JP5453690B2 - コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体及びその製造方法 - Google Patents
コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5453690B2 JP5453690B2 JP2010139855A JP2010139855A JP5453690B2 JP 5453690 B2 JP5453690 B2 JP 5453690B2 JP 2010139855 A JP2010139855 A JP 2010139855A JP 2010139855 A JP2010139855 A JP 2010139855A JP 5453690 B2 JP5453690 B2 JP 5453690B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- collagen
- chitosan
- fiber
- gel
- buffer solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Description
本発明は、こうした知見に基づくものである。
本発明のコラーゲン・キトサン複合細繊維の好ましい態様においては、直径が50〜200nmであり、また前記コラーゲンが、魚類由来コラーゲンであってもよい。
また、本発明は、前記コラーゲン・キトサン複合細繊維を含むコラーゲン・キトサン複合繊維ゲルに関する。
本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維ゲルの好ましい態様においては、1Hzにおける貯蔵弾性率が、300Pa以上である。
更に、本発明は、前記コラーゲン・キトサン複合細繊維を含むコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体に関する。
本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の好ましい態様においては、前記コラーゲン・キトサン複合細繊維が架橋されている。
また、本発明は、コラーゲン及びキトサンを均一に混合し、pH6.0〜8.0及び塩濃度が15mM以上のコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を調製する工程、及び前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによってコラーゲン及びキトサンを繊維化し、コラーゲン・キトサン複合細繊維を含むゲルを調整する工程、を含む、コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルの製造方法に関する。
また、本発明は、コラーゲン及びキトサンを均一に混合し、pH6.0〜8.0及び塩濃度が15mM以上のコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を調製する工程、前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによってコラーゲン及びキトサンを繊維化し、コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを調整する工程、及び前記コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを乾燥させる工程、を含む、コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の製造方法に関する。
本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の製造方法の好ましい態様においては、更に、前記コラーゲン・キトサン複合細繊維を架橋する工程を含む。
本明細書において、コラーゲン・キトサン複合細繊維の製造方法、コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルの製造方法、及びコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の製造方法を併せて、本発明の製造方法と称することがある。
また、本発明では、特定のゲル化剤などを用いず、均質な構造を有するコラーゲン・キトサン複合細繊維を得ることができる。
本発明のコラーゲン・キトサン複合細繊維は、コラーゲンとキトサンとがそれらの相互作用により、繊維化されたものである。
コラーゲンは、柔軟性及び生体親和性に優れているが、力学特性が低い。コラーゲンのポリペプチド鎖(以下、α鎖と称することがある)は3個のアミノ酸が並んだユニット「G−X−Y」のつながりからできており、Gはグリシンを表し、Xはプロリン、そしてYはヒドロキシプロリンであることが多い。このアミノ酸配列のためコラーゲンは、3本のα鎖からなる3重らせん構造を形成する。また、アミノ基及びカルボキシル基を有する両性高分子である。pKaは9.2であり、この等電点より低い溶液中ではアミノ基は酸性溶液でNH3 +に帯電し、この等電点より高い溶液中ではカルボキシル基はCOO−に荷電している。このためコラーゲンは、溶液のpHによりプラス又はマイナスの電荷をもつ。また、pH及び温度を調整することにより、3重らせん構造の分子が主に水素結合により会合し、コラーゲン細繊維を形成する。
キトサンは、多糖類の1種であり、力学特性が高く、熱に強いという性質を有している。また、抗菌性を有し、血液の凝集を促進するが、生体親和性は低い。キトサンは、脱アセチル化度によりpKa5.0から6.5のカチオン性高分子であり、豊富なアミノ基を有しており、pH5.0未満ではアミノ基がNH3 +に帯電している。
