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JP5465535B2 - ヒドロホルミル化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物をヒドロホルミル化するための方法に関する。特に、本発明は、有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒の存在下で一酸化炭素および水素をオレフィン化合物に付加することによるアルデヒドおよび/またはアルコールの製造に関する。
少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物と、一酸化炭素および水素とを触媒の存在下で反応させることによってアルデヒドおよび/またはアルコール化合物を製造するための様々な方法が知られている。典型的には、これらの反応は、高温および高圧で実施される。製造されるアルデヒドおよびアルコール化合物は、一般には、カルボニル基またはカルビノール基をそれぞれ出発材料中のオレフィン不飽和炭素原子に付加すると同時にオレフィン結合を飽和することによって得られる化合物に対応する。オレフィン結合の異性化が、特定の条件下で様々な程度まで生じ得る。したがって、この異性化の結果として様々な生成物を得ることができる。これらの方法は、典型的には、ヒドロホルミル化反応として知られ、一般に以下の式で示すことができる反応を含む。
Figure 0005465535
上式において、各基RからRは、独立に、有機基、例えばヒドロカルビル基、または水素原子もしくはハロゲン原子などの好適な原子、またはヒドロキシル基もしくはアルコキシ基を表してもよい。上記反応を、オレフィン結合を有する脂環式環、例えばシクロヘキセンに適用することもできる。
ヒドロホルミル化反応に採用される触媒は、典型的には、一酸化炭素、および有機ホスフィンなどのリガンドと複合したコバルト、プラチナ、ロジウムまたはルテニウムなどの遷移金属を含む。
有機ホスフィンリガンドを有する遷移金属触媒を使用する初期のヒドロホルミル化方法の典型が、米国特許第3420898号明細書、米国特許第3501515号明細書、米国特許第3448157号明細書、米国特許第3440291号明細書、米国特許第3369050号明細書および米国特許第3448158号明細書に記載されている。
ヒドロホルミル化方法の効率を向上させるために、典型的には、新規の触媒、および触媒を回収・再使用するための新規の方法を開発することが注目された。特に、必要な高反応温度において安定性を向上させることができる新規の触媒が開発された。中間アルデヒドの個別の水素化を含む二工程手順でなく、アルコールの単一段階製造を可能にする触媒も開発された。さらに、反応速度の向上を可能にしながら、所望の生成物の収率を許容可能なものとすることができる均質の触媒が開発された。
有機ホスフィン改質コバルト触媒は、オレフィン化合物のアルコールに対する単一工程ヒドロホルミル化反応における優れた触媒であることが知られているが、当該触媒の使用は、副産物としてパラフィンも生成させ得る。これらのパラフィン副産物は、商業的価値が極めて小さい。また、当該反応において、重質有機物質(「重質エンド」)が副産物として生成され得る。これらの副産物は、反応物質の浪費をもたらし、それらを生成物の流れから分離させるためにさらなるエネルギーを必要とする。さらに、リアクターシステムにおける重質エンドの量を制御するために、それらを排出流から除去することができる。当該排出流も触媒ならびにアルコールおよび/またはアルデヒド生成物を含有するため、高価な触媒および貴重な生成物の損失をもたらすことになる。したがって、有機ホスフィン改質コバルト触媒を使用するヒドロホルミル化方法において形成される重質エンドおよびパラフィン副産物の量を減少させることが望まれることになる。
また、一酸化炭素および有機ホスフィンリガンドと複合したコバルトを含むコバルト触媒が反応中に分解して、コバルトおよび炭化コバルト(コバルトと炭素の化合物、実験式CoC(yは、2から3の範囲である。))などの固体コバルト堆積物を生成し得ることを本発明者らは確認した。炭化コバルトは、ヒドロホルミル化反応において触媒として不活性である。炭化コバルトの存在は、また、コバルト触媒のさらなる分解を促進することによって、触媒使用率を増加させる。炭化コバルトは、ヒドロホルミル化反応において触媒として不活性であるばかりでなく、比較的嵩高い多孔質の構造を有し、反応媒体に不溶である。炭化コバルトは、典型的には、凝集し、製造設備の内面に有害な堆積物を形成する傾向があるため、これは、特に均質なコバルト触媒にとって大きな欠点になる。炭化コバルトの堆積は、最適な効率でのヒドロホルミル化製造設備の運転を妨げる。特に、炭化コバルトの堆積は、製造設備における配管を詰まらせ、これらの炭化コバルト堆積物の除去を可能にするための製造設備の運転停止をもたらし得る。
したがって、本発明は、オレフィン化合物のアルコールへのワンポット転換に用いることができ、生成されるパラフィンおよび重質エンド副産物の量を減少させるだけでなく、分解、ならびに製造設備の内面への炭化コバルトおよび/またはコバルト堆積物の形成を通じて失われるコバルト触媒の量を減少させる簡単なヒドロホルミル化方法を提供することを目的とする。
また、ノルマル1−アルコール生成物の需要は、他のアルコール生成物の需要より大きいため、したがって、アルコール生成物組成におけるノルマル1−アルコールの割合を大きくすることも望まれることになる。
米国特許第6,482,992号明細書には、a)6から24個の炭素原子の炭素原子含有量を有するオレフィンを、オレフィン反応物質の生成物への転換率が20から98%になる点までリアクターにてコバルトまたはロジウム触媒の存在下でヒドロホルミル化すること;b)リアクターから排出される、得られた液体から触媒を除去すること;c)得られた液体ヒドロホルミル化混合物を、オレフィンおよびパラフィンを含む低沸点フラクション、ならびにアルデヒドおよび/またはアルコールを含むボトムフラクションに分けること;およびd)工程a、bおよびcを含む次の処理段階において低沸点フラクションに存在するオレフィンを反応させ、すべての処理段階の処理工程c)のボトムフラクションを混合することをそれぞれ含む複数のヒドロホルミル化段階でアルコールおよび/またはアルデヒドを得るためにオレフィンをヒドロホルミル化するための方法が記載されている。異なる反応条件をヒドロホルミル化リアクターに設定することができる。
米国特許第5,112,519号明細書には、反応を促進するのに十分でありながら、パラフィン形成を遅らせる温度で、ホスフィンリガンドを有する触媒を使用して、式(C、(C(xは、1から10の値を有する。)を有するオレフィンまたはそれらの混合物をヒドロホルミル化するための方法が記載されている。米国特許第5,112,519号明細書に開示されているヒドロホルミル化方法は、単一のリアクターで実施され、ヒドロホルミル化温度が、135℃に2時間保持された後、160℃の反応温度に48時間保持される(実施例2)。最初に用いる温度の方が低い理由は、オレフィンの二重結合を鎖末端まで異性化するためであると述べられている。
英国特許第1041101号明細書には、反応系に温度勾配を設けて、非改質コバルト触媒の存在下で実施されるヒドロホルミル化方法が記載されている。副産物の生成を低減するために、全反応質量の10%未満の量の水を反応物に添加することができる。
好ましくは反応の後半の段階において同様の量の水を添加することが、反応収率を向上させる方法として、米国特許第3113974号明細書に教示されている。
