JP5422602B2 - 表面処理金属板及びその表面処理方法、並びに樹脂被覆金属板、缶及び缶蓋 - Google Patents
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Description
これらの処理を利用した金属材料は、家電製品や建材、車両、航空機、容器などの用途に広く利用されており、中でも、クロメート処理はその優れた耐食性と密着性から最も広く利用されてきた。
クロメート処理を処理方法から大別すると、化成型(反応型・塗布型)と電解型に分類でき、形成被膜から大別すると、自己修復効果をより大きく利用するために最終製品中に微量の6価クロムが残存するタイプと最終製品中に6価クロムが残存しないタイプに分類できる。
また、陽極酸化処理を利用した方法では、一次密着性は良好であるが、内容物充填後のレトルト殺菌処理により密着性が低下するという傾向にある他、処理液の冷却用熱交換設備や大容量電源などにもコストがかかる上、ランニング時にも処理に大電力を必要とするためコスト高となる問題があった。
更に、アルミニウム箔のような基材自身の厚みが薄い場合には、陽極酸化処理時の基材の溶解や加工性の乏しい陽極酸化膜の占める割合が高くなり、箔の柔軟性を低下させるという問題があった。
更に、上記従来技術の多くは、用いる金属板がアルミニウム合金に限定されるものであり、金属材料全体の課題を解決できるものではない。
多様な材料に処理が可能という意味では、Al2O3やZrO2などをPVDやCVDなどによって、金属材料の表面に形成するという公知の方法が考えられる。しかしながら、上記の方法は真空を要するために、設備にコストがかかる上、高速処理が困難であり、結果的に更にコスト高となる。また、金属板と処理膜との密着性や加工後の耐食性を確保することが難しい。同様に、湿式法により有機ジルコニウム化合物などを塗布後加熱乾燥して酸化膜を得る方法においても、金属板と処理膜との密着性や加工後の耐食性を確保することが難しい。
Zr,O,Fを主成分とし、リン酸イオンを含有しないことを特徴とする表面処理は、アルミニウム板にも鋼板にも利用できるが、錫めっき鋼板に処理した場合に、錫酸化膜が成長しやすく、処理後の経時や加熱による変色が起こりやすいといった問題点があった。
また本発明の他の目的は、水溶液からの高速処理により製造が容易で低コストの表面処理方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、上記表面処理金属板に有機樹脂、中でも特にポリエステル樹脂を被覆して成る樹脂被覆金属板から成る密着性、耐食性、耐デント性等に優れた金属缶及び缶蓋を提供することである。
また、本発明の他の目的は、処理被膜の主成分がAlとOであり、且つ、構造材料として多く利用されている金属である鉄にもアルミにも利用できる、質の面でも量の面でも環境に優しい処理方法を提供することである。
本発明の表面処理金属板においては、
1.金属基体が、錫、ニッケル、亜鉛、鉄の1種以上を含むめっき層を有している表面処理鋼板であること、
2.金属基体が錫めっき層を有する表面処理鋼板であって、錫の表面露出率が5%未満であること、
3.無機表面処理層の上に、Si量として0.8〜30mg/m2のシランカップリング剤を主体とする有機表面処理層が形成されていること、
4.無機表面処理層の上に、フェノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層が形成されていること、
が好適である。
尚、本発明において、Alはアルミニウム、Oは酸素、Fはフッ素、Zrはジルコニウム、Tiはチタン、Pはリン、Sは硫黄、をそれぞれ表す。
更に、表面処理を同じにすることによって、アルミとスチールといった、異種金属板を組み合わせて使用する場合(例えば金属缶における、アルミ蓋とスチール缶胴の組み合わせ)にしばしば報告される、ガルバニック腐食といった問題も回避できることができる。
本発明の表面処理金属板及び樹脂被覆金属板においては、特に金属缶及び缶蓋に有効に使用できるが、これ以外にも自動車、家電製品、建材等の用途にも有効に使用することができる。
また金属基体の表面に、水溶液からの陰極電解処理により析出して形成された表面処理層を有する表面処理金属板であって、該無機表面処理層がAl,O及びFを含有し、無機表面処理層の最表面に含有されるFとM(但し、MはAl、またはAlと、Ti及び/又はZr)の原子比が、0.1<F/Mであることが重要な特徴である。
これにより上述したように、種々の金属材料に表面処理を施すことが可能となる。
また本発明の表面処理金属板においては、無機表面処理層が、Al及びOに加えてFを含有することにより、高温多湿環境下においても処理層の最表面の状態を保持して安定な表面を維持することが可能であり、結果として耐食性の保持、及び樹脂被膜の密着性または接着性の低下を抑制することが可能となるのである。これに加えて、製造工程においては、適量のFの存在は、均一な無機被膜の生成に有効であり、結果として、0.1<F/MのFが被膜成分に含まれることになる。特にアルミニウム基体においては、局部的に被膜が形成され易い為、無機被膜中に0.1<F/MのFを含むことが重要である。
しかし、水酸基は、高温多湿環境下において、水和して処理層の構造変化を誘起し諸特性に悪影響を及ぼす可能性がある。適量のFを含むことによって、水酸基の少なくとも一部をFで置換して、AlOX(OH)Y−ZFZのような安定化構造をとることにより、高温多湿環境下での処理層の構造変化を抑制し、より一層安定な表面を保持することが可能となるのである。
従来の金属板の表面処理方法である、化成処理や陽極酸化処理では、被膜形成機構上、硫酸イオンやリン酸イオンが膜中に含まれやすく、化成処理では構成成分となっている。これら膜中のアニオン、特にリン酸イオンのように、イオン半径の大きいアニオンは、レトルト殺菌処理などの高温多湿下で溶出しやすいことがわかっており、処理被膜からこのようなアニオンが溶出すると、表面処理金属板上に設けられた樹脂被膜の密着性や接着性が低下することになる。
上述した無機表面処理層が主として金属板の耐食性に寄与するものであるのに対し、有機表面処理層は、主としてポリエステル樹脂等の有機被覆との密着性に寄与するものであるが、これらはこの順序で積層されることにより、高度の加工に付された場合にも、有機樹脂被覆との優れた加工密着性及び耐食性をも発現することが可能となるのである。
以上のように、フェノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層、或いはシランカップリング剤処理層が形成されている場合には、有機表面処理層による、ポリエステル樹脂等の有機被覆との密着効果と加工後のヒートセットによる密着力回復効果から、高温多湿下においてイオン半径の大きいアニオンの溶出があっても使用は可能となる。しかし、勿論のことではあるが、無機表面処理層中に硫酸イオンやリン酸イオンなどのイオン半径の大きいアニオンを含まないことが最も望ましい使用形態である。
陰極電解処理によれば、反応型の化成処理被膜と比較して、膜厚の形成速度が速く、膜厚の制御範囲を大幅に広げることができ、用途に応じた被膜生成が可能となるのである。
一方、従来の化成処理においては、処理液組成による化学反応に依存していることから被膜形成速度が限定されており、このため高速処理では膜厚が制限されるのに対して、陰極電解処理では、電解反応を利用するため、被膜形成の高速処理が可能になるのである。
また化成処理や陽極酸化処理では、被膜形成機構上、硫酸イオンやリン酸イオンが膜中に含まれやすく、化成処理では構成成分になってしまうため、上述したようなアニオン量の制御が困難である。
また化成処理や陽極酸化処理では、被膜形成機構上、被処理材である基材金属元素が膜中に含まれやすく、反応型の化成処理では構成成分になってしまうため、基材毎に液組成を検討し、場合によっては大幅に変更する必要がある。これに対して、陰極電解処理によれば、浴組成の変更は最小限にとどめることができ、電解条件によって調整できる範囲が広いため、多様な基材への処理が可能となるのである。
〈無機表面処理層〉
本発明の表面処理金属板においては、上述した通り、表面処理金属板の無機表面処理層が、少なくともAl及びOを含有し、より好適には更にFを含有することが一つの重要な特徴である。
図1に示す本発明による陰極電解によるAl及びOを含む無機表面処理1において、X線光電子分光装置(以下、XPSという)により、O1sのピーク11,Al2pのピーク12及びF1sのピーク13を測定した例を示した。ここでは、無機表面処理層の成分として、Al及びOの他にFを含む場合について示した。
以下に、本発明による無機表面処理層がアルミニウムの水酸化物またはオキシ水酸化物を含有することについて、例を挙げて説明する。まず、無機表面処理層の最表面をXPSにより、O1s,Al2p,試料の汚染によるC1sを測定し、図1に示すように、O1s及びAl2pの束縛エネルギー位置111及び112を求める。次に、O1s及びAl2pの束縛エネルギー位置111及び121を、試料の汚染によるC1sの束縛エネルギー位置が、比較する試料の間で一定となるように補正し、正規の束縛エネルギー位置を求める。ここで束縛エネルギーの絶対値は、装置により異なるので、同一装置での試料のエネルギー位置を比較することが重要である。
