JP5429734B2 - スフィンゴ糖脂質の合成法 - Google Patents
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Description
(1)非還元末端方向に糖鎖を伸長する方法
(糖鎖構築を完了した後に脂質を導入する方法(糖供与体側の改良))
(糖鎖構築を完了した後に脂質を導入する方法(脂質受容体側の改良))
還元末端グルコースの2位水酸基に立体的に嵩高い保護基を導入することで、オルソエステルの生成は減少し、目的のβ面からセラミドの求核攻撃が可能となる。脂質としてアジドスフィンゴシンを用いる方法は、セラミドが有する二本のアルキル鎖の立体障害を軽減し、さらにアジドにすることで一級水酸基とアミドの水素結合による一級水酸基の求核性低下を防止する意図がある。縮合収率という点では後者のアジドスフィンゴシンを用いる方法が優れているが、アジドスフィンゴシンの調製、アジド基の還元、脂肪酸の導入およびその前後に煩雑な合成ステップが必要であり、それぞれに一長一短がある。
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(項目1)
糖脂質を生成するための方法であって、以下:
(a)保護された糖と脂質アミド保護体とを、該保護された糖と該脂質アミド保護体とが結合する条件下で反応させて、糖−脂質アミドアクセプター前駆体を生成させる工程;
(b)該糖−脂質アミドアクセプター前駆体を、該糖−脂質アミドアクセプター前駆体内の分子内縮合反応が進行する条件で反応させて、糖−脂質アミドアクセプターを生成させる工程;
(c)該糖−脂質アミドアクセプターと保護された糖鎖ドナーとを、該糖−脂質アミドアクセプターと該保護された糖鎖ドナーとが連結する条件下で反応させて、保護された糖脂質を生成させる工程;および
(d)該保護された糖脂質を、該保護された糖鎖ドナーが脱保護する条件下で脱保護反応をさせて、糖脂質を生成させる工程
を包含する、方法。
(項目2)
前記保護された糖が、
PROは、独立して、ベンゾイル(Bz)、ピバロイル(Piv)、MPM(p−メトシキベンジル)、メトキシフェニル(MP)、アセチル、ベンジル、およびメチルからなる群より選択される保護基であり、
Lは、独立して、−SPh、−SCH3、−SCH2CH3、−F、−OPO(OPh)2(ここで、Phはフェニルである。)、−OPO(N(CH3)2)2およびトリクロロアセトイミデートからなる群より選択される脱離基である、上記項目に記載の方法。
(項目3)
前記脂質アミド保護体が、以下の式:
該R3は、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリチル(Tr)、イソプロピリデンケタールおよびメトキシベンジリデンアセタールからなる群より選択され;
該R4は、スクシニル、マロニル、フタロイル、オキザリル、カルボニル、ベンゾイル、アセチルおよびピバロイルからなる群より選択される保護基である、
上記項目に記載の方法。
(項目4)
前記脂質アミド保護体が、
前記糖−脂質アミドアクセプター前駆体が、
該R1が、p−メトキシベンジル(MPM)、メトキシフェニル(MP)、アリルであり;
該R2が、MPM、Bz、MP、アリルであり;
該R3は、TBDPS、TBDMS、TIPS、Tr、イソプロピリデンケタールおよびメトキシベンジリデンアセタールからなる群より選択され;
該R4および該R5は、独立して、スクシニル、マロニル、フタロイル、オキザリル、カルボニル、ベンゾイル、アセチルおよびピバロイルからなる群より選択される保護基であり、Phはフェニルである、
上記項目に記載の方法。
(項目5)
前記保護された糖と脂質アミド保護体とが結合する条件は、アルコールとカルボン酸とが結合する条件である、上記項目に記載の方法。
(項目6)
前記工程(a)は、溶媒中において試薬の存在下で所定の反応温度および反応時間、前記保護された糖鎖と、前記脂質アミドとを混合し、反応させることを包含し、
該反応温度が、室温以上であり;
該溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)、CH2Cl2、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびそれらの組合せからなる群より選択され;
該試薬が、トリフェニルホスフィン(PPh3)、アゾジカルボン酸ジエチルエステル(DEAD)、1−メチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSC)、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、トリエチルアミン(Et3N)、および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)およびそれらの組合せからなる群より選択され;および
該反応時間が、2時間〜4時間である、
上記項目に記載の方法。
(項目7)
前記試薬が、PPh3およびDEADであり、前記溶媒がTHFであり、前記反応温度が90℃以上である、上記項目に記載の方法。
(項目8)
前記試薬が、WSCあるいは2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、Et3NおよびDMAPであり、前記溶媒が、CH2Cl2であり、前記反応温度が、30〜60℃である、上記項目に記載の方法。
(項目9)
前記試薬が、WSCであり、前記溶媒が、CH2Cl2であり、前記反応温度が室温である、上記項目に記載の方法。
(項目10)
前記反応時間が、3時間である、上記項目に記載の方法。
(項目11)
前記溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)であり、
前記試薬がトリフェニルホスフィン(PPh3:3.0当量)およびDEAD(3.0当量)であり、該当量は、前記保護された糖鎖に対する当量であり、
前記反応温度が、90℃であり、前記反応は還流下で実施される、
上記項目に記載の方法。
(項目12)
前記溶媒が、CH2Cl2であり、
前記試薬が、1−メチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSC:3.0等量)であり、該当量は、前記保護された糖鎖に対する当量であり、
前記温度が、室温である、
上記項目に記載の方法。
(項目13)
前記溶媒が、CH2Cl2であり、
前記試薬が、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド(1.1等量)、トリエチルアミン(Et3N:1.5等量)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP:3.0等量)であり、該当量は、前記保護された糖鎖に対する当量であり、
前記温度が、室温である、
上記項目に記載の方法。
(項目14)
前記工程(a)は、前記糖および前記脂質アミド保護体に、さらにスペーサー前駆体を加えることにより、前記脂質アミド保護体を、スペーサーを介して該糖に結合させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目15)
前記スペーサーと、前記糖または前記脂質アミド保護体とが予め結合されている、上記項目に記載の方法。
(項目16)
前記脂質アミド保護体を、該脂質アミド保護体の1位水酸基が脱保護される条件下で反応させて、該1位水酸基を脱保護する工程をさらに包含する、上記項目に記載の方法。
(項目17)
前記スペーサー前駆体がコハク酸であり、該コハク酸が前記脂質アミド保護体のR3に結合する場合、
R3は、イソプロピリデンケタールまたはメトキシベンジリデンアセタールであり、R4は、
R5は、AcまたはBxである、上記項目に記載の方法。
(項目18)
前記スペーサー前駆体がコハク酸であり、該コハク酸が前記脂質アミド保護体のR4に結合する場合、
R3は、トリチル(Tr)、TBDPSおよびTBDMSからなる群より選択され、
R4は、スクシニル、マロニル、オキサリル、カルボニル、グルタリルおよびフタロイル、からなる群より選択され、そして
R5は、アセチルまたはベンゾイルである、
上記項目に記載の方法。
(項目19)
前記スペーサー前駆体がコハク酸であり、該コハク酸が前記脂質アミド保護体のR5に結合する場合、
R3は、Tr、TBDPSおよびTBDMSからなる群より選択され、
R4は、スクシニル、マロニル、オキサリル、カルボニル、グルタリルおよびフタロイル、からなる群より選択され、そして
R5は、アセチルまたはベンゾイルである、
上記項目に記載の方法。
(項目20)
前記オリゴ糖の還元末端側の糖残基が、前記脂質アミド保護体とスペーサーを介して結合する、上記項目に記載の方法。
(項目21)
前記工程(b)は、前記分子内縮合反応を活性化させるための活性化剤の存在下で行われ、該活性化剤は、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(TMSOTf)、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(DMTST)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)およびそれらの組合せからなる群より選択される、上記項目に記載の方法。
(項目22)
前記工程(b)は、
−80℃〜室温の反応温度にて;
CH2Cl2、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、トルエン、ニトロメタンおよびそれらの組合せからなる群より選択される溶媒中で;
N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(DMTST)、モレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)、モレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)およびそれらの組合せからなる群より選択されるの試薬の存在下で;および
1〜48時間の反応時間にわたり行われる、
上記項目に記載の方法。
(項目23)
前記反応温度が、−20〜0℃である、上記項目に記載の方法。
(項目24)
前記溶媒が、ジクロロメタンである、上記項目に記載の方法。
(項目25)
前記試薬が、N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)である、上記項目に記載の方法。
(項目26)
前記反応時間が、1時間〜5時間である、上記項目に記載の方法。
(項目27)
前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、TMSOTfおよびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、1.5時間の反応時間、0℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目28)
前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、5時間の反応時間、−40℃で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目29)
前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、36時間の反応時間、初めは−80℃で、次に−60℃で、次に−40℃で、次に0℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目30)
前記工程(b)は、
溶媒として、アセトニトリル(MeCN)を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、48時間の反応時間、初めは―40℃で、次に0℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目31)
前記工程(b)は、
溶媒として、アセトニトリル(MeCN)を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、1.5時間の反応時間、−0℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目32)
前記工程(b)は、
溶媒として、アセトニトリル(MeCN)を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、3時間の反応時間、−20℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目33)
前記工程(b)は、
溶媒として、ジエチルエーテルを用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、25時間の反応時間、初めは0℃で、次に、室温の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目34)
前記工程(b)は、
溶媒として、アセトニトリル(MeCN)を用いて、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(DMTST)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、1時間の反応時間、0℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目35)
前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、5時間の反応時間、0℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目36)
前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、1.5時間の反応時間、−20℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目37)
前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(DMTST)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、2時間の反応時間、0℃で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目38)
前記分子内縮合反応が、グリコシル化である、上記項目に記載の方法。
(項目39)
前記工程(c)は、
