JP5443987B2 - タマビジンを利用したタンパク質を担体に結合する方法 - Google Patents
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Description
本発明は、好ましくは以下の態様を含む。
タンパク質を担体に結合する方法であって、
ビオチンを結合させた担体を準備し;
タマビジンに上記タンパク質を結合させた融合タンパク質を準備し;そして
タマビジン−ビオチン結合を介して、上記担体に上記タンパク質を結合させる
ことを含む、前記方法。
タマビジンが、
(a)配列番号2又は配列番号4において1又はそれより多くのアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ビオチン結合活性を有するタンパク質;又は
(b)配列番号2又は配列番号4と同一性が60%以上のアミノ酸配列からなり、かつ、ビオチン結合活性を有するタンパク質;又は
(c)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質;又は
(d)配列番号1又は3の塩基配列の相補鎖に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列からなり、かつ、ビオチン結合活性を有するタンパク質
から選択される、態様1に記載の方法。
タンパク質が、抗体若しくはその断片、抗原タンパク質、酵素、レクチン、ペプチド、プロテインA、プロテインG及びプロテインLからなる群から選択される、態様1ないし2のいずれか1項に記載の方法。
担体が、ビーズ、磁性ビーズ、薄膜、微細管、フィルター、プレート、マイクロプレート、カーボンナノチューブ及びセンサーチップからなる群から選択される、態様1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
タマビジンとタンパク質がリンカーを介して結合して融合タンパク質を構成している、態様1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
タマビジンとタンパク質が6個以上のアミノ酸からなるリンカーを介して結合して融合タンパク質を構成している、態様1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
前記融合タンパク質に、さらにリーダー配列が結合している態様1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
ビオチンと担体が、長さが13.5Åより長いリンカーを介して結合している、態様1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
ビオチンを結合させた担体に、タマビジンにタンパク質を結合させた融合タンパク質をタマビジン−ビオチン結合を介して結合させた、タマビジン融合タンパク質結合担体。
タマビジンとタンパク質がリンカーを介して結合している融合タンパク質をコードする核酸を含む、タマビジン融合タンパク質を発現するための、発現ベクター。
タマビジンは、食用キノコである担子菌タモギタケ(Pleurotus conucopiae)から発見された新規ビオチン結合タンパク質である(WO02/072817)。当該文献には、
−タマビジン1とタマビジン2の相互のアミノ酸相同性は65.5%で、ビオチンと強く結合する;
−タマビジン2は、大腸菌で可溶性画分に高発現する;そして
−タマビジン2を大腸菌で発現させた場合、4.5時間の培養で、50mlの培養当たり約1mgの純度の高い精製組換えタンパク質が得られた。これはビオチン結合性タンパク質として知られているアビジンやストレプトアビジンと比較しても、非常に高い値である;
ことが記載されている。
−タマビジン1も、大腸菌で可溶性画分に高発現する;そして、
−タマビジン1についても大腸菌で発現させた場合、4.5時間の培養で、50mlの培養当たり約1mgの純度の高い精製組換えタンパク質が得られた。
(a)配列番号2又は配列番号4において1又はそれより多くのアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、ビオチン結合活性を有するタンパク質;又は
(b)配列番号2又は配列番号4と同一性が60%以上のアミノ酸配列からなり、かつ、ビオチン結合活性を有するタンパク質;又は
(c)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質;又は
(d)配列番号1又は3の塩基配列の相補鎖に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列からなり、かつ、ビオチン結合活性を有するタンパク質
から選択される。
タマビジンの相手として融合させるタンパク質は、特に限定されないが、例えば、抗体、抗原タンパク質、各種酵素、レクチン、ペプチド、あるいはプロテインA、プロテインG、プロテインLなどが挙げられる。抗体としては、IgGの他、scFvやFab等の抗原結合部位を含む抗体断片が、抗原タンパク質としては、B型・C型肝炎ウイルス、HIV、インフルエンザ等のウイルス由来のタンパク質や、ヘリコバクター・ピロリ等の細菌由来のタンパク質、あるいはCEA、PSA等の腫瘍マーカー、性ホルモンなどが挙げられる。また、酵素としては、ペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、シトクロムP−450、カタラーゼ等の酸化還元酵素、アルカリフォスファターゼ等の脱リン酸化酵素、PPDK等のリン酸化酵素、シアル酸転移酵素などの糖転移酵素、CMP−シアル酸合成酵素などの糖ヌクレオチド合成酵素、アシル基転移酵素、アミノ基転移酵素、パパインやトロンビンなどのタンパク質分解酵素、制限酵素などのヌクレアーゼ、PLD等の脂質分解酵素、アミラーゼ,リゾチーム,β‐ガラクトシダーゼ等の糖質分解酵素、ホスホグリセリン酸ホスホムターゼ、グルコース6−リン酸イソメラーゼ等の異性化酵素、ルシフェラーゼ、DNA/RNAポリメラーゼ、ATP合成・加水分解酵素などが挙げられる。レクチンは、糖結合性タンパク質であり、マンノース特異的レクチン、GalNAc特異的レクチン、GlcNAc特異的レクチン、フコース特異的レクチン、シアル酸特異的レクチンなどの単糖特異的レクチン、オリゴ糖特異的レクチンなどが挙げられる。更にペプチドとしては、2〜100アミノ酸からなるもの、好ましくは2〜50アミノ酸からなるもの、より好ましくは2〜30アミノ酸からなるものが、例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
タマビジン融合タンパク質は、タマビジンと上記のタンパク質との融合タンパク質を意味する。タマビジン融合タンパク質の準備の方法は特に限定されず、例えば公知の遺伝子工学的手法を用いて発現させてもよい。例えば、タマビジンと所望のタンパク質との融合タンパク質をコードする遺伝子を、大腸菌等の発現システムを用いて発現することによって取得することができる。
