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JP5424352B2 - 希土類元素の回収方法および回収装置 - Google Patents

希土類元素の回収方法および回収装置 Download PDF

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JP5424352B2 JP2010505758A JP2010505758A JP5424352B2 JP 5424352 B2 JP5424352 B2 JP 5424352B2 JP 2010505758 A JP2010505758 A JP 2010505758A JP 2010505758 A JP2010505758 A JP 2010505758A JP 5424352 B2 JP5424352 B2 JP 5424352B2
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Description

本発明は、希土類元素の回収方法および回収装置に関するものである。
ネオジム磁石は、ネオジム−鉄−ボロン(Nd−Fe−B)系金属間化合物(NdFe14B)を主成分とする永久磁石である。ネオジム磁石は、優れた磁気特性、高強度、安価な生産コストなどの利点を有しており、様々な工業製品に応用され、生産量が飛躍的に増大している。ネオジム磁石の主な用途としては、ハードディスクのボイスコイルモータ、エアコンのコンプレッサモータ、ハイブリッド自動車用モータなどが挙げられる。また、エアコンのコンプレッサやハイブリッド自動車等の用途では、高温で高い保磁力が必要とされるため、保磁力を高めるためにDyを添加したネオジム磁石が用いられている。今後はハイブリッド自動車の普及によりDyを添加したネオジム磁石の消費が大幅に増え、将来的には多量の磁石スクラップが生じると予想される。
一方、ネオジム磁石の原料となるNd及びDyなどの希土類元素は、優良な鉱床が特定の国に偏在しており、国の輸出規制等により価格が変動しやすく、そのために安定供給に対する不安が高まっている。また、希土類元素を含む鉱石にはウラン(U)やトリウム(Th)といった放射性元素も含まれており、採掘に伴う環境破壊や希土類精製の際に濃縮される放射性物質の処理が深刻な問題となりつつある。Dyに関しては放射性元素をほとんど含まないイオン吸着型の鉱床が存在するが、この鉱石は地質学的にも希少な鉱床であり、採掘、抽出の際は酸を土壌に直接注入するため環境を破壊する。また、Ndは、資源的には比較的豊富に存在するため枯渇等の心配は少ないが、鉱石から生産する際には、放射性元素の処理の問題は避けられない。鉱石の採掘や製錬に伴う環境破壊と、将来のネオジム磁石の需要増加を考えると、製品スクラップからの希土類元素の回収は重要な課題である。しかし、現在はMRI用磁石など大型のものを除いて、製品からの希土類元素のリサイクルはほとんど行われていない。
ところで、ネオジム磁石のリサイクルの方法としては、希土類磁石のスクラップ又は磁石スラッジ(磁石の削り屑)に、鉄塩化物を接触させ、希土類元素を塩化物として回収する方法が提案されている(特許文献1参照)。この発明は、固体の塩化鉄と活性炭と磁石スラッジを混合したものを加熱し、その後に蒸留を行うことで希土類元素の塩化物と塩化鉄とを分離回収するものである。この方法は、Ndなどの酸化されているNdも塩化物に変換して効率良く分離回収できる特徴を有するが、化学反応の進行を炭素還元雰囲気下かつ塩素分圧が高い領域で行うことを特徴としているため、塩化剤としては還元性の高い塩化鉄(FeCl)しか反応に利用できない。
特開2003−073754公報
特許文献1記載の技術によれば、ネオジム磁石や磁石スラッジからのNd及びDyの回収が可能であるが、希土類合金には多種多様なものが存在しており、上記技術がこれらにも適用できるかについては不明である。とくに、今後量的な増大が予想される自動車用の高出力モータなどに使用される大型磁石のスクラップからの希土類元素の選択分離・高効率回収技術の開発は社会的にも重要な課題である。
そこで本発明は、希土類合金からの希土類元素の抽出効率を高め、また多様な希土類元素にも適用可能な回収方法および回収装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、本発明の一実施形態は、希土類合金から希土類元素を回収する方法であって、前記希土類合金をハライド塩の溶融塩に浸漬し、前記溶融塩中に前記希土類元素のハロゲン化物を抽出する工程を有し、前記ハライド塩が、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属と、F,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物であることを特徴とする。
この実施形態によれば、溶融塩に浸漬するという簡便な方法で希土類合金からの希土類元素の抽出を行うことができる。また、反応媒体であるハライド塩には、塩化鉄に限らず種々のハライド塩を用いることができるため、希土類合金の種類や抽出対象である希土類元素の種類に応じて適切な反応媒体を選択することができる。
前記希土類元素のハロゲン化物を含む前記溶融塩を気化させ、当該気体を回収することもできる。この回収方法によれば、希土類元素ハロゲン化物と溶融塩との分離を容易に実施することができる。また、気化温度の高いハライド塩を用いれば、高濃度の希土類元素ハロゲン化物の気体を得ることができ、分離効率をさらに高めることができる。
また本発明の他の実施形態は、希土類合金から希土類元素を回収する方法であって、前記希土類合金に対して予め気化させたハライド塩の気体を供給し、生成した前記希土類元素のハロゲン化物を液体又は気体として回収することを特徴とする。
この実施形態によれば、反応媒体であるハライド塩又はハロゲンを気体として供給するので、極めて複雑な形状の希土類合金からも効率よく希土類元素を抽出することができる。また反応媒体であるハライド塩及びハロゲンには、塩化鉄に限らず種々のハライド塩及びハロゲンを用いることができるため、希土類合金の種類や抽出対象である希土類元素の種類に応じて適切な反応媒体を選択することができる。
本発明の希土類元素の回収方法は、Fe及びCuの少なくとも一方と共存する希土類合金スクラップと、金属塩化物ガスとを、1300〜1800Kの温度で反応させ、前記希土類合金スクラップ中の希土類元素を希土類元素塩化物の蒸気として選択的に抽出し、分離回収することを特徴とする。
この実施形態によれば、金属塩化物ガスを用いて希土類合金スクラップにおいて希土類元素を選択的に塩化させることができ、さらに上記の温度範囲とすることで、実用的な蒸気圧の希土類元素塩化物を発生させ、効率よく希土類元素の塩化物を回収することができる。
本発明の他の実施形態は、Nd及びDyの少なくとも一方を含み、Fe及びCuの少なくとも一方と共存する希土類合金スクラップと、FeCl、CuCl、ZnCl(xは金属ハライドの金属原子の価数に対応した数。以下、同じ。)から選ばれる1種以上の金属塩化物ガスとを、1300〜1800Kの温度で反応させ、前記希土類合金スクラップ中のNd及びDyを塩化物の蒸気として選択的に抽出し、分離回収することを特徴とする。
