JP5467853B2 - ウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物、ウエハレベルレンズ、及びカメラモジュール - Google Patents
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Description
一方、遮光性の領域を形成する際に、LCDのブラックマトリックスなどに使用されるカーボンブラックを用いた感光性樹脂組成物(遮光性組成物)を塗設する方法が使用されることもある。
即ち、本発明は、可視領域から赤外領域までの広い範囲での遮光性を有し、硬化膜のガラス基板への密着性が良好で、レンズ上の残渣が少ない遮光膜を形成しうるウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を提供することを目的とする。
また、本発明のさらなる目的は、本発明の黒色硬化性組成物を用いることで、ノイズ発生が防止され、画質が向上し、簡易に製造しうるウエハレベルレンズ、および該ウエハレベルレンズを備えるカメラモジュールを提供することにある。
<1> (A)チタンブラック、(B)下記一般式(I)で表わされる樹脂、(C)重合開始剤、および(D)重合性化合物、を含有するウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<4> 前記一般式(I)中のPにおける酸基が、カルボキシル基である<1>〜<3>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<5> さらに、(E)有機顔料を含有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
<7> <6>に記載のウエハレベルレンズを備えるカメラモジュール。
この原因は不明であるが、以下のように推測される。レンズ上の残渣をなくすには、レンズと黒色硬化性組成物の親和性を小さくする必要がある。特定構造の樹脂は、親和部(特定構造の樹脂の〔(P)m−B−〕の部位)が小さいので、レンズへの親和性は小さいと考えられ、これによってレンズ上の残渣が少なくなるものと考えられる。一方、ガラス基板上への密着性は、上記の親和部位が寄与し、mが2以上、つまり多価の酸基を有することにより、黒色硬化性組成物のガラス基板への親和性が向上し、密着性が向上したものと考えられる。また、mが2以上であり、且つ小さい親和部位を有することにより、無機顔料の分散時に生じる無機顔料の新表面に、特定構造の樹脂が素早く吸着するので無機顔料同士の凝集を抑制でき、且つ親溶剤性基による立体反発により、無機顔料の分散安定性が確保されるものと考えられ、無機顔料の分散性が向上したものと推定される。
また、本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を用いることで、ノイズ発生が防止され、画質が向上し、簡易に製造しうるウエハレベルレンズ、および該ウエハレベルレンズを備えるカメラモジュールを提供することができる。
本発明のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物(以下、適宜、黒色硬化性組成物という。)は、(A)無機顔料、(B)下記一般式(I)で表わされる樹脂(以下、適宜「特定樹脂」と称する。)、(C)重合開始剤、および(D)重合性化合物、を含有することを特徴とする。
以下、本発明の黒色硬化性組成物に含まれる各成分について順次説明する。
本発明に用いられる(A)無機顔料としては、可視光から赤外線までの遮光性を発現するべく、可視光領域から赤外線領域まで吸光度を有する顔料が好ましい。(A)無機顔料としては、金属単体からなる顔料、金属酸化物、金属錯塩等から選ばれる金属化合物からなる顔料などを挙げることができる。
具体的には、例えば、亜鉛華、鉛白、リトポン、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、沈降性硫酸バリウム、バライト粉、鉛丹、酸化鉄赤、黄鉛、亜鉛黄(亜鉛黄1種、亜鉛黄2種)、ウルトラマリン青、プロシア青(フェロシアン化鉄カリ)、ジルコングレー、プラセオジムイエロー、クロムチタンイエロー、クロムグリーン、ピーコック、ビクトリアグリーン、紺青(プルシアンブルーとは無関係)、バナジウムジルコニウム青、クロム錫ピンク、陶試紅、およびサーモンピンク等が挙げられる。また、黒色の無機顔料としては、Co、Cr、Cu、Mn,Ru、Fe、Ni、Sn、Ti及びAgからなる群より選ばれた1種又は2種以上の金属元素を含む金属酸化物、金属窒素物が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、また、2種以上の混合物として用いることもできる。
特に、可視光領域から赤外線領域までの広い波長域での遮光性を実現する目的で、単独のみならず、複数種の顔料を混合し、使用することが可能である。
