JP5463304B2 - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
固体酸化物形燃料電池は、多孔質構造を有する燃料極(アノード)、酸化物イオン伝導体からなる緻密な固体電解質(例えば緻密膜層)、多孔質構造を有する空気極(カソード)の順に積層された積層構造を有している。かかる構造の固体酸化物形燃料電池では、燃料極に燃料ガス(典型的には水素(H2)ガスやメタン(CH4)ガス等)が供給され、空気極に酸素(O2)含有ガス(典型的には空気)が供給されることによって発電する。具体的には、空気極において酸素含有ガス中の酸素原子が酸化物イオン(O2−)となり、該酸化物イオンが固体電解質を通過し、燃料極で燃料ガスと反応して電子(e−)を放出する。これによって、固体電解質を挟んで配置された燃料極−空気極間で電位差が生じ、燃料極と空気極とを接続した回路に電流が流れる。
即ち、ここで開示されるSOFCは、多孔質構造の燃料極と、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質と、多孔質構造の空気極とからなる積層構造を有する。ここで、上記固体電解質は、一般式(1):
(Ln1−xAex)(M1−yFey)O3−δ (1)
で示されるペロブスカイト型酸化物からなる第1固体電解質層と、セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層とを少なくとも含む多層構造固体電解質である。
ここで、上記一般式(1)中のLnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、AeはSr,Ca及びBaからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、MはMg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,Sc及びYからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、xは0≦x≦1を満たす実数であり、yは0<y≦1を満たす実数であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。
また、上記第1固体電解質層の酸化物イオン伝導率が0.3S/cm以上であることが好ましい。
一般的に、高い酸化物イオン伝導性を有する固体電解質用材料は、還元雰囲気下において大きな体積膨張を示すため、還元雰囲気下における耐久性が低くなる。これに対して、上記構成のSOFCでは、還元膨張率が0.1%以下の第2固体電解質層が、還元雰囲気となる燃料極側に配置されているため、第1固体電解質層を還元雰囲気から好適に保護することができる。
なお、本明細書において「還元膨張率(%)」は、還元雰囲気下における熱膨張率をEred(%)、空気雰囲気下における熱膨張率をEair(%)としたとき、下記の数式(2)によって与えられる値である。
[{(1+Ered/100)-(1+Eair/100)}/(1+Eair/100)]×100 (2)
本態様のSOFCでは、相対的に酸化物イオン伝導性の低い第2固体電解質層が3μm以下の薄膜として形成されているため、固体電解質全体の酸化物イオン伝導性を高い状態に維持することができる。また、かかる第2固体電解質層は、緻密構造を有しているため、3μm以下という薄い膜厚であっても燃料極−空気極間の電子伝導を好適に遮断することができる。
かかる構成のSOFCでは、平均値が少なくとも1μmであるような比較的大きい焼結粒径を有する焼結体で第2固体電解質層が構成されているため、第2固体電解質層を構成する粒子の粒界抵抗が小さくなり、第2固体電解質層のイオン伝導性を向上させることができる。
希土類に属する元素(好ましくはGd、Sm、Y)及びCaのうちから選択される何れか1種又は2種以上の元素を含む(ドープされた)ことにより結晶構造が安定化されたセリウム酸化物(即ち安定化セリア)は酸化物イオン伝導性が比較的高い。このため、かかる組成のセリウム酸化物(安定化セリア)で第2固体電解質層を構成することによって固体電解質全体の酸化物イオン伝導性を向上させることができる。
上述した何れかの元素を含む(ドープされた)安定化ジルコニアは還元膨張率が比較的低いため、かかる安定化ジルコニアで第2固体電解質層を構成することによって還元雰囲気下における耐久性が高い固体電解質を得ることができる。
(Ln1−xAex)(M1−yFey)O3−δ (1)
で示されるペロブスカイト型酸化物で構成されている第1固体電解質層を形成すること;
前記第1固体電解質層の表面に、セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層を形成すること;
を包含することを特徴とする。