また、コラーゲン・キトサン複合細繊維に含まれるコラーゲン及びキトサンのモル比は、コラーゲンのみからなるコラーゲン細繊維と比較して力学特性が向上している限り、限定されるものではないが、通常100:1〜1:100の範囲であり、好ましくは10:1〜1:10であり、より好ましくは5:1〜1:5であり、更に好ましくは4:1〜1:4であり、最も好ましくは1:1である。コラーゲンとキトサンとのモル比が1:1に近いと、コラーゲンのカルボキシル基とキトサン分子のアミノ基との相互作用が、最適になると考えられるからである。
前記コラーゲン・キトサン複合細繊維を構成するコラーゲンの型は、3重らせん構造を有するものであれば特に限定されるものではなく、I型からXIII型の全てのタイプのコラーゲンを用いることができるが、入手の容易性からI型コラーゲンを用いることが好ましい。また、コラーゲンを取得する動物種の由来も、特に限定されるものではなく、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、鶏、ダチョウ、ウサギ、ラット、及び魚類の皮膚、骨、浮袋、皮、筋肉、鱗、及び軟骨を挙げることができる。更に様々な細胞から抽出・精製されたコラーゲンや遺伝子組み換え操作により製造される人工コラーゲンなども挙げることができる。しかしながら、本発明のコラーゲン・キトサン複合細繊維を生体材料として用いる観点からは、人獣共通感染症のない魚類由来コラーゲンが好ましい。コラーゲンを取得する魚類は、特に限定されるものではなく、例えば、テラピア、タイ、ヒラメ、サメ、イワシ、マグロ、フグ、キンギョ、タラ、カレイ、コイ、クラゲ、及びサケを挙げることができる。特には、変性温度が比較的高いコラーゲンを取得できることから、水温の高い川、湖沼、又は海に生息する魚類が好ましく、例えばオレオクロミス属の魚類が好ましく、日本や中国で食用として養殖されており入手が容易であるナイルテラピア(Oreochromis niloticus)が特に好ましい。また、魚類由来コラーゲンを取得する部位も、限定されるものではなく、皮又は鱗を挙げることができるが、魚臭の原因となる脂質が少ないことから、鱗が好ましく、従って、魚鱗由来コラーゲンが好ましい。
キトサンは、節足動物や甲殻類の外骨格から得られるキチン(ポリ−β→4−N−アセチルグルコサミン)を、脱アセチル化することによって、得ることができる。キチンの脱アセチル化度は、特に限定させるものではないが、60〜100%が好ましく、70〜100%がより好ましく、80〜100%が更に好ましく、90〜100%が最も好ましい。100%に近いほうが、コラーゲンのカルボキシル基と相互作用するアミノ基が多くなるからである。また、キトサンの由来も、特に限定されるものではなく、カニ、エビ、オキアミ、フジツボ、及びミジンコを挙げることができるが、カニは甲羅が大きく商業的に量産化されている点から好ましい。
本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルは、分散質として前記コラーゲン・キトサン複合細繊維を含むものである。本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルにおける分散媒は、特に限定されるものではなく、水性の分散媒でも有機溶媒系の分散媒でもよいが、生体材料として用いる場合は人体に害のない水性の分散媒を用いるほうが好ましい。
本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体は、前記コラーゲン・キトサン複合細繊維を含むものであり、前記コラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルを凍結乾燥法又はキャスト法により乾燥させ、分散媒が除去されたものである。従って、コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体を、細胞培養基材、再生医療用の足場材料(例えば、軟骨、骨、皮膚、及び肝臓組織の再生材料)、移植用材料(創傷被覆材料、骨補填剤、又は止血材料)、又は薬物送達担体として使用する場合は、そのアプリケーションに適した溶媒で膨潤させて使用することが望ましい。
本発明の複合繊維状多孔体は、生体材料、例えば、細胞培養基材、再生医療用の足場材料(例えば、軟骨、骨、皮膚、及び肝臓組織の再生材料)、移植用材料(創傷被覆材料、骨補填剤、又は止血材料)、又は薬物送達担体として用いることができる。複合繊維状多孔体は、水分などの溶媒を含まないため、生体材料として用いる場合は、溶媒に浸漬させて用いることが好ましい。複合繊維状多孔体を浸漬する溶媒としては、水、アルコール、細胞培養液、リン酸緩衝溶液、炭酸緩衝溶液、及びリンゲル液などを挙げることができる。
前記コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体を溶媒に浸漬した場合の膨潤度は、コラーゲン細繊維のみからなる多孔体と比較すると、1/3程度であり、従って、力学特性が高く、操作性も優れている。
本発明のコラーゲン・キトサン複合細繊維の製造方法(以下、複合細繊維製造方法と称することがある)は、コラーゲン及びキトサンを均一に混合し、pH6.0〜8.0及び塩濃度が15mM以上のコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を調製する工程(以下、混合緩衝溶液調整工程と称する)、及び前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによってコラーゲン及びキトサンを繊維化する工程(以下、繊維化工程と称する)を含む。本発明の複合細繊維製造方法によって、本発明のコラーゲン・キトサン複合細繊維を製造することができるが、コラーゲン・キトサン複合細繊維の製造方法は、本発明の複合細繊維製造方法に限定されるものではない。
