JP5414979B2 - 熱線高反射塗装物および塗装方法 - Google Patents
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Description
一方、白系色の塗膜は熱線の高反射が期待できるものの、汚染が目立ちやすいという景観上の問題がある上、汚染により熱線の反射性能が低下するなどの問題を有している。
また、熱線高反射顔料を使用した例として特許文献3において近赤外域で高い太陽放射反射率を有する黒色焼成顔料の塗料組成物が提案されている。しかし、クロム系顔料を使用しているので、塗装作業中の作業者の健康を損なうと共に環境を汚染するという問題を有していた。
また、濃色系の熱線高反射顔料としては、ビスマスマンガンオキサイドを含有する顔料(特許文献4)や、希土類酸化マンガンを含む顔料(特許文献5)も提案されている。
しかしながら、該複合金属酸化物顔料を用いた塗膜は、経時により、熱線の反射性能が低下する問題を有することを見いだした。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、Biおよび/またはYの酸化物とMnの酸化物とを含む複合金属酸化物顔料を含有し、汚染が目立ちにくく、熱線の反射性能を安定して維持できる熱線高反射塗装物、および該熱線高反射塗装物を形成させる塗装方法を提供することを課題とする。
また、本発明の塗装方法によれば、汚染が目立ちにくく、熱線の反射性能を安定して維持できる熱線高反射塗装物を形成できる。
本発明の熱線高反射塗装物(以下、本塗装物という。)は、被塗装物上に、塗料組成物(A1)から形成された層(A)と、該層(A)上に形成された、塗料組成物(B1)から形成された層(B)とを有する。
被塗装物としては、特に限定はなく、たとえば、コンクリート、自然石、ガラスなど無機物;鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮、チタンなどの金属;木材;プラスチック、ゴムなどの合成有機材料などの材質からなる被塗装物が挙げられる。被塗装物表面には、他の塗膜や接着剤層などが形成されていてもよい。また、被塗装物の材質は、有機無機複合材である繊維強化プラスチック、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリートなどであってもよい。
塗料組成物(A1)から形成された層(A)は、被塗装物上に形成される層であり、通常は被塗装物の表面の片面の一部または全部に形成される層である。層(A)は、通常は、被塗装物の太陽光が照射する表面に形成される。また、層(A)は、被塗装物の表面に、直接に、または、プライマー処理または下塗り剤の塗布などの前処理により形成される層を介して、形成されるのが好ましく、通常は後者により形成されるのが好ましい。すなわち、層(A)は、被塗装物表面に前処理を行い、該前処理を行った表面上に形成されるのが好ましい。
塗料組成物(A1)は、Biおよび/またはYの酸化物とMnの酸化物とを含む複合金属酸化物顔料(以下「複合顔料M」という。)と、水酸基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有するフルオロオレフィン系共重合体からなる樹脂(a)と、硬化剤とを含有する。
複合顔料Mは、Biおよび/またはYの酸化物とMnの酸化物とを含有する。
本発明における複合顔料Mは、Bi酸化物とY酸化物とMn酸化物、Bi酸化物とMn酸化物、およびY酸化物とMn酸化物、から選ばれるいずれか1種以上を含有する。
複合顔料M中のマンガンの含有量は、5〜65質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。マンガンの含有量が少ないと、熱反射効果が充分得られない恐れがある。
複合顔料Mは、Biおよび/またはYと、Mnとの混合物を、700℃以上の焼成温度で焼成したものを使用するのが好ましい。複合顔料Mの平均粒子径としては、0.1μm〜30μmであることが好ましい。平均粒子径が大きすぎると、光沢が低下する恐れがある。これらの好ましい条件を満たす市販品としては、アサヒ化成工業社製 ブラック6303、ブラック6301などが挙げられる。
複合顔料Mの含有量は、層(A)中の顔料として複合顔料Mのみを使用する場合、複合顔料Mと樹脂(a)との総量に対して0.1〜200質量%であることが好ましく、10〜200質量%であることがより好ましい。複合顔料Mの含有量が少ないと、熱反射効果が充分に得られない。一方、含有量が多すぎると光沢が低下する恐れがある。
本塗装物は濃色系の色調にすることが多いことから、顔料組成を調整して濃色系の色調にすることが好ましい。具体的には、本塗装物表面のJIS Z 8729に規定された明度L*が5〜80となるようにすることが好ましく、10〜60となるようにすることがより好ましい。