ここで、上記一般式(1)中のLnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、AeはSr,Ca及びBaからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、MはMg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,Sc及びYからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、xは0≦x≦1を満たす実数であり、yは0<y≦1を満たす実数であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。
上記第1固体電解質層の表面に、セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアのアモルファス構造体からなる中間膜を形成すること;
上記形成したアモルファス構造の中間膜を結晶化処理することにより、緻密構造を有した第2固体電解質層を形成すること;
を包含する。
上記構成の製造方法では、アモルファス構造体からなる中間膜を形成した後に、該中間膜を結晶化処理することにより、緻密構造を有した第2固体電解質層を形成する。ここで、アモルファス構造体からなる中間膜は、薄い膜厚(例えば膜厚3μm以下)で形成する。この中間膜を結晶化することによって膜厚3μm以下の薄膜状の第2固体電解質層を容易に形成することができる。また、かかる製造方法では、結晶化処理を行っているため緻密構造を有した第2固体電解質層を形成することができる。すなわち、かかる製造方法によれば、燃料極−空気極間における電子伝導を遮断でき、高い酸化物イオン伝導性を有する固体電解質を形成することができる。
また、上記スパッタリング法は、温度条件を100℃〜250℃に設定して行うと好ましい。上述の温度範囲内で行ったスパッタリング法によって形成された中間膜は、結晶化処理において容易に結晶化することができる。
一般的に、SOFCの製造過程において、高温(例えば1400℃以上)の加熱を行うと、多孔質構造の燃料極が緻密化してしまい、燃料極における三相界面の数が大幅に減少するという不具合が生じる虞がある。本態様の製造方法によると、1000℃以下の熱処理で第2固体電解質層の結晶化を行っているため、加熱によって燃料極が緻密化することを防止できる。
また、上述したように、温度条件を100℃〜250℃に設定したスパッタリング法を用いると、結晶化が容易な中間膜が得られる。かかる中間膜は、1000℃以下の熱処理でも容易に結晶化することができる。すなわち、上記温度範囲内のスパッタリング法で中間膜を形成し、該中間膜を1000℃以下の熱処理で結晶化させた場合、燃料極を緻密化させずに、緻密構造を有した膜厚3μm以下の第2固体電解質層を容易に形成することができる。
ここで開示されるSOFCは、燃料極と、固体電解質と、空気極とからなる積層構造を有している。このSOFCは、上記固体電解質として、ペロブスカイト型酸化物からなる第1固体電解質層と、セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層とを少なくとも含む多層構造固体電解質を有することにより特徴付けられており、他の構成成分の内容や組成などについては、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の基準に照らして決定することができる。
以下、ここで開示されるSOFCの構成について図1を参照しながら説明する。図1に示す構成のSOFC100は、アノード支持型のSOFCの一例を示したものである。
上記SOFCを構成する燃料極(アノード)は多孔質構造を有している。かかる燃料極を構成する材料としては、例えば、ニッケル(Ni)やルテニウム(Ru)などの8族〜10族の金属元素(若しくは白金族元素)と、セラミック(例えば、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、カルシア安定化ジルコニア(CSZ)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)など)とのサーメットからなる多孔質材料が好適に採用される。
燃料極の形状は、SOFCの形状に応じて適宜選択し得る。例えば、シート状(または平板状)、もしくは燃料ガスを燃料極内に流入させるための中空部(ガス流路)を備えた中空箱型状や筒状形状、または中空扁平状(フラットチューブラ−状)などが挙げられる。図1に示す構成のSOFC100では、厚く形成されたシート状の燃料極10がSOFC100の支持体として形成されている。かかる支持体としての燃料極10の膜厚は、典型的には0.1mm〜10mm程度であり、好ましくは0.5mm〜5mm程度であるが、かかる膜厚に限定されるものではない。
固体電解質は、酸化物イオン伝導体で構成されている。固体電解質は、上記燃料極上に積層されており、該燃料極の形状に応じてその形状を適宜変更することができる。例えば、図1で示すように、シート状の燃料極10の上に積層されている固体電解質20は、燃料極10と同様にシート状に形成されている。
ここで開示されるSOFCでは、固体電解質として、第1固体電解質層と、第2固体電解質層とを少なくとも含む多層構造固体電解質が用いられている。図1に示す構成のSOFC100では、上記第1固体電解質層22は燃料極10の上に積層されており、第2固体電解質層24は第1固体電解質層22の上に積層されている。
