JP5454338B2 - 液滴操作によるリアルタイム核酸増幅法 - Google Patents
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Description
リアルタイムPCR法は、蛍光物質を用い、試料中で増幅反応が進行する際に励起光を照射し、蛍光信号をリアルタイムにて検出することによって、PCR増幅産物をリアルタイムでモニタリングできる方法である。例えば、SYBR(登録商標) GREEN I等の蛍光色素が二本鎖DNAに特異的に結合することを利用したインターカレーター法が汎用的かつ簡便である。
リアルタイムPCR法は、特に微量DNAの解析を行う場合に有用である。リアルタイムPCR法は、化学反応を含め、医療現場や遺伝子解析の研究に用いられるゲノムDNAの観測を行う検出手段として使用することができる。
(1)
容器中に存在する液滴中で核酸増幅反応を実施する核酸増幅反応方法であって、
前記液滴が、増幅すべき核酸と磁性体粒子とを含む核酸増幅反応液からなるものであり、
前記容器が、液滴封入媒体が保持され、且つ、温度勾配が設けられた搬送面を有するものであり、
前記液滴封入媒体が、前記核酸増幅反応液に不溶性又は難溶性であるものであり、
核酸増幅反応の開始時において、前記液滴封入媒体に蛍光色素が含まれ、
核酸増幅反応の開始及び維持において、磁場印加手段によって磁場を発生させて前記磁性体粒子と共に前記液滴を搬送すると共に、前記搬送面上の前記核酸増幅反応の開始及び維持を達成する温度地点に前記液滴を配置することによって前記核酸増幅反応液の温度制御をする、リアルタイム核酸増幅反応方法。
本発明においては、前記蛍光色素に基づく増幅核酸の測定が行われる。増幅核酸の測定は、前記核酸増幅反応を維持する間だけでなく、前記核酸増幅反応終了時においても行われうる。
核酸増幅反応の開始時において、前記液滴封入媒体に含まれる前記蛍光色素の量が0.01〜0.5μMである、(1)に記載の方法。
(3)
核酸増幅反応の開始時において、前記液滴に0〜20μMの前記蛍光色素が含まれる、(2)に記載の方法。
前記液滴封入媒体が、前記核酸増幅反応開始温度及び維持温度より低い温度にゲル−ゾル転移点を有するものであり、
前記核酸増幅反応開始前において前記液滴が存在する前記温度地点において、前記液滴封入媒体がゲル状態であり、
前記核酸増幅反応の開始及び維持において前記液滴が存在する前記温度地点において、前記液滴封入媒体がゾル状態である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
前記液滴封入媒体が、前記増幅反応開始温度及び維持温度より低い温度に融解温度を有するものであり、
前記核酸増幅反応開始前において、前記液滴封入媒体が固形状態であり、
前記核酸反応開始及び維持において、前記液滴封入媒体が溶融状態である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
前記増幅すべき核酸と前記磁性体粒子とが、前記核酸増幅反応の開始前において、前記容器中の前記核酸増幅反応液からなる液滴とは異なる位置に存在する核酸抽出用液からなる液滴内で、磁性粒子の共存下、核酸含有試料と前記核酸抽出用液とを接触させることにより抽出された核酸が前記磁性粒子に吸着したものであり、
前記磁性粒子及び前記抽出された核酸が、前記核酸抽出用液中から前記核酸増幅反応液中へ、前記磁性体粒子の移動によって搬送される、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
前記磁性粒子及び前記抽出された核酸が、前記容器中の前記核酸増幅反応液からなる液滴及び前記核酸抽出用液からなる液滴とは異なる位置に存在する洗浄液からなる液滴内で洗浄され、前記洗浄液からなる液滴から前記核酸増幅反応液中へ、前記磁性体の移動によって搬送される、(6)に記載の方法。
前記磁性粒子及び前記抽出された核酸が、前記容器中の前記核酸増幅反応液からなる液滴及び前記核酸抽出用液からなる液滴とは異なる位置に存在する核酸遊離液からなる液滴内に供され、前記核酸遊離液からなる液滴から前記核酸増幅反応液中へ、前記磁性体の移動によって搬送される、(6)又は(7)に記載の方法。
3 液滴封入媒体
4 容器
41 搬送面
5 加熱源
61 磁場印加手段
8 磁性体粒子
本発明にかかる液滴とは、液滴を形成する液体の内外の圧力差と、液滴を構成する液体の分子間力によって発生する表面張力との釣合いで定まる形状(略球状又はその変形形状)を有する液体塊をいう。