イオン半径の大きいアニオン成分をほとんど含まない場合には、O/MのOは1<O/M<2.5の範囲となる。また、2.5≦O/M<3.5の範囲となる場合には、被膜中にイオン半径の大きいリン酸や硫酸などのアニオン成分を僅かに含み、3.5≦O/M<5.5の範囲となる場合には、アニオン成分が相当量含まれていると考えられる。したがって、3.5≦O/M<5.5の範囲の場合に、レトルト後の密着性を確保するには、カップリング剤処理層などの有機表面処理層を無機表面処理層の上に設けることが望ましい。更に、上記範囲を超え、5.5<O/Mである場合には、上記Mに含まれる元素以外の基材成分も酸化していると考えられる。すなわち、ぶりき表面の錫層などが酸化し、結果的にO/Mを上昇させる原因となっている。この場合には、錫表面自身が酸化している為、凝集力が弱く、たとえ有機表面処理層を設けても、十分な密着性を得ることができない。
F/Mが2.5以上であると、Fはイオン半径が小さいとはいえ、Mに対するアニオン量が過多となり、密着性が低下する原因となる。
測定に用いる表面処理金属板の状態としては、清浄な状態であれば、そのまま表面を解析する。有機樹脂が接着や融着された後であれば煮沸した過酸化水素水などに数分間浸漬してまず有機樹脂層を除去する必要がある。
清浄でないサンプルや前述の有機樹脂被覆層を除去後のサンプルは、C,O,F,Al,Zr,Ti,基材金属元素などの表面構成主要元素の和を100%とした時に対して、C1sの原子濃度が10%以下となるまでArスパッタリングにより汚染層を軽く除去し、この時点でのO/M,F/Mの原子比を求めることができる。また、定法により、O,F及びAl,Zr,Tiの各元素についてバックグランド除去後のピーク面積を求めてから、測定装置の相対感度係数を用いて各元素の原子濃度を求め、O/M及びF/M比を計算により求めてもよい。
図2にAl2pピーク2の例を示す。バックグランドの基準線21とピーク22に囲まれる範囲がピーク面積23となる。尚、当然ではあるが、バックグランドの引き方によって、原子比が変動するので、バックグランドの引き方には注意が必要である。
図3は、XPSにより、硫酸による陽極酸化アルマイトの最表面のS1sピーク31と、本発明による無機表面処理層の最表面のS1sピーク32を比較したものである。同様にして、P2pピークや表面に存在するC1s,O1s,F1s,Al2p,Ti3d,Zr3dなど表面に存在するピークをそれぞれ測定し、解析ソフトにより原子濃度を求めた値から(P+S)/Mを求めることができる。図3の例に用いたサンプルでは、(P+S)/Mの値は、本発明で0.0であるのに対して、陽極酸化アルマイトでは、0.1であった。
重量膜厚の測定方法としては、基板金属の主成分がAl以外からなる場合には、市販の蛍光X線分析装置によって膜厚を定量することができる。この場合、予めAl重量膜厚既知の複数のサンプルからAl重量膜厚とAlのX線強度の関係を示す検量線を作成しておき、ついで、未知試料を用いて測定したAlのX線強度を、検量線に基づき重量膜厚に換算する。
基板金属の主成分がAlから成る場合には、基材金属を酸などにより溶解し、無機表面処理層を抽出して、透過形電子顕微鏡付属のエネルギー分散型X線分析装置により、X線強度と標準試料を用いて作成した検量線の関係から、重量膜厚を求める方法により測定する。
無機表面処理層がAlの他に,Zr,Tiの少なくとも1種を含む場合には、それぞれの元素の密度が異なる為、Al,Zr,Tiのトータルの重量膜厚として5〜300mg/m2の間にあることが好ましい。
金属基体主元素の露出率がこれ以上であると、耐食性や密着性において、満足な性能が得られない。特に、ぶりきや薄錫めっき鋼板、極薄錫めっき鋼板など、金属錫が存在する表面に処理する場合には、錫の表面露出率が5%以上あると、耐食性や密着性の他に耐硫性や経時変色の問題も生じ、外観の点でも劣ったものとなる。表面露出率は、XPSにより、C1s,P2p,O1s,F1s,S1s,Al2p,Ti3d,Zr3d,Sn3d5,Fe2pなど表面に存在する主要元素のピークをそれぞれ測定し、解析ソフトにより原子濃度を求めた値から求めることができる。ただし、Fe2pのピークは、Snのピークと重なることがあるので、この場合には、ピーク分離を行う必要がある。
本発明の表面処理金属板においては、前記無機表面処理層の上にSi量が0.8〜30mg/m2であるシランカップリング剤処理層が更に形成されていることが特に好適である。
シランカップリング剤処理層を形成するシランカップリング剤は、熱可塑性ポリエステル樹脂と化学結合する反応基と無機表面処理層と化学結合する反応基を有するものであり、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基等の反応基と、メトキシ基、エトキシ基等の加水分解性アルコキシ基を含むオルガノシランから成るものや、メチル基、フェニル基、エポキシ基、メルカプト基等の有機置換基と加水分解性アルコキシ基を含有するシランを使用することができる。
シランカップリング剤処理層は、Si量が0.8〜30mg/m2、特に3〜15mg/m2となるように形成されていることが好ましい。上記範囲よりもSi量が少ないと有機表面処理層の効果、すなわち、耐食性向上や密着性向上の効果に乏しく、また上記範囲よりもSi量が多いと、未反応のシランカップリング剤が自己縮合するため満足し得る加工密着性、耐食性を得ることができない。
また、シランカップリング剤処理層は、SiO2粒子を含有している無機表面処理層の上に形成することもできる。
本発明の表面処理金属板においては、前記無機表面処理層の上にフェノール系水溶性有機化合物を主体とする層が存在していることが特に好適である。
フェノール系水溶性有機化合物としては、下記式(1)
OH
|
− φ −CH2− ・・・(1)
|
X
式中、φはベンゼン環を表し、Xは水素原子又は下記式(2)
Z= −CH2−N−R1・・・(2)
|
R2
式中、R1及びR2の各々は炭素数10以下のアルキル基又は炭素数10以下のアルキル基又は炭素数10以下のヒドロキシアルキル基である、で表されるZを表し、基Zの導入率はベンゼン環1個当たり0.2〜1.0であるものとする、
で表される反復単位から成るフェノール樹脂であることが好適である。
タンニンとしては、ハマメリタンニン、カキタンニン、チャタンニン、五倍子タンニン、没食子タンニン、ミロバランタンニン、ジビジビタンニン、アルガロビラタンニン、バロニアタンニン、カテキンタンニン等を挙げることができる。タンニンは、数平均分子量が200以上であることが好ましい。
上記フェノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層においては、かかる有機表面処理層中に炭素原子換算で3〜75mg/m2、特に6〜30mg/m2の範囲の含有量でフェノール系水溶性有機化合物を含有していることが望ましい。上記範囲よりも少ない場合には、有機表面処理被膜の密着性に劣り、一方上記範囲よりも多い場合には有機表面処理被膜の膜厚が必要以上に大きくなり密着性及び耐食性が低下する。
また、上記フェノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層は、カーボンを主成分とする有機化合物と、リン化合物とジルコニウムあるいはチタン化合物を含む表面処理剤を用いて形成された有機-無機複合層であっても良い。
図4に、表面にシランカップリング剤層を設けた表面処理金属板の最表層について、XPSによりN1sピーク41を測定した結果を示す。図4に示すとおり、Nが検出されており、フェノール系水溶性有機化合物においても同様にNが検出される。
図7に示す表面処理金属板5は、Al,Oを主構成成分とする無機表面処理層52を有している点は図5と同じであるが、金属板基体51が金属板51aと金属メッキ層51bにより構成されている。基体51の大部分を占める金属板51aに被覆される金属メッキ層51bは、後述するように、金属板51aの耐食性を高める役割を持つものが使用される。
本発明に用いる金属板基体としては、各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板などが使用される。表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍した後二次冷間圧延し、亜鉛めっき、錫めっき、ニッケルめっき、アルミニウムめっき等の表面処理の一種または二種以上行なったものを用いることができ、他にアルミニウムクラッド鋼板なども用いることができる。