層(A)は、複合顔料Mとともに樹脂(a)を含有する。
樹脂(a)は、フルオロオレフィン系共重合体である。フルオロオレフィン系共重合体を用いることにより、良好な耐候性を有する層(A)が形成される。
フルオロオレフィン系共重合体は、フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な他の共重合性単量体との共重合体である。他の共重合性単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フルオロオレフィン系共重合体中のフルオロオレフィンに基づく重合単位の割合は、充分な耐候性が得られる点から、20〜70モル%であることが好ましい。
アリルエーテルとしてはエチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテルなどのアルキルアリルエーテルが例示される。
オレフィン類としてはエチレン、プロピレン、イソブチレンなどが例示される。
官能基を有するモノマーとしては、以下のものが例示される。
水酸基を有するモノマーである、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル;2−ヒドロキシエチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル;またはヒドロキシアルキルクロトン酸ビニルなどの水酸基含有カルボン酸のビニルエステルまたはアリルエステルなど。カルボキシ基を有するモノマーである、クロトン酸、ウンデセン酸など。加水分解性シリル基を有するモノマーである、トリエトキシビニルシランなど。エポキシ基を有するモノマーである、グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテルなど。アミノ基を有するモノマーである、アミノプロピルビニルエーテル、アミノプロピルビニルエーテルなど。
硬化剤としては、塗料用硬化剤として知られた種々の硬化剤が使用できる。硬化剤の具体例としては、アミノプラスト、尿素樹脂などのアミノ系硬化剤、多価イソシアネート系硬化剤、ブロック多価イソシアネート系硬化剤などが例示される。常温硬化型の硬化剤を用いる場合には、塗布前に配合するのが好ましく、熱硬化型の硬化剤を用いる場合の配合時期は限定されない。
硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤の量は、硬化剤が有する硬化基の総モル数(以下、硬化基モル数と記す)と官能基を有するフルオロオレフィン系共重合体の総官能基モル数(以下、官能基モル数と記す)との比((硬化基モル数)/(官能基モル数)であり、以下、該比の値を架橋点総数比と記す)を、0.3以上とするのが好ましく、0.7以上とするのが特に好ましい。架橋点総数比を0.7以上とすることにより、塗料組成物が良好に硬化し耐溶剤性に優れた塗膜が得られる。該架橋点総数比の上限は特に限定されないが、塗膜中に未反応のイソシアネート基などの反応性基が残存することによる耐候性その他の性能への影響を考慮して、2.0以下が好ましく、1.3以下がより好ましい。
微粒子状の充填剤としては、断熱性を付与できる中空球状体が一般に使用されている。
中空球状体は、その材質により、無機質バルーン、樹脂バルーンなどが知られている。具体的には、ガラスバルーン、シラスバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、アルミノシリケートバルーンなどが挙げられる。
添加剤としては特に限定されず、たとえば、シリカ、アルミナなどの艶消し剤、消泡剤、レベリング剤、たれ防止剤、表面調整剤、粘性調整剤、分散剤、光安定剤、硬化触媒などの慣用の添加剤などを挙げることができる。
層(A)の厚さが薄くなると隠蔽性や耐候性が低下する傾向にあり、厚くなるとタレなどの施工上の弊害が発生する傾向にある。
層(B)は、一般式Si(OR)4(式中、Rは互いに同一でも異なってもよく、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で表される化合物またはその部分縮合物(以下「化合物X」)と、紫外線吸収剤と、水酸基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有するフルオロオレフィン系共重合体からなる樹脂(b)と、硬化剤とを含有する塗料組成物(B1)から形成された層である。
層(B)は層(A)上に形成される。層(B)上には、本塗装物の熱線の反射性能および該反射性能を維持する効果、ならびに美観の維持する効果を妨げない範囲内において別の層が設けられていてもよいが、通常は層(B)が最上層として形成される。層(B)を最上層として設けることにより、化合物Xによる、表面の汚染を防止して美観を維持する効果の発現が顕著となる。