また、コラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルの製造方法(以下、複合繊維状ゲル製造方法と称することがある)は、コラーゲン及びキトサンを均一に混合し、pH6.1〜7.5及び塩濃度が15mM以上のコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を調製する工程(以下、混合緩衝溶液調整工程と称する)、及び前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによってコラーゲン及びキトサンを繊維化し、コラーゲン・キトサン複合細繊維を含むゲルを調整する工程(以下、ゲル調整工程と称する)を含む。本発明の複合繊維状ゲル製造方法によって、本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルを製造することができるが、コラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルの製造方法は、本発明の複合繊維状ゲル製造方法に限定されるものではない。
本発明の製造方法においては、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液のpH及び塩濃度を調整することが重要である。すなわち、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液のpHを6.0〜8.0に調整し、塩濃度を15mM以上に調整することによって、後述の繊維化工程及びゲル調整工程において、混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させた場合に、力学特性の優れたコラーゲン・キトサン複合細繊維が形成される。
コラーゲン酸性溶液に用いる酸は、無機酸又は有機酸を用いることができる。無機酸としては、塩酸、リン酸、硝酸、及び硫酸を挙げることができ、有機酸としては、酢酸、ギ酸、クエン酸及びシュウ酸を挙げることができる。また、コラーゲン酸性溶液のpHは、pH2.0〜4.0が好ましい。
キトサン酸性溶液に用いる酸は、無機酸又は有機酸を用いることができるが、好ましくは有機酸である。有機酸としては、酢酸、ギ酸、クエン酸及びシュウ酸を挙げることができる。また、キトサン酸性溶液のpHは、pH2.0〜5.0が好ましい。
アルカリ性緩衝液は、特に限定されるものではなく、炭酸緩衝液、リン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、HEPES緩衝液、及びグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液などを用いることができるが、得られるコラーゲン・キトサン複合細繊維、コラーゲン・キトサン複合繊維状ゲル、及びコラーゲン・キトサン複合細繊状多孔体を生体材料として用いる場合は、炭酸緩衝液、又はリン酸緩衝液が好ましい。特に、炭酸緩衝液は、pH制御範囲が広く、炭酸イオンはキトサンと反応しpHを酸性側にシフトさせることができるため、より好ましい。
コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液中の、コラーゲンとキトサンとのモル比は、特に制限されるものではないが、通常100:1〜1:100の範囲であり、好ましくは10:1〜1:10であり、より好ましくは5:1〜1:5であり、更に好ましくは4:1〜1:4であり、最も好ましくは1:1である。コラーゲンとキトサンとのモル比が1:1に近いと、コラーゲンのカルボキシル基とキトサン分子のアミノ基との相互作用が、最適になり、貯蔵弾性率が上昇するからである。
本発明の製造方法における繊維化工程、及びゲル調整工程では、前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによって、コラーゲン及びキトサンを繊維化し、コラーゲン・キトサン複合細繊維を得ることができ、またコラーゲン・キトサン複合細繊維が分散質として、水系の分散媒などに含まれたコラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルを得ることができる。
繊維化工程、及びゲル調整工程においては、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによって、コラーゲン及びキトサンの相互作用が始まり、コラーゲン・キトサン複合細繊維が形成する。
本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の製造方法(以下、複合繊維状多孔体製造方法と称することがある)は、コラーゲン及びキトサンを均一に混合し、pH6.0〜8.0及び塩濃度が15mM以上のコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を調製する工程(以下、混合緩衝溶液調整工程と称する)、前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによってコラーゲン及びキトサンを繊維化し、コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを調整する工程(以下、ゲル調整工程と称する)、及び前記コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを乾燥させる工程(以下、乾燥工程と称する)を含む。本発明の複合繊維状多孔体製造方法によって、本発明のコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体を製造することができるが、コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の製造方法は、本発明の複合繊維状多孔体製造方法に限定されるものではない。