また、前記めっき層は、錫、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウムの1種以上を含む金属層のみからなっていても良いし、前記めっき層が、錫、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウムの1種以上を含む金属層と錫、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、鉄の2種以上を含む合金層とからなっていても良いし、あるいはまた、前記めっき層が、錫、ニッケル、亜鉛、鉄、アルミニウムの2種以上を含む合金層のみからなっていても良い。
本発明の金属板の表面処理方法においては、Alイオン濃度が0.001〜0.05モル/リットルの範囲にある水溶液中で陰極電解処理することが重要な特徴である。陰極電解処理では、局所的な電解集中を生じると不均一な被膜となる為、均一な電位分布となるように注意が必要である。特に、表面に緻密な酸化膜が形成されている金属板への処理や酸性領域で溶解しやすい金属板への処理は、局所的な電解集中が生じ易く、均一な被膜形成が困難である。この為、例えばアルミニウム板へ処理する場合には、ジンケート処理などの特殊な前処理が必要とされることが多い。
本発明においては、特殊な前処理を行なうことなく、できるだけ均一な表面処理膜を生成するために、低濃度の浴で電解処理を行なうこととしている。すなわち、上記範囲よりも浴濃度が高いと、濃度分極を生じやすく、分極抵抗の低い部分に電解が優先的に集中するため、結果的に不均一な被膜が形成され好ましくない。一方、上記範囲よりも浴濃度が低い場合には、浴の電気伝導度が低く、処理に要する電力上昇を招くので好ましくない。
図8は、Fイオンを含まない浴とFイオンを0.024モル/リットル含む浴とを用いて、錫めっき鋼板を陰極として同一条件で電解し、Alの析出膜厚を比較したものである。横軸は通電と停止のサイクルを複数回繰り返す断続電解を行なった時の通電時間と停止時間の総和であるトータル電解時間を示している。図から明らかなように、Fイオンを含む場合のほうが、Al膜厚の形成速度が速いことが理解される。
一方、低電流密度、例えば、約0.5A/dm2程度の低電流密度で電解した場合には、連続電解でも断続電解でも析出効率に差がないか、あるいは、連続電解の方が効率よく析出する。低電流密度の場合には、析出速度が遅く、濃度分極は生じにくい為、連続電解と断続電解とは差が生じないか、逆に、連続電解の方が高い析出効率となる。
また、Alと共にZrやTiを使用する場合、Zr薬剤としてはフッ化ジルコニウムカリウムKZrF6やフッ化ジルコニウムアンモニウム(NH4)2ZrF6、炭酸ジルコニウムアンモニウム溶液(NH4)2ZrO(CO3)2、オキシ硝酸ジルコニウムZrO(NO3)2、オキシ酢酸ジルコニウムZrO(CH3COO)2などを用いることができ、Ti薬剤としては、チタンフッ化カリウムK2TiF6、チタンフッ化アンモニウム(NH4)2TiF6、チタンフッ化ソーダNa2TiF6、シュウ酸チタンカリウム2水和物K2TiO(C2O4)2・2H2O、塩化チタン(III)溶液TiCl3、塩化チタン(IV)溶液TiCl4などを用いることができる。
ZrやTi薬剤を含まずにAl薬剤を使用する場合であっても、水溶液中にFを含むことが析出効率の点から好ましいが、特に、ZrやTi薬剤をAlと共に使用する場合には、水溶液中にFとして、0.03モル/リットル〜0.35モル/リットルの範囲でFを含むことが好ましい。上記範囲よりもフッ素イオン濃度が低いと、析出効率が低い他に、特性面でも高温多湿環境下で経時的に不安定な表面となるので好ましくなく、上記範囲よりもフッ素イオン濃度が高いと析出効率を阻害する傾向があると共に、浴中に沈殿物を生じやすいので好ましくない。
硝酸イオンは、長期にわたって電解する際に、析出状態の安定性を保つ効果があり、硝酸、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムなどをイオン源として用いることができる。過酸化物は、水溶液中で酸素を発生し、陰極表面近傍の濃度分極を抑制する効果があり、浴の攪拌が乏しい時に特に有用である。過酸化物としては、例えば、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソホウ酸ナトリウム、ペルオキソ炭酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウムなどを用いることができる。さらに、錯化剤は、浴中に沈殿物が生成するのを抑える働きがあり、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリシンなどを用いることができる。硝酸イオン、過酸化物、及び錯化剤の添加濃度は、高濃度すぎると析出効率を阻害する傾向があり、硝酸イオン、過酸化物、錯化剤のそれぞれの濃度は0.2モル/リットル以下であることが好ましい。
陽極側に相当する対極板には、酸化イリジウム被覆したチタン板が好適に用いられる。対極板の条件としては、電解中に対極材料が処理液中に溶解せず、酸素過電圧の小さい不溶性陽極であることが望ましい。
有機被膜を無機表面処理層上に形成するには、上述したフェノール系水溶性有機化合物又はシランカップリング剤溶液を無機表面処理層上に塗布、若しくはフェノール系水溶性有機化合物又はシランカップリング剤溶液中に無機表面処理層を形成した表面処理金属板を浸漬し、その後絞りロールで過剰な溶液を除去した後、80〜180℃の温度条件下で加熱乾燥することによりすることにより形成することができる。
本発明の樹脂被覆金属板は、上記表面処理金属板の少なくとも片面に有機樹脂、中でも特にポリエステル樹脂から成る層を被覆して成るものであり、上述した表面処理金属板を用いることから、樹脂被覆の密着性及び接着性に優れており、このため優れた耐食性、耐デント性を有している。
本発明の樹脂被覆金属板の一例の断面図を示す図9において、この樹脂被覆金属板5は、容器としたときの内面側(図において右側)で見て、金属板基体51、基体表面に設けられた、Al,Oを主構成成分とする無機表面処理層52、無機表面処理層52の上に設けられた有機表面処理層53、及びその上に設けられたポリエステル樹脂被覆層54の多層構造を有している。図9の例では、容器としたときの外面側(図において左側)において、前記無機表面処理層52を介して外面樹脂保護層55を備えているが、外面樹脂保護層55は、前記ポリエステル樹脂被覆層54と同一のポリエステル樹脂であっても、或いはこれと異なるポリエステル樹脂からなっていてもよく、また異なる樹脂からなっていてもよい。
本発明の樹脂被覆金属板において、金属板上に設ける有機樹脂としては、特に限定はなく、各種熱可塑性樹脂や熱硬化性乃至熱可塑性樹脂を挙げることができる。
有機樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリルエステル共重合体、アイオノンマー等のオレフィン系樹脂フィルム、またはポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、もしくはナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムの未延伸または二軸延伸したものであってもよい。積層の際に接着剤を用いる場合は、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミド系接着剤、コポリエステル系接着剤(厚さ:0.1〜5.0μm)等が好ましく用いられる。さらに熱硬化性塗料を、厚み0.05〜2μmの範囲で表面処理金属板側、あるいはフィルム側に塗布し、これを接着剤としてもよい。
これらの中でも、容器用素材としてポリエステル樹脂が最も好適に用いられる。ポリエステル樹脂としては、エチレングリコールやブチレングリコールを主体とするアルコール成分と、芳香族二塩基酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の酸成分とから誘導される熱可塑性ポリエステルが挙げられる。
ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートそのものも勿論使用可能であるが、フィルムの到達し得る最高結晶化度を下げることが耐衝撃性や加工性の点で望ましく、この目的のためにポリエステル中にエチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を導入するのがよい。エチレンテレフタレート単位或いはブチレンテレフタレート単位を主体とし、他のエステル単位の少量を含む融点が210乃至252℃の共重合ポリエステルを用いることが特に好ましい。尚、ホモポリエチレンテレフタレートの融点は一般に255〜265℃である。
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸:の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコールまたはブチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。勿論、これらのコモノマーの組合せは、共重合ポリエステルの融点を前記範囲とするのが好ましい。