国際公開第98/11468号パンフレットには、重質副産物を減少させ、水素化および/または水素化仕上げ中に硫黄耐性触媒を使用することを可能にするために、アルコール製造のための多工程オキソプロセスの水素化仕上げ段階に水を注入することが記載されている。
米国特許第4401834号明細書は、アルコールを製造するための方法であって、二工程オキソプロセスにおいて、反応混合物に存在するあらゆるアセタール副産物を分解するために、ヒドロホルミル化工程のアルデヒド含有生成物に対して、それが水素化される前に水が添加される方法を対象とする。
ヒドロホルミル化反応物に水を添加することは、酢酸コバルトの水溶液によって少なくとも部分的に触媒されたオレフィンのヒドロホルミル化によるアルデヒドの調製を対象とする英国特許第740708号明細書にも記載されている。リアクターシステムのフラッディングおよび反応物の失活を防止するために、認識可能な割合のオレフィンがアルデヒドに転換された点で前記水溶液の少なくとも一部がリアクターシステムに注入されなければならない。
米国特許第2809220号明細書によれば、水を水素化環境に(すなわち、ヒドロホルミル化方法におけるアルデヒドの形成後に)添加すると、スルフ活性水素化触媒を使用すると、アルコールの収率が向上する。
カルボニル化、またはオキソプロセスのアルデヒド合成反応混合において、供給物におけるオレフィンに対して100から200重量%までの量で水を連続的にリサイクルすることが、触媒のリサイクルのためにも、また反応温度制御のためにも有益であるとして英国特許第703491号明細書に教示されている。
独国特許第2851515号明細書には、オレフィンと水素および一酸化炭素との反応において2から5重量%の水を使用し、反応で形成されたギ酸エステル副産物を分解させるために合成段階に戻すことが教示されている。
米国特許第3420898号明細書 米国特許第3501515号明細書 米国特許第3448157号明細書 米国特許第3440291号明細書 米国特許第3369050号明細書 米国特許第3448158号明細書 米国特許第6,482,992号明細書 米国特許第5,112,519号明細書 英国特許第1041101号明細書 米国特許第3113974号パンフレット 国際公開第98/11468号明細書 米国特許第4401834号明細書 英国特許第740708号明細書 米国特許第2809220号明細書 英国特許第703491号明細書 独国特許第2851515号明細書
(発明の要旨)
本発明によれば、1つ以上の供給流、反応環境および出力流を含むリアクターシステムにおいて、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物を含む原料組成物と、水素および一酸化炭素とを、有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒の存在下で反応させることを含むヒドロホルミル化方法であり、少なくとも2つの反応域を含む反応環境において実施され、少なくとも2つの反応域は、前段反応域および後段反応域を含み、後段反応域の温度は、前段反応域における温度より少なくとも2℃高い温度であり、後段反応域の温度は、140℃から220℃の範囲であり、前段反応域の温度は、少なくとも130℃であり、水がリアクターシステム内に添加されるヒドロホルミル化方法が提供される。
ヒドロホルミル化方法を表す図である。
驚くべきことに、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物を含む原料組成物のヒドロホルミル化のための向上した方法を、1つ以上の供給流、反応環境および出力流を含むリアクターシステムであって、反応環境が少なくとも2つの反応域を含み、後段反応域の温度が前段反応域の温度より高いリアクターシステムを使用すること、および前記リアクターシステム内に水を添加することによって達成できることをここに見出した。
本発明の反応環境は、少なくとも2つの反応域を含む。
「反応域」という用語は、本明細書に用いられているように、本発明のヒドロホルミル化方法が実施され得る、反応混合物を含む制御された環境を指す。反応域は、例えば、リアクター、または反応条件をリアクターの他の部分から独立して制御することができるリアクターの一部分であり得る。典型的には、反応域は、リアクターである。
本発明の方法を実施するために使用される反応域の数は、少なくとも2つの反応域が使用されるのであれば重要でない。典型的には、本発明に使用される反応域の数は、せいぜい60、好ましくはせいぜい40、より好ましくはせいぜい20、最も好ましくはせいぜい10である。
本発明の方法の反応域がリアクターであるときは、リアクターは、孤立リアクター、または互いに連結した一連のリアクターであってよい。好ましくは、本発明の方法は、縦列に連結された少なくとも2つのリアクターにおいて実施される。本明細書に用いられている「縦列に連結された」という用語は、反応混合物が、制御された温度および圧力条件下で1つの反応域から次の反応域に連続的に移動し、個々の反応域の温度および圧力を独立に設定できる連続的な反応連鎖を形成するように互いに連結された一連の個別の反応域を指す。
本明細書に用いられている少なくとも2つの反応域は、前段反応域および後段反応域を含む。前段反応域は、本発明の方法の第1の反応域であり得るが、後段反応域(例えば、第2または第3の反応域)でもあり得る。後段反応域は、本発明の方法の第2の反応域であり得るが、代替として後段反応域(例えば、第3または第4の反応域)でもあり得る。重要なこととして、前段反応域は、後段反応域の前にくるが、前段反応域は、後段反応域のすぐ隣に存在する必要はない。例えば、前段反応域が第1の反応域であってもよく、後段反応域が第2の反応域であってもよい。あるいは、前段反応域が第1または第2の反応域であってもよく、後段反応域が第4または第5の反応域であってもよい。本明細書における好適な実施形態において、前段反応域は、第1の反応域であり、後段反応域は、第2、第3、第4、第5、第6、第7または第8の反応域である。
本明細書における特に好適な実施形態において、後段反応域の前にくる反応域は、いずれも後段反応域の温度より2℃低い温度より高い温度でない。
前段反応域におけるより低い温度から後段反応域におけるより高い温度までの温度上昇が生じるように、温度の段階化が本発明の方法における反応域に適用される。特に、本発明の方法の反応域の温度は、後段反応域の温度が、前段反応域における温度より少なくとも2℃高い温度になり、後段反応域の温度が、140℃から220℃の範囲になり、前段反応域の温度が少なくとも130℃になるように制御される。
好ましくは、後段反応域の温度は、145℃から215℃の範囲、より好ましくは150℃から210℃の範囲、最も好ましくは155℃から205℃の範囲になる。
前段反応器の温度は、少なくとも130℃、好ましくは少なくとも135℃、より好ましくは少なくとも140℃になる。前段反応域の温度は、好ましくは210℃以下、より好ましくは200℃以下、さらにより好ましくは190℃以下になる。前段反応域の温度は、後段反応域の温度より少なくとも2℃低い温度、好ましくは少なくとも4℃低い温度、より好ましくは少なくとも6℃低い温度、最も好ましくは少なくとも8℃低い温度、特に少なくとも10℃低い温度になることも必要とされる。典型的には、前段反応域の温度は、後段反応域の温度よりせいぜい90℃低い、より典型的にはせいぜい80℃低い、一般にはせいぜい70℃低い。
