[go: up one dir, main page]

JP5402082B2 - 静電荷像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5402082B2
JP5402082B2 JP2009042735A JP2009042735A JP5402082B2 JP 5402082 B2 JP5402082 B2 JP 5402082B2 JP 2009042735 A JP2009042735 A JP 2009042735A JP 2009042735 A JP2009042735 A JP 2009042735A JP 5402082 B2 JP5402082 B2 JP 5402082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
particles
image
mass
developing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009042735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010197732A (ja
Inventor
慎太郎 安野
裕 齋藤
敏行 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2009042735A priority Critical patent/JP5402082B2/ja
Publication of JP2010197732A publication Critical patent/JP2010197732A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5402082B2 publication Critical patent/JP5402082B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
いわゆるゼログラフィー方式の画像形成装置は、電子写真感光体(以下、適宜、「感光体」と称する)、帯電装置、露光装置、現像装置及び転写装置を備え、これらを用いた電子写真プロセスにより画像形成が行われる。近年、ゼログラフィー方式の画像形成装置は、各部材、システムの技術進展により、一層の高速化、高画質化、長寿命化が図られている。
高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行えることが挙げられている。このため、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては小粒径化が図られている。また、高速化の観点からは、低温で定着し得る電子写真用トナーの要求が強い。トナーの定着温度を低くする手段として、トナー用樹脂(バインダー)としてガラス転移温度の比較的低いものを用いたり、可塑剤を添加したりする手段がとられており、トナー粒子の凝集を抑制しつつ、定着温度を下げることが求められている。
一般にトナーが現像機等でストレスを受けると外添剤の遊離、埋没が起こり、その結果、トナー粒子表面に外添剤が存在しない領域が多くなり、結果として、トナーの非静電的な付着性が増加する傾向にあり、その傾向は低温定着性が良好なものにより顕著であり、トナー粒子の凝集や装置への付着、その付着に起因する回収装置内でのトナー詰まりなどの発生を効果的に抑制するという要望がある。
これに対し、外添剤の遊離、埋没防止に対して、大粒径の無機粒子を外添剤として用いる技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、50nm以上200nm以下の球形有機粒子を添加し、スペーサー効果を得る技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
さらに、平均粒子径が80nm以上300nm以下の単分散球状シリカを用いて、トナー表面に均一に分散させ、スペーサー効果を得る技術や(例えば、特許文献4参照。)、平均粒径の異なる、少なくとも2種類のシリカを添加することによって、シリカの遊離や、埋没を防止する技術が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
特開平7−28276号公報 特開平9−319134号公報 特開平6−266152号報 特開2001−66820公報 特開2007−178623公報
本発明の目的は、連続して使用した場合も、本構成を有さない場合に比較して、トナー粒子の凝集やトナー粒子の装置への付着による回収詰まりが抑制された静電荷像現像用トナーを提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、
結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、トナー粒子表面に付着された平均粒子径100nm以上500nm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と、トナー粒子表面に付着された平均粒子径80nm以上200nm以下の単分散球状シリカ粒子とを含み、ポリテトラフルオロエチレン粒子の添加量が、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下であり、且つ、ポリテトラフルオロエチレン粒子1質量部に対して単分散球状シリカ粒子が0.5質量部以上30質量部以下であり、水系分散液中で出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加える超音波処理を実施したとき、トナー粒子から脱離せずに付着しているポリテトラフルオロエチレン粒子の量が、超音波処理実施前のポリテトラフルオロエチレン粒子付着量の50質量%以上100質量%以下であり、前記トナー粒子表面に付着されたポリテトラフルオロエチレン粒子の形状係数が120以上160以下である静電荷像現像用トナーである。
請求項に係る発明は、
前記トナー粒子表面に、ポリテトラフルオロエチレン粒子を付着させた後、単分散球状シリカ粒子を付着させて得られる請求項1記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項に係る発明は、
現像手段を備えた画像形成装置に脱着され、前記現像手段に供給するためのトナーが収納され、前記トナーは、請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーである、トナーカートリッジである。
請求項に係る発明は、
現像保持体を備え、請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤が収容されたプロセスカートリッジである。
請求項に係る発明は、
潜像保持体と、
前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記潜像保持体上に形成された前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写手段と、