層(B)に含まれる化合物Xは、本塗装物表面の汚染を防ぎ、複合顔料Mの熱線反射性能を安定した維持に寄与する成分である。
化合物Xは、シリカ分が20〜60質量%であることが好ましい。シリカ分が少なすぎると熱線反射性能を維持する効果が低下し、多すぎると貯蔵安定性を損なうため好ましくない。シリカ分とは、化合物Xに対して、化合物Xが100%加水分解縮合した場合に得られるシリカ(SiO2)が占める割合である。
シリカ分の割合を多くするためには、後述する層(B)を形成させる塗料組成物(B1)中には、化合物Xの脱アルコキシ基反応ならびに分子の網状化を進めるための促進剤を含有させるのが好ましい。促進剤としては、従来から知られている塩酸、p−トルエンスルホン酸などの酸性触媒またはアルミニウムキレートなどの金属キレート化合物が挙げられる。
層(B)は、化合物Xとともに樹脂(b)を含有する。樹脂(b)の例としては、樹脂(a)と同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
すなわち、樹脂(b)は、水酸基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有するフルオロオレフィン系共重合体である。該フルオロオレフィン系共重合体を用いることにより、良好な耐候性を有する層(B)が形成される。樹脂(b)は、樹脂(a)と同一の樹脂を用いても、異なる樹脂を用いてもよく、同一の樹脂を用いるのが好ましい。
紫外線吸収剤は、紫外線による複合顔料Mの劣化を抑え、熱線の反射性能の低下を抑制する。
紫外線吸収剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、またはシュウ酸アニリド系の紫外線吸収剤が挙げられる。
紫外線吸収剤量を多くすると、複合顔料Mの劣化を防ぐ効果が高くなるが、多すぎると塗膜の着色する、塗膜が軟化するなどの問題を発生するおそれがある。一方、紫外線吸収剤量が少なすぎると、充分に複合顔料Mの劣化防止効果が得られないおそれがある。
(硬化剤およびその他の成分)
また、硬化剤は層(A)で挙げた硬化剤と同じものが使用できる。硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、層(B)は、必要に応じて、微粒子状の充填剤、添加剤などを含有していてもよい。これらは、層(A)で例示したものと同様のものを使用できる。
層(B)の厚さが薄くなると隠蔽性や耐候性が低下する傾向にあり、厚くなるとタレなどの施工上の弊害が発生する傾向にある。
本塗装物は、層(A)と層(B)との間に本塗装物の熱線の反射性能および該反射性能を維持する効果、ならびに美観の維持する効果を妨げない範囲内において別の中間層(C)が設けられていてもよい。しかし、通常は、層(B)は層(A)の表面に形成され、中間層(C)を設けないのが好ましい。
本発明の熱線高反射塗装物の塗装方法は、塗料組成物(A1)を被塗装物上に塗布して層(A)を形成させ、つぎに、塗料組成物(B1)を層(A)上に塗布して層(B)を形成させることを特徴とする方法である。
塗料組成物(A1)は、層(A)を形成させる塗料組成物、塗料組成物(B1)は、層(B)を形成させる塗料組成物であり、それぞれ、層(A)および層(B)に含有させる各必須成分を含む塗布用組成物である。
塗料組成物(A1)および(B1)が溶剤を含む場合の溶剤としては、一般に塗料用の溶剤として使用できるものが挙げられ、トルエン、キシレン、エクソンモービル社製ソルベッソ100、エクソンモービル社製ソルベッソ150などの石油系混合溶剤;ミネラルスピリットなどの芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類および水を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶剤を用いる場合には、塗料組成物(A1)および(B1)に含まれる樹脂を溶剤に溶解または分散させた溶剤組成物とすることが好ましい。
本発明では、複合顔料Mを層(A)、化合物Xを層(B)に別々に含有させ、層(B)を層(A)上に形成させる。そのため、化合物Xによる表面の汚染防止効果がより向上し、複合顔料Mの劣化もより抑えられる。また、本発明の熱線高反射塗装物は、層(B)を最上層として設けることにより、表面の汚染防止により美観を維持する効果、および熱線の反射性能を維持する効果が特に高くなる。
(基材)
基材としては、140mm×240mm×0.5mmのクロメート処理されたアルミ板に、下塗り剤と中塗り剤とを順次塗布したものを用いた。
下塗り剤としては、ボンエポコート55MP―S、グレー色(旭硝子コートアンドレジン社製、エポキシ塗料)を用いた。中塗り剤としては、ボンフロン#1000白色(旭硝子コートアンドレジン社製、フッ素塗料)を用いた。