本発明においてチタンブラックとは、チタン原子を有する黒色粒子である。好ましくは低次酸化チタンや酸窒化チタン等である。チタンブラック粒子は、分散性向上、凝集性抑制などの目的で必要に応じ、表面を修飾することが可能であり、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムで被覆することが可能であり、また、特開2007−302836号公報に示されるような撥水性物質での処理も可能である。
また、前記チタンブラックは、分散性、着色性等を調整する目的でCu、Fe、Mn、V、Ni等の複合酸化物、酸化コバルト、酸化鉄、カーボンブラック、アニリンブラック等の黒色顔料を1種あるいは2種以上の組み合わせで含有してもよく、この場合、無機顔料の50質量%以上がチタンブラックであることが好ましい。
チタンブラックの比表面積は、とくに限定がないが、BET法にて測定した値が通常5〜150m2/g程度、特に20〜100m2/g程度であることが好ましい。
本発明の黒色硬化性組成物には、(A)無機顔料は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、後述するように、遮光性の調整等を目的として、有機顔料や染料などを所望により併用してもよい。
本発明の黒色硬化性組成物は、(B)下記一般式(I)で表わされる樹脂(=特定樹脂)を含有する。
具体的には、Qは下記に示す一般式(I−A)、一般式(I−B)、一般式(I−C)及び一般式(I−D)で表される群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含むことが好ましい。
このため特に、本発明における特定樹脂は、下記一般式(II−1)又は(II−2)で表されることが好ましい。
p1は2以上10以下の整数を表し、q1は2以上10以下の整数を表す。
なお、(II-1-1)におけるaは20であり、(II-1-2)におけるaは15、bは5であり、(II-1-3)におけるaは15、bは5であり、(II-1-4)におけるaは10であり、(II-1-5)におけるaは30であり、(II-1-6)におけるaは40であり、(II-1-7)におけるaは30であり、(II-1-8)におけるaは10である。また、(II-2-1)におけるbは60であり、(II-2-2)におけるbは60であり、(II-2-3)におけるbは60であり、(II-2-4)におけるbは60である。
また、特定樹脂の重量平均分子量は、2,000〜50,000が好ましく、3,000〜40,000がさらに好ましく、5,000〜30,000が最も好ましい。この範囲にあることで分散性が良好となる。
その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーも分散剤として好適に挙げられる。
顔料分散物への溶解性、分散性、現像性の観点から最も好ましくは、ポリエステル鎖がポリカプロラクトン側鎖であり、カルボン酸基を有する樹脂が好ましい。
本発明の黒色硬化性組成物は、(C)重合開始剤を含有する。本発明の黒色硬化性組成物における重合開始剤は、光や熱により分解し、後述する重合性化合物の重合を開始、促進する化合物であり、波長300〜500nmの領域に吸収を有するものであることが好ましい。
具体的には、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が挙げられるが、特にオキシムエステル化合物及びヘキサアリールビイミダゾール系化合物が残渣及び基板密着性の観点から好ましい。
より具体的には、例えば、特開2006−78749号公報の段落番号[0081]〜[0100]、[0101]〜[0139]等に記載される重合開始剤が挙げられる。
本発明においては365nmや405nm等の近紫外領域の吸収が小さいオキシムエステル化合物でも、増感剤と併用することによって著しく高感度化され実用的な感度まで到達することができる。
以下、オキシムエステル化合物の具体例を示す。
やチオール系化合物があげられ、チオール系化合物としては、2-メルカプトベンゾチア
ゾール、2-メルカプト-1-フェニルベンズイミダゾール、3-メルカプトプロピオン酸、などを単独または2種以上混合して使用することができる。特に、ヘキサアリールビイミダゾール化合物とチオール系化合物を組み合わせて用いることが、残渣及び密着性の観点から好ましい。
本発明の黒色硬化性組成物は、(D)重合性化合物を含有する。
(D)重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましい。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた黒色硬化性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)
、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
本発明に用いられる重合性化合物としては、4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