前記潜像保持体の表面上に残留した残留トナーを除去するためのトナー除去手段と、を有し、
前記現像剤は、請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、トナー粒子に対する外添剤の種類や付着性が範囲外のものに比較して、トナー粒子の凝集やトナー粒子の装置への付着が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
本発明の請求項に係る発明によれば、ポリテトラフルオロエチレン粒子の形状係数が、本発明の範囲外であるものに比較して、トナー粒子の装置への付着がより抑制される。
本発明の請求項に係る発明によれば、外添剤の付着順を考慮しないものに比較し、シリカ粒子がポリテトラフルオロエチレン粒子を避けるようにトナー粒子に付着するために、トナー粒子の装置への付着がより抑制される。
請求項に係る発明によれば、トナー粒子に対する外添剤の種類や付着性が範囲外のものを用いた場合に比較して、トナー粒子の凝集やトナー粒子の装置への付着が抑制されたトナーカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、トナー粒子に対する外添剤の種類や付着性が範囲外のものを用いた場合に比較して、トナー粒子の凝集やトナー粒子の装置への付着が抑制されたプロセスカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、トナー粒子に対する外添剤の種類や付着性が範囲外のものを用いた場合に比較して、トナー粒子の凝集やトナー粒子の装置への付着が抑制された画像形成装置が提供される。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
<静電荷像潜像用トナー>
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」という場合がある)におけるトナー粒子は、結着樹脂及び着色剤を含有し、必要に応じて離型剤等のその他の添加剤を含んでもよい。このトナー粒子は、その表面に、外添剤である平均粒子径100nm以上500nm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子(以下、適宜、PTFE粒子と称する)と、平均粒子径80nm以上200nm以下の単分散球状シリカ粒子が付着されており、ポリテトラフルオロエチレン粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下であり、ポリテトラフルオロエチレン粒子1質量部に対して単分散球状シリカ粒子が0.5質量部以上30質量部以下である。
本実施形態では、トナー粒子表面に外添剤が付着したトナーに対して、水系分散液中で出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加える超音波処理を実施したとき、トナー粒子から脱離せずに付着しているポリテトラフルオロエチレン粒子の量が、超音波処理実施前のポリテトラフルオロエチレン粒子付着量の50質量%以上100%質量%以下であることを特徴とする。
ポリテトラフルオロエチレン粒子は上記特定の粒子径及び粒子の素材に起因する低摩擦係数という特性により、スペーサー効果と、トナー間の摩擦、付着を軽減する作用がある。PTFE粒子自体の軟らかさが攪拌時の衝撃を吸収し、トナーに非結晶性樹脂が局所的に存在することに起因して柔軟な領域が存在しても、そこに外添剤粒子が付着した場合における外添剤粒子のトナー粒子表面にへの埋まり込みによる外添剤の機能低下を抑制する作用がある。これらの作用により、画像形成装置内における攪拌によるトナー粒子へのストレスが軽減され、トナー粒子の凝集や装置への付着が抑制される。また、攪拌時において、外添された単分散球状シリカ粒子がトナー粒子間、もしくは単一トナー粒子表面に付着したPTFE粒子表面上に接触、移動しても、PTFE粒子の潤滑性のために、PTFE粒子の存在する領域には単分散球状シリカが付着することはなく、PTFE粒子周囲に付着するために、低ガラス転移温度の結着樹脂を含むトナー粒子における外添剤の偏在や埋没に起因する凝集や装置内への付着が抑えられるとともに、該PTFE粒子が超音波処理によってもすべてが脱離することなく、トナー粒子表面に残存するために、長時間装置内で応力を受けた回収トナー粒子においても、単分散球状シリカの偏在が抑制され、流動性が保たれる。また、回収装置の壁面に対して常に外添剤が接触することにより、回収詰まりが防止され、トナー粒子の凝集や装置への付着が効果的に抑制される。
以上のことよりポリテトラフルオロエチレン粒子と単分散球状シリカ粒子とが表面に付着したトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいては、回収詰まり抑制作用が達成される。
以下、本実施形態のトナーを構成する各成分の詳細について順次説明する。
<結着樹脂>
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂と着色剤を必須成分として含み、さらに必要に応じて離型剤を含んでもよい。
トナーの結着樹脂としては、適度な相溶状態となることが最も重要である。これは結着樹脂はシャープメルト性に加え、相溶化部分の可塑化効果により、低温定着性が発現されるためである。また適度に相溶することにより結着樹脂中のその他の材料の分散性が向上し、フィラーとして働くためトナーの強度がある程度確保しやすくなる。

なお、結着樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂等が利用される。以下、本発明で用いられる結着樹脂について説明する。
結着樹脂の重量平均分子量は10000以上であることが特に好ましく、重量平均分子量は、通常、15000以上50000以下の範囲であることが好ましい。
1.結着樹脂
結着樹脂は、トナー粒子に、固形分換算で30質量%以上98質量%以下の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは50質量%以上98%質量%以下の範囲である。
結着樹脂の含有量が上記範囲において、定着像中の相分離による構造のばらつきを抑制することができ、定着画像の強度、特に引っかき強度が良好となり、形成された画像の耐傷性が向上する。また、トナーのブロッキングが抑制され、画像保存性が保持される。
結着樹脂としては、前述のようにポリエステル樹脂、ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への定着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点からポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂は、カルボン酸(ジカルボン酸)成分と、アルコール(ジオール)成分とから合成されたものが利用される。
以下、カルボン酸成分、およびアルコール成分について、さらに詳しく説明する。
本実施形態のトナー粒子を構成するポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