三官能以上の多塩基酸及び多価アルコールとしては、トリメリット酸、ピロメリット酸、ヘミメリット酸、1,1,2,2−エタンテトラカルボン酸、1,1,2−エタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸等の多塩基酸や、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価アルコールが挙げられる。
ホモポリエステル或いは共重合ポリエステルは、フィルム形成範囲の分子量を有するべきであり、溶媒として、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定した固有粘度〔η〕は0.5乃至1.5、特に0.6乃至1.5の範囲にあるのがよい。
エチレン系重合体として、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらの内でも、アイオノマーが好適なものであり、アイオノマーのベースポリマーとしては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、イオン種としては、Na、K、Zn等のものが使用される。熱可塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素化スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が使用される。
また、その本質を損なわない範囲で、脂肪族グリコールと二塩基酸とから誘導されたエステル単位との共重合体であってもよい。これらのポリアリレートは、ユニチカ社のUポリマーのUシリーズ或いはAXシリーズ、UCC社のArdelD−100、Bayer社のAPE、Hoechst社のDurel、DuPont社のArylon、鐘淵化学社のNAP樹脂等として入手できる。
多層ポリエステル樹脂層の例を示すと、表層/下層として表示して、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン・シクロへキシレンジメチレン・テレフタレート、イソフタレート含有量の少ないポリエチレンテレフタレート・イソフタレート/イソフタレート含有量の多いポリエチレンテレフタレート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレート・イソフタレート/[ポリエチレンテレフタレート・イソフタレートとポリブチレンテレフタレート・アジペートとのブレンド物]等であるが、勿論上記の例に限定されない。表層:下層の厚み比は、5:95乃至95:5の範囲にあるのが望ましい。
中でも、トコフェロール(ビタミンE)を用いることが好ましい。トコフェロールは、従来より酸化防止剤としてポリエステル樹脂の熱処理時における減成による分子量低下を防止して耐デント性を向上させるものであることが知られているが、特にポリエステル樹脂に前述したエチレン系重合体を改質樹脂成分として配合したポリエステル組成物にこのトコフェロールを配合すると、耐デント性のみならず、レトルト殺菌やホットベンダー等の過酷な条件に付され被膜にクラックが生じたような場合でも、クラックから腐食が進むことが防止され、耐食性が著しく向上するという効果を得ることができる。
トコフェロールは、0.05乃至3重量%、特に0.1乃至2重量%の量で配合することが好ましい。
本発明において、表面処理金属板へのポリエステル被覆層の形成は任意の手段で行うことができ、例えば、押出コート法、キャストフィルム熱接着法、二軸延伸フィルム熱接着法等により行うことができる。押出コート法の場合、表面処理金属板の上にポリエステル樹脂を溶融状態で押出コートして、熱接着させることにより製造することができる。即ち、ポリエステル樹脂を押出機で溶融混練した後、T−ダイから薄膜状に押し出し、押し出された溶融樹脂膜を表面処理金属板と共に一対のラミネートロール間に通して冷却下に押圧一体化させ、次いで急冷する。多層のポリエステル樹脂層を押出コートする場合には、表層樹脂用の押出機及び下層樹脂用の押出機を使用し、各押出機からの樹脂流を多重多層ダイ内で合流させ、以後は単層樹脂の場合と同様に押出コートを行えばよい。また、一対のラミネートロール間に垂直に表面処理金属板を通し、その両側に溶融樹脂ウエッブを供給することにより、前記基体両面にポリエステル樹脂の被覆層を形成させることができる。
また、本発明の樹脂被覆金属板は、T−ダイ法やインフレーション製膜法で予め製膜されたポリエステル樹脂フィルムを金属板に熱接着させることによっても製造することができる。フィルムとしては、押し出したフィルムを急冷した、キャスト成形法による未延伸フィルムを用いることもでき、また、このフィルムを延伸温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延伸後のフィルムを熱固定することにより製造された二軸延伸フィルムを用いることもできる。
本発明の金属缶は、前述した樹脂被覆金属板から形成されている限り、任意の製缶法によるものでよい。この金属缶は、側面継ぎ目を有するスリーピース缶であることもできるが、一般にシームレス缶(ツーピース缶)であることが好ましい。このシームレス缶は、表面処理金属板のポリエステル樹脂の被覆面が缶内面側となるように、絞り・再しぼり加工、絞り・再絞りによる曲げ伸ばし加工(ストレッチ加工)、絞り・再絞りによる曲げ伸ばし・しごき加工或いは絞り・しごき加工等の従来公知の手段に付すことによって製造される。また、このシームレス缶は、ネック成形後蓋を巻き締めて使用するツーピース缶であっても良いし、多段ネック加工・ネジ加工後、キャッピングを行って使用するボトルタイプの缶であっても良い。また、ボトルタイプの缶の場合には、底部にシェル蓋が巻き締められ、缶上部にキャッピングが行われているスリーピースタイプの缶であっても良い。
例えば、シームレス缶の好適な製造法では、樹脂被覆金属板を円形にせん断し、これを絞りダイスと絞りポンチの組み合わせを用いて、絞り加工により浅絞りカップを作り、ついで同一金型中で絞りながらしごきを行う同時絞りしごき加工を複数回繰り返して径が小さくハイトの大きいカップに成形する。この成形法では、薄肉化のための変形が、缶軸方向(高さ方向)の荷重による変形(曲げ伸ばし)と缶厚み方向の荷重による変形(しごき)との組み合わせでしかもこの順序に行われ、これにより、缶軸方向への分子配向が有効に付与されるという利点がある。その後、ドーミング成形、加工により生じる被覆樹脂の残留歪みの除去を目的とした熱処理、続いて開口端部のトリミング加工、曲面印刷、ネックイン加工、フランジ加工を行って缶を作成する。
勿論、本発明の金属缶の製造には、公知の製缶法を適用することができ、例えば特開平4−231120号公報に記載された絞り・しごき成形法や、特開平9−253772号公報に記載された同時絞り・しごき成形法を適用することができる。
本発明の缶蓋は、上述した樹脂被覆金属板から形成されている限り、従来公知の任意の製蓋法によるものでよい。一般には、ステイ・オン・タブタイプのイージーオープン缶蓋やフルオープンタイプのイージーオープン缶蓋に適用することができる。
本発明のイージーオープン缶蓋の上面を示す図12及び断面を拡大して示す図13において、この蓋60は、前述した樹脂被覆金属板から形成されており、缶胴側面内面に嵌合されるべき環状リム部(カウンターシンク)61を介して外周側に密封用溝62を備えており、この環状リム部61の内側には開口すべき部分63を区画する全周にわたり形成されたスコア64が設けられている。この開口すべき部分63の内部には、大略中央部を押入して形成した略半円状の凹部パネル65と凹部パネル65の周囲に蓋材を突出させて形成したディンプル66と蓋材を缶蓋外面側に突出させて形成したリベット67とが形成され、開口用タブ68がこのリベット67のリベット打ちにより固定されている。開口用タブ68は、一端に押し裂きによる開口用先端69及び他端に保持用リング70を有している。リベット67の近傍において、スコア64と反対側には、スコア64とは不連続に並設された破断開始用スコア71が形成されている。
次いで、リング70を上方に引張ることにより、スコア64の残留部が全周にわたり破断されて開口が容易に行われる。
上記具体例の蓋は、いわゆるフルオープンタイプであるが、勿論、ステイ・オン・タブタイプのイージーオープン蓋にも適用可能である。
イージーオープン缶蓋の好適な製造方法では、樹脂被覆金属板をプレス成形工程で円形に打抜くと共に蓋の形にし、密封用溝へのコンパウンドのライニング及び乾燥によるライニング工程を経て、スコア刻設工程で蓋の外面側から金属素材の途中に達するようにスコアの刻設を行い、ついでリベット形成、リベットにタブを取付け後、リベットを鋲打することによるタブ取付けを行い、イージーオープン缶蓋を作成する。イージーオープン缶蓋の適当な例は、例えば特開2000−128168号公報に記載されている。
金属容器は、表面処理金属材料又は樹脂被覆金属材料の加工性、耐食性の点で最も厳しい環境下におかれているので、実施例は金属缶及び缶蓋で示すが、もちろん、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