本発明において液滴を形成する液体としては、後述の液滴封入媒体に不溶性、又は難溶性である水系液体であれば良く、水、水溶液及び水懸濁液の態様で供されうる。水系液体の構成成分としては、本発明に適用することができる核酸増幅反応及び核酸増幅反応に関連して行われる処理に供されるいかなるものも含まれる。核酸増幅反応に関連して行われる処理としては、前処理、分取(分離)処理、溶解処理、混合処理、希釈処理、撹拌処理温度調節(加熱及び冷却)処理などの処理が挙げられる。
本発明において液滴を形成する液体のより具体的な例としては、核酸増幅反応を行うための核酸増幅反応液、増幅すべき核酸が含まれる試料、核酸を抽出するための核酸抽出液、核酸を洗浄するための磁性体粒子洗浄液、及び核酸を遊離するための核酸遊離液が挙げられる。
本発明における核酸増幅反応液は、通常核酸増幅反応に用いられる種々の要素が含まれるものであり、本発明においては、この核酸増幅反応液に、少なくとも増幅すべき核酸及び磁性体粒子が含まれる。
後述するように核酸増幅反応は特に限定されるものではないため、核酸増幅反応に用いられる種々の要素は、後述で例示する公知の核酸増幅法などに基づいて、当業者が適宜決定することができる。通常、MgCl2、KCl等の塩類、プライマー、デオキシリボヌクレオチド類、核酸合成酵素及びpH緩衝液が含まれる。また、上記の塩類は適宜他の塩類に変更して使用されうる。また、ジメチルスルホキシド等の非特異的なプライミングを減少させるための物質がさらに添加される場合がある。
増幅すべき核酸の由来元は特に限定されない。また、別途用意された核酸を含む試料から適宜前処理を行って調製されることができる。当該前処理としては、例えば核酸を含む試料から核酸の抽出を行う処理、核酸を吸着した磁性体粒子の洗浄を行う処理、及び磁性体粒子からの核酸の遊離を行う処理など、封入媒体に含まれる蛍光色素の影響を受けない処理が挙げられる。
増幅すべき核酸を含む試料としては、特に限定されず、例えば、動植物組織、体液、排泄物等の生体由来試料、細胞、原虫、真菌、細菌、ウィルス等の核酸包含体を挙げることができる。体液には血液、髄液、唾液、乳が含まれ、排泄物には糞便、尿、汗が含まれ、これらの組合せでもよい。細胞には血液中の白血球、血小板や、口腔細胞その他の粘膜細胞などの剥離細胞が含まれ、これらの組合せでもよい。また、核酸を含む試料は、例えば細胞懸濁液、ホモジネート、細胞溶解液との混合物などの態様で調製されてもよい。
なお、本発明においては、核酸を含む試料の一態様や、核酸を含む試料が前処理を経て得られた試料を、核酸を含む液体と記載することがある。
本発明においては、磁場の変動による液滴の移動を可能にするため、磁性体粒子を液滴に含ませる。磁性体粒子は、通常その表面に親水性基を有する。
磁性体粒子は、磁気に応答する粒子であれば特に限定されず、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、マンガン亜鉛フェライト等の磁性体を有する粒子が挙げられる。また、磁性体粒子は、核酸と特異的に結合する化学構造、例えばアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、アビジン、ビオチン、ジゴキシゲニン、プロテインA、プロテインG、錯体化した金属イオン、或いは抗体を備えた表面を有してよく、静電気力、ファンデルワールス力により高分子と特異的に結合する様態を呈した表面を有してもよい。これによって、核酸成分を選択的に表面へ吸着させることができる。
磁性体粒子が表面に有する親水性基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。
磁性体粒子として市販されているものの例としては、東洋紡から販売されているPlasmid DNA Purification Kit MagExtractor−Plasmid-の構成試薬であるMagnetic Beadsが挙げられる。このようにキットの構成試薬として販売されている場合、磁性体粒子が懸濁した製品原液を純水(例えば10倍量程度)で再懸濁させることによって洗浄することが好ましい。この洗浄においては、純粋で懸濁した後、遠心操作によって上清を除去することによって行うことができ、また懸濁及び上清除去を繰り返し行うことができる。洗浄した磁性体粒子は、純水に分散させた状態で本発明に使用することができる。
本発明における核酸増幅反応液には、上記成分の他に、ブロッキング剤を含ませることができる。ブロッキング剤は、核酸重合酵素の、反応容器の内壁や磁性体粒子表面などへの吸着による失活を防止する目的で用いられうる。
ブロッキング剤の具体例としては、牛血清アルブミン(すなわちBSA)その他のアルブミン、ゼラチン(すなわち変性コラーゲン)、カゼイン及びポリリジンなどのタンパク質や、ペプチド(いずれも天然及び合成を問わない)が挙げられる。