第1固体電解質層は、ペロブスカイト型酸化物で構成されている。このペロブスカイト型酸化物は、酸化物イオン伝導性と電子伝導性を兼ね備えた混合伝導体である。かかる第1固体電解質層は、後に詳述する第2固体電解質層よりも高い酸化物イオン伝導性を有している。例えば700℃〜900℃の範囲での第1固体電解質層の酸化物イオン伝導率は、0.3S/cm以上(典型的には0.3S/cm以上1S/cm未満、例えば0.3S/cm以上0.5S/cm以下)であるとよい。また、第1固体電解質層は、低温環境下(例えば700℃以下)でも酸化物イオン伝導性が低下し難い特性を有しているものが好ましい。例えば、500℃〜700℃の範囲での酸化物イオン伝導率が0.005S/cm以上(典型的には0.005S/cm以上0.3S/cm以下)であると好ましい。上述のように、高い酸化物イオン伝導性を有するペロブスカイト型酸化物で第1固体電解質層を構成することによって、固体電解質全体の酸化物イオン伝導性を向上させることができる。
一般式:(Ln1−xAex)(M1−yFey)O3−δ (1)
で表すことができる。
ここで、上記一般式(1)中のLnは、ランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、原子番号57〜71の元素(例えば、ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム(Pr),ネオジム(Nd),サマリウム(Sm)など)のうちのいずれか1種又は2種以上を選択することができる。これらの中でも、Laを特に好ましく用いることができ、Lnとして2種以上の元素を含んでいる場合には上記Laの含有率が高いと好ましい。
また、上記一般式(1)中のAeは、ストロンチウム(Sr),カルシウム(Ca)及びバリウム(Ba)からなる群から選択される1種又は2種以上の元素である。これらの中でも、Sr,Ca(若しくはSrとCaとの組み合わせ)が含まれていると好ましく、Sr又はCaの含有率の高い組成のものが好適であり、Srのみから構成されている、あるいは高い含有率のSrが含まれている(例えば、Ae中においてSrが50モル%以上含まれている)と特に好ましい。
Feと共にペロブスカイト構造を構成する金属元素である上記一般式(1)中のMとしては、マグネシウム(Mg),マンガン(Mn),ガリウム(Ga),チタン(Ti),コバルト(Co),ニッケル(Ni),アルミニウム(Al),銅(Cu),インジウム(In),錫(Sn),ジルコニウム(Zr),バナジウム(V),クロム(Cr),亜鉛(Zn),ゲルマニウム(Ge),スカンジウム(Sc)及びイットリウム(Y)からなる群から選択される1種又は2種以上の元素である。これらの中でも、Ti,Al,Mn、Ni、Co、Cu又はCrのうちのいずれか、あるいはこれらのいずれか2種の組み合わせが好ましく、Ti及びAlの何れか1種若しくは両方を選択すると特に好ましい。かかるTi若しくはAlをFeと共に含むペロブスカイト型酸化物は、高い酸化物イオン伝導性を有する。
また、上記一般式(1)中の「x」は、このペロブスカイト型酸化物において、Ln(典型的にはLa)がAeによって置き換えられた割合を示す値であり、このxの取り得る範囲は、ペロブスカイト型構造を崩すことなく該構造を維持し得る限りにおいて0≦x≦1(典型的には0<x<1)の範囲内であればいずれの実数をとってもよい。本構成の目的に応じて、La(1−x)とAe(x)との組成比は適宜選択されるが、好ましくは0.1≦x≦0.5であり、特に好ましくは0.1≦x≦0.4である。
また、上記一般式(1)で示されるように、上記ペロブスカイト型酸化物は、鉄(Fe)を含んでいる。該一般式中の「y」は、上記ペロブスカイト型酸化物におけるMとFeの組成比を定める値である。このyの取り得る値は、0<y≦1(典型的には0<y<1)の範囲内を満たす実数であればよく、yの値が決定されることによってFe以外の金属元素Mの含有割合も決定される。Fe(y)とM(1−y)との組成比は、本構成の目的に応じて適宜選択することができる。yの値の一例としては、0.5≦y<1であり、好ましくは0.7≦y<1であり、特に好ましくは0.8≦y<1である。
なお、上記一般式において酸素原子数は3以下(典型的には3未満)であり得る。ただし、酸素原子数はペロブスカイト型構造の一部を置換する原子(例えば式中のAeやMの一部)の種類、置換割合及びその他の条件によって、上記一般式(1)における電荷中性条件を満たすように定められる。ここでδは、典型的には1は超えない正の数(0<δ<1)である。なお、上記一般式(1)中の酸素原子数は、上述のように、ペロブスカイト型酸化物を構成する他の元素によって変化するものであるため、正確に表示することは困難である。すなわち、上記一般式(1)中の(3−δ)は、本発明の技術的範囲を限定することを意図したものではない。