クロロトリフルオロエチレン、シクロヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテルおよびヒドロキシアルキルビニルエーテルの共重合体であるフッ素樹脂ルミフロンLF−200[旭硝子社製、水酸基含有フルオロオレフィン系共重合体(水酸基価:52mgKOH/g)60質量%を含む有機溶剤溶液]63.0gにキシレン15.0gを加えた。
次に、ブラック6301(アサヒ化成工業社製 MnおよびBiの複合酸化物顔料、マンガン含有量29質量%)を22.0g加えてサンドミルで分散を行った。さらにウレタン化触媒であるジブチル錫ジラウリレートの0.0005gを加えて撹拌したものを主剤1とした。
フッ素樹脂ルミフロンLF−200の63.0gにキシレン16.0gを加えた。次に、ブラック6303(アサヒ化成工業社製、MnおよびYの複合酸化物顔料、マンガン含有量29質量%)を21.0g加えてサンドミルで分散を行った。さらにジブチル錫ジラウリレートの0.0005gを加えて撹拌したものを主剤2とした。
フッ素樹脂ルミフロンLF−200の63.0gにキシレン34.0gを加えた。次に、三菱カーボンブラックMA−11(三菱化学社製)を3.0g加えてサンドミルで分散を行った。さらにジブチル錫ジラウリレートの0.0005gを加えて撹拌したものを主剤3とした。
フッ素樹脂ルミフロンLF−200の63.0gにキシレン34.0g、紫外線吸収剤(共同薬品社製、Viosorb910)を3.0g加え、さらにジブチル錫ジラウリレートの0.0005gを加えて撹拌したものを主剤4とした。
コロネートHX(日本ポリウレタン製、無黄変タイプイソシアネート系硬化剤)の30.0gにアルミキレートD(川研ファインケミカル社製、アルミニウムキレート化合物)を1.7g加えて混合し、さらに、化合物XとしてMKCシリケートMS56S[三菱化学社製、シリカ分56質量%のメチルシリケート縮合物]を17.0g加えて混合したものを組成物1とした。
(組成物2)
コロネートHXの30.0gにキシレン18.7gを加えて混合したものを組成物2とした。
(実施例1)
主剤1の100g(固形分として59.8g)に、組成物2を12g混合し、基材の上にバーコーターにて、膜厚30μmとなるように塗布した。その後、気温23℃相対湿度60%下にて1日間養生を行うことにより層(A)を形成した。その後、さらに主剤4の100gに組成物1を12g混合し、層(A)上にスプレー塗装にて膜厚20μmとなるように塗布し、気温23℃相対湿度60%下にて7日間養生を行うことにより層(B)を形成し、実施例1の試験体を得た。
(参考例1)
主剤1の100g(固形分として59.8g)に、組成物1を12g混合して得た塗料組成物を、基材の上にバーコーターにて、膜厚30μmとなるように塗布した。その後、気温23℃相対湿度60%下にて7日間養生を行い、参考例1の試験体を得た。
主剤2の100g(固形分として59.8g)に、組成物2を12g混合し、基材の上にバーコーターにて、膜厚30μmとなるように塗布した。その後、気温23℃相対湿度60%下にて1日間養生を行うことにより層(A)を形成した。その後、さらに主剤4の100gに組成物1を12g混合して、層(A)上にスプレー塗装にて膜厚20μmとなるように塗布し、気温23℃相対湿度60%下にて7日間養生を行うことにより層(B)を形成し、実施例2の試験体を得た。
(参考例2)
主剤2の100g(固形分として59.8g)に、組成物1を12g混合して得た塗料組成物を、基材の上にバーコーターにて、膜厚30μmとなるように塗布した。その後、気温23℃相対湿度60%下にて7日間養生を行い、参考例2の試験体を得た。
主剤3の100g(固形分として40.8g)に、組成物2を12g混合して得た塗料組成物を、基材の上にバーコーターにて、膜厚30μmとなるように塗布した。その後、気温23℃相対湿度60%下にて7日間養生を行い、比較例1の試験体を得た。
主剤1の100g(固形分として59.8g)に、組成物2を12g混合して得た塗料組成物を、基材の上にバーコーターにて、膜厚30μmとなるように塗布した。その後、気温23℃相対湿度60%下にて7日間養生を行い、比較例2の試験体を得た。
主剤2の100g(固形分として59.8g)に、組成物2を12g混合して得た塗料組成物を、基材の上にバーコーターにて、膜厚30μmとなるように塗布した。その後、気温23℃相対湿度60%下にて7日間養生を行い、比較例3の試験体を得た。
各試験体の表面について、分光測色計CM−2002型(ミノルタ社製)を使用して、JIS Z 8729に規定された明度L*を測定した。なお、実施例1の明度の値は参考例1の明度とほぼ同じ値になると考えられるため、参考例1において測定した値を用いた。同様に実施例2の明度の値も参考例2において測定した値を用いた。
各試験体について、以下の手順にて、赤外線ランプを10分間照射したときの試験体表面の温度を測定した。