重合性化合物の黒色硬化性組成物中における含有量としては、質量換算で全固形分100部に対して、3〜55部が好ましく、より好ましくは10〜50部である。重合性化合物の含有量が前記範囲内において、十分な硬化反応が進行する。
本発明の黒色硬化性組成物には、前記(A)〜(D)の必須成分及びその他の顔料分散剤に加え、必要に応じて以下に記載する種々の化合物を使用することができる。
本発明では、所望の遮光性を発現させるべく、公知の(E)有機顔料、または染料などの無機顔料以外の着色剤を併用することが可能である。
併用することができる着色剤としては、(E)有機顔料では、例えば、特開2008−224982号公報段落番号〔0030〕〜〔0044〕に記載の顔料や、C.I.Pigment Green 58、C.I.Pigment Blue 79のCl置換基をOHに変更したものなどが挙げられ、これらのなかでも、好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254、255
C.I.Pigment Violet 19,23,29、32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,
C.I.Pigment Green 7,36,37、58
C.I.Pigment Black 1、7
具体例としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
本発明では、無機顔料との組み合わせにおいて、硬化性と遮光性を両立する組み合わせとして、チタンブラック顔料とオレンジ顔料及び/または赤顔料及び/またはバイオレット顔料を組み合わせることが好ましく、最も好ましくはチタンブラック顔料と赤顔料の組み合わせが良い。
本発明の黒色硬化性組成物には、アルカリ可溶性樹脂を添加してもよい。アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、ヒドロキシ基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては、20〜200mgKOH/g、好ましくは30〜150mgKOH/g、更に好ましくは50〜120mgKOH/gの範囲のものが好ましい。
前記アルキル(メタ)アクリレート、及びアリール(メタ)アクリレートとしては、CH2=C(R11)(COOR13)〔ここで、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R13は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数1〜8のアルキル基)、ヒドロキシグリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等を挙げることができる。
ポリエチレンオキシド鎖、およびポリプロピレンオキシド鎖の繰り返し単位数は1〜20が好ましく、2〜12がより好ましい。これらの側鎖にポリアルキレンオキサイド鎖を有するアクリル系共重合体は、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどおよびこれらの末端OH基をアルキル封鎖した化合物、例えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートなどを共重合成分とするアクリル系共重合体が好ましい。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、アルキル(メタ)アクリレート(アルキルは炭素数2から4のアルキル基)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンである。
また、アクリル系樹脂の重量平均分子量Mw(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)は、黒色硬化性組成物を塗布等の工程上使用しやすい粘度範囲を実現するために、また膜強度を確保するために、2,000〜100,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜50,000である。
アクリル系樹脂は、例えばそれ自体公知のラジカル重合法により製造することができる。ラジカル重合法でアクリル系樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、公知の重合法を参照して設定することができるし、条件設定が可能である。
(1)予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、
(2)カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、
(3)酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、
