図1は、本発明に係るインターホンシステムの実施例1の構成を説明するシステム構成図である。実施例1は、本発明を戸建住戸に適用した実施例である。インターホンシステム1は、外部インターホンである玄関インターホン2と、玄関インターホンに接続された内部インターホンである住宅情報盤3とを備えている。住宅情報盤3は、インターネット5を介して宅配便会社6と接続されている。また住宅情報盤3には、玄関扉を開閉する電気錠7が接続されている。
玄関インターホン2は、戸外の画像を撮影するカメラ部21と、例えば12桁の数字を表示可能な表示部22と、操作部23と、マイク部24と、スピーカ部25とを備えている。
カメラ部21は、訪問者の画像や訪問者の身分証明書の画像を撮影するのに用いられる。操作部23は、1〜0の数字のテンキーと、「*」スイッチと、「#」スイッチと、「取消」スイッチと、「呼出」スイッチを備えている。操作部23は、宅配便の配達員が伝票番号を入力するのに利用され、入力された数字は表示部22に表示されて入力値の確認が可能となっている。マイク部24及びスピーカ部25は、住宅情報盤3の前にいる住戸内の利用者と訪問者とが会話するのに用いられる。
住宅情報盤3は、通常の内部インターホンに、それぞれ図示しない、火災検知器接続部、防犯センサ接続部、非常警報音発生部、を付加したものである。住宅情報盤3は、マイク部33及びスピーカ部34を備え、玄関インターホン2と通話可能となっている。また住宅情報盤3は、通話スイッチ45a及び解錠スイッチ45bを含む操作部45と、有機EL表示装置や液晶表示装置などを用いてカラー画像を表示可能な表示部46を備えている。
宅配便会社6は、インターネット5に接続された配達状況照会サーバ61と、配達状況照会サーバ61にそれぞれ接続された配達状況管理データベース62及び配達員データベース63を備えている。配達状況管理データベース62は、配達伝票毎に付与された伝票番号により、各配達物の状況を管理するデータベースであり、各配達物が、例えば、集荷先、集荷支店、配達支店、及び配達先からなる何れの地点またはこれらの地点間の区間にあるかをリアルタイムで更新されるようになっている。さらに、配達状況管理データベース62は、配達支店から配達先までは、当該配達伝票の配達物が何れの配達員によって配達されるかを配達員の識別番号により管理している。
配達員データベース63は、配達員の識別番号毎に配達員の属性情報を記憶するデータベースである。この配達員の属性情報には、配達員の顔写真の画像、配達員の身長が含まれる。
図2は、玄関インターホン2と住宅情報盤3の内部構成を説明するブロック図である。玄関インターホン2は、カメラ部21と、表示部22と、操作部23と、マイク部24と、スピーカ部25と、住宅情報盤3と接続するための接続インターフェース部(以下、接続I/F部と略す)26と、制御部27とを備えている。カメラ部21からスピーカ部25までは、図1で説明済みである。接続I/F部26は、カメラ部21が撮影した戸外の画像を変換した画像信号と、マイク部24に入力した音声を変換した音声信号と、その他の制御信号とを多重化して住宅情報盤3へ送信するとともに、住宅情報盤3からスピーカ部25へ出力する音声信号を受信する。制御部27は、接続I/F部26の多重化通信を制御するとともに、操作部23からの入力信号、表示部22への出力信号を処理する。
住宅情報盤3は、接続I/F部31と、通話制御部32と、マイク部33と、スピーカ部34と、照合情報保持部35と、画像解析部36と、宅配便会社URL記憶部37と、変換生成部38と、参照情報取得部42と、参照情報記憶部43と、ユーザI/F部44と、操作部45と、表示部46と、電気錠制御部47とを備えている。
尚、特に限定されないが本実施例では、住宅情報盤3のマイク部33,スピーカ部34,表示部46,操作部45,電気錠制御部47を除く部分は、CPUと、ROMと、RAMと、不揮発性RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。そして、ROMに格納された制御プログラムをCPUが実行することにより、住宅情報盤3の機能が実現されている。
接続I/F部31は、玄関インターホン2の接続I/F部26と接続し、画像信号、音声信号、制御信号の多重化通信を行う。
