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JP5466488B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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JP5466488B2 JP2009261265A JP2009261265A JP5466488B2 JP 5466488 B2 JP5466488 B2 JP 5466488B2 JP 2009261265 A JP2009261265 A JP 2009261265A JP 2009261265 A JP2009261265 A JP 2009261265A JP 5466488 B2 JP5466488 B2 JP 5466488B2
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Description

本発明は、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、失禁ライナ等の吸収性物品に関する。
吸収性物品においては、漏れにくく安心なものとする方向と、快適な使用感を実現する方向の夫々で種々改良がなされてきた。快適な使用感を得るには、以下の3つが重要である。
・感触が柔らかい。
・湿った感じやべたつき感がない。
・液排泄の後、長時間にわたって使用しても、ムレない。
これらの提案は、主として製品の変形しやすさ(即ちやわらかさ)を維持しながら吸収性を高めることでなされる。特許文献1は、生理用ナプキンに、高い吸収性のある吸収性コアとして、エアレイドティッシュ材と超吸収性ヒドロゲル吸収材料を複合する、もしくは吸収性発泡体、吸収性スポンジを用いて、3mm未満の極薄で、可撓性を有することにより、柔らかく、かつ、べたつかないとされる。また、衣類と接触する層に、吸収性コアから蒸気を逃がす微小多孔性ポリエチレンフィルムを使用することにより、ムレを抑えるものを開示している。
また、吸収性物品における形状及び吸液性の安定化を企図して、吸収性物品の吸収体に親水性のフォーム材を用いる提案も過去いくつかなされてきた。例えば、前記親水性のフォーム材に所定の泡径にて連続した泡構造を形成することにより、弾性回復性に優れた親水性のフォーム材とすることができる(特許文献2参照)。これにより着用者の動作や装着時間に関わらず形態が安定し、ヨレ等を生じにくい。また、泡構造が潰れにくいため、一旦液が内部に取り込まれると液戻りしにくく安定して液を保持することができるため、薄型化も可能である。特許文献3には、フォーム材吸収体に開孔を施して剛性の異なる3領域を形成したものが開示されている。この開孔は、ナプキンの三次元的なフィット性を改善する工夫として開示されているが、その液体吸収性及びムレ感改善については特に述べられていない。またそこで用いられるバックシート(防漏シート)の性質についても具体的な開示はない。
特開2007−252934号公報 特表平2−239863号公報 特表2008−529721号公報
上記のように液等の吸収性の安定化と着用快適性の向上とには異なる方向の技術が求められその両立は難しい。したがって、ムレにくさ向上についても、さまざまな使用環境下において、表面シート−吸収層−防漏シート全てにわたって、安定して水蒸気が移動可能な通気経路を確保すること、及び吸収層から防漏シートの外側へ液体は出さずに水蒸気だけを排出する工夫を施すことの両方が重要であるところ、その実現は容易ではない。前述の特許文献1のような、従来の工夫では、吸収層と接する防漏シートに透湿フィルムを用いるものであり、吸収層に浸透拡散した体液の一部を水蒸気として外側に排出する効果はあるが、安定した通気経路を確保するものではなかった。例えば、体液吸収によって吸収層が一様に湿潤した場合、吸収層が本来有する空間(通気経路)が体液充填によって失われる。その結果、体液吸収部位においては通気性が殆どあるいは全く失われる。透湿フィルムを用いていても、ナプキン装着部位、特に体液排出ポイント周辺の肌当接面側に存在する水蒸気は、吸収層が通気不能となるため、ナプキンを貫いて外部に移動することができない。一方、吸収層に貯蔵された体液は、体温によって肌当接面側から蒸発して水蒸気として前記空間に排出され、結果的に前記空間はムレた状態となる。従って防漏シートの透湿性あるいは通気性をどのように高めたとしても、ムレ感は改善しがたい。
上記の点を鑑み本発明は、高い通気性を有し、ムレにくく、体液の排泄が一時期に多くあったとしてもすばやく対応して吸収保持可能であり、かつ、柔らかくフィット性のよい吸収性物品の提供を課題とする。
本発明は、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート、非肌当接面側に配置される透湿性を有する防漏シート、該両シートの間に介在される吸収体を有する吸収性物品であって、前記吸収体は排泄領域に肌当接面から非肌当接面に向けて貫通する孔を複数有し、該貫通孔壁面と肌当接面、非肌当接面とで形成される断面形状は、肌当接面の法線に対し壁面がなす線が傾斜しており、該貫通孔の壁面積(Aa)が仮想柱状貫通孔の壁面積(Ab)より大きくなる形状とされたことを特徴とする吸収性物品を提供するものである。
