次元の磁界解析を示しており、誘起電圧13は、本実施の形態の3次元の磁界解析を示している。
誘起電圧11は、比較例として、軸方向長さが15mmの永久磁石1で構成される回転子により得られる誘起電圧を示し、誘起電圧12は、比較例として、軸方向長さが合計19mmの永久磁石2−1,2−2で構成される回転子により得られる誘起電圧を示している。誘起電圧13は、永久磁石1と永久磁石2−1,2−2を組み合わせた本実施の形態の回転子5による誘起電圧を示しており、永久磁石1と永久磁石2−1,2−2の合計の厚さを19mmに固定し、永久磁石1の軸方向長さを変化させた時の誘起電圧を示している。例えば、永久磁石1の軸方向長さを15mmとすると、永久磁石2−1,2−2の軸方向の長さは、永久磁石の上限に2mm((19−15)/2[mm])ずつの合計4mmとなる。
永久磁石1のみを用いた回転子により得られる誘起電圧11と、本実施の形態の回転子5により得られる誘起電圧13と、を両者とも永久磁石1の軸方向長さが15mmとなる場合で比較する(横軸15mmの位置で比較)と、本実施の形態の回転子5により得られる誘起電圧13は、永久磁石2−1,2−2を組み合わせたことにより、誘起電圧11より大きな誘起電圧が得られている。図5に示す同期電動機の例では、永久磁石1の軸方向長さが15mmの場合、本実施の形態の回転子5では、永久磁石1のみの回転子より約10%高い誘起電圧が得られた。
また、永久磁石1と永久磁石2−1,2−2の合計の厚さを19mmに固定して、永久磁石1の軸方向長さを徐々に小さくしていくと、永久磁石1の軸方向長さの減少に伴い誘起電圧13は小さくなっていく。そして、図5に示すように、永久磁石1の軸方向長さが、約11.5mm付近(永久磁石2−1,2−2の合計の軸方向長さは7.5mm)で、軸方向長さが15mmの永久磁石1のみで構成される回転子の誘起電圧11とほぼ同等の値となる。このことから、本実施の形態の回転子5を用いると、永久磁石1の軸方向長さを15mmから11.5mmに縮小することができ、約25%の削減が可能となる。なお、以上述べた永久磁石1、永久磁石2−1,2−2の軸方向長さは一例であり、永久磁石1、永久磁石2−1,2−2の軸方向長さは上述の例に限定されない。
永久磁石1に用いる希土類磁石と永久磁石2−1,2−2に用いるフェライト磁石の材料単価は、10倍以上異なっているため、回転子5の軸方向長が長くなり、フェライト磁石の使用量が増加しても、材料コスト全体から見た低減効果は十分大きなものになる。
また、永久磁石1の内部には、軟磁性材バックヨーク3が存在している。永久磁石2−1,2−2を用いずに永久磁石1の軸方向の長さを増やすと軟磁性材バックヨークの体積も増え、回転子の重量が大きくなる。本実施の形態では、永久磁石2−1,2−2と組み合わせて、永久磁石1と同時に軟磁性材バックヨークの体積を減らすことで、回転子の軽量化も可能となる。
実施の形態2.
次に、本発明にかかる実施の形態2の永久磁石2−1,2−2の配向方法について説明する。本実施の形態の同期電動機の構成および回転子5の構成は、実施の形態1と同様である。
永久磁石1は、図2に示すように薄肉のリング磁石であり、ラジアル配向の磁石である。このため、永久磁石1の表面の磁束密度分布は、台形波状になっており、永久磁石1を用いた回転子5を備える同期電動機の誘起電圧の波形は、ピーク付近が平になった台形状の波形になる。
図6は、本実施の形態の同期電動機の誘起電圧の波形の一例を示す図である。図6では、永久磁石1の軸方向長さを11.5mmとし、永久磁石2−1,2−2の合計の軸方向長さを7.5mmとした場合、永久磁石1により発生する誘起電圧21と、永久磁石2−1,2−2により発生する誘起電圧22と、実施の形態1と同様に永久磁石1と永久磁石2−1,2−2を組み合わせた場合の誘起電圧23と、を示している。
永久磁石1により発生する誘起電圧21は、上述のように台形状となる。これに対して、永久磁石2−1,2−2により発生する誘起電圧22が、図6に示しように、例えば略三角波のように、磁極中心で尖った形状となるようにすると、永久磁石1と永久磁石2を組み合わせた回転子5を用いた同期電動機で生じる誘起電圧23は、永久磁石1のみで発生する誘起電圧の波形よりもピーク付近が少し曲線を持った歪みの少ない波形となる。
これは、永久磁石2-1,2−2の表面磁束密度の分布波形が永久磁石1の表面磁束密度の分布波形と比較すると、より正弦波に近く、両者を組み合わせることで誘起電圧全体に占める永久磁石1の高調波成分の割合を減らすことで得られるものである。
本実施の形態では、永久磁石2−1,2−2の表面磁束密度分布波形のピーク付近を尖らせた略三角波状にして、誘起電圧22を三角波に近い波形としている。永久磁石2−1,2−2は、成形する際に外部より極異方の磁場をかけて配向するため、この磁場を制御することで、表面磁束密分布の波形が磁極中心でピークを有する三角形状になるように調整することができる。
このように、本実施の形態では、永久磁石2−1,2−2の磁束密度分布波形を略三角形状にするよう永久磁石2−1,2−2を配向するようにした。このため、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、永久磁石1と永久磁石2−1,2−2を組み合わせた回転子5の誘起電圧の波形の歪みを実施の形態1より少なくすることができる。
永久磁石1を用いた回転子の誘起電圧21、永久磁石2−1,2−2を用いた回転子の誘起電圧22は、どちらも奇数倍の周波数の成分(高調波成分)を含んでいるが、含まれる周波数成分の位相が異なることで、永久磁石1の波形は台形波状、永久磁石2−1,2−2の波形は三角波状にそれぞれ歪んでいる。永久磁石1の波形に対して、永久磁石2−1,2−2の波形は、含まれる高周波成分の位相がちょうど反転しており、永久磁石1と永久磁石2−1,2−2を組み合わせることで、それぞれに含まれる高周波成分が打ち消し合うため、誘起電圧の歪みをより少なくすることができる。誘起電圧の歪みが小さくなると、同期電動機の運転中のトルク脈動が小さくなるため、同期電動機の振動・騒音を小さくすることができる。
実施の形態3.