この実施形態によれば、FeやCuといった共存金属と金属塩化物ガスとの反応を抑え、より効率よくNdやDyを塩化物蒸気として回収することが可能である。また、有害な廃棄物が発生せず、環境に対する負荷が小さいという利点も得られる。
本発明の他の実施形態は、Nd及びDyの少なくとも一方を含み、Fe及びCuの少なくとも一方と共存する希土類合金スクラップと、金属ヨウ化物ガスとを反応させ、前記希土類合金スクラップに含まれるNd及びDyをヨウ化物の蒸気として選択的に抽出し、分離回収することを特徴とする。
この実施形態によれば、金属ヨウ化物ガスを供給することでNdやDyのヨウ化物蒸気を発生させ、これを回収する。ヨウ化物ガスは塩化物ガスに比して高い蒸気圧が得られるため、反応温度を低くすることができる。
また、本発明の他の実施形態は、希土類合金から希土類元素を回収する方法であって、前記希土類合金をハライド塩の溶融塩に浸漬し、前記溶融塩中に前記希土類元素のハロゲン化物を抽出する工程と、前記希土類元素のハロゲン化物が抽出された前記溶融塩を、所定の温度条件で蒸留して、所望の気体分と、所望の液体分と、前記希土類元素のハロゲン化物を含む固体分と、に分離する工程と、分離された前記固体分を、溶媒に溶解して希土類元素を分離し、精製ないし還元する工程と、を有し、前記ハライド塩が、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属と、F,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物であることを特徴とする。
この実施形態によれば、溶融塩に浸漬するという簡便な方法で希土類合金から希土類元素の抽出を行うことができる。また、所定の温度条件で蒸留を行うことによって、所望の気体分と、所望の液体分と、前記希土類元素のハロゲン化物を含む固体分とに分離する工程と、分離された固体分を、溶媒に溶解して希土類元素を分離し、精製ないし還元する工程と、を備えているので、溶融塩中に抽出された希土類元素を確実に回収することができる。また、反応媒体であるハライド塩には、塩化鉄に限らず種々のハライド塩を用いることができるため、希土類合金の種類や抽出対象である希土類元素の種類に応じて適切な反応媒体を選択することができる。
蒸留によって分離される気体分及び液体分が、ハライド塩を構成する金属及びハライド塩であってもよい。
この回収方法によれば、固体分に積極的に希土類元素のハロゲン化物等の化合物を残存させることになり、この固体分を溶媒に溶解して希土類元素を分離し、精製・還元することにより、効率的に希土類元素を回収することができる。よって、蒸留・分離の制御が比較的容易になり、固体分中の希土類元素のハロゲン化物を溶媒に溶解するという簡易な方法で確実に希土類元素を分離でき、希土類元素の回収率を高めることができる。
また、蒸留によって分離される気体分及び液体分が、ハライド塩を構成する金属、ハライド塩及び希土類元素のハロゲン化物であり、前記気体分又は前記液体分として分離された希土類元素のハロゲン化物を精製ないし還元する工程を有する構成としてもよい。
この回収方法によれば、希土類元素のハロゲン化物の一部が気体分及び液体分として分離されるため、残存する固体分中の希土類元素のハロゲン化物は比較的少なくなるが、回収方法全体としての希土類元素の回収率を高めることができる。また、蒸留・分離工程を行った際に、固体分に前記希土類元素のハロゲン化物が含まれていても、固体分からも希土類元素を回収できる。よって、蒸留・分離工程において希土類元素のハロゲン化物を気体分及び液体分として分離する場合に比較して、蒸留・分離工程での条件を比較的緩和することができる。
また、前記固体分が、前記希土類元素のハロゲン化物が抽出された後の前記希土類合金の残成分と、前記希土類元素のハロゲン化物とを含んだ固体混在物であることが好ましい。
また、前記ハライド塩が、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属と、F,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物であることが好ましい。
具体的には、ハライド塩は、希土類合金中の希土類元素と反応性が高いものが好ましい。さらに、ハライド塩や反応生成物の蒸気圧が高く、蒸留・分離が容易に行えるもの、あるいは、希土類合金とハライド塩が反応した後に生成する固体との分離が容易に行えることが好ましい。
より具体的には、前記ハライド塩がヨウ化亜鉛であることが好ましい。ヨウ化物ガスは、塩化物ガスに比して高い蒸気圧が得られるため、蒸留・分離工程における温度を低く設定することができる。
前記希土類合金から回収される前記希土類元素が、Nd,Dy,Pr,Tbのいずれか又は複数であることが好ましい。
すなわち、本発明は、ネオジム磁石やプラセオジム磁石、光磁気ディスク等の磁性材料製品からの希土類元素の回収に好適に用いることができる。
前記希土類合金が、Nd及びDyの少なくとも一方を含み、かつ、Fe及びCuの少なくとも一方と共存する希土類合金であることが好ましい。
本発明によれば、溶融塩への浸漬、あるいはガスを用いた直接抽出により希土類合金から希土類元素を高効率に抽出することができる。また、多種のハライド塩又はハロゲンから選択した反応媒体を用いることができるので、多様な希土類元素にも適用可能である。
本発明の実施形態によれば、溶融塩に浸漬するという簡便な方法で希土類合金からの希土類元素の抽出を行うことができ、かつ、蒸留・分離工程によって気体分と液体分と固体分とに分離し、固体分に含まれる希土類元素を簡易な工程で回収できる。また、反応媒体であるハライド塩には、塩化鉄に限らず種々のハライド塩を用いることができるため、希土類合金の種類や抽出対象である希土類元素の種類に応じて適切な反応媒体を選択することができ、多様な希土類元素にも適用可能である。
第1の実施形態に係る抽出装置を示す図。 本発明に係る希土類元素の回収方法を示すフローチャート。 Nd−Cl系、Dy−Cl系の等温ポテンシャル図。 第2の実施形態に係る抽出装置を示す図。 第3の実施形態に係る抽出装置を示す図。 本発明の実施形態に係る蒸留装置を示す図。 本発明に係る希土類元素の回収方法を示すフローチャート。 Nd−I系、Dy−I系の等温ポテンシャル図。 第4の実施形態に係る抽出装置を示す図。 XRD測定の結果を示す図。 反応時間と抽出率との関係を示す図。 実施例に係る蒸留装置の使用方法を示す図。 実施例に係る蒸留結果の析出物状況を示す図。 XRD測定の結果を示す図。 XRD測定の結果を示す図。
符号の説明
