JP5480683B2 - ヘリカル歯車の加工方法 - Google Patents
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Description
歯車ブランク材と刃具の組み合わせで加工する場合、一般的には最終歯形とはならず、歯面にうろこ状の微小な凹凸(ツールマーク)が残るため、歯面仕上げ工程が必要である。この歯面仕上げ工程では、シェービングカッタやねじ型砥石による歯車研磨などで歯面仕上げを行い、歯面粗さを改善し歯面精度を確保して、ギアノイズを低減している。
また、特許文献2と特許文献3は、歯面形状の測定分析技術を開示したものであり、ゴースト音の発生を未然に防止するためのカッタによる歯切りの加工仕様を創設するという課題は何ら開示されていない。
前記歯切りステップは、Z=H×N+Mにおいて、
前記M1が、M1=+2、+3、・・・、+(N−2)のいずれかの条件を満たし、
前記M2が、M2=−2、−3、・・・、−(N−2)のいずれかの条件を満たし、
かつ、前記(N−2)が、(N−2)≦H−2
であることを特徴とするカッタによるヘリカル歯車の加工方法である。
本発明は、例えば、カッタの条数が4条の場合は、Z=4×N±2の条件を満たす歯車の歯数とカッタの条数の組み合わせで歯切りし、カッタの条数が5条の場合は、Z=5×N±2またはZ=5×N±3の条件を満たす歯車の歯数とカッタの条数の組み合わせで歯切りし、カッタの条数が6条の場合は、Z=6×N±2またはZ=6×N±3またはZ=6×N±4の条件を満たす歯車の歯数とカッタの条数の組み合わせで歯切りする。
かかる構成によれば、作業者は、前記M1とM2の2つの条件を満たす前記歯数Zおよび前記条数Hとなる組み合わせの条件が迅速確実に認識できる。
ここで、カッタの条数が5条の場合には、Z=H×N1+Mにおいて、44=5×9−1であるから、M=M2=−1の条件を満たす。よって、この組み合わせでは、ゴースト音が発生する蓋然性が高いことが想定される。
よって、M=±1のいずれをも満たさないため、この組み合わせでは、ゴースト音が発生する蓋然性が低いことが想定される。
仕様判定ステップにおいて、歯数が44歯の歯車を条数が5条のカッタで歯切りする場合について、図2と図3を参照しながら説明する。参照する図2(a)は、並び順判定ステップを示し、歯車の第1歯(歯数1の欄)から第44歯(歯数44の欄)までの各歯面に形成されるツールマークの並び順を縦方向に並べて表示したものである。また、表の最下段がワークBL(図1(a)参照)の1周目の回転、その上がワークBLの2周目の回転のようにして順次表示する。図2(b)は、うねり形状判定ステップを示し、ツールマークの並び順に沿って各条の切込み深さの差を加味して歯面に形成される凹凸形状のうねりを概念的に示したものである。
以上のように、第1歯では、表の下からツールマーク1,5,4,3,2,の順で繰り返しながら歯切り加工が進められる。
具体的には、m=1.74、ねじれ角をβ=36度とすると、1歯噛み合い分長さδは、δ=3.14×1.74÷0.588≒9.30mmである。
例えば、V=1.5mm/sとすると、1歯噛み合い分長さδ内に含まれるツールマークの数Tは、T=9.3÷1.5=6.2個であるから、歯面の中央部分の6個分のツールマークを抽出して考察する。
しながら説明する。図3と図4は、ヘリカル歯車におけるねじれ方向、回転方向、および従動歯車か駆動歯車かの違いによる歯当たりの向きを説明するための図であり、図3は左ねじれ、図4は右ねじれを示す。
図3および図4において、Top側はエンジン等の駆動装置が連結される側、Bottom側はトランスミッション等の被駆動装置が連結される側を示し、回転方向はTop側から見て時計回りか反時計回りかを示す。また、歯元部をRoot、歯先部をTipとして示す。