上記一般式(1)で示されるペロブスカイト型酸化物の具体例としては、「Ae」としてSrを選択し、「M」としてTiを選択したLSTF酸化物(La1−xSrxTi1−yFeyO3−δ)や、「Ae」としてSrを選択し、「M」としてAlを選択したLSAF酸化物(La1−xSrxAl1−yFeyO3−δ)などが挙げられる。
第2固体電解質層は、電子伝導性が低い材料で構成されている。電子伝導性が低い材料で構成された第2固体電解質層は、電子伝導バリアとして機能し、固体電解質を通過しようとする電子を遮断する。この第2固体電解質層の電子伝導率は、0.01S/cm以下(典型的には0.0001S/cm〜0.01S/cm)であると好ましい。また、第2固体電解質層は、所定の酸化物イオン伝導性を有しているとよい。第2固体電解質層の酸化物イオン伝導率は、例えば500℃〜900℃の範囲において、0.001S/cm以上(典型的には0.001S/cm以上0.5S/cm以下、例えば0.01S/cm以上0.3S/cm以下)であるとよい。
上述の条件を満たすような第2固体電解質層の構成材料としては、セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアが挙げられる。以下、セリウム酸化物および安定化ジルコニアについて詳しく説明する。
Ce1−zXzO2 (3)
で表すことができる。
上記Xは、セリウム酸化物中に含まれ得るセリウム(Ce)以外の構成元素であり、例えば、希土類元素及びCaのうちから選択される何れか1種又は2種以上の元素をとり得る。例えば、希土類元素としてガドリニウム(Gd),サマリウム(Sm),イットリウム(Y)等を好ましく選択することができる。これらの中でもGd,Smが特に好ましく選択され得る。或いは、Caを好適に含み得る。
上記「z」は、上記セリウム酸化物においてCeがXによって置き換えられた割合を示す値であり、この「z」の取り得る範囲は、0≦z<1の範囲内であればいずれの実数をとってもよい。上記セリウム酸化物の好適な例としては、CeO2(セリア)が挙げられる。或いは、セリアにGdをドープさせた酸化ガドリニウム安定化セリア(GDC)や、Smをドープさせた酸化サマリウム安定化セリア(SDC)などが挙げられる。
上記緻密構造を有した第2固体電解質層は、例えば、アモルファス構造を有したセリウム酸化物(安定化ジルコニア)を1000℃以下(典型的には700〜900℃、例えば800℃付近)で焼成するという方法で形成できる。この方法を用いて形成された第2固体電解質層は、セリウム酸化物(安定化ジルコニア)の焼結体から構成される。かかる焼結体は、典型的には、電子顕微鏡観察に基づいて測定された焼結粒径の平均値が少なくとも1μm(典型的には1μm〜10μm、例えば2μm〜5μm)であると好ましい。焼結体の焼結粒径が上記数値範囲である場合、第2固体電解質層が大型の粒子で構成されるため、該粒子の粒界抵抗が小さくなり、第2固体電解質層の酸化物イオン伝導性を向上させることができる。
ここで開示されるSOFCを構成する空気極(カソード)は多孔質構造を有している。この空気極は、酸化物イオン伝導性のペロブスカイト型酸化物を主体に構成されているとよい。かかるペロブスカイト型酸化物の中でも、ランタンコバルトネート(LaCoO3)系やランタンマンガネート(LaMnO3)系のペロブスカイト型酸化物がより好適に作用できる。上記ペロブスカイト型酸化物で構成された空気極は、混合導電性および低い過電圧を示すため、SOFCの電池性能を向上させることができる。
また、空気極は、上記固体電解質層上に積層されているとともに、酸素ガス(例えば空気)と接触可能に形成されている。かかる空気極は、燃料極や固体電解質の形状に応じて適宜変更することができる。例えば、図1に示す構成のSOFC100では、固体電解質20の第2固体電解質層24の上にシート状の空気極30が積層されている。このとき、空気極30は、第2固体電解質層24に接する面の反対側の面が外気(空気)に晒されている。かかる空気極30の膜厚は、5μm〜100μm(好ましくは10μm〜50μm)程度であると好ましい。
かかる構成のSOFCの場合、第2固体電解質層の還元膨張率が0.1%以下(典型的には0.001%〜0.1%、例えば0.005%〜0.1%)であると好ましい。これによって、還元膨張率の低い(0.1%以下)第2固体電解質層が、還元雰囲気となる燃料極側に配置されるため、相対的に還元膨張率の高い第1固体電解質層を還元雰囲気下から好適に保護することができる。
次に、上記SOFCを製造する方法について説明する。
ここで開示されるSOFCの製造方法は、
[I]上記一般式(1)で示されるペロブスカイト型酸化物で構成されている第1固体電解質層を形成すること;
[II]第1固体電解質層の表面に、セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層を形成すること;
を包含する。なお、この製造方法における他の工程については、従来のSOFCの製造方法と同様の工程を適用することができる。以下では、本発明の製造方法の一例として、図1に示す構成のSOFC100を製造する方法を説明する。