本発明にかかる核酸増幅反応としては特に限定されず、例えば、PCR法(米国特許第4683195号明細書、同4683202号公報、同4800159号公報、同4965188号公報)、LCR法(米国特許第5494810号公報)、Qβ法(米国特許第4786600号公報)、NASBA法(米国特許第5409818号公報)LAMP法(米国特許第3313358号公報)、SDA法(米国特許第5455166号公報)、RCA法(米国特許第5354688号公報)、ICAN法(特許第3433929号公報)、TAS法(特許第2843586号公報)等を用いることができる。
これらの核酸増幅反応に必要な反応液の組成、並びに反応温度は、当業者が適宜選択することができる。
リアルタイム核酸増幅法における検出法としては、下記の方法が挙げられる。
二本鎖DNAに結合することで蛍光を発するインターカレーターは、核酸増幅反応によって合成された二本鎖DNAに結合し、励起光の照射により蛍光を発する。この蛍光強度を検出することにより、増幅産物の生成量をモニターすることができる。この方法は、ターゲットに特異的な蛍光標識プローブを設計・合成する必要がなく、簡便にさまざまなターゲットの測定に利用できる。
TaqManプローブは、アニーリングステップで鋳型DNAに特異的にハイブリダイズするが、プローブ上にクエンチャーが存在するため、励起光を照射しても蛍光発光は抑制される。伸長反応ステップでは、TaqDNAポリメラーゼのもつ5´→3´エキソヌクレアーゼ活性により、鋳型にハイブリダイズしたTaqManプローブが分解されると、蛍光色素がプローブから遊離し、クエンチャーによる抑制が解除されて蛍光が発光される。この蛍光強度を測定することで、増幅産物の生成量をモニターすることができる。
未知濃度のサンプルについても、同じ条件下でPCR反応を行ってCt値を求める。この値と前述した検量線とから、サンプル中の目的のDNA量が測定できることになる。
核酸増幅反応で生じた二本鎖DNAは、DNAの長さ及びその塩基配列により固有のTm値を持つ。つまり、蛍光色素が結合したDNAを含む液滴の温度を徐々に上昇させると、急激に蛍光強度が減少する温度が観測される。蛍光強度の変化量を調べると、その温度ピークは塩基配列と長さによって規定されるTm値とほぼ一致している。このことによって、目的遺伝子ではなく例えばプライマーダイマーが生じて観測されたデータなど(すなわち偽陽性データ)を陽性データから除外することができる。遺伝子検査では、試料中の夾雑物により非特異反応が起こることも多いため、このような偽陽性を排除することは重要である。これにより、生成した増幅産物が、標的遺伝子固有のものであるかどうかの判定を行うこともできる。
核酸の抽出を行うために用いられる核酸抽出用液としては、カオトロピック物質、EDTA、トリス塩酸などを含有する緩衝液が挙げられる。カオトロピック物質としては、グアニジン塩酸塩、グアニジンイソチアン酸塩、ヨウ化カリウム、尿素などが挙げられる。
洗浄用液としては、核酸が磁性体粒子表面に吸着したまま、核酸含有試料に含まれる核酸以外の成分(例えば蛋白質、糖質など)や、核酸抽出など予め行われた他の処理に用いられた試薬その他の成分を融解できる溶液であればよい。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸アンモニウム等の高塩濃度水溶液、エタノール、イソプロパノール等のアルコール水溶液などが挙げられる。
核酸が吸着した磁性体粒子を洗浄する具体的方法も、当業者が適宜決定することができる。また、核酸が吸着した磁性体粒子の洗浄の回数は、核酸増幅反応の際に不所望の阻害が生じない程度に当業者が適宜選択することができる。また、同様の観点で洗浄工程を省略することも可能である。
洗浄液からなる液滴は、少なくとも洗浄する回数と同じ個数だけ調製することができる。
核酸遊離液としては、水又は低濃度の塩を含む緩衝液を用いることができる。具体的には、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、蒸留水などを用いることができる。
核酸が吸着した磁性体粒子から核酸を遊離させる具体的方法も、当業者が適宜決定することができる。
封入媒体に完全に封入される液滴の量としては、例えば0.1μL〜10μL或いは0.01μL〜1000μL程度とすることができる。
液滴封入媒体としては、液滴を構成する液体に不溶性又は難溶性である化学的に不活性な物質が用いられる。化学的に不活性な物質とは、液滴の分取(分離)、混合、溶解、希釈、撹拌、加熱、冷却などの種々の操作において液滴を構成する液体に化学的な影響を及ぼさない物質を指す。本発明においては通常、液滴封入媒体として、非水溶液又は水難溶性である物質が用いられる。