「ビオチン」とは、D−[(+)−cis−ヘキサヒドロ−2−オキソ−1H−チエノ−(3,4)−イミダゾール−4−吉草酸]の一般名称である。ビタミンB群に分類される水溶性ビタミンの一種で、Vitamin B7(ビタミンB7)とも呼ばれる、あるいは、ビタミンH、補酵素Rとも言われることもある。ビオチンは卵白中に含まれる糖タンパク質の一種、アビジンと非常に強く結合し、その吸収が阻害される。そのため、生卵白の大量摂取によってビオチン欠乏症を生じることがある。
本発明の方法は、ビオチンを結合させた担体とタマビジン融合タンパク質を準備し、両者を接触させ、タマビジン−ビオチン結合を介して担体にタンパク質を結合させることを含むものである。
本発明はさらに、上述した本発明の「タンパク質を担体に結合させる方法」によって得られるタマビジン融合タンパク質結合担体も提供する。即ち、本発明によって提供される担体は、ビオチンを結合させた担体に、タマビジンにタンパク質を結合させた融合タンパク質をタマビジン−ビオチン結合を介して結合させた、タマビジン融合タンパク質結合担体である。
タマビジン融合タンパク質を発現させるための発現ベクターは、本発明のタマビジンをコードする核酸を含む。本発明のタマビジンをコードする核酸は、「タマビジン」の項目で上述したタマビジンタンパク質をコードする核酸であれば、特に限定されない。例えば、配列番号1または3の塩基配列からなる核酸、またはそれらの相補鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつビオチン結合活性を有するタンパク質をコードする核酸(以下すべてを合わせて「タマビジン遺伝子」という。)を含む。さらに、その片側もしくは両端に、タマビジンと融合させる所望のタンパク質をコードする遺伝子を挿入するための配列、例えば制限酵素認識部位や、あるいはaatB1、 aatB2,、aatB3などのGatewayシステム(Invitrogen社)で用いられる配列などを有し、さらにタマビジン遺伝子と、所望のタンパク質をコードする遺伝子を挿入するための配列からなるユニット(例えば、制限酵素認識部位配列-タマビジン遺伝子配列、という並びのユニット)の上流には所望の宿主で機能するプロモーターが、またそのユニットの下流にはターミネーターが配置されることを特徴とする。なお、制限酵素認識部位の種類は特に限定されないが、発現ベクターにおいては、それが唯一の認識部位であることが好ましい。認識部位の数も特に限定されないが、1または2個以上であり、好ましくは10個以下である。
上記の発現ベクターを用いて、タンパク質を簡便に精製することができる。まず、所望のタンパク質をコードする遺伝子を、上記ベクターに常法のクローニング技術によって組み込み、所望の宿主に発現させる。宿主は、所望のタンパク質が発現する宿主が好ましい。発現は例えば、宿主が大腸菌、昆虫細胞、哺乳類細胞、植物細胞、酵母細胞の場合は、培養によって行ってもよく、また例えば宿主が植物の場合には、植物体中に融合タンパク質を発現、蓄積させてもよい。
本実施例では、タマビジン2と抗体(HEL抗体scFv断片)との融合タンパク質を大腸菌で発現させ、担体としてのプレートに、タマビジン−ビオチン結合により固定化させた。また、抗体の抗原との結合活性を調べた。対照として、抗体を疎水結合により直接プレートに固定化させた。以下、具体的に説明する。
タマビジン2(TM2)とマウス抗ニワトリ卵白リゾチーム(HEL)抗体(D1.3)のscFv断片を用いてタマビジンと抗体との融合タンパク質を作製した。HEL(D1.3)scFv抗体断片の遺伝子(Iba et al. (1997) Gene 194: 35-46、Ideno et al. (2004) Appl Microbiol Biotechnol 64: 99-105)は積水化学工業(株)井手野晃氏から譲り受けた。
HEL抗体(D1.3)scFv断片の遺伝子の構造は、5’側にVH遺伝子断片、3’側にVL遺伝子断片が配置され、それらはGly-Gly-Gly-Gly-Serの3反復からなるリンカーをコードするDNAによって連結されている。PCRを用いて、TM2の配列をscFv抗体のC末に接続させた融合タンパク質(PelB-HELscFv-TM2)(配列番号10)と、c-mycエピトープタグをscFv抗体のC末に接続させたタンパク質(PelB-HELscFv-myc)(配列番号9)をコードする遺伝子を構築した。
PelB-HELscFv-TM2融合遺伝子の構築のために、まず、HELscFv、TM2両遺伝子をリンカー(GGGGSG)を介し結合させるためのプライマーを設計した。即ち5’側にHELscFv部分、中央にリンカー、3’側にTM2部分からなるプライマーHELscFvlinkTM2 RV、 5’側にリンカー、3’側にHELscFv部分を逆向きにコードするDNA配列からなるプライマーHELscFvlinkFWを設計した。
PelB-HELscFv-TM2遺伝子の遺伝子を構築するために、2段階のPCRを行った。1段階目のPCRは、HEL(D1.3)scFv抗体断片の遺伝子がベクターpT7に組み込まれたプラスミドを鋳型にして、プライマー PelB-HELscFv-VH-FとHELscFvlinkFWを用いてHELscFv部の増幅を、また、TM2遺伝子がベクターpTrc99Aに組み込まれたプラスミド(WO02/072817)を鋳型にしてプライマーHELscFvlinkTM2 RVとTM2 3’Bamを用いて、TM2部の増幅を、それぞれ行った。PCR反応条件は、50 μLの反応液中に鋳型DNAを500 ng、2×GC bufferII(Takara社)を25 μL、2.5 mM dNTPを4 μL、プライマーを各25 pmoles、5 U/μL Pyrobest DNA polymerase(Takara社製)を 0.5 μL添加し、プログラムテンプコントロールシステムPC-700(ASTEK)を用いて、96℃ 3分を1回、96℃ 1分、55℃ 1分、72℃ 2分を30回、72℃ 6分を1回とした。その結果、HELscFv部分においては860 bp、TM2部分においては450 bpのPCR産物が得られた。これらのPCR産物を、低融点アガロース(SeaPlaqueGTG)を用いてTAE緩衝液中でアガロース電気泳動を行った。各DNA断片をゲルごと切り出し、ゲルと等量の200 mM NaClを加え、70℃で10分間処理し、ゲルを融解した。得られたサンプルについて、フェノール抽出、フェノール・クロロホルム抽出、クロロホルム抽出を各1回行い、エタノール沈殿によってHELscFv部分とTM2部分のDNA断片を回収した。