100,200・・・抽出装置、101・・・アルミナ管、102,201・・・反応室、202,103・・・ヒータ、104・・・温度計、105,311・・・スポンジチタン(ゲッター剤)、110,210・・・希土類合金、111・・・ワイヤー、112・・・ステンレスホイル、113・・・鉄鋼製坩堝、114・・・溶融塩、115・・・ステンレス鋼製スクラップ保持バスケット、117・・・溶融塩原料投入口、118・・・蓋体、203・・・ガス導入口、204・・・ガス排出口、300・・・蒸留装置、301・・・アルミナ管、302・・・反応室、303・・・ヒータ、304・・・栓部材、305・・・給排気部、306・・・チタン箔。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の希土類元素の回収方法で用いる抽出装置の一例を示す図である。図1に示す抽出装置100は、耐熱材料、たとえばアルミナセラミックスからなる有底円筒状の断熱保護室(以下アルミナ管)101と、アルミナ管101内に設けられた耐熱腐食ステンレス製の反応室102と、アルミナ管101の周囲に配設されたヒータ103と、反応室102内に配設された鉄鋼製坩堝113とを備えている。反応室102にはまた、反応室102内の温度を測定する温度計104と、反応室102内に配置されたスポンジチタン(ゲッター剤)105とが設けられている。鉄鋼製坩堝113内には、溶融塩114と、ワイヤー111により吊り下げられたステンレス鋼製スクラップ保持バスケット115が配置される。ステンレス鋼製スクラップ保持バスケット115内に、ネオジム磁石等の希土類合金110が収容される。
図2は、本実施形態の希土類元素の回収方法を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態の回収方法は、ハロゲン塩(MgClなど)を用いて希土類合金(Dy含有ネオジム磁石など)から希土類元素(Nd、Dyなど)を抽出する工程S1と、抽出処理後の固体成分と液体成分とを分離する工程S2と、工程S2で分離された液体成分から希土類元素ハロゲン化物(NdCl、DyClなど)を分離する工程S3と、希土類元素ハロゲン化物を精製ないし還元して希土類元素(Nd、Dyなど)を得る工程S4と、を有する。工程S3およびS4の代わりに、従来型の希土類元素の湿式分離・精製工程を利用することもできる。また、反応条件によっては、工程S2において、目的の希土類元素ハロゲン化物や反応生成物をガスとして直接分離・回収することもできる。
上記抽出装置100を用いて本発明に係る回収方法による希土類元素の回収を実施するには、まず、鉄鋼製坩堝113内に、希土類合金110を収容したステンレス鋼製スクラップ保持バスケット115と、溶融塩114となる回収対象の希土類元素を抽出するハライド塩(液体又は固体)を収容する。また必要に応じて、ステンレスホイル112等で鉄鋼製坩堝113に蓋をしておく。
処理対象物である希土類合金110としては、ネオジム磁石やプラセオジム磁石等の希土類磁石のスクラップやスラッジ(加工、研削屑)が典型的なものとして挙げられるが、これらのスクラップに限らず、電池電極などからの希土類金属の回収に用いてもよく、磁石合金や水素吸蔵合金を溶製する場合に発生するスラグ等からの希土類元素の回収に用いてもよい。
溶融塩114となるハライド塩としては、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属とF,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物を用いることができる。
具体的には、LiF、NaF、KF、RbF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、LiI、NaI、KI、RbI、MgF、CaF、SrF、BaF、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MgBr、CaBr、SrBr、BaBr、MgI、CaI、SrI、BaI等を使用することができる。
その後、ヒータ103により1000K〜1500Kに保持された反応室102内に、上記の鉄鋼製坩堝113を配置し、数時間〜十数時間程度保持する。これにより、希土類合金110に含まれるNdやDyは、ハロゲン化物(NdClやNdI、DyCl等)となって溶融塩114に抽出される(工程S1)。
そして、反応終了後の溶融塩114からステンレス鋼製スクラップ保持バスケット115とともに残渣物(希土類合金がネオジム磁石である場合にはFe、B等)を取り出すことで、希土類元素ハロゲン化物が溶解した溶融塩114を得ることができる(工程S2)。
その後は、蒸留法など用いて希土類元素ハロゲン化物とハライド塩とを分離することができる(工程S3)。あるいは、希土類元素ハロゲン化物を含むハライド塩を水溶液に溶解して湿式法を用いて精製分離する方法を用いてもよい(工程S3、S4)。
なお、抽出装置100の具体的構成については、一例を示したに過ぎず、装置の規模や抽出プロセスに応じて適宜変更することができる。また、反応室102や鉄鋼製坩堝113等の各部材の材質についても一例を示したものであり、処理対象物である希土類合金110や溶融塩114の種類に応じて適宜変更することができる。
ここで、希土類合金110としてネオジム磁石(Nd−Fe−B−Dy合金)を用い、ハライド塩(溶融塩114)としてMgClを用いた場合のNd及びDyの抽出作用について説明する。
図3は、1300KにおけるNd−Cl系及びDy−Cl系の等温化学ポテンシャル図であり、同図に示す水平方向に延びる点線は、溶融塩114にMgClを用いた場合におけるMg/MgCl平衡時の塩素分圧である。図3に示すように、Mg/MgCl平衡時の塩素分圧下では、NdCl、DyClが安定相として存在すると予想される。したがって、MgClとの反応によるネオジム磁石中の希土類元素の抽出は、1300Kでは以下に示す反応式に従って進行するものと考えられ、ネオジム磁石に含まれるNd及びDyは塩化物となって溶融塩114に抽出される。
2Nd(s) + 3MgCl(l) → 2NdCl(l) + 3Mg(l) …(1)
ΔG°= −151.6kJ at 1300K
Dy(s) + MgCl(l) → DyCl(l) + Mg(l) …(2)
ΔG°= −57.6kJ at 1300K
なお、MgClを用いた場合のNd及びDyの抽出反応においては、反応に伴って生成するMgも抽出効率を高める反応媒体として作用する。この反応における、塩素の化学ポテンシャルは、Mg/MgCl平衡で決まる塩素分圧であるが、前述の「特許文献1」記載の反応では、塩素の化学ポテンシャル(塩素分圧)は、炭素雰囲気下で形成されるFe/FeCl平衡である点でも化学反応の本質が異なる。
また、Cl以外のハロゲンを含むハライド塩を用いた場合にも、抽出対象である希土類元素とハロゲンとの等温ポテンシャル図に基づいて、反応温度を設定することで、溶融塩114に希土類元素ハロゲン化物を選択的に効率良く抽出することが可能である。
このように、第1の実施形態の回収方法によれば、希土類合金110を所定温度に保持された溶融塩114に浸漬し保持するという極めて簡便な手法によって、希土類合金110に含まれる希土類元素を溶融塩114中にハロゲン化物として抽出することができる。
また、抽出剤に液体を用いるため、複雑な形状の磁石スクラップ等からなる希土類合金からも効率よく希土類元素を抽出することができる。
そして、得られた溶融塩114からの希土類元素の分離は公知の手法を用いて実施することができるので、簡便かつ高効率に希土類元素を回収することができる。
また、上記実施形態では、溶融塩114に希土類元素ハロゲン化物を溶解させることとしたが、上記ハロゲン化物を気体として回収してもよい。例えば、溶融塩114に抽出させた後、あるいは抽出と同時に、希土類元素ハロゲン化物を気化させ、希土類合金110から希土類元素を抽出する系の外で希土類元素ハロゲン化物を回収してもよい。あるいは、鉄鋼製坩堝113の上方に蒸留設備を配置し、鉄鋼製坩堝113から蒸発させたハライド塩と希土類元素ハロゲン化物との分離を行ってもよい。