また、使用する蛍光物質を溶解することができるものを当業者が適宜選択することができる。例えば、ある程度分子内極性を持つ構成要素としてフェニル基などを有する物質が好ましい場合がある。具体的には、ジフェニルジメチコンなどのフェニル基含有シリコーンオイルを液滴封入媒体の材料として用いることができる。
液滴封入媒体として、核酸増幅反応温度より低い融点を有するものを用いることができる。この場合、核酸増幅反応の開始前は、液滴封入媒体を、液滴の移動を許す流動性がない状態(すなわち固体状態)とすることによって液滴を任意の位置に固定し、液滴が予期せぬ方向に移動することを防ぐことができる。一方、核酸増幅反応を開始するためには、液滴封入媒体を加温などにより流動性がある状態(すなわち溶融状態)とすることによって、当該液滴を移動可能にすることができる。
液体封入媒体として、核酸増幅反応温度より低いゲル−ゾル転移点を有するものを用いることができる。この場合における液滴封入媒体として用いられる物質は、少なくとも液滴操作前においてゲル状態であり、当該ゲル状態である場合、及びゲル−ゾル転移点を越えてゾル状態となった場合の両方においても、液滴を構成する核酸増幅反応液に不溶性又は難溶性である。本発明においては通常、非水溶性又は水難溶性である液体物質にゲル化剤を添加してゲル化され得るものが用いられる。
液滴封入媒体をゲル−ゾル転移点より低い温度に供すると、液滴封入媒体に封入された液滴の移動を許す流動性のない状態(すなわちゲル状態)となる。このことによって、液滴を任意の位置に固定し、これによって、封入された液滴が予期せぬ方向へ移動することを防ぐことができる。さらに、封入された液滴をそのように固定しつつ、液滴の中に含まれる磁性体粒子及びその吸着物(具体的には磁性体表面に吸着した、反応又は処理に供される核酸や液体)を容易に移動させることができる。従って、互いに近接した位置に封入液滴を配置する場合であっても、封入液滴同士は混ざり合わないため、磁性体粒子及びその吸着物はそれらの封入液滴間を容易に移動することが可能である。
一方、核酸増幅反応を開始するためには、液滴封入媒体を加熱によってゲル−ゾル転移点より高い温度に供し、流動性のある状態(すなわちゾル状態)とする。このことによって、当該封入された液滴の移動を可能にすることができる。液滴の容積が磁性体粒子全体に比べて比較的大きい場合であってもそのような液滴全体の移動を可能にすることができる。
このような液滴封入媒体は、後述の温度変化領域に晒されることによって、図1(b)に示すように、同一容器内で流動性のないゲル31の相と流動性のあるゾル32の相との両方の共存状態を簡単に実現することができる。
ゾル−ゲル転移点は、オイルの種類、ゲル化剤の種類、及びゲル化剤の添加量などの条件によって変動しうる。従って、当該各条件は、所望のゾル−ゲル転移点を達成できるよう、当業者によって適宜選択される。
核酸増幅反応温度より低い温度にゲル−ゾル転移点を有する液滴封入媒体を用いる態様においては、液滴封入媒体として、非水溶性或いは水難溶性である液体物質に、ゲル化剤を添加したものが用いられる。
この態様で用いられる非水溶性或いは水に難溶性である液体物質としては、25℃における水に対する溶解度が概ね100ppm以下であり、常温(20℃±15℃)において液体状であるオイルが用いられる。例えば、液体油脂、エステル油、炭化水素油、及びシリコーン油からなる群から1種又は2種以上が組み合わされて用いられうる。
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンその他のフェニル基含有シリコーン油、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
ゲル化剤としては、ヒドロキシ脂肪酸、デキストリン脂肪酸エステル、及びグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選ばれる油ゲル化剤が1種又は2種以上組み合わされて用いられうる。
所望のゲル及びゾル状態の一例として、前述のゾル−ゲル転移点を実現する程度であることが挙げられる。
所望のゲル及びゾル状態の他の一例として、完全に封入された液滴を、好ましく固定することができるゲル状態を実現することができる程度であることが挙げられる。好ましい固定状態としては、少なくとも重力程度の外力により封入液滴が移動しない程度であることが挙げられる。移動しないとは、容器底面における液滴の接触部分の位置がほぼ変化しない程度であることが好ましい。