カルボン酸成分としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、フマール酸、アルケニルコハク酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物がまた、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いうる。これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。

また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、溶融温度が降下して、画像の保存性が悪くなる場合がある。また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が小さ過ぎて凝集が生じない場合がある。尚、本発明において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(カルボン酸成分、アルコール成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
一方、前記アルコール構成成分としては脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族、ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上が用いられる。これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、必要に応じて含まれるその他の成分としては、二重結合を持つジオール成分等の構成成分が挙げられる。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用される。
前記二重結合を持つジオールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。一方、前記スルホン酸基を持つジオールとしては、例えば、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
これらの直鎖型脂肪族ジオール成分以外のアルコール成分を加える場合の、アルコール成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%がより好ましい。前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が不良となったり、乳化粒子径が大きくなったり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、乳化粒子径が小さ過ぎて、ラテックスが凝集しにくくなる場合がある。
前記ポリエステル樹脂の製造方法としてはとくに制限はなくカルボン酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180℃以上230℃以下の範囲で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合反応の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合はあらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定のカルボン酸成分またはアルコール成分とを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ポリエステル樹脂粒子分散液の作製については、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、調製される。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用される触媒としては、例えば、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられる。
本発明において、樹脂の分子量は、THF(テトラヒドロフラン)可溶物を、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出したものである。
ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、前記のような分子量分布を得やすいことや、乳化分散法によるトナー粒子の造粒性を確保しやすいことや、得られるトナーの環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、1mg KOH/g以上30mg KOH/g以下であることが好ましい。 ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整される。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
また、本実施形態における結着樹脂として、スチレンアクリル系樹脂も使用しうる。スチレンアクリル系樹脂の合成に使用しうる単量体としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類:ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類:エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類:などの単量体が挙げられ、これらの単独重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体及びこれらを含んで構成される重合体を2種以上併用した混合物などが挙げられる。
また、結着樹脂として、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等が使用される。
本発明に使用される結着樹脂のガラス転移温度は、35℃以上100℃以下であることが好ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50℃以上80℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が35℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像機中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、トナーの定着温度が高くなってしまい好ましくない。
また結着樹脂の軟化点は80℃以上130℃以下の範囲に存在することが好ましい。より好ましくは90℃以上120℃以下の範囲である。軟化点が80℃以下の場合は、定着後及び保管時のトナー及びトナーの画像安定性が著しく悪化する。また軟化点が130℃以上の場合は、低温定着性が悪化してしまう。
非結晶性樹脂の軟化点の測定はフローテスター(島津社製:CFT−500C)、予熱:80℃/300sec,プランジャー圧力:0.980665MPa,ダイサイズ:1mmφ×1mm,昇温速度:3.0℃/minの条件下における溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度を指す。