通話制御部32は、マイク部33が入力音声を変換した音声信号を入力して、接続I/F部31へ出力するとともに、接続I/F部31から入力した音声信号をスピーカ部34へ出力する。また通話制御部32は、同時双方向通話時のハウリングを除去する信号処理も行う。
照合情報保持部35は、玄関インターホン2のカメラ部21が撮影した画像を接続I/F部26,接続I/F部31を介して取得し一時保持する。そして保持した画像を画像解析部36とユーザI/F部44と変換生成部38へ送る。また、照合情報保持部35は、玄関インターホン2の操作部23から入力された伝票番号を接続I/F部26、接続I/F部31を介して取得し、後述する参照情報取得部42へ送る。
画像解析部36は、カメラ部21が撮影した身分証明書画像を画像解析して、いずれの宅配便会社の身分証明書であるかを特定する。このため、画像解析部36は、周知の文字認識アルゴリズム及び会社名を抽出するための文字列抽出アルゴリズムを備えている。そして画像解析部36は、特定した宅配便会社名を宅配便会社URL記憶部37へ送信する。
宅配便会社URL記憶部37は、予め宅配便会社毎に配達状況照会サーバへアクセスするためのインターネット上のアドレスであるURL(Uniform Resource Locator,統一資源位置指定子)を宅配便会社名と対にして記憶している。宅配便会社URL記憶部37の記憶情報は、住宅情報盤3の操作部45及び表示部46を使用してユーザが設定できるようにしてもよいし、インターホンシステムの販売元がインターネット経由で住宅情報盤3へ記憶させるようにしてもよい。宅配便会社URL記憶部37は、画像解析部36から受信した宅配便会社名を用いて記憶内容を検索し、宅配便会社の配達状況照会サーバへアクセスするためのURLを読み出し、読み出したURLを参照情報取得部42へ送信する。
参照情報取得部42は、宅配便会社URL記憶部37から受信した宅配便会社のURLと、照合情報保持部35から受信した参照IDである伝票番号とを用いて、宅配便会社6の配達状況照会サーバ61に当該伝票番号の配達物の配達状況の照会を送信する。配達状況照会サーバ61は、この配達状況の照会の結果として、当該伝票番号の配達物の配達状況と、当該配達物を担当する配達員の氏名及び配達員画像を照会結果として返信する。
尚、配達状況照会サーバ61は、照会結果として返信する配達員の氏名及び配達員画像に電子署名を付与することが好ましい。電子署名は、公開鍵暗号方式によりデジタル署名を行う仕組みである。電子署名が付与される場合、参照情報取得部42は、電子署名検証機能を備えることが好ましい。この場合、参照情報取得部42は、配達状況照会サーバの公開鍵により、照会結果として返信された内容の正当性を検証することができるので、偽造した照合情報を提示して、偽の宅配業者のサーバにアクセスさせて成りすますような不正行為を防止することができる。
参照情報記憶部43は、参照情報取得部42が取得した配達員画像を取得した時刻及び宅配便会社名と共に記憶する。
参照情報取得部42が配達員画像を取得したとき、ユーザI/F部44は、同じ配達員画像が既に参照情報記憶部43に記憶されている場合、前回の日時とともに同じ配達員が訪問した旨を表示部へ表示させることが好ましい。このような配達員訪問履歴を表示させることにより、配達員の来訪歴が分かり、利用者に安心感を与えることができるとともに、訪問者と配達員の比較判断が容易となるという効果がある。
変換生成部38は、玄関インターホン2のカメラ部21が取得した訪問者画像と、参照情報取得部42がインターネット5を介して宅配便会社6から取得した配達員画像とに基づいて比較画像を生成する構成要素である。
変換生成部38は、照合情報変換部39と、参照情報変換部40と、比較情報生成部41とを備える。照合情報変換部39は、照合情報保持部35が保持した訪問者画像を配達員画像と比較しやすいように変換する。参照情報変換部40は、参照情報取得部42が取得した配達員画像を訪問者画像と比較しやすいように変換する。比較情報生成部41は、照合情報変換部39が変換した訪問者画像と、参照情報変換部40が変換した配達員画像とを横並びに配置した比較情報を生成し、生成した比較情報をユーザI/F部44を介して、表示部46へ表示する。