液滴封入媒体の使用量については、液滴を完全に封入することができる十分量を特に限定することなく決定することができる。本発明においては、従来法(すなわち、核酸増幅反応開始時において、液滴のみに蛍光物質を添加する方法)において増幅産物の十分な検出を不可能にしていた程度の量であっても許容される。
具体的には、液滴の容量の1,000〜100,000倍、或いは3,000〜10,000倍の液滴封入媒体を用いることができる。上記範囲とすることは、液滴を操作性良く搬送することができる点で好ましい。上記範囲を上回ると、PCR開始に適した温度環境を形成させるための時間を多く要し、分析開始までに時間がかかる傾向にある。或いは、上記範囲を下回ると、液滴内の蛍光色素が過多となり蛍光検出時のバックグラウンド上昇によるS/N比が低下する傾向にある。上記範囲を上回ると、液滴内から蛍光色素が散逸し、検出感度が低下する傾向にある。
また本発明における液滴封入媒体は液滴の封入性に優れるため、以下のような態様も許容される。すなわち、図5(a)に示すように、容器中における液滴1が存在しない領域における充填高さH3が、封入された液滴(容器中に封入されている中で最も容積が大きいもの)の高さH1より低くなる部分が生じる態様も許容される。
蛍光物質は、少なくとも液滴封入媒体に含まれる。蛍光物質は、遅くとも核酸増幅反応開始時において、少なくとも液滴封入媒体に含まれるようにする。なお、核酸増幅反応の前処理も同じ液滴封入媒体内の別の液滴内で行われる場合、前処理の段階から当該液滴封入媒体に蛍光物質が含まれていたとしても、蛍光物質が前処理に影響しないことが本発明者らによって確認されている。
一方、液滴に含まれる蛍光色素の濃度は、0〜20μMとすることができる。当該濃度範囲の上限は、さらに10μM、5μM、2μM、1μMまたは0.5μMとすることもできる。また、当該濃度範囲の下限は、さらに0.5μM、1μM、2μM、5μM又は10μMとすることもできる。上記範囲とすることは、反応を維持する間に安定して増幅産物の検出を行うことが容易となる点で好ましい。
本発明においては、例えば、液滴封入媒体における蛍光色素の濃度が0.05〜0.1μM、液滴における蛍光色素の濃度が0.5μM〜2μMであることが好ましい場合がある。
容器は、液滴封入媒体を保持することができるものであればよい。また、容器は、その内壁に液滴を移動させる(すなわち液滴が直接触れる)搬送面を有していればよく、その形状は特に限定されるものではない、例えば、図5(a)に示すような搬送面41を有する基板43、或いは図1(b)に示すような基板(セラミック板)43上に接するように設けられた底材42であって搬送面41を有する底材42と、当該搬送面41を取り囲む壁44とを有するものが挙げられる。
また、図1(b)に示すように、当該壁44で囲まれた空間を覆う蓋45をさらに有することによって、当該空間を閉鎖することができるものであっても良い。当該蓋45は、その全体又は一部が開閉可能となっていて、核酸増幅反応などの処理を行うための試薬や、試料を含む液滴を容器内に投入できるようになっていてもよい。
基板又は底材であって、搬送面を有するものの材質としては特に限定されないが、液滴の移動の際の移動抵抗を下げるために、搬送面が撥水性であるものが好ましい。そのような性質を与える材質として、例えばポリプロピレン、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの樹脂素材が挙げられる。一方、基板上に搬送面を有する底材を設けた容器を用いる場合における基板としては、上述の素材のほか、セラミック、ガラス、シリコーン、金属等なども用いられうる。
基板及び底材は、反応容器外部又は反応基板裏面等から液滴の吸光度、蛍光、化学発光、生物発光、屈折率の変化等の測定を行う場合に、光学的な検出などができるようにするために光透過性を有するものであることが好ましい。
また、核酸増幅反応が行われうる高温においても液滴との高い接触角を保つことのできる表面を有するものを用いることが好ましい。具体的には、ポリプロピレン又はポリプロピレンやそれ以上の接触角を有する樹脂を用いることが好ましい。基板表面上における液滴の接触角は、95°〜135°程度(25℃)であることが好ましい。
液滴を移動させる搬送面には、温度変化領域が設けられる。温度変化領域は、搬送面上の液滴搬送経路に沿って連続して温度が変化するように、温度勾配が設けられたものである。温度勾配は、例えば容器の底面又は図1(b)に記載するような容器の底面に接する基板43の一部に加熱源5を接触させ、一定温度で発熱させることによって形成する。これによって、基板表面又は底材表面上に、熱源真上の地点が最も高温であり熱源から離れるに従って温度が下降するといった温度勾配を有した温度変化領域を形成することができる。