PCRによって得られたPelB-HELscFv-TM2遺伝子断片及びPelB-HELscFv-myc遺伝子断片をベクターpCR4 Blunt TOPO(Invitrogen社製)にクローニングした。ライゲーション反応はベクターキット添付の説明書きに従った。大腸菌TB1にエレクトロポレーション法を用いてDNAを導入し、常法(Sambrook et al. 1989, Molecular Cloning, A laboratory manual, 2nd edition)に従ってプラスミドDNAを抽出した。インサートが確認されたクローンに関して、M13プライマー(Takara社)を用いて、ABI PRISM蛍光シークエンサー(Model 310 Genetic Analyzer, Perkin Elmer社)でPCR産物の塩基配列をその両端から決定し、もとの遺伝子と比較して変異がないことを確認した。これらの遺伝子が組み込まれたプラスミドをBspH IとBamH Iで二重消化し、前述の方法でゲル精製を行い、DNA断片を回収した。この断片を、あらかじめNcoIとBamH Iで消化しておいた大腸菌発現用ベクターpTrc99Aに、Ligation kit(Takara社製)を用いてライゲーションした。ライゲーション産物を大腸菌TB1に形質転換し、常法に従いプラスミドDNAを抽出、制限酵素分析を行い、挿入遺伝子の有無を確認して、タマビジン2とHELscFvの融合タンパク質発現用のベクターPelB-HELscFv-TM2/pTrc99AとHELscFv発現用のベクターPelB-HELscFv-myc/pTrc99Aを完成させた。
タマビジン2との融合によるscFv抗体の基板への固定化の効果を調べるため、まずタマビジン2とHELscFvの融合タンパク質およびHELscFvを大腸菌で発現させ、粗精製した。
PelB-HELscFv-TM2/pTrc99AとPelB-HELscFv-myc/pTrc99Aについて、それぞれを形質転換した大腸菌 TB1を、抗生物質アンピシリン(最終濃度 100 μg/mL)を含むLB培地6 mLに接種し、OD600における吸光度が0.5に達するまで37℃で振とう培養した。その後、1mM IPTGを添加し、さらに37℃で一晩振とう培養した。培養液1mLから遠心にて大腸菌を集菌し、20 mM リン酸緩衝液(pH7)400 μL中に懸濁後、菌体を超音波により破砕した。破砕液を遠心(15000rpm)し、その上清を可溶性画分とした。さらに、沈殿物を8 M 尿素を含む20 mM リン酸緩衝液(pH7) 400 μLで懸濁後、再び超音波破砕し、これを不溶性画分とした。
大腸菌で発現させたタマビジン2(TM2)タンパク質をイミノビオチンカラムで精製したもの(タマビジン2は四量体)、及び、これをさらにSDS−PAGE電気泳動後、ゲルから切り出し精製したもの(タマビジン2は単量体)を抗原に用い、ウサギに免疫することで二種類の抗体を作成した。アルカリフォスファターゼ標識抗IgG抗体を用いたウェスタン法による検出限界は、両抗体ともに、精製組換えタマビジン2標品に対して、およそ0.5ngであった。この結果から特異性及びタイターともに高い抗体が完成したと結論した。なお抗タマビジン2抗体−タマビジン1の交差反応は、低いものの検出された(本来の抗原に対して1/20程度)。
大腸菌で発現させたHELscFv-TM2とHELscFv-mycについて、ニワトリ卵白リゾチーム(HEL)に対する抗体価を以下のように確認した。50μg/mLのニワトリ卵白リゾチーム(生化学工業社製)を、100μlずつマイクロプレートに加え、4℃で一晩静置することにより固相化した。ウエルを0.1% Tween 20を含むTBS緩衝液(10mM Tris(pH 7.4)、150mM NaCl)(TTBS) 250μlで3回洗浄後、0.5% BSA含有TTBSを250μl加え、室温で1時間静置することによりブロッキングし、再度、TTBS 250μlで3回洗浄した。一方、HELscFv-TM2またはHELscFv-mycが発現した大腸菌の菌体から、浸透圧ショックプロトコール(Ausubel et al, 1989)に従って、ペリプラズム画分を調製した。この10倍希釈液を、HELが固定化された上記プレートに添加し、室温で3時間反応させた。なお対照試験として、ベクターpTrc99Aのみを組み込んだ大腸菌から調製したペリプラズム画分も準備した。
次に、300mLの培養液から得られた可溶性画分より、HEL scFv-TM2とHEL scFv-mycを、カラムクロマトグラフィーにより粗精製した。300 mLの培養液から得られた菌体を、50mM NaClを含む5 0mM Tris緩衝液(pH 8)18 mL中に懸濁後、超音波によって破砕した。破砕液を遠心(9000rpm)し、その上清に75%飽和硫酸アンモニウムを添加し、生じた沈殿を5 0mM NaClを含む5 0mM Tris緩衝液(pH 9)中で一晩透析し、粗タンパク質サンプルとした。このサンプルを、イオン交換カラムMonoQ HR10/10(アマシャムファルマシア社製)に供した。50 mM NaClを含む50 mM Tris緩衝液(pH9)でカラムを平衡化した後、サンプルを打ち、溶出は500 mM NaCl を含む50 mM Tris緩衝液(pH 9)を用いた。流速は3 mL/minとし、1 mLずつタンパク質を回収した。精製タンパク質は、上記と同様にウエスタンブロッティング解析により確認した。HELscFv-TM2またはHELscFv-mycのバンドが検出された6画分それぞれを回収し、75%飽和硫酸アンモニウムを添加してタンパク質の沈殿を得た。この沈殿を20mM リン酸緩衝液(pH7) 500 μLに再懸濁して、同緩衝液で一晩透析を行った。この一連の操作により、1.5 μgのHELscFv-TM2、6.3 μgのHELscFv-mycが回収された。回収率はHELscFv-TM2は4%、HELscFv-mycは16%であり、HELscFv-TM2およびHELscFv-mycの精製度は共に10%程度であった。
タマビジン2との融合によるscFv抗体の基板への固定化の効果を調べるため、1−1−2で調製したタマビジン2とHELscFvとの融合タンパク質(HELscFv-TM2)及び対照のHELscFv-mycをマイクロプレートに固定化し、卵白リゾチームの検出感度を指標としたELISA分析を行った。
ELISA分析に先立ち、まず、分析に用いる抗リゾチーム抗体の精製をおこなった。卵白リゾチーム 40 μgを15% ポリアクリルアミドゲル 2枚を用いてSDS-PAGEによって分離し、タンパク質をニトロセルロース膜(BIO-RAD社製) 2枚に転写した。この膜を3% BSA含有TBS緩衝液(10 mM Tris (pH 7.4)、150 mM NaCl)中で、室温で1時間ブロッキングを行った。続いて、室温で一晩、3% BSA含有TBS緩衝液で1000倍希釈したウサギ抗ニワトリ卵白リゾチーム抗体(Rockland社製)と反応させた後、卵白リゾチームが転写されている部位を切り取り、溶出緩衝液(0.2 M グリシン、 1 mM EDTA pH2.8)中で、室温で20分間振とうし溶出させた。溶出緩衝液の1/10容量の1 M Tris溶液で中和後、同量の10×TBS緩衝液を加え、4℃で保存した。