2台の押出機から2層Tダイを介して表3に示す組成のポリエステル樹脂を溶融押出し後、冷却ロールにて冷却して得られたフィルムを巻き取り、表4に示す構成のキャストフィルム(イ),(ロ),(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ),(ト)を得た。
表面処理後の金属材料をX線光電子分光装置(XPS)により下記条件で、C1s,O1s,F1s,Al2p,Ti3d,Zr3など表面に存在する主要元素のピークをそれぞれ測定し、解析ソフトにより求めた原子濃度からO/M,F/M,(P+S)/Mの原子比(但し、MはAl、またはAlと、Ti,Zrのうち少なくとも1種以上を含む)を求めた。但し、原子比を算出する際には、C1sの原子濃度が10%以下となるまでArスパッタリングにより汚染層を軽く除去した時の原子濃度を利用した。また、表面露出率については、例えば基板金属が錫めっき鋼板である場合には、C1s,P2p,O1s,F1s,S1s,Al2p,Ti3d,Zr3d,Sn3d5,Fe2pなど表面に存在する主要元素のピークをそれぞれ測定し、解析ソフトにより求めた錫の原子濃度を表面露出率とした。
装 置 PHI社製 Quantum 2000
励起X線源 Alモノクロメーター75W−17kV
測定径 φ100μm
光電子取り出し角 90°(試料の法線に対し0°)
解析ソフト;MultiPak
[接着性評価]
表面処理金属材料を5mm幅で80mm長さに短冊状に切断し、表4の(ト)に示すキャストフィルムを5mm幅で80mm長さに短冊状に切段した。得られた2枚の表面処理短冊切片間に上記ポリエステルフィルム切片を挟み、2.0kg/cm2の圧力下で220℃3秒間加熱してTピール試験片とした。その後、110℃60分間のレトルト処理を行い、終了後すぐに水中に浸漬し、引張試験機による測定直前に水中から引き上げて、引張速度10mm/分で接着強度を測定した。
表面処理金属材料を70mm幅で150mm長さに短冊状に切断後、切断部3mm幅をテープで保護し、35℃5%NaCl水溶液を6時間噴霧した後の鉄さびの発生状態を観察した。
表面処理金属材料を70mm角に切断後、エリクセン試験機により3mmの張り出し加工を行った。次いで、切断部3mm幅をテープで保護し、4.5g/リットルのリン酸二水素カリウムKH2PO4と12g/リットルのリン酸水素ナトリウムNa2HPO4・12H2O及び2g/リットルの
L-システイン塩酸塩1水和物の混合液から成るモデル液中に入れ、密封容器中で115℃60分のレトルト処理を行った。
表面処理金属材料を70mm角に切断後、200℃で1時間加熱し、加熱後の変色の程度を比較した。
1.表面処理金属板の作成
金属板として厚み0.195mm、調質度T3の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、水洗、純水洗し、前処理を行ない、片面あたり錫を1.3g/m2にめっきした後、リフロー処理を行い、ついで、浴温45℃の表2のAの処理浴中で攪拌を行いながら、極間距離17mmの位置に配置した酸化イリジウム被覆チタン板を陽極として、電流密度2A/dm2とし12秒間陰極電解し、その後すぐに、流水による水洗、純水洗、乾燥の後処理を行なった。
得られた表面処理金属板の一部は、Al,Ti,Zrなどの重量膜厚測定、表面原子比測定、表面露出率測定、耐食性評価、接着性評価に供した。結果を表5に示した。
表中、接着性の評価は、引張試験機により試験片を10mm以上剥離した後の最大引張強度が、0.6kg/5mm以上のものを◎、0.3kg/5mm以上0.6kg/5mm未満のものを○、0.2kg/5mm以上0.3kg/5mm未満のものを△、0.2kg/5mm未満のものを×とした。
また、耐食性の評価は、ほとんど錆が発生していない場合を◎、錆がわずかに認められるものを○、錆が表面積の10%以上20%未満のものを△、錆が表面積の20%以上存在するものを×として評価した。
更に、耐硫性の評価は、加工部に変色のないものを◎、加工部の変色が面積率で25%未満のものを○、それ以上のものを×とした。
また、変色性の評価は、目視により評価した。変色のほとんどしていないもの、及び変色部が面積率で20%未満のものを○、20%以上が変色しているものを×とした。
錫めっき量を5.6g/m2とし、表2のBの処理浴中で電流密度2A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を8回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のCの処理浴中で電流密度1A/dm2で24秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を0.4g/m2とし、リフローにより合金層を形成して、表面にフリー錫がない状態とした以外は、実施例3と同様に無機表面処理層を形成し、実施例1と同様に評価を行った。
表2のBの処理浴中で電流密度1A/dm2で12秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を0.4g/m2とし、リフローにより合金層を形成して、表面にフリー錫がない状態とし、表2のBの処理浴中で電流密度1A/dm2で4秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を2.8g/m2とし、表2のBの処理浴中で電流密度1.2A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を16回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
実施例1と同様の錫めっき量でリフロー処理を行わずに、表2のDの処理浴中で電流密度1A/dm2で4秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を0.9g/m2とし、表2のEの処理浴中で電流密度1A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を6回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のFの処理浴中で電流密度1A/dm2で8秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のGの処理浴中で電流密度2A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を8回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のHの処理浴中で電流密度2A/dm2で24秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のIの処理浴中で電流密度1A/dm2で8秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を0.7g/m2とし、表2のJの処理浴中で電流密度1A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を8回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を2.8g/m2とし、リフロー処理を行わずに、表2のKの処理浴中で電流密度2A/dm2で8秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のLの処理浴中で電流密度2A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を16回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のMの処理浴中で電流密度2A/dm2で8秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を11.2g/m2とし、表2のEの処理浴中で電流密度1A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を4回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のFの処理浴中で電流密度1A/dm2で16秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を0.4g/m2とし、リフローにより合金層を形成して、表面にフリー錫がない状態とし、表2のHの処理浴中で電流密度2A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を4回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