図7は、本発明にかかる回転子の実施の形態3の磁極の配置例を示す図である。本実施の形態の同期電動機の構成および回転子5の構成は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、実施の形態1と同様に、図2に示した永久磁石1(永久磁石1と軟磁性材バックヨーク3で構成される磁石部)と永久磁石2−1,2−2とを組み合わせるが、組み合わせる際に、図7に示すように磁極の位置をそれぞれずらして、スキューをかけたように組み合わせる。
本実施の形態では、永久磁石2−1,2−2の表面磁束密度分布は台形状の波形になっている。永久磁石2−1,2−2は、成形する際に外部より極異方の磁場をかけて配向するため、この磁場を制御することで、表面磁束密度分布の波形が磁極中心のピーク付近がフラットな台形形状になるように調整することができる。また、永久磁石2−1,2−2により発生する誘起電圧の位相が、永久磁石1により発生する誘起電圧の位相とそれぞれ前後にずれるように磁極の位置を調整する。
図8は、本実施の形態の同期電動機の誘起電圧の波形の一例を示す図である。例えば、軸方向長さ11.5mmの永久磁石1により発生する誘起電圧21は、図8に示すように台形状である。図8の誘起電圧24は、軸方向長さ3.75mm(永久磁石2−1,2−2合計の軸方向長さ7.5mm)の永久磁石2−1により発生する誘起電圧であり、誘起電圧25は、軸方向長さ3.75mmの永久磁石2−2により発生する誘起電圧である。誘起電圧21の波形に対して、誘起電圧24、誘起電圧25は、位相がそれぞれ前後にずれた台形波状の波形となっている。このような誘起電圧を発生する永久磁石1と永久磁石2−1,2−2を組み合わせた回転子5を用いた同期電動機で生じる誘起電圧26は、図8に示すように、永久磁石1により発生する誘起電圧の波形よりもピーク付近が少し曲線を持った歪みの少ない波形となる。
永久磁石1および永久磁石2−1,2−2を用いた回転子の誘起電圧は、どちらも奇数倍の周波数の成分(高調波成分)を含んでいるが、合成する誘起電圧の位相をずらすことで、それぞれに含まれる周波数成分が打ち消し合うため、誘起電圧の歪みをより少なくすることができる。
誘起電圧の歪みが小さくなると、同期電動機の運転中のトルク脈動が小さくなるため、同期電動機の振動・騒音を小さくすることができる。
以上のように、本発明にかかる回転子および同期電動機は、コストを押させて大きな磁束を得ることが要求される同期電動機に有用である。
1,2−1,2−2 永久磁石
3 軟磁性材バックヨーク
4 回転軸
5 回転子
6 巻線
7 固定子
8 固定子鉄心
11〜13,21〜26 誘起電圧

Claims (6)

  1. 円環状の固定子鉄心を有する固定子と対向する回転子であって、
    外周側に配置された高磁力のラジアル配向の第1の永久磁石と前記第1の永久磁石の内周側に配置された軟磁性材料のバックヨークとを備える磁石部と、
    前記第1の永久磁石より磁力が低く極異方の配向がなされた円環状の第2および第3の永久磁石と、
    を備え、
    前記磁石部の軸方向の中心を固定子鉄心に対向する範囲の軸方向の中心としかつ前記磁石部の軸方向の厚さは前記固定子鉄心の軸方向の厚さ以下とし、
    前記第2および第3の永久磁石を、前記磁石部の軸方向の両端面にそれぞれ接するよう配置することを特徴とする回転子。
  2. 前記第2および第3の永久磁石は、前記第2および第3の永久磁石により発生する誘起電圧が略三角形状となるよう配向されることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
  3. 前記第2および第3の永久磁石は、前記第2および第3の永久磁石により発生する誘起電圧が台形状となるよう配向され、かつ前記第2および第3の永久磁石は、前記第2および第3の永久磁石により発生する誘起電圧の位相が前記第1の永久磁石により発生する誘起電圧の位相と互いに異なる方向にずれるように前記第1の永久磁石とそれぞれ磁極をずらして配置されることを特徴とする請求項1に記載の回転子。
  4. 前記第1の永久磁石を希土類磁石で構成することを特徴とする請求項1、2または3に記載の回転子。
  5. 前記第2および第3の永久磁石をフェライト磁石で構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の回転子。
  6. 円環状の固定子鉄心を有する固定子と、
    前記固定子に対向する請求項1〜5のいずれか1つに記載の回転子と、
    を備えることを特徴とする同期電動機。
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