本発明の一例は、その最も単純な形態において、第1の反応域が少なくとも130℃の温度、例えば、165℃から185℃の範囲の温度であり、第2の反応域が140℃から220℃の範囲の温度、例えば、185℃から205℃の範囲の温度であり、第2の反応域の温度が第1の反応域の温度より少なくとも2℃高い2つの反応域のみを含むことになる。例えば、第1の反応域の温度は、175℃であり、第2の反応域の温度は、195℃である。
しかし、典型的には、本発明は、3つ以上の反応域を含むことになる。例えば、本発明の方法が4つの反応域を含む実施形態において、最初の2つの反応域は、少なくとも130℃の温度、例えば、165℃から185℃の範囲の温度、例えば180℃であってもよく、第3および第4の反応域は、140℃から220℃の範囲の温度であってよいとともに、最初の2つの反応域より少なくとも2℃高い温度、例えば、185℃から205℃の範囲の温度、例えば190℃でもある。
全体として、本発明の方法は、140℃から220℃の範囲の最高温度までの温度上昇を含むことになる。140℃から220℃の範囲の最高温度が達成された後、あらゆる後続の反応域の温度は、一定に維持され得る、または低下し得る。
本発明の一実施形態において、温度は、1つの反応域から次の反応域まで段階的に上昇してもよく、温度上昇は、直線的に、漸近的に、指数関数的に、または任意の他の様式で生じてもよい。例えば、本発明の方法が5つの反応域を含む実施形態において、第1の反応域は、少なくとも130℃の温度(例えば、150℃から160℃の範囲の温度、例えば155℃)であってもよく、第2の反応域は、第1の反応域より高い温度(例えば、160℃から170℃の範囲の温度、例えば165℃)であってもよく、第3の反応域は、第2の反応域より高い温度(例えば、170℃から180℃の範囲の温度、例えば175℃)であってもよく、第4の反応域は、第3の反応域より高い温度(例えば、180℃から190℃の範囲の温度、例えば185℃)であってもよく、第5の反応域は、第4の反応域より高い温度(例えば、190℃から200℃の範囲の温度、例えば195℃)であってもよい。
本発明の別の実施形態において、最高温度に到達した反応域に続く反応域の温度は、到達した最高温度に比べて低くなる。例えば、本発明の方法が6つの反応域を含む実施形態において、最初の2つの反応域は、少なくとも130℃の温度、例えば、140℃から160℃の範囲の温度(例えば155℃)であってもよく、第3および第4の反応域は、140℃から220℃の範囲の温度であってよいとともに、最初の2つの反応域より少なくとも2℃高い温度、例えば、185℃から205℃の範囲の温度(例えば200℃)でもあり、第5および第6の反応域は、第3および第4の反応域より低い温度、例えば、140℃から180℃の範囲の温度(例えば170℃)であってもよい。あるいは、本発明の方法が7つの反応域を含む実施形態において、第1および第2の反応域は、少なくとも130℃の温度、例えば、165℃から185℃の範囲の温度(例えば185℃)であってもよく、第3、第4および第5の反応域は、140℃から220℃の範囲の温度であってよいとともに、第1の反応域より少なくとも2℃高い温度、例えば、185℃から205℃の範囲の温度(例えば200℃)でもあり、第6の反応域は、第3、第4および第5の反応域より低い温度、例えば、165℃から185℃の範囲の温度(例えば185℃)であってもよく、第7の反応域は、第6の反応域より高いが、第3、第4および第5の反応域より低い温度、例えば、185℃から205℃の範囲の温度(例えば190℃)であってもよい。
8つの反応域を含む本発明の方法の別の実施形態において、最初の2つの反応域は、少なくとも130℃の温度、例えば、160℃から180℃の範囲の温度(例えば170℃)であってもよく、第3の反応域は、最初の2つの反応域より低い温度、例えば、140℃から160℃の範囲の温度(例えば155℃)であってもよく、第4、第5および第6の反応域は、140℃から220℃の範囲の温度であってよいとともに、最初の2つの反応域より少なくとも2℃高い温度、例えば、180℃から200℃の範囲の温度(例えば195℃)でもあり、第7および第8の反応域は、第4、第5および第6の反応域より低い温度、例えば、160℃から180℃の範囲の温度(例えば175℃)であってもよい。
代替的な実施形態において、前段反応域の前に少なくとも1つの反応域が置かれるときは、前記前に置かれた反応域における温度は、前段反応域に対して規定された最低温度より場合によって低くてもよい。例えば、室温(すなわち25℃)の反応域が前段反応域の前に置かれてもよい。また、リアクター列における任意の反応域における前段反応域に対して規定された最低温度より低い温度を用いることも本発明によって除外されない。しかし、本発明の方法は、少なくとも2つの反応域において実施され、どの反応域も前段反応域に対して規定された最低温度より低い温度でないことが好ましい。
ヒドロホルミル化の速度は、温度の上昇とともに大きくなるため、前段反応域において低温を用いると、前段反応域の温度の低下がないヒドロホルミル化方法と比較した場合に全体反応速度が低下する。全体反応速度は、また、触媒濃度の増加とともに大きくなる。したがって、前段反応域において低い温度を用いることによる反応速度の低下を、高い触媒濃度を用いることによって補償することができる。
本発明の方法を様々な圧力で実施することができる。結果として、本発明の方法によるヒドロホルミル化を、典型的には、8×10Pa未満の圧力から1×10Pa程度の圧力で実施することができる。しかし、本発明の方法は、その利用可能性において低い圧力に限定されない。1×10Paから約2×10Paの範囲、場合によっては約2×10Pa以上までの広範囲な圧力を採用することができる。典型的には、用いられる具体的な圧力は、採用される具体的な装填物および触媒によってある程度支配されることになる。概して、約2×10Paから10×10Paの範囲の圧力、特に約2.7×10Paから約9×10Paの範囲の圧力が好適である。
反応環境からの出力流は、アルコールおよび/またはアルデヒド生成物、触媒、副産物ならびにあらゆる未消費反応物質を含む。得られた出力流に、1つ以上の工程、例えば、層化、溶媒抽出、蒸留、分別、吸着、濾過等を含む好適な触媒および生成物分離手段を施すことができる。採用される具体的な生成物および触媒分離方法は、装填される具体的な複合体および反応物質によってある程度支配されることになる。触媒またはその成分、ならびに未消費反応物質、副産物、アルコールおよびアルデヒド生成物、ならびに採用された場合に溶媒を反応環境に部分的または全面的にリサイクルすることができる。
例えば、望まれる場合は、アルコール反応生成物の一部を反応環境にリサイクルさせて、反応環境に移動する触媒および触媒成分等のための溶媒および/または希釈剤および/または懸濁媒体として機能させることができる。触媒の溶解および/または懸濁を支援するために、重質エンド副産物の一部を反応環境にリサイクルさせることもできる。さらに、製造される場合は、アルデヒド生成物の一部またはすべてを反応環境に場合によってリサイクルさせ得る、またはコバルト触媒の存在下で、個別の反応環境において水素化またはヒドロホルミル化条件に曝すことができる。本発明の好適な実施形態において、使用された有機ホスフィン改質コバルト触媒が、再利用のための供給流として反応環境にリサイクルされる。
本発明の好適な実施形態において、水を添加する前に、リサイクルされる流れは、せいぜい300ppmw、より好ましくはせいぜい100ppm、さらにより好ましくはせいぜい50ppmw、最も好ましくはせいぜい20ppmwの水を含む。