2.5当量より多くのアクセプターに対するドナーの当量にて;−40〜0℃の反応温度にて;CH2Cl2の溶媒中で;トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(TMSOTf)試薬の存在下で、1〜48時間の反応時間反応をさせることを包含する、
上記項目に記載の方法。
(項目40)
前記アクセプターに対するドナーの当量が2.5当量であり;
前記反応温度が、0℃であり;
前記溶媒が、CH2Cl2であり;
前記試薬が、TMSOTfであり;および
前期反応時間が、7時間である、
上記項目に記載の方法。
(項目41)
前記保護された糖鎖ドナーが、
(項目42)
前記工程(d)は、
CH2Cl2の溶媒中で;
トリフルオロ酢酸の試薬の存在下で;
室温の反応温度にて;および
2〜12時間の反応時間にわたり行われる、
上記項目に記載の方法。
(項目43)
前記反応時間が、2時間である、上記項目に記載の方法。
(項目44)
(e)前記工程(d)の生成物を、アシル系保護基が脱保護する条件下で反応させ、脱保護する工程をさらに包含する、上記項目に記載の方法。
(項目45)
前記(e)工程は、
メタノール(CH3OH)または水(H2O)の溶媒中で;
ナトリウムメトキシド(NaOCH3)またはKOHの試薬の存在下で;
室温〜100℃の反応温度にて;および
1時間〜1週間の反応時間にわたり行われる、
上記項目に記載の方法。
(項目46)
前記溶媒が、メタノール(CH3OH)であり;
前記試薬が、ナトリウムメトキシド(NaOCH3)であり;
前記反応温度が、室温であり;および
前記反応時間が、12時間である、
上記項目に記載の方法。
(項目47)
を包含し、ここで、
R1は、AcまたはHであり;
R2は、Acまたは2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)
SPhは、
MPは、
SEは、
Acは、
Bzは、
Bnは、
Meは、メチルである、方法。
(項目48A)
前記工程(A)は、以下:
−40℃〜室温の反応温度にて;
CH3CN、CH2Cl2、ジエチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、トルエン、ニトロメタンおよびそれらの組合せの溶媒中で;
N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(TMSOTf)およびそれらの組合せの触媒の存在下で;および
1時間〜3日間の反応時間にわたり行われる、
上記項目に記載の方法。
(項目48B)
前記工程(A)は、以下:
−50℃〜室温の反応温度にて;
CH3CN、CH2Cl2、ジエチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、トルエン、ニトロメタンおよびそれらの組合せの溶媒中で;
N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(TMSOTf)およびそれらの組合せの触媒の存在下で;および
1時間〜3日間の反応時間にわたり行われる、
上記項目に記載の方法。
(項目49)
前記触媒が、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびそれらの組合せからなる群より選択される、上記項目に記載の方法。
(項目50)
前記溶媒が、CH3CN、CH2Cl2またはCH3CNとCH2Cl2との混合液である、上記項目に記載の方法。
(項目51)
前記反応温度が、−30℃〜0℃である、上記項目に記載の方法。
(項目52)
前記反応時間が、1時間〜1日間である、上記項目に記載の方法。
(項目53)
前記工程(A)は、
初めに溶媒としてCH3CNを、次にCH3CNとCH2Cl2との混合液を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)を触媒として用いて、2日間の反応時間、初めは−30℃で、次に室温の反応温度にて反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目54)
前記工程(A)は、
溶媒として、CH3CNとCH2Cl2との混合液を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびTMSOTfを触媒として用いて、3日間の反応時間、初めは−30℃で、次に室温の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目55)
前記工程(A)は、
溶媒として、CH3CNとCH2Cl2との混合液を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)を触媒として用いて、2日間の反応時間、初めは−30℃で、次に0℃の反応温度で反応させることを包含する、上記項目に記載の方法。
(項目56)
前記工程(A)は、
溶媒として、CH3CNとCH2Cl2との混合液を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)を触媒として用いて、3日間の反応時間、−30℃の反応温度で反応させることを包含する、
上記項目に記載の方法。
(項目57)
前記工程(A)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)を触媒として用いて、1日間の反応時間、−30℃の反応温度で反応させることを包含する、
上記項目に記載の方法。
(項目58)
前記工程(A)は、
溶媒として、プロピオニトリルとCH2Cl2との混合液を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)を触媒として用いて、6時間の反応時間、−50℃の反応温度で反応させることを包含する、
上記項目に記載の方法。
(項目59)
以下の式:
(項目60) アミノ基がトリクロロエトキシカルボニル(Troc)で保護されたアミノ糖と、メトキシフェニル(MP)で保護された糖とを、該Trocで保護されたアミノ糖と該MPで保護された糖とが結合する条件下で反応させる工程を包含する、オリゴ糖を合成するための方法。
(項目61) 前記アミノ糖が、脱離基Lを有する、項目60に記載の方法。
(項目62) 前記脱離基Lが、−SPh、−SCH3、−SCH2CH3、−F、−OPO(OPh)2(ここで、Phはフェニルである。)および−OPO(N(CH3)2)2からなる群より選択される、項目61に記載の方法。
(項目63) 前記Trocで保護されたアミノ糖が、以下
Proは、独立して、アセチル(Ac)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、ピバロイル(Piv)、MPM(p−メトシキベンジル)およびメトキシフェニル(MP)からなる群より選択される保護基であり、
R1は、アルキルである、
項目60に記載の方法。
(項目64) 前記MPで保護された糖が、以下
Proは、独立して、アセチル(Ac)、ベンジル(Bn)、ベンゾイル(Bz)、ピバロイル(Piv)、MPM(p−メトシキベンジル)およびメトキシフェニル(MP)からなる群より選択される保護基である、
項目60に記載の方法。
(項目65) 前記Troc基を、Zn(Cu)存在下で脱保護する工程を包含する、項目60〜64のいずれか一項に記載の方法。
(項目66) 以下の構造:
(項目67)
以下の式:
該R1および該R2は、独立して、アルキル基およびアルケニル基から選択され;
該R3は、tert−ブチルジフェニルシリル(tert−buthyldiphenylsilyl(TBDPS))、tert−ブチルジメチルシリル(tert−buthyldimethylsilyl(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(triisopropylsily(TIPS))、トリチル(Tr)、イソプロピリデンケタールおよびメトキシベンジリデンアセタールからなる群より選択され;
該R4は、スクシニル、マロニル、フタロイル、オキザリル、カルボニル、ベンゾイル、アセチルおよびピバロイルからなる群より選択される保護基である、化合物。
(項目68)
以下の式:
該R1および該R2は、独立して、アルキル基およびアルケニル基から選択され;
該R3は、TBDPS、TBDMS、TIPS、Tr、イソプロピリデンケタールおよびメトキシベンジリデンアセタールからなる群より選択され;
該R4は、スクシニル、マロニル、フタロイル、オキザリル、カルボニル、ベンゾイル、アセチルおよびピバロイルからなる群より選択される保護基である、化合物。
本明細書において、必要に応じて以下に示す省略表記を用いた。
Ac:アセチル(acetyl)
Ac2O:無水酢酸(acetic anhydride)
BDA:ベンズアルデヒドジメチルアセタール(benzaldehyde dimethyl acetal)
BF3・OEt2:トリフルオロボランジエチルエーテラート(trifluoroborane diethyletherate)
Bn:ベンジル(benzyl)
Bz:ベンゾイル(benzoyl)
Bz2O:安息香酸無水物(benzonic anhydride)
CSA:(±)−カンファースルホン酸((±)−camphorsulfonic acid)
DBTO:ジブチル錫オキシド(dibutyl tin oxide)
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)
DEAD:アゾジカルボン酸ジエチルエステル(azodicarboxylic acid diethyl ester)
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン(4−dimethylaminopyridine)
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−dimethylformamide)
DMTST:ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(dimethyl(methylthio)sulfonium triflate)
Et:エチル
Me:メチル
MP:p−メトキシフェニル(p−methoxyphenyl)
MPM:p−メトキシフェニルメチル(p−methoxyphenylmethyl)MS3A:モレキュラーシーブ3Å(molecular sieves 3Å)
MS4A:モレキュラーシーブ4Å(molecular sieves 4Å)
PPh3:トリフェニルホスフィン(triphenylphosphine)
TBAB:臭化テトラブチルアンモニウム(tetrabutylammonium bromide)
TEA:トリエチルアミン(triethylamine)
TFA:トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid)
THF:テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)
p−TsOH:p−トルエンスルホン酸(p−toluenesulfonic acid)
WSC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(1−ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)−carbodiimide hydrogenchloride)
(一般技術)
本発明における有機化学的な手法を実施するに当たっては、実験化学講座(日本化学会編、丸善、第4版、1992年)、有機化学実験の手引き1〜5 化学同人、取り扱い注意試薬ラボガイド 東京化成工業(株)編 講談社サイエンティフィク、生理活性糖鎖研究法 生物化学実験法42 学会出版センター、精密有機合成―実験マニュアル− 南江堂などのような実験マニュアルを参照することができ、これらの内容は、その全体が参考として援用される。
以下に本明細書において特に使用される用語の定義を列挙する。
N−アセチル−α−D−ガラクトサミン
α−D−マンノース
β−D−グルコース
N−アセチル−β−D−グルコサミン
α−L−フコース
α−N−アセチルノイラミン酸
セラミド
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでない。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
一つの局面において、本発明は、糖脂質を生成するための方法を提供する。この方法は、(a)保護された糖と脂質アミド保護体とを、該保護された糖と該脂質アミド保護体とが結合する条件下で反応させて、糖−脂質アミドアクセプター前駆体を生成させる工程;(b)該糖−脂質アミドアクセプター前駆体を、該糖−脂質アミドアクセプター前駆体内の分子内縮合反応が進行する条件で反応させて、糖−脂質アミドアクセプターを生成させる工程;(c)該糖−脂質アミドアクセプターと保護された糖鎖ドナーとを、該糖−脂質アミドアクセプターと該保護された糖鎖ドナーとが連結する条件下で反応させて、保護された糖脂質を生成させる工程;および(d)該保護された糖脂質を、該保護された糖鎖ドナーが脱保護する条件下で脱保護反応をさせて、糖脂質を生成させる工程を包含する。
(d)該保護された糖脂質を、該保護された糖鎖ドナーが脱保護する条件下で脱保護反応をさせて、糖脂質を生成させる工程は以下のように実施することができる。
該R3は、TBDPS、TBDMS、TIPS、Tr、イソプロピリデンケタール、メトキシベンジリデンアセタールであり得;該R4は、スクシニル、マロニル、フタロイル、オキザリル、カルボニル、ベンゾイル、アセチル、ピバロイルであり得る保護基である。これらの保護基は、その機能を果たす限り別の保護基であってもよいことが理解される。なぜなら、本発明の方法では、1位の1級水酸基のみをグリコシル化し、それ以外の水酸基を保護することができれば、上記以外の脂質アミド保護体を使用しても糖脂質を生成することができるからである。
該R1が、MPMであり;該R2が、MPM、Bzであり;該R3は、TBDPS、TBDMS、TIPS、Tr、イソプロピリデンケタールおよびメトキシベンジリデンアセタールからなる群より選択され;該R4および該R5は、独立して、スクシニル、マロニル、フタロイル、オキザリル、カルボニル、ベンゾイル、アセチルおよびピバロイルであり得る保護基である。これらの保護基は、その機能を果たす限り別の保護基であってもよいことが理解される。なぜなら、本発明の方法では、脱離基としてチオグリコシドが用いられており、その活性化条件に耐性が有りさえすれば、上記以外の保護基を使用した糖−脂質アミドアクセプターを用いても糖脂質を生成することができるからである。