また、複合繊維状多孔体製造方法における混合緩衝溶液調整工程及びゲル調整工程は、それぞれ、複合繊維状ゲル製造方法における混合緩衝溶液調整工程及びゲル調整工程と共通であり、前記複合繊維状ゲル製造方法において説明した操作等を用いることができる。
前記乾燥工程におけるコラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを乾燥させる方法としては、コラーゲンの3重らせん構造が破壊される変性温度以上の温度を使用しない限り、限定されるものではなく、例えば凍結乾燥法、キャスト法、風乾法、及び自然乾燥法を用いることができる。例えば、凍結乾燥法を用いる場合、得られたコラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを、−20℃〜−80℃程度で急速に凍結し、凍結したコラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを、真空状態で水分を昇華させることによって、乾燥したコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体を得ることができる。
本乾燥工程において、分散媒を含んだコラーゲン・キトサン複合繊維ゲルの状態において、変性温度以上の熱が加わった場合、コラーゲンの3重らせん構造が破壊され、得られるコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の強度が低下するため、好ましくない。
本発明の複合繊維状多孔体の製造方法は、更にコラーゲン・キトサン複合細繊維を架橋する工程を含むことができる。架橋は、コラーゲン・キトサン複合細繊維内部の、コラーゲンの3重らせん構造(トロポコラーゲン)同士の間、及びコラーゲンの3重らせん構造(トロポコラーゲン)及びキトサンの間で起こってもよく、コラーゲン・キトサン複合細繊維同士の間で起こってもよい。
架橋方法は、公知の方法を用いることが可能であり、例えば、物理架橋又は化学架橋を挙げることができる。物理架橋としては、熱架橋(熱脱水(DHT)架橋)、紫外線(UV)照射、又はγ線照射を挙げることができ、化学架橋に用いる架橋剤としては、グルタルアルデヒド(GA)、ポリエポキシ化合物、カルボジイミド、イソシアネート、又はゲニピンなどの化学架橋剤を用いることができる。化学架橋の場合は、架橋剤を溶媒に溶解させ、複合繊維状多孔体を浸漬することによって、架橋を行う。GA溶液を用いる場合は、濃度0.5〜2.0%の範囲を用いると均一に架橋を導入することが可能である。また、熱架橋の場合は、複合繊維状多孔体を100℃〜140℃の真空中において、1〜12時間処理することによって、架橋することができる。更に熱架橋を行った後に、前記化学架橋処理を施したり、25%GA溶液やそれを希釈した溶液をデシケーター内に入れて熱架橋した複合繊維状多孔体をいれて20℃〜50℃の温度で1時間から24時間処理を施したり、することで均一に内部まで架橋を導入することが可能である。
架橋を行うことによって、複合繊維状多孔体の強度は、3〜10倍程度向上する。
コラーゲンは、酸性溶液中でプラスに帯電し、アルカリ溶液中でマイナスに帯電する性質があり、更に中性付近では見掛け上、中性の電荷となる。コラーゲン分子は、300nm×1.5nmの大きさからなる3重らせん構造を持つ棒状の分子であり、塩濃度、塩の種類や温度に強く依存するが、中性付近でコラーゲン細繊維を形成する。一方、脱アセチル化度が高いキトサンは、酸性溶液中ではアミノ基がプラスに帯電している。
コラーゲンとキトサンとからなるコラーゲン・キトサン複合細繊維は、炭酸イオン濃度(pH)を変えることにより、得られる繊維の直径が変化する。pHを8以上で制御すると、繊維直径が30〜40nmとなり、pH6.5〜7.5では直径約80〜90nmであった。
後述の実施例及び比較例において得られたコラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルの貯蔵弾性率は、以下の方法により行った。測定に用いたゲルのサイズは、25mm×5mmである。温度23℃、周波数1Hz、初期歪み1Nの条件下で、動的粘弾性装置RheoStress1(Haake社製)を用いて、測定を行った。
(コラーゲン・キトサン複合細繊維及びコラーゲン・キトサン複合繊維状ゲルの製造)
テラピアのウロコから抽出したI型アテロコラーゲンを、pH3の塩酸に2wt%になるように加え、コラーゲン酸性溶液を調整した。また、脱N−アセチル化度93%のキトサンを0.09Mの酢酸に1.6wt%になるように加え、キトサン酸性溶液を調整した。二つの溶液を等量ずつ加え混合し、20時間以上4℃で攪拌し、コラーゲン・キトサン混合溶液を得た。この際、コラーゲンとキトサンのモル数が同じになる比率で調整した。
次に、1mol/Lの炭酸ナトリウム(pH11.5)と1mol/Lの炭酸水素ナトリウム(pH8.7)を調整し、等量混合して炭酸緩衝溶液(pH9.6)を調整した。この溶液を希釈し、0.3mol/Lの炭酸緩衝溶液(pH9.6)とした。
次いで、コラーゲン・キトサン混合溶液に、炭酸緩衝溶液を体積比率9:1になるように滴下し、20時間以上4℃で攪拌し、pH6.6、塩濃度30mMのコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を得た。このコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、更に28℃の乾燥器中に3時間静置して繊維化を生じさせた。
炭酸緩衝溶液滴下では、得られたコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液は透明で、28℃に温度を上昇させることで白濁した繊維状ゲルが得られた。得られた繊維状ゲルの外観を図1に示す。また、コントロールとしてダルベッコスリン酸緩衝溶液(D−PBS)を用いて、同じ条件で作製した純粋なコラーゲン細繊維状ゲルの外観も図1に示す。更に、得られた繊維状ゲルの貯蔵弾性率を測定した結果を、表2及び図3に示す。