図5(a)は配達員画像の例、図5(b)は訪問者画像の例、図5(c)は比較画像の例を示す。図5(c)において、比較画像100は、左側の配達員画像部101と、右側の訪問者画像部102からなり、各画像の特徴点として、眼の位置と顎の位置とが配達員画像部101と訪問者画像部102とで揃うように生成されている。図5(c)中の直線103が眼の位置の高さを示す線であり、直線104が顎の位置を示す線である。画像の特徴点は、図5の眼の位置、顎の位置に限らず、口の位置や鼻の位置でもよい。
ユーザI/F部44は、利用者による操作部45からの入力受付を制御するとともに、表示部へ訪問者画像及び比較画像の出力を制御する。さらにユーザI/F部44は、対話型形式で表示部46に入力メニューを表示したり、操作部45のスイッチの機能を表示する。またユーザI/F部44は、解錠スイッチ45bが操作されたときに、電気錠制御部47に電気錠7を解錠させる解錠信号を出力する。
操作部45は、住宅情報盤の下部の設けられた通話スイッチ45aと、表示部46の左右に配置された複数の操作スイッチを備える。この複数の操作スイッチには、解錠スイッチ45bが含まれる。通話スイッチ45aは、玄関インターホン2からの呼出信号に応じて、住宅情報盤3が呼出音を発生したときに、この呼出音を停止させると共に、住宅情報盤3と玄関インターホン2とを通話可能な状態にするスイッチである。解錠スイッチ45bは、電気錠7を解錠させるスイッチである。
次に、図3、図4、図9の制御フローチャートを参照して、本実施例のインターホンシステムの動作を説明する。図3において、左側のフローが玄関インターホン2の動作を示し、中央のフローが住宅情報盤3の動作を示し、右側のフローが宅配便会社の配達状況照会サーバ61の動作を示している。
最初に、ステップ(以下、ステップをSと略す)6において、玄関インターホン2は「呼出」スイッチの押下待ちの状態で待機している。「呼出」スイッチが押下されると、S6の判定がYとなり、S8へ進み、玄関インターホン2は、住宅情報盤3に対して制御信号として呼出信号を送信する。
ここで、普通の訪問者と、宅配便の配達員による呼出とを区別するために、玄関インターホン2には、例えば、『宅配便の方は「*」と「呼出」を押してください』と表示しておくもとのする。「呼出」スイッチが押下される直前に「*」スイッチが押されているか、或いは、「呼出」スイッチと「*」スイッチが同時に押されていれば、配達員による呼出であると特定することができる。これにより、玄関インターホン2は、普通の訪問者による呼出と、宅配便の配達員(或いは配達員を装った訪問者)による呼出とを区別できる。そして、玄関インターホン2から住宅情報盤3へ送信する呼出信号は、配達員の呼出による呼出信号と、配達員以外の呼出による呼出信号とを異ならせるものとする。
尚、宅配便の配達員による呼出を特定するために、玄関インターホン2の操作部23に、「宅配呼出」と表記した特別の呼出スイッチを設けてもよい。
住宅情報盤3は、S10で玄関インターホン2から呼出信号を受信すると、S12で呼出音を発生し、S14で呼出信号に基づいて、配達員の呼出か否かを判定する。配達員の呼出でなければ、通常のインターホン処理として、通話スイッチ45aの押下待ちの状態となる。尚、フローチャートには図示しないが、通話スイッチ45aが押下されると、住宅情報盤3は、呼出音を停止し、玄関インターホン2と通話可能な状態とするとともに、表示部46に玄関インターホン2のカメラ部21が撮影した画像を表示する。これにより住戸人は、訪問者の画像を見ながら訪問者と会話可能となる。
S14の判定において、配達員の呼出であれば、住宅情報盤3は、S16で訪問者に照合情報の入力を促す照合情報提示指示を玄関インターホン2へ送信する。S18では、玄関インターホン2が照合情報提示指示を受信し、次いでS20で玄関インターホン2は、照合情報提示指示を音声に変換してスピーカ部25から音声案内として出力する。この音声案内は、例えば、『宅配便の方は、カメラに身分証明書を示した後に、配達物の伝票番号をテンキーから入力し、最後に「*」を押して下さい。』というように、身分証明書(以下、IDカード)の提示と、伝票番号入力を促す内容とする。この自動受付機能により、利用者は、配達員に対して照合情報の入力を促す必要がなくなり、利便性が向上する。
次いでS22で、玄関インターホン2は、カメラ部21でIDカードの撮影と、操作部23からの伝票番号入力を受け付ける。S24では、玄関インターホン2は、入力完了か否かを判断する。具体的には、カメラ部21でIDカードの撮影ができて、且つ、操作部23から伝票番号の数字の入力後に、「*」の入力があれば、入力完了と判断する。入力完了でなければ、S22へ戻る。