前記溶媒が、アセトニトリル(MeCN)であり;前記試薬が、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、モレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)であり;前記反応時間が、48時間であり得る。
前記試薬が、TMSOTfであり;前記反応時間が、7時間であり得る。
一つの局面において、本発明は、
−30℃→室温の反応温度で;CH3CN→CH3CNとCH2Cl2との混合液を溶媒として用いて;N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)を触媒として用いて;および2日間の反応時間反応させることを包含し得る。
前記反応温度が、−30℃→室温であり;前記溶媒が、CH3CNとCH2Cl2との混合液であり;前記触媒が、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびTMSOTfであり;前記反応時間が、3日間であり得る。
一つの局面において、本発明は、本方法の糖鎖の合成方法により製造された糖鎖を提供する。ここで糖鎖の合成方法は、上述の(糖鎖の合成方法)に記載される任意の形態が使用され得る。
本発明により作成した糖または糖誘導体は、医薬品材料とすることができる。このようにして製造した医薬品材料は、バリデーションが簡単であるという利点を有し得る。本発明を利用すれば、医薬品原料及び医薬品において、リコンビナント化をして、動物由来の原料も含め生体原料を使わないことができる。使用する場合、大きなコストとリスク(不明な生体内挙動、汚染等)を抱えることになることから、本発明はこれらを回避することができる点優れているといえる。
O−グリコシル化反応を一般式で表すと次のようになる(O−グリコシル化反応)。通常(1)を糖供与体(グリコシルドナー、glycosyl donor)、(2)を糖受容体(グリコシルアクセプター、glycosyl acceptor)もしくはアグリコン(aglycon)と呼んでいる。糖供与体のアノマー位の置換基Xは脱離基(leaving group)と呼ばれる。グリコシル化反応を行うためには、糖供与体の脱離能を高めるために、触媒量または化学量論量の活性化剤(activatorまたはpromoter)が必要である。また、活性化剤は、反応に伴って生成する酸の捕捉剤としての役割を果たすこともある。
(O−グリコシル化反応)
(O−グリコシドの分類と合成法)
グルコシルハライドは、通常、その大部分が熱力学的に安定なα体(3a)として存在している。しかし、α体(3a)を重金属塩、第四級アンモニウム塩などで活性化するとオキソカルベニウムイオン(4a)が生成し、β−型のイオン対を経由してβ−ハライド(3b)との間に平衡が成立する。ここで系内にアルコール(R−OH)が存在すれば(4a)はβ−グリコシド(5b)を、(4b)はα−グリコシド(5a)を与えると考えられる。隣接基関与を行わないような糖供与体はこのような様式で反応し、その立体化学はこれらの一連の反応の相対的な速度によって決定される。ここでアノマー効果を考えに入れると、(4b)の方が(4a)より反応性が高いと考えられる(K2>K1)。従って、この平衡が十分速ければ(K3≫K1)、反応は主として(4b)を経由して進行し、α−グリコシド(5a)を与える。このような型の反応は、α−グルコ型及びα−マンノ型グリコシドの合成に有用である。C−2位水酸基の保護基としては、隣接基関与を防ぐためにベンジル基、アリル基などのエーテル系保護基が用いられる。2−アミノ系グリコシドもアミノ基と等価なC−2位置換基の種類を選ぶことにより、同様にα選択的に行うことができる。ここで注意すべきことは、高い選択性を得るためには、基質の反応性との兼ね合いで、なるべく穏和な反応条件を選ぶ必要があるということである。すなわち、基質の反応性に対して活性化剤が強すぎたり反応温度が高すぎたりすると、(3a)→(4a)→(5b)の経路に沿って反応が進み、β体をかなり副生することがある。一方、あらかじめβ−ハライドを調製して直接反応に用いる方法も知られている。この方法は、反応性の高い基質のα−グリコシル化に有用である。
(グリコシル化反応の経路(その1))
ある種の不溶性触媒を活性化剤として用いるとハライドの活性化によって生成するイオン対が触媒表面に固定されるので、ハライドのアノマー間の平衡が抑制される。このような条件下では、SN2的な立体化学の反転を伴ってα−ハライドが反応し、β−グリコシドを与える。この型の反応は、特に、β−マンノ型グリコシドの合成に有用である。また、非常に強い活性化剤、脱離能の高い糖供与体を用いると、アノメリゼーションの速度を置換反応の速度が上回るため(K1>K3)β体を主生成物として得ることができる。
糖供与体のC−2位水酸基の保護基としてアセチル基、ベンゾイル基などのアシル基を用いると、β−グルコ及びα−マンノ型グリコシドを選択的に合成することができる。この現象はアシル基の隣接基関与を想定することにより説明されている。すなわち、グリコシルハライド(6)から生成するオキソカルベニウムイオン(7)に対してアシルオキシ基が隣接基関与を起こし、より安定な環状アシロキソニウムイオン(8)へと異性化する。(8)に対してはアノマー位へのアルコールの求核攻撃の方向が限定されるため(経路(a))、1,2−trans配位の生成物(9)のみが得られる。この方法は立体化学制御の点からは非常に信頼性の高い反応である。ただし、しばしば、(b)の経路が競合しオルトエステル(10)の副生が問題となる。また、アノマー位の隣に電子求引性のアシル基が存在するためハライドの反応性が低下し、一般的に強い反応条件が必要である。
(グリコシル化反応の経路(その2))
グリコシル化反応は当然ながら厳密に無水の条件下で行うことが望ましい。従って溶媒、試薬、基質、反応容器の全てについてできる限り水分を除去することが必要である。特に銀塩は吸湿性が高いため注意を要する。現在では、反応の実行にあたっては窒素またはアルゴンの雰囲気下、注射器を用いて溶液を注入する方法が一般的である。銀塩を用いる反応は光を遮断して行う方がよい。一方、殆どのグリコシル化反応はモレキュラーシーブス(MS)や無水硫酸カルシウム(Drierite)によって妨げられない。特に小スケールの精密合成においては、その技術的な困難を軽減するためにこれらの乾燥剤の存在下で反応を行うことが多い。汎用されている溶媒にはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテルがあり、ニトロメタンやアセトニトリル等の極性溶媒もしばしば用いられる。グリコシル化反応における溶媒の効果を一律に解釈することは困難であるが、一般的にはニトロメタンのような極性溶媒中では反応が加速される。立体選択性との関連についても多くのデータが蓄積されている。特に興味深いのはアセトニトリルとジエチルエーテルの溶媒効果である。すなわちある種の反応においてアセトニトリル中ではβ体が、ジエチルエーテルではα体が主生成物として得られる。ジクロロメタンの様な他の非極性溶媒と比べてもエーテル中ではα選択性が向上することがしばしば認められるため、アセトニトリルとの方向性の相違は単純に極性の差によるものではないようである。反応温度は基質の反応性により−70℃から100℃前後と極めて幅広いが、普通は反応の進行に差し障りのない限り低温で行うのが望ましいとされている。濃度の影響については系統的な研究はされていないが、分子間反応の通例として高濃度で行う方がよいと考えられる。しかし中には、高希釈下でのみよい結果が得られるという例もあり(Nicolaou,K.C.;Daines,R.A.;Ogawa,Y.;Chakraboty,T.K.J.Am.Chem.Soc.1988,110,4696−.)、当業者はこれらの情報を考慮して、本明細書の記載に基づき、適宜適切な条件を選択することができる。
上述の通り、本発明者らは、複雑なガングリオシドを合成する際には、アジドスフィンゴシンを用いてセラミド部位を導入する方法(下記参照のこと。)を汎用してきた。その理由として、糖鎖の分子量が上がるにつれて、他の方法では脂質の導入が非常に困難であることが挙げられる。アジド体にすることで、セラミドが有する二本のアルキル鎖の立体障害を軽減し、さらにセラミドの一級水酸基とアミドの水素結合に起因する一級水酸基の求核性低下を抑制することにより、セラミド骨格の導入を容易にしている。
本発明において、分子内グリコシル化を用いるとき、還元末端の糖(グルコース)およびセラミドのどの水酸基を架橋するか、スペーサーとして何を用いるか、そして3種類の分子内グリコシル化のタイプのうちどの方法を用いるかを検討した。まず、還元末端の糖(グルコース)とセラミドのどの水酸基を架橋するかについては、結合収率を考慮した結果、反応性の高いグルコースの一級水酸基である6位とセラミドの3位水酸基とを結合するのが適切であると考えられる。スペーサーとして何を用いるかについては様々な検討が可能である。そこで、まずは分子内グリコシル化において汎用されており、扱いが容易で、かつ最終の脱保護においてZemplen condition(Plattner,J.J.;Gless,R.D.;Rapoport,H.J.Am.Chem.Soc.1972,94,8613−.)によって効率的に脱保護が可能であるコハク酸を用いることとした。以上の理由より、3種類の分子内グリコシル化のタイプのうち(Spacer−mediated linkage via nonreacting centers)を用いることとした。
天然のガングリオシドにおいてグルコースは糖鎖還元末端に位置し、ガラ系(糖鎖・セラミド間がβ-ガラクトシド結合により構成される糖脂質)を除くほとんどのガングリオシドでGalβ(1−4)Glcβ(1−1)Cerの構造を有している。
まず、化合物1に45℃にて、Ac2O、ピリジン(pyr.)を作用させ、定量的に化合物2を得た。その後、グルコースのアノメリック位をSPh基で保護するため、アルゴン雰囲気下、CH2Cl2溶媒中、室温にて、PhSHとBF3・OEt2を作用させ、収率67%で化合物3へと導いた。続いて、アルゴン雰囲気下、MeOH溶媒中、室温にて、MeONaを作用させ、2,3,4,6位のAc基を脱保護し、収率93%にて化合物4を得た。続いて、化合物4にアルゴン雰囲気下、MeCN溶媒中、室温にて、BDAとp−TsOHを作用させ、収率93%にて、化合物5を得た。なお、生成物の構造決定のため、化合物5をAc化し、1H−NMRスペクトルを確認したところ、化合物5の2位プロトンのシグナルδ(ppm)3.4(m、1H)と3位プロトンのシグナル3.8(m、1H)が、それぞれ5.0(t、1H)、5.3−5.4(t、1H)と低磁場シフトを示した。このことから、4,6位のベンジリデン基導入を確認した。
より効率的なグルコースアクセプターの調製に向けて、グルコースアクセプターの2位をBz基から、電子供与性のMPM基に変換したものも調製することとした。2位をMPM基にすることで、グルコースアクセプターの調製を簡便にすると共に、アームド糖として、1位SPh基の脱離能の向上、並びに4位糖鎖導入における反応性の向上を期待した。MPM基に変換することで、2位の隣接基関与は失われるが、コハク酸を用いた分子内グリコシル化の立体選択性という特質を利用し、セラミド導入におけるアノメリック位の立体選択性を上手く制御したいと考えられる。
本発明では、当初、哺乳動物に広く存在するスフィンゴシン型のセラミドを用いて研究を進めていた。しかしながら、分子内グリコシル化の有用性が確認できない中、スフィンゴシン型のセラミドが有する不飽和結合のために、研究を遂行する上で様々な困難を強いられた。具体的には、Bn基などを脱保護する際に用いられている接触水素添加法が不飽和結合を還元してしまうために容易に用いることができない点、およびグリコシル化において、NISのような不飽和結合に付加する可能性がある活性化剤を用いることができない点である。また、セラミドのサンプル不足にも苦しめられた。現在では、セラミドを調製する方法がいくつか報告されている((a)Berg,R.V.;Korevaar,C.;Overkleeft,H.;Marel,G.V.;Boom J.V.J.Org.Chem.2004,69,5699−5704.(b)Alexander,M.;Richard,J.K.T.;Robert,J.W.;Norman,Lewis.Synthesis.1994,31−33.(c)Murakami,T.;Furusawa.K.;Tetrahedron.2002,58,9257−9263.)が、分子内グリコシル化の有用性についての確証が早急に望まれた。そこで、まずは、大量に入手でき、保護基、活性化剤等の制限が少なく、詳細な条件検討が可能であるファイトスフィンゴシン型のセラミドを用いて、セラミド導入法の開発を行うこととした。
ファイトスフィンゴシンをスタート物質とし、2位アミノ基にステアリン酸を導入した。続いて、CerH−1、CerH−3をベンジリデン基を用いて、保護したところ、1,3位ベンジリデン体に加えて、3,4位ベンジリデン体が1対1の割合で、生成してくる結果となった。さらに、1,3位ベンジリデン体において、ピリジン(pyr.)溶媒中、室温にて、無水安息香酸を1当量作用させ、セラミド4位水酸基のBz化を行ったところ、反応がわずかしか進まないことが確認された。このことから、セラミド4位水酸基の周りの立体障害がBz化を阻害しているのではないかと考察した(スキーム4)。
前述したセラミドアクセプターの調製1(スキーム5)において、3,4位の選択性、合成効率において課題を残していたが、1,3位ベンジリデン化を検討し、これらの課題を改善した。これまでセラミド1,3位のベンジリデン基を用いた保護には、アセトニトリル溶媒中、室温にて、BDA,p−TsOHを作用させていた。ここで、ベンジリデン基がセラミドの1,3位では六員環を形成し、3,4位では五員環を形成する事実に注目し、40℃の熱をかけて行った。これにより、ベンジリデン基が熱力学的安定な六員環構造を優先して形成し、1,3位ベンジリデン基を用いた保護の収率向上を達成した。その後、化合物15をピリジン(pyr.)溶媒中,40℃にて、無水コハク酸、DMAPを作用させ、4位にコハク酸を導入した。化合物16はカルボキシル基を有しているために非常に高極性となり、精製がきわめて困難であった。そこで、カルボキシル基をBn基で保護した後に精製を行った。続いて、化合物17に80%酢酸水溶液を用いてベンジリデン基の脱保護を行った。ここで、ベンジリデン基が脱保護された1位および3位の水酸基にコハク酸が転位した化合物がそれぞれ確認された。酸性条件下、60℃という反応温度が転位を促進したものと考えられる。続いて、化合物18にジクロロメタン溶媒中、40℃にて、TBDPSCl、TEA、DMAPを作用させ、セラミド1位水酸基の選択的保護を行った。続いて、セラミドの3位をAc基を用いて保護し、化合物20に導いた。最後に、接触水素添加法を用いることで、セラミドアクセプターへと導いた(スキーム6)。