白濁した繊維状ゲルを、更にエタノールシリーズ(50%、60%、75%、90%、100%)を用いて脱水し、最後にt−ブタノールで置換後、冷蔵庫で凍結させて、Virtis AdvantageのAD2.0−EL−SCを用いて凍結乾燥を行い、複合繊維状多孔体を得た。作製した複合繊維状多孔体の走査型電子顕微鏡像を図2に示す。
なお、コントロールとして前記の純粋なコラーゲン細繊維状ゲルから得た多孔体のコラーゲン繊維の顕微鏡像を示す。
更に、凍結乾燥により作製した複合繊維状多孔体を130℃の真空中で3時間処理することによって、熱架橋をコラーゲン・キトサン複合繊維内に導入することができた。
炭酸緩衝溶液の濃度を0.3mol/Lに代えて、0.4mol/Lとした以外は、実施例1の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.8、塩濃度は40mMである。
炭酸緩衝溶液滴下では、得られたコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液は透明で、28℃に温度を上昇させることで白濁した繊維状ゲルが得られた。得られた繊維状ゲルの貯蔵弾性率を測定した結果を、表2及び図3に示す。
なお、実施例2においては、複合繊維状多孔体は製造しなかった。
炭酸緩衝溶液の濃度を0.3mol/Lに代えて、0.6mol/Lとした以外は、実施例1の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH7.5、塩濃度は60mMである。
炭酸緩衝溶液滴下では、得られたコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液は透明で、28℃に温度を上昇させることで白濁した繊維状ゲルが得られた。得られた繊維状ゲルの外観を図1に示す。更に、得られた繊維状ゲルの貯蔵弾性率を測定した結果を、表2及び図3に示す。作製した複合繊維状多孔体の走査型電子顕微鏡像を図2に示す。
炭酸緩衝溶液の濃度を0.3mol/Lに代えて、0.1mol/Lとした以外は、実施例1の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH5.9、塩濃度は10mMである。炭酸緩衝溶液滴下では、得られたコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液は透明で、繊維状ゲルは得られなかった。
炭酸緩衝溶液の濃度を0.3mol/Lに代えて、0.8mol/Lとした以外は、実施例1の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH8.4、塩濃度は80mMである。炭酸緩衝溶液滴下直後に白濁が生じた。得られた繊維状ゲルの貯蔵弾性率を測定した結果を、表2及び図3に示す。作製した複合繊維状多孔体の走査型電子顕微鏡像を図2に示す。
炭酸緩衝溶液の濃度を0.3mol/Lに代えて、1.0mol/Lとした以外は、実施例1の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH9.0である。炭酸緩衝溶液滴下直後に白濁が生じた。得られた繊維状ゲルの外観を図1に示す。更に、得られた繊維状ゲルの貯蔵弾性率を測定した結果を、表2及び図3に示す。作製した複合繊維状多孔体の走査型電子顕微鏡像を図2に示す。
図1に、実施例1(pH6.6)、実施例3(pH7.5)及び比較例3(pH9.0)で作製した繊維状ゲルの外観を示す。図から明らかなように、コントロールである純粋なコラーゲンゲルでは端の形状が保たれていないが、キトサンを混合することで形状が保持できることが分かる。更に比較例3(pH9.0)のゲルも端の形状が維持できず、外観からも明らかなように繊維状ゲルの強度が異なることが分かる。
図2に実施例1(pH6.6)、実施例3(pH7.5)、比較例2(pH8.4)及び比較例3(pH9.0)の複合繊維状多孔体の走査型電子顕微鏡像を示す。いずれの複合繊維状多孔体も、繊維が観察された。キトサンを混合して作製した実施例1及び3の繊維は、直径が80nmから90nm程度であり、更にpHが高い条件で作製した比較例2及び3の繊維は、40nm以下と明らかに直径が小さくなることが分かる。
実施例1〜3、及び比較例2と3の繊維状ゲルの貯蔵弾性率を図3に示す。pH6.5付近で作製した繊維状ゲル(実施例1)では、800Paであったが、pHが高くなるにつれて貯蔵弾性率が小さくなることが明らかであった。また、D−PBSで作製したコントロールの純粋なコラーゲンゲルでは、貯蔵弾性率は30Paであり、キトサンを混合することで明かに繊維状ゲルの強度が向上することが分かる。
実施例1、実施例2、及び実施例3において、複合繊維状多孔体を130℃の真空中で3時間処理することによって、熱架橋をコラーゲン・キトサン複合繊維内に導入した。熱架橋を行うことによって、複合繊維状多孔体の強度が上昇した。
実施例4〜7では、炭酸緩衝溶液の効果を確かめるため、塩濃度を30mMにして、繊維状ゲルを作製した。
0.3mol/Lの炭酸ナトリウム(pH11.5)と0.3mol/Lの炭酸水素ナトリウム(pH8.7)を調整し、二液を混合して0.3mol/Lになるように炭酸緩衝溶液(pH9.2)を調整した。
次いで、実施例1で用いたコラーゲン・キトサン混合溶液(コラーゲンとキトサンのモル数が同じ)に、炭酸緩衝溶液を体積比率9:1(最終炭酸濃度:30mmol)になるように滴下し、4℃で攪拌後、28℃の乾燥器中に3時間静置して繊維化を生じさせた。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.24である。作製したコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液のpH、及び塩濃度などの条件、並びに得られたゲル繊維の貯蔵弾性率を表2に示す。