(4)OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂。
上記のうち、特に(1)及び(2)の樹脂が好ましい。
具体例として、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレートと、メタクリル酸と、さらにこれらと共重合可能なアクリル系若しくはビニル系化合物等のモノマーとの共重合体に、OH基に対し反応性を有するエポキシ環と炭素間不飽和結合基を有する化合物(例えばグリシジルアクリレートなどの化合物)を反応させて得られる化合物等を使用できる。OH基との反応ではエポキシ環のほかに酸無水物、イソシアネート基、アクリロイル基を有する化合物も使用できる。また、特開平6−102669号公報、特開平6−1938号公報に記載のエポキシ環を有する化合物にアクリル酸のような不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物に、飽和もしくは不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる反応物も使用できる。また、重合性二重結合を有するアルカリ樹脂の重合性基を有する繰り返し単位は、樹脂に対し5〜60質量%含有されることが好ましく、10〜40質量%含有されることがさらに好ましい。
黒色硬化性組成物は、重合開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、使用する(C)重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
増感剤の好ましい例としては、特開2008−214395号公報の段落番号〔0085〕〜〔0098〕に記載された化合物を挙げることができる。
増感剤の含有量は、感度と保存安定性の観点から、黒色硬化性組成物の全固形分の質量に対し、0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%の範囲がより好ましく、2〜15質量%の範囲が更に好ましい。
黒色硬化性組成物には、該組成物の製造中或いは保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。重合禁止剤としては、公知の熱重合防止剤を用いることができ、具体的には、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、黒色硬化性組成物の全固形分に対し約0.01〜約5質量%が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で塗布膜の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、黒色硬化性組成物の約0.5〜約10質量%が好ましい。
黒色硬化性組成物には、支持体などの表面との密着性を向上させるために、密着向上剤を添加することができる。密着向上剤としては、シラン系カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、が好ましく、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく挙げられる。
密着向上剤の添加量は、黒色硬化性組成物の全固形分中0.5〜30質量%が好ましく、0.7〜20質量%がより好ましい。
特に本発明の黒色硬化性組成物によって、ガラス基板上のウエハレベルレンズを作製する場合には、感度向上の観点から密着向上剤を添加することが好ましい。
更に、黒色硬化性組成物に対しては、増感色素や開始剤の活性放射線に対する感度を一層向上させる、あるいは酸素による光重合性化合物の重合阻害を抑制する等の目的で共増感剤を含有してもよい。また、硬化皮膜の物性を改良するために界面活性剤、希釈剤、可塑剤、感脂化剤等の公知の添加剤を必要に応じて加えてもよい。
本発明のウエハレベルレンズは、基板上に存在するレンズの周縁部に、本発明の黒色硬化性組成物を硬化して得られた遮光膜を有することを特徴とする。
以下、図面を参照して、本発明のウエハレベルレンズについて説明する。
図1に示されるように、ウエハレベルレンズアレイは、基板10と、該基板10に配列されたレンズ12と、を備えている。ここで、図1では、複数のレンズ12は、基板10に対して2次元に配列されているが、1次元に配列されていてもよい。
また、図2は、図1に示すA−A線断面図である。
図2に示すように、ウエハレベルレンズアレイにおいて、基板10に配列された複数のレンズ12の間には、レンズ12以外の箇所からの光透過を防止する遮光膜14が設けられている。
本発明のウエハレベルレンズは、基板10上に存在する1つのレンズ12とその周縁部に設けられた遮光膜14により構成される。本発明の黒色硬化性組成物は、この遮光膜14の形成に用いられる。
撮像ユニットのリフロー実装を考慮すると、軟化点が例えば200℃以上といった、軟化点の比較的高い樹脂が好ましく、軟化点が250℃以上の樹脂がより好ましい。