予め形成されたさらなるコバルト触媒、または活性複合体をin situで製造することが可能な触媒の個別の成分を、反応環境にリサイクルされている分離された材料に添加することができるか、または代替として生成物の流れに分離手段が施される前に反応環境を出る前記生成物の流れに添加することができる。
水は、好ましくは、反応混合物の全重量に対して、少なくとも0.05重量%、より好ましくは少なくとも0.075重量%、最も好ましくは少なくとも0.1重量%の量で反応システム内に添加される。水は、好ましくは、反応混合物の全重量に対して、せいぜい10重量%、より好ましくはせいぜい5重量%、最も好ましくはせいぜい2重量%の量で反応システム内に添加される。
好適な実施形態において、本発明は、連続的なプロセスとして実施され、水の量を所望のレベルに維持するために、水がリアクターシステム内に連続的に添加される。
リアクターシステム内に添加される水を、1つ以上の塩の水溶液としてリアクターシステムに添加することもできる。好適な塩としては、KOH、NaOH、NaSHおよびNaSが挙げられるが、それらに限定されない。
水をリアクターシステムにおける任意の点において添加することができる。本発明の一実施形態において、水は、リアクターシステムの始点において添加される。これを達成するために、水を個別の供給流として反応環境内に添加することができる、または1つ以上の他の反応物質を含む供給流の1つに添加することができる。例えば、リサイクルされた触媒供給流に水を添加することができる。
あるいは、水を、オレフィン原料を含む供給流に添加する、または水素および一酸化炭素を含む供給流内に添加することが好ましいこともある。
本発明の別の実施形態において、水は、オレフィン原料の少なくとも一部が転換されてアルデヒドおよび/またはアルコールを形成した点においてリアクターシステムに添加される。これは、反応環境に沿う通路の一部の点における水の添加を含む。反応域のいずれかに沿う通路の始点または一部において水を添加することができる。反応環境が1つ以上のリアクターを含む場合には、個々のリアクターに沿う通路の一部の点において、または2つ以上のリアクターが存在する場合は、2つのリアクターの間の点において水を添加することによってこれを達成することができる。オレフィン原料と比較して、アルデヒドおよび/またはアルコール生成物への水の溶解性が高いため、この実施形態は、リアクターをフラッディングさせる危険性および反応物を失活させる危険性を伴わずに、この段階でより多くの水を添加できるという利点がある。
さらなる実施形態において、水をリアクターシステムの出力流に添加することができる。
好適には、水をリアクターシステムに添加しながら、ヒドロホルミル化反応を進行させる。
反応環境に入る供給流は、水素、一酸化炭素、オレフィン原料、触媒または触媒成分、場合によって1つ以上のリサイクル流、また場合によって1つ以上のドーパント、および場合によって水を含む。好適なドーパントとしては、NaSH、NaS、ならびにチオール、ジスルフィド、チオエーテルおよびチオフェンを含む硫黄含有有機添加剤が挙げられるが、それらに限定されない。供給流を控えめな供給流として反応環境内に導入することができる、または反応環境に入る前に任意の組合せで一緒に混合することができる。
促進剤および/または安定剤等の混合物を本発明の方法に含めることもできる。したがって、少量のヒドロキノンなどのフェノール系安定剤、および/またはアルカリ金属の水酸化物、例えば、NaOHおよびKOHなどのアルカリ剤を反応環境に添加することができる。
触媒と、ヒドロホルミル化すべきオレフィン化合物との比は、一般には重要でなく、広く変化してもよい。実質的に均質の反応混合物を達成するためにその比を変化させることができる。したがって、溶媒は必要とされない。しかし、不活性な溶媒、または採用された条件下で所望のヒドロホルミル化反応に実質的な程度で干渉しない溶媒を使用することができる。例えば、飽和液体炭化水素、ならびにアルコール、エーテル、アセトニトリルおよびスルホラン等を該方法における溶媒として使用することができる。任意の所定の瞬間における反応域における触媒とオレフィン化合物のモル比は、典型的には、少なくとも約1:1000000、好ましくは少なくとも約1:10000、より好ましくは少なくとも約1:1000、そして好ましくはせいぜい約10:1である。しかし、より高い、またはより低い触媒とオレフィン化合物との比を用いることができるが、概して、それは1:1より小さくなる。
水素および一酸化炭素を2つの控えめな供給流、すなわち水素ガス供給流および一酸化炭素ガス供給流として、または混合供給流、例えばシンガス供給流として本発明の方法に導入することができる。
供給流における水素と一酸化炭素の全モル比は、広く変化してもよい。概して、少なくとも約1:1の水素と一酸化炭素のモル比が採用される。好適には、水素と一酸化炭素の比は、約1:1から約10:1の範囲内の比を含む。しかし、より高い、またはより低い比を採用してもよい。
採用される水素と一酸化炭素の比は、所望の反応生成物の性質によってある程度支配されることになる。主にアルデヒド生成物をもたらすことになる条件が選択される場合は、一酸化炭素1モル当たりわずか約1モルの水素がオレフィン化合物との反応に入る。アルコールが本発明の方法の好適な生成物であるときは、約2モルの水素および約1モルの一酸化炭素が各1モルのオレフィン化合物と反応する。これらの値によって規定される比より幾分低い水素と一酸化炭素の比を用いることが一般に好適である。
本発明の方法のオレフィン原料は、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する少なくとも1つの化合物を含む。一般に、本発明の方法のオレフィン原料は、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する2つ以上の化合物を含む。オレフィン原料は、任意の好適なオレフィン原料流、例えば、市販のオレフィン、フィッシャー−トロプシュ反応からの生成物流、または蝋分解法によって製造されたオレフィン流を含むことができる。好適なオレフィン原料は、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する10%程度の化合物を含むことができる。
本発明の方法は、一般には、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する任意の場合によって置換された脂肪族または脂環式化合物のヒドロホルミル化に適用可能である。少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する脂肪族または脂環式化合物が置換されている場合は、置換基は、典型的には、反応条件下で不活性になる。好適な置換基の例としては、芳香族環、アルコール基、アミン基およびシラン基等が挙げられる。したがって、本発明の方法を、例えば、3から40個の炭素原子を有するオレフィン化合物のヒドロホルミル化に適用して、アルコールを製造することができる、または特定の条件下で、アルデヒドと、出発オレフィン化合物より炭素原子が1個多いアルコールとの混合物を製造することができる。特に、本発明の方法を、例えば、3から40個の炭素原子を有するオレフィン化合物のヒドロホルミル化に適用して、単一工程で、出発オレフィン化合物より炭素原子が1個多いアルコールを製造することができる。プロピレン、ブチレン、アミレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレンおよびそれらの相同体などのモノオレフィン化合物は、本発明の方法においてヒドロホルミル化することができる好適な不飽和化合物の例である。好適な不飽和化合物は、1つ以上のオレフィン部位を有する分枝状化合物および直鎖状化合物の両方を含む。2つ以上の二重結合が存在するときは、これらは、1,3−ヘキサジエンのように共役であってもよく、または非共役であってもよい。ポリオレフィン化合物の場合は、オレフィン部位の1つのみ、またはこれらの部位のいくつかまたはすべてをヒドロホルミル化することが可能である。不飽和炭素−炭素オレフィン結合が、1−ペンテンのように、末端炭素原子とその隣接炭素原子との間に存在してもよく、または4−オクテンのように、内部鎖炭素原子の間に存在してもよい。