上記アノード支持型のSOFC100を製造するには、まず、支持基材(支持体)として多孔質構造の燃料極10を形成する。ここでは、所定のサーメット材料(例えば平均粒径(光散乱法若しくは電子顕微鏡観察に基づく。以下同じ。)が0.1μm〜10μm程度のYSZ粉末と平均粒径1μm〜10μm程度のNiO粉末の混合粉末)をバインダーと分散剤とともに溶媒に分散させてなるスラリー状の燃料極用成形材料を調製する。次いで、かかる成形材料を用いて、例えばシート成形等により燃料極成形体を作製し、該成形体を焼成することによって燃料極10を形成する。なお、焼成処理は燃料極成形体を作製した後に行ってもよいし、後述の固体電解質の形成において固体電解質の構成材料とともに行ってもよい。
次に、上記燃料極10上に固体電解質20を形成する。ここでは、[I]ペロブスカイト型酸化物で構成されている第1固体電解質層22を形成した後に、[II]該第1固体電解質層22の表面にセリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層24を形成することによって、第1固体電解質層22と第2固体電解質層24を含む固体電解質20を形成する。以下、第1固体電解質層22と第2固体電解質層24を形成する方法について詳しく説明する。
第1固体電解質層22を形成する方法としては、例えば、スラリー塗布法を用いることができる。図1に示す構成のSOFC100では、上述したペロブスカイト型酸化物を含む所定の材料(例えば、平均粒径1μm〜10μm程度のLSTF酸化物の粉末、バインダー、分散剤、溶媒)を混合してスラリー状(ペースト状)の第1固体電解質層用材料を調製する。そして、印刷成形を用いて、上記第1固体電解質層用材料を燃料極10の上に塗布して、第1固体電解質層成形体を形成する。そして、この第1固体電解質層成形体を乾燥させた後に、該第1固体電解質層成形体を大気中において1200℃〜1400℃の焼成温度で焼成する。これにより、第1固体電解質層用材料が焼結して第1固体電解質層22になる。
次に、第2固体電解質層24を形成する方法を説明する。かかる形成方法の一例として、アモルファス構造体からなる中間膜を形成した後に、該中間膜を結晶化処理することによって第2固体電解質層を形成するという方法が挙げられる。かかる成膜方法を用いると、緻密構造を有した膜厚が3μm以下の第2固体電解質層を容易に形成することができる。以下では、上述の方法を用いて、第2固体電解質層24を形成する場合について説明する。
上記第2固体電解質層22を形成するには、先ず、セリウム酸化物(若しくは安定化ジルコニア)のアモルファス構造体からなる中間膜を形成する。図1に示す構成のSOFC100では、第1固体電解質層22の空気極30側に中間膜を積層させる。アモルファス構造の中間膜を形成するには、例えば、種々のスパッタリング法(特に好ましくはRFスパッタリング法)が好ましく用いられる。スパッタリング法を用いた場合、アモルファス構造を有した厚さ3μm以下の中間膜を容易に形成することができる。スパッタリング時の成膜温度は、100℃〜250℃(好ましくは100℃〜200℃)に設定するとよい。上述の数値範囲内の温度でスパッタリングを実施することにより、後述の結晶化処理において好適に結晶化できる中間膜を形成できる。また、成膜時間やスパッタリングターゲットのサイズは、中間膜の膜厚に影響するため、3μm以下の中間膜が形成されるように適宜変更すると好ましい。例えば、GDCからなる膜厚3μm以下の第2固体電解質層を形成する場合、スパッタリングターゲットを4インチのGDCにして、成膜時間を5分〜120分(好ましくは30分〜90分、例えば60分)に設定するとよい。また、スパッタガスには、アルゴン(Ar)ガス、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、キセノン(Xe)ガス、クリプトン(Kr)ガスなどを用いることができる。
ここでは、次いで、上記アモルファス構造の中間膜を結晶化処理することにより、緻密構造を有した第2固体電解質層24を形成する。
上記結晶化処理には、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、燃料極10と第1固体電解質層22と中間膜とが積層した積層体を1000℃以下(典型的には700℃〜900℃、例えば800℃付近)で焼成することによって結晶化処理を実施することができる。この場合、焼成温度が1000℃以下に設定されているため、中間膜とともに加熱される燃料極10の焼結が進行することを防止できる。また、このときの加熱時間は、20分〜120分(好ましくは30分〜90分、例えば60分程度)に設定するとよい。また、上記加熱処理は、酸化雰囲気下で実施してもよいし、不活性雰囲気下で実施してもよい。なお、上記加熱処理を1000℃以下の温度で行う場合、上述した中間膜の成膜を100℃〜250℃で実施しておくと好ましい。100℃〜250℃で成膜された中間膜は、比較的に低温域(ここでは1000℃以下)の加熱でも容易に結晶化されるため、1000℃以下の温度で加熱した場合であっても、アモルファス構造体の中間膜を容易に結晶化させることができる。