本発明の吸収性物品は、高い通気性を有し、ムレにくく、体液の排泄が一時期に多くあったとしてもすばやく吸収可能で、かつ、柔らかくフィット性がよいという優れた作用効果を奏する。
本発明における一実施形態としての生理用ナプキンを肌当接面方向から模式的に示した一部切欠斜視図である。 図1に示すII−II線断面の断面図である。 比較例として生理用ナプキンにおける液と孔の様子を拡大して示す断面模式図である。 本発明の生理用ナプキンにおける液と孔の様子を拡大して示す断面模式図である。 本発明における吸収体を肌当接面方向から模式的に示した平面図である。 本発明における別の実施形態(実施形態2)としての吸収体を図1におけるII−II線断面と同じ位置で示した断面図である。 実施形態2における液と孔の様子を拡大して示す断面模式図である。 本発明における別の実施形態(実施形態3)としての吸収体を図1におけるII−II線断面と同じ位置で示した断面図である。 実施形態3における液と孔の様子を拡大して示す断面模式図である。
以下、本発明についてその好ましい実施形態を示し、図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明における吸収性物品の一実施形態としての生理用ナプキン10を肌当接面方向から示した一部切欠斜視図である。図2は図1に示すII−II線断面の断面図である。
本実施形態における生理用ナプキン10は、着用時に肌当接面側に配置される液透過性の表面シート1、非肌当接面側に配置される透湿性を有する防漏シート2及び両シート間に介在された親水性のフォーム材からなる吸収体3を有している。生理用ナプキン10の前記表面シート1及び防漏シート2は平面視において同一の形状とされ接合部Tで端部全周を接着もしくはエンボス等で接合してなる。
上記表面シート1、透湿性防漏シート2及び吸収体3の詳細は後述するが、本実施形態において表面シート1は、排泄された体液を速やかに吸収し、吸収体に伝達する観点と、肌触りのよさの観点から親水性のエアスルー不織布を用いている。また、透湿性防漏シート2としては、通気性を有した透湿性フィルムを単層で用いている。吸収体3としては親水性のオープンセル構造のフォーム材を用いている。また、防漏シート2の非肌当接面側には、生理用ナプキン10を着衣に固定するための粘着剤(図示せず)が塗布されている。該粘着剤によって、生理用ナプキン10が使用者の着衣に接着固定される。本実施形態の生理用ナプキン10は、その表面シート側を着用者の肌当接面に向け、かつ、その縦方向を下腹部から臀部にかけて配し、換言すればその幅方向を左右の脚をつなぐラインの方向に向けて配して着用する。
図2は図1における生理用ナプキン10の排泄領域Wを横切るII―II線断面を示している。排泄領域Wの詳細については図5に基づき後述する。本実施形態の生理用ナプキン10においては表面シート1と防漏シート2に介在された吸収体3に肌当接面側から非肌当接面側に向かって貫通する孔である貫通孔3aが複数配設されている。詳しくは生理用ナプキン10の幅方向における幅方向排泄領域基線3i及び長手方向における長手方向排泄領域基線3sに囲まれた排泄領域Wにのみ配設される。この領域に貫通孔3aを設けることにより吸収体3におけるフォーム材の中央における弾性反発を弱め、ここで弧を描いて湾曲したときに柔軟性を得ることが可能であり、身体へのフィット性を高める効果を有する。本実施形態における貫通孔3aは、肌当接面側に平面視において円形に形成された肌面開口3aと非肌当接面側に前記肌面開口3aよりも大きい円形に形成された非肌面開口3aとを有し、両開口をつなぐように吸収体3の厚み方向に貫通した孔であり、略円錐台形状である。したがって、貫通孔3aは断面視においては非肌当接面側に広がった略台形をなす。
多孔体である吸収体は、乾いた状態では連続した微細孔が通気経路となって、肌当接面側から非肌当接面側まで抜ける通気性を有しているが、排泄液をその内部に吸収すると通気性が失われる。ここで重要なことは本実施形態における生理用ナプキン10はエアスルー不織布である表面シート1は通気性を有していることはもとより防漏シート2にも透湿性及び通気性を有しており、体液吸収状態においても上記吸収体3の液引き込み効果によって表面シート1内部の液は速やかに吸収体に移行し、表面シート1の通気性は比較的安定に維持できることである。更に重要なことは、本実施形態における吸収体3には肌当接面側から非肌当接面側まで抜ける特有の形状の開孔3aがあることである。該開孔は吸収体の微細孔より圧倒的に大きく、かつ後述する特徴を持った形状を有する為に、排泄液吸収時にも最後まで液が充填せず、通気チャンバーとして機能する。従って上記のように排泄液により排泄領域Wにおける体液の充満により吸収体の通気性が失われても、そこに設けられた吸収体を貫通する本実施形態に特有の開孔3aが安定した通気経路となり、肌当接面側から非肌当接面側に向けた透湿性及び通気性を確保することができる。この結果、表面シート1及び防漏シート2との通気効果が加わって表面シート−吸収層−防漏シート全てにわたって、安定して水蒸気が移動可能な通気経路が確保されることにより、吸収体3が液を吸った状態でも、湿った状態になりがちな排泄領域Wにおいて体表面側から着衣の外まで通気可能であり、ムレることがない。