本発明の一実施形態において、本発明の方法に使用される、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物の少なくとも1つがモノオレフィン化合物である。本発明の別の実施形態において、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する原料の実質的にすべてがモノオレフィン化合物を含む。
本発明の別の実施形態において、本発明の方法に使用される、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物の少なくとも1つが、末端炭素原子とその隣接炭素原子との間にオレフィン結合を有し、これらは、末端オレフィンまたはアルファオレフィンと称することもできる。本発明の別の実施形態において、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する原料の実質的にすべてが、末端炭素原子とその隣接炭素原子との間にオレフィン結合を含む。
本発明の代替的な実施形態において、本発明の方法に使用される、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物の少なくとも1つが内部オレフィン結合を有する。本発明の別の代替的な実施形態において、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する原料の実質的にすべてが内部オレフィン結合を有する。
本発明の別の実施形態において、本発明の方法に使用される、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物の少なくとも1つが、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する直鎖状化合物である。本発明の別の実施形態において、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する原料の実質的にすべてが、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する直鎖状化合物である。
本発明の別の実施形態において、本発明の方法に使用される、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物の少なくとも1つが、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する分枝状化合物である。本発明の別の実施形態において、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する原料の実質的にすべてが、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する分枝状化合物である。
「実質的にすべて」という用語は、原料組成物に関して用いられるときは、原料組成物の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも75重量%が指定の特性を含むことを意味する。
ポリジオレフィン化合物、例えばポリブタジエン、ならびにオレフィン化合物とジオレフィン化合物のコポリマー、例えばスチレン−ブタジエンコポリマーなどの、上記のタイプのアクリル単位を含む巨大分子材料のヒドロホルミル化を本発明の方法によって遂行することもできる。
環式化合物も本発明の方法における使用に同等に好適である。好適な環式化合物としては、シクロペンテン、シクロヘキセンおよびシクロヘプテンなどの、炭素−炭素不飽和結合を含む環式オレフィン化合物などの不飽和脂環式化合物が挙げられる。テルペン、ならびに2,5−ビシクロ(2,2,1)ヘプタジエンおよび1,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロ−1,4,5,8−ジメタノナフタレン等の縮合環多環式オレフィン化合物もこの範疇に含まれる。
本発明の方法は、典型的には、炭化水素原料組成物のオレフィン炭素−炭素結合をヒドロホルミル化するために用いられるが、非炭化水素原料組成物に用いられてもよい。したがって、オレフィン不飽和アルコール、エーテル、エポキシド、アルデヒド、およびアルコール、エーテル、アルデヒドに対応する酸、ならびに出発材料のオレフィン結合に既に含まれた炭素原子の1つの上にアルデヒド基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を含む酸をヒドロホルミル化することが可能である。本発明の方法によってヒドロホルミル化することができる異なる種類のオレフィン化合物およびそれによって得られる生成物のいくつかの具体例を以下に示す。
CH(CHCH=CH+CO+H→CH(CHCHOおよび/または
CH(CHCHOH+異性体生成物
CH=CHCl+CO+H→ClCHCHCHOHおよび/またはClCHCHCHO
CHCOOCHCH=CH+CO+H→CHCOOCHCHCHCHOおよび/またはCHCOOCHCHCHCHOH
シクロペンテン+CO+H→ホルミルシクロペンテンおよび/またはシクロペンチルカルビノール
OCOCH=CHCOOC+CO+H→COCOCH(CHO)CHCOOCおよび/またはCOCOC(CHOH)HCHCOOC
アリルベンゼン+CO+H→ガンマフェニルブチルアルデヒドおよび/またはデルタ−フェニルブタノール+異性体生成物
典型的には、本発明の方法のオレフィン原料は、1分子当たり3から40個の炭素原子を有するオレフィン化合物を含む。好ましくは、本発明の方法の原料組成物は、1分子当たり3から30個の炭素原子を有する、より好ましくは1分子当たり4から22個の炭素原子を有する、最も好ましくは1分子当たり5から20個の炭素原子を有するオレフィン化合物を含む。本発明の一実施形態において、原料組成物は、1分子当たり6から18個の炭素原子を有するオレフィン化合物を含む。
採用される具体的な装填物およびコバルト触媒に応じて、本発明の方法は、オレフィン化合物の直接的な単一段階ヒドロホルミル化を実施して、アルコールがアルデヒドより支配的である反応生成物を与えることができることを当業者に理解されよう。以上に定義した範囲内で反応条件、反応装填物およびコバルト触媒を選択することによって、直鎖状オレフィン原料を使用するときは、オレフィン化合物のヒドロホルミル化から様々な分枝状異性体でなく、75%以上の直鎖状アルコールを得ることが可能である。典型的には、アルコールは、所望の最終生成物である。しかし、先に述べたように動作条件を変更することによって、生成物におけるアルデヒドとアルコールの比を変えることができる。