S24の判定で入力完了であれば、玄関インターホン2は、S26へ進み、カメラ部21が撮影した訪問者画像及びIDカード画像と、操作部23から入力された伝票番号とを照合情報として、住宅情報盤3へ送信する。
S28では、住宅情報盤3は、訪問者画像及びIDカード画像と、伝票番号とを照合情報として玄関インターホン2から受信する。このとき、住宅情報盤3の接続I/F部31は、訪問者画像及びIDカード画像と、伝票番号とを照合情報として、照合情報保持部35へ引き渡し、照合情報保持部35は、これらの照合情報を一時記憶する。さらに照合情報保持部35に記憶されたIDカード画像は、画像解析部36から読み出し可能となっている。
次いでS30で、画像解析部36は、IDカード画像を画像解析して、このIDカードの発行元の宅配便会社を特定する。このため、画像解析部36は、周知の文字認識機構を備え、IDカード画像から抽出した文字とその配置に基づいて、宅配便会社を特定する。画像解析部36は、宅配便会社を特定すると、宅配便会社名を宅配便会社URL記憶部37へ出力する。宅配便会社URL記憶部37は、宅配便会社名を用いて記憶内容を検索し、宅配便会社の配達状況照会サーバへアクセスするためのURLを読み出し、読み出したURLを参照情報取得部42へ送信する。
次いでS32で、参照情報取得部42は、宅配便会社のURLと、伝票番号とを用いて、インターネット5を介して宅配便会社6の配達状況照会サーバ61に当該伝票番号の配達物の配達状況の照会を送信する。
S34では、宅配便会社6の配達状況照会サーバ61は、配達状況の照会を受信する。次いでS36で、配達状況照会サーバ61は、伝票番号により配達状況管理データベース62を検索して、当該伝票番号の荷物の配達状況を読み出す。この配達状況が配達支店から配達先への配送中を示すものであれば、配達状況管理データベース62には、当該伝票番号の荷物の配達を担当する配達員識別番号が格納されているので、配達員識別番号が配達状況とともに同時に読み出される。次いでS38で、配達状況照会サーバ61は、配達員識別番号に基づいて配達員データベース63を検索して、前記配達員識別番号が付与された配達員の配達員画像を読み出し、配達状況とともに、配達員画像をインターネット5を介して住宅情報盤3へ送信する。
S40では、住宅情報盤3の参照情報取得部42は、配達状況と配達員画像とを参照情報として受信する。次いでS42では、参照情報取得部42は、配達状況が配達支店から配達先への配送中か否かを判定する。配送中でなければ、参照情報取得部42は、ユーザI/F部44に配達状況異常処理を行わせる。配達状況異常処理は、例えば、表示部46へ、宅配便会社名とともに配達状況が異常である旨を表示させたり、宅配便会社への問い合わせ電話番号を表示させたりする。この電話番号は、宅配便会社URL記憶部37に予め記憶させて置き、ユーザI/F部44が読み出してもよい。
S42の判定で、配達状況が配送中であれば、参照情報取得部42は、配達員画像を変換生成部38へ転送する。次いでS44で、変換情報生成部38は、訪問者画像と配達員画像との特徴点を揃えて、横並びに配置した比較画像を生成し、ユーザI/F部44を介して表示部46へ表示する。
図9は、S44における変換情報生成部38の比較画像生成の詳細内容例を説明する制御フローチャートである。まずS140で、画像の2値化を行う。画像の2値化は、参照情報変換部40における参照情報である配達員画像の2値化と、照合情報変換部39における照合情報である訪問者画像の2値化とが行われる。次いでS142で、2値化した画像からエッジ検出が行われる。このエッジ検出も参照情報変換部40による配達員の2値化画像のエッジ検出と、照合情報変換部39による訪問者の2値化画像のエッジ検出が行われる。次いでS144で、エッジ検出に基づいて画像の特徴点として、例えば、眼、口等を検出する。この特徴点検出も参照情報変換部40による特徴点検出と、照合情報変換部39による特徴点検出が行われる。
次いでS146で、配達員画像と訪問者画像との眼と口の位置の高さがそれぞれ一致するように、2値化する前の配達員画像と2値化する前の訪問者画像のそれぞれの画像の位置、画像のサイズを変更する。このとき、配達員画像の眼と口の位置に訪問者画像の眼と口の位置を揃えるのが好ましい。さらに、図10に示すような、人を表現した基準画像を予め記憶しておき、この基準画像に、配達員画像及び訪問者画像の特徴点の位置が一致するように画像変換してもよい。