以下、レンズ材料として好適な樹脂について説明する。
高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。
このような樹脂組成物に含有される樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に、脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。
このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば、9,9’‐ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開2006/095610号公報、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
有機無機複合材料中の無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。
また、無機微粒子には、光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面をシリカやアルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)、又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。
無機微粒子の数平均1次粒子サイズは通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号公報に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。
ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えば、X線回折(XRD)装置或いは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。
なお、有機無機複合材料には、必要に応じて、可塑剤、分散剤等の添加剤を加えることができる。
即ち、上記のごとき高アッベ数の樹脂をマトリックスとした場合には、無機微粒子として、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂をマトリックスとした場合には、無機微粒子として、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。
−レンズの形成−
まず、図3及び図4(A)〜(C)を参照して、基板10上にレンズ12を形成する方法について説明する。
ここで、図3は、基板10に、レンズ形成用の樹脂組成物である成形材料(図3中にMと記載)を供給している状態を示す図である。
また、図4(A)〜(C)は、基板10にレンズ12を型60で成形する手順を示す図である。
ここで、型60には、レンズ12の形状を転写するための凹部62が、所望のレンズ12の数に応じて設けられている。
次に、図5(A)〜(C)を参照して、レンズ12の周縁部に遮光膜14を形成する方法について説明する。
ここで、図5(A)〜(C)は、レンズ12が成形された基板10に遮光膜14を設ける工程を示す概略断面図である。
以下、遮光膜14の形成方法における各工程について説明する。
遮光性塗布層形成工程では、図5(A)に示すように、基板10上に、黒色硬化性組成物を塗布して該黒色硬化性組成物からなる光反射率の低い遮光性塗布層14Aを形成する。このとき、遮光性塗布層14Aは、基板10の表面、及び、レンズ12のレンズ面12aとレンズ縁部12bの表面を全て覆うように形成される。
なお、ここで言う基板10とは、レンズ12と基板10を一体形成する態様においては、レンズ12と基板10の両方を含む形態を言う。
また、これらの基板10上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止、或いは基板10表面の平坦化のために、下塗り層を設けてもよい。
黒色硬化性組成物の塗布直後の膜厚としては、塗布膜の膜厚均一性、塗布溶剤の乾燥のし易さの観点から、0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmがより好ましく、0.2μm〜3μmが更に好ましい。
露光工程では、遮光性塗布層形成工程において形成された遮光性塗布層14Aをパターン状に露光する。パターン露光は走査露光でもよいが、図5(B)に示すように、所定のマスクパターンを有するマスク70を介して露光する態様が好ましい。
次いで、アルカリ現像処理(現像工程)を行うことにより、露光における光未照射部分、即ち、遮光性塗布層14Aの未硬化領域をアルカリ水溶液に溶出させ、光照射により硬化した領域だけを残す。