(グルコースドナーとセラミドの縮合)
上述のとおり、当初予定していたセラミドの3位にコハク酸を有するセラミド誘導体は得られず、4位にコハク酸を有するセラミド誘導体を得た。しかしながら、Glcとの大環状を形成する分子内グリコシル化や新たなグルコシルセラミドアクセプターの開発には十分に参考になると考え、得られた4位にコハク酸を有するセラミド誘導体をそのまま用いていくこととした。
先に調製したグルコースドナー8とセラミドアクセプター14を用い、ジクロロメタン溶媒中、室温にて、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド、TEA、DMAPを作用させ、収率75%にてグルコースとセラミドをコハク酸を介して結合した(スキーム7)。懸念されていたグルコースの4位水酸基とセラミドとの縮合物は生成しなかった。その後、Glcの4位をクロルアセチル基で保護した。続いて、セラミド1位のTBDPS基の脱保護を行った。Entry1では、THF溶媒中、室温にて、TBAFを2当量作用させるという条件で行った(表3)。反応開始から3時間でスタート物質がなくなったが、6割近く、セラミド3位のアセチル基が1位へ転移し、またGlcの4位のクロルアセチル基が脱離したものが生成してきた。そこで、entry2の条件では、TBAFの塩基性を緩衝する酢酸を7.5当量加え、TBAFを1.5当量作用させた。この場合は、反応終了まで、18時間かかったが、副生成物も見られず、92%と高収率であった。Entry3は、少しスケールをアップして、entry2と同じ条件で行った。しかし、18時間たっても、反応が終了していなかったため、TBAFを0.5当量追加した。そして、さらに18時間反応させたところ、Glc4位のCA基が脱保護された副生成物が多く生成し、目的化合物の収率は、36%であった。ここで再現性が得られなかった詳細な原因は言及できないが、TBAF1.5当量に対して酢酸を7.5当量用いているため、反応の進行が遅く、スケールアップに伴ってより強くその傾向が現れたものと考えられる。
グルコースドナー10とセラミドアクセプター14とを、ジクロロメタン溶媒中、室温にて、WSC、DMAPを作用させ、2ステップ収率61%で化合物24を得た。続いてGlc4位のクロルアセチル化を収率95%で行った。次に、セラミド1位のTBDPS基の脱保護を行った(スキーム8)。上記脱TBDPS化で、反応時間が長くなるとバイプロの生成が増加してくる傾向がみられることがわかったため、entry1では、THF溶媒中、室温にて、酢酸とTBAFをそれぞれ1当量用いて、反応を行った(表4)。2時間たってもスタートは消失しなかったが、反応を停止し、生成物を確認した。主に2つの生成物が確認された。そのうち一つは、収率22%で、目的化合物26であった。副生成物は、目的化合物よりも極性が少し高く、分子量が1342であった。この化合物を1H−NMRで解析した結果、目的化合物の1H−NMRとほぼ一致したが、CA基のメチレン(−CH2)水素だけが異なり、低磁場シフトしていた。このため、CA基のClがFで置き換わった化合物が生成したのではないかと考えられたが、マススペクトルより得られた分子量が一致せず、同定には至らなかった。続いて、entry2では、3位Ac基の転位やグルコース4位のCA基への影響を抑える目的で、低温条件で反応を行った。THF溶媒中、0℃にて、酢酸を1当量、TBAFを1当量用いて、反応を行った。TLC上では、比較的高収率で進行したようにみられたが、セラミド3位のAc基がセラミドの1位へ転位している副生成物も得られた。この副生成物は、反応中に生成したもの以外にも、精製中に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの酸性によっても、増加していると考えられる。反応温度を低温にしたことで、3位Ac基の転位が多少抑制された結果となった。
これまで、分子内グリコシル化の前にグルコース4位をCA基を用いて保護していたが、効率面を考慮して、その必要性について検討を行った。CA基の存在によって、セラミド1位の脱TBDPS化の際に、様々な副反応が起こり問題となっていた。そこで、セラミド1位の一級水酸基とグルコース4位の二級水酸基との反応性の違い、およびコハク酸で架橋された際の立体環境の違い、分子間と分子内の反応性の違いを検討した。その結果、グルコース4位水酸基の保護を行わなくても目的の分子内グリコシル化が達成されると考えられる。そこで、グルコース4位を保護せず、分子内グリコシル化を行うこととした(スキーム9)。
グルコースドナー10およびセラミドアクセプター14を、溶媒中、室温にて、WSC、DMAPを作用させ、2工程収率61%で化合物24を得た。次に、セラミド1位のTBDPS基の脱保護を行った。THF溶媒中、0℃にて、酢酸を1当量、TBAFを1当量用いて反応を行った。TLC上では、比較的高収率で進行したようにみられたが、収率は58%であった。副生成物として、セラミド3位のAc基がセラミドの1位へ転位している副生成物も得られた。この副生成物は、反応中に生成したもの以外にも、精製中に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの酸性によっても、増加していると考えられる(スキーム10)。
(グルコース(2−Bz 4−CA)とセラミドの分子内グリコシル化)
化合物23をジクロロメタン溶媒中、0℃にて、活性化剤にNIS、TfOHを用いて、反応させたところ、反応は6時間で終了し、収率60%にて、目的の化合物29を得た。1H−NMRにて、グルコースの1位および2位のプロトンのカップリング定数は7.813であり、β体であることを確認した。グルコース2位のBz基によって、完全なβ選択的なグリコシル化が進行した。再現性を得る目的でもう一度同じ条件で分子内グリコシル化を行った結果、反応は3時間で終了し、収率は69%であった(下式)。
化合物26を、ジクロロメタン溶媒中、0℃にて、活性化剤に、NISを2当量、TfOHを0.2当量用いて反応させた。アームド糖として、反応性が期待された化合物であったが、反応の進行は確認されなかった。2時間後、TfOHを0.2当量追加し、温度を室温まで上昇させたが、僅かにラクトールが生成したのみであった。
化合物27をジクロロメタン溶媒中、0℃にて、活性化剤にNISを2.0当量、TfOHを0.3当量を用いて反応させた。この反応は、5時間で終了し、収率85%にて目的の化合物31を得た。1H−NMRから、GlcH−1とGlcH−2とのカップリング定数が7.8Hzであったことから、β体であることを確認した。続いて、化合物27を、ジクロロメタン溶媒中、−20℃にて、活性化剤にNIS3.0当量、TfOH0.3当量を用いて、反応させたところ(entry2)、収率85%にて目的の化合物31を得た。1H−NMRにて、GlcH−1とGlcH−2とのカップリング定数が7.8Hzであったことから、β体であることを確認した。Entry3では、ジクロロメタン溶媒中、0℃にて、活性化剤にDMTSTを1.5当量用いて、反応を行ったところ、2時間で反応は終了し、収率75%にて、目的の化合物31を得た。1H−NMRにて、GlcH−1とGlcH−2とのカップリング定数が7.8Hzであったことから、β体であることを確認した。活性化剤にDMTSTを用いた系(entry3)でも反応が進行したことから、不飽和結合を有するため、活性化剤としてNISを用いることができないスフィンゴシン型のセラミドにおいても、本法の適用が期待できる結果となった。Entry1〜3の全てにおいて、グルコース2位Bz基の隣接基関与によって、β選択的に目的とする化合物が得られた。しかしながら、entry1〜3の全ての反応において僅かながら、副生成物の存在が確認された。この化合物は、目的化合物と一致する分子量を持つが、1H−NMRスペクトル上に違いが現れた。GlcH−2は、Bz基の存在にもかかわらず高磁場シフトしており、GlcH−3およびGlcH−5は目的化合物に比べてやや低磁場シフトしていた。そして、GlcH−4は遊離のまま存在しているが、GlcH−6は、低磁場シフトしていた。さらに、GlcH−1とGlcH−2とのカップリング定数は10.9Hzであった。以上の点から、副生成物はオルソエステルであると予想した。オルソエステルの生成により、2位Bz基のカルボニル基が消失し、電子吸引性が低下したものと考えられる。また、GlcH−3、GlcH−5、GlcH−6が低磁場シフトしたことについては、コハク酸の架橋によるピラノース環のひずみによるものと推測される。オルソエステル生成時におけるGlcH−1とGlcH−2のカップリング定数が10.9Hzとやや大きいが、こちらもコハク酸による架橋が影響しているのではないかと考えられる。
まず、化合物28をジクロロメタン溶媒中、0℃にて、活性化剤にNISを2.0当量、TfOHを0.2当量を用いて反応させた。この反応は、1時間半ほどで終了し、収率55%(α/β比は1/1)にて目的化合物32を得た。続いて、entry2では、ジクロロメタン溶媒中、−40℃にて、活性化剤にNIS2.0当量、TfOH0.2当量を用いて、反応を行ったところ、5時間で反応は終了し、収率74%(α/β比は1/1)にて目的化合物32を得た。続いて、entry3では、ジクロロメタン溶媒中、−80℃にて、活性化剤にNIS2.0当量、TfOH0.2当量を用いて、反応を行った。entry3では、反応の進行が見られなかったため、NIS2.0当量とTfOH0.2当量を追加し、反応温度を−60℃、−40℃、0℃と徐々に上げていった。36時間反応させたが原料は消失せず、副生成物として少量のヘミアセタール体を確認した。続いて、entry4では、アセトニトリル溶媒中、−40℃にて、活性化剤にNIS2.0当量、TfOH0.2当量を用いて、反応を行ったところ、反応の進行が遅く35時間後に反応温度を0℃にした。48時間で反応は終了し、収率28%(α/β比は1/6.3)にて目的化合物32を得た。この時副生成物として、大量のラクトールが確認された。アセトニトリルの溶媒効果によって、ジクロロメタン溶媒に比べ、β選択性は向上したが、アセトニトリル溶媒に−40℃という反応温度が低かったためか、反応の進行が緩やかであった。極性溶媒であるアセトニトリルを用いた反応は通常加速され、ニトリル溶媒効果と合わさり、β選択性が高まると考えられる。しかしながら、反応が緩やかに進行したために本来のβ選択性が発揮されなかったのではないかと考察した。続いて、entry5では、アセトニトリル溶媒中、0℃にて、活性化剤にNISを3.0当量、TfOHを0.3当量を用いて、反応を行ったところ、1.5時間で反応は終了し、収率81%(α/β比は1/8.4)にて目的化合物32を得た。この場合は、反応が早く進行し、β配位のカウンターアニオンを経ることなく、アセトニトリルの溶媒効果も合わさって、高いβ選択性が得られたものと考えられる。次にentry6では、アセトニトリル溶媒中、−20℃にて、活性化剤にNIS3.0当量、TfOH0.3当量を用いて、反応を行い、3時間で反応を終了させ、収率47%(α/β比はβonly)にて目的化合物32を得た。0℃のentry5と比べて、反応の進行が遅く、副生成物としてヘミアセタール体が確認された。Entry7では、α選択性を目的として、ジエチルエーテル溶媒中、0℃にて、活性化剤にNIS3.0当量、TfOH0.3当量を用いて、反応を行ったところ、反応の進行が遅く20時間後に反応温度を室温にした。25時間で反応は終了し、収率44%(α/β比は1/1.9)にて目的化合物32を得た。ジエチルエーテルを用いたときは通常反応は緩やかに進行し、insitu anomerizationによってα選択的なグリコシル化が起こる。しかしながら、コハク酸を用いた架橋が不適切であるためか、目立ったα選択性は見られなかった。Entry8では、アセトニトリル溶媒中、0℃にて、活性化剤にDMTST4.0当量を用いて、反応を行ったところ、1時間で反応は終了し、収率76%(α/β比は1/6)にて目的化合物32を得た。活性化剤にDMTSTを用いた系でも反応が進行したことから、不飽和結合を有し、活性化剤にNISが用いられないスフィンゴシン型のセラミドにおいても本法の適用が期待できる結果となった。
(シアリルガラクトースドナーとグルコシルセラミドアクセプターの縮合)
分子内グリコシル化を用いるセラミドの導入にも2種類の合成戦略が考えられる。一つ目は、糖鎖構築後に分子内グリコシル化を用いる方法である(上式:糖鎖構築後に分子内グリコシル化を用いる方法)。また、二つ目の方法は、先に糖鎖還元末端となるグルコースにセラミドを、コハク酸を介した分子内縮合によって導入し、その後、グルコシルセラミドアクセプターとして、糖鎖へ導入する方法である(上式:グルコースに分子内グリコシル化を用いグルコシルセラミドアクセプターを利用する方法)。先の合成戦略において、まず単糖のグルコースを用いて、セラミドと架橋し、分子内グリコシル化を行い、その結果を受けて二つの合成戦略をそれぞれ検討していくと述べた。そこで、まずは、合成戦略の2つ目の方法の得られたグルコシルセラミドアクセプターを用いて、糖鎖(Neuα(2−3)Gal)に導入することとした。
1Hおよび13C NMRスペクトルを、Varian INOVA 400および500により測定した。化学シフトを、δ0 ppmに調節したMe4Siのシグナルと相対的なppm(δ)で示す。MALDI−TOF MSスペクトルを、マトリックスとしてα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸(CHCA)を使用したBruker Autoflexでの推定イオン形式で記録した。モレキュラーシーブを、Wako Chemicals Inc.から購入し、使用前に、マッフル炉中で300℃、2時間、乾燥させた。反応媒体としての溶媒をモレキュラーシーブで乾燥させ、精製せずに用いた。TLC分析を、Merck TLC(ガラスプレート上シリカゲル60F254)上で実施した。Fuji Silysia Co.により製造されたシリカゲル(80メッシュおよび300メッシュ)を、フラッシュカラムクロマトグラフィーに用いた。シリカゲルの量は、充填したサンプルの200〜400倍の重量として通常見積もった。カラムクロマトグラフィーにおける溶媒系は、v/vで記載した。エバポレーションおよび濃度を減圧下で実施した。比旋光度を、Horiba SEPA−300高感度偏光計で測定した。