さらに本発明では、種々の金属とハロゲンとから選択されるハライド塩を目的に応じて反応媒体に使用することとしたので、ネオジム磁石からの希土類元素の抽出のみならず、NdやDy以外の希土類元素の抽出を行う場合にも、適切なハライド塩を選択して用いることができる。したがって、多様な希土類元素の抽出に適用することができる方法である。
(第2の実施形態)
図4は、本実施形態の希土類元素の回収方法で用いる回収装置の一例を示す図である。図4に示す回収装置200は、円筒状の反応室201と、ヒータ202と、反応室の一端に設けられたガス導入口203と、他端に設けられたガス排出口204とを備えている。反応室201内には、処理対象物である希土類合金210が配置される。ガス導入口203からは、反応媒体であるハライド塩の気体、あるいはハロゲンの気体が反応室201内に供給される。ガス排出口204からは、反応媒体と希土類合金210との反応により生成した希土類元素ハロゲン化物が排出される。
なお、抽出装置200の具体的構成については、一例を示したに過ぎず、装置の規模や抽出プロセスに応じて適宜変更することができる。
上記抽出装置200により希土類元素の回収を実施するには、まず、反応室201内に、希土類合金210を配置する。処理対象物である希土類合金210としては、先の実施形態と同様に、ネオジム磁石やプラセオジム磁石等の希土類磁石のスクラップやスラッジ、その他の希土類合金を用いることができる。
ガス導入口から供給される反応媒体ガスとしては、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属と、F,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物のガス、あるいは、組成の異なる前記化合物の混合ガスを用いることができる。
具体的には、LiF、NaF、KF、RbF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、LiI、NaI、KI、RbI、MgF、CaF、SrF、BaF、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MgBr、CaBr、SrBr、BaBr、MgI、CaI、SrI、BaI等を反応媒体ガスとして使用することができる。
さらには、F,Cl,Br,Iから選ばれる1種又は2種以上のハロゲンガスであってもよい。
その後、ヒータ202により反応室201内を600K〜1500Kに保持し、ガス導入口203から反応媒体ガスを供給しつつ数時間〜十数時間程度保持する。これにより、希土類合金110に含まれるNdやDyは、反応媒体であるハライド塩のガスあるいはハロゲンガスと反応してハロゲン化物(NdClやNdI、DyCl等)となる。
生成した希土類元素ハロゲン化物は、反応室201の保持温度に応じて気体あるいは液体となる。気体である場合には未反応の反応媒体ガスとともにガス排出口204から排出され、回収される。ハロゲン化物の気体は、その蒸気圧の温度依存性が大きいため排出後の回収部位の温度を制御することにより、選択的に凝集させて分離回収することができる。
一方、液体である場合には反応室201内に滞留したものを回収すればよい。そして、気体又は液体として回収された希土類元素ハロゲン化物は、蒸留法や水溶液に溶解して精製分離する方法により副生成物や不純物と分離することができる。
なお、希土類合金210としてスクラップ等を用いる場合には、多くの場合、FeやCu等の共存金属220が反応室201内に存在するが、本発明に係る回収方法では、反応媒体であるハライド塩やハロゲンのガス(例えばMgCl)はFeやCuと反応しない。したがって、共存金属220を含む希土類合金210からであっても、高効率に希土類元素を抽出することができる。
上記ハロゲンガスは、600K以上の温度で蒸気圧が高いものが多く、600K〜1800Kに反応室を保持すれば、容易に気相を介して磁石合金スクラップ等が存在する部位に供給し、希土類合金210と反応させることができる。
一般に高温におけるハロゲンガスの蒸気圧は高く拡散速度は大きいため、化学的に活性な磁石合金中のNdやDyは、ハロゲン化ガスと反応してNdやDyのハロゲン化物が生成する。たとえば、以下の反応のように、MgIのガスを1300Kの反応室に供給すると、NdIやDyIなどが生成する。
2Nd(s) + 3MgI(l,g) → 2NdI(l,g) + 3Mg(l,g) …(3)
Dy(s) + MgI(l,g) → DyI(l,g) + Mg(l,g)
…(4)
反応生成物のNdIやDyIは、1200K以上で10−3atm以上の蒸気圧を有するため、気相を介してスクラップから分離できる。具体的には、磁石合金と反応して生成したNdIやDyIなどのハロゲンガスを、未反応の反応媒体ガスとともにガス排出口から排出し、それぞれのハロゲンガスの蒸気圧の温度依存性を利用して、個別の温度の異なる部位で選択的に凝縮させて効率よく分離回収できる。
NdやDyの塩化物の蒸気圧は、1300K以下では、10−3atm以下と低く、塩化物ガスとして分離回収するのは実用的ではない。一方で、1300K〜1800Kでは、これらの塩化物の蒸気圧は10−3atm以上となるため、NdやDyを塩化物の蒸気として希土類合金210から選択的に抽出し、回収することができる。
具体的な一例として、FeCl、CuCl、ZnClなどの塩化物ガスを1300K〜1800Kに保持された反応室201内に導入し、希土類合金210(希土類合金スクラップ)と反応させることで、NdやDyを塩化物として選択的に分離回収することができる。塩化物ガスとしては、さらには、スクラップと共存するFeやCuと反応しない塩化物、さらには、有害な廃棄物が発生せず環境に対する負荷が小さいものが好ましいが、このようなものとしてはFeCl、ZnClなどが利用できる。
このように、第2の実施形態の回収方法によれば、希土類合金210を所定温度に保持された反応室201内に配置し、反応媒体であるハライド塩又はハロゲンのガスを供給するという極めて簡便な手法によって、希土類合金210に含まれる希土類元素を、ハロゲン化物の気体又は液体として抽出することができる。特に本実施形態では、反応媒体に気体を用いるため、極めて複雑な形状の磁石スクラップ等であっても簡便な装置で効率よく希土類元素を抽出することができる。自動車用のモータなどに使用される磁石合金は、複雑な形状の部品の中に組み込まれているため、反応媒体を期待として供給して選択的に目的の希土類元素を抽出・分離する本方法は、スクラップ合金の高効率処理あるいは、目的の希土類元素の粗どり回収に適している。さらに、磁石合金スクラップには、FeやCuが共存する場合が多いので、これらの共存金属の存在下でも技術的な支障がなく利用できる抽出分離法は利用価値が大きい。
また、得られた希土類元素ハロゲン化物の分離は公知の手法を用いて実施することができるので、簡便かつ高効率に希土類元素を回収することができる。
なお、本実施形態では予め気化された反応媒体のガスを反応室201の外からガス導入口203を介して供給することとしたが、固体又は液体のハライド塩を希土類合金210とともに反応室201内に配置し、加熱気化させたハライド塩を希土類合金210に供給してもよい。