また、基板又は底材の素材として樹脂のように熱伝導性が低いものを用いることによっても、同様に温度変化領域内に形成される温度勾配を大きくすることができるため、狭い領域での局所的な温度調節が可能になる。
このように温度勾配を大きくすると、実施する処理に、二種以上の比較的差が大きい温度条件が求められる場合であっても、液滴の移動距離が短くて済む。このことは、効率のよい処理を可能にし、また、反応容器の小型化も可能にする。
液滴を移動させるための磁場の変動をもたらす磁場印加手段や磁場移動機構については特に限定されない。磁場印加手段としては、永久磁石(例えばフェライト磁石やネオジム磁石)や電磁石などの磁力源を用いることができる。磁力源は、容器内に存在する液滴中に分散していた磁性体粒子を搬送面側で凝集させることができる状態で、容器の外側に配置することができる。これによって、磁力源が容器の搬送面を介して磁性体粒子に対して磁場を生じさせ、磁性体粒子群及びそれが含まれる液滴を捕捉することができる。
例えば、図4に示すように、磁力源(例えば磁石61)自体を搬送面41に略平行に機械的移動させることのできる機構62を用いることができる。磁力源61によって容器の底面を介して捕捉された磁性体粒子群8及びそれが含まれる液滴11は、磁力源の移動に追随して搬送面41上を移動することができる。これによって、封入液滴の移動、封入液滴を母液滴とした子液滴の分離、及び封入液滴と封入液滴との合体を可能にする。
例えば、通電制御手段を用いることができる。また例えば、搬送面を介して容器の外側に配置した磁石を、当該搬送面に略垂直方向に移動することができる機構を用いることができる。この磁石を搬送面から遠ざけることによって、磁場を遮断又は減弱することができる。これによって、封入液滴中において磁性体粒子群を分散させ、磁性体粒子に吸着した成分を、封入液滴を構成する液体に十分に晒すことが可能になる。
蛍光検出手段は特に限定されるものではなく、当業者であれば容易に選択可能である。一例を挙げると、図4に示すように、光発生部73、カメラ(CCDカメラ)72、同軸落射系75及びパーソナルコンピューター(PC)71で構成された手段を用い、光発生部73から光ケーブル74によってCCDカメラ72に取り付けた同軸落射系75への入射を行い、同軸落射系75のレンズ群を通して反応容器内4の液滴11への照射を行うことができる。CCDカメラによって検出された電気的シグナルをPCにリアルタイムで送信し、液滴の蛍光強度の変化を追尾することができる。
液滴の蛍光観測は、DNAポリメラーゼによる伸長反応(通常68〜74℃程度)を行う温度地点に励起光を照射し、当該地点に液滴を停止させた状態で暗室内にて行うことができる。さらに、励起光の照射範囲を、熱変性を行う温度地点からアニーリングを行う温度地点まで拡大すると、液滴を移動させると共に増幅産物の融解曲線を得ることもできる。
[7−1.液滴の封入]
[7−1−1.液滴の添加による封入法]
上記2−1に記載の反応温度より低い融点を有する液滴封入媒体を用いる場合、液滴の封入は、液滴反応操作前において、容器に収容された液体物質中に、液滴を形成すべき溶液を滴下などによって添加することによって行うことができる。当該液体物質を融点以下に供すると、封入した液滴の固定を行うこともできる。
液滴の封入は、液滴操作開始前において、ゾル状の液滴封入媒体中に液滴を滴下した後、ゾル−ゲル転移点以下の温度に供することによって液滴封入媒体をゲル化させることによって行うこともできる。また、ゲル状態の液滴封入媒体中に穿刺によって水系液体を直接注入することによって行うこともできる。
反応系又は処理系を構築するために必要な要素の一方を含む水系液体を上記方法により搬送経路上に配置し、当該他方を含む水系液体をゲル化した状態の液滴封入媒体上に液滴状態で載せておく場合、以下のようにして両要素を混合させる。
流動性のない液滴封入媒体(すなわち、融点以下の温度条件下における固体状の液滴封入媒体又はゾル−ゲル転移点以下の温度条件下におけるゲル状の液滴封入媒体)上に、液体を液滴状態で載せる際、例えば図1(b)に示すように、液滴封入媒体31の上面の一部に押圧や削去などによりくぼみを設け、そのくぼみに液体2を載せることができる。このようなくぼみを形成することによって、液滴封入媒体31に載せる液体2が不用意に広がることや移動することを防ぐことができる。くぼみの深さD2は特に限定されない。例えば、くぼみの最も深いところが搬送面41に到達しない程度の浅さであることが好ましい。或いは、既に搬送面に接して封入されている液滴の高さに到達しない程度の浅さであってよい。具体的には、くぼみの深さD2は、約1mm前後であれば十分である場合がある。