続いて、ELISA分析を行った。粗精製したHELscFv-TM2とHELscFv-mycを3 μg/mLになるように20mM リン酸緩衝液(pH 7)でそれぞれ調製し、これを96穴マイクロプレートに50 μLずつ添加した。HELscFv-TM2にはビオチン化プレート(型番15151、PIERCE社製)、HELscFv-mycには 疎水性プレート(型番2592、Corning社製)を用い、一晩室温で静置して、前者はタマビジン-ビオチン結合により、後者は疎水結合により、それぞれタンパク質を固定化した。その後、プレートの各ウェルを0.1% Tween 20を含むTBS緩衝液(TTBS)で3回洗浄後、0.5% BSA含有TTBSを300μL加え、室温で1時間静置し、ブロッキングを行った。再度、TTBSで3回洗浄後、TTBSで50 ng/μLから5 pg/ μLまで段階的に希釈したリゾチーム溶液を50 μLずつ添加した。室温で1時間静置し、プレートに固定化されたHELscFv-TM2あるいはHELscFv-mycと反応させた後、TTBSで3回洗浄した。
Biacore 3000(BIACORE社製)を用いて、HELscFv-TM2融合タンパク質のビオチン結合能を分析した。培養液の培地中に分泌されているHELscFv-TM2をカラムクロマトグラフィーにより粗精製した画分を、解析サンプルとした。即ちPelB-HELscFv-TM2/pTrc99Aで大腸菌株TB1を形質転換し、タンパク質を発現させ、培地中に含まれるタンパク質を75%飽和硫酸アンモニウムにより沈殿させた。
本実施例では、タマビジン2と酵素(α2,6シアル酸転移酵素)との融合タンパク質を大腸菌で発現させ、担体としての磁性ビーズに、タマビジン-ビオチン結合により固定化させた。また、融合タンパク質の酵素活性を調べた。対照として、酵素を共有結合によりビーズに固定化させた。以下、具体的に説明する。
タマビジンと酵素との融合タンパク質の例として、タマビジン2(TM2)と糖転移酵素の一種であるシアル酸転移酵素を採用した。シアル酸転移酵素としては、Photobacterium属細菌に由来するβ-ガラクトシド-α2,6-シアル酸転移酵素(PCT/JP2006/304993)を使用した。なおシアル酸転移酵素遺伝子としては、シグナルペプチド部分のアミノ酸が除かれたタイプのタンパク質をコードする遺伝子(ISH224-2,6ST N1C0、PCT/JP2006/304993)を用いた。
プライマーの設計
タマビジン2とISH224-2,6ST N1C0とをリンカー(GGGGSG)を介して融合させたタンパク質をコードする核酸(ISH224-2,6ST-linkTM2)、GGGGSの3反復からなる15アミノ酸のリンカーで結合させたタンパク質をコードする核酸(ISH224−2,6ST3XlinkTM2)、及びGGGGSの5反復からなる25アミノ酸のリンカーで融合させたタンパク質をコードする核酸(ISH224-2,6ST-5XlinkTM2)をPCRを用いて構築するために、ISH224-2,6ST、TM2の両遺伝子を、GGGGSGを介し結合させるためのプライマー、GGGGSの3反復からなる15アミノ酸を介し結合させるためのプライマー、及びGGGGSの5反復からなる25アミノ酸を介し結合させるためのプライマーを設計した。即ち5’側にISH224-2,6ST部分、中央にリンカー、3’側にTM2部分からなるプライマー224-26ST-linkTM2RV、224-26ST-3XlinkTM2RV 、224-26ST-5XlinkTM2RV、ならびに5’側にリンカー、3’側にISH224-2,6ST部分を逆向きにコードするDNA配列からなるプライマー224-26ST-linkFWを設計した。なお、ISH224-2,6ST 部分のクローニングのために、同遺伝子のシグナルペプチドを除いたN末部分をコードする部分と、その上流に制限酵素PciI認識部位をコードする配列を有するプライマー224-26ST-N1-PciI(PCT/JP2006/304993)を使用した。タマビジンとシアル酸転移酵素との融合タンパク質構築用プライマーを表3にまとめた。
ISH224-2,6ST-TM2融合タンパク質をコードする核酸(以下「ISH224-2,6ST-TM2融合遺伝子」。)を構築するために、2段階のPCRを行った。1段階目のPCRは、ISH224-2,6ST N1C0の遺伝子がベクターpTrc99Aに組み込まれたプラスミド(PCT/JP2006/304993)を鋳型にして、プライマー224-26ST-N1-PciIと224-26ST-linkFWを用いてISH224-2,6ST部の増幅を、また、TM2遺伝子がベクターpTrc99Aに組み込まれたプラスミド(WO 02/072817)を鋳型にしてプライマー224-26ST-linkTM2RVとTM2 3’Bam(上述)、224-26ST-3XlinkTM2RVとTM2 3’ Bam、さらに224-26ST-5XlinkTM2RVとTM2 3’ Bamを用いてTM2部の増幅を、それぞれ行った。
PCRによって得られたISH224-2,6ST-TM2融合遺伝子をベクターpCR4 Blunt TOPO(Invitrogen社製)にクローニングした。ライゲーション反応はベクターキット添付の説明書きに従った。大腸菌TB1にエレクトロポレーション法を用いてDNAを導入し、常法(Sambrook et al. 1989, Molecular Cloning, A laboratory manual, 2nd edition)に従ってプラスミドDNAを抽出した。インサートが確認されたクローンに関して、M13プライマー(Takara社)、シークエンス用プライマー(5’-TTT TTT GGA TCC CTA GAC TGC AAT ACA AAC ACC -3’)、シークエンス用プライマー2(5’- GCC CAT ACA GTC GTA CCT GTA A -3’)を用いて、ABI PRISM蛍光シークエンサー(Model 310 Genetic Analyzer, Perkin Elmer社)で、PCR産物の塩基配列をその両端から決定し、もとの遺伝子と比較して変異がないことを確認した。これらの遺伝子が組み込まれたプラスミドをPciIとBamH Iで二重消化し、前述の方法でゲル精製を行い、DNA断片を回収した。この断片を、あらかじめNcoIとBamH Iで消化しておいた大腸菌発現用ベクターpTrc99Aに、Ligation kit(Takara社製)を用いてライゲーションした。ライゲーション産物を大腸菌TB1に形質転換し、常法に従いプラスミドDNAを抽出、制限酵素分析を行い、挿入遺伝子の有無を確認し、タマビジン2とシアル酸転移酵素の融合タンパク発現用のベクターISH224-2,6ST-linkTM2/pTrc99A、ISH224-2,6ST-3XlinkTM2/pTrc99A、及びISH224-2,6ST-5XlinkTM2/pTrc99Aを完成させた。
タマビジン2との融合による糖転移酵素の基板への固定化及び配向化による感度上昇を調べるため、まずタマビジン2と糖転移酵素の融合タンパク質を大腸菌で発現させた。