図10(a)は人の顔を表現した基準画像の例、(b)は、人の眼を表現した基準画像の例、(c)は、人の上半身を表現した基準画像の例である。表示範囲の異なる複数タイプの基準画像を備える場合には、ユーザI/F部44が対話形式で表示部46に複数のタイプを表示させ、ユーザが選択したタイプを操作部45から入力可能とするのが好ましい。この場合、ユーザI/F部44は、入力されたタイプに応じて、配達員画像と訪問者画像といずれの特徴点を揃えるかを示す照合モードを変換生成部38へ指示するものとする。
次いでS148で、変換生成部38は、訪問者画像の背景を配達員画像の背景に一致させる背景色の一致処理を行う。次いでS150で、照合情報変換部39は、訪問者画像の明るさと色合いを、配達員画像の明るさ、色合いに合わせるように画像調整する。次いでS152で、比較情報生成部41は、以上の調整された訪問者画像と配達員画像とを左右に横並びに配置した比較画像を生成し、表示部46へ表示させる。
ここで、参照情報取得部42が配達状況照会サーバ61から配達員画像以外の配達員属性情報、例えば、配達員の身長、髪の毛の色、眼の色等の属性情報を取得可能な場合について説明する。この場合には、照合情報を解析する画像解析部36に、訪問者画像から、訪問者の身長、髪の毛の色、眼の色等を解析する画像解析プログラムを備えることが好ましい。そして、配達状況照会サーバ61から取得した配達員の身長、髪の毛の色、眼の色と、画像解析部36が訪問者画像から解析した訪問者の身長、髪の毛の色、眼の色を表示部46の一部に表示するのが好ましい。これらの属性情報の表示により、訪問者が真正の配達員であるかをより一層容易に判断することができる。
図4に戻って、S44の比較画像の表示において、ユーザI/F部44は、比較画像と共に、表示部46へ比較画像の何れの特徴点に注目して照合すればよいかを音声メッセージでスピーカ部34から出力するようにしてもよい。またユーザI/F部44は、不審者の対応方法を示すメッセージを表示部46の一部に表示してもよい。
ここで利用者は、表示部46に表示された比較画像をみて、解錠するか、或いは不審者として対応するかを決める。そして、解錠スイッチ45bを操作するか、不審者登録の指示を操作部45から行う。
次いでS46で、操作部45から解錠スイッチ45bの入力があれば、S48でユーザI/F部44は、電気錠制御部47から電気錠7へ解錠信号を出力させて、処理を終了する。S46で操作部45から解錠スイッチの入力ではない場合、S50で不審者画像登録の指示が入力されれば、S52において、ユーザI/F部44は、日時情報と共に、訪問者画像、IDカード画像をユーザI/F部44の内部に記憶させて処理を終了する。このとき、配達員画像及び比較画像を更に記憶するようにしてもよい。この記憶内容は、操作部45の操作により、任意に読み出して表示部46で表示できるのが好ましい。S50の判定で、不審者画像登録の指示でなければ、それぞれの指示に従って、その他の処理が行われる。
図6は、本発明に係るインターホンシステムの実施例2の構成を説明するシステム構成図である。実施例2は、本発明に係るインターホンシステムをマンション(集合住宅)に適用した実施例であり、配達員が宅配業者コード番号と伝票番号とをロビーインターホン9の操作部23から入力する実施例である。
インターホンシステム1は、マンション共有部8に設けられた外部インターホンであるロビーインターホン9と、マンションの各戸の内部に設けられた内部インターホンである住宅情報盤3とを備えている。
またマンション共有部8は、映像制御盤10と、統合盤11と、マンション共有部の入口の電気錠であるオートロック12と、マンションゲートウェイ13と、マンションゲートウェイ13に内蔵された配達員照会部14とを備えている。
ロビーインターホン9は、実施例1の玄関インターホン2に相当する構成要素であり、玄関インターホン2と同等の機能を備えている。ロビーインターホン9は、カメラ部21と、表示部22と、操作部23と、マイク部24と、スピーカ部25とを備えていて、実施例1の玄関インターホン2の構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