この態様の具体例として、液滴封入媒体の上に載せられる液滴が、磁性体粒子とともに増幅すべき核酸を含む試料からなる液体であってよい。この場合、子液滴は、磁性体粒子及びそれに吸着した核酸を含む試料からなる液体を含んだ状態で得られる。
沈降した子液滴11bは、既に封入されていた一方の要素を含む液滴14と合体することによって、一方の要素と他方の要素とが混合され、一つの封入液滴11c中に共存することによって、核酸増幅反応又はその前処理に供することができる状態となる。
[7−2−1.流動性を有する液滴封入媒体中における液滴の移動]
流動性を有する液滴封入媒体(すなわち融点以上の温度条件下における液体状の液滴封入媒体又はゾル−ゲル転移点以上の温度条件下におけるゾル状の液滴封入媒体)中に封入された磁性体粒子含有液滴が、液滴搬送経路を移動する原理は、以下のとおりである。すなわち、図2(g)及び(h)に示すように、磁性体粒子を含む液滴11gは、容器の搬送面41から容器内部の方向へ磁石61を近づけるなどして磁場を生じさせ、磁場を容器の搬送面41に略平行に移動させることによって磁場を変動させると、液滴内で磁性体粒子が移動方向の側に集中し、液滴全体を当該移動方向へ動かそうとする力が働く。本発明で用いられる磁性体粒子表面の親水性により、磁性体粒子が液滴搬送経路を移動する際に、液滴を形成する水に牽引力が伝達し、且つ、基板上の液滴の接触角が十分に大きく、搬送面の表面粗さが十分に小さく、液滴封入媒体の動粘度や磁場の移動の初速度が適切であれば、磁性体粒子が液滴の表面張力に打ち勝って、液滴から飛び出すことなく液滴全体を移動させることができる。
なお、この態様において移動させることができる液滴の容積は、当業者が適宜決定する事ができるが、例えば磁性体粒子を10〜1000μg用いる場合、0.05μL〜5μLとすることができる。
ゲル状態の液滴封入媒体は、ゲル独特の特性を有するため、それ自身は流動性を有しない状態のまま、封入する液滴を移動させることができる。ゲル状態の液滴封入媒体中に封入された磁性体粒子含有液滴は、液滴封入媒体であるゲルの三次構造を崩しながら液滴搬送経路を移動することができる。
このように封入液滴自体を移動させる態様は、封入液滴の液温を変化させる必要がある場合に好ましく用いられる。液滴搬送経路に温度勾配が設けられることによって搬送面が温度変化領域を有する場合、封入液滴を構成する溶液内で行われうる処理に必要な温度地点へ封入液滴自身を移動させることによって、液温を迅速且つ容易に調整することが可能である。
[7−3−1.流動性を有する液滴封入媒体中における子液滴の分離]
流動性を有する液滴封入媒体中の上記移動態様の変形態様として、移動する封入液滴が、別の液滴を母液滴として分離された子液滴である態様が挙げられる。
当該別の液滴は、同一容器内で液滴封入媒体中に封入されているものである。この態様においては、封入された当該別の液滴に含まれる磁性体粒子に対して磁場を生じさせ搬送経路を移動させることによって、封入された母液滴全体を移動させることなく、磁性体粒子群が引き抜かれて分離される。このとき、分離される磁性体粒子群は、それに吸着した物質及び多少の液滴由来の液体(子液滴)をその周囲に引き連れる。
一方、図2(c)〜(e)に示すように、ゲル状の液滴封入媒体31中に封入された、磁性体粒子を含む母液滴11cからも、液滴封入媒体31が流動性を有しないゲル状態のまま、磁性体粒子及びそれに付随する子液滴11eを分離することができる。この態様は、図2(a)〜(b)に示す、液滴封入媒体31の上に載せられた磁性体粒子を含む母液滴2から磁性体粒子及びそれに付随する子液滴11bを分離する態様と同様の原理による。
磁性体粒子を含む液滴は、同一容器内の別の封入液滴を構成する液体に供されることにより、封入液滴同士が合体することができる。当該別の封入液滴を封入している液滴封入媒体は、流動性の有無を問わない。液滴同士の合体によって、液滴を構成する成分の混合、溶解、希釈などを行うことができる。
上述のように、核酸増幅反応及びそれに関わる前処理を含む一連の処理が、完全密閉系で行われる。さらに、磁性体粒子を、封入液滴内に含ませて分散させることと、移動のために凝集させることと、ゲル内における各液滴間及び所望の温度地点間を移動させることとによって、これらの処理を簡便に行うことができる。
親水性表面を持つ磁性体粒子として、東洋紡から販売されているPlasmid DNA Purification Kit MagExtractor-Genome-キットの構成試薬であるMagnetic Beads(以下、単に、磁性シリカビーズという)を使用した。上記キット内の磁性シリカビーズは、予め、原液を10倍容量の純水に懸濁させ、500×g、1分間の遠心操作により上清を除去する操作を5回繰り返すことによって洗浄した。そして、磁性シリカビーズを純粋中に懸濁させ、純粋中の磁性シリカビーズの含有量が、同ビーズ乾燥重量換算で100mg(dry)/mLとなるように調整した。