上記結晶化処理を実施すると、アモルファス構造のセリウム酸化物(若しくは安定化ジルコニア)からなる中間膜が結晶化することによって、緻密構造を有した第2固体電解質層24が形成される。すなわち、上述の工程を経ることによって、緻密構造を有した厚さ3μm以下の第2固体電解質層24を空気極30側に含む固体電解質20が形成される。
ここで開示される製造方法では、次に、第1固体電解質層22と第2固体電解質層24を含む固体電解質20上に空気極30を積層させる。ここでは、所定の材料(例えば平均粒径1μm〜10μm程度のLaSrO3粉末、バインダー、分散剤、溶媒)からなるスラリー状の空気極用成形材料を調製する。この空気極用成形材料を上記固体電解質20の第2固体電解質層24上に膜厚100μm以下(典型的には1μm〜100μm、好ましくは10μm〜100μm、例えば10μm〜50μm)で印刷成形することにより未焼成の空気極成形体を形成する。これを乾燥後、大気中において1000℃〜1200℃の焼成温度で焼成し、固体電解質20(第2固体電解質層24)上に空気極30を形成する。
以上の工程を経て、燃料極10、第1固体電解質層22と第2固体電解質層24を含む固体電解質20、空気極30の順に積層された構造のアノード支持形のSOFC100が製造される。
図1に示すようなアノード支持型のSOFC100では、燃料ガスを供給するガス管40の接合面40aと燃料極10の端部10aとを接合させるとともに、空気極30を外気に露出させることによって発電システムを構築することができる。
ここで、このSOFC100は、第1固体電解質層22と第2固体電解質層22を含む多層構造固体電解質20を有している。上記ペロブスカイト型酸化物からなる第1固体電解質層22は、高い酸化物イオン伝導性を有しているため、固体電解質20全体の酸化物イオン伝導性を向上させている。さらに、電子伝導性が低いセリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層24は、固体電解質20を通過しようとする電子を遮断し、電子伝導バリアとして機能する。したがって、ここで開示されるSOFC100は、高い酸化物イオン伝導性を有するとともに、燃料極−空気極間における電子伝導を好適に遮断できる多層構造固体電解質20を備えているため、高い電池性能(発電効率や起電力の向上)を発揮することができる。
次に、本発明に関する実施例を説明する。この実施例では、作製条件を変えて、13種類の固体電解質の作製を試みた。なお、以下で説明する実施例は、本発明を限定することを意図したものではない。
先ず、平均粒径1μmのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)粉末と、平均粒径3μmの酸化ニッケル(NiO)粉末とを混ぜ合わせた混合粒子に、バインダー(メタクリル酸エステル系ポリマー)と分散剤(ソルビタントリオレエート)と溶媒(キシレン)を添加して、スラリー状の燃料極用成形材料を調整した。かかる成形材料を用いて、シート成形を行い、φ20mm、厚み1mm程度の燃料極用成形体を成形した。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を25℃、成膜時間を60分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル1と同じプロセスで上記サンプル2を作製した。これによって得られたサンプル2では、第2固体電解質層の厚さが1.3μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を100℃、成膜時間を5分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル1と同じプロセスで上記サンプル3を作製した。これによって得られたサンプル3では、第2固体電解質層の厚さが0.1μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を100℃、成膜時間を60分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル1と同じプロセスで上記サンプル4を作製した。これによって得られたサンプル4では、第2固体電解質層の厚さが1.5μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を200℃、成膜時間を5分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル1と同じプロセスで上記サンプル5を作製した。これによって得られたサンプル5では、第2固体電解質層の厚さが0.3μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を200℃、成膜時間を60分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル1と同じプロセスで上記サンプル6を作製した。これによって得られたサンプル6では、第2固体電解質層の厚さが2.5μmであった。