ISH224-2,6ST -linkTM2/pTrc99A、ISH224-2,6ST-3XlinkTM2/pTrc99A、及びISH224-2,6ST-5XlinkTM2/pTrc99Aのそれぞれを形質転換した大腸菌株TB1を、抗生物質アンピシリン(最終濃度 100 μg/ml)を含むLuria broth(LB)培地に接種し、A600=0.5に達するまで30℃で振とう培養した。さらにその後、1 mM isoproryl-1-thio-b-D-galactopyranoside(IPTG)を添加し、30℃で一晩振とう培養した。培養液1 mlから遠心にて大腸菌を集菌し、20 mM BisTris緩衝液(pH 6.0) 400 μl中に懸濁後、超音波破砕した。破砕液を遠心(15000 rpm)し、その上清を粗抽出液とした。
次に、タマビジン2との融合を利用したタンパク質の基板への固定化の効果を調べるため、タマビジン2と糖転移酵素との融合タンパク質の、ビオチン固相化担体による簡易精製と固定化を行った。
ビオチン化磁性ビーズ(BioMag Biotin, Polyscicences, Inc.社製、ビオチンと磁性ビーズとの間のリンカーの長さは22.4Å) 400 μlを20 mM BisTris緩衝液(pH 6.0) 400 μlで2回洗浄した。ビオチン化磁性ビーズにISH224-2,6ST-linkTM2融合遺伝子を形質転換した大腸菌抽出液(上述)を添加し、4℃で2時間振とうさせながらインキュベートすることによりISH224-2,6ST-linkTM2をタマビジン−ビオチン結合によって磁性ビーズと結合させた。磁石(Adem-Mag SV、Ademtech SA社製)で磁性ビーズを回収し、上清(非結合画分)を除去後、1 M塩化ナトリウムを含む20 mMTris緩衝液(pH 6.0) 400 μlで磁性ビーズを2回洗浄した。その後、20 mM Tris緩衝液(pH6.0) 400 μlで磁性ビーズを懸濁し、タマビジン-ビオチン結合を介して融合タンパク質を磁性ビーズに結合させたISH224 2,6ST-TM2磁性ビーズを完成した。
カルボキシル基で表面をコートされた磁性ビーズ(Dynabeads M-270 Carboxylic Acid, Dynal社製) 200 μlを、0.01 N 水酸化ナトリウム 200 μlで10分間洗浄後、さらにMilliQ水(Millipore社製)200 μlで10分間3回洗浄した。洗浄済みの磁性ビーズに、MilliQ水で溶解した1-Ethyl-3-(3-Dimethylaminopropyl)carbodiimide Hydrochloride(EDC)(PIERCE社製)を、最終濃度0.2 Mになるように添加し、30分間、室温で振とうさせながらインキュベートした。その後、冷MilliQ水 400 μl、さらに50 mM MES緩衝液(pH 5.0) 400 μlで磁性ビーズを洗浄した。精製ISH224- 2,6ST N1C0タンパク質(PCT/JP2006/304993)を 50mM MES緩衝液(pH 5.0)中に0.6 mg/mlの濃度になるように調製した。このタンパク質液 400μl(精製酵素で240μg)に、上記磁性ビーズを添加した。これを4℃で2時間振とうし、共有結合によってISH224 2,6ST N1C0と磁性ビーズを結合させた。磁石で磁性ビーズを回収し、上清(非結合画分)を除去した。次に、50 mM Tris緩衝液(pH 7.0) 200μlをビーズに加え、未反応のカルボキシル基を不活化した後、0.5% BSA、0.1% Tween 20を含むPBS緩衝液(10mM リン酸ナトリウム、150mM NaCl) 200μlで、磁性ビーズをブロッキングした。PBS緩衝液 200 μlで再度磁性ビーズを懸濁し、酵素上のアミノ基と磁性ビーズのカルボキシル基との共有結合を介して酵素を結合させたISH224-2,6ST磁性ビーズを完成した。
磁性ビーズに結合したISH224-2,6ST-linkTM2の量、同ISH224 2,6ST量は、磁性ビーズに結合させる前のタンパク量から、非結合分のタンパク量の差として計算した。ビーズ結合前画分および非結合画分のタンパク質をSDS-PAGEにより分画し、CBB染色によって検出した。ISH224-2,6ST-linkTM2のバンドは70kDa付近に、またISH224 2,6STのバンドは55kDa付近に検出された。イメージアナライザーLas3000(Fuji Film社製)を用いて、予めタンパク質量が分かっている分子量マーカー(LMW マーカーキット:Pharmacia社製)のバンドの濃度から検量線を作成し、結合前画分と非結合画分のバンドを定量化した。
タマビジン2との融合を利用した糖転移酵素の固定化の効果を調べるため、ビオチン固定化担体に固定化されたタマビジン2と糖転移酵素との融合タンパク質の活性を分析した。
ISH224-2,6ST-linkTM2をタマビジン2−ビオチンを介して結合させた磁性ビーズと、ISH224-2,6STをISH224-2,6ST自体のアミノ酸残基を介して共有結合させた磁性ビーズの酵素活性とを比較するため、結合前画分(磁性ビーズと反応させる前のISH224-2,6ST-linkTM2、またはISH224-2,6ST溶液)と、磁性ビーズ画分(ISH224-2,6ST-linkTM2、またはISH224- 2,6STが結合した磁性ビーズ)のシアル酸転移酵素を測定した。
本実施例では、実施例1で作成したHEL scFv-TM2をビオチン化磁性ビーズに結合させ、磁性ビーズとビオチン間のリンカー長が、結合に影響を与えるか否かを調べた。
本実施例では、Biacore 3000(BIACORE社製)を用いて、実施例2のISH224-2,6ST-TM2融合タンパク質のビオチン結合試験を実施し、タマビジンとタンパク質(この場合酵素)間のアミノ酸リンカー長が、結合に影響を与えるか否かを調べた。
本実施例ではタマビジン2とレクチンとの融合タンパク質をタバコ培養細胞BY2で発現させ、融合タンパク質のレクチン活性やビオチン結合活性を調べた。また固定化実験を行った。
タマビジンとレクチンとの融合タンパク質の例として、タマビジン2(以下、「TM2」と記載する場合がある)とレクチンの一種であるダイズレクチン(SBA)、小麦胚芽レクチン(WGA)を使用した。SBAはsoybean agglutininをコードする遺伝子(NCBI:K00821)を、WGAはwheat germ agglutinin isolectin A(WGA-A)(NCBI:M25536)とwheat germ agglutinin isolectin D(WGA-D)(NCBI:M25537)をコードする遺伝子を使用した。
タマビジン2とSBAとをリンカー(GGGGSG)を介して融合させたタンパク質をコードする核酸(SBA-1xlink-TM2)、及びタマビジン2とWGAとを5×リンカー(GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS)を介して融合させたタンパク質をコードする核酸(WGA-A-5xlink-TM2, WGA-D-5xlink-TM2)の3種類を構築した(各々の塩基配列:配列番号63、65及び67;各々の塩基配列によってコードされるアミノ酸配列:配列番号64、66及び68)。