具体的には、図5(B)に示すように露光された遮光性塗布層14Aは、現像されることにより、図5(C)に示すように、レンズ面12aに形成された遮光性塗布層14Aのみが除去され、それ以外の領域に硬化された遮光膜14が形成される。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物(有機アルカリ剤)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機化合物(無機アルカリ剤)等が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
このポストベーク処理は、現像後に形成された遮光膜14を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式或いはバッチ式で行うことができる。
図6は、ウエハレベルレンズアレイの他の構成例を示す図である。
図6に示すウエハレベルレンズは、基板10とレンズ12とを同一の成形材料で同時に成形した構成(モノリシックタイプ)である。
このようなウエハレベルレンズを作成する際には、成形材料としては上述したものと同じものを用いることができる。また、この例では、基板10の一方の面(図中の上側の面)には、凹状のレンズ12が複数形成され、他方の面(図中の下側の面)には、凸状のレンズ20が複数形成されている。また、基板10のレンズ面12aを除く領域、つまり、基板10の表面及びレンズ縁部12bの表面にパターン状の遮光膜14が形成されている。遮光膜14を形成する際のパターニング方法としては、上述した手順を適用することができる。
次に、図7(A)〜(C)及び図8(A)〜(C)を参照して、ウエハレベルレンズアレイの更なる他の構成例と、それを作製する手順について説明する。
ここで、図7(A)〜(C)は、パターン状の遮光膜14を形成する他の工程を示す概略図である。
また、図8(A)〜(C)は、まず、パターン状の遮光膜14を形成した後、レンズ12を成形する工程を示す概略図である。
先ず、図7(A)に示すように、基板10上に黒色硬化性組成物を塗布して遮光性塗布層14Aを形成する遮光性塗布層形成工程を行う。
本工程における露光においては、遮光性塗布層14をパターン露光することで、遮光性塗布層14Aのうち光照射された部分だけを硬化する。ここでは、後工程でレンズ12を成形した際にレンズ12のレンズ開口14aとなる部位を除く領域の遮光性塗布層14Aにのみ光を照射するマスクパターンを用いる。この方法によりレンズ12のレンズ開口14aとなる部位を除く領域の遮光性塗布層14Aのみが光照射によって硬化する。なお、露光に際して用いることができる放射線としては、先に説明した手順と同様に、g線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
ここで、現像液であるアルカリ水溶液中のアルカリ剤としては、先に説明した手順と同じものを用いることができる。
現像処理後は、その後、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施す。
次に、遮光膜14を形成後に、レンズ12を形成する工程について説明する。
図8(A)に示すように、パターン状の遮光膜14が形成された基板10の上に、レンズ12を構成する成形材料Mがディスペンサ50により滴下される。成形材料Mは、レンズ12のレンズ開口14aに相当する領域を覆うように、該開口に隣接する遮光膜14の端部を一部含むように供給される。
公知の方法により、樹脂(1)〜樹脂(11)を合成した。上記で得られた樹脂(1)〜樹脂(11)の構造を下記に示す。
(チタンブラック分散液の調整)
下記の組成Iに示す成分を二本ロールにて高粘度分散処理を施し、分散物を得た。
・平均一次粒径75nmチタンブラック 40部
(三菱マテリアルズ(株)製 13MT)(PigmentBlack35)
・表1に記載の樹脂の30質量%溶液(溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=以下、PGMEAと称する。) 5部
・組成Iと同一の樹脂の30質量%溶液(溶剤:PGMEA) 20部
・PGMEA 150部
下記の組成IIIに示す成分を攪拌機で混合して黒色硬化性組成物を調製した。
(組成III)
・アルカリ可溶性樹脂:表1に記載、30質量%溶液(溶剤:PGMEA) 10部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.0部
・重合性化合物:ペンタエリスリトールトリアクリレート 1.0部
・光重合開始剤:表1に記載の化合物 0.3部
・分散液:表1に記載の分散液 24部
・溶剤:PGMEA 10部
・溶剤:エチル−3−エトキシプロピオネート 8部
・密着促進剤:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 0.1部
実施例1において組成Iおよび組成IIの樹脂を表1のように変更して、その他は実施例1と同様にして、実施例2〜実施例14、および比較例1〜3の黒色硬化性組成物を調製した。