まず、化合物1に45℃にて、Ac2O、ピリジン(pyr.)を作用させ、定量的に化合物2を得た。その後、グルコースのアノメリック位をSPh基で保護するため、アルゴン雰囲気下、CH2Cl2溶媒中、室温にて、PhSHとBF3・OEt2を作用させ、収率67%で化合物3へと導いた。続いて、アルゴン雰囲気下、MeOH溶媒中、室温にて、MeONaを作用させ、2,3,4,6位のAc基を脱保護し、収率93%にて化合物4を得た。続いて、化合物4にアルゴン雰囲気下、MeCN溶媒中、室温にて、BDAとp−TsOHを作用させ、収率93%にて、化合物5を得た。なお、生成物の構造決定のため、化合物5をAc化し、1H−NMRスペクトルを確認したところ、化合物5の2位プロトンのシグナルδ(ppm)3.4(m、1H)と3位プロトンのシグナル3.8(m、1H)が、それぞれ5.0(t、1H)、5.3−5.4(t、1H)と低磁場シフトを示した。このことから、4,6位のベンジリデン基導入を確認した。
ピリジン(3.56 mL)中、化合物6(171 mg,0.356 mmol)の溶液に、塩化ベンゾイル(62.0 μL,0.534 mmol)およびDMAP(4.35 mg,0.036 mmol)を添加した。そしてこの混合物を、室温で4時間攪拌した。出発物質が完全に消費したことを、TLC分析(トルエン/MeOH 50/1)で確認した。この反応混合物に0℃でメタノールを添加し、トルエンで共エバポレートした。この混合物をCHCl3で希釈し、2 M HCl、H2O、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。残渣を、シリカゲル(CHCl3)のカラムクロマトグラフィーにより精製し、7(166 mg,80%)を得た。
AcOH(15.0 mL)中、化合物7(200 mg,0.330 mmol)の溶液に、H2O(3.00 mL)を添加した。40℃で12時間攪拌(TLCモニタリング:トルエン/EtOAc 1/1)した後、この混合物をCHCl3で希釈し、そしてH2O、飽和水性のNaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。この残渣を、シリカゲルのクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 3/1)により精製して8(145 mg,86%)を得た。
(フェニル4,6−O−ベンジリデン−1−デオキシ−2,3−ジ−O−p−メトキシベンジル−1−チオ−β−D−グルコピラノシド(9)の調製)
Hiromune Ando, Yusuke Koike, Hideharu Ishida, and Makoto Kisoら、Tetrahedron Letters 44 (2003) 6883-6886の記載に基づいて、以下の実験を行った。
(グルコースドナー10(2−MPM)の調製)
化合物8の調製と同様の方法を使用して、以下の実験を行った。例えば、化合物9に83%酢酸を30℃で作用させ、収率86%にてグルコースドナー10(2−MPM)を調製した。
CH2Cl2中、化合物11の溶液に、WSC存在下、ステアリン酸を添加した。室温で攪拌し、12(96%)を得た。
mL,1.03 mmol)およびDMAP(209 mg,1.71 mmol)を添加した。室温で20時間攪拌(TLCモニタリング:CHCl3/MeOH 50/1)した後、この混合物にMeOHを0℃で添加した。濃縮後、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH 100/1)により精製し、13(533 mg,76%)を得た。
(セラミド誘導体14の調製1)
Numata, M.; Sugimoto, M.; Koike, K.; Ogawa, T.; Carbohydr. Res.1990, 203, 205−217.の記載に基づいて、以下の実験を行った。例えば、化合物13を、ピリジン溶媒中、室温にて、DMAP存在下、無水コハク酸を1当量と作用させ、次いで、40℃に昇温した。この生成物をAc2Oで処理して、4位にコハク酸を有するセラミド誘導体14を得た(2工程で収率40%)。
Numata, M.; Sugimoto, M.; Koike, K.; Ogawa, T.; Carbohydr. Res.1990, 203, 205−217.の記載に基づいて、以下の実験を行った。例えば、化合物12を、アセトニトリル溶媒中、BDA、p−TsOHを加えて、40℃の熱をかけ、化合物15を得た。この化合物15をピリジン溶媒中、40℃にて、無水コハク酸、DMAPを作用させ、4位にコハク酸を導入した化合物16を得た。
MeCN(130 mL)およびDMF(130 mL)中、化合物16(10.0 g,13.0 mmol)の溶液に、K2CO3(1.80 g,13.0 mmol)およびBnBr(1.70 mL,14.3 mmol)を添加した。この混合物を室温で16時間攪拌(TLCモニタリング: トルエン/EtOAc 2/1)した。この反応混合物をトルエンで共エバポレートし、CHCl3で抽出した。有機相を、2 M HCl、H2O、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 40/1)により精製し、17 (9.0 g,80%)を得た。
AcOH(0.8 mL)中、化合物17(20.3 mg,0.023 mmol)の溶液に、H2O(0.2 mL)を添加した。60℃で12時間、攪拌(TLCモニタリング:トルエン/EtOAc 2/1)した後、この混合物をCHCl3で希釈し、H2O、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 2/1)により精製し、18(11.0 mg,62%)を得た。
1,2−ジクロロエタン(1.3 mL)中、化合物18(100 mg,0.129 mmol)およびトリエチルアミン(1.0 mL)の溶液に、TBDPSCl(66.5 μL,0.259 mmol)およびDMAP(30.6 mg,0.250 mmol)を添加した。この混合物を、40℃で12時間攪拌した。出発物質が完全に消費したことを、TLC分析(トルエン/EtOAc 1/1)で確認した後、0℃でMeOHを添加した。この反応混合物を、エバポレートし、30時間、真空ラインで引いた。この残渣を、ピリジン(3.0 mL)に溶解し、Ac2Oを添加した。この混合物を、室温で、16時間、攪拌(TLCモニタリング : トルエン/EtOAc 2/1)した。この反応混合物を、トルエンで共エバポレートし、CHCl3で抽出した。有機相を、2 M HCl、H2O、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 4/1)により精製し、20(98.0 mg,72%)を得た。
(セラミド誘導体14の調製2)
Numata, M.; Sugimoto, M.; Koike, K.; Ogawa, T.; Carbohydr. Res.1990, 203, 205−217.の記載に基づいて、以下の実験を行った。例えば、化合物20を、EtOH中、Pd(OH)2を使用して、40℃で、接触水素添加法を用いることで、セラミドアクセプター14を得た。
CH2Cl2(2.12 mL)中、化合物14(204 mg,0.212 mmol)の溶液に、2,4,6−トリクロロ塩化ベンゾイル(50.0 μL,0.318 mmol)、DMAP(39.0 mg,0.318 mmol)、トリエチルアミン(44.4 μL,0.318 mmol)および化合物8(105 mg,0.212 mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。出発物質が完全に消費したことを、TLC分析(トルエン/EtOAc 2/1)で確認した。この混合物を、CHCl3で希釈し、そして飽和水溶性NaHCO3、H2O、およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1/6)により精製し、21(229 mg,75%)を得た。
CH2Cl2(2.20 mL)中、化合物21(200 mg,0.138 mmol)の溶液に、トリエチルアミン(38.7 μL,0.277 mmol)および無水クロロ酢酸(47.4 mg,0.277 mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。出発物質が完全に消費したことを、TLC分析(EtOAc/ヘキサン 1/3)で確認した。この反応混合物に、0℃でメタノールを添加し、この混合物をCHCl3希釈し、2 M HCl、H2O、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1/8)により精製し、22(208 mg,98%)を得た。
THF(224 μL)中、化合物22(17.0 mg,0.011 mmol)の溶液に、AcOH(5.00 μL,0.084 mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(16.8 μL,0.017 mmol)を添加した。この混合液を、室温で18時間攪拌した。出発物質が完全に消失したことをTLC分析(EtOAc/ヘキサン 1/1)で確認した。この混合物を、CHCl3で希釈し、2 M HCl、飽和水性NaHCO3で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。この残渣を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 2/3)により精製、23(13.2 mg,92%)を得た。
CH2Cl2(9.6 mL)中、化合物10(490 mg,0.957 mmol)および化合物14(1.11 g,1.15 mmol)の溶液に、WSC(550 mg,2.87 mmol)を添加した。この混合物を、室温で6時間攪拌した。反応を終わりを、TLC(トルエン/EtOAc 3/1)で確認した。この反応混合物を、CHCl3で希釈し、H2Oおよびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:3)により精製し、24(851 mg,61%)を得た。
CH2Cl2(1.6 mL)中、化合物24(150 mg,0.103 mmol)の溶液に、トリエチルアミン(28.8 μL,0.206 mmol)および無水クロロ酢酸(35.1 mg,0.205 mmol)を添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。出発物質が完全に消費したことを、TLC分析(EtOAc/ヘキサン 1/3)で確認した後、0℃でMeOHを添加した。この混合物を、CHCl3で希釈し、2 M HCl、H2O、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 2/9)により精製し、25(158 mg,定量的)を得た。
THF (1.0 mL)中、化合物25(157 mg,0.102 mmol)の溶液に、AcOH(6.4 μL,0.102 mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(102 μL,0.102 mmol)を添加した。0℃で3時間、攪拌(TLCモニタリング:EtOAc/ヘキサン 1/1)した後、この混合液を、CHCl3で希釈し、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1/4)により精製し、26(76 mg,58%)を得た。
THF(338 μL)中、化合物21(48.8 mg,0.034 mmol)の溶液に、AcOH(6.0 μL,0.101 mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(102 μL,0.102 mmol)を添加した。0℃で12時間攪拌(TLCモニタリング:EtOAc/ヘキサン 1/2)した後、この混合物を、CHCl3で希釈し、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 1.5:1)により精製し、27(30 mg,75%)を得た。
THF(1.1 mL)中、化合物24(157 mg,0.108 mmol)の溶液に、AcOH(6.5 μL,0.108 mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(110 μL,0.110 mmol)を添加した。0℃で3時間、攪拌(TLCモニタリング:EtOAc/ヘキサン 1/1)した後、この混合液を、CHCl3で希釈し、飽和水性NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 3/2)により精製し、28(76 mg,58%)を得た。
[α]D + 0.39° (c 1.9, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 6.60−8.10 (m, 24H, 5Ph), 5.95 (s, 1H, J2,NH=9.5 Hz, NH), 5.35 (dd, 1H, H−3Cer), 5.19 (t, 1H, J1,2 = J2,3 = 9.9 Hz, H−2Glc), 4.95 (dt, 1H, H−4Cer), 4.76 (d, 1H, J1,2 = 9.9 Hz, H−1Glc), 4.66 (d, 1H, Jgem = 11.0 Hz, PhCH2), 4.63 (d, 1H, Jgem = 11.0 Hz, PhCH2), 4.46 (dd, 1H, H−6’Glc), 4.39 (dd, 1H, H−6’Glc), 4.22 (m, 1H, H−2Cer), 3.72 (m, 1H, H−4Glc), 3.71 (s, 3H, OMe), 3.63 (m, 1H, H−3Glc), 3.53 (m, 1H, H−5Glc), 2.60−2.66 (2d, 4H, −OCOCH2CH2COO−), 1.00−2.20 (m, 58 H, −CH2−), 0.90 (t, 6H, 2−CH3); 13C NMR (125 MHz, CDCl3): d 172.7, 172.2, 171.9, 170.5, 165.1, 159.3, 135.7, 135.5, 133.2, 132.8, 132.6, 129.9, 129.8, 129.7, 128.7, 128.4, 127.9, 127.8, 127.8, 113.8, 86.3, 82.9, 73.9, 72.1, 71.6, 69.8, 63.0, 62.3, 55.1, 49.2, 36.8, 31.9, 29.7, 29.7, 29.6, 29.5, 29.4, 29.4, 29.4, 29.1, 27.9, 26.8, 25.7, 22.7, 20.7, 19.2, 14.1; MALDI−TOF−MS: m/z = 1464 [M + Na]+ .