プライマーの設計
レクチン-TM2融合遺伝子の構築のために、まず、レクチン, TM2両遺伝子をリンカー(1xlink: GGGGSG, 5xlink: GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS)を介し結合させるためのプライマーを設計した。即ち、5’側にレクチンC末端部位、中央にリンカー、3’側にTM2部分からなるプライマー(SBA-link-TM2-FW, WGA-A-5xlink-TM2-F, WGA-D-5xlink-TM2-F)、5’側にTM2N末端部位、リンカー、3’側にレクチンC末端部位を逆向きにコードするDNA配列からなるプライマー(SBA-link-TM2-RV, WGA-A-5xlink-TM2-R, WGA-D-5xlink-TM2-R))を設計した。
レクチン-TM2遺伝子を構築するために、二段階のPCRを行った。一段階目のPCRは、ダイズもしくは小麦のゲノムDNAを鋳型にしてプライマーSBA5’XbaIとSBA-link-TM2-RV、WGA-A5’XbaIとWGA-A-5xlink-TM2-R、WGA-D5’XbaIとWGA-D-5xlink-TM2-Rを用いてレクチン部位の増幅を、また、TM2遺伝子がベクターpTrc99Aに組み込まれたプラスミド(WO02/072817)を鋳型にしてプライマーSBA-link-TM2-FWとTM2CtermSac、WGA-A-5xlink-TM2-FとTM2CtermSac、WGA-D-5xlink-TM2-FとTM2CtermSacを用いてTM2部位の増幅をそれぞれ行った。
PCRによって得られたレクチン-TM2遺伝子断片をベクターpCR4 TOPO(Invitrogen社製)にクローニングした。ライゲーション反応はベクターキット添付の説明書に従った。大腸菌TB1にエレクトロポレーション法を用いてDNAを導入し、常法(Sambrook et al. 1989, Molecular Cloning, A laboratory manual, 2nd edition)に従ってプラスミドDNAを抽出した。
タマビジン2との融合によるレクチンの活性を調べるため、まずタマビジン2とレクチンの融合タンパク質をタバコ培養細胞BY2で発現させ、粗精製した。
SBA-1xlink-TM2を形質転換したタバコ培養細胞BY2の7日間培養した後、吸引濾過にて細胞画分と培地画分に分離した。回収した細胞3gに対して4mlの50mM HEPES/KOH(pH7.4)を添加し、乳鉢ですり潰した後、細胞を超音波により破砕した。破砕液を遠心(15,000rpm)し、その上清を可溶性画分とした。また、培地画分は70%飽和となるよう硫酸アンモニウムを添加し、4℃で一晩インキュベート後遠心(14,500rpm)することで培地中に含まれるタンパク質を沈殿させた。この沈殿物を50mM HEPES/KOH (pH7.4) 1mLで再懸濁し、100mLの0.1M HEPES/KOH (pH7.4)で透析後得られた画分を濃縮培地画分とした。
タマビジン2-SBA融合タンパク質のレクチンの活性を調べるため、粗精製したSBA-1xlink-TM2を用いて赤血球凝集活性を検討した。
次に、SBA-1xlink-TM2を形質転換したタバコ培養細胞BY2の7日間培養細胞より、SBA-1xlink-TM2をカラムクロマトグラフィーにより粗精製した。15gの7日間培養細胞を用いて前述と同じ方法で調整した可溶性画分をそのまま粗タンパク質サンプルとした。これらのサンプルと50mM HEPES/KOH(pH7.4)で平衡化したD-GalNAc agarose (SIGMA社製)を混合し、室温で1時間インキュベートした後、オープンカラムを作製した。溶出には溶出バッファー(50mM HEPES/KOH(pH7.4), 0.1% Nonidet P40, 20mM GalNAc)を用いた。
Biacore 3000(BIACORE社製)を用いて、SBA-1xlink-TM2融合タンパク質のビオチン結合能を分析した。SBA-1xlink-TM2を形質転換したタバコ培養細胞BY2の7日間培養細胞を用いて上述の方法で粗精製した画分を、解析サンプルとした。
本実施例ではタマビジン2とプロテインAとの融合タンパク質を大腸菌で発現させ、精製後の融合タンパクを、ビオチン化プレートにタマビジン−ビオチン結合により固定化させた。こうして得られたプロテインAプレートにポリクローナル抗体を反応させ、プロテインAとのアフィニティを利用して固定化し、抗原との結合活性を調べた。対照として、ポリクローナル抗体を疎水結合により直接プレートに固定化させたものを用いた。以下、詳細に説明する。
プロテインAは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)由来のプロテインAを用いた。Staphylococcus aureus proteinA (spa)遺伝子は、独立行政法人 製品評価技術基盤機構の生物遺伝資源部門(NBRC)から譲り受けた。NBRCは黄色ブドウ球菌N315株とMW2株の二菌株由来のゲノムDNAクローンを分譲しており、これら二菌株のspa遺伝子NBRC G04-000-249 (ORF ID: SA0107), NBRC G05-000-311 (ORF ID: MW0084)を用いた。
spaの遺伝子の構造は、N末側からシグナルペプチド、5つのIgG結合ドメイン、細胞壁結合ドメインから成る。PCRを用いてTM2の配列をspaのIgG結合ドメインのC末端側に接続させた融合タンパク質をコードする遺伝子を4種類構築した。
2. spa(MW)ΔC-1xlink-TM2 (塩基配列71、アミノ酸配列72)
3. spa(SA)ΔC-5xlink-TM2 (塩基配列73、アミノ酸配列74)
4. spa(MW)ΔC-5xlink-TM2 (塩基配列75,アミノ酸配列76)
プライマーの設計
spa-TM2融合遺伝子の構築のために、まず、spa, TM2両遺伝子をリンカー(1xlink: GGGGSG, 5xlink: GGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS)を介し結合させるためのプライマーを設計した。即ち、5’側にspa IgG結合部位、中央にリンカー、3’側にTM2部分からなるプライマー(spaΔC-1xlink-TM2-F, spaΔC-5xlink-TM2-F)、5’側にTM2N末端部位、リンカー、3’側にspa IgG結合部位を逆向きにコードするDNA配列からなるプライマー(spaΔC-1xlink-TM2-R, spaΔC-5xlink-TM2-R)を設計した。