炭酸緩衝液をpH9.2から、pH9.6に変更した以外は、実施例4の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.40である。
炭酸緩衝液をpH9.2から、pH10.6に変更した以外は、実施例4の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.85である。
炭酸緩衝液のpH9.2から、pH11.5の炭酸ナトリウムに変更した以外は、実施例4の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH7.04である。
コラーゲン・キトサン混合溶液における、コラーゲンとキトサンとのモル比を1:1から1:0に変更したことを除いては、実施例7の操作を繰り返した。コラーゲンの緩衝溶液は、pH6.24である。
実施例4〜7で得られた繊維状ゲルの粘弾性測定を行い、その貯蔵弾性率を表2及び図4に示す。図に示すように、pH6.4に調整したコラーゲン・キトサン複合繊維ゲル(実施例5)が最も高い値、1800Paを示した。このことから調整したコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液の最終pHが複合繊維状ゲルの粘弾性特性に大きく影響していることが分かる。
実施例8〜11及び比較例5では、コラーゲンへのキトサンの混合比率の影響を調べるため、コラーゲンとキトサンとのモル比を変えて、得られたコラーゲン・キトサン複合繊維ゲルの粘弾性特性を調べた。
0.09mol/Lの酢酸溶液にキトサン濃度を1.6wt%となるように調整し、キトサン酸性溶液とした。コラーゲン酸性溶液は、pH3の酢酸溶液に2wt%になるように調整した。2つの溶液を当量ずつ混合し、20時間以上4℃で攪拌し、コラーゲン・キトサン混合溶液を得た。コラーゲンとキトサンとのモル比は、1:1になるように調整した。
0.3mol/Lの炭酸ナトリウム(pH11.5)と0.3mol/Lの炭酸水素ナトリウム(pH8.7)を調整し、二液を混合して0.3mol/Lになるように炭酸緩衝溶液(pH9.6)を調整した。
コラーゲン・キトサン混合溶液に炭酸緩衝溶液を滴下し、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を得た。得られたコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、28℃の乾燥器中に3時間静置することで白濁・繊維化が生じた。なお、コラーゲン・キトサン混合溶液のpHは、5.5であり、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.60である。
キトサン濃度を1.6wt%から1.2wt%に変更したことを除いては、実施例8の操作を繰り返した。コラーゲンとキトサンとのモル比は、1:3/4(1:0.75)になるように調整し、コラーゲン・キトサン混合溶液は、pH4.8であり、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.24である。
キトサン濃度を1.6wt%から0.8wt%に変更したことを除いては、実施例8の操作を繰り返した。コラーゲンとキトサンとのモル比は、1:1/2(1:0.5)になるように調整し、コラーゲン・キトサン混合溶液は、pH4.5であり、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.09である。
キトサン濃度を1.6wt%から0.4wt%に変更したこと、及びpH9.6の炭酸緩衝溶液を、pH10.6炭酸緩衝溶液に変更したことを除いては、実施例8の操作を繰り返した。コラーゲンとキトサンとのモル比は、1:1/4(1:0.25)になるように調整し、コラーゲン・キトサン混合溶液は、pH4.1であり、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.60である。
キトサン濃度を1.6wt%から0wt%に変更したこと、及びコラーゲン・キトサン混合溶液における、コラーゲンとキトサンとのモル比を1:1/4から1:0に変更したことを除いては、実施例11の操作を繰り返した。コラーゲン・キトサン混合溶液のpHは、3.5であり、コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液はpH6.03である。
実施例8〜11及び比較例5で得られた繊維状ゲルの粘弾性測定を行った。図5に28℃の乾燥器中で繊維状ゲルの貯蔵弾性率を示す。線形粘弾性領域において周波数を走査させて粘弾性測定を行った。コラーゲンとキトサンの比率が1:1で作製した繊維状ゲルからキトサンの比率が小さくなるに従って貯蔵弾性率が小さくなることが明らかであった。このように、キトサン含有量を変化させることで複合繊維状ゲルの弾性的性質を制御できることを明らかとなった。
実施例1、実施例3、比較例2で得られた未架橋の複合繊維状多孔体、及びD−PBSを用いて作製した純粋なコラーゲン繊維からなる多孔体について、膨潤度を測定した。凍結乾燥させた試料の重量を電子天秤により秤量し、D−PBS中にそれぞれ浸漬させた。所定時間後に試料を取り出し、キムタオル上で10秒間静置して余剰の水分を除去してからその重量を測定した。膨潤度=[(膨潤試料の重量(g)−凍結乾燥試料の重量(g))/凍結乾燥試料の重量(g)]として算出した。その結果、コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体では、浸漬後約3時間後に平衡に達したが、コラーゲン繊維からなる多孔体では平衡に達するのに6時間必要であった。25時間後では、コラーゲン繊維からなる多孔体は膨潤度が17となったが、形状を維持することが困難であるほど力学特性が低下した。コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体は、pHが低い条件で作製した試料が最も低い膨潤度、5倍となり、作製したpHに依存して膨潤度が高くなった。pH7.5とpH9.0の試料では、約8倍、10倍といった膨潤度を示した。このことからも、最適なpHで作製した試料では、コラーゲンとキトサンの相互作用が向上しており、膨潤度が低くなることが明らかとなった。
