JP5413815B2 - アルミニウム合金の製造方法及び鋳造装置 - Google Patents
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Description
本発明は、均一かつ微細なビレットを得るためのアルミニウム合金の製造方法に関するものである。
アルミニウム合金の凝固結晶組織を微細化する手段として、鋳造時に超音波振動を付加することは以前から知られている。例えば、超音波DC鋳造においては、一般的に超音波振動子に取り付けた超音波ホーンをアルミ溶湯中に挿入して、ホーン直下にキャビテーション場が発生する条件で強力な超音波振動を直接付与している(非特許文献1(P522.Figure10.4)。
このような既存超音波DC鋳造は、超音波振動を付加する場所で分けると、図1で示すような樋処理と、図2で示すような鋳型内・サンプ内処理の2つに分類できる。樋処理法では超音波振動が溶湯移送樋を流れる溶湯中に付加され(例えば特許文献1、図2)、鋳型中処理法では鋳型内あるいはその直上の耐火物であるヘッダを流れる溶湯中にホーンが浸漬され、超音波振動が付加されている(例えば特許文献2、Fig1)。
このような既存超音波DC鋳造は、超音波振動を付加する場所で分けると、図1で示すような樋処理と、図2で示すような鋳型内・サンプ内処理の2つに分類できる。樋処理法では超音波振動が溶湯移送樋を流れる溶湯中に付加され(例えば特許文献1、図2)、鋳型中処理法では鋳型内あるいはその直上の耐火物であるヘッダを流れる溶湯中にホーンが浸漬され、超音波振動が付加されている(例えば特許文献2、Fig1)。
どのような処理方法を利用するかについては合金種、微細化剤添加の有無や、微細化剤のタイプと添加場所によって判断されている。例えば、Al‐Si過共晶合金のDC鋳造では、初晶珪素を効率よく微細化するために樋処理の方が有効であることが報告されている(非特許文献2P685、右17行目〜)。
一方、初晶珪素の効率のよい微細化方法として、微細化剤であるPをあらかじめ添加した溶湯を高温条件下で超音波処理を行った場合、微細化効果があることが明らかになっており、その場合の微細化効果は次のように説明されている(非特許文献2図5とP.686左23行目)。
一方、初晶珪素の効率のよい微細化方法として、微細化剤であるPをあらかじめ添加した溶湯を高温条件下で超音波処理を行った場合、微細化効果があることが明らかになっており、その場合の微細化効果は次のように説明されている(非特許文献2図5とP.686左23行目)。
微細化剤を添加した場合、微細化剤の粒子の表面に様々な欠陥(ミクロクラック、ミクロ凹凸など)が存在するのが一般的であるが、鋳造時に温度が下がるため、溶湯中の水素溶解度が減少するにつれて水素がガス化して微小気泡としてそれらの表面欠陥に生成・付着する。その結果、粒子に対して溶湯の流れが悪くなり、超音波を照射しない場合は微細化剤を添加しても十分な微細化能力を発揮することができないことがある。
しかし、このような溶湯に超音波を照射すると、粒子がキャビテーション領域を通過するときには付着された水素が粒子表面から除去され、濡れ性が向上されることで微細化機能を果たす結晶核の数が劇的に増え微細化効果が発揮される。
しかし、このような溶湯に超音波を照射すると、粒子がキャビテーション領域を通過するときには付着された水素が粒子表面から除去され、濡れ性が向上されることで微細化機能を果たす結晶核の数が劇的に増え微細化効果が発揮される。
また、キャビテーション領域を通る粒子は超音波キャビテーションの影響を受けて、溶湯中に効率よく分散される。
これらの現象は超音波キャビテーションによって起こるものであるが、具体的には、溶湯中で無数の気泡が発生し、膨張、圧縮を繰り返し崩壊することによって起こる効果である。この気泡崩壊が液体中で高速マイクロジェットと衝撃波の発生を引き起こし、これらが気泡除去と分散に対して効果のある原因であると考えられる。これら二つの効果は結晶核の活性という。
これらの現象は超音波キャビテーションによって起こるものであるが、具体的には、溶湯中で無数の気泡が発生し、膨張、圧縮を繰り返し崩壊することによって起こる効果である。この気泡崩壊が液体中で高速マイクロジェットと衝撃波の発生を引き起こし、これらが気泡除去と分散に対して効果のある原因であると考えられる。これら二つの効果は結晶核の活性という。
O.V.Abramov: High-Intensity Ultrasonics : Theory and IndustrialApplications, Gordon and Breach Science Publishers, Amsterdam (1998),692
G.I.Eskin, D.G.Eskin Z.Metallkd.95(2004),682-690.