したがって、本発明の方法を採用して、オレフィン化合物、好ましくはモノオレフィン化合物、特に、例えば1分子当たり3から40個の炭素原子を有するモノオレフィンの直接的な単一段階ヒドロホルミル化を実施して、アルコール、好ましくは、1分子当たり4から41個の炭素原子を有する主として末端のアルコールを製造することができる。実質的な割合のオレフィン化合物を含む例えばポリマーオレフィンフラクションおよび分解蝋フラクション等のオレフィンフラクションを、主として末端のアルデヒドと、装填物におけるオレフィン化合物より炭素が1個多く、支配的な反応生成物であるアルコールとの混合物を含むヒドロホルミル化生成物のフラクションに容易にヒドロホルミル化することができる。他の好適なオレフィンフラクションの供給源としては、フィッシャー−トロプシュ反応から直接または間接的に得られるものが挙げられる。オレフィンフラクションからなる好適な供給物としては、例えば、C、C、C、C10およびより高次のオレフィンフラクション、ならびにC−C、C10−C13、C14−C17のオレフィンフラクション等のより広い沸点範囲のオレフィンフラクションが挙げられる。広義には、C−C16のオレフィン化合物、特にC−C16のオレフィン炭化水素が好適である。
以上に定義した条件下で、オレフィン装填物は、一酸化炭素および水素と反応して、アルデヒド、および/または装填されたオレフィンより1分子当たりの炭素原子が1個多いアルコールを含む反応生成物を形成できることが理解されよう。
本発明の方法に使用される有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒は、一酸化炭素および有機ホスフィンリガンドと複合したコバルトを含む。本明細書に用いられている「複合」という用語は、1つ以上の一酸化炭素および有機ホスフィン分子と1つ以上のコバルト原子との結合によって形成された配位化合物を指す。好適な有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒は、その活性形態において、低い原子価状態の1つ以上のコバルト成分を含む。
好適な有機ホスフィンリガンドとしては、1つの利用可能な電子対または非共有の電子対を有する三価のリン原子を有するものが挙げられる。先述の電子構成を有する三価のリンの実質的に有機性の誘導体は、コバルト触媒のための好適なリガンドである。
任意の大きさおよび組成の有機基をリン原子と結合させることができる。例えば、有機ホスフィンリガンドは、有機ホスフィンリガンドは、その3つの原子価を満たす脂肪族および/または脂環式および/または複素環式および/または芳香族基を有する三価のリンを含むことができる。これらの基は、カルボニル、カルボキシル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシなどの官能基、飽和および/または不飽和の炭素−炭素結合、ならびに飽和および/または不飽和の非炭素−炭素結合を含むことができる。
有機基が、リン原子の原子価の2つ以上を満たすことによって、三価のリン原子と複素環式化合物を形成するのも好適である。例えば、アルキレン基は、その2つの開放原子価で2つのリン原子価を満たすことによって、環式化合物を形成することができる。別の例は、2個の酸素原子がアルキレン基をリン原子に結合させる環式化合物を形成するアルキレンジオキシ基である。これらの2つの例において、第3のリン原子価を任意の他の有機基で満たすことができる。
1つの利用可能な電子対を有する三価のリンを含む別の種類の構造体は、有機基によって結合された複数の当該リン原子を含む構造体である。この種の化合物は、典型的には、2個の当該リン原子が存在するときは二座リガンドと呼ばれ、3個の当該リン原子が存在するときは三座リガンドと呼ばれる等である。
本発明の方法に使用される好適な有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒およびそれらの調製方法は、いずれも参照により本明細書に組み込む米国特許第3369050、同第3501515号明細書、同第3448158号明細書、同第3448157号明細書、同第3420898号明細書および同第3440291号明細書に開示されている。好ましくは、有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒は、反応混合物と実質的に均質である。
本発明の方法に使用される好適な有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒は、有機三元ホスフィンリガンド、特に、好ましくは米国特許第3501515号明細書に開示されているに二環式複素環式tert−ホスフィンリガンドを含むものである。当該リガンドの代表例としては、以下のものが挙げられる。
9−ヒドロカルビル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン;
9−アリール−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
例えば9−フェニル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン;
(ジ)アルキル−9−アリール−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
例えば3,7−ジメチル−9−フェニル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]−ノナン、および
3,8−ジメチル−9−フェニル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン;
9−アルキル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
例えば9−オクタデシル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
9−ヘキシル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
9−エイコシル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、および
9−トリアコンチル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン;
9−シクロアルキル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
例えば9−シクロヘキシル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナンおよび
9−(1−オクタヒドロペンタリル)−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン;
9−シクロアルケニル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン、
例えば9−シクロオクテニル−9−ホスファビシクロ[4.2.1]ノナン;
9−ヒドロカルビル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−アリール−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、
例えば9−フェニル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン;
ジ)アルキル−9−アリール−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、
例えば3,7−ジメチル−9−フェニル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]−ノナンおよび