従って、図3に示すように、左ねじれのヘリカル歯車が反時計回りに駆動回転する場合は(図3(b)参照)、対となる右ねじれのヘリカル歯車が時計回りに従動回転し(図3(a)参照)、双方歯車ともにL歯面が歯当たり面となり、左ねじれのヘリカル歯車は、図3(b)に示すように、Bottom側の歯元部RootからTop側の歯先部Tipまで対角線上に歯当たり進行する。対となる右ねじれのヘリカル歯車は、図3(a)に示すように、Bottom側の歯先部TipからTop側の歯元部Rootまで対角線上に歯当たり進行する。
Top側から見て右ねじれのヘリカル歯車を反時計回りに駆動回転する場合には(図4(a)参照)、対となる左ねじれのヘリカル歯車は時計回りに従動回転する(図4(b)参照)。この場合には、双方歯車ともにL歯面が歯当たり面となり、右ねじれのヘリカル歯車は、図4(a)に示すように、Top側の歯元部RootからBottom側の歯先部Tipまで対角線上に歯当たり進行する。対となる左ねじれのヘリカル歯車はTop側の歯先部TipからBottom側の歯元部Rootまで対角線上に歯当たり進行する。
左ねじれのヘリカル歯車を反時計回りに従動歯車として回転させた場合には、図5(a)に示すように、矢印Fの方向に歯当たりが進行する(図3(b)参照)。したがって、1歯噛み合い分長さδ内に含まれる6個分のツールマークに着目すると、太枠で囲った範囲となり、第1歯では、歯幅方向に沿って紙面上から下方向にツールマーク1,2,3,4,5,1と並ぶ(図5(a)参照)。
また、実際の歯当たりは、矢印Fの方向に進行するが、ツールマークの並び順は歯幅方向に沿って考察しても同様であるので、歯幅方向に沿って紙面における上から下方向に並んだツールマークに着目して考察する。
このため、実際の歯切り加工においては、カッタの回転中心C1がカッタの中心軸C2に対して第1条の歯部2a(図1参照)の方にずれていると想定すると、図5(b)に示すように、第1条目(第1条の歯部による加工)よりも第2条目の方が切り込み量が深くなり、第3条目と第4条目がさらに深くなり、第5条目が第2条目と同じ切込み量となる。
歯数が44歯の歯車を条数が6条のカッタで歯切りする場合について、主として図6を参照しながら説明する。図6の表の最下段は、歯車の第1歯から第6歯までがそれぞれカッタの第1条目から第6条目までで形成されるため、ツールマーク1〜6として表示する。第44歯は、第2条目で形成されたツールマーク2である。
同様に、第2歯でも、2,6,4,2,6,4の順であるから(図6(a))、ツールマーク2,6とツールマーク4の切込み量の差が大きいため、段差が比較的大きく連続的な滑らかさに欠けている。
歯数が44歯の歯車を条数が3条のカッタで歯切りする場合について、主として図7を参照しながら説明する。
図7の表の最下段は、歯車の第1歯から第3歯までがそれぞれカッタの第1条目から第3条目までで形成されるため、ツールマーク1〜3として表示する。第44歯は、第2条目で形成されたツールマーク2である。
このようにして、ワークBLが1回転すると、その間にカッタが歯面に沿って歯車の幅方向に送られるため(図1(a)参照)、第44歯に続く第1歯は、第3条目のツールマーク3が形成される(第1歯の下から2段目参照)。
そして、カッタの条番号ごとの切込み量の相対差を考慮すると、図7(c)から理解されるように、第1条目の切込み量と比較すると、第1条目よりも第2条目と第3条目の方が切り込み量が深くなっている。
ここで、カッタの送り速度Vを遅くして、1歯噛み合い分長さδ内に含まれるツールマーク数が7になるように調整すると、カッタの条番号ごとの切込み量の相対差のグラフは、図8(b)に示すように、第1歯では、ツールマーク1,2,3,1,2,3,1と並ぶ(図8(a)参照)。第2歯では、ツールマーク2,3,1,2,3,1,2と並び、第3歯では、ツールマーク3,1,2,3,1,2,3と並ぶ。