超音波処理された溶湯が鋳型に流れ込まれて素早く凝固すると、均質な微細化結晶組織が得られる。しかしながら、多くのケースでは、凝固速度は冷却面からの距離によって大きく変化し、鋳型内の部位によって凝固速度は変わってくる。代表的な例として、中・大径ビレットを鋳造する際には、表層部と中心部の冷却速度の違いより凝固組織の程度が大きく異なるという問題が挙げられる。特にその傾向は鋳造速度の速い図1のような樋処理法において顕著であり、それは超音波樋処理法の大きなデメリットになっている。
ところで、超音波樋処理法における組織の不均一の原因は以下の通りである。
結晶生成速度は、一般的に、結晶核として作用する粒子表面からの熱除去速度と結晶粒子の界面抵抗によって律速されるとされている。結晶核の数が少ない場合または結晶粒子の表面に微細な水素気泡が付着される場合の結晶生成速度は界面抵抗に大きく影響し、熱除去速度によってほとんど変化しない。一方で、超音波照射によって気泡除去・分散された結晶粒子の界面抵抗は著しく小さくなるため結晶生成に対する律速段階は冷却速度によって決まる熱除去速度となり、この条件では組織微細化程度がビレット中の位置によって大きく変化するようになる。
結晶生成速度は、一般的に、結晶核として作用する粒子表面からの熱除去速度と結晶粒子の界面抵抗によって律速されるとされている。結晶核の数が少ない場合または結晶粒子の表面に微細な水素気泡が付着される場合の結晶生成速度は界面抵抗に大きく影響し、熱除去速度によってほとんど変化しない。一方で、超音波照射によって気泡除去・分散された結晶粒子の界面抵抗は著しく小さくなるため結晶生成に対する律速段階は冷却速度によって決まる熱除去速度となり、この条件では組織微細化程度がビレット中の位置によって大きく変化するようになる。
このように、超音波処理を施した場合冷却速度が組織微細化程度に影響を与えるが、超音波照射位置が凝固領域から離れているために、超音波で活性化した結晶核が凝固領域まで移動するには時間がかかる。この時間は凝固領域がビレット中心に近い方が長くなり、その間に結晶粒子の凝集または粒子表面汚染物の付着が発生してしまうため特にビレット中心での微細化能力が低下してしまう。
そこで、超音波照射を溶湯全体について満遍なく実施することができれば、結晶核が増えるためにビレット中心部の組織粗大化を低減することができることになるが、超音波樋処理では、ホーンと樋壁の間の間隔が広すぎるためにすべての溶湯についてキャビテーション領域を通過させることが極めて難しい。溶湯の一部はキャビテーション領域を通らずに鋳型内に流入することになる。
そこで、超音波照射を溶湯全体について満遍なく実施することができれば、結晶核が増えるためにビレット中心部の組織粗大化を低減することができることになるが、超音波樋処理では、ホーンと樋壁の間の間隔が広すぎるためにすべての溶湯についてキャビテーション領域を通過させることが極めて難しい。溶湯の一部はキャビテーション領域を通らずに鋳型内に流入することになる。
これらの問題を解決するために、図2のように鋳型内又はサンプ内での超音波処理を応用する試みが行われているが、鋳型内又はサンプ内の超音波処理についても以下のような問題がある。
超音波が溶湯内を伝播する時は超音波振動のエネルギーが吸収されることによってホーンの直下で音響流と呼ばれるほぼ定常な対流が発生する。音響流の一例を図2に示す。このような対流が鋳型壁まで広がる場合は鋳型内の溶湯と鋳型壁の間の熱交換が促進されるために溶湯温度の低下が起こり、固液共存領域が広くなる。
超音波が溶湯内を伝播する時は超音波振動のエネルギーが吸収されることによってホーンの直下で音響流と呼ばれるほぼ定常な対流が発生する。音響流の一例を図2に示す。このような対流が鋳型壁まで広がる場合は鋳型内の溶湯と鋳型壁の間の熱交換が促進されるために溶湯温度の低下が起こり、固液共存領域が広くなる。
その結果、結晶が成長する時間が長くなり、凝固組織が粗くなる。さらに、鋳型内処理のときは直接に固液共存領域で超音波処理をすることになり、キャビテーション領域が比較的低温域で発生するため、超音波の核生成に対する効果は溶湯温度が高い条件と比べて低下してしまう。さらには、キャビテーション領域を通過する溶湯量が、樋処理と同様ホーン直下での溶湯量が満足いくものではなかったため上記のような問題点を改善することができなかった。
本発明は、このような課題を解決するために案出されたものであり、溶湯中に超音波処理照射をする際、溶湯が鋳型上部に設けられた絞り板を流動する間に超音波を照射して凝固結晶組織を均一に微細化することが可能なアルミニウム合金の製造方法及び鋳造装置を提供することを目的とする。