(第3の実施形態)
図5は、本実施形態の希土類元素の回収方法で用いられる抽出装置の一例を示す図である。以下の図において、図1の抽出装置100の各部と共通する部分には、図1と共通する符合を付してある。
図5に示す抽出装置100は、有底のアルミナ管101と、アルミナ管101内に設けられたステンレス製の反応室102と、アルミナ管101の周囲に配設されたヒータ103と、反応室102内に配設された鉄鋼製坩堝113とを備えている。また、反応室102には、反応室102内の温度を測定する温度計104と、スポンジチタン(ゲッター剤)105とが配設されている。また、反応室102の上部には、反応室102内にガスを導入するガス導入口121と、反応室102内部のガスを外部に放出するガス放出口122と、反応室102を冷却する冷却ジャケット123と、が設けられている。
そして、鉄鋼製坩堝113内には、溶融塩114と、ネオジム磁石等の希土類合金110が収容される。
なお、坩堝の材質は鉄鋼に限定されるものではなく、収容物の抽出過程で不純物などの影響を与えずに適切な抽出過程を具現できる材質であればよい。また、抽出装置100の具体的構成については、一例を示したに過ぎず、装置の規模や抽出プロセスに応じて適宜変更することができる。また、反応室102や鉄鋼製坩堝113等の各部材の材質についても一例を示したものであり、処理対象物である希土類合金110や溶融塩114の種類に応じて適宜変更することができる。
図6は、本実施形態の希土類元素の回収方法で用いられる蒸留装置の一例を示す図である。図6の蒸留装置300はアルミナ管301と、アルミナ管301内に挿入され、一方が閉口された石英管からなる反応室302と、アルミナ管301の周囲に配設されたヒータ303と、反応室302の開口部を塞ぐ栓部材304と、この栓部材304に挿入され、外部と反応室302内部とを連通する給排気部305と、を備えている。ここで、栓部材304は例えば合成樹脂で構成され、給排気部305は、例えばステンレス管が用いられている。また、反応室302の内壁にチタン箔306が配設されている。
なお、蒸留装置300の具体的構成については、一例を示したに過ぎず、装置の規模や蒸留プロセスに応じて適宜変更することができる。また、反応室302や各部材の材質についても一例を示したものであり、処理対象物である溶融塩114の種類に応じて適宜変更することができる。
図7は、本実施形態の希土類元素の回収方法を示すフローチャートである。図7に示すように、本実施形態の回収方法は、ハライド塩(ZnIなど)を用いて希土類合金(Dy含有ネオジム磁石など)から希土類元素(Nd、Dyなど)を抽出する工程S10と、抽出処理後の溶融塩114を蒸留して、気体分、液体分及び希土類元素のハロゲン化物を含む固体分とに分離する工程S20と、工程S20で分離された固体分(NdI、DyI、Fe−Bなど)を溶媒に溶解し希土類元素化合物(Nd、Dyなどの化合物)を分離する工程S30と、希土類元素を含む溶液を精製して希土類化合物を得た後、これを還元して希土類元素(Nd、Dyなど)を得る工程S40と、を有する。なお、工程20において分離される気体分及び液体分にはZn、ZnI又はNdIなどが含まれる。これら気体分及び液体分に存在する希土類元素のハロゲン化物(NdIなど)は、そのまま、精製ないし還元され、希土類元素(Nd、Dyなど)が回収される。また、これら気体分及び液体分に存在するハライド塩及びハライド塩を構成する金属元素(ZnI、Znなど)を、ハライド塩として再利用することもできる。
上記抽出装置100及び蒸留装置300を用いて本発明に係る回収方法による希土類元素の回収を実施するには、まず、図5に示すように、鉄鋼製坩堝113内に、希土類合金110と、溶融塩114となるハライド塩(液体又は固体)を収容する。また必要に応じて、ステンレスホイル112等で鉄鋼製坩堝113に蓋をしておく。
なお、処理対象物である希土類合金110としては、ネオジム磁石やプラセオジム磁石等の希土類磁石のスクラップやスラッジ(加工、研削屑)が典型的なものとして挙げられるが、これらのスクラップに限らず、電池電極などからの希土類金属の回収に用いてもよく、磁石合金や水素吸蔵合金を溶製する場合に発生するスラグ等からの希土類元素の回収に用いてもよい。
溶融塩114となるハライド塩としては、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属とF,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物を用いることができる。
具体的には、LiF、NaF、KF、RbF、LiCl、NaCl、KCl、RbCl、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、LiI、NaI、KI、RbI、MgF、CaF、SrF、BaF、MgCl、CaCl、SrCl、BaCl、MgBr、CaBr、SrBr、BaBr、MgI、CaI、SrI、BaI等を使用することができる。なお、本実施形態では、ハライド塩として、ヨウ化亜鉛を用いている。
その後、ヒータ103により加温保持された反応室102内に、上記の鉄鋼製坩堝113を配置し、数時間〜十数時間程度保持する。これにより、希土類合金110に含まれるNdやDyは、ハロゲン化物となって溶融塩114に抽出される(工程S10)。抽出処理の保持温度は、ハライド塩にヨウ化亜鉛を用いる場合は、740K乃至900K、好ましくは740K乃至900K、最も好ましくは740K乃至800Kである。また、他のハライド塩を用いる場合は、その用いるハライド塩に応じた適宜の温度を選択すればよいが、凡そ600K乃至1800K、好ましくは700K乃至1300Kである。
そして、工程S10の坩堝内の生成物を蒸留して所望の物質(Zn、ZnI又はNdIなど)を気体又は液体として分離し、固体分として、希土類元素のハロゲン化物を抽出後の残成分と希土類元素のハロゲン化物との固体混在物を得る(工程S20)。この場合、坩堝内収容物を一旦取り出した後に、再び蒸留対象物を容器に収容して蒸留に供してもよいが、工程S1の坩堝をそのまま蒸留に供してもよい。この場合、抽出工程と蒸留・分離工程の連続化を図ることが可能になる。ここで、蒸留温度は、ハライド塩にヨウ化亜鉛を用いる場合は、600K乃至1800K、好ましくは800K乃至1300K、最も好ましくは800K乃至1000Kである。また、他のハライド塩を用いる場合は、その用いるハライド塩に応じた適宜の温度を選択すればよいが、凡そ600K乃至1800K、好ましくは800K乃至1300Kである。また、蒸留は真空蒸留に限らず、常圧であってもよい。雰囲気は不活性雰囲気が好ましい。
また、工程S20の蒸留により分離された、気体分及び液体分に含まれる希土類元素のハロゲン化物(NdIなど)は、そのまま例えば熱分解により、還元に供し、希土類元素を得ることができる。あるいは、これら気体分及び液体分に存在するハライド塩及びハライド塩を構成する金属元素(ZnI、Znなど)を、ハライド塩として再利用することもできる。