このような組み合わせの場合には、第1歯の歯面にはすべて第1条目によるツールマーク1が形成され、第2歯の歯面にはすべて第2条目によるツールマーク1が形成されるというように、カッタの条番号の固有の特性が特定の歯面にすべて反映されてしまう。このため、通常採用しない方が望ましい組み合わせであるので、前記したような等周期うねりは生じないが、このような組み合わせの詳細な説明は省略する。
このようにして、M1とM2の2つの条件を満たす歯数Zおよび条数Hとなる組み合わせを作業者が現場で迅速に認識できるように、案内手段である一覧表で表示しておくことは、効果的である。
なお、案内手段としては、一覧表の他、カードに記載して表示したり、箇条書きで記載したり、表示作業者が起動ボタンを押すと音声で案内したりすることができる。
すなわち、Z=H×N+Mと表し、M=±1のいずれかを満たすか否かを判定する仕様判定ステップを含むことで、ゴースト音が発生する可能性が高い加工仕様であるかどうかを判定して、ゴースト音が発生する可能性が高い加工仕様を予め回避することができる。
例えば、前記した実施形態においては、仕様判定ステップにおいて、M=±1のいずれかを満たすか否かを判定したが、仕様判定ステップは、具体的には、歯車の各歯面におけるカッタの1条目からH条目までの各条により形成されるツールマークの並び順がどのようになるかを判定する並び順判定ステップと、前記各条により形成されるツールマークにおける当該カッタの中心軸と回転軸との偏芯(ずれ)に起因する前記各条による切り込み深さの差を加味して、前記ツールマークが連続して並ぶことにより形成される前記歯面の凹凸形状(うねり)がサインカーブに近くなるような連続的な滑らかな(段差が小さい)規則性を有する単独のまたは等周期のうねり(等周期うねり)を形成するかどうかを判定するうねり形状判定ステップと、を有して構成することもできる。
3 歯車
N 任意の正の整数
M 残部整数部分
H カッタの条数
Z 歯車の歯数
m 歯直角モジュール
δ 1歯噛み合い分長さ
β ねじれ角
Claims (4)
- ヘリカル歯車である歯車の歯数をZ、前記歯車の歯面を切削するカッタの条数をH、任意の正の整数をN、残部整数部分をMとして、Z=H×N+Mと表し、
M=±1のいずれかを満たすか否かを判定する仕様判定ステップと、
M=±1のいずれをも満たさないように、
Z>H×Nを満たすNのうちの最大の整数であるN1に対応するMであるM1が、
M1>1であり、
Z<H×Nを満たすNのうちの最小の整数であるN2に対応するMであるM2が、
M2<1である
という前記M1とM2の2つの条件を満たす前記歯数Zおよび前記条数Hとなる組み合わせで歯切りする歯切りステップと、
を含み、
前記歯切りステップは、Z=H×N+Mにおいて、
前記M1が、M1=+2、+3、・・・、+(N−2)のいずれかの条件を満たし、
前記M2が、M2=−2、−3、・・・、−(N−2)のいずれかの条件を満たし、
かつ、前記(N−2)が、(N−2)≦H−2
であることを特徴とするヘリカル歯車の加工方法。 - 前記カッタの条数Hは、4条以上であることを特徴とする請求項1に記載のヘリカル歯車の加工方法。
- 前記歯切りステップにおける前記M1とM2の2つの条件を満たす前記歯数Zおよび前記条数Hとなる組み合わせの条件が認識できるように案内手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヘリカル歯車の加工方法。
- 前記案内手段は、前記組み合わせの条件を音声案内、一覧表で表示、カードに記載して表示、箇条書きで記載して表示したもののいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のヘリカル歯車の加工方法。
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