<離型剤>
本実施形態のトナーは、離型剤を含有しても良い。
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークが50℃以上140℃以下の範囲内にある物質が好ましい。主体極大ピーク50℃未満であると定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、140℃を超えると定着温度が高くなり、画像表面の平滑性が不充分なため光沢性を損なう場合がある。
主体極大ピークの測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7が用いられる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
離型剤の具体的な例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用しうる。
これらの離型剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子径を微細化し、粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液が作製される。
<着色剤>
本実施形態のトナーは着色剤を含有する。着色剤としては、顔料が好ましい。
1.顔料
黒顔料としてはカーボンブラック、磁性粉等が使用される。黄色顔料としては、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等があげられる。赤色顔料としては、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等があげられる。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどが挙げられる。
また、これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよく、さらには固溶体の状態で使用してもよい。
また、着色剤は、ロジン、ポリマー等により表面改質処理したものも利用される。表面改質処理がなされた着色剤は、着色剤分散液中で安定化されており、着色剤が着色剤分散液中で所望の平均粒径に分散された後、樹脂粒子分散液との混合時、凝集粒子形成工程等においても着色剤同士が凝集することがなく、良好な分散状態を維持される点で有利である。一方、過剰な表面改質処理がなされた着色剤は、凝集粒子形成工程において樹脂粒子と凝集せずに遊離してしまうことがある。このため、前記表面改質処理は、選択した最適な条件下で行われる。
なお着色剤の表面処理に用いるポリマーとしては、例えばアクリロニトリル重合体、メチルメタクリレート重合体等が挙げられる。
表面改質の条件としては、一般に、着色剤(顔料)存在下にモノマーを重合させる重合法、ポリマー溶液中に着色剤(顔料)を分散させ、該ポリマーの溶解度を低下させて着色剤(顔料)表面に析出させる相分離法等が用いられる。
これらの着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
また、これらの着色剤は、極性を有するイオン性界面活性剤を用い、既述した如きホモジナイザーを用いて水系溶媒中に分散し、着色剤粒子分散液が作製される。
着色剤の含有量は、トナー粒子全体に対し、1質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましい。
<その他の添加成分>
本実施形態のトナーを磁性トナーとして用いる場合は、磁性粉を含有させるが、ここで
使用する磁性粉としては、例えばフェライトやマグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケ
ル、マンガン等の金属、合金又はこれら金属を含む化合物などが挙げられる。さらに必要に応じて、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物やトリフェニルメタン系顔料など、通常使用される種々の帯電制御剤を添加してもよい。
<外添剤>
本実施形態のトナーには、外添剤を含有する。外添剤としては、平均粒子径100nm以上500nm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と、平均粒子径80nm以上200nm以下の単分散球状シリカ粒子とを含み、2種の粒子は、それぞれトナー粒子表面に付着された状態で含まれる。
1.ポリテトラフルオロエチレン粒子
本実施形態に用いられるPTFE粒子は、平均粒子径が100nm以上500nm以下のものであれば特に制限はなく、好ましくは、平均粒子径が200m以上400nm以下の粒子である。上記粒子径を有するPTEF粒子は 乳化重合法で製造され、また、市販品(例えば、ダイキン工業社製、ルブロンL−2)としても入手可能である。
ポリテトラフルオロエチレン粒子の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(S−4700型、日立株式会社製)を用いて、100視野(50000倍)の観察を実施し、PTFE粒子の画像面積に相当する粒子を円として近似して粒径(長径と短径の平均値)を1000箇所測定し、その平均値をPTFE粒子の個数平均一次径とすることにより測定される。
本実施形態に係るPTFE粒子の組成は、テトラフルオロエチレンの単独重合体であることが好ましいが、例えば、フッ化ビニリデン、モノフルオロエチレン、などを10重量%以下程度含むものであってもよい。
ポリテトラフルオロエチレン粒子は、前記トナー粒子表面に付着した状態で本実施形態のトナーに含有されるが、トナー粒子表面への付着は、乾燥状態で剪断力を加えてトナー粒子表面に添加すればよい。このときの具体的な条件としては、高剪断力(例えば、ヘンシェルミキサーを用いて高回転数で攪拌する )を付与する手段により行われる。
このときのポリテトラフルオロエチレン粒子の添加量は、トナー粒子の付着性低減の観点からは、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上0.6質量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子表面への粒子付着に際し、剪断力を付加することによりPTFE粒子がトナー粒子に強固に付着するが、そのとき剪断力の影響を受けてPTFE粒子が変形した状態で付着する。付着したPTFE粒子の形状係数が110以上180以下であることが好ましく、120以上160以下であることがより好ましい。表面に付着したPTFE粒子が記述の形状となっていることにより、PTFE粒子がトナー粒子表面に強固に付着していることが確認される。
なお、ここで上記形状係数(SF1)は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、500個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(2)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
