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JP5403042B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置および合金化制御方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置および合金化制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、連続溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置および合金化制御方法に関するものである。
溶融亜鉛めっき鋼板には、溶融亜鉛めっき後、めっき層の一部あるいは全体をFe−Zn合金とするように合金化処理を施した合金化溶融亜鉛めっき鋼板がある。
一般的に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、鋼板を焼鈍、冷却後、図4に示すように、溶融亜鉛が満たされているめっき浴1に鋼板Sを浸漬させた後、該鋼板Sを垂直上方に引き上げる工程の後に、鋼板表面に付着した溶融亜鉛が板幅方向および板長手方向に均一に所定のめっき厚になるように、この鋼板Sを挟んで対向して設けたワイピングノズル2から加圧気体を鋼板面に噴出させて、余剰な溶融亜鉛を絞り取り、ワイピングノズル2の直上に配置された加熱帯3aで鋼板を加熱した後保熱帯6で保熱して亜鉛層へ鉄を拡散させることにより、所定の合金化処理が行われる。合金化処理が適正でない場合、つまり過合金や合金化不足となると、その品質特性が損なわれるため、合金化度を高精度で制御する必要がある。合金化度を制御する技術として以下の技術が開示されている。
特許文献1には、合金化処理後の鋼板にX線を照射し、X線回折強度から合金化度を算出し、合金化度を制御する方法が開示されている。
特許文献2には、溶融亜鉛めっき用合金化炉内の板温保持帯域の複数位置に放射温度計を配設し、その放射エネルギーを代表板温測定値と比較して各位置の鋼板の放射率を求め、その放射率が0.4〜0.7の範囲となる位置を合金化位置と定め、この合金化位置が一定位置となるように、合金化炉の燃料流量、通板速度を操作することによって合金化度を制御する方法が開示されている。
特開平1−301155号公報 特開平7−150328号公報
近年、自動車分野では、車体材料に高強度鋼板を使用して車体を軽量化しようとする動きがある。高張力鋼板では、添加元素としてSiやMnの添加が材質設計上有利であることが知られているが、SiやMnの添加鋼を用いると、合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、Si・Mnの鋼板表面への濃化に起因する合金ムラが鋼板の幅、長手方向に不規則に発生することがある。この合金ムラの発生を防止するには、合金ムラの発生位置を検出し、合金化処理の条件を合金ムラの発生を抑制できる条件に調整する必要がある。
特許文献1の方式では、合金化度の測定位置が限られており、幅方向の合金化度の情報が得られていないので、幅方向の一部箇所で合金ムラが発生してもそれを検出できず、合金化処理条件を、合金ムラを防止するように制御することが困難である。また、オペレーターの目視判定によって合金化帯の加熱制御を手動で補完することも可能であるが、全長全巾を管理・保証することは困難で、定量的評価もできない。また、特許文献2の方法は、母材となる鋼種の変化、通板速度の変化、Zn付着量の変化等の影響で安定的に放射率を測定することが困難であることがわかった。
本発明は、前記問題点を考慮し、SiやMn等の添加鋼を用いた溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理する際に発生する合金ムラを抑制できる溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置および合金化制御方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置において、合金化帯より下流側に、鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段、及び、前記鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段の上流または下流に、鋼板幅方向の3点以上で温度測定可能な放射温度計を備え、さらに、前記合金化帯内に、前記放射温度計の鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて部分的に幅方向の加熱量を調整できる加熱装置を有することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置。
(2)前記加熱装置は、鋼板幅方向に複数の燃焼バーナーを配置した加熱装置であることを特徴とする(1)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置。
(3)前記加熱装置は、鋼板幅方向に複数のガス噴射口を配置した高温ガスヒーターであることを特徴とする(1)に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置。
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置を用いて溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理する方法において、
予め前記温度測定手段で測定される鋼板温度t1、前記放射温度計で測定される鋼板温度t2との温度差t1−t2と合金化度の関係を調べ、その関係から、合金化度を許容範囲内にできる温度差t1−t2の範囲(所定温度範囲)を求めておき、
合金化処理の際に、前記温度測定手段を用いて鋼板温度(t1m)、前記放射温度計を用いて鋼板幅方向の各鋼板温度t2i(t2iは鋼板端部からi番目の温度測定位置の温度、i=1〜n、n≧3)を測定し、さらに前記t1mと前記t2iの温度差Δti(=t1m−t2i)を求め、各温度差Δtiが前記所定温度範囲内にあるか否かを判定し、所定温度範囲を外れたときは、所定温度範囲から外れた位置の温度差Δtiが所定温度範囲内に入るように、前記加熱装置を用いて所定温度範囲から外れた位置の加熱量を調整することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置を用いて合金化制御することで、SiやMn等の添加鋼であっても、鋼板の全長全巾に亘って合金ムラの少ない合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができる。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置の一実施形態を示す側面図である。 鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段で測定した温度t1と放射温度計で測定した温度t2の温度差t1−t2と合金化度の関係を示す図である。 本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置に配置される鋼板幅方向で加熱量を調整できる加熱装置のガス噴射口の配置例を説明する概略図である。 従来の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置の要部を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置は、合金化帯よりも下流側に鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段と、前記鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段よりも上流または下流に、鋼板幅方向の3点以上で温度測定可能な放射温度計を備える。また、合金化帯内に、前記放射温度計の鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて部分的に幅方向の加熱量を調整できる加熱装置を有する。
図1は、本発明の実施形態に係る溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置の一実施形態を示す側面図である。図1において、Sは鋼板、1はめっき浴、2はワイピングノズル、3は加熱帯で、第1加熱装置4と第2加熱装置5が配置されている。第1加熱装置4は従来技術の合金化処理装置の加熱帯で採用されている加熱装置で、鋼板全幅をほぼ均一に加熱昇温する。第2加熱装置5は、放射温度計T2(後記)で測定する鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて鋼板幅方向の加熱量を部分的に独立して調整できる加熱装置である。6は保熱帯、7は冷却帯、8はトップロール、T1は鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段(以下、単に「温度測定手段T1」とも記載する。)、T2は鋼板幅方向の3点以上で鋼板の温度測定が可能な放射温度計(以下、単に「放射温度計T2」とも記載する。)である。なお、本明細書では、合金化帯は、加熱帯3と保熱帯6を含む。
第1加熱装置4は、鋼板全幅を加熱できるものであればよく、加熱方式は特に限定されない。ガス燃焼方式や誘導加熱方式などを用いることができる。
第2加熱装置5は、放射温度計の鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて部分的に幅方向の加熱量を調整できるものであれば、加熱方式は限定されない。燃焼バーナー方式、高温ガスヒーター方式等を用いることができる。燃焼バーナー方式では、例えば、製鉄所内にある副生ガス(コークスガスなど)と空気をバーナー内で混合して燃焼させるノズルミックスバーナーなどを用いて燃焼ガスを吹き付けて鋼板を加熱する。高温ガスヒーター方式では、例えば、電気加熱(誘導加熱、通電加熱等)された加熱部にガス(空気や窒素ガス等)を流すことでガスを加熱するヒーターなどを用いて加熱したガスを噴きつけて鋼板を加熱する。
第2加熱装置5は、過合金の部分は加熱量を弱め、合金不足の部分は加熱量を強める必要がある。このような加熱条件の変更に対応できるように、第2加熱装置5は、合金ムラが発生しない状態では、鋼板幅方向でほぼ均一に一定の加熱量が負荷された状態で使用され、合金不足と判断されたときは、合金不足と判断された位置の加熱量の負荷を増加させ、過合金と判断されたときは、過合金と判断された位置の加熱量の負荷を低下させるように制御することが好ましい。
燃焼バーナー、高温ガスヒーターの鋼板面に対向する面のガス噴射口の配置は、図3に示すような千鳥配置とし、各ガス噴射口を放射温度計T2の鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて配置し、各ガス噴射口のガス噴きつけ量(加熱量)を独立に制御できるようにすることが好ましい。
第2加熱帯5は、保熱帯6内、保熱帯6出側に配置することもできるが、本発明の効果を発現するには保熱帯6よりも上流に配置することが好ましい。
放射温度計T2にサーモグラフィー(後記)などを用いた場合、温度測定箇所は板幅方向で数百点になり、各温度測定箇所に対応させてバーナーやヒーターのガス噴射口を配置するのは困難である。サーモグラフィーのように板幅方向での温度測定箇所が多くなる場合は、温度測定箇所を板幅方向で複数グループに分割し、分割した各グループの幅方向の領域に対応させてガス噴射口を配置すればよい。ガス噴射口を配置した位置に対応させて温度測定箇所を分割してもよい。
温度測定手段T1は、保熱帯5よりも下流側に設置する。保熱帯6と冷却帯7の間に配置してもよいし、冷却帯7の下流側に配置してもよい。冷却帯7内に配置してもよい。温度測定手段T1は、鋼板の表面放射率の影響を受けることがなく、真温度に近い鋼板温度を測定する。通常、板幅中央で鋼板温度を測定すればよい。
放射温度計T2は、前記温度測定手段T1の上流または下流に設置する。合金ムラが発生すると鋼板の表面放射率が変化する。放射温度計T2は、合金ムラを温度ムラとして測定する。
発明者らは、温度測定手段T1で測定される温度t1、放射温度計T2で測定される見かけの温度t2とめっき層の実際の合金化度(Fe−Zn合金めっき層中のFe%)の関係について調査を行った。その結果、図2に示すように、同じ母材(同じ鋼種)では、放射温度計T2で測定される温度t2と温度測定手段T1で測定される温度t1の温度差t1−t2と合金化度によい相関があり、温度差t1−t2が所定範囲内になるようにすると、合金化度を許容範囲内にできることがわかった。また、母材の種類(鋼種)が異なると、t1−t2と合金化度の相関関係を示す特性曲線が異なることがわかった。
したがって、母材種(鋼種)毎に、温度差t1−t2と合金化度の関係を調べて、その関係から、合金化度が許容範囲内になる温度差t1−t2の範囲(所定温度範囲)を求めておき、合金化処理の際に、温度測定手段T1を用いて鋼板温度(t1m)を測定し、放射温度計T2を用いて鋼板幅方向のn箇所で鋼板温度t2iを測定する。但し、t2iは、一方の鋼板端部からi番目の位置の鋼板温度で、i=1〜n、n≧3である。さらにt1mとt2iの温度差Δti(=t1m−t2i)を求め、各温度差Δtiが前記所定温度範囲内にあるか否かを判定する。所定温度範囲から外れたときは、第2加熱装置5を用いて、所定温度範囲から外れた位置における加熱量を調整する。例えば、一方の鋼板端部からk番目の位置の鋼板温度差Δtk(=t1m−t2k)が所定温度範囲を外れたときは、以下のように調整する。
最初に、k番目の温度測定位置の第2加熱装置5の加熱量を低下させ、温度差Δtkが増加するか減少するかを確認する。加熱量を低下させて温度差Δtkが増加する場合は合金不足のため、加熱量を増加し温度差Δtkが所定温度範囲内に入るように制御する。加熱量を低下させて温度差Δtkが減少する場合は過合金のため、さらに加熱量を低下させ温度差Δtkが所定温度範囲内に入るように制御する。同一コイル内(同一母材内)の幅方向のある位置で一旦所定温度差内に入っても、鋼板が進行する過程で再び温度差が所定温度範囲から外れた場合は、それ以前の制御履歴を踏まえて加熱量を調整すれば(例えば、一旦合金不足と判定して加熱量を上昇させ所定温度範囲内に入った場合は、許容合金化範囲の下限付近であることが推測され、再度所定温度範囲を外れた場合は直ちに加熱量上昇するように制御する)、合金ムラ発生部分の長さを極力短くすることが可能となる。
合金ムラを検知するには、放射温度計T2によって鋼板幅方向の3点以上で合金ムラを検知することが有効であるので、放射温度計T2として、鋼板幅方向の3点以上で温度測定可能な放射温度計を用いる。
放射温度計T2の設定放射率は、合金化度(Fe−Zn合金層中のFe%)10%での合金化亜鉛めっき鋼板の放射率である0.5〜0.6を用いればよい。
温度測定手段T1と放射温度計T2の間には、鋼板温度を低下させるような冷却装置が配置されていないことが好ましい。冷却帯6内に配置するときは、温度測定手段T1と放射温度計T2を連設して配置することが好ましい。
めっき層の合金化反応の多くは合金化帯で進行しているが、その後も若干の合金化反応が進行する。合金ムラの発生を抑制する点からは、合金化反応が終了した位置で鋼板温度を測定する方が好ましい。この点から、温度測定手段T1、放射温度計T2は、冷却帯6より下流側に配置することが好ましい。鋼板温度が80℃未満になると表面放射率のムラを温度として検出することができなくなるので、温度測定手段T1と放射温度計T2は鋼板温度が80℃以上である温度域に設置することが好ましい。
温度測定手段T1には、多重反射式放射温度計、接触式温度計、測温ロールなどがある。表面放射率の影響を受けない方式の温度計であれば、その他の方式でもかまわない。
放射温度計T2は、スポット型放射温度計を幅方向に3箇所以上配置してもいいが、鋼板全巾の品質を保証する観点から、全板幅の温度情報を得ることができる走査型放射温度計あるいは熱画像計測型温度計(サーモグラフィー)を用いることが望ましい。また、放射温度計の測定波長は、放射率による温度誤差を小さくするため、測定温度レンジを踏まえて極力短い波長のタイプを選択するのが一般的であるが、放射温度計T2では放射率の変化を捉えるため、測定波長が6μm以上の素子を有する放射温度計を選択することが好ましく、測定波長が8〜13μmの素子を有する放射温度計を選択することがさらに好ましい。例えば、測定波長が前記波長の素子であるサーモパイル等を用いることができる。
放射温度計T2の設定放射率は、母材によってあらかじめ適正値を決定しておき、測定時には自動的に所定放射率に変更することが望ましい。
図1の装置では、温度測定手段T1として、トップロール8の出側に多重反射式放射温度計が配置され、放射温度計T2は、温度測定手段T1より上流の、トップロール8と冷却帯7の間に配置されている。
図1の装置では、溶融亜鉛が満たされているめっき浴1に鋼板Sを浸漬させた後、該鋼板Sを垂直上方に引き上げ、ワイピングノズル2から加圧気体を鋼板面に噴出させて、余剰な溶融亜鉛を絞り取り、ワイピングノズル2の直上に配置された加熱帯3で鋼板を加熱した後保熱帯6で保熱し、その後冷却帯7を通過させて合金化処理が行われ、トップロール8で通板方向が変更される。
本発明では、予め母材種(鋼種)毎に、温度測定手段T1で測定される鋼板温度t1、放射温度計T2で測定される鋼板温度t2との温度差t1−t2と合金化度の関係を調べ、その関係から、合金化度を許容範囲内にできる温度差t1−t2の範囲(所定温度範囲)を求めておく。そして、合金化処理の際に、温度測定手段T1を用いて鋼板温度(t1m)を測定し、放射温度計T2を用いて鋼板幅方向の鋼板温度t2iを測定し、さらにt1mとt2iの温度差Δti(=t1m−t2i)を求め、各温度差Δtiが前記所定温度範囲内にあるか否かを判定する。所定温度範囲から外れたときは、第2加熱装置5を用いて、所定温度範囲から外れた位置における加熱量を調整する。上記のように合金化制御することで、合金ムラ発生部分の長さを短くできる。
また、鋼板コイルについて、鋼板長手方向位置の温度差t1m−t2(i)の測定値が分かるようにしておくことが好ましい。このようにすることで、仮に温度差t1m−t2(i)が所定温度範囲から外れた箇所が発生しても、温度差t1m−t2(i)の測定値のデータからその鋼帯長手方向位置を特定できるので、リコイルライン等の別の検査ラインで当該箇所のみを除去することで、歩留まりロス最小限に抑えることができる。
以下の溶融亜鉛めっき鋼帯の製造試験を行った。溶融亜鉛めっき鋼帯の製造条件は、0.8〜1.2mm厚×900〜1400mm幅、めっき付着量は片面50g/mとし、Si添加量の異なる母材を3種類通板した。
本発明例では、図1の合金化処理装置を用い、第1加熱装置4は誘導加熱タイプ、第2加熱装置5は、高温ガスヒーターを用い、ガス噴射口は、鋼板幅方向に一列あたり5個を等間隔で配置したものを、鋼板長手方向に3列配置した。その際、隣り合う列のガス噴射口の幅方向位置を、ガス噴射口同士の間隔の1/3ずつずらして配置し、15個のガス噴射口が鋼板幅方向で等間隔に配置されるようにした。
温度測定手段T1には測定素子がInGaAs(測定波長1.55μm)の多重反射式放射温度計を用い、合金化後の最初の接触ロールであるトップロールの出側に設置し、鋼板幅方向中央の板温を測定した。放射温度計T2には走査型放射温度計(幅方向5mmピッチの解像度:1400mm巾で280点、測定素子:サーモパイル(測定波長8〜13μm))からなるものを用い、トップロールへの巻付き開始点から1m下(トップロール中心との鉛直距離が1mとなる位置)に設置した。放射温度計T2は放射率設定値を0.55とした。鋼板幅方向のガス噴射口の配置場所に対応させて、放射温度計の温度測定点を板幅方向に15のグループに分割した。
多重反射式放射温度計で測定した温度と、放射温度計で測定した温度の温度差の最大値を、各グループ毎に求め、温度差の最大値が所定合金化度になる所定温度範囲を超えたグループは、当該グループの位置に対応する第2加熱装置のガス噴射口の加熱量を調整し、当該グループの温度差の最大値が、所定合金化度になる所定温度範囲内になるようにした。
従来例では、特許文献1に記載の合金化度計によって板幅中央の合金化度を検出し、合金化度が所定合金化度になるように合金化帯の加熱制御を行い、目視判定で合金ムラが認められたときは、合金ムラを抑制するように手動で合金化帯の加熱制御を行った。
製造した合金化溶融亜鉛めっき鋼板コイルをリコイルラインに装入してめっき層の合金ムラの検査を行った。リコイルラインで判定された合金ムラ(合金不足、過合金)の発生比率(元コイル重量に対する、合金ムラと判定されて切り落とされた部分の重量の比率)を表1に示す。
Figure 0005403042
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置を用いて合金化処理することによって、Si等の添加元素を含む鋼であっても、所定の合金化度に制御し、歩留まりを低下させずに製造することが可能となった。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置を用いて合金化帯の加熱制御を適正範囲に制御することによって、Si添加鋼であっても、合金ムラによる歩留まり低下が少なく、鋼板の全長全巾に亘って合金ムラの少ない合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られている。
S 鋼板
1 めっき浴
2 ワイピングノズル
3、3a 加熱帯
4 第1加熱装置
5 第2加熱装置
6 保熱帯
7 冷却帯
8 トップロール
T1 鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段
T2 放射温度計

Claims (4)

  1. 溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置において、合金化帯より下流側に、鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段、及び、前記鋼板の表面放射率の影響を受けない温度測定手段の上流または下流に、鋼板の一面側における鋼板幅方向の3点以上で温度測定可能な放射温度計を備え、さらに、前記合金化帯内に、前記放射温度計の鋼板幅方向の温度測定位置に対応させて部分的に幅方向の加熱量を調整できる加熱装置を有することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置。
  2. 前記加熱装置は、鋼板幅方向に複数の燃焼バーナーを配置した加熱装置であることを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置。
  3. 前記加熱装置は、鋼板幅方向に複数のガス噴射口を配置した高温ガスヒーターであることを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理装置を用いて溶融亜鉛めっき鋼板を合金化処理する方法において、
    予め前記温度測定手段で測定される鋼板温度t1、前記放射温度計で測定される鋼板温度t2との温度差t1−t2と合金化度の関係を調べ、その関係から、合金化度を許容範囲内にできる温度差t1−t2の範囲(所定温度範囲)を求めておき、
    合金化処理の際に、前記温度測定手段を用いて鋼板温度(t1m)、前記放射温度計を用いて鋼板幅方向の各鋼板温度t2i(t2iは鋼板端部からi番目の温度測定位置の温度、i=1〜n、n≧3)を測定し、さらに前記t1mと前記t2iの温度差Δti(=t1m−t2i)を求め、各温度差Δtiが前記所定温度範囲内にあるか否かを判定し、所定温度範囲を外れたときは、所定温度範囲から外れた位置の温度差Δtiが所定温度範囲内に入るように、前記加熱装置を用いて所定温度範囲から外れた位置の加熱量を調整することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の合金化制御方法。
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