開孔3aの通気チャンバーとしての作用機序について、更に詳述する。
まず3aの様な開孔を施す意義として、かかる大開孔は一見液が通りやすいが故に、液吸収時に真っ先に液が入り込んで塞がってしまうように想像されるが、現実には吸収体3本体が吸液して開孔3aには液が入らない。その理由は後述するが、吸収体3の微細孔の方が開孔3aよりも孔径が圧倒的に小さい。この為、毛管力が圧倒的に大きく、液を吸引しやすい為である。
次に、上記効果の妨げとなる要因として、吸収体の吸収速度を超える大量の液の排泄による開孔3aの閉塞や高粘性の液による開孔3aの閉塞等が挙げられる。前記2つの共通の現象としては液体の表面張力により開孔3aに留まった排泄液が貫通孔を閉塞させてしまうことである。特に高粘性の液は吸収体3への吸収速度が遅く、長い時間液が吸収体3の肌当接面側に残ることとなる。したがって、このような状態では通気の確保は困難となることがある。しかし、本実施形態によれば以下に述べる開孔3aの形状による効果により、効果的な通気経路の確保を実現するものである。
ここで本実施形態の生理用ナプキン10に特有の作用効果について図3、図4を用いて説明する。網点で示しているのが体液仮想移行領域Qである。体液仮想移行領域Qとは、吸収体3の肌面側を重力方向における上側に配し非肌面側をその下側に配するこのような状況で排泄された自然な液の移行領域を示している。すなわち、仮想的には体液は別に強い拡散力等がなければ肌面開口3aの形状を直線状に非肌面側に投影した領域に向って移行しようとする。本実施形態における体液仮想移行領域Qは、模式化して本発明の特徴を理解しやすくする観点から体液の動きを単純な領域として示す。また、肌面開口3aの形状を直線状に非肌面側に投影する線を投影基線(肌当接面の法線)Qiとし、柱状以外の間通孔3aの断面視における開孔壁面Dと肌当接面の法線Qiとの交点をPとする(図4参照)。ここで、肌当接面の法線とは断面の接平面に直交する直線のみならず平面に直交する場合も含む。このように、本実施形態においては肌当接面の法線に対して、開孔3aの壁面と肌当接面と非肌当接面とで形成される断面(縦断面)の開孔壁面Dがなす線Diが傾斜している。換言すれば、肌当接面の法線Qiと開孔壁面がなす線Diとは互いにいじれかの箇所で交差する関係である。なお、表面シート1は図示せず、防漏シート2は一点鎖線で示した。また、図中、上側が肌当接面側であり、下側が非肌当接面側である。更に、図4に空気領域Sを示す。該空気領域Sは、体液仮想移行領域Qに対する、実際の貫通孔の余剰体積分とみなすことができる。本実施形態において空気領域Sは、開口3aを肌面開口3aから厚み方向に非肌当接面側まで辿って見た時、開口3a(最小面積)に対してどれだけ開口面積が増大していくかを示している。
図3は比較例として円形状の貫通孔(柱状貫通孔)33aを配設した場合を示した拡大断面図である。肌面開口33aと非肌面開口33aの平面視における開口形状は同じ円形状であり、かつ、肌当接面の法線Qiと開孔壁面Dは一致する。このような形状において多量の排泄がなされた場合、吸収体3で吸収し切れなかった体液が貫通孔33a部に留まり通気の妨げとなる。さらに、本比較例のような形状に体液が貫通孔に満たされると、開孔壁面Dへの吸収が妨げられ、通気の回復も遅れることとなる。これにより肌当接面側から非肌当接面側に通気性能において機能することができない時間が長く続くこととなる。このような状況下において肌当接面側では通気が無いことにより湿度が上昇し、ムレが発生しがちになる。これは着用者にとって不快感を与え、過度になればかぶれや雑菌の増殖などを助長し衛生的に良好ではない。
これに対し、図4に示す本実施形態における生理用ナプキン10によると、多量の排泄がなされた場合、吸収体3に吸収し切れなかった体液が肌面開口3aを介して貫通孔3aに流れ込む。体液が流れ込み肌面開口3aを通過した体液は図中、モデル化して言えば体液仮想移行領域Qに示す領域を形成し、順次下面に蓄積されていく。詳述すると、貫通孔3aは肌面開口3aより非肌面開口3aの方が開口面積が大きく、体液が膨張しなければ空気領域Sに相当する面積が余剰面積となり空隙を形成する。現実的には、吸収体3が親水的である場合、下面側に移行した液は開口壁面Dに沿って広がり、中央部分に空気領域Sに相当する略円形の空隙を形成する。厚み方向全体として観察すると、空隙は開口中央に、上方に向かってすぼまった切頭円錐体類似の形状を取る。更に、体液は開口内部より吸収体3の細孔に移行する方が安定なため、開口壁面Dから吸収体3側に移行してゆく。