また、前記SF1が125未満、135を超えるトナー個数の割合は、上記により測定した500個の粒子のSF1値から、各々の形状係数範囲のトナー個数の割合として求めたものである。
好ましくは上記条件にて、ポリテトラフルオロエチレン粒子がトナー粒子表面に強固付着した状態の本実施形態の初期トナーを水系分散液中で出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加える超音波処理を実施したとき、トナー粒子から脱離せずに付着しているポリテトラフルオロエチレン粒子の量が、超音波処理実施前のポリテトラフルオロエチレン粒子付着量の50質量%以上100質量%以下であることを要する。
このように、超音波処理を行った後においてもPTFE粒子が初期付着量の50質量%以上トナー粒子表面に残存することで、本実施形態の優れた効果が発現されるが、より好ましい付着割合は、60質量%以上100質量%以下である。
この付着性の試験においてトナー粒子を分散させる水径系分散媒としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(和光純薬工業)などが挙げられる。
試験方法としては、まず、超音波処理装置(Ultrasonic Generator modelUS−300TCVP(日本精機社製))に水系分散媒である 0.2質量%の界面活性剤水溶液を0.1L入れた後、そこに初期トナー粒子を5g添加し、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間与えた。その後、浮遊外添剤(PTFE粒子)をトナー表面から除去して回収し、またトナー粒子を取りだしメッシュで遊離したポリテトラフルオロエチレン粒子とトナー粒子とを分離する。その後、蛍光X線測定して、初期値との差より、残存するポリテトラフルオロエチレン粒子の付着量を測定して、残存した粒子の割合を算出する。
2.単分散球状シリカ粒子
本実施形態では、第2の外添剤として平均粒子径80nm以上200nm以下の単分散球状シリカ粒子とを含み、この粒子もトナー粒子表面に付着された状態で含有される。本発明において「単分散球状シリカ」とは、真比重1.4〜1.9で体積平均粒径80〜200nmのシリカで、ゾルゲル法により得られるシリカ粒子を指す。
ここで、ポリテトラフルオロエチレン粒子の添加量と単分散球状シリカ粒子との含有量比について述べれば、単分散球状シリカの添加量は、ポリテトラフルオロエチレン粒子1質量部に対して0.5質量部以上30質量部以下であり、より好ましい添加量は、1質量部以上25質量部以下である。
本実施形態において単分散球状シリカの製法は特に限定されないが、効果の観点からは表面疎水化処理されたものであることが好ましい。なお、単分散球状シリカとしては、市販品(例えば、信越化学工業社製、X24−9163A)などを用い得る。平均粒子径は100nm以上160nm以下であることがより好ましい。
前記疎水化処理は、疎水化処理剤に単分散球状シリカ粒子を浸漬等することにより行われる。前記疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シランカップリング剤が好適に挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。具体的には、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
この単分散球状シリカ粒子も、乾燥状態で剪断力を加えてトナー粒子表面に添加すればよい。
<トナー粒子製造方法>
トナーの製造方法としては、例えば、凝集・合一法(乳化重合・強制乳化・転相乳化法等により樹脂粒子分散液を作製し、溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作製した後、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集体を形成し、加熱することによって融合・合一させトナーとする製造方法)の他に、懸濁重合法(離型剤、着色剤など必要に応じて用いられる成分を、結晶性樹脂等の結着樹脂を形成する重合性単量体とともに懸濁させ、重合性単量体を重合してトナーとする製造方法)、溶解懸濁法(イオン性解離基を有する化合物、結晶性樹脂等の結着樹脂、離型剤等のトナー構成材料を有機溶媒に溶解させ、水系溶媒中に懸濁状態で分散させた後に有機溶媒を除去してトナーとする製造方法)等の湿式製法が挙げられる。
以下、本実施形態におけるトナーの製造方法の一例として、凝集・合一法について説明する。
本実施形態におけるトナーの製造方法は、例えば、樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液を調整する樹脂粒子分散液調整工程と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液を調整する着色剤粒子分散液調整工程と、樹脂粒子分散液及び着色剤粒子分散液を混合し、樹脂粒子及び着色剤粒子を含む混合溶液を調整する混合溶液調整工程と、樹脂粒子及び着色剤粒子が凝集した凝集粒子を調整する凝集粒子調整工程と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱して融合・合一する融合・合一工程と、を含む。
また、必要に応じて、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液を調整する離型剤粒子分散液調整工程等のその他の工程を含んでもよい。
本実施形態のトナーは、凝集・合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法などの、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成する湿式製法で製造されることが好適であるが、特に凝集合一法が好ましい。
以下、凝集・合一方による製造方法について詳細を説明する。
本実施形態のトナー製造方法は、少なくとも粒子径が1μm以下の、第1の樹脂粒子を分散した樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液とを混合し前記第1の樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子の表面に第2の樹脂粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を前記第1の樹脂粒子または前記第2の樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱し融合・合一する融合・合一工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
前記トナーの製造方法を用いてトナーを作製することにより、離型剤の含有量が容易に制御される。