60℃に保温した純水200mlに錫コロイド(平均粒子系:20nm、固形分:20質量%、住友大阪セメント社製)15gと、銀コロイド(平均粒子系:7nm、固形分:20質量%、住友大阪セメント社製)60gとポリビニルピロリドン0.75gを水100mlに溶解した溶液を加え、コロイド溶液とした。
次いで、このコロイド溶液を60℃に保持した状態で60分間攪拌し、その後、超音波を5分間照射した。次いでこのコロイド溶液を遠心分離により濃縮し、固形分が25%のA液を得た。A液をフリーズドライ方法により乾燥し、粉末試料得た。
チタンブラックの代わりにこの粉末試料を用い、樹脂(1)の代わりに樹脂(3)を用いて、他は実施例1のチタンブラック分散液の調製と同様にして、銀錫分散液を調製した。さらに実施例1の黒色硬化性組成物の調製におけるチタンブラック分散液の代わりに、銀錫分散液を用いて、銀錫組成物を用いた黒色硬化性組成物を調製した。
実施例15において、樹脂(3)を樹脂(4)に変更して、その他は実施例15と同様にして、実施例16の黒色硬化性組成物を調製した。
(赤色顔料分散液の調製)
下記の成分からなる組成物を0.3mmジルコニアビーズを用いた、分散機(商品名:ディスパーマット GETZMANN社製)にて4時間微分散処理を施して赤色顔料分散液を調製した。
・着色剤:C.I.ピグメントレッド254 30部
・樹脂溶液(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、mol比:80/10/10、Mw:10000、樹脂固形分濃度:40%、溶剤:PGMEA60%) 10部
・溶剤:PGMEA 200部
・樹脂(3)の30質量%溶液(溶剤:PGMEA) 30部
実施例1の組成IIIにおける分散液を、樹脂(3)を用いて得られたチタンブラック分散液20部と上記の赤色顔料分散液4部との混合物で置き換えて、実施例1と同様にして黒色硬化性組成物を調製した。
実施例17において、樹脂(3)を樹脂(4)に変更して、その他は実施例17と同様にして、実施例16の黒色硬化性組成物を調製した。
実施例1におけるチタンブラックをカーボンブラック(東海カーボン社製 トーカブラック#7400、平均一次粒子径28nm)に代えて、組成Iおよび組成IIの樹脂(1)を樹脂(4)に変更し、それ以外は実施例1と同様にして黒色硬化性組成物を調製した。
得られた黒色硬化性組成物を用いて、以下の保存安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
黒色硬化性組成物を調液して1日後、及び1ヶ月後(保存温度10℃)の粘度をE型粘度計(東機産業株式会社製 TV−22型粘度計コーンプレートタイプ)を用いて25℃で測定し、その差を保存安定性とした。粘度の差が小さいほど、保存安定性が良好であることを示す。
(ウエハレベルレンズ用遮光膜の作成及び評価)
以下の操作により、レンズ膜用硬化性組成物を用いた樹脂膜を形成した。
この樹脂膜を用いて、黒色硬化性組成物とレンズとの密着性の模擬評価に供した。
(レンズ膜用熱硬化性樹脂膜の形成)
表2に示す成分2の化合物を成分2の欄に示した量だけ成分1に対して添加し、レンズ膜用硬化性組成物1〜6を調製した。成分2が空欄のレンズ膜用硬化性組成物は成分1だけを用いた。
表2に示す硬化性組成物1〜4(2mL)を5×5cmのガラス基板(厚さ1mm、Schott社製、BK7)に塗布し、200℃で1分間加熱して硬化させ、レンズ上の残渣を評価できるレンズ膜(膜1〜4)を形成した。
(レンズ膜用光硬化性樹脂膜の形成)
表2に示す硬化性組成物5及び6(2mL)を5×5cmのガラス基板(厚さ1mm、Schott社製、BK7)に塗布し、メタルハライドランプで3000mJ/cm2の光を照射して硬化させ、レンズ上の残渣を評価できるレンズ膜(膜5、6)を形成した。
レンズ膜用硬化性組成物1〜6により樹脂膜を形成したガラスウエハ基板上に、塗布・加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して、実施例1〜18および比較例1〜4で用いた黒色硬化性組成物を均一に塗布し、表面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理した。このようにして、膜厚2.0μmの黒色硬化性組成物層を得た。
表3に示すように、実施例3〜6で用いた黒色硬化性組成物とレンズ膜用硬化性組成物1〜6とを用いて、実施例1と同様にして実施例19〜実施例23におけるレンズ上の黒色硬化性組成物層を形成した。
次いで、得られた黒色硬化性組成物層を、高圧水銀灯を用い、5.0mmのホールパターンを有するフォトマスクを介して露光量1000mJ/cm2で露光した。
前記露光後の黒色硬化性組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後スピンシャワーにてリンスを行いさらに純水にて水洗し、パターン状の遮光膜を得た。
(レンズ上の現像性評価)
10mmのホールパターンの現像部を透過型電子顕微鏡(SEM)により観察し、残渣の個数を求めた。残渣の個数が少ないほど、現像性が良好であることを示す。評価結果をまとめて表3に示す。