本発明のアルミニウム合金の製造方法は、その目的を達成するため、鋳造鋳型上部にヘッダと、該ヘッダ内部と鋳型内部を分ける絞り板と、ヘッダ内部の溶湯に浸漬するように設けられた超音波ホーンとを有し、該超音波ホーンが前記絞り板の中心部に設けられた出湯口と同軸上に超音波ホーンに配するとともに、前記絞り板に設けられた出湯口は上部に向かって直径が大きくなる円錐台部を有する形状とされた鋳造装置を用いて鋳造する際に、前記円錐台部の上端部の直径をD、円錐台部の下端部の直径をd、超音波ホーンの先端の直径をDhとしたとき、Dh≦D≦1.5Dhであり、かつd/D=0.4〜0.6の範囲の出湯口を有する絞り板を用い、前記超音波ホーンをその先端と前記絞り板の上端部までの距離が0.05λ〜0.35λとなる位置に設置して、溶湯が前記ヘッダ内部を流動する間に超音波を照射することを特徴とする。
なお、λは用いる超音波ホーンが発する超音波のアルミニウム合金溶湯中での波長である。
なお、λは用いる超音波ホーンが発する超音波のアルミニウム合金溶湯中での波長である。
そして、前記絞り板の厚さをL、出湯口の円錐台部の長さをL1としたとき、出湯口の上端部からL1=0.5L〜1.0Lの円錐台部を設け、円錐台部の下端部よりL−L1の長さの円筒部を設けた絞り板を用いることが好ましい。
本発明のアルミニウム合金の製造方法に用いる鋳造装置は、鋳造鋳型上部にヘッダと、該ヘッダ内部と鋳型内部を分ける絞り板と、ヘッダ内部の溶湯に浸漬するように設けられた超音波ホーンとを有し、該超音波ホーンが前記絞り板の中心部に設けられた出湯口と同軸上に超音波ホーンに配するとともに、前記絞り板に設けられた出湯口は上部に向かって直径が大きくなる円錐台部を有する形状とされた鋳造装置であって、前記円錐台部の上端部の直径をD、円錐台部の下端部の直径をd、超音波ホーンの先端の直径をDhとしたとき、Dh≦D≦1.5Dhであり、かつd/D=0.4〜0.6の範囲の出湯口を有する絞り板が用いられているとともに、前記超音波ホーンをその先端と前記絞り板の上端部までの距離が0.05λ〜0.35λとなる位置に設置されていることを特徴とする。
なお、λは用いた超音波ホーンが発する超音波のアルミニウム合金溶湯中での波長である。
なお、λは用いた超音波ホーンが発する超音波のアルミニウム合金溶湯中での波長である。
前記絞り板の厚さをL、出湯口の円錐台部の長さをL1としたとき、出湯口の上端部からL1=0.5L〜1.0Lの円錐台部を設け、円錐台部の下端部よりL−L1の長さの円筒部を設けた絞り板が設置されていることが好ましい。
本発明方法によれば、絞り板を設けたヘッダ部を備えた鋳造装置を用いて超音波照射を行うことによってキャビテーション領域を通過する溶湯の量を増やすことにより、ビレット全体の結晶組織を均一かつ微細にしたアルミニウム合金を容易に得ることができる。
1:ヘッダ 2:鋳型
3:ホーン 4:樋
5:溶湯 6:音響流
7:絞り板 8:出湯口
9:溶湯フロー 10:円錐台部
11:円筒部
3:ホーン 4:樋
5:溶湯 6:音響流
7:絞り板 8:出湯口
9:溶湯フロー 10:円錐台部
11:円筒部
本発明者等は、アルミニウム合金の中・大径ビレットを鋳造する際に、均一かつ微細なミクロ組織を有するアルミニウム合金を得るべく鋭意検討を重ねてきた。
その過程で、従来行ってきたアルミニウム合金溶湯中への超音波照射を溶湯が鋳型上部に設けられた絞り板を流動する間に行えば、溶湯の大部分がキャビテーション領域を通過されることとなって凝固結晶組織を均一に微細化することができることを見出し、本発明に到達した。
以下にその内容を詳しく説明する。
その過程で、従来行ってきたアルミニウム合金溶湯中への超音波照射を溶湯が鋳型上部に設けられた絞り板を流動する間に行えば、溶湯の大部分がキャビテーション領域を通過されることとなって凝固結晶組織を均一に微細化することができることを見出し、本発明に到達した。
以下にその内容を詳しく説明する。
まず、用いる装置の概略構造から説明する。
図3に示すように、本発明の鋳造装置は、鋳造鋳型2の上部に耐火物又は断熱材からなるヘッダ部1が設けられ、該ヘッダ内部と鋳型2内部を中心部に出湯口8を有する耐火物または断熱材からなる仕切り板7(以下絞り板という)で分けられている。図3中、4が樋であり、5が溶湯である。
前記ヘッダ内部を流れる溶湯中に浸漬させた超音波ホーン3により超音波処理を行う。なお、本件明細書中では、前記絞り板7を有するヘッダ1のことを絞りヘッダと記す。
図3に示すように、本発明の鋳造装置は、鋳造鋳型2の上部に耐火物又は断熱材からなるヘッダ部1が設けられ、該ヘッダ内部と鋳型2内部を中心部に出湯口8を有する耐火物または断熱材からなる仕切り板7(以下絞り板という)で分けられている。図3中、4が樋であり、5が溶湯である。
前記ヘッダ内部を流れる溶湯中に浸漬させた超音波ホーン3により超音波処理を行う。なお、本件明細書中では、前記絞り板7を有するヘッダ1のことを絞りヘッダと記す。
出湯口8の長さと形状は鋳型内の溶湯の流動パターンに大きく影響を及ぼす。絞り板7を利用する主目的としては絞りヘッダ内で超音波処理された溶湯が、出湯口を通じて鋳型に鋳込まれる時の溶湯の流れが下方向に進むようにして、鋳型内壁面近傍での溶湯流動を抑制することにある。つまり、溶湯が出湯口を通過することによってその流れが層流状態になり、周辺の溶湯と混合しないように制御することができる。