spa-TM2遺伝子を構築するために、二段階のPCRを行った。一段階目のPCRは、spaをコードするゲノム遺伝子がベクターpUC18に組み込まれたプラスミドを鋳型にしてプライマーsp-spa 5’ NcoI-FとspaΔC-1xlink-TM2-RもしくはspaΔC-5xlink-TM2-Rを用いてspa IgG結合部位の増幅を、また、TM2遺伝子がベクターpTrc99Aに組み込まれたプラスミド(WO02/072817)を鋳型にしてプライマーspaΔC-1xlink-TM2-FもしくはspaΔC-5xlink-TM2-FとTM2CtermBamを用いてTM2部位の増幅をそれぞれ行った。
PCRによって得られたspa-TM2遺伝子断片をベクターpCR4 TOPO(Invitrogen社製)にクローニングした。ライゲーション反応はベクターキット添付の説明書に従った。大腸菌TB1にエレクトロポレーション法を用いてDNAを導入し、常法(Sambrook et al. 1989, Molecular Cloning, A laboratory manual, 2nd edition)に従ってプラスミドDNAを抽出した。インサートが確認されたクローンに関してM13プライマー(TaKaRa社)を用いてABI PRISM蛍光シークエンサー(Model 310 Genetic Analyzer, Perkin Elmer社)でPCR産物の塩基配列をその両端から決定し、もとの遺伝子と比較して変異がないことを確認した。これらの遺伝子が組み込まれたプラスミドをNco IとBamH Iで二重消化し、前述の方法でゲル精製を行い、DNA断片を回収した。この断片を予めNco IとBamH Iで消化しておいた大腸菌発現用ベクターpTrc99Aに、Ligation Kit(TaKaRa社製)を用いてライゲーションした。
タマビジン2との融合によるプロテインAの基板への固定化の効果を調べるため、まずタマビジン2とspaの融合タンパク質を大腸菌で発現させ、粗精製した。
spa(SA)ΔC-1xlink-TM2/pTrc99Aとspa(MW)ΔC-1xlink-TM2/pTrc99Aについて、それぞれを形質転換した大腸菌BL21を、抗生物質アンピシリン(最終濃度100ug/mL)を含むLB培地50mLに接種し、OD600における吸光度が0.5に達するまで30℃で振とう培養した。その後、1mM IPTGを添加し、さらに30℃で5時間振とう培養した。培養液50mLから遠心にて大腸菌画分と培地画分に分離した。大腸菌画分は0.1M HEPES/KOH(pH7.4)3mL中に懸濁後、菌体を超音波により破砕した。破砕液を遠心(15,000rpm)し、その上清を可溶性画分とした。さらに、沈殿物は8M尿素を含む0.1M HEPES/KOH (pH7.4)3mLに懸濁後、再び超音波破砕し、これを不溶性画分とした。また、培地画分は70%飽和となるよう硫酸アンモニウムを添加し、4℃で一晩インキュベート後遠心(14,500rpm)することで培地中に含まれるタンパク質を沈殿させた。この沈殿物を0.1M HEPES/KOH (pH7.4) 1mLで再懸濁し、100mLの0.1M HEPES/KOH (pH7.4)で透析後得られた画分を濃縮培地画分とした。
次に、spa(SA)ΔC-1xlink-TM2/pTrc99Aおよびspa(MW)ΔC-1xlink-TM2/pTrc99Aを形質転換した大腸菌の培養液 50mLより、spa(SA)ΔC-1xlink-TM2とspa(MW)ΔC-1xlink-TM2をカラムクロマトグラフィーにより粗精製した。前述と同じ方法で発現誘導させた大腸菌の培地画分をそのまま粗タンパク質サンプルとした。これらのサンプルとTST溶液(50mM Tris緩衝液, 150mM NaCl, 0.05% Tween20, pH7.6)で平衡化したIgG sepharoseTM 6 Fast Flow (GE Healthcare社製)を混合し、室温で1時間インキュベートした後、オープンカラムを作製し、溶出には0.5M酢酸溶液(pH3.4)を用いた。
タマビジン2との融合によるspaプロテインAの基板への固定化の効果を調べるため、粗精製したspa(SA)ΔC-1xlink-TM2およびspa(MW)ΔC-1xlink-TM2をマイクロプレートに固定化し、さらにダイズレクチン抗体を固定化し、ダイズレクチンの検出感度を指標としたELISA分析を行った。
粗精製したspa(SA)ΔC-1xlink-TM2とspa(MW)ΔC-1xlink-TM2を20ng/uLとなるようにPBS(137mM NaCl, 2.68mM KCl, 8.1mM Na2HPO4, 1.47mM KH2PO4)でそれぞれ調製し、これをビオチン化96穴マイクロプレート(型番15151, PIERCE社製)に100ulずつ添加した。室温で30分間静置することでタマビジン−ビオチン結合により融合タンパク質を固定化した。その後、プレートの各ウェルを0.1% Tween20を含むTBS緩衝液(TTBS)で3回洗浄した。次に抗体を固定化するために、ウサギ抗SBA抗体(EY LABORATORIES社製)をPBSで50ng/ulとなるように調製し、先ほど融合タンパク質を固定化したプレート、並びに対照として疎水性プレート(型番15031, PIERCE社製)及びプロテインAコーティングプレート(プロテインA(ナカライテスク)を5ng/ulとなるようにPBSで希釈し、これを疎水性プレート(型番15031, PIERCE社製)に50ulずつ添加し、一晩室温で静置した。その後、プレートの各ウェルを0.1% Tween20を含むTBS緩衝液(TTBS)で3回洗浄して作成した)に100ulずつ添加し、一晩室温で静置した。ビオチン化プレートとプロテインAコーティングプレートはプロテインA−IgG結合により、疎水性プレートは疎水結合により、それぞれプレートにウサギ抗SBA抗体を固定化した。
Biacore 3000(BIACORE社製)を用いて、spa-TM2融合タンパク質のビオチン結合能を分析した。培養液の培地中に分泌されているspa-TM2を上述の方法で粗精製した画分を、解析サンプルとした。
本実施例ではタマビジン2との融合タンパク質を大腸菌で発現させるための発現ベクターを構築した。発現ベクターは目的タンパク質のN末側にタマビジン2を融合させるベクターと、C末側にタマビジン2を融合させるベクターの両方を構築した。以下、具体的に説明する。
タマビジン2(以下、「TM2」と記載する場合がある)融合タンパク質発現用ベクターの構造は、pTrc99A(Pharmacia社製)を骨格とし、制限酵素Nco I認識部位とHind III認識部位の間にTM2、TM2と目的タンパク質を結合するリンカー部位、目的タンパク質をコードする遺伝子を組み込むためのマルチクローニングサイト(以下、「MCS」)部位、目的のタンパク質を発現させた後にTM2配列を除去するエンテロキナーゼ(以下、「EK」)認識部位の配列、His標識配列を以下の順に組み込んだ。