(フェニル 6−O−[{(2S,3S,4R)−3−O−アセチル−2−オクタデカノイルアミノ−オクタデカン−4−イルオキシ}カルボニルプロパノイル]−2−O−ベンゾイル−3−O−4−メトキシベンジル−1−チオ−β−D−グルコピラノシド(8)
THF (338μL)中の化合物7(48.8 mg, 0.034 mmol)の溶液に、AcOH (6.0μL,0.101 mmol)およびフッ化テトラブチルアンモニウム(102μL,0.102 mmol)を添加した。0℃で12時間攪拌した後(TLCモニタリング:EtOAc/ヘキサン 1/2)、この混合物をCHCl3で希釈し、sat. NaHCO3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)そして濃縮した。この残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーを行い(トルエン/EtOAc 1.5/1)、化合物8を得た(30 mg,77%):
[α]D + 7.4° (c 0.6, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 6.66−8.05 (m, 13H, 3 Ph), 6.23 (d, 1H, J2,NH = 9.0 Hz, NH), 5.21 (t, 1H, J1,2 = J2,3 = 10.0 Hz, H−2Glc), 5.01−5.06 (m, 2H, H−3Cer, H−4Cer), 4.78 (d, 1H, J1,2 = 10.0 Hz, H−1Glc), 4.63 (2 d, 2H, Jgem = 11.5 Hz, PhCH2), 4.48 (dd, 1H, Jgem = 12.0 Hz, H−6’Glc), 4.39 (dd, 1H, Jgem = 12.0 Hz, H−6Glc), 4.19 (m, 1H, H−2Cer), 3.65−3.74 (m, 6H, H−1’Cer, H−3Glc, H−4Glc, OMe), 3.54−3.59 (m, 2H, H−1Cer, H−5Glc), 2.60−2.75 (m, 4H, −OCOCH2CH2COO−), 2.15 (s, 3H, OAc), 1.20−2.20 (m, 58H, −CH2−), 0.89 (t, 6H, 2−CH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): d 173.3, 172.6, 171.9, 171.5, 165.2, 159.3, 133.2, 132.8, 132.5, 129.8, 129.8, 129.7, 129.0, 128.7, 128.4, 128.2, 127.8, 125.3, 113.7, 86.4, 82.9, 77.8, 74.5, 73.4, 73.2, 72.0, 69.7, 63.3, 61.4, 55.1, 49.6, 36.7, 31.9, 29.7, 29.6, 29.5, 29.3, 29.3, 29.1, 28.6, 25.6, 25.5, 22.7, 20.9, 14.1; MALDI−TOF−MS: m/z = 1226 [M + Na]+ .
(2−O−ベンゾイル−3−O−4−メトキシベンジル−β−D−グルコピラノシル−(1(R)1)−(2S,3S,4R)−3−O−アセチル−2−オクタデカノイルアミノ−オクタデカン−4,6−スクシネート(9)
CH2Cl2 (1.2 mL)中の化合物8(43 mg,0.036 mmol)の溶液に、MS4Å(40 mg)を添加した。1時間攪拌後、この懸濁液に、NIS (16.0 mg、0.071 mmol)およびTfOH (0.6 μL,0.0079 mmol)を添加した。この混合物を5時間攪拌した。反応の終了をTLC (トルエン/EtOAc 1/1)で確認した。反応混合物をCeliteを通して濾過した。合わせた濾液および洗浄液をCHCl3で抽出し、sat. NaHCO3,sat. Na2S2O3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーを行い(トルエン/EtOAc 3:1)、化合物9 (33 mg, 85%)を得た:
[α]D + 3.7° (c 1.1, CHCl3); 1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 6.67−8.00 (m, 9H, 2 Ph), 6.02 (d, 1H, J2,NH = 9.0 Hz, NH), 5.18 (m, 2H, J1,2 = 7.5 Hz, H−4Cer, H−2Glc), 5.10 (t, 1H, H−3Cer), 4.66 (d, 1H, Jgem = 11.5 Hz, PhCH2), 4.55 (d, 1H, Jgem = 11.5 Hz, PhCH2), 4.47 (d, 1H, J1,2 = 7.5 Hz, H−1Glc), 4.39 (m, 3H, J1,2 = 5.5 Hz, H−2Cer, H−6Glc, H−6’Glc), 3.81 (dd, 1H, Jgem = 11.5 Hz, J1,2 = 5.5 Hz, H−1Cer), 3.73 (s, 3H, OMe), 3.61−3.69 (m, 3H, H−1Cer, H−3Glc, H−5Glc), 3.49 (dt, 1H, H−4Glc), 2.50−2.80 (m, 4H, −OCOCH2CH2COO−), 2.10 (s, 3H, OAc), 1.10−2.00 (m, 58H, −CH2−), 0.84 (t, 6H, 2−CH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): d 172.9, 171.4, 171.2, 170.8, 165.0, 159.3, 133.3, 129.8, 129.7, 129.6, 129.5, 128.5, 114.0, 113.9, 100.1, 81.5, 74.7, 74.3, 73.8, 73.7, 72.7, 70.4, 63.8, 55.1, 47.4, 37.4, 37.1, 36.5, 33.5, 32.7, 31.9, 30.2, 30.0, 29.7, 29.6, 29.6, 29.5, 29.5, 29.4, 29.3, 29.3, 29.2, 27.4, 27.1, 25.4, 25.0, 24.4, 22.7, 21.0, 19.7, 14.1; MALDI−TOF−MS: m/z = 1116 [M + Na]+.
(メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−β−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート)−(2→3)−(2,4,6−トリ−O−ベンゾイル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2−O−ベンゾイル−3−O−4−メトキシベンジル−β−D−グルコピラノシル−(1→1)−(2S,3S,4R)−3−O−アセチル−2−オクタデカノイルアミノオクタデカン−4,6−スクシネート(11)
[α]D +24.4° (c 0.7, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 7.34−8.21 (m, 20H, 4Ph), 6.43−7.01 (2d, 4H, PMB), 5.94 (d, 1H, J2,NH = 8.2 Hz, NHCer), 5.68 (m, 1H, H−8Neu), 5.55 (near t, 1H, J1,2 = 8.2 Hz, H−2Gal), 5.36 (d, 1H, H−4Gal), 5.24 (dd, 1H, H−7Neu), 5.04−5.12 (m, 3H, J1,2 = 8.2 Hz, H−1Gal H−3Cer, J1,2 = 7.8 Hz, H−2Glc), 4.91−4.98 (m, 3H, H−4Cer, NHNeu, H−3Gal), 4.81 (m, 1H, H−4Neu), 4.66−4.87 (2d, 2H, Jgem = 11.0 Hz, PhCH2), 4.42 (dd, 1H, Jgem = 12.4 Hz, H−9’Neu), 4.14−4.37 (m, 7H, H−5Gal, H−6Gal, H−6’Gal, H−6Glc, H−6’Glc, J1,2 = 7.8 Hz, H−1Glc, H−2Cer), 4.05 (dd, 1H, Jgem = 12.4 Hz, H−9Neu), 3.71−3.82 (m, 8H, H−1Cer, H−1’Cer, H−3Glc, H−4Glc, H−5Neu, OMe), 3.61 (dd, 1H, H−6Neu), 3.57 (s, 3H, OMe), 3.50 (t, 1H, H−5Glc), 2.36−2.67 (m, 4H, −OCOCH2CH2COO−), 2.48 (dd, 1H, H−3eqNeu), 1.64 (m, 1H, H−3axNeu), 1.52−2.18 (6s, 18H, OAc), 1.10−1.40 (m, 58H, −CH2−), 0.87 (t, 6H, 2−CH3); 13C NMR (100 MHz, CDCl3): d 172.84, 170.97, 170.90, 170.75, 170.67, 170.61, 170.25, 170.08, 168.16, 165.73, 165.56, 165.05, 158.82, 133.33, 133.12, 130.36, 130.15, 129.88, 129.78, 129.72, 129.63, 129.35, 128.56, 128.53, 128.31, 113.37, 101.29, 98.78, 96.94, 79.50, 78.72, 77.66, 74.53, 74.36, 73.36, 73.12, 73.06, 71.95, 71.55, 71.41, 70.94, 69.39, 68.23, 67.61, 66.59, 63.33, 62.35, 61.72, 54.97, 53.23, 48.82, 46.55, 37.35, 36.34, 31.93, 30.80, 30.04, 29.67, 29.62, 29.55, 29.45, 29.38, 29.20, 25.30, 25.15, 23.16, 22.70, 21.47, 20.93, 20.83, 20.73, 20.41, 14.13; MALDI−TOF−MS: m/z = 2064 [M+Na]+.
(化合物30の調製)
例えば、上記と同様の方法を使用して、以下の表1に記載される条件で反応させると、化合物30を得た。
CH2Cl2(1.2 mL)中、化合物27(43 mg,0.036 mmol)の溶液に、モレキュラーシーブ4Å(MS4Å)(40 mg)を添加した。1時間、攪拌した後、この懸濁液に、NIS(16.0 mg 0.071 mmol)およびTfOH(0.6μL,0.0079 mmol)を添加した。この混合液を5時間攪拌した。反応を終わりを、TLC(トルエン/EtOAc 1/1)により確認した。この反応混合物を、セライトにより濾過した。合わせた濾過物および洗浄物をCHCl3で抽出し、そして飽和水性NaHCO3、飽和水性Na2S2O3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 3:1)により精製し、31(33 mg,85%)を得た。
MeCN(870 μL)中、化合物28(32 mg,0.026 mmol)の溶液に、モレキュラーシーブ3Å(MS3Å)(30 mg)を添加した。1時間、攪拌した後、この懸濁液に、NIS(17.7 mg 0.079 mmol)およびTfOH(0.7 μL,0.0079 mmol)を添加し、1.5時間にわたって攪拌を続けた。反応の終わりを、TLC(トルエン/EtOAc 1/1)で確認した。この反応混合物を、セライトでろ濾過した。合わせた濾過物および洗浄物を、CHCl3で抽出し、飽和水性NaHCO3、飽和水性Na2S2O3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 3/1)により精製し、32(2.5 mg,9%)を得た。
MeCN(870 μL)中、化合物28(32 mg,0.026 mmol)の溶液に、MS3Å(30 mg)を添加した。1時間、攪拌した後、この懸濁液に、NIS(17.7 mg 0.079 mmol)およびTfOH(0.7 μL,0.0079 mmol)を添加し、そして1.5時間にわたって攪拌を続けた。反応を終わりを、TLC (トルエン/EtOAc 1/1)により確認した。この反応混合物を、セライトにより濾過した。合わせた濾過物および洗浄物を、CHCl3で抽出し、そして飽和水性NaHCO3、飽和水性Na2S2O3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 3/1)により精製し、32(21 mg,72%)を得た。
Hiromune Ando, Yusuke Koike, Hideharu Ishida, and Makoto Kisoら、Tetrahedron Letters 44 (2003) 6883-6886の記載に基づいて、以下の実験を行った。
CH2Cl2(430μL)中、化合物32(23.9 mg,0.022 mmol)および化合物33(60.0 mg,0.054 mmol)の溶液に、モレキュラーシーブ(AW300)(84 mg)を添加した。1時間、攪拌した後、この懸濁液に、TMSOTf(CH2Cl2中、0.55 M溶液、0.2μL,0.001 mmol)を添加した。この反応の進行を、TLC(トルエン/EtOAc 1/3)によりモニタリングした。攪拌の7時間後、この反応混合物をCelite(登録商標)のパッドにより濾過した。この濾過物を、CHCl3で希釈し、有機相を飽和水性NaHCO3、飽和水性Na2S2O3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(トルエン/EtOAc 2/5)により精製し、34(32 mg,72%)を得た。
(フィトスフィンゴシン GM3の脱保護)
1,2−ジクロロエタン(800 μL)中の化合物1(38 mg, 0.0184 mmol)の溶液に、 トリフルオロ酢酸(370 μL)を加えた。この混合物を7時間室温で攪拌した。開始物質の完全な消費をTLC分析(EtOAc/ヘキサン 6/1)で確認した後、0℃で、Et3Nを添加した。反応混合物をエバポレートし、トルエンとともに同時に蒸発させた。エバポレーションの後に、30時間ポンプで減圧にした。残留物をMeOH (1.0 mL)に溶解させ、NaOMe (7.2 mMのMeOH溶液, 100 μL, 0.00518 mmol)を、0℃で添加した。室温で26時間攪拌した後(TLCモニタリング:BuOH/MeOH/H2O 10/1/1)、この混合物に0℃でH2Oを添加した。この混合物を室温で10時間攪拌した(TLCモニタリング: BuOH/MeOH/H2O 10/1/1)。この反応混合物をDowex (H+)で中和し、濾過した。濾液を合わせ、洗浄液を濃縮した。残留物を、Sephadex LH−20 200 (g)のカラムクロマトグラフィー(MeOH)によって、化合物3(22.1 mg, 定量的)を得た。
化合物18と化合物5をアルゴン下、CHCl3に溶解し、AW300を加え、攪拌する。TMSOTfを加え、攪拌する。反応終了後、セライト濾過をし、ろ液をクロロホルムで希釈し、炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄した後、カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物19を得る。
化合物19をアルゴン下、CH2Cl2に溶解し、TFAを加え、攪拌する。反応終了後、Et3Nを加え、トルエン共沸を行い、残留物を減圧下、乾燥する(化合物20)。続いて、化合物20をアルゴン下、MeOHに溶解させ、NaOMeを加え、攪拌する。H2Oを加え、攪拌する。反応終了後、Dowex(H+)で中和を行い、綿濾過し、ろ液をSephadex LH−20(MeOH)にてゲル濾過し、化合物21を得る。
(3糖の合成)
(化合物31Aの調製)