また、出湯口8は、鋳型2の中心軸線と同軸に設け、絞り板の厚さLは40〜60mmの範囲内であることが好ましい。Lが40mm以上で安定な層流が形成され、60mm以下であるとホーン先端と凝固界面の距離を短くすることができるため、超音波照射の効果を高めることができるからである。
また、出湯口8は、鋳型2の中心軸線と同軸に設け、絞り板の厚さLは40〜60mmの範囲内であることが好ましい。Lが40mm以上で安定な層流が形成され、60mm以下であるとホーン先端と凝固界面の距離を短くすることができるため、超音波照射の効果を高めることができるからである。
出湯口の形状は、図4(a)に示すように、上部に向かって直径が大きくなるような円錐台部10と円錐台部の下部に設けられた円筒部11によってなる。円錐台部の長さL1は0.5L〜1.0Lの範囲に変化させる。したがって、L1=Lの時は図4(b)に示すように円筒部がない場合もある。出湯口に円錐台部がない場合は、鋳型内に鋳込まれる溶湯の流れが乱流化しやすくなるため、鋳型中溶湯温度が低くなり、微細化効果が低減する。
なお、L1が0.5Lより小さいと、超音波エネルギーの音響流が出湯口を通るときに吸収され、超音波の効率が悪くなるため、L1=0.5L〜1.0Lであることが好ましい。
なお、L1が0.5Lより小さいと、超音波エネルギーの音響流が出湯口を通るときに吸収され、超音波の効率が悪くなるため、L1=0.5L〜1.0Lであることが好ましい。
ホーンは出湯口と同軸上に配置される。キャビテーション場が発生する領域は一般的に、幅約Dc=1.5Dh(Dh;ホーンの直径)、長さ約Lc=λ/4の領域である。ここでλは(1式)の通り音速cと周波数fによって決まる媒体中の超音波長である。
λ=c/f ・・・(1式)
アルミニウム溶湯のcが約4000m/sであることから溶湯中に20kHzの超音波を照射する場合のLcは50mmとなる。したがって距離Hが約Lcを大きく超えると溶湯の一部はキャビテーション領域を通過せずに鋳型に流入する。一方距離Hが小さくなりすぎると鋳型内で音響流が激しくなることによって溶湯温度が下がり、微細化効果が低下する。また、ホーンがヘッダ板上端部にあまり近すぎると絞り板上層部がキャビテーションによってエロージョンされ、溶湯のコンタミネーションが発生する恐れがある。
したがって、距離Hは0.05λ〜0.35λであることが必要である。
λ=c/f ・・・(1式)
アルミニウム溶湯のcが約4000m/sであることから溶湯中に20kHzの超音波を照射する場合のLcは50mmとなる。したがって距離Hが約Lcを大きく超えると溶湯の一部はキャビテーション領域を通過せずに鋳型に流入する。一方距離Hが小さくなりすぎると鋳型内で音響流が激しくなることによって溶湯温度が下がり、微細化効果が低下する。また、ホーンがヘッダ板上端部にあまり近すぎると絞り板上層部がキャビテーションによってエロージョンされ、溶湯のコンタミネーションが発生する恐れがある。
したがって、距離Hは0.05λ〜0.35λであることが必要である。
出湯口の上端部の直径Dはキャビテーション領域の幅を超えないように設定される。つまり、D≦Dc=1.5Dhである必要がある。またDの下限値は、超音波照射の特性によって決まる。DがDhよりも小さくなると超音波照射の一部が絞り板面から反射するためにホーン先端と絞り板の間に定在波が発生してしまい、ホーン先端と絞り板上端部のキャビテーションエロージョンが著しく促進される可能性がある。
また、鋳型内へ流入する音響流が中心部に集中しすぎてしまい、サンプ領域が深くなってしまう。したがって、D=1.0〜1.5Dhとする。
また、鋳型内へ流入する音響流が中心部に集中しすぎてしまい、サンプ領域が深くなってしまう。したがって、D=1.0〜1.5Dhとする。
また、出湯口の円錐台下端部dは、d/D=0.4〜0.6の範囲にある必要がある(図5(a))。0.4Dより小さくなると超音波エネルギーの音響流が出湯口を通るときに吸収されるため、超音波処理の効率が悪くなる。また、0.6Dよりも大きいと、鋳型内で誘起される音響流が激しくなり、さらに図5(b)に示すように鋳型内流動パターンが変わってしまうため鋳型中溶湯温度が低くなり、微細化効率が悪くなる。
なお、図6にD、Dh、Dc、d、Lc、Hの位置関係を示した。
なお、図6にD、Dh、Dc、d、Lc、Hの位置関係を示した。
超音波樋処理方法との相違
本発明による方法は、超音波樋処理方法に比べて以下のような利点を有している。
キャビテーション領域を通過する溶湯量が多く、またホーン先端と凝固界面の間の距離が短いため、結晶核が凝固界面まで短い時間で供給される。さらに、出湯口と同軸に設置されたホーンにより、超音波が出湯口を通って、鋳型中心部の溶湯を凝固界面へ伝播し、キャビテーション領域で活性化された結晶核の凝集を防止することができる。それに加え、超音波照射が鋳型中心部の範囲に限られているため溶湯の下向き音響流を引き起こして、その音響流の一部が中心部の凝固界面まで達することで界面での熱伝達が促進される。