次に、蒸留によって分離された固体分(NdI、DyI、Fe−Bなど)から希土類元素(Nd、Dyなど)を溶媒に溶解して溶液として分離する。(工程S30)。溶媒には回収目的の希土類元素化合物(NdI、DyIなど)を溶解し、回収目的物以外の物質(Fe−Bなど)を溶解しないものを適宜選択する。例えば水、有機溶媒、弱酸などを用いることができるが、最も好ましいのは水である。溶解温度は用いる溶媒により適宜選択すればよく、水の場合は、室温(298K)以上373K以下が好ましく、より好ましくは室温(298K)以上323K以下である。
次に前記希土類元素を含む溶液を精製して希土類化合物を得た後、これを還元して、希土類元素を得る(工程S40)。例えば、溶液中に希土類イオンとして存在する希土類元素を、溶媒抽出法などにより相互分離し、例えばシュウ酸などの酸による沈殿などの既存の方法を用いて例えば酸化物や塩化物として得た後、例えば金属熱還元法や溶融塩電解法などの製錬プロセスに供して還元する。
ここで、希土類合金110としてネオジム磁石(Nd−Fe−B−Dy合金)を用い、ハライド塩(溶融塩114)としてZnIを用いた場合のNd及びDyの抽出作用について説明する。
図8は、740KにおけるNd−I系及びDy−I系等温化学ポテンシャル図であり、同図において水平方向に延びる線は、溶融塩114にZnIを用いた場合におけるZnI/Zn平衡時のヨウ素ポテンシャルである。図8に示すように、ZnI/Zn平衡時のヨウ素分圧下では、NdI、DyIが安定相として存在すると予想される。したがって、Iとの反応によるネオジム磁石中の希土類元素の抽出は、740Kでは以下に示す反応式に従って進行するものと考えられ、ネオジム磁石に含まれるNd及びDyは塩化物となって溶融塩114に抽出されることになる。
2Nd(s)+3ZnI(l)→2NdI(s)+3Zn(l)
ΔG = −472.0kJ at 740K
2Dy(s)+3ZnI(l)→2NdI(s)+3Zn(l)
ΔG = −613.27kJ at 740K
なお、ZnI以外のハロゲンを含むハライド塩を用いた場合にも、抽出対象である希土類元素とハロゲンとの等温ポテンシャル図に基づいて、反応温度を設定することで、溶融塩114に希土類元素のハロゲン化物を選択的に効率良く抽出することが可能である。
上述した本実施形態である希土類元素の回収方法によれば、希土類合金110を所定温度(本実施形態では、740K乃至900K)に保持された溶融塩114に浸漬するという簡便な方法によって、希土類合金110に含まれる希土類元素を溶融塩114中にハロゲン化物として抽出することができる。また、抽出剤として液体(溶融塩114)を用いていることから、複雑な形状の磁石スクラップ等からなる希土類合金110からも効率良く希土類元素を抽出することができる。
そして、抽出処理後の溶融塩114を、所定の温度条件(本実施形態では、600K乃至1800K)で蒸留することによって、気体分と液体分と希土類元素のハロゲン化物を含む固体分とに分離し、分離された固体分を、溶媒に溶解して希土類元素を分離し、希土類元素を含む溶液を精製することにより、希土類元素を含む化合物を確実に回収することができる。また、得られた希土類元素を含む化合物を還元すれば、希土類元素を得ることができる。
また、本実施形態では、蒸留によって分離される気体分及び液体分に希土類元素のハロゲン化物が含まれているが、この気体分及び液体分に含まれる希土類元素のハロゲン化物(NdIなど)は、そのまま例えば熱分解により、還元されるため、この回収方法全体として、希土類元素の回収率を向上させることができる。
また、本実施形態においては、目的(回収する希土類元素、処理する希土類合金等)に応じて反応媒体に使用するハライド塩を、上述のように選択することが可能である。よって、ネオジム磁石からの希土類元素の抽出のみならず、NdやDy以外の希土類元素の抽出を行う場合にも、適切なハライド塩を選択して用いることができ、多様な希土類元素の抽出に適用することができる。
ここで、本実施形態においては、ハライド塩としてヨウ化亜鉛を用いている。ヨウ化物ガスは、塩化物ガスに比して高い蒸気圧が得られるため、蒸留・分離工程における温度を低く設定することが可能となる。
(第4の実施形態)
図9は、本実施形態の希土類元素の回収方法で用いる抽出装置の一例を示す図である。図9に示す抽出装置100は、有底のアルミナ管101aと、アルミナ管101a内に設けたアルミナ管101aより高さの低いステンレス製の反応室102aと、アルミナ管101aの周囲に配設されたヒータ103と、反応室102a内に設置された鉄鋼製坩堝113aとを備えている。
坩堝113aの底部には、溶融塩114の排出口が設けられ、反応室102a、アルミナ管101aの底部を液密に貫通する溶融塩排出管130を介して、坩堝113a内の溶融塩114は抽出装置100外に排出されるようになっている。
坩堝113a内には、溶融塩114が収容され、この溶融塩114中には、ワイヤー111により吊り下げられた希土類合金110を収容してステンレス鋼製スクラップ保持バスケット115が浸漬される。
アルミナ管101aの上部はスクラップ取出口とされ、ワイヤー挿通孔116と溶融原料投入口117を備えた開閉可能な蓋体118で覆われている。なお、溶融原料等の交換は、蓋体118を開放してアルミナ管101aの上部から行われる。
反応室102aの上部には、ワイヤー111の通過を許容するスリット119aを形成した開閉式の熱遮蔽板119が配置され、反応時には反応室102aの上部を覆い、溶融原料の投入時およびスクラップの取出し時には引起されて反応室102aの上部を開放するようになっている。反応室102aに雰囲気ガスを供給する場合には、溶融原料投入口117から供給される。
アルミナ管101aの反応室102aより上に位置する側部には、回収目的物の析出温度に調節されたアルミ枝管131が設けられ、このアルミ枝管131内には気化成分を析出させて捕集する有底円筒状の析出物捕集器132が開口部を反応室102a側に向けて配置されている。アルミ枝管131の管端は、析出物捕集器132の出し入れ口とされ、常時は析出物捕集器132を収容した状態で開閉可能な蓋体133により覆われている。
反応室102aには、反応室102a内の温度を測定する温度計104が設けられている。本実施形態は、たとえば、図2や図7のフローチャートに示された実施形態のように実施される。図7に示すように実施する例を説明すると、本実施形態では、ヒータ103により加温保持された反応室102a内に配置された坩堝113aに溶融塩114を投入し、ネオジム磁石等の希土類合金110が収容されたステンレス鋼製スクラップ保持バスケット115を坩堝113a内に浸漬し、数時間〜十数時間程度保持する。これにより、希土類合金110に含まれるNdやDyは、ハロゲン化物となって溶融塩114に抽出される(工程S10)。抽出処理の保持温度は、ハライド塩にヨウ化亜鉛を用いる場合は、740K乃至900K、好ましくは740K乃至900K、最も好ましくは740K乃至800Kである。また、他のハライド塩を用いる場合は、その用いるハライド塩に応じた適宜の温度を選択すればよいが、凡そ600K乃至1800K、好ましくは700K乃至1300Kである。
そして、さらに、工程S10で生じた坩堝内の抽出物を含む溶融塩の加熱を続けて蒸留し、所望の物質(Zn、ZnI又はNdIなど)を気体として溶融塩から分離し、析出物捕集器132内に固体分(NdI、DyI、Fe−Bなど)として析出させる。