映像制御盤10は、ロビーインターホン9、統合盤11、配達員照会部14及び各戸の住宅情報盤3に接続されている。映像制御盤10は、ロビーインターホン9と、住宅情報盤3と、マンションゲートウェイ13との間の、画像信号、音声信号及び制御信号を中継制御する構成要素である。映像制御盤10は、ロビーインターホン9のカメラ部21が撮影した訪問者画像を配達員照会部14及び住宅情報盤3へ送信する。また映像制御盤10は、ロビーインターホン9と住宅情報盤3との通話のための音声信号を中継する。
さらに映像制御盤10は、各戸の住宅情報盤3と、配達員照会部14とに接続されている。そして、配達員照会部14の内部に記憶された配達員画像は、映像制御盤10を介して、各戸の住宅情報盤3の表示部へ表示可能となっている。これにより、配達員の画像を他の住宅情報盤と共有することができるので、集合住宅等で配達員の画像を共有し、他のインターホンシステムの利用者についても訪問者と配達員の比較判断が容易となるという効果がある。
統合盤11は、映像制御盤10と、オートロック11とマンションゲートウェイ13に接続されている。また統合盤11は、オートロック12の解錠制御も行う。
配達員照会部14は、インターネット5に接続されている。また宅配便会社6は、インターネット5に接続された配達状況照会サーバ61と、配達状況照会サーバ61にそれぞれ接続された配達状況管理データベース62及び配達員データベース63を備えている。
配達員照会部14は、実施例1の図2における、照合情報保持部35、変換生成部38、参照情報取得部42、参照情報記憶部43及びユーザI/F部44を合わせた構成要素に相当し、同等の機能を備えている。即ち、配達員照会部14は、ロビーインターホン9のカメラ部21が撮影した訪問者画像を配達員画像と比較しやすいように変換するとともに、宅配便会社6から取得した配達員画像を訪問者画像と比較しやすいように変換する。そして、配達員照会部14は、変換した訪問者画像と、変換した配達員画像とを横並びに配置した比較情報を生成し、生成した比較情報を住宅情報盤3の図示しない表示部へ表示する。本実施例では、マンション共有部に配達員照会部を備えることにより、各戸の住宅情報盤の構成を簡略化し、製造原価の上昇を抑制することができる。
次に、図7,8の制御フローチャートを参照して、本実施例のインターホンシステムの動作を説明する。図7において、左側のフローがロビーインターホン9の動作を示し、中央のフローがマンションゲートウェイ13及び住宅情報盤3の動作を示し、右側のフローが宅配便会社6の配達状況照会サーバ61の動作を示している。
最初に、S56において、ロビーインターホン9は「呼出」スイッチの押下待ちの状態で待機している。「呼出」スイッチが押下されると、S56の判定がYesとなり、S58へ進み、ロビーインターホン9は、映像制御盤10を介して、選択された部屋番号の住宅情報盤3に対して制御信号として呼出信号を送信するとともに、マンションゲートウェイ13に対して、呼出信号を送信する。
ここで、普通の訪問者と、宅配便の配達員による呼出とを区別するために、ロビーインターホン9には、例えば、『宅配便の方は「*」と「呼出」を押してください』と表示しておくもとのする。「呼出」スイッチが押下される直前に「*」スイッチが押されているか、或いは、「呼出」スイッチと「*」スイッチが同時に押されてれば、配達員による呼出であると特定することができる。これにより、ロビーインターホン9は、普通の訪問者による呼出と、宅配便の配達員(或いは配達員を装った訪問者)による呼出とを区別できる。そして、ロビーインターホン9からマンションゲートウェイ13へ送信する呼出信号は、配達員の呼出による呼出信号と、配達員以外の呼出による呼出信号とを異ならせるものとする。
住宅情報盤3は、S60でロビーインターホン9から呼出信号を受信すると、S62で呼出音を発生する。次いでS64で、マンションゲートウェイ13は、呼出信号に基づいて、配達員の呼出か否かを判定する。配達員の呼出でなければ、マンションゲートウェイ13は、何もしない。