3,8−ジメチル−9−フェニル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−アルキル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、
例えば9−オクタデシル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、
9−ヘキシル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、
9−エイコシル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、および
9−トリアコンチル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−シクロアルキル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、
例えば9−シクロヘキシル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナンおよび
9−(1−オクタヒドロペンタリル)−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン;
9−シクロアルケニル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン、
例えば9−シクロオクテニル−9−ホスファビシクロ[3.3.1]ノナン
それらの混合物。
特に好適なリガンドは、9−エイコシル−9−ホスファビシクロノナン化合物を含む。特に好適な有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒は、コバルトを含む錯体であると考えられるそれらの誘導体を含む。
有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒を、米国特許第3369050号明細書、同第3501515号明細書、同第3448157号明細書、同第3420898号明細書および同第3440291号明細書に開示されているような当業者に良く知られている多様な方法によって調製することができる。便利な方法は、有機または無機コバルト塩と、所望のホスフィンリガンドとを例えば液相において混合した後に、還元およびカルボニル化を行うことである。好適なコバルト塩は、例えば、酢酸塩、オクタン酸塩等のカルボン酸コバルト、ならびに塩化物、フッ化物、硫酸塩、スルホン酸塩等の鉱酸のコバルト塩、ならびにこれらのコバルト塩の1種以上種の混合物を含む。コバルトの原子価状態を還元し、水素および一酸化炭素の雰囲気において溶液を加熱することによってコバルト含有錯体を形成することができる。還元を、有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒の使用前に実施することもできる、またはヒドロホルミル化環境においてヒドロホルミル化方法によりin situで遂行することもできる。あるいは、有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒をコバルトの一酸化炭素錯体から調製することができる。例えば、ジコバルトオクタカルボニルから出発し、この物質を好適なホスフィンリガンドと混合することによって、リガンドは、1つ以上の一酸化炭素分子に取って代わって、有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒を製造することができる。活性触媒化合物は、典型的には、処理条件下で形成される。
触媒と、ヒドロホルミル化すべきオレフィン化合物との比は、一般には重要でなく、広く変化してもよい。実質的に均質の反応混合物を達成するためにその比を変化させることができる。したがって、溶媒は必要とされない。しかし、不活性な溶媒、または採用された条件下で所望のヒドロホルミル化反応に実質的な程度で干渉しない溶媒を使用することができる。例えば、飽和液体炭化水素、ならびにアルコール、エーテル、アセトニトリルおよびスルホラン等を該方法における溶媒として使用することができる。任意の所定の瞬間における反応環境における触媒とオレフィン化合物のモル比は、典型的には、少なくとも約1:1000000、好ましくは少なくとも約1:10000、より好ましくは少なくとも約1:1000、そして好ましくはせいぜい約10:1である。しかし、より高い、またはより低い触媒とオレフィン化合物との比を用いることができるが、概して、それは1:1より小さくなる。
反応物質を反応環境に供給する割合は、比較的広い範囲にわたって変化してもよい。例えば、約1から約5モルの量の先述のオレフィン化合物と、約1から約12モルの水素および約1から約7モルの一酸化炭素とを反応させることができる。しかし、十分な量のオレフィン化合物が、反応環境への供給物に含まれる。
本発明のヒドロホルミル化方法を用いると、前段反応域の温度の低下(温度段階化)がなく、水が添加されないヒドロホルミル化方法と比較した場合に、ヒドロホルミル化方法全体におけるパラフィン副産物の形成がより少量になる。重質エンド副産物の生成も抑制される。
また、驚いたことに、本発明のヒドロホルミル化方法を用いると、前段反応域の温度の低下(温度段階化)がなく、または水が添加されないヒドロホルミル化方法と比較した場合に、ヒドロホルミル化方法全体において製造された他のアルコールと比較してノルマル1−アルコールの割合が大きくなることが観察された。本明細書に用いられている「ノルマル1−アルコール」という用語は、アルコール生成物が、オレフィン原料化合物の末端炭素原子に対して生じるヒドロホルミル化によって形成されることを意味する。オレフィン原料化合物が直鎖状オレフィン原料化合物である場合には、ノルマル1−アルコールは直鎖状1−アルコールになる。
また、本発明の方法を用いると、前段反応域の温度の低下(温度段階化)がなく、水が添加されないヒドロホルミル化方法と比較した場合に、ヒドロホルミル化方法全体において触媒が分解する速度が低下する。
特に、本発明の方法では、前段反応域の温度の低下(温度段階化)がなく、水が添加されないヒドロホルミル化方法と比較した場合に、リアクターシステムの内壁上へのコバルトおよび/または炭化コバルトの堆積を通じたコバルトの損失が有意に減じられる。リアクターの内壁上へのコバルトおよび/または炭化コバルトの堆積のこの減少は、これらのコバルト堆積物が引き起こし得るリアクターおよび配管の詰まりおよび汚染が軽減されるため、全体的な方法の信頼性の有意な向上をもたらす。したがって、本発明の方法を実施すると、これらのコバルト堆積物の除去を可能にするためにリアクター運転を停止する時間を短縮することができる。
本発明を以下の非限定的な例によってさらに説明する。
縦列接続されたそれぞれ容量が2リットルの4つの個別的なリアクターを含むリアクターゾーンを使用してすべての実施例を実施した。すべての実施例におけるオレフィン原料は、SHOP法(Shell高次オレフィン法)に従って製造された分枝状のC11およびC12オレフィンの混合物であった。オレフィン原料(280g/h)、触媒成分(オクタン酸コバルト、ShellからのP−リガンド(9−エイコシル−9−ホスフォビシクロノナン)、およびKOH)、新鮮なシンガス(導入率H/CO=1.7)およびリサイクル触媒の連続流を第1のリアクターに供給する。第1のリアクターにおける圧力を5×10Paに維持する。
除圧後、オレフィン供給流のヒドロホルミル化によって形成されたアルコール生成物と、重質副産物に溶解した触媒とを、短経路蒸留を介して分離する。コバルト触媒を含む重質底流を、廃棄される小さな排出流とは別に、第1のリアクターに戻してリサイクルする。実験を連続モードで実施する。