この後、NdやDyのハロゲン化物を含む析出物120は、溶媒に溶解させて溶液として分離する(工程S30)。溶媒には回収目的の希土類元素化合物(NdI、DyIなど)を溶解し、回収目的物以外の物質(Fe−Bなど)を溶解しないものを適宜選択する。例えば水、有機溶媒、弱酸などを用いることができるが、最も好ましいのは水である。溶解温度は用いる溶媒により適宜選択すればよく、水の場合は、室温(298K)以上373K以下が好ましく、より好ましくは室温(298K)以上323K以下である。
この溶液を湿式で還元精製することにより所望の希土類元素を回収することができる(工程S40)。
本発明の第4の実施形態によれば、抽出と蒸留を同一の装置で、半自動的に実施できるので、操作が容易であり、回収コストの低減を図ることができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
図1に示した抽出装置100を用いて、ネオジム磁石合金からのNd及びDyの抽出実験を行った。
まず、無水MgClを充分に真空乾燥した後、ステンレス鋼製スクラップ保持バスケット115内に保持されたネオジム磁石合金(26%Nd、5%Dy、68%Fe、1%B)とともに鉄鋼製坩堝113に充填した。この鉄鋼製坩堝113を1273Kに昇温した反応室102内に導入後、アルゴンガス雰囲気下で3〜12時間保持した。反応後、ステンレス鋼製スクラップ保持バスケット115を引き上げ、鉄鋼製坩堝113を電気炉内で徐冷して、鉄鋼製坩堝113内の溶融塩114及び磁石合金試料を回収した。
回収した試料について、X線回折(XRD)による相の同定、誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICPAES)及び電位差滴定法による組成分析を行った。
ネオジム磁石合金を溶融塩114中に6時間浸漬させた際の、反応前後のネオジム磁石合金試料、ならびに溶融塩114のX線回折パターンを図10に示す。
抽出処理前のネオジム磁石合金ではネオジム磁石の主相であるNdFe14B相の存在が確認できたが、抽出処理後の試料からはFe相のみが確認された。また、抽出処理後に得られた塩については、抽出処理前のMgCl相に加えてNdCl相が観察された。これにより、ネオジム磁石合金中のNdが溶融塩114中に塩化物として抽出されたことが確認された。
次に、実験前後の各試料の重量及びNd、Dyの濃度から求める磁石合金試料からの希土類元素含有率R M/Mを、さらに塩中に移行したNd及びDyの量から求める希土類元素抽出率R S/Mを、以下の式(5)及び式(6)に従って算出した。
Figure 0005424352
図11に、これらの値を浸漬時間t”に対してプロットした結果を示す。図11から明らかなように、浸漬時間t”の増加に伴い、ネオジム磁石合金中の希土類元素量が減少し、条件によっては80%以上の抽出率でNdやDyを溶融塩中に抽出することができる。
以上の結果から、溶融塩MgClを用いて磁石合金中の希土類元素を選択的に塩化し、抽出することが可能であることが実験により明らかとなった。
なお、熱力学的にはDyClの生成反応も進むと考えられるものの、今回の実験ではX線回折によるDyClの同定はされなかった。これは、溶融塩中のDyの濃度が低い(〜4%)ことが原因と考えられる。また、本実験条件では反応生成物の液体Mgも抽出反応の促進に寄与していると考えられる。
(実施例2)
図5に示した抽出装置100及び図6に示した蒸留装置300を用いて、ネオジム磁石合金からNd及びDyの回収を行った。
まず、抽出装置100を用いて、溶融塩(ZnI)と小片にしたネオジム磁石合金を混合して、坩堝に収容し、反応温度740K,反応時間12時間で処理した。抽出処理後の溶融塩について、誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP−AES)でZn,Nd,Dy,Feを測定し、電位差滴定法でIを測定し、組成分析を行った。その結果、処理後の溶融塩から、5.6質量%のNd及び1.1質量%のDyが検出された。
次に抽出処理で得られた試料について、蒸留装置300を用いて1073Kで1時間の真空蒸留を行った。
図12に示すように工程S10で得られた試料を収容した容器(ステンレス製坩堝)310とゲッター剤であるスポンジチタン311を反応室302内に配置した。また、反応室302内壁には試料回収のためにチタン箔306を配した。真空ポンプで反応室302内を排気したのち、アルゴンガスを反応室302内に充填することにより不活性雰囲気とした。この操作を数回繰り返した後、真空ポンプで反応室302内を排気した。その後、ヒータ303を加熱して、反応室302内の容器(坩堝)部を1073Kに昇温し、6時間保持した。この間、反応室302内は真空ポンプによる排気を行い続けた。反応後、反応室302を徐冷し、反応室203内壁に析出した析出物と容器(坩堝)内に残留した固体分を回収した。
図13は、上記工程の結果得られた析出物A,Bと容器(坩堝)内の固体分Cの位置および温度を示したもので、図14は、XRDで解析した結果である。
これによれば、低温側の410K乃至640Kでの析出物AにはZnIが、高温側の920Kでの析出物BにはNdI1.95が、容器(坩堝)310内の固体分CにはFeが確認された。ここで、NdI1.95などの低級ヨウ化物が生成したのは、生成したNdIと磁石合金中のNdが反応し、NdIx(x<3)が生成したことによる。さらに、析出物Aには金属皮膜Mが付着しており、この金属被膜Mは、Znであることが確認された。また、誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP−AES)でZn,Nd,Dy,Feを測定し、電位差滴定法でIを測定して組成分析を行ったところ、析出物Bには25.1質量%のNdと2.7質量%のDyが確認された。また、容器(坩堝)内の固体分Cには18.2質量%のNdと3.5質量%のDyと46.5質量%のFeが確認された。
次に、坩堝内に残留していた固体分Cを蒸留水に浸漬したところ、固体分Cの一部が水相へと溶解し、固体残渣が得られた。
図15はこの残渣をXRDで解析した結果であり、Feが確認された。水相中からは希土類元素とヨウ素のみが検出され、蒸留水への浸漬により、希土類元素を水相中に分離することに成功した。また、誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP−AES)でZn,Nd,Dy,Feを測定し、電位差滴定法でIを測定して組成分析を行ったところ、水相中に溶解した化合物中のNd含有量は28.9質量%,Dy含有量は1.4質量%であった。
以上の結果から、溶融塩ZnIを用いて磁石合金中の希土類元素を選択的にヨウ化させ、溶融塩中に抽出させるとともに、抽出処理後の反応物を蒸留分離することで、固体分から希土類元素を回収できることが確認された。

Claims (22)

  1. 希土類合金から希土類元素を回収する方法であって、
    前記希土類合金をハライド塩の溶融塩に浸漬し、前記溶融塩中に前記希土類元素のハロゲン化物を抽出する工程を有し、
    前記ハライド塩が、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属と、F,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物であることを特徴とする希土類元素の回収方法。