このとき、本実施形態における貫通孔3aは、壁面積(Aa)において、貫通孔3aの肌当接面側の開口面積を同一としたときにその断面形状を肌当接面から非肌当接面に向け直線状にした貫通孔の柱状の仮想壁面積(Ab)より大きくされている(Aa>Ab)。つまり、本実施形態の貫通孔3aの断面形状に即して端的に言えば開孔壁面Dの稜線が肌面開口3aの形状を直線状に非肌面側に投影した投影基線Qiよりも長くなり、壁面積としていえばその比率の二乗になって差を生じる。そのため、体液が当接する面積を本実施形態は比較例よりも大幅に多くすることができ、吸収体3への吸収が効果的、かつ、すばやくなされる効果を奏する。この際、貫通孔3aにおける肌面開口3aは非肌面開口3aより開口面積が小さくなることにより、貫通孔の毛管力が、非肌面開口3aのほうが小さいことも吸収体3への吸収を促進する効果を向上する。すなわち、非肌面開口3a側ほど貫通孔内に液を留め置く力が弱くなっていくため、壁面Dを通じた液吸引がより容易になるためである。なお、仮想柱状貫通孔の壁面積(Ab)とは、前記壁面積(Aa)を有する貫通孔の肌当接面側の開口面積と同一の開口をこれに直交する方向に直線的に貫く柱状の貫通孔を想定したとき、その柱状貫通孔の壁面積をいう。
さらに、空気領域Sは、肌面開口3aの形状を直線状に非肌面側につないだ形状よりもより多くの体液をその内部に引き込む領域としてだけではなく、透湿性ないし通気性を有する防漏シート2との協働により、通気の経路としても機能することとなる。上述したように本実施形態の防漏シート2は透湿性ないし通気性を有しており、貫通孔3aに体液がない場合には肌面側からの湿度の高い肌面側透湿(通気)vが生じ、貫通孔3aを介して防漏シート2に到達する。そこで液体の移動は遮断する一方、防漏シート2を通過して非肌面に抜ける非肌面側透湿(通気)vが生じ、一連の透湿ないし通気がなされる(図2参照)。本実施形態によれば、貫通孔3a内に体液仮想移行領域Q及び空気領域Sを有するようなとき、上記一連の透湿ないし通気がうまく作用して、体液による閉塞を一層効果的に防ぐことができる。これにより貫通孔3a内を閉塞しにくくし、上述の効果的な吸収性能に加え、すばやい通気性の確保及び回復を可能としている。
図5は本実施形態における吸収体を肌当接面方向から模式的に示した平面図である。表面シート1及び防漏シート2は図示していない。本実施形態において吸収体3は平面視において略長方形とされている。前記吸収体3には幅方向排泄領域基線3iと長手方向排泄領域基線3sとに囲まれた排泄領域Wがその長手方向前側に偏奇した位置に設定されており、その領域内に貫通孔3aが施されている。ここでいう「前側」とは人の歩行方向側であり、着用状態では前側長手方向排泄領域基線3sを腹側、後側長手方向排泄領域基線3sを臀部に向けて着用する。本実施形態において「排泄領域」とは経血もしくはおりもの等の排泄を直接受ける部分及びその近傍である。よって、それなりの排泄量があると吸収した液体が時間の経過とともに毛細管現象によって拡散し、この領域を越える場合もありえる。排泄領域Wの位置は特に限定されないが、生理用ナプキン10として上述した良好な通気性能を効果的に発揮することを考慮すると、前側長手方向非排泄長さFは20〜60mmが好ましく、25〜45mmが更に好ましい。長手方向排泄領域長さCは45〜120mmが好ましく、55〜100mmが更に好ましい。後側長手方向非排泄長さRは30〜150mmが好ましく、40〜120mmが更に好ましい。別のみ方をすると、吸収体の長手方向の長さを4等分したときの1/4点〜3/4点の領域であることが好ましく、1/4点〜1/2点の領域であることがさらに好ましい。また、幅方向非排泄長さSr及びSeはそれぞれ0〜30mmが好ましく、5〜20mmが更に好ましい。幅方向排泄領域長さScは20mm以上が好ましく、25〜45mmが更に好ましい。
また、排泄領域Wにおいて良好な変形フィット性を発揮するには、吸収体3全長に対して、前側長手方向非排泄長さFは15〜30%であることが好ましく、18〜25%であることが更に好ましい。長手方向排泄領域長さCは25〜60%が好ましく、35〜50%が更に好ましい。後側長手方向非排泄長さRは20〜65%が好ましく、30〜50%が更に好ましい。また、吸収体3全幅に対して、幅方向非排泄長さSr及びSeはそれぞれ0〜10%が好ましく、2〜7%が更に好ましい。
本実施形態において、排泄領域は略矩形であるが、本願の趣旨を満たす範囲で任意の形状を選択することも好ましい。例えば、排泄領域を長楕円形状とすることにより、体液の拡がり形状と一致させやすくなる他、股間部に当たる部分の柔軟性をより高める効果を発現する。また、排泄領域をくびれ形状(分銅形状またはバチ形状でも可)にすることにより、足ぐりにフィットしやすい変形性を与えることができる。なお、好ましい吸収体サイズは、製品の種類(たとえば軽い日用のナプキン、通常サイズ、夜用サイズ)等で異なるサイズが選択可能であるが、好ましい吸収体の長手方向長さは120〜450mm、更に好ましくは140〜370mmである。好ましい吸収体の幅方向長さは40〜120mm、更に好ましくは45〜100mmであり、フィット性向上のため股繰りに相当する部分を全幅の10〜40%狭めた「くびれ形状」を選択することも好ましい。また、好ましい吸収体厚みは、ピーコックダイヤルゲージ2.5g/cm荷重下厚みで10mm以下であることが好ましく、やわらかくフィット性が高い観点から、厚み3〜7mmであることが更に好ましい。更にフィット性を高めるため、排泄領域を除く周辺領域を熱プレスなどの方法で所定の厚みに押し潰し、排泄領域を厚く、周辺領域を相対的に薄く成型することも好ましい。