第1の凝集工程においては、まず、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを準備する。樹脂粒子分散液は、乳化重合などによって作製した第1の樹脂粒子を、イオン性界面活性剤を用いて溶媒中に分散させることにより調整する。着色剤粒子分散液は、樹脂粒子分散液の作製に用いたイオン性界面活性剤と反対の極性を有するイオン性界面活性剤を用いて、黒色、青色、赤色、黄色等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調整する。また、離型剤粒子分散液は、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により粒子を微細化することにより調整する。
次に、樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、第1の樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー径にほぼ近い径を持つ、第1の樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
第2の凝集工程は、第1の凝集工程で得られたコア凝集粒子の表面に、第2の樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて、第2の樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することによりコア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造も持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。なお、この際用いる第2の樹脂粒子は、第1の樹脂粒子と同じであってもよく、異なったものであってもよい。
また第1および第2の凝集工程において用いられる、第1の樹脂粒子、第2の樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の粒子径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下の範囲内であることがより好ましい。
第1の凝集工程においては、樹脂粒子分散液や着色剤粒子分散液に含まれる2つの極性のイオン性界面活性剤(分散剤)の量のバランスを予めずらしておくことも可能である。例えば、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくは硫酸バリウム等の無機金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、第1の樹脂粒子のガラス転移温度以下で加熱してコア凝集粒子を作製される。
この場合、第2の凝集工程においては、上記した2つの極性の分散剤のバランスのずれを補填する極性および量の分散剤で処理された樹脂粒子分散液を、コア凝集粒子を含む溶液中に添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子または第2の凝集工程において用いられる第2の樹脂粒子のガラス転移温度以下でわずかに加熱してコア/シェル凝集粒子が作製される。なお、第1および第2の凝集工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
次に、融合・合一工程において、第2の凝集工程を経て得られたコア/シェル凝集粒子を、溶液中にて、このコア/シェル凝集粒子中に含まれる第1または第2の樹脂粒子のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)以上に加熱し、融合・合一することによりトナーを得る。
融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナーを、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナーを得る。
なお、洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
<外添剤の付着>
このようにしてトナー粒子を製造した後、前記2種の外添剤をトナー粒子表面に付着させることで、本実施形態のトナーを得る。
トナー粒子へのポリテトラフルオロエチレン粒子及び単分散球状シリカ粒子の付着方法は、前記したように、乾燥状態で剪断力を与えて付着させればよいが、効果の観点からは、PTFE粒子をまず付着させた後、単分散球状シリカ粒子を付着させることが好ましい。まず、トナー粒子表面にPTFE粒子を、粒子の形状係数が110以上120以下となるように強固付着させた後、単分散球状シリカ粒子を付着させると、PTFE粒子は素材に起因して表面が低摩擦係数であるため、後から添加された単分散球状シリカ粒子は、PTFE粒子の表面には付着せず、PTFE粒子の間隙領域(PTFE粒子の存在しない領域)でトナー粒子表面に付着する。これにより、ポリテトラフルオロエチレン粒子の低摩擦係数と、弾性により、その間に存在する流動性の付与機能に優れた単分散球状シリカ粒子が外的な衝撃を受け難くなって脱離が抑制され、これら2種の外添剤の効果が相俟ってトナー粒子同士の凝集と装置への非静電気的な付着を効果的に抑制する。
静電荷像現像用現像剤は、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有する。
本実施形態の静電荷像現像用トナーを含む現像剤は、目的に応じて他の成分を配合してもよい。
具体的には、本実施形態のトナーを単独で用いると一成分系の静電荷像現像用現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像用現像剤となる。二成分系現像剤中におけるトナーの濃度は1質量%以上10質量%以下の範囲とすることが好ましい。
ここでキャリアには特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された芯材が樹脂層で被覆されたキャリア(樹脂被覆キャリア)等の公知のキャリアが使用される。
樹脂被覆キャリアの芯材としては、鉄粉、フェライト、マグネタイトなどの造型物が挙げられ、その平均径は30μm以上200μm以下程度である。
キャリア芯材の電気抵抗は1×107.5Ω・cm以上1×109.5Ω・cm以下であることが好ましい。
被覆層を形成する被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー等の単独重合体、又は2種類以上のモノマーからなる共重合体、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のシリコーン類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。
被覆樹脂量は、芯材100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の範囲が好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下の範囲がより好ましい。キャリアの製造には、例えば加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用してもよい。電子写真用現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比には特に制限はなく、目的に応じて選択する。