まず、試験体表面の中央部に熱電対を設置した。また、試験体表面から60cmのところに赤外線ランプを設置した。この赤外線ランプを10分間点灯した後、消灯した。
赤外線ランプの点灯開始から消灯の5分後までの15分間、熱電対にて、試験体表面の温度を連続的に測定した。この15分間の間に得られた最も高い温度を初期温度T1とした。
各試験体について、以下に手順を示すように、(財)土木研究センター法(防汚材料評価促進試験方法I)防汚試験に準じて促進汚れ付着を行った後、汚染後温度T2を測定した。
(1)汚れ物質として、顔料用カーボンブラック(デッグサ社製、粒径0.002〜0.028μm)5質量%に脱イオン水95質量%をよく混ぜ、懸濁液を作製した。
(2)懸濁液に、ガラスビーズ(2mmφ)を懸濁液の容積の1/3程度加え撹拌機を用いて2500rpmの回転数で撹拌した。その後、ガラスビーズを取り除いてカーボンブラック懸濁液を分離した。
(3)上記カーボンブラック懸濁液の約200g/m2を試験体表面に吹き付けた。吹き付け後、60℃の乾燥機で1時間焼き付け乾燥した。
(4)室温まで冷却した後、水道水流水下、ガーゼを試験体表面にて縦、横、縦の順で移動させ、汚れ物質を軽く洗い落とした。
(5)その後、室温にて乾燥し、汚れ試験体を得た。
(6)試験体を、汚れ試験体に代えた他は、初期温度T1の測定と同様にして、15分間の間に得られた最も高い温度を求め、汚染後温度T2とした。
なお、実施例1のT1およびT2の値は参考例1の値とほぼ同じ値になると考えられるため、参考例1において測定した値を用いた。同様に実施例2の値も参考例2において測定した値を用いた。
実施例および比較例の各試験体について、JIS K5600−7−8の促進耐候性試験(紫外線蛍光ランプ法)記載の、タイプ1 UVB313を用いた促進耐候性試験(1500時間)を行い、色差(△E)を測定した。
実施例1、2および比較例1〜3の各試験結果を表1に示す。
また、本発明の熱線高反射塗装物は、複合顔料Mが層(A)、化合物Xが層(B)に含有される。このように、複合顔料Mが下層、化合物Xが上層に配されるため、化合物Xによる表面の汚染防止効果が向上し、長期間にわたって表面の美観が維持できる。
Claims (4)
- 被塗装物上に、塗料組成物(A1)から形成された層(A)と、該層(A)上に形成された、塗料組成物(B1)から形成された層(B)とを有する塗装物であって、
前記塗料組成物(A1)は、Biおよび/またはYの酸化物とMnの酸化物とを含む複合金属酸化物顔料と、水酸基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有するフルオロオレフィン系共重合体からなる樹脂(a)と、硬化剤とを含有し、
前記塗料組成物(B1)は、一般式Si(OR)4(式中、Rは互いに同一でも異なってもよく、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で表され、100%加水分解縮合したときにシリカが占める割合が20〜60質量%である化合物またはその部分縮合物と、紫外線吸収剤と、水酸基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有するフルオロオレフィン系共重合体からなる樹脂(b)と、硬化剤とを含有することを特徴とする熱線高反射塗装物。 - 前記塗料組成物(A1)に含有される複合金属酸化物顔料の含有量が、複合金属酸化物顔料と樹脂(a)との総量に対して0.1質量%以上である請求項1に記載の熱線高反射塗装物。
- 被塗装物上に、Biおよび/またはYの酸化物とMnの酸化物とを含む複合金属酸化物顔料と、水酸基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有するフルオロオレフィン系共重合体からなる樹脂(a)と、硬化剤とを含む塗料組成物(A1)を塗布して層(A)を形成させ、
つぎに、該層(A)上に、一般式Si(OR)4(式中、Rは互いに同一でも異なってもよく、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で表され、100%加水分解縮合したときにシリカが占める割合が20〜60質量%である化合物またはその部分縮合物と、紫外線吸収剤と、水酸基、カルボキシ基、加水分解性シリル基、エポキシ基およびアミノ基から選ばれる官能基を有するフルオロオレフィン系共重合体からなる樹脂(b)と、硬化剤とを含む塗料組成物(B1)を塗布して層(B)を形成させることを特徴とする熱線高反射塗装物の塗装方法。 - 前記塗料組成物(A1)に含まれる複合金属酸化物顔料の含有量が、複合金属酸化物顔料と樹脂(a)との総量に対して0.1質量%以上である請求項3に記載の熱線高反射塗装物の塗装方法。
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