TM2融合タンパク質発現ベクター構築のために、まず、TM2遺伝子の上流もしくは下流にリンカー、EK認識配列、MCSサイト、His標識配列とNco I制限酵素切断部位(CCATGG)もしくはHind III制限酵素切断部位(AAGCTT)をコードする配列を結合させるためのプライマーを設計した。即ち、5’側にNco I制限酵素切断部位、His標識配列、MCSサイト、EK認識配列、リンカー、3’側にTM2 N末端部位からなるプライマー(His-MCS-EK-1xlink-TM2-F, His-MCS-EK-3xlink-TM2-F)、5’側にHind III制限酵素切断部位、His標識配列、MCSサイト、EK認識配列、リンカー、3’側にTM2 C末端部位を逆向きにコードするDNA配列からなるプライマー(TM2-1xlink-EK-MCS-His-R, TM2-3xlink-EK-MCS-His-R)を設計した。尚、リンカー配列が5xlinkの場合、プライマー長が180merと長すぎるため、5’側110merと3’側110merの二つのプライマー(His-MCS-EK-5xlink-TM2-F1, His-MCS-EK-5xlink-TM2-F2, TM2-5xlink-EK-MCS-His-R1, TM2-5xlink-EK-MCS-His-R1)をそれぞれ設計した。
TM2融合タンパク質発現ベクターを構築するために、リンカー長が1xlink, 3xlinkの場合は一段階のPCRを、5xlinkの場合は二段階のPCRを行った。リンカー長が1xlink, 3xlinkの場合、TM2遺伝子がベクターpTrc99Aに組み込まれたプラスミド(WO02/072817)を鋳型にしてプライマーTM2NtermNotI-FとTM2-1xlink-EK-MCS-His-RもしくはTM2-3xlink-EK-MCS-His-R、プライマーHis-MCS-EK-1xlink-TM2-FもしくはHis-MCS-EK-3xlink-TM2-FとTM2CtermHindIII-Rを用いてTM2遺伝子の上流もしくは下流にリンカー、EK認識配列、MCSサイト、His標識配列を含む配列を増幅させた。リンカー長が5xlinkの場合、TM2遺伝子がベクターpTrc99Aに組み込まれたプラスミド(WO02/072817)を鋳型にしてプライマーTM2NtermNotI-FとTM2-5xlink-EK-MCS-His-R1、プライマーHis-MCS-EK-5xlink-TM2-F1とTM2CtermHindIII-Rを用いてTM2遺伝子の上流もしくは下流にリンカー、EK認識配列、MCSサイトの一部を含む配列を増幅させた。
PCRによって得られたTM2遺伝子の上流もしくは下流にリンカー、EK認識配列、MCSサイト、His標識配列を含む断片をベクターpCR4blunt TOPO(Invitrogen社製)にクローニングした。ライゲーション反応はベクターキット添付の説明書に従った。大腸菌TB1にエレクトロポレーション法を用いてDNAを導入し、常法(Sambrook et al. 1989, Molecular Cloning, A laboratory manual, 2nd edition)に従ってプラスミドDNAを抽出した。インサートが確認されたクローンに関してM13プライマー(TaKaRa社)を用いてABI PRISM蛍光シークエンサー(Model 310 Genetic Analyzer, Perkin Elmer社)でPCR産物の塩基配列をその両端から決定し、もとの遺伝子と比較して変異がないことを確認した。これらの遺伝子が組み込まれたプラスミドをNco IとHind IIIで二重消化し、前述の方法でゲル精製を行い、DNA断片を回収した。この断片を予めNco IとHind IIIで消化しておいた大腸菌発現用ベクターpTrc99Aに、Ligation Kit(TaKaRa社製)を用いてライゲーションした。
Claims (11)
- タンパク質を担体に結合する方法において、結合によっても該タンパク質の機能を損なわない方法であって、
ビオチンを結合させた担体を準備し;
タマビジンに上記タンパク質を結合させた融合タンパク質を準備し;そして
タマビジン−ビオチン結合を介して、上記担体に上記タンパク質を結合させる
ことを含む、前記方法。 - タマビジンが、
(a)配列番号2又は配列番号4と同一性が95%以上のアミノ酸配列からなり、かつ、ビオチン結合活性を有するタンパク質;又は
(b)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列からなるタンパク質;又は
(c)配列番号1又は3の塩基配列の相補鎖に、ストリンジェントな条件下(ハイブリダイゼーション条件:65℃、0.2×SSC、0.5%SDS;洗浄条件:65℃、0.2×SSC、0.1%SDS)でハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列からなり、かつ、ビオチン結合活性を有するタンパク質
から選択される、請求項1に記載の方法。 - タンパク質が、抗体若しくはその断片、抗原タンパク質、酵素、レクチン、ペプチド、プロテインA、プロテインG及びプロテインLからなる群から選択される、請求項1ないし2のいずれか1項に記載の方法。
- 担体が、ビーズ、磁性ビーズ、薄膜、微細管、フィルター、プレート、マイクロプレート、カーボンナノチューブ及びセンサーチップからなる群から選択される、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
- タマビジンとタンパク質がリンカーを介して結合して融合タンパク質を構成している、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
- タマビジンとタンパク質が6個以上のアミノ酸からなるリンカーを介して結合して融合タンパク質を構成している、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記融合タンパク質に、さらにリーダー配列が結合している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
- ビオチンと担体が、長さが13.5Åより長いリンカーを介して結合している、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
- ビオチンを結合させた担体に、タマビジンにタンパク質を結合させた融合タンパク質をタマビジン−ビオチン結合を介して結合させた、タマビジン融合タンパク質結合担体であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法により得られる、タマビジン融合タンパク質結合担体。
- タンパク質を担体に直接結合した場合と比較して10倍以上のタンパク質の活性が向上する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- タンパク質を担体に直接結合した場合と比較して2〜4倍の検出感度が向上する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
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