<画像形成装置、トナーカートリッジ>
本実施形態の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像保持体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写手段と、前記記録媒体表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、転写後の前記像保持体表面に残存するトナーを除去するトナー除去手段と、を少なくとも備え、前記現像剤が既述の本実施形態のトナーを含有することを特徴とする。本実施形態の画像形成装置は本実施形態の現像剤を用いるため、長期に亘って高品質の画像が形成される。
また本実施形態の画像形成装置は、トナー除去手段により除去された残留トナーを回収し、回収された残留トナーを現像手段に供給する残留トナー回収供給手段をさらに含んでもよい。本実施形態では、現像剤として本実施形態の現像剤を用いているため、トナーの耐久性が高く、トナーを再利用する構成でも長期に亘って高品質の画像が形成される。
以下、本実施形態の画像形成装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略することがある
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す構成図である。図1に示す画像形成装置は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置であり、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1から第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め決められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に必要な張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含む現像剤が収容されている。また、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが、それぞれ、現像装置4Y、4M、4C、4Kに供給される。
上述した第1から第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2から第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Y(潜像保持体)を有している。なお、像保持体の詳細については後述する。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3(静電潜像形成手段)、帯電したトナーを静電潜像に供給して静電潜像を現像する現像装置4Y(現像手段)、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写(一時転写)する1次転写ローラ5Y、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去するクリーニング装置(トナー除去手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600Vから−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像化(現像)される。
現像装置4Y内には、イエロートナーを含む現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2から第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1から第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録媒体P(被転写体)が供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録媒体Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録媒体P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録媒体Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録媒体P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録媒体Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録媒体Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換してもよい。
<プロセスカートリッジ>
本実施形態のプロセスカートリッジは、少なくとも現像剤保持体を備え、現像剤として本実施形態の現像剤を用いている。またそのほかに、像保持体、帯電手段、トナー除去手段等を備えてもよい。
図2は、本実施形態の現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107(潜像保持体)とともに、帯電ローラ108、現像剤保持体111Aを備えた現像装置111、感光体クリーニング装置113(トナー除去手段)、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を、取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙(記録媒体)である。
図2で示すプロセスカートリッジでは、帯電ローラ108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、現像剤保持体111Aを備えていれば、感光体107、帯電ローラ108、現像装置111、クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
<トナーカートリッジ>
本実施形態のトナーカートリッジは、現像手段を少なくとも備えた画像形成装置に対して脱着され、前記トナー像形成手段に供給するためのトナーを含む現像剤を収納し、前記トナーが既述の本実施形態のトナーであることを特徴とする。なお、本実施形態のトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が自在な構成を有する画像形成装置においては、本実施形態のトナーを収めたトナーカートリッジを利用することにより、特に容器が小型化されたトナーカートリッジにおいても保存性を保つことができ、高画質を維持しつつ低温定着化される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