S64の判定において、配達員の呼出であれば、マンションゲートウェイ13は、S66で訪問者に照合情報の入力を促す照合情報提示指示をロビーインターホン9へ送信する。S68では、ロビーインターホン9が照合情報提示指示を受信し、次いでS70でロビーインターホン9は、照合情報提示指示の音声信号を音声に変換して、スピーカ部25から音声として出力する。この音声案内は、例えば、『宅配便の方は、宅配業者コード番号をテンキーから入力した後に「#」を押し、伝票番号をテンキーから入力した後に「*」を押して下さい。』というように、宅配業者コードと伝票番号の入力を促す内容とする。この自動受付機能により、利用者は、配達員に対して照合情報の入力を促す必要がなくなり、利便性が向上する。
次いでS72で、ロビーインターホン9は、操作部23からの宅配業者コード番号と伝票番号の入力を受け付ける。S74では、ロビーインターホン9は、入力完了か否かを判断する。具体的には、宅配業者コード番号の後に、「#」の入力があり、且つ、伝票番号の数字の入力後に、「*」の入力があれば、入力完了と判断する。入力完了でなければ、S72へ戻る。
S74の判定で入力完了であれば、ロビーインターホン9は、S76へ進み、操作部23から入力された宅配業者コード番号と伝票番号とを照合情報として、マンションゲートウェイ13へ送信する。
S78では、マンションゲートウェイ13は、ロビーインターホン9から宅配業者コード番号と伝票番号とを照合情報としてロビーインターホン9から受信する。次いで宅配業者コード番号により配達員照会部14の内蔵記憶部を検索して、宅配便会社のURLを求め、宅配便会社のURLと、伝票番号とを用いて、インターネット5を介して宅配便会社6の配達状況照会サーバ61に当該伝票番号の配達物の配達状況の照会を送信する。
S80では、宅配便会社6の配達状況照会サーバ61は、配達状況の照会を受信する。次いでS82で、配達状況照会サーバ61は、伝票番号により配達状況管理データベース62を検索して、当該伝票番号の荷物の配達状況を読み出す。この配達状況が配達支店から配達先への配送中を示すものであれば、配達状況管理データベース62には、当該伝票番号の荷物の配達を担当する配達員識別番号が格納されている。従って、配達状況が配達支店から配達先への配送中であれば、配達状況と共にとともに配達員識別番号が同時に読出される。次いでS84で、配達状況照会サーバ61は、配達員識別番号により配達員データベース63を検索して、当該配達員識別番号の配達員画像を読出し、配達状況とともに、配達員画像をインターネット5を介してマンションゲートウェイ13へ送信する。
S86では、マンションゲートウェイ13の配達員照会部14は、配達状況と配達員画像とを参照情報として受信する。次いでS88では、配達員照会部14は、配達状況が配達支店から配達先への配送中か否かを判定する。配送中でなければ、配達員照会部14は、配達状況異常処理を行う。配達状況異常処理は、例えば、住宅情報盤3の表示部へ、宅配便会社名とともに配達状況が異常である旨を表示させたり、宅配便会社への問い合わせ電話番号を表示させたりする。この電話番号は、配達員照会部14に予め記憶させておいて、必要に応じて読み出してもよい。このとき同時に、マンション共有部8に管理人が常駐するシステムであれば、統合盤11に配達員状況異常の旨を通知したり、マンション管理会社或いはマンション警備会社へ連絡してもよい。
S88の判定で、配達状況が配送中であれば、S90で配達員照会部14は、訪問者画像と配達員画像との特徴点を揃えて、横並びに配置した比較画像を生成し、住宅情報盤3の表示部へ表示する。S90の処理内容の詳細は、図9を参照して実施例1において説明した処理内容と同様であるので、本実施例では記述を省略する。
次いでS92で、住宅情報盤3から解錠スイッチの入力があれば、S94で配達員照会部14は、統合盤11からオートロック12へ解錠信号を出力させて、処理を終了する。S92の判定で解錠スイッチの入力ではない場合、S96で不審者画像登録の指示が入力されれば、S98において、配達員照会部14は、日時情報と共に、訪問者画像、入力された宅配業者コード番号及び伝票番号を配達員照会部14の内部に記憶させて処理を終了する。このとき、配達員画像及び比較画像を更に記憶するようにしてもよい。この記憶内容は、住宅情報盤3の操作により、任意に読み出して表示できるのが好ましい。S96の判定で、不審者画像登録の指示でなければ、適宜その他の処理が行われるものとする。
以上、好ましい実施例を説明したが、これらは、本発明を限定するものではない。これらの実施例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。