本発明による方法は、超音波樋処理方法に比べて以下のような利点を有している。
キャビテーション領域を通過する溶湯量が多く、またホーン先端と凝固界面の間の距離が短いため、結晶核が凝固界面まで短い時間で供給される。さらに、出湯口と同軸に設置されたホーンにより、超音波が出湯口を通って、鋳型中心部の溶湯を凝固界面へ伝播し、キャビテーション領域で活性化された結晶核の凝集を防止することができる。それに加え、超音波照射が鋳型中心部の範囲に限られているため溶湯の下向き音響流を引き起こして、その音響流の一部が中心部の凝固界面まで達することで界面での熱伝達が促進される。
超音波ヘッダ内・鋳型内処理方法との相違
本発明による方法は、従来のヘッダ内・鋳型内処理方法と比べて以下のような利点を有している。
樋処理方法と比較した時と同様、本発明によるとキャビテーション領域を通過する溶湯量が多く、さらに、出湯口は円錐台部を有するため、ホーン直下で発生する溶湯の音響流と鋳型内への溶湯流入は鋳型中心部の領域に限られている。その結果、鋳型内の溶湯攪拌が弱くなり、従来の処理方法と比べて鋳型内温度の低下が小さい。また、絞り板があることによって、キャビテーション領域と鋳型内部の間に熱交換が介在しないために超音波処理は温度が比較的高い領域で行われ、鋳型の上に備え付けられた絞り板は鋳型内溶湯に対して断熱効果を有するために鋳型内の溶湯温度低下が小さくなり、凝固時の冷却速度と温度勾配が高まる。その結果、ヘッダ内・鋳型内処理と比べて凝固組織は均一に微細化される。
以下、具体的な製造事例を実施例によって説明する。
本発明による方法は、従来のヘッダ内・鋳型内処理方法と比べて以下のような利点を有している。
樋処理方法と比較した時と同様、本発明によるとキャビテーション領域を通過する溶湯量が多く、さらに、出湯口は円錐台部を有するため、ホーン直下で発生する溶湯の音響流と鋳型内への溶湯流入は鋳型中心部の領域に限られている。その結果、鋳型内の溶湯攪拌が弱くなり、従来の処理方法と比べて鋳型内温度の低下が小さい。また、絞り板があることによって、キャビテーション領域と鋳型内部の間に熱交換が介在しないために超音波処理は温度が比較的高い領域で行われ、鋳型の上に備え付けられた絞り板は鋳型内溶湯に対して断熱効果を有するために鋳型内の溶湯温度低下が小さくなり、凝固時の冷却速度と温度勾配が高まる。その結果、ヘッダ内・鋳型内処理と比べて凝固組織は均一に微細化される。
以下、具体的な製造事例を実施例によって説明する。
実施例1;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.03%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
また、DC鋳造鋳型上面には円錐台上端部直径52mm、円錐台下端部直径26mm(d/D=0.5)、円錐台部の長さ26mmの組み合わせタイプの出湯口(図4(a))が開けられたけい酸カルシウム製断熱材絞り板(厚さ50mm、L1=0.5L)を出湯口の中心軸線が鋳型の中心軸線と同軸になるように取り付けた。
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.03%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
また、DC鋳造鋳型上面には円錐台上端部直径52mm、円錐台下端部直径26mm(d/D=0.5)、円錐台部の長さ26mmの組み合わせタイプの出湯口(図4(a))が開けられたけい酸カルシウム製断熱材絞り板(厚さ50mm、L1=0.5L)を出湯口の中心軸線が鋳型の中心軸線と同軸になるように取り付けた。
次に、先端直径48mmの窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉から絞りヘッダ内部を流れるアルミ溶湯中に浸漬させたホーンを絞り板の上で20mmの距離に固定して、ホーンにより絞りヘッダ内超音波処理を行い、鋳造速度275mm/minでφ178mmのビレットを鋳造した。なお、この時の超音波周波数は20.2kHz、超音波長は0.198m、H=0.1λである。
図7は、実施例1で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。また、鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から22mm)R/2部(中心部と表層部の距離から1/2)、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す
図7は、実施例1で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。また、鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から22mm)R/2部(中心部と表層部の距離から1/2)、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す