Claims (11)
- 実質的に、コラーゲン及び脱N−アセチル化度60〜100%のキトサンからなる、コラーゲン・キトサン複合細繊維。
- 直径が50〜200nmである、請求項1に記載のコラーゲン・キトサン複合細繊維。
- 前記コラーゲンが、魚類由来コラーゲンである、請求項1又は2に記載のコラーゲン・キトサン複合細繊維。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコラーゲン・キトサン複合細繊維を含む、コラーゲン・キトサン複合繊維ゲル。
- 1Hzにおける貯蔵弾性率が、300Pa以上である、請求項4に記載のコラーゲン・キトサン複合繊維ゲル。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコラーゲン・キトサン複合細繊維を含む、コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体。
- 前記コラーゲン・キトサン複合細繊維が架橋されている、請求項6に記載のコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体。
- コラーゲン及びキトサンを均一に混合し、pH6.0〜8.0及び塩濃度が15mM以上のコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を調製する工程、及び
前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによってコラーゲン及びキトサンを繊維化する工程、
を含む、コラーゲン・キトサン複合細繊維の製造方法。 - コラーゲン及びキトサンを均一に混合し、pH6.0〜8.0及び塩濃度が15mM以上のコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を調製する工程、及び
前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによってコラーゲン及びキトサンを繊維化し、コラーゲン・キトサン複合細繊維を含むゲルを調整する工程、
を含む、コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルの製造方法。 - コラーゲン及びキトサンを均一に混合し、pH6.0〜8.0及び塩濃度が15mM以上のコラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を調製する工程、
前記コラーゲン・キトサン混合緩衝溶液を、繊維調整温度に上昇させることによってコラーゲン及びキトサンを繊維化し、コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを調整する工程、及び
前記コラーゲン・キトサン複合繊維ゲルを乾燥させる工程、
を含む、コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の製造方法。 - 更に、前記コラーゲン・キトサン複合細繊維を架橋する工程を含む、請求項10に記載のコラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010139855A JP5453690B2 (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010139855A JP5453690B2 (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012001859A JP2012001859A (ja) | 2012-01-05 |
JP5453690B2 true JP5453690B2 (ja) | 2014-03-26 |
Family
ID=45534154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010139855A Expired - Fee Related JP5453690B2 (ja) | 2010-06-18 | 2010-06-18 | コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5453690B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6023996B2 (ja) * | 2012-08-09 | 2016-11-09 | 島根県 | コラーゲン線維からなるコラーゲン人工皮膚およびそれを用いた紫外線ダメージの評価方法 |
JP2014166217A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-11 | Tokyo Institute Of Technology | コラーゲン線維無機高分子複合体及びその製造方法 |
CN104013995B (zh) * | 2014-06-26 | 2016-04-06 | 四川大学 | 氧化壳聚糖接枝改性猪真皮胶原微纳纤维膜及其制备方法 |
CN104598622A (zh) * | 2015-02-02 | 2015-05-06 | 浪潮软件股份有限公司 | 一种数据修改日志的实现方法和系统及应用服务器 |
CN108785751B (zh) * | 2018-06-08 | 2021-05-28 | 暨南大学 | 鱼鳞胶原蛋白/海藻酸钠复合多孔骨组织工程支架及其制备方法与应用 |