本実施形態における肌面開口3a及び非肌面開口3aが効果的に機能するために肌面開口3aの直径dは0.5〜4.0mmであることが好ましく、1〜2.5mmであることがさらに好ましい。非肌面開口3aの直径dは1〜6mmであることが好ましく、1.5〜5.0mmであることがさらに好ましい(図4参照)。また、開孔壁面Dの傾斜角度は10°以上であることが好ましく、15〜45°であることがさらに好ましい。ここでいう傾斜角度とは、投影基線Qiと開孔壁面Dとがなす交点Pを頂点とした角度である。本実施形態の貫通孔3aの壁面積(Aa)と貫通孔3aを非肌当接面に向け直線的に貫いた柱状貫通孔の壁面積(Ab)との比率(Aa/Ab)は1.2以上であることが好ましく、1.5〜4.0であることがさらに好ましい。
本実施形態における貫通孔3aを作製する方法は特に限定されないが、吸収体3の肌面側を平面視において放射線状に引張り肌面側のみ伸張させる。その伸張状態においてロータリーダイカッターやピンロール等の貫通孔形成装置で厚み方向に非肌面開口3aの大きさの貫通孔を形成する。直線状にくり貫かれた貫通孔は肌面側の伸張状態を戻すことにより伸張させた部分の孔径は縮小し肌面開口3aが形成され、伸張させない非肌面側の非肌面開口3aはそのままの孔径として形成され、両開口の間部分は両開口を直線状につないだ全体において切頭円錐体形状の貫通孔となる。上記伸張状態を設計することにより所望の傾斜角度を持った貫通孔3aを形成することができる。なお、本実施形態の貫通孔3aの開孔壁面Dに螺旋状の溝をくり貫き、壁面積を大きくして体液と当接する面を広げ、吸収効率を上げることも好ましい。また、図3のような柱状貫通孔を形成した後、肌面側を加熱して所望の比率で熱収縮させて切頭円錐体形状の貫通孔を形成してもよい。
完全閉塞しない通気経路として有効に機能するためには、開孔3aは吸収体3におけるフォーム材より毛管力が低いことが必要である。好ましい開孔径は前記フォーム材及び表面シート1の骨格間平均距離よりも大きいことである。表面シート1の繊維間距離は、200〜400μmであることが好ましい。また、吸収体3におけるフォーム材の骨格間平均距離は400μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがさらに好ましく、10〜150μmの範囲であることがより好ましい。これにより平均距離が小さいほど毛管力が大きく、表面シート1から液を引き込みやすい。一方、平均距離が大きいほど通液抵抗が小さく、素早く液の移動がしやすいので、バランスよく吸収可能な前記フォーム構造は骨格間平均距離が10〜400μmの範囲であることが好ましい。なお、繊維間距離とは無圧縮状態で計測した、繊維間の拡大目視距離(平均値)を示し、以下にその測定方法を示す。
[繊維間距離の測定]
1:電子顕微鏡もしくはマイクロスコープ等の、実寸表示可能で好ましくは印刷可能な拡大観察システムを用いる。計測は、繊維間の隙間が十分目視可能な倍率(通常50〜200倍で適宜選択可)で行う。
2:測定サンプルを、厚み方向に圧縮しないよう、カミソリなどを用いて試料台に乗る大きさにカットし、上記のごとくモニターに拡大表示する。
3:画面上で隣接する2本の繊維を任意に選択し、繊維の伸びている方向と略直交する方向で繊維間の距離を画面上又は印刷上で計測し、実寸表示から縮尺計算して繊維間距離を求める。
測定に際しては、キーエンス社製の商品名:ハイスコープの様に2点間距離計測機能を備えている場合には、2本の繊維におよそ直交する様に2点を選択して、実寸距離表示させる方法も簡便で好適に用いられる。測定は画面上の任意の20組の繊維間で行い、その平均値を繊維間距離とする。
骨格間平均距離とは無圧縮状態で計測した、フォーム材の骨格間拡大目視距離(平均値)を示し、以下にその測定方法を示す。
1:装置及びサンプル調製は繊維距離測定に準ずる。
2:同様に、任意の骨格2本の距離測定を行うことを基本とするが、フォーム材では、その名の如く骨格が作り出す基本単位が泡(円又は楕円)形状とみなせることが多い。この場合、いくつかの骨格が形作る空隙を円又は楕円とみなして、その円相当径、又は楕円相当径(短軸径)を求めて骨格間距離とする。骨格間距離は任意の20点を測定して、その平均値を代表値とする。なお、測定倍率はフォーム材のフォーム(泡)の大きさを見て任意に選択可能で、通常100〜500倍程度で行う。