表2のHの処理浴中で電流密度2A/dm2で4秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を0.4g/m2とし、リフローにより合金層を形成して、表面にフリー錫がない状態とし、表2のOの処理浴中で電流密度2A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を4回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例1と同様に評価を行った。
錫めっき量を2.8g/m2とし、重クロム酸ソーダ水溶液中で陰極電解処理を行い、定法により、オキサイドクロム量3mg/m2のクロム系表面処理による表面処理金属板を得た以外は、実施例1にしたがって、性能評価を行った。
無水クロム酸と硫酸の水溶液中で陰極電解処理を行い、定法により、金属クロム量7mg/m2、オキサイドクロム量12mg/m2のクロム系表面処理による表面処理金属板を得た以外は、実施例1にしたがって、性能評価を行った。
実施例1と同様に、錫めっき及びリフロー処理までを行い、フッ化ジルコニウムアンモニウム0.025mol/リットルと硝酸カリウム0.005mol/リットルからなる水溶液中で、電流密度7.5A/dm2として、0.6秒通電−0.4秒停止を4回繰り返して断続的に陰極電解を行なって表面処理金属板を得た。経時後の変色が激しかったため、変色性以外の評価は行わなかった。
1.フェノール系水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤の作成
フェノール系水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤として以下のものを用いた。
フッ化水素酸(HF) 0.01g/リットル
75%リン酸(H3PO4) 0.20g/リットル
20%ジルコニウムフッ化水素酸(H2ZrF6) 1.30g/リットル
下記式(I)の水溶性重合体固形分 0.40g/リットル
以下に水溶性重合体の一例として用いた下記式(I)を示す。
|
−φ−CH2− (I)
|
X
式中、Xは、水素原子または下記式(II)に示すZ基であり、Z基がベンゼン環1個あたり0.3の割合で導入された反復単位からなる水性フェノール樹脂
Z=−CH2−N−CH2CH2OH
|
CH2CH2OH (II)
で表される反復単位から成る水溶性重合体。
実施例1で作成した無機表面処理層の上に、上記1で作成したフェノール系水溶性有機化合物を主体とする表面処理剤を40℃で20秒間スプレーした後水洗、純水洗し、無機表面処理層の上に有機表面処理層が存在する表面処理金属板を得た。その後、実施例1と同様にして、接着性、耐食性、耐硫性評価を行ない、結果を表6に示した。
実施例2で作成した無機表面処理層の上に、フェノール系水溶性有機化合物層を形成した以外は、実施例19と同様に処理及び評価を行った。また、有機表面処理前後の表面のXPS分析を行ったところ、有機様面処理前にはなかったN1sピークが確認できた。
実施例9で作成した無機表面処理層の上に、フェノール系水溶性有機化合物層を形成した以外は、実施例19と同様に処理及び評価を行った。
実施例1で作成した無機表面処理層の上に、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名KBM903、信越化学工業社製)の3%水溶液にディップしロール絞り後120℃で1分間乾燥して、無機処理層の上にSi換算で5mg/m2の膜厚に相当するシランカップリング剤層を有する表面処理金属板を得た。その後、実施例19と同様に評価を行った。
実施例2で作成した無機表面処理層の上に、シランカップリング剤層を形成した以外は、実施例22と同様に処理及び評価を行った。また、有機表面処理前後の表面のXPS分析を行ったところ、有機様面処理前にはなかったN1sピークが確認できた。
実施例6で作成した無機表面処理層の上に、シランカップリング剤層を形成した以外は、実施例22と同様に処理及び評価を行った。
実施例11で作成した無機表面処理層の上に、シランカップリング剤層を形成した以外は、実施例22と同様に処理及び評価を行った。また、有機表面処理前後の表面のXPS分析を行ったところ、有機様面処理前にはなかったN1sピークが確認できた。
実施例12で作成した無機表面処理層の上に、シランカップリング剤層を形成した以外は、実施例22と同様に処理及び評価を行った。
比較例1で作成した無機表面処理層の上に、シランカップリング剤層を形成した以外は、実施例22と同様に処理及び評価を行った。
比較例2で作成した無機表面処理層の上に、シランカップリング剤層を形成した以外は、実施例22と同様に処理及び評価を行った。
比較例3で作成した無機表面処理層の上に、シランカップリング剤層を形成した以外は、実施例22と同様に処理及び評価を行った。
比較例4で作成した無機表面処理層の上に、シランカップリング剤層を形成した以外は、実施例22と同様に処理及び評価を行った。
実施例1で作成した無機表面処理層の上に、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名KBM903、信越化学工業社製)の30%水溶液にディップしロール絞り後120℃で1分間乾燥して、無機処理層の上にSi換算で50mg/m2の膜厚に相当するシランカップリング剤層を有する表面処理金属板を得た。その後、実施例19と同様に評価を行った。
(実施例31)
1.表面処理金属板の作成
金属板として厚み0.25mmのJIS5021H18アルミ合金板を用い、脱脂剤322N8(日本ペイント社製)を用いて、定法により、70℃の浴中で10秒間処理し、水洗後、40℃の1%硫酸中に5秒間浸漬し、水洗、純水洗し、前処理を行った。ついで、表2のFに示す処理浴中で、電流密度7A/dm2で、0.4秒通電−0.6秒停止を4回繰り返して断続的に陰極電解を行った以外は実施例1と同様に処理を行い、表面処理アルミニウム板を得た。
得られた表面処理金属板を用いて、以下の方法で製蓋用の樹脂被覆金属板を作成した。まず、予め板温度250℃に加熱しておいた表面処理金属板の片面上に、表4の(イ)のキャストフィルムの下層側が接するようにラミネートロールを介して熱圧着後、直ちに水冷することにより、片面にフィルムをコーティングした。次に、蓋外面側となる、金属板のもう一方の片面にエポキシアクリル系塗料をロールコートにより塗装し、185℃10分間加熱の焼付け処理を行った。
得られた無機表面処理金属板の一部は、重量膜厚測定、表面原子比測定、接着性評価に供した。結果を表7に示した。ここで、接着試験片は、表4の(ロ)に示すフィルムを250℃で圧着してTピール試験片とし、接着性の評価において、引張試験機により試験片を10mm以上剥離した後の最大引張強度が、0.6kg/5mm以上のものを◎、0.3kg/5mm以上0.6kg/5mm未満のものを○、0.3kg/5mm未満のものを×とした以外は、実施例1と同様に作成した。
得られた樹脂被覆金属板を用いて、定法により301径のフルオープン缶蓋を作製後、缶胴に水を充填した缶胴に巻締めた後、110℃60分のレトルト殺菌処理を行い、冷却後直ちに開口してスコア部周辺開口部の樹脂剥離状態を観察し、缶蓋の開口性評価を行った。結果を表7に示した。表中、缶蓋の開口性評価は、開口部周辺のフェザリングを観察し、フェザリングが全く認められないものを◎、0.5mm未満で樹脂の剥離がないものを○、フェザリングが0.5mm以上のものを×とした。
1.表面処理金属板の作成
金属板として厚み0.26mmのJIS3004H19アルミ合金板を用いた以外は、実施例31と同様に表面処理を行った。
得られた表面処理金属板を、予め板温度250℃に加熱しておき、金属板の片面上に表4の(イ)のキャストフィルムの下層側が、缶外面側となるもう一方の片面上に表4の(ヘ)のキャストフィルムが、接して被覆されるように、ラミネートロールを介して熱圧着後、直ちに水冷することにより、樹脂被覆金属板を得た。
得られた樹脂被覆金属板の両面に、パラフィンワックスを両面に静電塗油後、直径154mmの円形に打抜き、定法に従い浅絞りカップを作成した。ついでこの絞りカップを同時絞りしごき加工を2回繰り返して径が小さくハイトの大きいカップに成形した。この様にして得られたカップの諸特性は以下の通りであった。
カップ径 66mm、
カップ高さ 128mm、
元板厚に対する缶壁部の厚み −60%
このカップはドーミング成形後、樹脂フィルムの歪みをとるために220℃で60秒間熱処理を行い、続いて開口端端部のトリミング加工、曲面印刷、206径へネックイン加工、フランジ加工、リフランジ加工を行って350gシームレス缶を作成した。
得られた無機表面処理金属板の一部は、実施例1と同様に、重量膜厚測定、表面原子比測定の測定に供し、結果を表7に示した。
フランジ加工後の缶の開口端より5mm下部に缶内面側の全周に亘って素地に達する傷を入れ、空缶の状態で125℃の熱水蒸気中に30分間保持し、缶内面側傷周辺部の被覆樹脂の剥離程度を観察し、レトルト密着性を評価した。結果を表7に示した。表中、金属缶のレトルト密着性評価は、20缶中一部でも剥離した缶が全くない時を○、20缶中一部でも剥離した金属缶がある場合を×とした。