実施例2;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.01%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
また、DC鋳造鋳型上面には上端部直径52mm、底部直径26mm(d/D=0.5)の円筒部がないタイプの出湯口(図4(b))が開けられたけい酸カルシウム製断熱材絞り板(厚さ50mm)を出湯口の中心軸線が鋳型の中心軸線と同軸になるように取り付けた。
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.01%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
また、DC鋳造鋳型上面には上端部直径52mm、底部直径26mm(d/D=0.5)の円筒部がないタイプの出湯口(図4(b))が開けられたけい酸カルシウム製断熱材絞り板(厚さ50mm)を出湯口の中心軸線が鋳型の中心軸線と同軸になるように取り付けた。
次に、先端直径48mmの窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉から絞りヘッダ内部を流れるアルミ溶湯中に浸漬させたホーンを絞り板の上で20mmの距離に固定して、ホーンにより絞りヘッダ内超音波処理を行い、鋳造速度200mm/minでφ203mmのビレットを鋳造した。なお、この時の超音波周波数は20.2kHz、超音波長は0.198m、H=0.1λである。
実施例2で製造された鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から25mm),R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
実施例2で製造された鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から25mm),R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
比較例1;
実施例1と同一の装置を用いて同一の合金を超音波照射なしで鋳造速度275mm/minでφ178mmのビレットを鋳造造した。
図8は、比較例1で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。また、鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から22mm)、R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
実施例1と同一の装置を用いて同一の合金を超音波照射なしで鋳造速度275mm/minでφ178mmのビレットを鋳造造した。
図8は、比較例1で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。また、鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から22mm)、R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
比較例2;
実施例2と同一の装置を用いて同一の合金を超音波照射なしで鋳造速度200mm/minでφ203mmのビレットを鋳造した。
比較例2で製造された鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から22mm),R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
実施例2と同一の装置を用いて同一の合金を超音波照射なしで鋳造速度200mm/minでφ203mmのビレットを鋳造した。
比較例2で製造された鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から22mm),R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
比較例3;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.01%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
次に、先端直径48mmの窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉からDC鋳造鋳型へ溶湯移送樋に供給されるアルミ溶湯中に浸漬させたホーンにより超音波を照射し、鋳造速度275 mm/minでφ178mmのビレットを鋳造した。なお、この時の超音波周波数は20.2kHz、超音波長は0.198mである。