また、液を素早く引き込んで、しっかり保持するためには、吸収体3の肌当接面側における骨格間平均距離を大きくして素早く液を吸収し、非肌当接面側の骨格間平均距離が小さくしてしっかり液保持させる形態も好ましい。該形態は、骨格間平均距離のことなる2枚以上のフォーム材からなるシートを貼り合わせて形成してもよい。この際、前記フォーム材同士は単純に重ね合わせることも可能であるが、ホットメルト接着剤をスパイラルスプレー塗工する等の方法や、ピンエンボス等の点状、または線状のパターンで熱圧着して一体化してもよく、あるいは両者を併用するなどの方法で連結可能である。また、層間に吸水ポリマーを散布するなどの方法で、フォーム材にポリマーを併用することも可能である。いずれの場合も、貫通孔3aを形成するために、フォーム材を重ね合わせた後、全体を貫通することが効率的である。他にも、発泡条件コントロールまたは熱圧縮等の方法により、肌当接面側から非肌当接面側まで、連続的に骨格間平均距離が小さくなるように形成してもよい。
次に、本発明の第2、3実施形態としての生理用ナプキンについて、図6〜9を参照し、主として第1実施形態との相違点について説明する。なお、図6(実施形態2)、8(実施形態3)は吸収体を図1におけるII−II線断面と同じ位置で示した断面図であり、図7、9は実施形態2、3における液と孔の様子をそれぞれ拡大して示す断面模式図である。
第2実施形態においては、図6に示すように、吸収体の断面形状においてその肌当接面から非肌当接面に向け斜めに傾いた形状とされている。吸収体3は2枚のフォーム材を境界Bでホットメルト接着剤にて貼り合わせた上層フォーム32及び下層フォーム31の2層構造であり、貫通孔3aの平面視における配置位置、及び排泄領域Wの位置は実施形態1と同じである。本実施形態における貫通孔3aは、肌面開口3a及び非肌面開口3aの平面視における形状は同一の円形状とされている。このような貫通孔3aでは体液は肌面開口3aに引き込まれた後、その重力方向に存在する開孔壁面Dと体液は当接し、その当接面より吸収されることとなる。ここで重要なことは、開孔壁面Dないしそれがなす縦断面線Diは肌面開口3aの形状を直線状に非肌面側に投影した肌当接面の法線(投影基線)Qiよりも長く、傾斜しており、直線状にあけられた貫通孔33aよりも体液は壁面と当接する距離が長いため、すばやい吸収を実現している。また、上述した防漏シート2と貫通孔3aとの液閉塞防止効果により体液による通気の閉塞を防ぐ効果をも有している。
本実施形態における肌面開口3a及び非肌面開口3aが効果的に機能するために肌面開口3aの直径dは0.5〜4.0mmであることが好ましく、1〜2.5mmであることがさらに好ましい(図7参照)。また、開孔壁面Dの傾斜角度は15°以上であることが好ましく、17〜45°であることがさらに好ましい。なお、本実施形態の貫通孔3aを作製するにはフォーム材の肌面側と非肌面側を断面視においてそれぞれ逆に引張り吸収体3を引張させ(t、t)、その上下に異なる方向に伸張した状態で貫通孔を形成する。伸張状態を設計することにより所望の角度を持った貫通孔3aを形成することができる。また、厚いフォーム材吸収体に図3のような柱状貫通孔をあけた後、所望の角度をつけて該フォーム材吸収体の上下面をスライスすることによっても、斜めの貫通孔3aを形成することができる。
第3実施形態においては、図8に示すように、吸収体の断面形状においてその肌当接面から非肌当接面に向け曲線状である。吸収体3は2枚のフォーム材を境界Bでホットメルト接着剤にて貼り合わせた上層フォーム32及び下層フォーム31の2層構造であり、貫通孔3aの平面視における配置位置、及び排泄領域Wの位置は実施形態1と同じである。本実施形態における貫通孔3aは、肌面開口3a及び非肌面開口3aの平面視における形状は同一の円形状とされている。このような貫通孔3aでは体液は肌面開口3aに引き込まれた後、上記と同様にモデル化していえばその重力方向に曲線状で存在する開孔壁面Dと体液は当接し、その当接面より吸収されることとなる。ここで重要なことは、開孔壁面Dないしその縦断面線Diは肌面開口3aの形状を直線状に非肌面側に投影した投影基線Qiよりも長く、傾斜し、直線状にあけられた貫通孔33aよりも体液は壁面と当接する距離が長いため、液による貫通孔の閉塞を防止しすばやい吸収を実現していることである。また、上述した防漏シート2と貫通孔3aとの液閉塞防止効果により体液による通気の閉塞を防ぐ効果をも有している。
本実施形態における肌面開口3a及び非肌面開口3aが効果的に機能するために肌面開口3aの直径dは0.5〜4.0mmであることが好ましく、1〜2.5mmであることがさらに好ましい(図9参照)。また、投影基線Qiが円弧形状である開孔壁面Dまでの距離は0.3〜2.0mmであることが好ましく、0.5〜1.5mmであることがさらに好ましい。なお、本実施形態の貫通孔3aを作製するにはフォーム材の厚さ方向中央部を湾曲した部材を押し当て(t)、湾曲を作りたい方向とは逆に吸収体3を撓ませ、撓ませた状態で貫通孔を形成する。撓みを設計することにより所望の湾曲をもった貫通孔3aを形成することができる。また、孔の貫通前にフォーム材を10分の1程度の厚みまで押し潰して保持し、柱状貫通孔をあけた後、回復すると、押し潰された際に吸収体が厚み方向に歪むため、ランダムに湾曲した開孔が得られる。なお、押し潰した状態で保持するには、ロータリーダイカッター自体で押し潰しながら開孔する方法の他、熱プレスで急冷して薄くした吸収体を、孔の貫通後にホットエアーにて再加熱して熱回復させる方法を用いてもよい。