ここでは、第1固体電解質層を構成する材料としてLSAF(La0.9Sr0.1Al0.1Fe0.9O3)粉末を用い、第2固体電解質層を構成する材料としてイットリア安定化ジルコニア(8YSZ:(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08)を用いた。そして、上記構成材料を除いて、上記サンプル1と同じプロセスで上記サンプル7を作製した。これによって得られたサンプル7では、第2固体電解質層の厚さが0.1μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を25℃、成膜時間を60分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル7と同じプロセスで上記サンプル8を作製した。これによって得られたサンプル8では、第2固体電解質層の厚さが1.2μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を100℃、成膜時間を5分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル7と同じプロセスで上記サンプル9を作製した。これによって得られたサンプル9では、第2固体電解質層の厚さが0.2μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を100℃、成膜時間を60分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル7と同じプロセスで上記サンプル10を作製した。これによって得られたサンプル10では、第2固体電解質層の厚さが1.7μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を200℃、成膜時間を5分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル7と同じプロセスで上記サンプル11を作製した。これによって得られたサンプル11では、第2固体電解質層の厚さが0.4μmであった。
ここでは、上記RFスパッタリング法による中間膜の成膜において、成膜温度を200℃、成膜時間を60分に設定した。そして、上記成膜条件を除いて、上記サンプル7と同じプロセスで上記サンプル12を作製した。これによって得られたサンプル12では、第2固体電解質層の厚さが2.8μmであった。
ここでは、上記中間膜の成膜において、RFスパッタリング法の代わりにスラリー塗布法を用いた。具体的には、平均粒径1μmのGDC粉末と、バインダー(メタクリル酸エステル系ポリマー)と、分散媒(キシレン)とを混合したスラリーを調整し、該スラリーを上記第1固体電解質層の表面に膜厚が10μmになるように塗布した。
そして、該スラリーが塗布された積層体を800℃〜1000℃で3時間加熱して、サンプル13を作製した。これによって得られたサンプル13では、上記スラリーが焼結しておらず、第2固体電解質層が形成されなかった。
上記サンプル1〜12の固体電解質の表面をSEMで観察した。図2は実施例として作製し、GDCが好適に結晶化していたサンプル4のSEM写真である。
20 固体電解質(固体電解質成形体)
22 第1固体電解質層
24 第2固体電解質層
30 空気極(空気極)
40 ガス管
100 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
Claims (13)
- 多孔質構造の燃料極と、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質と、多孔質構造の空気極とからなる積層構造を有する固体酸化物形燃料電池であって、
前記固体電解質は、以下の一般式(1):
(Ln1−xAex)(M1−yFey)O3−δ (1)
(ここでLnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、AeはSr,Ca及びBaからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、MはMg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,Sc及びYからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、xは0≦x≦1を満たす実数であり、yは0<y≦1を満たす実数であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で示されるペロブスカイト型酸化物からなる第1固体電解質層と、
セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層であって、該セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアの焼結体により構成されており、該焼結体の焼結粒径の電子顕微鏡観察に基づく平均値が少なくとも1μmである第2固体電解質層と、