図9は、比較例3で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。また、鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から22mm)、R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.01%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
次に、先端直径48mmの窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉からDC鋳造鋳型へ溶湯移送樋に供給されるアルミ溶湯中に浸漬させたホーンにより超音波を照射し、鋳造速度275 mm/minでφ178mmのビレットを鋳造した。なお、この時の超音波周波数は20.2kHz、超音波長は0.198mである。
図9は、比較例3で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。また、鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部(表面から22mm)、R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
比較例4;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.01%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
次に、先端直径48mmの窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉から通常ヘッダ内部を流れるアルミ溶湯中に浸漬させたホーンにより超音波を照射し、鋳造速度200 mm/minでφ178mmのビレットを鋳造した。なお、この時の超音波周波数は19.7kHz、超音波長は0.203mである。
図10は、比較例4で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。また、鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部、R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.01%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
次に、先端直径48mmの窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後、溶解炉から通常ヘッダ内部を流れるアルミ溶湯中に浸漬させたホーンにより超音波を照射し、鋳造速度200 mm/minでφ178mmのビレットを鋳造した。なお、この時の超音波周波数は19.7kHz、超音波長は0.203mである。
図10は、比較例4で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。また、鋳塊のそれぞれの表層部、S‐R部、R/2部、中心部の初晶珪素の平均粒径と均一性指数を表1に示す。
比較例5;
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.01%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
また、DC鋳造鋳型上面には円錐台上端部直径52mm、円錐台下端部直径35mm(d/D=0.7)、円錐台部の長さ25mmの組み合わせタイプの出湯口(図4(a))が開けられたけい酸カルシウム製断熱材絞り板(厚さ50mm)を出湯口の中心軸線が鋳型の中心軸線とほぼ同軸になるように取り付けた。
次に、先端直径48mmの窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後,溶解炉から絞りヘッダ内部を流れるアルミ溶湯中に浸漬させたホーンを絞り板の上で20mmの距離に固定して、ホーンにより絞りヘッダ内超音波処理を行い、鋳造速度200mm/minでφ178mmのビレットを鋳造した。なお、この時の超音波周波数は20.2kHz、超音波長は0.198m、H=0.1λである。
図11は、比較例5で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。
溶解炉内に配置した坩堝内にAl‐17%Si‐0.01%Pの成分組成のアルミニウム溶湯を用意した。
また、DC鋳造鋳型上面には円錐台上端部直径52mm、円錐台下端部直径35mm(d/D=0.7)、円錐台部の長さ25mmの組み合わせタイプの出湯口(図4(a))が開けられたけい酸カルシウム製断熱材絞り板(厚さ50mm)を出湯口の中心軸線が鋳型の中心軸線とほぼ同軸になるように取り付けた。