なお、各実施例、比較例で用いたレンズ膜用硬化性組成物1〜6、および黒色硬化性組成物は、表3に示す。
(ガラスウエハ上の黒色硬化性組成物層の形成)
塗布・加熱処理後の膜厚が2.0μmになるように、スピンコートの塗布回転数を調整して、ガラスウエハ基板(Schot社製 BK7 厚さ1mm)上に、各黒色硬化性組成物を均一に塗布し、表面温度120℃のホットプレートにより120秒間加熱処理した。このようにして、膜厚2.0μmの黒色硬化性組成物層を得た。
次いで、得られた塗布層を、高圧水銀灯を用い、5.0mmのホールパターンを有するフォトマスクを介して露光量100mJ/cm2から1,000mJ/cm2まで50mJ/cm2ずつ露光量を変更して露光した。
前記露光後の各黒色硬化性組成物層に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3%水溶液を用いて、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後スピンシャワーにてリンスを行いさらに純水にて水洗し、パターン状の遮光膜を得た。
ガラスウエハ上に各黒色硬化性組成物層を形成し、露光・現像・リンスを施して得られた遮光膜付基板を用いて以下の評価を行った。
ガラスウエハ基板からのはがれが生じなくなった最小の露光量をガラスウエハ上の密着性の指標として評価した。最小の露光量の値が小さいほどガラスウエハ上の密着性が高い。
上記で作成した黒色硬化性組成物層をガラスウエハ上に形成した基板を用いて、400nm〜800nmの波長領域における最大の透過率を分光高度計(島津製作所製 UV−3600)で測定した。数値が少ない程良好である。最大透過率が1%未満の場合は遮光性が良好であることを示す。
評価結果をまとめて表3に示す。
レンズ膜用硬化性組成物5を用いてガラス基板上に硬化性樹脂層を形成し、レンズ形状を持つ石英モールドで形状を転写して高圧水銀ランプにより3000mJ/cm2の露光量で硬化させることにより、レンズを形成した。次に、実施例1の硬化性組成物(B−1)を塗布し、0.5mmのホールパターンを有するフォトマスクを介して高圧水銀ランプで露光し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3%水溶液で未露光部を除去することにより、レンズ外部及びレンズ外縁部に遮光膜を形成し、ウエハレベルレンズを複数有するウエハレベルレンズアレイを作製した。
12 レンズ
14 遮光膜
Claims (7)
- (A)チタンブラック、(B)下記一般式(I)で表わされる樹脂、(C)重合開始剤、および(D)重合性化合物、を含有するウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
一般式(I)中、Pは酸基を有する炭素数5以下の基を表す。Bは分子量12以上1,500以下である(m+n)価のアリーレン基を表す。Qは下記一般式(I−A)、一般式(I−B)、一般式(I−C)、および一般式(I−D)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含む重量平均分子量が2,000以上50,000以下の親溶剤性基を表す。mは2以上10以下の整数を表し、nは1以上10以下の整数を表す。
一般式(I−A)中、R1はアルコキシ基、シクロアルコキシ基、またはアリールオキシ基を表す。R2は水素原子、ハロゲン原子、またはアルキル基を表す。
一般式(I−B)中、R3はアリール基またはヘテロ環基を表す。
一般式(I−C)中、R4はアルキレン基を表す。
一般式(I−D)中、R5はアルキレン基を表す。 - 前記一般式(I)におけるBが、下記構造式(B−11)〜構造式(B−13)および構造式(B−15)から選ばれる請求項1に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
- 前記一般式(I)におけるQが、前記一般式(I−C)で表される繰り返し単位を含む請求項1又は請求項2に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
- 前記一般式(I)中のPにおける酸基が、カルボキシル基である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
- さらに、(E)有機顔料を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物。
- 基板上に存在するレンズの周縁部に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のウエハレベルレンズ用黒色硬化性組成物を用いて得られた遮光膜を有するウエハレベルレンズ。
- 請求項6に記載のウエハレベルレンズを備えるカメラモジュール。
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