触媒成分の供給速度を調整して、目標の触媒濃度および組成、すなわち0.25−0.3重量%のコバルト、P−リガンド/Co=1.3およびKOH/Co=0.5を維持する。
触媒成分の以下の溶液を使用してすべての実施例を実施した。それぞれのアルコール生成物に溶解した10重量%のCo(オクトエート)、それぞれのオレフィン原料溶液に溶解した7.5重量%のP−リガンドおよびそれぞれのアルコール生成物に溶解した1重量%の水酸化カリウム。使用されるそれぞれのアルコール生成物は、実施例のオレフィン原料のヒドロホルミル化によって形成されたアルコール組成物である。それぞれのオレフィン原料組成物は、実施例に使用されるオレフィン原料組成物である。
比較実施例1
11およびC12オレフィンの混合物を含むオレフィン原料組成物を上記のリアクター列においてヒドロホルミル化した。リアクター列におけるコバルトの濃度を全リアクター内容物に対して約0.28重量%に維持した。リアクターの温度は、192℃であった。
288時間の試験期間にわたって形成されたパラフィン副産物の平均量は、全粗製アルコール生成物に対して6.9重量%であった。288時間の試験期間を通じて製造されたアルコールの全量に対するノルマル1−アルコールの平均製造量は、81.0重量%であった。平均排出量は、全オレフィン供給物に対して1.5重量%であった。触媒安定性の尺度である触媒分解速度を測定したところ、288時間の試験期間にわたって製造されたヒドロホルミル化生成物1kg当たりコバルト0.1gであった。
比較実施例2
11およびC12オレフィンの混合物を含むオレフィン原料組成物を上記のリアクター列においてヒドロホルミル化した。リアクター列におけるコバルトの濃度を全リアクター内容物に対して約0.30重量%に維持した。第1のリアクターの温度は、182℃であり、第2、第3および第4のリアクターの温度は、192℃であった。
240時間の試験期間にわたって形成されたパラフィン副産物の平均量は、全粗製アルコール生成物に対して6.4重量%であった。240時間の試験期間を通じて製造されたアルコールの全量に対するノルマル1−アルコールの平均製造量は、83.3重量%であった。平均排出量は、全オレフィン供給物に対して1.8重量%であった。触媒安定性の尺度である触媒分解速度を測定したところ、240時間の試験期間にわたって製造されたヒドロホルミル化生成物1kg当たりコバルト0.02gであった。
実施例3(本発明)
11およびC12オレフィンの混合物を含むオレフィン原料組成物を上記のリアクター列においてヒドロホルミル化した。リアクター列におけるコバルトの濃度を全リアクター内容物に対して約0.25重量%に維持した。第1のリアクターの温度は、182℃であり、第2、第3および第4のリアクターの温度は、192℃であった。オレフィン原料とリサイクル触媒流の混合物を含む供給流に、前記供給流が反応環境に入る前に、短経路蒸留器に入る粗製物の量に対して0.24重量%の量で水を投入した。
360時間の試験期間にわたって形成されたパラフィン副産物の平均量は、全粗製アルコール生成物に対して5.8重量%であった。平均排出量は、全オレフィン供給物に対して1.1重量%であった。したがって、温度段階化および水の添加を取り入れたリアクターシステムにおいては、水を添加しないリアクターシステムと比較して、重質エンドの製造および排出量の両方の有意な減少が実証された。水の添加は、処理を通じて劣化するコバルトの量またはリガンドの量の観点で、360時間の試験期間中に触媒安定性に影響を与えないことが確認された。
実施例4(本発明)
11およびC12オレフィンの混合物を含むオレフィン原料組成物を上記のリアクター列においてヒドロホルミル化した。リアクター列におけるコバルトの濃度を全リアクター内容物に対して約0.25重量%に維持した。第1のリアクターの温度は、182℃であり、第2、第3および第4のリアクターの温度は、192℃であった。オレフィン原料とリサイクル触媒流の混合物を含む供給流に、前記供給流が反応環境に入る前に、短経路蒸留器に入る粗製物の量に対して0.6重量%の量で水を投入した。
264時間の試験期間にわたって形成されたパラフィン副産物の平均量は、全粗製アルコール生成物に対して6.2重量%であった。平均排出量は、全オレフィン供給物に対して0.6重量%であった。水の添加は、処理を通じて劣化するコバルトの量またはリガンドの量の観点で、264時間の試験期間中に触媒安定性に影響を与えないことが確認された。

Claims (15)

  1. 1つ以上の供給流、反応環境および出力流を含むリアクターシステムにおいて、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物を含む原料組成物と、水素および一酸化炭素とを、有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒の存在下で反応させることを含むヒドロホルミル化方法であり、少なくとも2つの反応域を含む反応環境において実施され、少なくとも2つの反応域は、前段反応域および後段反応域を含み、後段反応域の温度は、前段反応域における温度より少なくとも2℃高い温度であり、後段反応域の温度は、140℃から220℃の範囲であり、および前段反応域の温度は、少なくとも130℃であり、ならびに水がリアクターシステム内に添加されるヒドロホルミル化方法。
  2. 後段反応域の温度が145℃から215℃の範囲である、請求項1の方法。
  3. 後段反応域の温度が150℃から210℃の範囲である、請求項1または2の方法。
  4. 前段反応域の温度が少なくとも135℃である、請求項1から3のいずれか一項の方法。
  5. 前段反応域の温度が少なくとも140℃である、請求項1から4のいずれか一項の方法。
  6. 添加される水の量が1つ以上の供給流の全重量に対して0.05から10重量%の範囲である、請求項1から5のいずれか一項の方法。
  7. 水がリアクターシステムの始点において添加される、請求項1から6のいずれか一項の方法。
  8. 原料組成物の少なくとも一部がアルデヒドおよび/またはアルコールに転換された点において水がリアクターシステムに添加される、請求項1から7のいずれか一項の方法。
  9. 水が、リアクターシステムの出力流に添加される、請求項1から8のいずれか一項の方法。
  10. 有機ホスフィン改質コバルトヒドロホルミル化触媒が、一酸化炭素および有機ホスフィンリガンドと複合したコバルトを含み、有機ホスフィンリガンドが、1つの利用可能な電子対または非共有電子対を有する三価のリン原子を有する、請求項1から9のいずれか一項の方法。
  11. 有機ホスフィンリガンドが二環式複素環式tert−ホスフィンリガンドである、請求項1から10のいずれか一項の方法。
  12. 水素と一酸化炭素の比が1:1から10:1の範囲である、請求項1から11のいずれか一項の方法。
  13. 100から2×10kPaの範囲の圧力で実施される、請求項1から12のいずれか一項の方法。
  14. 少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する化合物が、少なくとも1つのオレフィン炭素−炭素結合を有する直鎖状化合物である、請求項1から13のいずれか一項の方法。
  15. 原料組成物が、6から18個の炭素原子を有するオレフィン化合物を含む、請求項1から14のいずれか一項の方法。
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