次に、先端直径48mmの窒化珪素基超音波ホーンを予熱炉内で予熱した後,溶解炉から絞りヘッダ内部を流れるアルミ溶湯中に浸漬させたホーンを絞り板の上で20mmの距離に固定して、ホーンにより絞りヘッダ内超音波処理を行い、鋳造速度200mm/minでφ178mmのビレットを鋳造した。なお、この時の超音波周波数は20.2kHz、超音波長は0.198m、H=0.1λである。
図11は、比較例5で製造されたビレットの各部位のミクロ組織の顕微鏡写真である。
図7〜11で示すミクロ組織図は、それぞれ上記実施例1、比較例1、3、4、5で製造されたアルミニウム合金の金属組織を示す顕微鏡写真である。白色部分がα相であり、灰色部分はAl‐Si系の化合物、黒色部分が初晶珪素の結晶である。これらの写真より実施例は比較例に比べて、中心部まで均一に組織が微細化していることがわかる。
表1の値と写真より、比較例1、2では、超音波照射を行っていないため、全体的に初晶珪素が粗大化していることがわかる。
表1の値と写真より、比較例1、2では、超音波照射を行っていないため、全体的に初晶珪素が粗大化していることがわかる。
比較例3では超音波処理を行ったが、DC鋳造の溶湯移送樋中で超音波処理を行っているため、キャビテーション領域を通る溶湯の量が充分でなく、さらに超音波処理場からの距離があるためビレット中心部が粗大化していることがわかる。
比較例4ではヘッダ内で超音波処理をおこなっているため、キャビテーション領域を通る溶湯の量が充分でなく、さらに超音波照射時に発生する音響流が鋳型壁にまで広がるので溶湯温度が低下するため、ビレット全体の凝固組織が粗大化していることがわかる。
比較例5では絞り板を設けた絞りヘッダ内で超音波処理を行ったが、d/D=0.7であるため、鋳型内で誘起される音響流が激しくなり、さらに鋳型内流動パターンが変わってしまうため鋳型中溶湯温度が低くなり、微細化効率が悪くなる。そのため、実施例の場合より微細化効果が低下してしまった。
比較例4ではヘッダ内で超音波処理をおこなっているため、キャビテーション領域を通る溶湯の量が充分でなく、さらに超音波照射時に発生する音響流が鋳型壁にまで広がるので溶湯温度が低下するため、ビレット全体の凝固組織が粗大化していることがわかる。
比較例5では絞り板を設けた絞りヘッダ内で超音波処理を行ったが、d/D=0.7であるため、鋳型内で誘起される音響流が激しくなり、さらに鋳型内流動パターンが変わってしまうため鋳型中溶湯温度が低くなり、微細化効率が悪くなる。そのため、実施例の場合より微細化効果が低下してしまった。
Claims (4)
- 鋳造鋳型上部にヘッダと、該ヘッダ内部と鋳型内部を分ける絞り板と、ヘッダ内部の溶湯に浸漬するように設けられた超音波ホーンとを有し、該超音波ホーンが前記絞り板の中心部に設けられた出湯口と同軸上に超音波ホーンに配するとともに、前記絞り板に設けられた出湯口は上部に向かって直径が大きくなる円錐台部を有する形状とされた鋳造装置を用いて鋳造する際に、前記円錐台部の上端部の直径をD、円錐台部の下端部の直径をd、超音波ホーンの先端の直径をDhとしたとき、Dh≦D≦1.5Dhであり、かつd/D=0.4〜0.6の範囲の出湯口を有する絞り板を用い、前記超音波ホーンをその先端と前記絞り板の上端部までの距離が0.05λ〜0.35λとなる位置に設置して、溶湯が前記ヘッダ内部を流動する間に超音波を照射することを特徴とするアルミニウム合金の製造方法。
なお、λはアルミニウム合金溶湯中の超音波長である。 - 前記絞り板の厚さをL、出湯口の円錐台部の長さをL1としたとき、出湯口の上端部からL1=0.5L〜1.0Lの円錐台部を設け、円錐台部の下端部よりL−L1の長さの円筒部を設けた絞り板を用いることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金の製造方法。
- 鋳造鋳型上部にヘッダと、該ヘッダ内部と鋳型内部を分ける絞り板と、ヘッダ内部の溶湯に浸漬するように設けられた超音波ホーンとを有し、該超音波ホーンが前記絞り板の中心部に設けられた出湯口と同軸上に超音波ホーンに配するとともに、前記絞り板に設けられた出湯口は上部に向かって直径が大きくなる円錐台部を有する形状とされた鋳造装置であって、前記円錐台部の上端部の直径をD、円錐台部の下端部の直径をd、超音波ホーンの先端の直径をDhとしたとき、Dh≦D≦1.5Dhであり、かつd/D=0.4〜0.6の範囲の出湯口を有する絞り板が用いられているとともに、前記超音波ホーンをその先端と前記絞り板の上端部までの距離が0.05λ〜0.35λとなる位置に設置されていることを特徴とするアルミニウム合金の鋳造装置。
なお、λはアルミニウム合金溶湯中の超音波長である。 - 前記絞り板の厚さをL、出湯口の円錐台部の長さをL1としたとき、出湯口の上端部からL1=0.5L〜1.0Lの円錐台部を設け、円錐台部の下端部よりL−L1の長さの円筒部を設けた絞り板が配置されていることを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム合金の鋳造装置。
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