弾性回復性及び熱成型性のあるフォーム材を吸収体3として連続供給して所望の断面形状の貫通孔を形成するには、ロータリーダイカッターを用い、カッターロール(開孔ロール)と受けロールの種類、ロールの周速差の有無、押し付けの度合い、ロール加熱の有無、フォーム材(連続体)とロールとの取り付け角を適宜選択することが有効である。たとえば、受けロールに平滑な金属であるフラットロールを用い、ロール間圧縮をせず、周速差をつけた状態で開孔すると、斜め開孔を形成可能である。また、開孔ロールを140℃程度に加熱し、開孔ロール側にフォーム材を取り付けて受けロール(常温)を受け側で、周速差なしで開口すると、表(肌面)側が熱収縮した小開孔となる。更にまた、受けロールをコットン又はゴムロールとして凹凸噛み合わせ開孔可能なロールでロール間圧縮しながら開口すると、湾曲した開孔が形成可能となる。更に周速差を与えると、湾曲した斜孔を形成可能である。
本発明の吸収性物品は、上記の実施形態に制限されるものではなく、使い捨ておむつ、失禁パッド、失禁ライナ等に本発明を適応することができる。さらに、経血、オリモノに限らずその他、尿、軟便等に対しても効果的である。貫通孔3aの大きさ、形状及び配設パターン等は上記実施形態に限定されることはなく、使用状況や要求に合わせ適宜定められることが好ましい。なお、表面シート1、吸収体3、防漏シート2の他にも通気性を阻害しない素材を適宜組み込むことも好ましい。例えば、表面シート1と吸収体3の間に不織布等の親水性シートを介在させることにより、液の一時保持機能が向上し、多量の液や、高粘性の液に対しても肌への付着を防ぐことが可能である。また前記親水性シートは体液を平面的に拡散し、より広い範囲の吸収体3にゆっくりと受け渡す。この結果、吸収体3は、液を狭い範囲で瞬間的に受け取る必要がなくなり、開孔3aの閉塞リスクが減少する。さらに、吸収体3の非肌当接面に接着剤によって防漏シート2が接着配置されるのも好ましい。また、上記実施形態の生理用ナプキンの表面シート1、吸収体3及び防漏シート2の材料、製法における条件や、製品の寸法諸元は特に限定されない。
本実施形態における表面シート1は、排泄された体液を速やかに吸収し、吸収体に伝達する観点と肌触りのよさの観点とから親水性のサーマルボンド不織布が好ましく、特にエアスルー不織布が好ましい。表面シート1は親水化処理された熱可塑性樹脂繊維であり、かつ、該繊維が2次クリンプ又は3次クリンプのような立体捲縮がなされた繊維であることが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、及びこれらの複合繊維を作成し、所定の長さにカットしてステープルを形成する前の段階で、各種親水化剤を塗工する。親水化剤としては、αオレフィンスルホン酸塩に代表される各種アルキルスルホン酸塩、アクリル酸塩、アクリル酸塩/アクリルアミド共重合体、エステルアミド、エステルアミドの塩、ポリエチレングリコール及びその誘導物、水溶性ポリエステル樹脂、各種シリコーン誘導物、各種糖類誘導物、及びこれらの混合物など、当業者公知の親水化剤による親水化処理を用いることができる。
防漏シート2は、透湿性フィルム単独、又はフィルムと不織布の貼り合わせ、撥水性の不織布(SMSやSMMS等)を用いることができる。コスト面やズレ止め粘着剤とのマッチングなどから、透湿フィルム単独を防漏材として用いることが最も好ましい。この場合のフィルム材としては、熱可塑性樹脂と、これと相溶性のない無機フィラーを溶融混練して押し出したフィルムを所定の寸法に延伸して微細孔をあけたフィルム、または、本質的に水分の相溶性が高く、浸透膜のように水蒸気排出可能な無孔性のフィルムが挙げられる。本発明に関わる湿度排出の性能を十分に発現し、かつ、水分のにじみ出しがない防漏層を具現化するには、透湿度は、0.7〜3.0g/100cmhrの範囲にあることが好ましく、1.0〜2.5の範囲にあることが更に好ましい。さらっと感を十分に高める観点からは1.5〜2.5にあることが最も好ましい。また、フィルムの破れ等のトラブルなく使用可能であるためには、フィルム坪量は18〜70g/m、より好ましくは25〜60g/mである。また好ましい無機フィラー配合量は、フィルム全体の質量に対するフィラーの質量%として30〜65質量%、より好ましくは40〜60質量%である。また、生理用ナプキン10を下着に固定するための粘着剤は、薄膜状ではなく、防漏シート2の透湿性又は通気性を損なわないように塗工パターンを選択することが好ましい。具体的には、排泄領域に対応する位置の粘着剤塗工をなくしたり、線状及びスリット状に間隔のあいたパターンとしたり、離散的なドット状パターンを全面に散らしたり、等のパターン塗工が好ましい。