インビトロジェン社製SYBR(登録商標)GREEN Iを、PCR反応溶液からなる液滴に、製品原液の一万倍希釈濃度となるように添加した。また、SYBR(登録商標)GREEN Iを、シリコーンオイルに、製品原液に対し5万倍希釈濃度となるように添加した。
SYBR-Green I、YO PRO-1及びSYTO-13(いずれもInvitrogen社製)の蛍光色素をそれぞれ用い、蛍光色素の液滴側濃度とオイル側濃度とをそれぞれ変えてPCRを行ったことを除いては、上記実施例1と同様の操作を行った。液滴をPCR開始に供する前の蛍光強度と、PCR開始に供した後の蛍光強度との差を表1〜3に表す。表1はSYBR-Green Iを用いた場合、表2はYO PRO-1を用いた場合、及び表3はSYTO-13を用いた場合の結果を示す。
ヒトβ-アクチン遺伝子検出用プライマーの配列は、5’-CATCGAGCACGGCATCGTCACCAA-3’(配列番号1)及び5’-GCGGGCCACTCACCTGGGTCATCT-3’(配列番号2)である。
配列番号2は、合成プライマーである。
Claims (8)
- 容器中に存在する液滴中で核酸増幅反応を実施する核酸増幅反応方法であって、
前記液滴が、増幅すべき核酸と磁性体粒子とを含む核酸増幅反応液からなるものであり、
前記容器が、液滴封入媒体が保持され、且つ、温度勾配が設けられた搬送面を有するものであり、
前記液滴封入媒体が、前記核酸増幅反応液に不溶性又は難溶性であるものであり、
核酸増幅反応の開始時において、前記液滴封入媒体に蛍光色素が含まれ、
核酸増幅反応の開始及び維持において、磁場印加手段によって磁場を発生させて前記磁性体粒子と共に前記液滴を搬送すると共に、前記搬送面上の前記核酸増幅反応の開始及び維持を達成する温度地点に前記液滴を配置することによって前記核酸増幅反応液の温度制御をする、リアルタイム核酸増幅反応方法。 - 核酸増幅反応の開始時において、前記液滴封入媒体に含まれる前記蛍光色素の量が0.01〜0.5μMである、請求項1に記載の方法。
- 核酸増幅反応の開始時において、前記液滴に0〜20μMの前記蛍光色素が含まれる、請求項2に記載の方法。
- 前記液滴封入媒体が、前記核酸増幅反応開始温度及び維持温度より低い温度にゲル−ゾル転移点を有するものであり、
前記核酸増幅反応開始前において前記液滴が存在する前記温度地点において、前記液滴封入媒体がゲル状態であり、
前記核酸増幅反応の開始及び維持において前記液滴が存在する前記温度地点において、前記液滴封入媒体がゾル状態である、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の方法。 - 前記液滴封入媒体が、前記増幅反応開始温度及び維持温度より低い温度に融解温度を有するものであり、
前記核酸増幅反応開始前において、前記液滴封入媒体が固形状態であり、
前記核酸反応開始及び維持において、前記液滴封入媒体が溶融状態である、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の方法。 - 前記増幅すべき核酸と前記磁性体粒子とが、前記核酸増幅反応の開始前において、前記容器中の前記核酸増幅反応液からなる液滴とは異なる位置に存在する核酸抽出用液からなる液滴内で、磁性粒子の共存下、核酸含有試料と前記核酸抽出用液とを接触させることにより抽出された核酸が前記磁性粒子に吸着したものであり、
前記磁性粒子及び前記抽出された核酸が、前記核酸抽出用液中から前記核酸増幅反応液中へ、前記磁性体粒子の移動によって搬送される、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の方法。 - 前記磁性粒子及び前記抽出された核酸が、前記容器中の前記核酸増幅反応液からなる液滴及び前記核酸抽出用液からなる液滴とは異なる位置に存在する洗浄液からなる液滴内で洗浄され、前記洗浄液からなる液滴から前記核酸増幅反応液中へ、前記磁性体の移動によって搬送される、請求項6に記載の方法。
- 前記磁性粒子及び前記抽出された核酸が、前記容器中の前記核酸増幅反応液からなる液滴及び前記核酸抽出用液からなる液滴とは異なる位置に存在する核酸遊離液からなる液滴内に供され、前記核酸遊離液からなる液滴から前記核酸増幅反応液中へ、前記磁性体の移動によって搬送される、請求項6又は7に記載の方法。
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