4−メトキシフェニル[メチル4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−5−(2,2,2−トリクロロエトキシカルバモイル)−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート(nonulopyranosylonate)]−(2→3)−(2,6−O−ジ−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2,3,6−O−トリ−ベンジル−β−D−グルコピラノシド(31A)
化合物25A(500 mg,0.557 mmol:Borbas, A.; Csavas, M.; Szilagyi, L.; Majer, G.; Liptak, A. J. Carbohydr. Chem. 2004, 23, 133−146.に従って調製した)と化合物30A(796 mg,1.11 mmol:Ando, H.; Koike, Y.; Ishida, H.; Kiso, M. Tetrahedron Lett. 2003, 44, 6883−6886.に従って調製した)を、10:1 C2H5CN−CH2Cl2(8.5 ml)に溶解し MS−4A(1.3 g)存在下室温にて1時間攪拌した。その後、N−ヨードスクシンイミド(501mg,2.22mmol)を加え、−50℃に冷却、トリフルオロメタンスルホン酸(24 μl,0.274 mmol)を加え−50℃にて6時間攪拌した。TEAを加え中和後、固形物をセライト濾過しクロロホルムにて洗浄した。濾液と洗液を合わせNaHCO3 sat.、H2O 、Na2S2O3、H2O、sat.、ブラインの順で洗浄、得られた有機層をNa2SO4にて乾燥し有機層と固形物とに濾別した。濾液と洗液を合わせ減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン:AcOEt=6:1)にて精製し、化合物31α(468 mg,45%)を得た。さらに、副生成物として化合物31β(146 mg,14%)を得た。
4−メトキシフェニル[メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート]−(2→3)−(4−O−アセチル−2,6−O−ジ−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2,3,6−O−トリ−ベンジル−β−D−グルコピラノシド(33A)
化合物31A(50 mg,0.0333 mmol)を、3:1 AcOH−(CH2Cl)2(1 ml)に溶解しZn(Cu)(250 mg)存在下50℃にて1.5 時間攪拌した。その後、セライト濾過を行い固形物を濾別しクロロホルムにて洗浄した。濾液と洗液を合わせH2O、NaHCO3 sat.、H2O、ブラインの順で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4にて乾燥、有機層と固形物とを濾別しトルエンと共に減圧濃縮して得られたシロップを減圧下で1時間乾燥。その後、ピリジンに溶解させ氷浴で冷却後、無水酢酸(50 μl,)と4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)触媒量を加えた後、氷浴を除き2.5時間攪拌した。その後、MeOHを加え反応を停止、減圧濃縮して得られたシロップを2N HCl、H2O、NaHCO3 sat.、H2O、ブラインの順で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4にて乾燥、有機層と固形物を濾別し濾液と洗液を合わせ減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=60:1)にて精製し、化合物33A(35 mg,75%)を得た。
4−メトキシフェニル[メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート]−(2→3)−(2,4,6−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2,3,6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド(35A)
化合物33A(450 mg,0.318 mmol)を、1:1 EtOH−THF(5 ml)に溶解し Pd(OH)2−C(1.0 g)を加え水素ガス気流下40℃にて1 時間攪拌した。反応終了後、固形物をセライト濾過しククロホルムにて洗浄した。濾液と洗液を合わせトルエンと共に減圧濃縮した。得られたシロップを減圧下で1時間乾燥。その後、Ar置換し、ピリジンに溶解、氷浴で冷却後無水酢酸(1 ml)と4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を触媒量加え氷浴を除き5時間攪拌した。氷浴で冷却後MeOHを加え反応を停止、減圧濃縮して得られたシロップを2N HCl、H2O 、NaHCO3 sat.、H2O、ブラインの順で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4にて乾燥、有機層と固形物と濾別し濾液と洗液を合わせ減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=50:1)にて精製し、化合物35A(358 mg,96%)を得た。
メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート]−(2→3)−(2,4,6−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2,3,6−O−アセチル−α−D−グルコピラノシルトリクロロアセトイミデート(37A)
化合物35A(53 mg,0.0452 mmol)を 6:5:3 トルエン−MeCN−H2O(2 ml)に溶解し、氷浴にて冷却後、硝酸ジアンモニウムセリウム(IV)(CAN)(74 mg)を加えた。15分後、氷浴を除き室温にて5.5 時間攪拌した。反応終了後、AcOEtにて溶液を希釈し、H2O 、NaHCO3 sat.、H2O、ブラインの順で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4にて乾燥、有機層と固形物を濾別し濾液と洗液を合わせ減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=25:1)にて精製し、化合物36Aを得た。
メチル5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート]−(2→3)−(2,4,6−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2,3,6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル−(1→1)−2−(テトラデシル)−ヘキサデカノール(38A)
化合物8A
(91 mg,0.207 mmol)と化合物37A(50 mg,0.0414 mmol)を CH2Cl2(2.5 ml)に溶解し AW300(150 mg)存在下室温にて1時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、TMSOTf(1.5 μl,0.0082 mmol)を加え、0℃にて 10 時間攪拌した。 TEAを加え中和後、固形物をセライト濾過しクロロホルムにて洗浄した。濾液と洗液を合わせNaHCO3 sat.、H2O、sat.、ブラインの順で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4にて乾燥、有機層と固形物と濾別し濾液と洗液を合わせ減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン:アセトン=2:1)にて精製し、化合物38A(22 mg,36%)得た。
5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシル−(1→1)−2−(テトラデシル)ヘキサデカノール(3A)
化合物38A(22 mg,0.0148 mmol)をMeOH(1.0 ml)に懸濁しNaOMe(0.040mg,0.00074 mmol)を加え室温にて21時間攪拌した。MALDI−TOFMSにより化合物中の全Ac基の脱保護を確認した後、H2Oを加え3.5時間攪拌後、MALDI−TOFMSによりカルボン酸の生成を確認した。Dowex(H+)を用いて溶液をPH7に中和、溶液とDowex(H+)を濾別し、濾別して得られた溶液を減圧濃縮後、得られたシロップをカラムクロマトグラフィー(Sephadex LH−20,MeOH)にて精製し化合物3A(11 mg,69%)を得た。
メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート]−(2→3)−(2,4,6−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→4)−2,3,6−O−アセチル−β−D−グルコピラノシル−(1→1)−(2S,3R,4E)−3,4−O−ジベンゾイル−2−オクタデカンアミド−4−オクタデセン−1,3−ジオール(39A)
化合物6A
(55 mg,0.0826 mmol)と化合物37A(50 mg,0.0413 mmol)をCH2Cl2(1 ml)に溶解し、AW300(150 mg)存在下室温にて1時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、TMSOTf(1.5μl,0.00818 mmol)を加え、0℃にて22時間攪拌した。 TEAを加え中和後、固形物をセライト濾過しクロロホルムにて洗浄した。濾液と洗液を合わせNaHCO3 sat.、H2O、ブラインの順で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4にて乾燥後、濾別し減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン:アセトン=2:1)にて精製し、化合物39A(13 mg,18%)を得た。
(化合物45Aの調製)
4−メトキシフェニル(メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル3,5−ジデオキシD− グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート)−(2→3)−4−O−アセチル−2,6−ジ−O−ベンジル−β−D−ガラクトピラノシド(45A)
1,2−ジクロロエタン(15.0 mL)中の化合物43A
(2.0 g,1.87 mmol:Fuse, T.; Ando, H.; Imamura, A.; Sawada, N.; Ishida, H.; Kiso, M.; Ando, T.; Li, S. C.; Li li Y. -T. Glycoconj. J. 2006, 23, 329−343に従って調製した)の溶液に、アルゴン雰囲気下、0℃で、酢酸(45.0 mL)および Zn−Cu(10.0 g)を添加した。この混合物を、反応の進行をTLC(CHCl3:MeOH = 15:1)でモニターしながら、40°Cで1.5時間撹拌した。この反応混合物を、Celiteで濾過した。濾液および洗浄液を合わせ、CHCl3で抽出し、有機層をH2O,sat. Na2CO3,およびブラインで洗浄し、Na2SO4 で乾燥させ、濃縮した。ピリジン(9.0 mL)中の残留物の溶液に、無水酢酸(614 μL)を、アルゴン雰囲気下、0℃で添加した。この混合物を、反応の進行をTLC(CHCl3:MeOH = 15:1)でモニターしながら、13時間、周囲温度で撹拌した。この反応混合物をトルエンと同時に蒸発させ、CHCl3で抽出した。有機相を2M HCl,H2O,sat. NaHCO3 およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:hexane = 3:1)で精製して、45A(1.69 g,92 %)を得た;
4−メトキシフェニル(メチル5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラO−アセチル3,5−ジデオキシD− グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート)−(2→3)−4−O−アセチル−2,6−ジ−O−ベンゾイル−β−D−ガラクトピラノシド(47A)
EtOH(30 mL)中の化合物45A(385 mg,392 μmol)の溶液に、水酸化パラジウム[Pd(OH)2](20 wt. % 炭素担持Pd)(400 mg)を、周囲温度で、アルゴン雰囲気下で添加した。この混合物を、TLC(CHCl3:MeOH = 15:1)でモニターしながら、反応の進行を4時間、水素雰囲気下、周囲温度で激しく撹拌した。この反応混合物をCeliteで濾過し、合わせた濾液および洗浄液を濃縮した。ピリジン(5.0 mL)中の残留物の溶液に、無水安息香酸(354 mg,1.57mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で添加した。この混合物を、反応の進行をTLC(CHCl3:MeOH = 15:1)でモニターしながら、16時間、周囲温度で撹拌した。この反応混合物をトルエンと同時に蒸発させ、CHCl3で抽出した。有機相を2M HCl,H2O,sat. NaHCO3およびブラインで洗浄し、濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(EtOAc:hexane = 3:1)で精製して、47A(380 mg,95 %)を得た;
メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2− ノヌロピラノシロネート−(2→3)−4−O−アセチル−2,6−ジ−O−ベンゾイル−β−D−ガラクトピラノシルトリクロロアセトイミデート(49A)
混合溶媒(MeCN−PhMe−H2O = 3.5 mL:2.9 mL:1.7 mL)中の化合物47A(164 mg,162 μmol)の溶液に、硝酸ジアンモニウムセリウム(IV)(CAN)(445 mg,812 μmol)を添加した。この混合物を、TLC(CHCl3:MeOH = 20:1)でモニターしながら、反応の進行を5時間、周囲温度で撹拌した。この反応混合物を、CHCl3で抽出し、有機層をH2O,sat. NaHCO3 およびブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH = 65:1)で精製し、標的化合物(147 mg)を得た。CH2Cl2(5.0 mL)中の化合物の溶液に、トリクロロアセトニトリル(410 μL,407 μmol)および1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)(4.9 μL,33.0 μmol)を添加した。この混合物を、反応の進行をTLC(CHCl3:MeOH = 20:1)でモニターしながら、2時間、0℃で撹拌した。反応混合物を濃縮し、残留物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH = 75:1)で精製し、49A(132 mg,78 %)を得た;
メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート−(2→3)−4−O−アセチル−2,6−O−ジベンゾイルβ−D−ガラクトピラノシル)−(1→1)−2−(テトラデシル)−ヘキサデカノール(50A)
化合物8A
(136 mg,0.310 mmol)と化合物49A(65 mg,0.0621 mmol)を CH2Cl2(3 ml)に溶解し AW300(200 mg)存在下室温にて1時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、TMSOTf(2.2μl,0.0124mmol)を加え、0℃にて20 時間攪拌した。TEAを加え中和後、固形物をセライト濾過しクロロホルムにて洗浄した。濾液と洗液を合わせsat.NaHCO3、H2O、ブラインの順で洗浄した。得られた有機層をNa2SO4にて乾燥、有機層と固形物とを濾別し濾液と洗液を合わせ減圧濃縮して得られたシロップをシリカゲルクロマトグラフィー(トルエン:アセトン=2:1)にて精製し、化合物50A(62 mg,76%)を得た。