  2. 前記希土類元素のハロゲン化物を含む前記溶融塩を気化させ、当該気体を回収することを特徴とする請求項1に記載の希土類元素の回収方法。
  3. 希土類合金から希土類元素を回収する方法であって、
    前記希土類合金に対して予め気化させたハライド塩の気体を供給し、生成した前記希土類元素のハロゲン化物を液体又は気体として回収することを特徴とする希土類元素の回収方法。
  4. 前記ハライド塩が、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属と、F,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物であることを特徴とする請求項に記載の希土類元素の回収方法。
  5. 前記希土類合金から回収される前記希土類元素が、Nd,Dy,Pr,Tbのいずれか又は複数であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の希土類元素の回収方法。
  6. Fe及びCuの少なくとも一方と共存する希土類合金スクラップと、金属塩化物ガスとを、1300〜1800Kの温度で反応させ、
    前記希土類合金スクラップ中の希土類元素を希土類元素塩化物の蒸気として選択的に抽出し、分離回収することを特徴とする希土類元素の回収方法。
  7. Nd及びDyの少なくとも一方を含み、Fe及びCuの少なくとも一方と共存する希土類合金スクラップと、FeClx、CuClx、ZnClxから選ばれる1種以上の金属塩化物ガスとを、1300〜1800Kの温度で反応させ、
    前記希土類合金スクラップ中のNd及びDyを塩化物の蒸気として選択的に抽出し、分離回収することを特徴とする希土類元素の回収方法。
  8. Nd及びDyの少なくとも一方を含み、Fe及びCuの少なくとも一方と共存する希土類合金スクラップと、金属ヨウ化物ガスとを反応させ、
    前記希土類合金スクラップに含まれるNd及びDyをヨウ化物の蒸気として選択的に抽出し、分離回収することを特徴とする希土類元素の回収方法。
  9. 希土類合金から希土類元素を回収する方法であって、
    前記希土類合金をハライド塩の溶融塩に浸漬し、前記溶融塩中に前記希土類元素のハロゲン化物を抽出する工程と、
    前記希土類元素のハロゲン化物が抽出された前記溶融塩を、所定の温度条件で蒸留して、所望の気体分と、所望の液体分と、前記希土類元素のハロゲン化物を含む固体分と、に分離する工程と、
    分離された前記固体分を、溶媒に溶解して希土類元素を分離し、精製ないし還元する工程と、
    を有し
    前記ハライド塩が、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属と、F,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物であることを特徴とする希土類元素の回収方法。
  10. 蒸留によって分離される気体分及び液体分が、ハライド塩を構成する金属及びハライド塩であることを特徴とする請求項9に記載の希土類元素の回収方法。
  11. 蒸留によって分離される気体分及び液体分が、ハライド塩を構成する金属、ハライド塩及び希土類元素のハロゲン化物であり、
    前記気体分又は前記液体分として分離された希土類元素のハロゲン化物を精製ないし還元する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の希土類元素の回収方法。
  12. 前記固体分が、前記希土類元素のハロゲン化物が抽出された後の前記希土類合金の残成分と、前記希土類元素のハロゲン化物を含む固体混在物であることを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載の希土類元素の回収方法。
  13. 前記ハライド塩がヨウ化亜鉛であることを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載の希土類元素の回収方法。
  14. 前記希土類合金から回収される前記希土類元素が、Nd,Dy,Pr,Tbのいずれか又は複数であることを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の希土類元素の回収方法。
  15. 前記希土類合金が、Nd及びDyの少なくとも一方を含み、かつ、Fe及びCuの少なくとも一方と共存する希土類合金であることを特徴とする請求項9から14のいずれか1項に記載の希土類元素の回収方法。
  16. 耐熱材料からなる断熱保護室と、
    前記断熱保護室内に設置された耐熱腐食性金属からなる反応室と、
    前記反応室内に配置された溶融ハライド塩を収容する坩堝と、
    前記坩堝に収容された溶融ライド塩内に、希土類合金スクラップを収容して浸漬される耐熱耐腐食性材料からなるバスケットと、
    前記バスケットを昇降させる昇降手段と、
    前記坩堝を前記溶融ハライド塩の融点以上の温度に加熱する加熱手段と、
    を有し、
    前記溶融ハライド塩が、Li,Na,K,Rb,Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Ti,V,Cr,Mn,Co,Ni,Cu,Zn,Al,Si,Cd,Sb,Pbから選ばれる金属と、F,Cl,Br,Iから選ばれるハロゲンとの化合物、又は組成の異なる前記化合物の混合物であることを特徴とする希土類元素の回収装置。
  17. 前記断熱保護室は、回収対象の気化物の凝固温度に調節された析出回収部を有することを特徴とする請求項16記載の希土類元素の回収装置。
  18. 前記反応室の上部には、ガス導入口およびガス排出口が設けられている請求項16記載の希土類元素の回収装置。
  19. 少なくとも反応室の上部を冷却する冷却手段を有する請求項18記載の希土類元素の回収装置。
  20. 請求項3から8のいずれか1項に記載の回収方法に用いられる回収装置であって、
    耐熱腐食金属からなる円筒状の反応室と、
    前記反応室の一端側に設けられたハライド塩の気体を導入するガス導入口および前記反応室の他端側に設けられたガス排出口と、
    前記反応室内に設けた希土類合金スクラップ配置部と、
    前記反応室を加熱する加熱手段と、
    を有することを特徴とする希土類元素の回収装置。
  21. 請求項9から15のいずれか1項に記載の回収方法に用いられる回収装置であって、
    耐熱腐食金属からなる一端を閉塞した円筒状の反応室と、
    前記反応室の他端側に設けられたガス排出口と、
    前記反応室の閉塞部側に設けた希土類合金スクラップ配置部と、
    前記ガス排出口から反応室内の気化成分を吸引する吸引手段と、
    前記反応室を加熱する加熱手段と、
    を有することを特徴とする希土類元素の回収装置。
  22. 前記反応室は、希土類合金スクラップ配置部から、前記ガス排出口に向けて降温する温度勾配が設けられていることを特徴とする請求項20又は21記載の希土類元素の回収装置。
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