CN111205492B (zh) * | 2020-01-16 | 2022-08-26 | 北京银河巴马生物技术股份有限公司 | 一种以长短纤维制备得到的凝胶类膜及其基于抄造技术的制备工艺和应用 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56131639A (en) * | 1980-03-21 | 1981-10-15 | Kureha Chem Ind Co Ltd | Protein-chitosan composition |
JPS56133344A (en) * | 1980-03-21 | 1981-10-19 | Kureha Chem Ind Co Ltd | Novel composite material |
CZ2007716A3 (cs) * | 2007-10-15 | 2009-04-29 | Elmarco S. R. O. | Zpusob výroby nanovláken |
-
2010
- 2010-06-18 JP JP2010139855A patent/JP5453690B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012001859A (ja) | 2012-01-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Feroz et al. | Keratin-Based materials for biomedical applications | |
Hernández‐Rangel et al. | Collagen based electrospun materials for skin wounds treatment | |
Biswas et al. | Recent advancement of biopolymers and their potential biomedical applications | |
Costa et al. | Fibrous protein-based biomaterials (silk, keratin, elastin, and resilin proteins) for tissue regeneration and repair | |
Hardy et al. | Composite materials based on silk proteins | |
CN105169483B (zh) | 一种脱细胞基质凝胶的制备方法及其脱细胞基质凝胶 | |
JP5991624B2 (ja) | コラーゲン非線維化成形体及びその製造方法 | |
CN106310380B (zh) | 一种纳米纤维化丝素蛋白凝胶及其制备方法 | |
JP4064435B2 (ja) | コラーゲンゲルおよびその製造方法 | |
Onder et al. | Self-assembled silk fibroin hydrogels: From preparation to biomedical applications | |
JP5453690B2 (ja) | コラーゲン・キトサン複合繊維状多孔体及びその製造方法 | |
JP4463702B2 (ja) | 伸縮性コラーゲン成形体、その製造方法および用途 | |
CN103877617A (zh) | 可注射蚕丝素蛋白-海藻酸盐双交联水凝胶及其制备方法和使用方法 | |
JP2010053080A (ja) | キトサンとコラーゲンを含む構造体 | |
CN116966345A (zh) | 3d可打印生物凝胶及其使用方法 | |
AU2018351873B2 (en) | Single alpha chain collagens | |
JP2006257013A (ja) | 魚鱗由来コラーゲンゲルとその作成方法 | |
JP2012126681A (ja) | コラーゲン線維ゲルおよびその用途 | |
JP2007297360A (ja) | ハイドロゲル、その製造方法およびその用途 | |
Sionkowska et al. | Preparation and characterization of new materials based on silk fibroin, chitosan and nanohydroxyapatite | |
Wang et al. | Advanced protein composite materials | |
WO2003094985A1 (fr) | Matrice extracellulaire artificielle et procede de fabrication associe | |
JP5024780B2 (ja) | 一方向性多孔質複合体の製造方法および一方向性多孔質複合体 | |
Aadil et al. | Keratin nanofibers in tissue engineering: Bridging nature and innovation | |
CN116392646A (zh) | 一种引导骨再生屏障膜 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130426 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130930 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131008 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131028 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131219 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5453690 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |