JP5402592B2 - シート処理装置、画像形成装置、及びシート処理方法 - Google Patents
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Description
本発明は、シート処理装置及びシート処理装置を備える画像形成装置に関し、特に、シートの後端を揃える技術に関するものである。
現在では、コピー、プリンタ、ファクシミリと言った画像形成装置から出力されるシート(画像形成後の用紙)に対して、ステープル(端綴じ)やパンチ(端穴)などの出力加工処理を行うシート処理装置が知られている。
例えば、ステープラ(端綴じ部)を備えたシート処理装置では、ステープルを行う処理トレイに傾斜を設け、自重により処理対象のシート後端を揃える技術が知られている。
このようなシート処理装置を機器外部に連結するのではなく機器内に備える装置では、装置の小型化を実現するために、上記技術を採用することができず、別の構成でシート後端を精度良く揃える技術が求められる。
ステープラを備えたシート処理装置は、画像形成後に出力されたシートを順に受け入れて整合を行った後に、ジョブごとにステープル処理を行っている。このとき、出力されたシートは、画像形成段階における定着処理が行われている(画像形成装置が備える定着ユニットを通過している)。そのため、シート処理装置により受け取ったシートは、熱や加圧による定着処理によってカールが生じる。この状態でステープル処理を行うと、カールの影響で、結束したシート束の端部に不揃いが生じる。
そこで、例えば、特許文献1には、シートの積載・整合性を向上させることを目的として、シートを積載・整合・後処理する処理トレイ上にカール検知手段と、シート引き込み手段とを設け、カール検知手段により検知されたシートのカール量に応じて、シート間でシート引き込み手段をカールつぶし手段として作動させるシート処理装置が開示されている。
しかしながら、従来の技術では、シート端部の揃え精度が悪いと言う問題があった。
例えば、特許文献1に開示されるシート処理装置では、検出したカール量に応じて、所定の制御を行う構成となっている。より具体的には、次の通りである。特許文献1に開示されるシート処理装置では、カール検知手段により、生じたカールの高さが所定の高さより高いか低いかを検知する。その結果、所定の高さより高い場合には、押さえ部材によりシート後端を押さえ、所定の高さより低い場合には、押さえ部材を退避させる。
例えば、特許文献1に開示されるシート処理装置では、検出したカール量に応じて、所定の制御を行う構成となっている。より具体的には、次の通りである。特許文献1に開示されるシート処理装置では、カール検知手段により、生じたカールの高さが所定の高さより高いか低いかを検知する。その結果、所定の高さより高い場合には、押さえ部材によりシート後端を押さえ、所定の高さより低い場合には、押さえ部材を退避させる。
このように、従来の技術では、シート後端を整合する処理において、シート後端にカールが生じているにもかかわらず、カールの高さが所定の高さより低い場合、生じたカールを抑制する動作が行われないため、シート後端の揃え精度が落ちてしまうことが考えられる。
また、カールは、画像形成方式の違い(例えば「電子写真プロセス方式」と「インクジェット方式」との違い)や印刷面の排紙方法の違い(例えば「フェイスアップ排紙」と「フェイスダウン排紙」との違い)などにより、生じる方向が異なる特性がある。このようなカール方向の違いも、高さと同様に、シート後端の揃え精度を落とす原因の1つであるが、従来の技術では、この点について考慮されていない。
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、精度よくシート後端を揃えることができるシート処理装置、画像形成装置、及びシート処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るシート処理装置は、搬送されたシートに対して所定の出力加工処理を行うシート処理装置であって、搬送されたシートを積載する処理トレイと、前記処理トレイに積載されるシート端部が当接する面とシート端部を押さえる面とを備えた端部整合手段と、前記シート後端の高さを検知する後端高さ検知手段と、前記端部整合手段を駆動する駆動手段と、前記後端高さ検知手段による検知情報と前記検知情報から判定される前記シート後端に生じたカール方向の判定情報とに基づき、前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段が、検知されたシート後端の高さと判定されたカール方向とに応じて前記駆動手段を制御し、前記端部整合手段を前記処理トレイのシート積載面に対して垂直に移動させ、前記シート積載面と前記シート端部を押さえる面との間の高さを可変制御することを特徴とする。
このような構成によって、本発明に係るシート処理装置は、シート後端のカール量(高さ)を検知し、かつ、生じたカール方向を判定する。シート処理装置は、検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイに積載されるシート端部が当接する面(シート端部当接面)とシート端部を押さえる面(シート端部押さえ面)とを備えた端部整合手段を、処理トレイのシート積載面に対して垂直に移動させ(上下動させ)、シート積載面とシート端部押さえ面との間の高さ(開放量)を可変制御する。
これによって、本発明に係るシート処理装置は、精度よくシート後端を揃えることができる。
上記目的を達成するため、本発明に係るシート処理方法は、搬送されたシートに対して所定の出力加工処理を行うシート処理装置におけるシート処理方法であって、搬送されたシートの後端の高さを検知する後端高さ検知手順と、処理トレイに積載されるシート端部が当接する面とシート端部を押さえる面とを備えた端部整合部を、前記後端高さ検知手順により検知されたシート後端の高さと前記シート後端に生じたカール方向とに応じて、前記処理トレイのシート積載面に対して垂直に移動させ、前記シート積載面と前記シート端部を押さえる面との間の高さを可変制御する制御手順と、を有している。
このような手順によって、本発明に係るシート処理方法は、シート後端を整合する処理において、シート後端のカール量(高さ)を検知し、生じたカール方向を判定し、その検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイのシート積載面と端部整合部のシート端部押さえ面との間の高さ(開放量)を可変制御すると言う動作を実現する。
これによって、本発明に係るシート処理方法は、精度よくシート後端を揃えることが可能なシート処理機構を提供できる。
本発明によれば、シート後端を整合する処理において、検知したカール量(高さ)及び判定したカール方向に基づき、処理トレイのシート積載面と端部整合部のシート端部押さえ面との間の高さ(開放量)を可変制御可能とすることで、精度よくシート後端が揃えられるシート処理装置、画像形成装置、及びシート処理方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」と言う)について、図面を用いて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係るシート処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
図1には、シート処理装置100の概略構成例を示す断面図が示されている。図1に示すように、シート処理装置100は、搬送モータ(非図示)が駆動する駆動ローラと従動ローラとを備えた搬送ローラ対1により、シートsを挟み搬送する。
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係るシート処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
図1には、シート処理装置100の概略構成例を示す断面図が示されている。図1に示すように、シート処理装置100は、搬送モータ(非図示)が駆動する駆動ローラと従動ローラとを備えた搬送ローラ対1により、シートsを挟み搬送する。
入口センサ8により通過が検出され処理トレイ4上に搬送されたシートsは、その搬送方向後端となるシート端部(以下「シート後端」と言う)を揃えるため、先端ローラ2aによって搬送方向とは逆の端部ストッパ5a方向へと搬送される。このとき、シート寄せアーム2は、先端ローラ2aをシートs上に当接させるため、駆動ソレノイド(非図示)のオン,オフによって支持軸2bを軸に回動する。
端部ストッパ5aは、端部整合手段であり、当接する位置(シート端部当接面)まで搬送されたシート端部を押さえる押さえ面(シート端部押さえ面)5bを備えている。押さえ面5bの先端は、シート端部に生じたカールをスムーズに導くため、滑らかな形状となっている。さらに、押さえ面5bは、例えば、板バネなどの弾性部材である押圧部材6を備えており、後続シートを受け入れる際に、端部ストッパ5aを開放した状態、すなわち、処理トレイ4のシート積載面と端部ストッパ5aの押さえ面5bとの間が所定の高さ(所定の開放量)であってもシート端部が押さえられる構造となっている。これにより、端部ストッパ5aの開放時でも、カールによる後端整合不良を防止できる。
また、端部ストッパ5aは、押さえ面5bを上下駆動させる制御モータ7を備えている。端部ストッパ5aの手前には、先端ローラ2aによって、シートsが端部ストッパ5aへ搬送される際に、シート後端の高さを検知する後端高さ検知センサ11(後端高さ検知手段)が備えられている。これによって、端部ストッパ5aは、検知情報に基づき、押さえ面5bを上下(シート積載面に対して垂直)に移動させ、処理トレイ4のシート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を制御する。
ここで、上記端部ストッパ5a、制御モータ7、及び後端高さ検知センサ11を含むシート後端整合機構の構成例について説明する。
図2は、本実施形態に係るシート処理装置100が備えるシート後端整合機構の構成例を示す図である。
図2に示す構成例では、端部ストッパ5aが2箇所に配置されている。この場合、端部ストッパ5aには、次のような構成で駆動力が伝達される。例えば、ステッピングモータなどの制御モータ7は、ギヤ7aを備え、軸12は、ギヤ7aに歯合して連動するギヤ12a1を備えている。さらに、軸12は、端部ストッパ5aに駆動力を伝達するギヤ12a2,12a3を備えている。この構成によって、端部ストッパ5aを上下動させることができ、シート端部を複数箇所押さえられることから、シート後端の揃え精度(整合精度)が向上する。
図2に示す構成例では、端部ストッパ5aが2箇所に配置されている。この場合、端部ストッパ5aには、次のような構成で駆動力が伝達される。例えば、ステッピングモータなどの制御モータ7は、ギヤ7aを備え、軸12は、ギヤ7aに歯合して連動するギヤ12a1を備えている。さらに、軸12は、端部ストッパ5aに駆動力を伝達するギヤ12a2,12a3を備えている。この構成によって、端部ストッパ5aを上下動させることができ、シート端部を複数箇所押さえられることから、シート後端の揃え精度(整合精度)が向上する。
なお、端部ストッパ5aの配置は、例えば、ステープル処理を行うステープラ(非図示)による綴じ位置(結束位置)を避けた位置とする。また、綴じ位置を避けていれば、端部ストッパ5aは、2箇所以上に配置する構成であってもよい。また、制御モータ7にステッピングモータを用いることで、端部ストッパ5aの上下動をより細かく行うことができる。つまり、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を、より細かく可変させることができる。このように、パルス制御が可能なステッピングモータを制御モータ7に用いることで、細かい制御が可能となり、シート後端の揃え精度(整合精度)が向上する。
また、図2(A)には、後端高さ検知センサ11を1箇所に配置した例が示されている。一方、図2(B)には、2箇所に配置した例が示されている。図2(B)に示すように、後端高さ検知センサ11を2箇所に配置した場合には、例えば、後端高さ検知センサ11から得られた2つの検知情報の比較結果に基づき、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変させてもよい。
図1の説明に戻る。端部が揃えられたシートsは、処理トレイ4上で所定枚数の束となると、要求されたシート処理(例えば「ステープル処理」)される。処理されたシート束は、排紙モータ(非図示)により駆動される排紙ローラ3aと、開口ソレノイド(非図示)により上下移動する排紙従動コロ3bとに挟まれて排紙トレイ9へと搬送される。
なお、図1に示す側部揃え部材10は、シートsの搬送方向に対して垂直となる横方向への移動が可能であり、シート端部の右端・左端を揃える部材である。これに対して、本実施形態に係る主要部は、シート処理を行うシート後端を揃えるものであり、側部揃え部材10とシート右端・左端を揃える処理については、以下の説明では省略する。
次に、上記後端高さ検知センサ11の詳細(設置位置、構成、及び部材)について説明する。
図3は、本実施形態に係る後端高さ検知センサ11の一例を示す図である。
図3は、本実施形態に係る後端高さ検知センサ11の一例を示す図である。
《設置位置》
図3(A)に示すように、後端高さ検知センサ11は、端部ストッパ5aと排紙従動コロ3bとの間で、起動時のシート寄せアーム2に接触しない位置に設置されている。
図3(A)に示すように、後端高さ検知センサ11は、端部ストッパ5aと排紙従動コロ3bとの間で、起動時のシート寄せアーム2に接触しない位置に設置されている。
《構成》
図3(B)に示すように、後端高さ検知センサ11は、センサ11a、円盤11b、軸11c、振り子11d、及びストッパ11eなどを備えている。
図3(B)に示すように、後端高さ検知センサ11は、センサ11a、円盤11b、軸11c、振り子11d、及びストッパ11eなどを備えている。
振り子11dは、シートsとの接触により、軸11cを中心に一方向(本実施形態の場合、反時計回り)に回動する(図中の白抜き矢印を参照)。また、ストッパ11eは、振り子11dが逆方向(本実施形態の場合、時計回り)に回転しないように備えられている。
円盤11bには、等角のスリットが設けられており、振り子11dと一体となっている。また、円盤11bは、軸11cとは一体となっておらず、振り子11dの回動により回転する。つまり、円盤11bは、シートsとの接触による振り子11dの回動と連動して回転する。
センサ11aは、透過型のセンサであり、円盤11bのスリットを検知する。なお、センサ11aは、例えば、図3(D)に示すように、スリットの代わりに白黒が交互に塗布された円盤11bであれば、反射型のセンサでもよい。
また、図3(B)に示す振り子11dは、処理トレイ4のシート積載面に対して垂直となるように設けられているが、例えば、図3(C)に示すように、シート接触時にスムーズに回動するように、シート積載面に対して垂直ではなく、ある角度を設けてもよい。この場合、逆方向に回動することがないため、ストッパ11eが不要となる。
《部材》
後端高さ検知センサ11が備える振り子11dの部材には、振り子11dがシートsに接触することから、シートsに負荷を与えない軽い樹脂材が好ましい。また、後端高さ検知センサ11では、シート接触時に振り子11dが変形すると、シート後端の高さを誤検知する恐れがあるため、変形しない程度の厚みを有する部材を用いることが条件となる。
後端高さ検知センサ11が備える振り子11dの部材には、振り子11dがシートsに接触することから、シートsに負荷を与えない軽い樹脂材が好ましい。また、後端高さ検知センサ11では、シート接触時に振り子11dが変形すると、シート後端の高さを誤検知する恐れがあるため、変形しない程度の厚みを有する部材を用いることが条件となる。
<カール高さ検知・カール方向判定方法>
後端高さ検知センサ11では、上記配置位置及び上記構成により、シート後端の高さ(カールの高さ)を検知し、シート処理装置100では、その結果に基づき、シート後端に生じたカール方向を判定する。なお、以下には、カール方向の特性(上向きカール・下向きカール)ごとに説明する。
後端高さ検知センサ11では、上記配置位置及び上記構成により、シート後端の高さ(カールの高さ)を検知し、シート処理装置100では、その結果に基づき、シート後端に生じたカール方向を判定する。なお、以下には、カール方向の特性(上向きカール・下向きカール)ごとに説明する。
《上向きカール:フェイスカール》
図4は、本実施形態に係るシート後端に生じた上向きカール(フェイスカール)の高さを検知する動作例を示す図である。
図4には、先端ローラ2aにより、処理トレイ4上のシートsを端部ストッパ5aのシート端部当接面まで搬送する動作工程が段階的に示されている。具体的に図4(A)には、振り子11dにシートsが接触する段階[1]、図4(B)には、接触後、シートsの移動に伴い、振り子11dがシート端部の高さまで押し上げられる段階[2]が示されている。続いて、図4(C)には、振り子11dが押し上げられた位置から元の位置に戻る段階[3]、図4(D)には、振り子11dが元の位置に戻った段階[4]が示されている。
図4は、本実施形態に係るシート後端に生じた上向きカール(フェイスカール)の高さを検知する動作例を示す図である。
図4には、先端ローラ2aにより、処理トレイ4上のシートsを端部ストッパ5aのシート端部当接面まで搬送する動作工程が段階的に示されている。具体的に図4(A)には、振り子11dにシートsが接触する段階[1]、図4(B)には、接触後、シートsの移動に伴い、振り子11dがシート端部の高さまで押し上げられる段階[2]が示されている。続いて、図4(C)には、振り子11dが押し上げられた位置から元の位置に戻る段階[3]、図4(D)には、振り子11dが元の位置に戻った段階[4]が示されている。
上記段階[1]から[4]の動作例からも分かるように、後端高さ検知センサ11では、シートsが接触することで振り子11dがシート端部の高さまで回動し、シート後端通過後に元の位置に戻る。後端高さ検知センサ11では、このような、上向きカール(フェイスカール)が生じた場合の特性から、その間の円盤11bの回転をセンサ11aで検知する。このとき、センサ11aでは、例えば、パルスカウントにより、円盤11bの回転を検知する。パルス発生は、上向きカール(フェイスカール)の場合、各段階[1]から[4]において、図4(E)に示すように変化する。
図4(E)には、上記各段階[1]から[4]におけるセンサ11aによる出力パルスの様子が示されている。縦軸が高さ[H]、横軸が時間[t]である。
例えば、時間間隔[Δt1]における高さの変位量が[ΔH1]、時間間隔[Δt2]における高さの変位量が[ΔH2]である。さらに、変位量[ΔH1]と変位量[ΔH2]との大小関係に、ΔH1<ΔH2が成立する。このことから、段階[1]から[2]までの出力パルスは、段階[1]から[2]に至るまで、パルス間隔が徐々に狭くなる。
また、時間間隔[Δt3]における高さの変位量が[ΔH3]であり、変位量[ΔH2]と変位量[ΔH3]との大小関係に、ΔH2>ΔH3が成立する。このことから、出力パルスは、パルス間隔が段階[1]から[2]までの間に徐々に狭くなった後、段階[2]の変曲点が近づくにつれ、徐々に広くなる。
段階[2]の変曲点を過ぎると、段階[3]となり、振り子11dが元の位置に戻ろうとするため、高さの変位量が大きく変化し、パルス間隔が急減に狭くなる。
段階[4]では、振り子11dが元の位置に戻る。その間、振り子11dは、振り戻しによる振動が発生するためパルス間隔が増減するが、高さの変位量がなくなり、パルス出力も徐々になくなる。
このように、後端高さ検知センサ11からは、シート後端に上向きカール(フェイスカール)が生じた場合、上述したようなパルス特性の検知情報(出力パルス)が得られる。
図5は、本実施形態に係るシート後端に生じた上向きカール(フェイスカール)を判定する方法例を示す図である。
シート処理装置100では、上記検知情報に対して微分値算出の演算処理を行い、演算結果に基づき、カール方向を判定する。
シート処理装置100では、上記検知情報に対して微分値算出の演算処理を行い、演算結果に基づき、カール方向を判定する。
図5の上段には、図4(E)で示した出力パルスが示され、下段には、その出力パルスの微分値[dH/dt]が示されている。例えば、図5に示す微分値[dH/dt]の変化から、次のような特性が分かる。微分値[dH/dt]は、高さ検知を開始した時間[t0](センサ入力直後)の段階[1]から最大高さを検知した時間[tm](シート後端通過時)の段階[2]までの変化に比べて、変曲点である段階[2]から段階[3]までの変化が大きい。つまり、上向きカール(フェイスカール)の特性の1つである、振り子11dが最大高さから元の位置に戻る際に出力されるパルス間隔の変化が、微分値[dH/dt]の変化に表れている。上向きカール(フェイスカール)では、最大高さを検知した時間[tm]以降に、微分値[dH/dt]が最も大きく変化する(ピークが出現する)。
これにより、シート処理装置100では、上記微分値[dH/dt]の変動特性から、シート後端に生じたカールが上向きであることが判定できる。具体的には、所定時間内における微分値[dH/dt]の変化量と、予め設定しておいた閾値(判定値[m])との大小関係を比較し、最大高さを検知した時間[tm]までの変化量が閾値より小さければ、上向きカール(フェイスカール)であると判定する。なお、上記「閾値」は、微分値[dH/dt]の変化量が一定の変化量を超えたか否かを判定するための判定値である。
《下向きカール:バックカール》
図6は、本実施形態に係るシート後端に生じた下向きカール(バックカール)の高さを検知する動作例を示す図である。
図6には、図4と同様の動作工程が段階的に示されている。具体的に図6(A)には、振り子11dにシートsが接触する段階[1]、図6(B)には、接触後、シートsの移動に伴い、振り子11dがシート端部の高さまで押し上げられる段階[2]、図6(C)には、振り子11dが押し上げられた状態で、シートsが端部ストッパ5aのシート端部当接面まで搬送される段階[3]が示されている。
図6は、本実施形態に係るシート後端に生じた下向きカール(バックカール)の高さを検知する動作例を示す図である。
図6には、図4と同様の動作工程が段階的に示されている。具体的に図6(A)には、振り子11dにシートsが接触する段階[1]、図6(B)には、接触後、シートsの移動に伴い、振り子11dがシート端部の高さまで押し上げられる段階[2]、図6(C)には、振り子11dが押し上げられた状態で、シートsが端部ストッパ5aのシート端部当接面まで搬送される段階[3]が示されている。
上記段階[1]から[3]の動作例からも分かるように、後端高さ検知センサ11では、シートsが接触することで振り子11dがシート端部の高さまで回動し、シート後端通過後であっても元の位置に戻らず、押し上げられた状態が維持される。後端高さ検知センサ11では、このような、下向きカール(バックカール)が生じた場合の特性から、その間の円盤11bの回転をセンサ11aで検知する。このとき、センサ11aでは、例えば、パルスカウントにより、円盤11bの回転を検知する。パルス発生は、下向きカール(バックカール)の場合、各段階[1]から[3]において、図6(E)に示すように変化する。
図6(E)には、上記各段階[1]から[3]におけるセンサ11aによる出力パルスの様子が示されている。縦軸が高さ[H]、横軸が時間[t]である。
例えば、時間間隔[Δt1]における高さの変位量が[ΔH1]、時間間隔[Δt2]における高さの変位量が[ΔH2]である。さらに、変位量[ΔH1]と変位量[ΔH2]との大小関係に、ΔH1>ΔH2が成立する。このことから、段階[1]から[2]までの出力パルスは、段階[1]から[2]に至るまで、パルス間隔が徐々に広くなる。
また、段階[2]を過ぎると、段階[3]となり、振り子11dの位置がシート後端の高さと略同一位置で推移するため、高さの変位量が少なく、パルス間隔がさらに広くなる。
このように、後端高さ検知センサ11からは、シート後端に下向きカール(バックカール)が生じた場合、上述したようなパルス特性の検知情報(出力パルス)が得られる。
図7は、本実施形態に係るシート後端に生じた下向きカール(バックカール)を判定する方法例を示す図である。
シート処理装置100では、上記検知情報に対して微分値算出の演算処理を行い、演算結果に基づき、カール方向を判定する。
シート処理装置100では、上記検知情報に対して微分値算出の演算処理を行い、演算結果に基づき、カール方向を判定する。
図7の上段には、図6(E)で示した出力パルスが示され、下段には、その出力パルスの微分値[dH/dt]が示されている。例えば、図7に示す微分値[dH/dt]の変化から、次のような特性が分かる。微分値[dH/dt]は、段階[2]を経て、最大高さを検知した時間[tm]の段階[3]までの変化に比べて、高さ検知を開始した時間[t0]の段階[1]付近の変化が大きい。つまり、下向きカール(バックカール)の特性の1つである、振り子11dが元の位置から最大高さまで押し上げられた際に出力されるパルス間隔の変化が、微分値[dH/dt]の変化に表れている。下向きカール(バックカール)では、最大高さを検知した時間[tm]以前に、微分値[dH/dt]が最も大きく変化する(ピーク値が出現する)。
これにより、シート処理装置100では、上記微分値[dH/dt]の変動特性から、シート後端に生じたカールが下向きであることが判定できる。具体的には、所定時間内における微分値[dH/dt]の変化量と、予め設定しておいた閾値(判定値[m])との大小関係を比較し、最大高さを検知した時間[tm]までの変化量が閾値より大きければ、下向きカール(バックカール)であると判定する。
以上のように、シート処理装置100では、後端高さ検知センサ11から出力されたパルスカウントに基づき、画像形成方式の違いや印刷面の排紙方法の違いなどに依存することなく、シート後端の高さ検知・カール方向の判定が行える。
<シート後端整合機能>
ここからは、本実施形態に係るシート後端整合機能について説明する。
本実施形態に係るシート処理装置100では、シート後端のカール量(高さ)を検知し、かつ、生じたカール方向を判定する。シート処理装置100は、検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイ4に積載されるシート端部が当接する面(シート端部当接面)とシート端部を押さえる押さえ面5bとを備えた端部ストッパ5a(端部整合手段)を、処理トレイ4のシート積載面に対して垂直に移動させ(上下動させ)、シート積載面と端部ストッパ5aの押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変制御する。シート処理装置100は、このようなシート後端整合機能を有している。
ここからは、本実施形態に係るシート後端整合機能について説明する。
本実施形態に係るシート処理装置100では、シート後端のカール量(高さ)を検知し、かつ、生じたカール方向を判定する。シート処理装置100は、検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイ4に積載されるシート端部が当接する面(シート端部当接面)とシート端部を押さえる押さえ面5bとを備えた端部ストッパ5a(端部整合手段)を、処理トレイ4のシート積載面に対して垂直に移動させ(上下動させ)、シート積載面と端部ストッパ5aの押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変制御する。シート処理装置100は、このようなシート後端整合機能を有している。
例えば、従来の装置では、カール検知手段により、生じたカールの高さが所定の高さより高いか低いかを検知し、所定の高さより高い場合に、押さえ部材によりシート後端を押さえ、所定の高さより低い場合には、押さえ部材を退避させる。
このように、従来の技術では、シート後端を整合する処理において、シート後端に所定の高さ以上のカールが生じなければ、カールを抑制する動作が行われないため、シート後端の揃え精度が落ちてしまうことが考えられる。また、従来の技術では、揃え精度を落とす原因の1つであるカール方向について考慮されていない。
そこで、本実施形態に係るシート処理装置100では、シート後端を整合する処理において、シート後端のカール量を検知し、生じたカール方向を判定し、その検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイ4のシート積載面と端部ストッパ5aの押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変制御する。
これによって、本実施形態に係るシート処理装置100では、精度よくシート後端を揃えることができる。
以下に、上記シート後端整合機能の構成とその動作について説明する。
図8は、本実施形態に係るシート後端整合機能の構成例を示す図である。
図8に示すように、シート処理装置100は、制御部101、検知部102、及び駆動部103などを有している。
図8は、本実施形態に係るシート後端整合機能の構成例を示す図である。
図8に示すように、シート処理装置100は、制御部101、検知部102、及び駆動部103などを有している。
制御部101は、シート処理装置100の動作を制御する機能部である。制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)などが有する機能である。
検知部102は、シート処理装置100の動作制御時に用いられる各種制御値を検知する機能部である。検知部102は、例えば、上述した入口センサ8及び後端高さ検知センサ11などが有する機能である。
駆動部103は、シート処理装置100を動作させるために各部を駆動する機能部である。駆動部103は、例えば、上述した搬送モータ(非図示)、駆動ソレノイド(非図示)、制御モータ7、排紙モータ(非図示)、及び開口ソレノイド(非図示)などが有する機能である。
シート処理装置100では、制御部101が、当該装置に対して処理対象のシートsを送り込む画像形成装置(上位装置)200が有する制御部201からの制御情報(例えば「ステープル処理の実行要求」などの制御信号)に基づき、制御を開始する。続いて、シート処理装置100では、検知部102から検知情報(例えば「シート後端の通過」や「シート端部の高さ」などの検知信号)を取得し、取得した検知情報に基づき、駆動部103を制御する。これにより、シート処理装置100では、装置全体の動作が制御され、画像形成装置200から要求されたシート処理が行われる。また、シート処理装置100では、制御部101が、検知部102から取得したシート端部の高さにあたる検知情報に対して所定の演算処理を行い、シート後端に生じたカール方向を判定し、判定結果に基づき、駆動部103を制御する。
このように、本実施形態に係るシート後端整合機能は、上記各機能部が連係動作することにより実現される。
次に、シート後端整合機能の詳細な動作(機能部群の連係動作)について、処理手順を示すフローチャートを用いて説明する。
上述したように、シート後端整合機能は、シート処理装置100に搭載される制御部101(例えば「CPU」)により、以下の処理が実行されることで実現される。
図9は、本実施形態に係るシート後端の整合処理を含むシート処理手順例を示すフローチャートである。なお、図9には、上位装置にあたる画像形成装置200からシート処理装置100に対してステープル処理が要求された場合の処理手順例が示されている。
また、以下の説明では、処理手順におけるシート処理装置100の具体的な動作例についても、関連図面の図12から図15を用いて説明する。図12は、本実施形態に係るシート後端を整合する動作例(その1)を示す図である。また、図13は、本実施形態に係る処理トレイ4がシートs1を積載する面(シート積載面)とシート端部を押さえる面(押さえ面5b)との間の高さ(開放量)を可変する動作例を示す図である。また、図14は、本実施形態に係るシート後端を整合する動作例(その2)を示す図である。また、図15は、本実施形態に係るシート処理の動作例を示す図である。
本実施形態に係るシート処理装置100では、当該装置が有する制御部101により、画像形成装置200が有する制御部201からシート情報(例えば「用紙の厚み」や「結束枚数」など)を取得した後(ステップS1)、シートsの受け入れ準備が実行される。
制御部101は、受け入れ準備として、次のように駆動部103を制御する。制御部101は、排紙従動コロ3bの開口ソレノイド(非図示)をオンし(ステップS2)、排紙従動コロ3bを図1に示す位置まで上昇させる。続いて、制御部101は、搬送モータ(非図示)を駆動し(ステップS3)、搬送ローラ対1をシートsの搬送方向に回転させる。また、制御部101は、シート寄せアーム2の駆動ソレノイド(非図示)をオンし(ステップS4)、シート寄せアーム2を図1に示す位置まで上昇させる。制御部101は、これらの制御が終了すると、画像形成装置200が有する制御部201にシート搬送の許可信号を送信する(ステップS5)。その結果、画像形成装置200は、シート処理装置100に対してシートsの搬送を開始する。
シート処理装置100では、画像形成装置200から搬送されたシートsが、搬送ローラ対1(駆動ローラ及び従動ローラ)によって挟まれ、処理トレイ4上に搬送される。このとき、制御部101は、検知部102からの検知情報に基づき、次のように駆動部103を制御する。制御部101は、入口センサ8によりシート後端の通過を検出し、所定時間経過後(ステップS6:YES)、シート寄せアーム2の駆動ソレノイド(非図示)をオフする(ステップS7)。
これにより、シート処理装置100では、図12(A)に示すような動作が行われる。具体的には、シート寄せアーム2が自重で下降し、搬送されたシートs1の上面を押さえ、シートs1が処理トレイ4に当接される。
図9の説明に戻る。その後、制御部101は、画像形成装置200が有する制御部201にシート搬送の禁止信号を送信し(ステップS8)、搬送モータ(非図示)を停止する(ステップS9)。
続いて、シート処理装置100では、制御部101により、検知部102からの検知情報に基づく駆動制御を行うことで、図12(B)及び(C)に示すようなシート後端の整合処理が行われる。
図9の説明に戻る。制御部101は、まず、搬送されたシートsが束の1枚目である場合(ステップS10:YES)、制御部101が、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が所定の高さ[h0]となるように制御モータ7を駆動する(ステップS11)。また、制御部101は、シート寄せアーム2の先端ローラ2aを反時計回りに所定量だけ回転させる(ステップS12)。
その間、検知部102である後端高さ検知センサ11では、シートs1が端部ストッパ5aのシート端部当接面方向に移動することにより、シート後端の高さを検知する。その結果、制御部101には、後端高さ検知センサ11から検知情報(シート後端の高さ:後端に生じたカール量)が渡される。
制御部101は、受け取った検知情報に基づき、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を、次のように可変制御する。
まず、制御部101は、検知情報に基づき、シート後端に生じたカール方向を判定する(ステップS13)。
以下に、制御部101で行われるカール方向判定処理について、図10を用いて説明する。
図10は、本実施形態に係るシート後端に生じたカール方向を判定する処理手順例を示すフローチャートである。
制御部101は、後端高さ検知センサ11による入力変動の有無を判定し(ステップS400)、入力変動があった場合(ステップS400:YES)に、検知信号(出力パルス)に対して微分値[dH/dt]の演算を開始する(ステップS401)。
制御部101は、後端高さ検知センサ11による入力変動の有無を判定し(ステップS400)、入力変動があった場合(ステップS400:YES)に、検知信号(出力パルス)に対して微分値[dH/dt]の演算を開始する(ステップS401)。
制御部101は、各時間[t]ごとに演算された微分値[dH/dt]の中から、高さ検知を開始した時間[t0]から最大高さを検知した時間[tm]までの微分値[dH/dt]を取得する(ステップS402)。つまり、制御部101では、後端高さ検知センサ11が高さ検知を開始してからシート後端が通過するまでの高さ変位量[H]を微分演算し、微分値[dH/dt]を取得する。
制御部101は、取得した微分値[dH/dt]が、予め設定しておいた閾値(判定値[m])より、大きいか否かを判定する(ステップS403)。後端高さ検知センサ11が高さ検知を開始してからシート後端が通過するまでの微分値[dH/dt]には、上述したように、カール方向の特性が表れる。具体的には、下向きカール(バックカール)の場合に、微分値[dH/dt]の最大(ピーク)が、高さ検知を開始してからシート後端が通過するまでの間に出現する。一方、上向きカール(フェイスカール)の場合には、出現しない。制御部101は、このような特性から、次のようにカール方向を判定する。
制御部101は、取得した微分値[dH/dt]が閾値より大きいと判定した場合(ステップS403:YES)、微分値[dH/dt]の最大(ピーク)が、上記時間内に出現していることから、生じたカールが下向きカール(バックカール)であると判定する。その結果、制御部101は、判定フラグRに'0'を設定する(ステップS404)。
一方、取得した微分値[dH/dt]が閾値より小さい(又は同値)と判定した場合(ステップS403:NO)、上記時間内に出現していないことから、生じたカールが上向きカール(フェイスカール)であると判定する。その結果、制御部101は、判定フラグRに'1'を設定する(ステップS405)。
図9の説明に戻る。制御部101は、上記判定結果(判定フラグのビット値)から、下向きカール(バックカール)と判定した場合(ステップS13:YES)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が[h1]となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS14)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、高さ[h0]から[h1]に下降する。
一方、制御部101は、上記判定結果(判定フラグのビット値)から、上向きカール(フェイスカール)と判定した場合(ステップS13:NO)、次のような処理を行う。
以下に、制御部101で行われる上向きカール(フェイスカール)時の開放量決定処理について、図11を用いて説明する。
図11は、本実施形態に係るシート後端に上向きカール(フェイスカール)が生じた場合の開放量を決定する処理手順例を示すフローチャートである。
制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h1]以下であるか否かを判定する(ステップS300)。
制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h1]以下であるか否かを判定する(ステップS300)。
制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h1]以下であった場合(ステップS300:YES)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が[h1]となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS301)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、高さ[h0]から[h1]に下降する。
また、制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h1]より高かった場合(ステップS300:NO)、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h2]以下であるか否かを判定する(ステップS302)。
制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h2]以下であった場合(ステップS302:YES)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が[h2]となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS303)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、高さ[h0]から[h2]に下降する。
また、制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h2]より高かった場合(ステップS302:NO)、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h3]以下であるか否かを判定する(ステップS304)。
制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h3]以下であった場合(ステップS304:YES)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が[h3]となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS305)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、高さ[h0]から[h3]に下降する。
なお、上記「所定の高さ[h0],[h1],[h2],[h3]」とは、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変制御するために、予め段階的に設定しておいた複数の制御値である。また、所定の高さ[h0],[h1],[h2],[h3]の大小関係は、[h1]<[h2]<[h3]<[h0]である。
このように、シート処理装置100では、1つの制御値(制御する基準の高さ)により端部ストッパ5aの開放量を決定するのではなく、複数の制御値により、検知したシート後端の高さ(後端に生じたカール量)及び判定したカール方向に応じて、端部ストッパ5aの開放量を可変する。
これにより、シート処理装置100では、図12(B)に示すような動作が行われる。具体的には、シート積載面と押さえ面5bとの間に、シート後端に生じたカールが確実に挿入される。
図9の説明に戻る。その後、制御部101は、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が、式[hs+x×n]の算出値となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS15)。なお、上記[hs]は、0≦[hs]≦[h1]に示す範囲の値であり、処理トレイ4に積載されたシート束を傷つけない、かつ、シート束が保持できる高さを示す値である。また、上記[x],[n]は、ステップS1で取得したシート情報に基づく値である。[x]は、用紙の厚みを示す値であり、[n]は、結束枚数を示す値である。
これにより、シート処理装置100では、図12(C)に示すような動作が行われる。具体的には、押さえ面5bが、式[hs+x×n]の算出値の高さまで下降し、搬送されたシートs1の後端に生じたカールを挟み込む。つまり、シートsの後端を高さ[h1]以下で押さえる。このような高さに制御する理由は、カール抑制の他、シートsを受け入れ後、後続シートを処理トレイ4に当接させる際、シートsが乱れないようにシートsを押さえるためである。
ここで、上述したシート後端の整合処理について、図13を用いて詳しく説明する。
押さえ面5bの高さ(シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量))は、シート1枚目の後端の高さを検知する前、図13(A)に示す高さ[h0]に位置し、検知した高さ[Hc]に応じて可変する。なお、上記の処理例では、押さえ面5bの高さを3段階に可変しているが、この限りでない。段階数は、装置性能に応じて増減可能である。
押さえ面5bの高さ(シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量))は、シート1枚目の後端の高さを検知する前、図13(A)に示す高さ[h0]に位置し、検知した高さ[Hc]に応じて可変する。なお、上記の処理例では、押さえ面5bの高さを3段階に可変しているが、この限りでない。段階数は、装置性能に応じて増減可能である。
次に、上述した3段階の可変制御を例に、押さえ面5bの制御値である高さ[h1],[h2],[h3]と、後端高さ検知センサ11の円盤11bにおける高さ検知領域(スリット又は塗布した白黒の角度θr)の決定方法を、図13(B),(C),(D),(E)を用いて説明する。
《高さを制御する制御値の決定方法》
例えば、高さ[h1],[h2],[h3]は、次のように決定する。まず、シート後端に生じることが予想されるカールの高さ(想定カール量)を、製品規格における最大の制御値、すなわち3段階の可変制御のうち最上位の高さ[h3]とする。続いて、決定した高さ[h3]に基づき、残りの段階にあたる制御値の高さ[h2],[h1]を決定する。具体的には、高さ[h2]は、式[h3×(3/4)]、また、高さ[h1]は、式[h3×(1/2)]の算出値とする。これにより、高さ[h1],[h2],[h3]には、上述したような大小関係が成立する。
例えば、高さ[h1],[h2],[h3]は、次のように決定する。まず、シート後端に生じることが予想されるカールの高さ(想定カール量)を、製品規格における最大の制御値、すなわち3段階の可変制御のうち最上位の高さ[h3]とする。続いて、決定した高さ[h3]に基づき、残りの段階にあたる制御値の高さ[h2],[h1]を決定する。具体的には、高さ[h2]は、式[h3×(3/4)]、また、高さ[h1]は、式[h3×(1/2)]の算出値とする。これにより、高さ[h1],[h2],[h3]には、上述したような大小関係が成立する。
《円盤における高さ検知分割領域(角度)の決定方法》
例えば、振り子11dが回動する際の円盤11bの回転角θは、式[cosθ=(H―Hc)/H]で表せる。これにより、各段階に対応する回転角θ1,θ2,θ3は、変数[Hc]に各段階における制御値の高さ[h1],[h2],[h3]を代入し、軸11cからシート積載面までの高さ[H]の値を決定することで算出できる。このとき、軸11cからシート積載面までの高さ[H]の値は、シート後端に生じることが予想されるカールが円盤11bに接触しないように、円盤11bの大きさを考慮して、高さ[h3]以上となるように決定する。
例えば、振り子11dが回動する際の円盤11bの回転角θは、式[cosθ=(H―Hc)/H]で表せる。これにより、各段階に対応する回転角θ1,θ2,θ3は、変数[Hc]に各段階における制御値の高さ[h1],[h2],[h3]を代入し、軸11cからシート積載面までの高さ[H]の値を決定することで算出できる。このとき、軸11cからシート積載面までの高さ[H]の値は、シート後端に生じることが予想されるカールが円盤11bに接触しないように、円盤11bの大きさを考慮して、高さ[h3]以上となるように決定する。
円盤11bにおける高さ検知分割領域、すなわち円盤11bにおけるスリット(又は塗布した白黒)の角度θrは、上記各段階に対応する回転角に基づき決定する。具体的には、角度θrは、条件[θ2−θ1>θr]を満たす値とする。
このように、円盤11bにおける高さ検知分割領域(角度θr)は、分割領域の範囲(角度θrの値)を小さくすることで、可変制御における段階数を多くすることができる。
なお、上述したシート後端の整合処理では、シートsに接触した部材(振り子11d)の動きを検知する後端高さ検知センサ11を検知部102として用いた例を示したが、この限りでない。例えば、処理トレイ4の上部(円盤11bの位置)に、シートsとの距離に応じてアナログ信号を出力する反射型のセンサを備える後端高さ検知センサ11を用いて、非接触でシート後端の高さを検知する方法であってもよい。
図9の説明に戻る。シート処理装置100では、シートsが束の2枚目以降の場合(ステップS10:NO)、シート後端の高さ検知を行わず、制御部101による駆動制御を行うことで、図14(A),(B),(C)に示すようなシート後端の整合処理が行われる。
制御部101は、後続となるシートs2が搬送され処理トレイ4上に載置されるまで、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する。
これにより、シート処理装置100では、図14(A)に示すような動作が行われる。具体的には、端部ストッパ5aの押さえ面5bにより、すでに積載されたシートs1の端部を押さえる。
図9の説明に戻る。制御部101は、搬送モータ(非図示)を停止後、シート1枚目において決定したシート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)に、用紙の厚みを示す値[x]と結束枚数を示す値[n]とを乗算した値に基づき、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する。
制御部101は、シート1枚目で検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h1]以下であるか否かを判定する(ステップS17)。
制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h1]以下であった場合(ステップS17:YES)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が、式[h1+x×n]の算出値となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS18)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、式[hs+x×n]の算出値の高さから、式[h1+x×n]の算出値の高さに上昇する。
また、制御部101は、シート1枚目で検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h1]より高かった場合(ステップS17:NO)、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h2]以下であるか否かを判定する(ステップS19)。
制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h2]以下であった場合(ステップS19:YES)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が、式[h2+x×n]の算出値となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS20)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、式[hs+x×n]の算出値の高さから、式[h2+x×n]の算出値の高さに上昇する。
また、制御部101は、シート1枚目で検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h2]より高かった場合(ステップS19:NO)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が、式[h3+x×n]の算出値となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS21)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、式[hs+x×n]の算出値の高さから、式[h3+x×n]の算出値の高さに上昇する。
このように、シート処理装置100では、シート1枚目におけるシート後端の高さ[Hc]により決定した端部ストッパ5aの開放量を維持しつつ、枚数に応じて開放量を可変する。
これにより、シート処理装置100では、図14(B)に示すような動作が行われる。具体的には、シート積載面と押さえ面5bとの間に、後続のシートs2の後端に生じたカールが確実に挿入される。
図9の説明に戻る。その後、制御部101は、シート寄せアーム2の先端ローラ2aを反時計回りに所定量だけ回転させ(ステップS22)停止させた後、ステップS15の処理を実行する。
これにより、シート処理装置100では、図14(C)に示すような動作が行われる。具体的には、押さえ面5bが、式[hs+x×n]の算出値の高さまで下降し、搬送されたシートs2の後端に生じたカールを挟み込む。
図9の説明に戻る。制御部101は、後端整合対象のシートsが1束の最終シートでない場合(ステップS16:NO)、後続シートを搬送するために、ステップS3の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
一方、制御部101は、後端整合対象のシートsが1束の最終シートであった場合(ステップS16:YES)、次のように駆動部103を制御し、ステープル処理(シート処理)を行う。
制御部101は、シート後端が整合されたシート束を端部ストッパ5aの押さえ面5bが押さえたままの状態となるように、制御モータ7を駆動し、ステープラ(非図示)に対して、シート束への結束(ステープル)を指示する(ステップS100)。
その後、制御部101は、シート寄せアーム2の駆動ソレノイド(非図示)をオンし(ステップS101)、シート寄せアーム2を上昇させ、排紙従動コロ3bの開口ソレノイド(非図示)をオフし(ステップS102)、排紙従動コロ3bを下降させる。
続いて、制御部101は、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動し(ステップS103)、端部ストッパ5aを元の位置(最上位)へ上昇させるとともに、排紙モータ(非図示)を駆動し(ステップS104)、排紙ローラ3aと排紙従動コロ3bに挟まれたシート束(ステープル後のシート束)を排紙トレイ9に搬送する。
また、制御部101は、排紙したシート束が画像形成装置200から要求された最終束であるか否かを判定する(ステップS105)。
制御部101は、排紙したシート束が要求された最終束であった場合(ステップS105:YES)、シート寄せアーム2の駆動ソレノイド(非図示)をオフし(ステップS106)、シート寄せアーム2を下降させ、排紙モータ(非図示)を停止する(ステップS107)。
一方、制御部101は、排紙したシート束が要求された最終束でなかった場合(ステップS105:NO)、ステップS2の処理に戻り、上述した処理を繰り返す。
このように、シート処理装置100では、図15に示すような動作が行われ、要求されたシート処理後のシート束snが排紙される。
図11の説明に戻る。また、制御部101は、検知したシート後端の高さ[Hc]が所定の高さ[h3]より高かった場合(ステップS304:NO)、シート後端の高さが製品規格を超えている(異常)と判断し、次のように駆動部103を制御し、終了処理を行う。
図9に示すように、制御部101は、画像形成装置200が有する制御部201に、異常が発生した旨の通知情報を送信する(ステップS200)。
その後、制御部101は、シート寄せアーム2の駆動ソレノイド(非図示)をオンし(ステップS201)、シート寄せアーム2を上昇させ、排紙従動コロ3bの開口ソレノイド(非図示)をオフし(ステップS202)、排紙従動コロ3bを下降させる。
続いて、制御部101は、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動し(ステップS203)、端部ストッパ5aを元の位置(最上位)へ上昇させるとともに、排紙モータ(非図示)を駆動し(ステップS204)、排紙ローラ3aと排紙従動コロ3bに挟まれたシート束snを排紙トレイ9に搬送する。
続いて、制御部101は、シート寄せアーム2の駆動ソレノイド(非図示)をオフし(ステップS205)、シート寄せアーム2を下降させ、排紙モータ(非図示)を停止する(ステップS206)。
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係るシート処理装置100によれば、検知部102(後端高さ検知手段)により、シート後端のカール量(高さ)を検知する。また、シート処理装置100は、制御部101により、検知情報に基づき、シート後端に生じたカール方向を判定する。シート処理装置100は、制御部101により、検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイ4に積載されるシート端部が当接する面(シート端部当接面)とシート端部を押さえる押さえ面5bとを備えた端部ストッパ5a(端部整合手段)を、処理トレイ4のシート積載面に対して垂直に移動させ(上下動させ)、シート積載面と端部ストッパ5aの押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変制御する。
以上のように、本実施形態に係るシート処理装置100によれば、検知部102(後端高さ検知手段)により、シート後端のカール量(高さ)を検知する。また、シート処理装置100は、制御部101により、検知情報に基づき、シート後端に生じたカール方向を判定する。シート処理装置100は、制御部101により、検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイ4に積載されるシート端部が当接する面(シート端部当接面)とシート端部を押さえる押さえ面5bとを備えた端部ストッパ5a(端部整合手段)を、処理トレイ4のシート積載面に対して垂直に移動させ(上下動させ)、シート積載面と端部ストッパ5aの押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変制御する。
これによって、シート処理装置100は、精度よくシート後端を揃えることができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、シート処理装置が、電子写真プロセス方式の画像形成装置に備えられ、印刷されたシートを受け取り、所定のシート処理を行う構成について説明を行った。
第1の実施形態では、シート処理装置が、電子写真プロセス方式の画像形成装置に備えられ、印刷されたシートを受け取り、所定のシート処理を行う構成について説明を行った。
電子写真プロセス方式では、露光(潜像)・現像・転写の各工程後、シート(転写紙)上のトナー像を定着させるために加熱・加圧による定着処理が行われる。そのため、電子写真プロセス方式では、シート表裏の水分量に差が発生し、定着時の加熱量やシートの排紙方法によって、シート後端に生じるカールの高さ及び方向が決まる。また、電子写真プロセス方式では、トナーの定着処理が形成画像に大きく影響しないため、シート1枚目に生じたカールの高さを検知し、かつ、カールの方向を判定すれば、2枚目以降も同様の処理を行うことができる。
しかし、インクジェット方式の画像形成装置の場合には、水分を多く含むインクをシート上に直接滴下するため、印刷量に応じて、カールの高さや方向が異なる。そのため、インクジェット方式では、電子写真プロセス方式と同様の処理(1枚目の検知情報及び判定情報を基に2枚目以降を処理)を行うと、シート後端の揃え精度に大きな誤差が生じることが考えられる。
そこで、本実施形態では、インクジェット方式などのように、印刷されたシート(印刷用紙)ごとに、カールの高さ及び方向が変化する画像処理装置に対応したシート処理を提案する。なお、以降の説明では、第1の実施形態と異なる事項のみを説明し、同一事項については、同一参照符号を付して、その説明を省略する。
<シート後端整合機能>
本実施形態に係るシート後端整合機能は、シート処理装置100に搭載される制御部101(例えば「CPU」)により、以下の処理が実行されることで実現される。なお、シート後端整合機能を実現する機能構成については、図8に示した構成例と同一である。
本実施形態に係るシート後端整合機能は、シート処理装置100に搭載される制御部101(例えば「CPU」)により、以下の処理が実行されることで実現される。なお、シート後端整合機能を実現する機能構成については、図8に示した構成例と同一である。
図16は、本実施形態に係るシート後端の整合処理を含むシート処理手順例を示すフローチャートである。
図9と図16との違いは、ステップS39からS45の処理手順である。よって、図16に示すステップS30からS38、及びステップS500からS507の処理手順については、図9に示したステップS1からS8、及びステップS100からS107の処理手順をもって、その説明を省略する。
図9と図16との違いは、ステップS39からS45の処理手順である。よって、図16に示すステップS30からS38、及びステップS500からS507の処理手順については、図9に示したステップS1からS8、及びステップS100からS107の処理手順をもって、その説明を省略する。
シート処理装置100では、処理対象がシート束snであることから、検知部102である後端高さ検知センサ11が検知するシート後端の高さが0ではない。そのため、制御部101では、ステップS38を処理した後、この時点でのシート後端の高さ、すなわち後端高さ検知センサ11の出力値[hx]を取得する(ステップS39)。
続いて、制御部101は、図10に示したカール方向判定処理を行う(ステップS40)。制御部101は、上記判定結果(判定フラグのビット値)から、下向きカール(バックカール)と判定した場合(ステップS40:YES)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が[hx]となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS41)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、高さ[hx]の位置に移動する。つまり、シート処理装置100では、下向きカール(バックカール)の場合、端部ストッパ5aの押さえ面5を、後端高さ検知センサ11の検知高さとなるように駆動制御する。
その後、制御部101は、シート寄せアーム2の先端ローラ2aを反時計回りに所定量だけ回転させ(ステップS42)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が、式[hs+hx]の算出値となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS43)。なお、上記[hs]は、0≦[hs]≦[Δh]に示す範囲の値であり、処理トレイ4に積載されたシート束snを傷つけない、かつシート束snが保持できる高さを示す値である。
制御部101は、後端整合対象のシートsが1束の最終シートでない場合(ステップS44:NO)、後続シートを搬送するために、ステップS31の処理に戻り、ステップS31からS43までの処理を繰り返す。
一方、制御部101は、後端整合対象のシートsが1束の最終シートであった場合(ステップS44:YES)、ステップS500からS507に示すステープル処理(シート処理)を行う。
また、制御部101は、上記判定結果(判定フラグのビット値)から、上向きカール(フェイスカール)と判定した場合(ステップS40:NO)、シート積載面と押さえ面5bとの間の高さ(開放量)が[hx+Δh]となるように、端部ストッパ5aの制御モータ7を駆動する(ステップS45)。これにより、シート処理装置100では、端部ストッパ5aの押さえ面5bが、高さ[hx]から[hx+Δh]の位置に上昇移動する。つまり、シート処理装置100では、上向きカール(フェイスカール)の場合、端部ストッパ5aの押さえ面5を、後端高さ検知センサ11の検知高さから所定量上昇した位置となるように駆動制御する。
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係るシート処理装置100によれば、検知部102(後端高さ検知手段)により、シート後端のカール量(高さ)を検知する。また、シート処理装置100は、制御部101により、検知情報に基づき、シート後端に生じたカール方向を判定する。シート処理装置100は、制御部101により、シート1枚ごとに行って得た検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイ4に積載されるシート端部が当接する面(シート端部当接面)とシート端部を押さえる押さえ面5bとを備えた端部ストッパ5a(端部整合手段)を、処理トレイ4のシート積載面に対して垂直に移動させ(上下動させ)、シート積載面と端部ストッパ5aの押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変制御する。つまり、シート処理装置100では、シート後端の高さ検知及びシート後端に生じたカール方向判定を1枚ずつ行い、得られた検知情報及び判定情報に基づき、開放量を可変制御する。
以上のように、本実施形態に係るシート処理装置100によれば、検知部102(後端高さ検知手段)により、シート後端のカール量(高さ)を検知する。また、シート処理装置100は、制御部101により、検知情報に基づき、シート後端に生じたカール方向を判定する。シート処理装置100は、制御部101により、シート1枚ごとに行って得た検知情報及び判定情報に基づき、処理トレイ4に積載されるシート端部が当接する面(シート端部当接面)とシート端部を押さえる押さえ面5bとを備えた端部ストッパ5a(端部整合手段)を、処理トレイ4のシート積載面に対して垂直に移動させ(上下動させ)、シート積載面と端部ストッパ5aの押さえ面5bとの間の高さ(開放量)を可変制御する。つまり、シート処理装置100では、シート後端の高さ検知及びシート後端に生じたカール方向判定を1枚ずつ行い、得られた検知情報及び判定情報に基づき、開放量を可変制御する。
これによって、シート処理装置100は、画像形成方式の種別に依存することなく、精度よくシート後端を揃えることができる。
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
1 搬送ローラ対
2 シート寄せアーム(a:先端ローラ,b:支持軸)
3 a:排紙ローラ,b:排紙従動コロ
4 処理トレイ
5 a:端部ストッパ,b:押さえ面
6 押圧部材
7 制御モータ(a:ギヤ)
8 入口センサ
9 排紙トレイ
10 側部揃え部材
11 後端高さ検知センサ(a:センサ,b:円盤,c:軸,d:振り子,e:ストッパ)
12 軸(a:ギヤ)
100 シート処理装置
101 制御部(CPU:中央処理装置)
102 検知部
103 駆動部
200 画像形成装置
201 制御部(コントローラ:CPU搭載の制御基板)
s シート
sn シート束
2 シート寄せアーム(a:先端ローラ,b:支持軸)
3 a:排紙ローラ,b:排紙従動コロ
4 処理トレイ
5 a:端部ストッパ,b:押さえ面
6 押圧部材
7 制御モータ(a:ギヤ)
8 入口センサ
9 排紙トレイ
10 側部揃え部材
11 後端高さ検知センサ(a:センサ,b:円盤,c:軸,d:振り子,e:ストッパ)
12 軸(a:ギヤ)
100 シート処理装置
101 制御部(CPU:中央処理装置)
102 検知部
103 駆動部
200 画像形成装置
201 制御部(コントローラ:CPU搭載の制御基板)
s シート
sn シート束
Claims (10)
- 搬送されたシートに対して所定の出力加工処理を行うシート処理装置であって、
搬送されたシートを積載する処理トレイと、
前記処理トレイに積載されるシート端部が当接する面とシート端部を押さえる面とを備えた端部整合手段と、
前記シート後端の高さを検知する後端高さ検知手段と、
前記端部整合手段を駆動する駆動手段と、
前記後端高さ検知手段による検知情報と前記検知情報から判定される前記シート後端に生じたカール方向の判定情報とに基づき、前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
検知されたシート後端の高さと判定されたカール方向とに応じて前記駆動手段を制御し、前記端部整合手段を前記処理トレイのシート積載面に対して垂直に移動させ、前記シート積載面と前記シート端部を押さえる面との間の高さを可変制御することを特徴とするシート処理装置。 - 前記制御手段は、
検知されたシート後端の高さ、及びシート後端に生じるカール量から想定された前記シート積載面と前記シート端部を押さえる面との間の高さを制御するための複数の制御値に基づき、前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。 - 前記制御手段は、
前記シート積載面と前記シート端部を押さえる面との間の高さが、
検知されたシート後端の高さと判定されたカール方向とに基づき決定された制御値、処理対象であるシートの厚み、及び処理単位であるシートの枚数から算出された高さとなるように、前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート処理装置。 - 前記端部整合手段が備えるシート端部を押さえる面は、
後続のシートが搬送され、前記制御手段の制御による前記端部整合手段の移動時に、
前記処理トレイに積載された先行のシート端部を押さえる押圧部材を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシート処理装置。 - 前記制御手段は、
検知開始から前記後端高さ検知手段を前記シート後端が通過する間に検知されたシート後端の高さを示す出力パルスに対して微分演算を行い、
演算結果と予め設定しておいた閾値とに基づき、
前記シート後端に生じたカール方向が上向きか下向きかを判定することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のシート処理装置。 - 前記後端高さ検知手段は、
搬送されたシート1枚ごとに、前記シート後端の高さを検知し、
前記制御手段は、
搬送されたシート1枚ごとに、前記シート後端に生じたカール方向を判定し、
前記検知情報及び前記判定情報に基づき、前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のシート処理装置。 - 前記端部整合手段が、
複数箇所に備えられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載のシート処理装置。 - 前記駆動手段は、
ステッピングモータであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のシート処理装置。 - 請求項1ないし8のいずれか一項に記載のシート処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 搬送されたシートに対して所定の出力加工処理を行うシート処理装置におけるシート処理方法であって、
搬送されたシートの後端の高さを検知する後端高さ検知手順と、
処理トレイに積載されるシート端部が当接する面とシート端部を押さえる面とを備えた端部整合部を、前記後端高さ検知手順により検知されたシート後端の高さと前記シート後端に生じたカール方向とに応じて、前記処理トレイのシート積載面に対して垂直に移動させ、前記シート積載面と前記シート端部を押さえる面との間の高さを可変制御する制御手順と、を有することを特徴とするシート処理方法。
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JP2009279822A JP5402592B2 (ja) | 2009-12-09 | 2009-12-09 | シート処理装置、画像形成装置、及びシート処理方法 |
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JP2005022833A (ja) * | 2003-07-04 | 2005-01-27 | Canon Inc | 画像形成装置 |
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2009
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