を少なくとも含む多層構造固体電解質であることを特徴とする、固体酸化物形燃料電池。 - 多孔質構造の燃料極と、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質と、多孔質構造の空気極とからなる積層構造を有する固体酸化物形燃料電池であって、
前記固体電解質は、以下の一般式(1):
(Ln 1−x Ae x )(M 1−y Fe y )O 3−δ (1)
(ここでLnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、AeはSr,Ca及びBaからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、MはMg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,Sc及びYからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、xは0≦x≦1を満たす実数であり、yは0<y≦1を満たす実数であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で示されるペロブスカイト型酸化物からなる第1固体電解質層と、
セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層と、
を少なくとも含む多層構造固体電解質であり、
ここで前記第1固体電解質層は燃料極側に配置され、前記第2固体電解質層は空気極側に配置されていることを特徴とする、固体酸化物形燃料電池。 - 前記第1固体電解質層の酸化物イオン伝導率が0.3S/cm以上である、請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記一般式(1)中のMは、Ti及びAlの何れか1種若しくは両方を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記第2固体電解質層は、還元膨張率が0.1%以下であり、前記燃料極側に配置されている、請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記第2固体電解質層は、緻密構造を有した膜厚3μm以下の薄膜状に形成されている、請求項1〜5の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記第2固体電解質層は、希土類に属する元素及びCaのうちから選択される何れか1種又は2種以上の元素を含むセリウム酸化物で構成されていることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 前記第2固体電解質層は、Y、Sc及びCaから成る群から選択される1種又は2種以上の元素を含む安定化ジルコニアで構成されていることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の固体酸化物形燃料電池。
- 多孔質構造の燃料極と、酸化物イオン伝導体からなる固体電解質と、多孔質構造の空気極とからなる積層構造を有した固体酸化物形燃料電池を製造する方法であって、以下の一般式(1):
(Ln1−xAex)(M1−yFey)O3−δ (1)
(ここで、Lnはランタノイドから選択される少なくとも1種の元素であり、AeはSr,Ca及びBaからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、MはMg,Mn,Ga,Ti,Co,Ni,Al,Cu,In,Sn,Zr,V,Cr,Zn,Ge,Sc及びYからなる群から選択される1種又は2種以上の元素であり、xは0≦x≦1を満たす実数であり、yは0<y≦1を満たす実数であり、δは電荷中性条件を満たすように定まる値である。)
で示されるペロブスカイト型酸化物で構成されている第1固体電解質層を形成すること;
前記第1固体電解質層の表面に、セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアからなる第2固体電解質層を形成すること;
を包含することを特徴とする、製造方法。 - 前記第2固体電解質層の形成において、
前記第1固体電解質層の表面に、セリウム酸化物若しくは安定化ジルコニアのアモルファス構造体からなる中間膜を形成すること;
前記形成したアモルファス構造の中間膜を結晶化処理することにより、緻密構造を有した第2固体電解質層を形成すること;
を包含する、請求項9に記載の製造方法。 - スパッタリング法を用いることにより、前記第1固体電解質層の表面に前記中間膜を形成することを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
- 前記スパッタリング法を、100℃〜250℃の温度条件で行うことを特徴とする、請求項11に記載の製造方法。
- 前記結晶化処理は、前記中間膜を500℃〜1000℃で熱処理することを含むことを特徴とする、請求項10〜12の何れか一項に記載の製造方法。
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