25℃での缶内圧が3.5kg/cm2となるように炭酸水をパックした金属缶を37℃で1週間貯蔵後、缶温を5℃に下げた後、金属缶を正立の状態から、水平方向に対し15°傾斜した厚さ10mmの鋼板上に、50cmの高さから落下させボトムラジアス部を変形させた。その後、ボトムラジアス部を含む缶底部を円周方向に切り出し、0.1%塩化ナトリウム水溶液に50℃で2週間経時後のボトムラジアス変形部周辺の腐食状態を観察し、耐食性を評価した。結果を表7に示した。表中、金属缶の耐食性評価は、ボトムラジアスの変形部周辺を実体顕微鏡観察し、腐食が認められない場合を○、少しでも腐食している場合を×とした。
実施例31と同様に金属板を処理し、無機表面処理層を形成した後、実施例22と同様にして、無機処理層の上にSi換算で5mg/m2の膜厚に相当するシランカップリング剤層を形成し表面処理金属板とした以外は、実施例31と同様に、樹脂被覆、製蓋及び評価を行なった。
実施例32と同様に金属板を処理し、無機表面処理層を形成した後、実施例22と同様にして、無機処理層の上にSi換算で5mg/m2の膜厚に相当するシランカップリング剤層を形成し表面処理金属板とした以外は、実施例32と同様に、樹脂被覆、製缶及び評価を行なった。
実施例31と同様にして、厚み0.25mmのJIS5021H18アルミ合金板の前処理を行なった後、無機表面処理を行わずに、実施例19と同様にフェノール系有機表面処理を行ない、実施例31と同様に、樹脂被覆、製蓋及び評価を行なった。このとき形成された有機表面処理の重量膜厚は、C量で13mg/m2、Zr量で5mg/m2であった。
実施例31と同様にして、厚み0.25mmのJIS5021H18アルミ合金板の前処理を行なった後、市販のジルコニウム系化成処理液(アロジン404、日本パーカライジング社製)を用いて定法により浴を作製し、液温40℃で15秒間スプレー処理し、その後すぐに、水洗、純水洗、乾燥の後処理を行い、実施例31と同様に、樹脂被覆、製蓋及び評価を行なった。
実施例32と同様にして、厚み0.26mmのJIS3004H19アルミ合金板の前処理を行なった後、実施例19と同様にフェノール系有機表面処理を行ない、実施例32と同様に、樹脂被覆、製缶及び評価を行なった。但し、表面処理金属板の評価は、フェノール系有機表面処理形成後の金属板を評価した。
実施例32と同様にして、厚み0.26mmのJIS3004H19アルミ合金板の前処理を行なった後、比較例10と同様に無機表面処理を行い、実施例32と同様に、樹脂被覆、製缶及び評価を行なった。
表2のNの処理浴中で電流密度2A/dm2で9秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例31と同様に、樹脂被覆、製蓋及び評価を行なった。
表2のNの処理浴中で電流密度2A/dm2で9秒間陰極電解を行なって表面処理金属板を得た以外は、実施例32と同様に、樹脂被覆、製缶及び評価を行なった。
実施例31と同様に金属板を処理し、無機表面処理層を形成した後、比較例8と同様にして、無機処理層の上にSi換算で50mg/m2の膜厚に相当するシランカップリング剤層を形成し表面処理金属板とした以外は、実施例31と同様に、樹脂被覆、製蓋及び評価を行なった。
実施例32と同様に金属板を処理し、無機表面処理層を形成した後、比較例8と同様にして、無機処理層の上にSi換算で50mg/m2の膜厚に相当するシランカップリング剤層を形成し表面処理金属板とした以外は、実施例32と同様に、樹脂被覆、製缶及び評価を行なった。
重量%で15%の硫酸水溶液を作成し、対極をアルミニウム板として、液温40℃で15V15秒間の陽極酸化処理を行った後すぐに、水洗、純水洗、乾燥の後処理を行った以外は、実施例31と同様に、樹脂被覆、製蓋及び評価を行なった。
比較例17と同様に陽極酸化処理を行なった以外は、実施例32と同様に、樹脂被覆、製缶及び評価を行なった。
(実施例35)
1.表面処理金属板の作成
金属板として厚み0.22mm、調質度DR8の冷延鋼板を電解脱脂、酸洗、水洗、純水洗し、前処理を行った。ついで、表2のDの処理浴中で電流密度1A/dm2とし0.6秒通電−0.4秒停止を12回繰り返して陰極電解した以外は、実施例1と同様に処理を行った。続いてさらに、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン(製品名KBM903、信越化学工業社製)の3%水溶液にディップしロール絞り後120℃で1分間乾燥して、無機処理層の上にSi換算で5mg/m2の膜厚に相当するシランカップリング剤層を有する表面処理金属板を得た。
得られた表面処理金属板を予め板温度250℃に加熱しておき、片面上に表4の(イ)のキャストフィルムの下層側が接して被覆され、外面側となるもう一方の片面上に表4の(ハ)のキャストフィルムが被覆されるように、ラミネートロールを介して熱圧着後、直ちに水冷することにより、樹脂被覆金属板を得た。
得られた樹脂被覆金属板に加工用潤滑剤を塗油後、再絞り加工(絞り比2.5)を行い、内径65.3mmの缶胴を作成した。続いて、樹脂フィルムの歪みをとるために220℃で60秒間熱処理を行い、開口端端部のトリミング加工、フランジ加工を行って、高さ101.1mm深絞り缶を作成した。一方、得られた樹脂被覆金属板の一部を用いて、定法により、211径のフルオープン蓋に成形した。
このようにして作成した缶胴及び缶蓋を用いて、缶胴にミートソースを充填後、フルオープン蓋を2重巻締めし、120℃30分のレトルト殺菌処理を行った。
得られた有機表面処理前の無機表面処理金属板の一部は、実施例1と同様に、重量膜厚測定、表面原子比の測定に供し、結果を表8に示した。
容器成形後の有機被膜の状態を調べ、剥離、穴あき等の異常がないかを観察した。また、内容物充填後、37℃で6ヶ月貯蔵後開缶し、容器内面側の腐食や有機被膜の浮きなどが発生していないかを調べ、結果を表8に示した。
1.表面処理金属板の作成
金属板として厚み0.17mm、調質度DR8の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、水洗、純水洗し、前処理を行い、片面あたりニッケルを0.3g/m2にめっきした後、片面あたり錫を0.6g/m2にめっきし、リフロー処理を行って、ニッケル−錫−鉄の合金層を形成した。続いて、実施例35と同様に、表2のDの処理浴中で陰極電解及びシランカップリング剤処理を行って、表面処理金属板を得た。
得られた表面処理金属板を、エポキシアクリル系水性塗料を用い、焼付け後の塗膜厚みが10μmになるように両面にロールコートし、200℃10分間の焼付け処理を行うことにより、樹脂被覆金属板を得た。
得られた樹脂被覆金属板に加工用潤滑剤を塗油後、絞り加工(絞り比1.3)を行い、内径83.3mmの缶胴を作成した。続いて、開口端端部のトリミング加工、フランジ加工を行って、高さ45.5mmの絞り缶を作成した。一方、得られた樹脂被覆金属板の一部を用いて、定法により、307径のフルオープン蓋に成形した。
このようにして作成した缶胴及び缶蓋を用いて、缶胴にツナ油漬けを充填後、フルオープン蓋を2重巻締めし、115℃60分のレトルト殺菌処理を行った。
5.表面処理金属板の評価
実施例35と同様に、無機表面処理層の重量膜厚測定、表面原子比の測定を実施した。
6.容器評価
開缶後硫化変色の有無を調べた以外は、実施例35と同様に容器評価を実施した。
1.表面処理金属板の作成
金属板として厚み0.22mm、調質度T4の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、水洗、純水洗し、前処理を行い、片面あたり錫を2.0g/m2にめっき後、リフロー処理を行い、続いて、表2のAの処理浴中で電流密度0.6A/dm2とし0.6秒通電−0.4秒停止を16回繰り返して陰極電解した以外は、実施例1と同様に陰極電解処理を行って、缶胴用表面処理金属板を得た。
一方、0.21mmの調質度T4の冷延鋼板についても、上記と同様に処理し、缶蓋用表面処理金属板を得た。
缶胴用表面処理金属板を用いて、エポキシアクリル系水性塗料を缶胴の継目部分にあたる場所を除いて、焼付け後の膜厚が内面側5μm、外面側3μmになるようにマージン塗装し、熱風乾燥炉中で10分間焼付け硬化させて樹脂被覆金属板を得た。作成した樹脂被覆金属板をブランク状に切断し、そのブランクを線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状に溶接し、次に、缶胴の溶接継ぎ目部の内外面側に溶剤型エポキシユリア系補修塗料を乾燥塗膜厚みが40μmになるようにスプレー塗装した後、熱風乾燥炉中で3分間焼付け、継ぎ目部分を被覆して溶接缶胴(缶径65.4mm、缶胴高さ122mm)を作成した。
一方、缶蓋用表面処理金属板に、エポキシアクリル系水性塗料を、焼付け後の塗膜厚みが10μmになるように両面にロールコートし、200℃10分間の焼付け処理を行った後、定法により、209径のシェル蓋に成形した。
缶胴の一方の開口端を、フランジ加工、ネックイン加工し、前記209径の蓋を巻締めた後、もう一方の開口端をトリプルネックイン、フランジ加工した。