本発明において吸収体3はフォーム材からなるが、フォーム材とは典型的には内部を発泡させて作製した樹脂成形体(発泡体)であり、クローズドセル構造であってもオープンセル構造であってもよいが、親水性でオープンセル構造のフォーム材であることが、次の理由で好ましい。やわらかく弾性回復性があるため、よれにくく、体にフィットしやすい。体圧や動作変形が加わってもセル(泡)が変形しにくいため、液戻りや液移動しにくい。すなわち安定吸収可能である。更に詳しく説明すると、吸収体3は、3次元的な骨格構造を有し、本質的に親水性か、あるいは親水性化処理された構造体が好ましく、材質は特に限定されることなく、幅広く利用可能である。例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ブタジエンスチレンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム等の合成高分子からなる多孔体、セルロース等の多糖類からなる多孔体、珪藻土等の無機物質からなる多孔体等が挙げられる。また、多孔構造形成方法も、ウレタンフォームのような化学発泡によるフォーム形成の他、超臨界発泡、炭酸ガスや窒素等の気体吸込みによる物理発泡、抽出法による空隙間生成、孔内層エマルジョンフォーム等の重合過程でのフォーム形成など各種フォーム形成方法を用いることができる。更にまた、該フォーム材の親水性は、セルロースや珪藻土のように、本質的に親水性の材料を選択する他、ウレタンにおいて、重合性モノマーの1つとして親水性ポリオールを選択する等の方法で親水性のフォーム材が得られる。一方で、疎水性のフォーム材を表面シート同様各種親水化剤で親水化処理することも可能である。エアレイドティッシュや不織布等の繊維集合体、綿状パルプ、及びこれらと高吸水性ポリマーを複合してシート状に形成した吸収シートを吸収体3に用いることも可能であり、これらの材料と前記親水性フォーム材を重ね合わせて開孔3aを施した重ね合わせシートを吸収体3として用いることも可能であるが、これらと親水性フォーム材は液の分布状態や移動性に次の相違を生じる。該繊維集合体の繊維間隙即ち空隙は線状に連続しており、かつ空隙が潰れやすい為、液を吸収層内に一様に拡散させやすく、かつ、体圧によって簡単に液移動や液戻りを生じる。一方、親水性フォーム材は、以下の如く形態が安定しており且つ泡構造自体が潰れにくい為、液が一箇所に留まりやすく、体圧による液移動や液戻りが生じにくい。従って吸収体3に繊維集合体を含む構成の場合、一旦開孔3aが空隙となり通気チャンバーとして機能するように液を収容した場合でも、使用者の体圧や動作変形によって、繊維集合体に収容された液が開孔3aにリークして開孔を塞ぐことも考慮し、親水性のフォーム材単独、又は親水性のフォーム材と高吸水性ポリマーを組み合わせた構成が最も好ましい。
体液の吸収状態によらず、表面から防漏シートまで通気経路を確保するためには、表面シートから吸収体へ速やかに液移動させて表面シートに液を残さないことが重要である。このためには、表面シートより吸収体の液引き込み力、いわゆる毛管力を高めることが重要である。具合的には、上述した親水化処理において、吸収体側の親水化剤塗工量を多くする、あるいは表面シート不織布繊維間距離より、フォーム材の骨格間平均距離が小さくなるように設計する。たとえば、表面シートの親水化剤塗工量を1質量%とし、フォーム材の親水化剤塗工量を3質量%とする。あるいは、フォーム材の骨格間平均距離を400μm以下とする等の方法が好ましく、両者を併用することが更に好ましい。フォーム材の製法における諸条件については特表平8−504474号公報等に記載の事項を参照することができる。
1 表面シート
2 防漏シート
3 吸収体
3a 貫通孔
3a、3a 開口
33a 柱状貫通孔
10 生理用ナプキン

Claims (3)

  1. 肌当接面側に配置される液透過性の表面シート、非肌当接面側に配置される透湿性を有する防漏シート、該両シートの間に介在される吸収体を有する吸収性物品であって、前記吸収体は排泄領域に肌当接面から非肌当接面に向けて貫通する孔を複数有し、該貫通孔壁面と肌当接面、非肌当接面とで形成される断面形状は、肌当接面の法線に対し壁面がなす線が傾斜しており、該貫通孔の壁面積(Aa)が仮想柱状貫通孔の壁面積(Ab)より大きくなる形状とされ、前記貫通孔の断面形状が、肌当接面から非肌当接面に向け斜めに15度以上傾いた平行四辺形状、または肌当接面から非肌当接面に向け平行曲線形状であり、前記吸収体が親水性の発泡材からなり、乾いた状態では連続した微細孔を有していることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記吸収性物品は、排泄領域のみに前記貫通孔が配設された生理用ナプキンである請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記貫通孔の開孔径は前記吸収体におけるフォーム材の骨格間平均距離よりも大きい請求項1又は2に記載の吸収性物品。
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