5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→1)−2−(テトラデシル)−ヘキサデカノール(51A)
化合物50A(28mg,0.0212 mmol)とMeOH(5.0 ml)に懸濁し触媒量のNaOMeを加え室温にて21時間攪拌後、55℃に加熱し48時間攪拌後MALDI−TOFMS により各水酸基のAc基とBz基の脱保護を確認した。その後、H2Oを加え3.5時間攪拌し、MALDI−TOFMSによりカルボン酸の生成を確認した。Dowex(H+)を用いて溶液をpH7に中和、溶液とDowex(H+)を濾別し溶液を減圧濃縮後、得られたシロップをカラムクロマトグラフィー(Sephadex LH−20,MeOH)にて精製し化合物51A(15 mg,79%)を得た。
メチル 5−アセトアミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート]−(2→3)−(2,4,6−O−アセチル−β−D−ガラクトピラノシル)−(1→1)−(2S,3R,4E)−3,4−O−ベンゾイル−2−オクタデカンアミド−4−オクタデカ−1,3,4−トリオール(52A)
化合物49A(76 mg,0.956 mmol)と化合物7A(50 mg,0.0478 mmol)をCH2Cl2(1.5 ml)に溶解しAW300(150 mg)存在下室温にて1時間攪拌した。その後、0℃に冷却し、TMSOTf(1.8μl,mmol)を加え、0℃にて24時間攪拌した。
5−アセトアミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート−(2→3)−β−D−ガラクトピラノシル−(1→1)−(2S,3R,4E)−3,4−O−ベンゾイル−2−オクタデカンアミド−4−オクタデカ−1,3,4−トリオール(53A)
化合物52A(35 mg,0.0208 mmol)とMeOH(5.0 ml)に懸濁し触媒量のNaOMeを加え55℃にて60時間攪拌した。MALDI−TOFMSにより化合物中の各水酸基のAc基及びBz基の脱保護を確認した。その後、H2Oを加え3.5時間攪拌後、MALDI−TOFMSによりカルボン酸の生成を確認。Dowex(H+)を用いて溶液をpH7に中和、溶液とDowex(H+)を濾別し溶液を減圧濃縮後、得られたシロップをカラムクロマトグラフィー(Sephadex LH−20,MeOH)にて精製し化合物53(21 mg,quant.)を得た。
Claims (42)
- 糖脂質を生成するための方法であって、以下:
(a)保護された糖と脂質アミド保護体とを、該保護された糖と該脂質アミド保護体とが結合する条件下で反応させて、糖−脂質アミドアクセプター前駆体を生成させる工程;
(b)該糖−脂質アミドアクセプター前駆体を、該糖−脂質アミドアクセプター前駆体内の分子内縮合反応が進行する条件で反応させて、糖−脂質アミドアクセプターを生成させる工程;
(c)該糖−脂質アミドアクセプターと保護された糖鎖ドナーとを、該糖−脂質アミドアクセプターと該保護された糖鎖ドナーとが連結する条件下で反応させて、保護された糖脂質を生成させる工程;および
(d)該保護された糖脂質を、該保護された糖鎖ドナーが脱保護する条件下で脱保護反応をさせて、糖脂質を生成させる工程
を包含し、
該保護された糖が、
Proは、独立して、ベンゾイル(Bz)、ピバロイル(Piv)、MPM(p−メトシキベンジル)、メトキシフェニル(MP)、アセチル、ベンジル、およびメチルからなる群より選択される保護基であり、
Lは、独立して、−SPh、−SCH3、−SCH2CH3、−F、−OPO(OPh)2(ここで、Phはフェニルである。)、−OPO(N(CH3)2)2およびトリクロロアセトイミデート基からなる群より選択される脱離基であり、
該脂質アミド保護体が、
からなる群より選択され;
該糖−脂質アミドアクセプター前駆体が、
であり、該糖−脂質アミドアクセプターが、
であり、ここで
該R1が、p−メトキシベンジル(MPM)、メトキシフェニル(MP)、アリルであり;
該R2が、MPM、Bz、MP、アリルであり;
該R3は、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリチル(Tr)、イソプロピリデンケタールおよびメトキシベンジリデンアセタールからなる群より選択され;
該R4および該R5は、独立して、ベンゾイル、アセチルおよびピバロイルからなる群より選択される保護基であり、Phはフェニルであり、
該保護された糖鎖ドナーが、
からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。 - 前記保護された糖と脂質アミド保護体とが結合する条件は、アルコールとカルボン酸とが結合する条件である、請求項1に記載の方法。
- 前記工程(a)は、溶媒中において試薬の存在下で所定の反応温度および反応時間、前記保護された糖鎖と、前記脂質アミドとを混合し、反応させることを包含し、
該反応温度が、室温以上であり;
該溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)、CH2Cl2、ベンゼン、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)およびそれらの組合せからなる群より選択され;
該試薬が、トリフェニルホスフィン(PPh3)、アゾジカルボン酸ジエチルエステル(DEAD)、1−メチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSC)、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、トリエチルアミン(Et3N)、および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)およびそれらの組合せからなる群より選択され;および
該反応時間が、2時間〜4時間である、
請求項1に記載の方法。 - 前記試薬が、PPh3およびDEADであり、前記溶媒がTHFであり、前記反応温度が90℃以上である、請求項3に記載の方法。
- 前記試薬が、WSCあるいは2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド、Et3NおよびDMAPであり、前記溶媒が、CH2Cl2であり、前記反応温度が、30〜60℃である、請求項3に記載の方法。
- 前記試薬が、WSCであり、前記溶媒が、CH2Cl2であり、前記反応温度が室温である、請求項3に記載の方法。
- 前記反応時間が、3時間である、請求項3に記載の方法。
- 前記溶媒が、テトラヒドロフラン(THF)であり、
前記試薬がトリフェニルホスフィン(PPh3:3.0当量)およびDEAD(3.0当量)であり、該当量は、前記保護された糖鎖に対する当量であり、
前記反応温度が、90℃であり、前記反応は還流下で実施される、
請求項3に記載の方法。 - 前記溶媒が、CH2Cl2であり、
前記試薬が、1−メチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(WSC:3.0等量)であり、該当量は、前記保護された糖鎖に対する当量であり、
前記温度が、室温である、
請求項3に記載の方法。 - 前記溶媒が、CH2Cl2であり、
前記試薬が、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロリド(1.1等量)、トリエチルアミン(Et3N:1.5等量)および4−ジメチルアミノピリジン(DMAP:3.0等量)であり、該当量は、前記保護された糖鎖に対する当量であり、
前記温度が、室温である、
請求項3に記載の方法。 - 前記工程(a)は、前記糖および前記脂質アミド保護体に、さらにスペーサー前駆体を加えることにより、前記脂質アミド保護体を、スペーサーを介して該糖に結合させることを包含し、該スペーサー前駆体がコハク酸である、請求項1に記載の方法。
- 前記スペーサーと、前記糖または前記脂質アミド保護体とが予め結合されている、請求項1に記載の方法。
- 前記脂質アミド保護体を、該脂質アミド保護体の1位水酸基が脱保護される条件下で反応させて、該1位水酸基を脱保護する工程をさらに包含する、請求項12に記載の方法。
- 前記コハク酸が前記脂質アミド保護体のR3に結合する場合、
R3は、イソプロピリデンケタールまたはメトキシベンジリデンアセタールであり、
R4は、
R5は、AcまたはBxである、請求項11に記載の方法。 - 前記オリゴ糖の還元末端側の糖残基が、前記脂質アミド保護体とスペーサーを介して結合する、請求項1に記載の方法。
- 前記工程(b)は、前記分子内縮合反応を活性化させるための活性化剤の存在下で行われ、該活性化剤は、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(TMSOTf)、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(DMTST)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記工程(b)は、
−80℃〜室温の反応温度にて、;
CH2Cl2、ジエチルエーテル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、トルエン、ニトロメタンおよびそれらの組合せからなる群より選択される溶媒中で;
N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(DMTST)、モレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)、モレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)およびそれらの組合せからなる群より選択されるの試薬の存在下で;および
1〜48時間の反応時間にわたり行われる、
請求項1に記載の方法。 - 前記反応温度が、−20〜0℃である、請求項17に記載の方法。
- 前記溶媒が、ジクロロメタンである、請求項17に記載の方法。
- 前記試薬が、N−ヨードスクシンイミド(NIS)およびトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)である、請求項17に記載の方法。
- 前記反応時間が、1時間〜5時間である、請求項17に記載の方法。
- 前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)、TMSOTfおよびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、1.5時間の反応時間、0℃の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、5時間の反応時間、−40℃で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、36時間の反応時間、初めは−80℃で、次に−60℃で、次に−40℃で、次に0℃の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、アセトニトリル(MeCN)を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、48時間の反応時間、初めは―40℃で、次に0℃の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、アセトニトリル(MeCN)を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、1.5時間の反応時間、−0℃の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、アセトニトリル(MeCN)を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、3時間の反応時間、−20℃の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、ジエチルエーテルを用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、25時間の反応時間、初めは0℃で、次に、室温の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、アセトニトリル(MeCN)を用いて、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(DMTST)およびモレキュラーシーブス3オングストローム(MS3Å)を試薬として用いて、1時間の反応時間、0℃の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、5時間の反応時間、0℃の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、N−ヨードスクシンイミド(NIS)、トリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、1.5時間の反応時間、−20℃の反応温度で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記工程(b)は、
溶媒として、CH2Cl2を用いて、ジメチル(メチルチオ)スルホニウムトリフレート(DMTST)およびモレキュラーシーブス4オングストローム(MS4Å)を試薬として用いて、2時間の反応時間、0℃で反応させることを包含する、請求項17に記載の方法。 - 前記分子内縮合反応が、グリコシル化である、請求項1に記載の方法。
- 前記工程(c)は、
2.5当量より多くのアクセプターに対するドナーの当量にて;−40〜0℃の反応温度にて;CH2Cl2の溶媒中で;トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸(TMSOTf)試薬の存在下で、1〜48時間の反応時間反応をさせることを包含する、
請求項1に記載の方法。 - 前記アクセプターに対するドナーの当量が2.5当量であり;
前記反応温度が、0℃であり;
前記溶媒が、CH2Cl2であり;
前記試薬が、TMSOTfであり;および
前期反応時間が、7時間である、
請求項34に記載の方法。 - 前記工程(d)は、
CH2Cl2の溶媒中で;
トリフルオロ酢酸の試薬の存在下で;
室温の反応温度にて;および
2〜12時間の反応時間にわたり行われる、
請求項1に記載の方法。 - 前記反応時間が、2時間である、請求項36に記載の方法。
- (e)前記工程(d)の生成物を、アシル系保護基が脱保護する条件下で反応させ、脱保護する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
- 前記(e)工程は、
メタノール(CH3OH)または水(H2O)の溶媒中で;
ナトリウムメトキシド(NaOCH3)またはKOHの試薬の存在下で;
室温〜100℃の反応温度にて;および
1時間〜1週間の反応時間にわたり行われる、
請求項38に記載の方法。 - 前記溶媒が、メタノール(CH3OH)であり;
前記試薬が、ナトリウムメトキシド(NaOCH3)であり;
前記反応温度が、室温であり;および
前記反応時間が、12時間である、
請求項39に記載の方法。 - 以下の式:
該R1および該R2は、独立して、アルキル基およびアルケニル基から選択され;
該R4は、ベンゾイル、アセチルおよびピバロイルからなる群より選択される保護基である、化合物。 - 以下の式:
該R1および該R2は、独立して、アルキル基およびアルケニル基から選択され;
該R4は、ベンゾイル、アセチルおよびピバロイルからなる群より選択される保護基である、化合物。
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Title |
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Also Published As
Publication number | Publication date |
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