50℃でコーヒー飲料を充填した後、206径アルミSOT蓋を2重巻締めし、125℃25分のレトルト殺菌処理を行った。
4.表面処理金属板の評価
実施例35と同様に、重量膜厚測定、表面原子比の測定を実施した。
5.容器評価
開缶後の鉄溶出量も測定した以外は、実施例35と同様に容器評価を実施した。
1.表面処理金属板の作成
片面あたり錫を11.2g/m2にめっき後、リフロー処理を行った以外は、実施例37と同様に処理し、缶胴用表面処理鋼板を得た。一方、缶蓋用表面処理金属板は実施例37と同一の処理板を用いた。
缶胴用表面処理金属板は、塗装せずにブランク状に切断し、そのブランクを線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状に溶接し、缶胴の溶接継ぎ目部の内外面側に溶剤型エポキシユリア系補修塗料を乾燥塗膜厚みが40μmになるようにスプレー塗装した後、熱風乾燥炉中で3分間焼付け、継ぎ目部分を被覆して缶胴(缶径74.1mm、缶胴高さ81.2mm)を作成した。
一方、缶蓋用表面処理金属板に、エポキシアクリル系水性塗料を、焼付け後の塗膜厚みが10μmになるように両面にロールコートし、200℃10分間の焼付け処理を行った後、定法により、301径のシェル蓋に成形した。
缶胴の一方の開口端を、フランジ加工、ネックイン加工し、前記301径の蓋を巻締めた後、もう一方の開口端をトリプルネックイン、フランジ加工した。
得られた缶にみかんシロップ漬けをホットパック充填した後、開口部にも前記301径蓋を2重巻締めし、湯殺菌処理をおこなった。
4.表面処理金属板の評価
実施例35と同様に、重量膜厚測定、表面原子比の測定を実施した。
5.容器評価
37℃で6ヶ月貯蔵後開缶し、容器内面の不均一な変色が発生していないか、及び、内容物の褐変など生じていないかを評価した他は、実施例35と同様に評価した。
1.表面処理金属板の作成
金属板として厚み0.22mm、調質度T4の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、水洗、純水洗し、前処理を行い、片面あたりニッケルを0.03g/m2にめっきした後、片面あたり錫を1.3g/m2にめっき後、リフロー処理を行い、続いて、実施例37と同様に、表2のAの処理浴中で陰極電解処理を行って缶胴用表面処理金属板を得た。
一方、0.21mmの調質度T4の冷延鋼板についても、上記と同様に処理し、缶蓋用表面処理金属板を得た。
缶胴用表面処理金属板を用いて、エポキシフェノール溶剤型塗料を缶胴の継目部分にあたる場所を除いて、焼付け後の膜厚が内面側5μm、外面側3μmになるようにマージン塗装し、熱風乾燥炉中で10分間焼付け硬化させて樹脂被覆金属板を得た。作成した樹脂被覆金属板をブランク状に切断し、そのブランクを線電極を用いた市販の電気抵抗溶接機にて円筒状に溶接し、次に、缶胴の溶接継ぎ目部の内外面側に溶剤型エポキシユリア系補修塗料を乾燥塗膜厚みが40μmになるようにスプレー塗装した後、熱風乾燥炉中で3分間焼付け、継ぎ目部分を被覆して溶接缶胴(缶径65.4mm、缶胴高さ122mm)を作成した。
一方、缶蓋用表面処理金属板に、エポキシフェノール溶剤型塗料を、焼付け後の塗膜厚みが10μmになるように両面にロールコートし、200℃10分間の焼付け処理を行った後、定法により、209径のシェル蓋に成形した。
缶胴の一方の開口端を、フランジ加工、ネックイン加工し、前記209径の蓋を巻締めた後、もう一方の開口端をトリプルネックイン、フランジ加工した。
93℃でオレンジジュースをホットパックした後、市販の206径アルミSOT蓋を2重巻締めて密封した。
4.表面処理金属板の評価
実施例35と同様に、重量膜厚測定、表面原子比の測定を実施した。
5.容器評価
実施例37と同様に容器評価を実施した。
1.表面処理金属板の作成
金属板として厚み0.195mm、調質度T3の冷延鋼板を、電解脱脂、酸洗、水洗、純水洗し、前処理を行い、片面あたり錫を1.0g/m2にめっきした後、続いて、実施例37と同様に、表2のAの処理浴中で陰極電解処理を行って、缶胴用表面処理金属板を得た。
一方、金属板として厚み0.285mmのJIS5182H19アルミ合金板を用いて表2のAの処理浴中で電流密度を5A/dm2とし、0.6秒通電−0.4秒停止を8回繰り返して陰極電解した以外は、実施例31と同様にして缶蓋用表面処理金属板を得た。
得られた缶胴用及び缶蓋用表面処理金属板を予め板温度220℃に加熱しておき、片面上に表4の(ホ)のキャストフィルムの下層側が接して被覆され、外面側となるもう一方の片面上に表4の(ニ)のキャストフィルムが被覆されるように、ラミネートロールを介して熱圧着後、直ちに水冷することにより、樹脂被覆金属板を得た。
缶胴用樹脂被覆金属板の両面にパラフィンワックスを静電塗油後、直径140mmの円形に打抜き、定法に従い浅絞りカップを作成した。ついでこの絞りカップを再絞り・しごき加工を2回繰り返して径が小さくハイトの大きい、深絞りーしごきカップを得た。この様にして得られたカップの諸特性は以下の通りであった。
カップ径 52mm、
カップ高さ 138mm、
元板厚に対する缶壁部の厚み −50%
このカップはドーミング成形後、樹脂フィルムの歪みをとるために220℃で60秒間熱処理を行い、続いて開口端端部のトリミング加工、曲面印刷、200径へネックイン加工、フランジ加工、リフランジ加工を行って250gシームレス缶を作成した。
また、缶蓋用樹脂被覆金属板から定法に従い、200径のSOT蓋を作成した。
前記250g缶に5℃でコーラをコールドパックし、直ちに、前記SOT蓋を2重巻締めして密封した。
5.表面処理金属板の評価
実施例35と同様に、重量膜厚測定、表面原子比の測定を実施した。
6.容器評価
実施例37と同様に容器評価を実施した。
1.表面処理金属板及び樹脂被覆金属板の作成
缶胴用金属板として厚み0.28mmのJIS3004H19アルミ合金板を、缶蓋用金属板と
して厚み0.25mmのJIS5182H19アルミ合金板を用いて、表2のAに示す処理浴中で、電流密度10A/dm2で、0.4秒通電−0.6秒停止を2回繰り返して断続的に陰極電解を行いった以外は、実施例32と同様に処理を行って表面処理アルミニウム板を得た。樹脂被覆は、両面に表4の(ヘ)のキャストフィルムを被覆した以外は、実施例35と同様にして、樹脂被覆を行った。
缶体径 66mm、
缶体高さ 128mm、
元板厚に対する缶壁部の厚み −63%
この缶体を、定法に従い、ドーミング成形後、樹脂フィルムの歪みをとるために220℃で60秒間熱処理を行い、続いて開口端端部のトリミング加工、曲面印刷、206径へネックイン加工、フランジ加工、リフランジ加工を行って350gシームレス缶を作成した。一方、缶蓋用樹脂被覆金属板から定法に従い、206径のSOT蓋を作成した。
前記350g缶に5℃でビールをコールドパック後、前記SOT蓋を2重巻締めして密封した。
3.表面処理金属板の評価
実施例35と同様に、重量膜厚測定、表面原子比の測定を実施した。
4.容器評価
開缶後のアルミ溶出量も測定した以外は、実施例32と同様に容器評価を実施した。
Claims (10)
- 金属基体の表面に、水溶液からの陰極電解処理により析出して形成された無機表面処理層を有する表面処理金属板であって、前記無機表面処理層が、Al,O及びFを主体とし、Alの重量膜厚が5〜100mg/m2であると共に、アルミニウムの水酸化物又はオキシ水酸化物を含有することを特徴とする表面処理金属板。
- 前記金属基体が、錫、ニッケル、亜鉛、鉄の1種以上を含むめっき層を有している表面処理鋼板であることを特徴とする請求項1記載の表面処理金属板。
- 前記金属基体が錫めっき層を有する表面処理鋼板であって、錫の表面露出率が5%未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の表面処理金属板。
- 前記無機表面処理層の上に、Si量として0.8〜30mg/m2のシランカップリング剤を主体とする有機表面処理層が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の表面処理金属板。
- 前記無機表面処理層の上に、フェノール系水溶性有機化合物を主体とする有機表面処理層が形成されている請求項1乃至3の何れかに記載の表面処理金属板。
- 前記有機表面処理層の最表層がNを含有することを特徴とする請求項4又は5記載の表面処理金属板。
- 請求項1乃至6の何れかに記載の表面処理金属板の少なくとも片面上に有機樹脂が被覆されて成ることを特徴とする樹脂被覆金属板。
- 請求項7記載の樹脂被覆金属板から成ることを特徴とする金属缶。
- 請求項7記載の樹脂被覆金属板から成ることを特徴とする缶蓋。
- Alイオン濃度が0.001〜0.05モル/リットルの範囲にあると共に、Fイオンを含有する水溶液中で陰極電解処理を行い、金属板表面にアルミニウムの水酸化物またはオキシ水酸化物を含有する被膜を設けることを特徴とする表面処理金属板の製造方法。
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