なお、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
本発明における粒度分布測定について述べる。
測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON‐II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を1.0mg加える。これを前記電解液100ml中に添加して試料を懸濁した電解液を作製した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターマルチサイザー−II型により、アパーチャー径として50μmアパーチャーを用いて1〜30μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。測定する粒子数は50000であった。
また本発明において測定する粒子が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とした。
なお、外添剤などの粉体を測定する場合は、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1000Hz)にて2分分散して、試料を作製し、前述の分散液と同様の方法で、測定した。
本発明の静電荷象現像用トナーにおいて、特定の分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
<トナー粒子の作製>
−ポリエステル樹脂分散液の調整−
・テレフタル酸 30mol%
・フマル酸 70mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 20mol%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 80mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記モノマーを仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイド1.2質量部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、酸価が12.0mg/KOH,重量平均分子量9700であるポリエステル樹脂を得た。
次いで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記非結晶性ポリエステル樹脂1溶融体と同時にキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に移送した。
回転子の回転速度が60Hz,圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、平均粒径0.16μm,固形分量30質量部の非結晶性ポリエステル樹脂を含むポリエステル樹脂分散液を得た。
−着色剤分散液の調製−
・シアン顔料(銅フタロシアニンB15:3:大日精化製) 45質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、中心粒径168nm,固形分量22.0質量部の着色剤分散液を得た。
−離型剤分散液の調製−
・パラフィンワックス HNP9(融点75℃:日本精鑞製) 45質量部
・カチオン性界面活性剤ネオゲン RK(第一工業製薬) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
以上を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、中心径200nm,固形分量20.0質量部のワックス分散液を得た。
−トナー粒子1の作製−
・ポリエステル樹脂樹分散液 292.2質量部
・着色剤分散液 26.3質量部
・離型剤分散液 34質量部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.25質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに前記ポリエステル樹脂分散液を、緩やかに70.0質量部を追加した。
その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを9.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、18分350rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度7.0μS/cmtとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒子径を測定したところ体積平均径D50は6.1μm、であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数は128であることが観察された。
<外添剤>
以下の製造方法により、下記表1に記載の組成物と粒子形状の外添剤を調製した。
(ポリテトラフルオロエチレン粒子)
下記表1には「PTFE」と記載した。
−外添剤Gの作製−
ステンレス製アンカー型攪拌翼と温度調節用ジャケットを備えたオートクレーブに、脱イオン水及びパーフルオロオクタン酸アンモニウム、パラフィンワックスを仕込み、加熱しながら窒素ガス、テトラフルオロエチレン(以下、TFEという)で系内を置換した後に、TFEを圧入し、攪拌を250rpmで行いつつ内温を80度に保った。過硫酸アンモニム水溶液およびジコハクサンパーオキサイド水溶液を圧入しながら、TFEを槽内圧力が一定になるように供給した。重合開始から60分間攪拌した後に、TFEの供給および攪拌を停止し、反応を終了させる。得られたラテックスに、ハイドロパーフルオロノナン酸アンモニムの水溶液を注入し、管内の温度が50℃になるように温水を入れ調整する。次に、硝酸を添加すると同時に攪拌速度250rpmで凝析を開始し、ポリマーと水を分離した後、1時間攪拌した後、水を除去し、乾燥させて平均粒径350nmの外添剤Gを得た。
−外添剤Hの作製−
外添剤Gの作製において、重合開始から40分攪拌し、凝析時の攪拌速度を500rpmにした以外は、外添剤Gと同様の製法で平均粒径100nmの外添剤Hを得た。

−外添剤Iの作製−
外添剤Gの作製において、重合開始から90分攪拌し、凝析時の攪拌速度を100rpmにした以外は、外添剤Gと同様の製法で平均粒径500nmの外添剤Iを得た。

−外添剤Jの作製−
外添剤Gの作製において、重合開始から150分攪拌し、凝析時の攪拌速度を500rpmにした以外は、外添剤Gと同様の製法で平均粒径800nmの外添剤Jを得た。
(単分散球状シリカ粒子)
下記表1には「シリカ」と記載した。
−外添剤Aの作製−
テトラメトキシシラン150部を、イオン交換水100部、25重量%のアルコール100部の存在下で25重量%アンモニア水150部を30℃で3時間かけて滴下しながら150rpmで攪拌する。この反応で得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水に分離し、さらに分離した湿潤シリカゲルを120℃で2時間乾燥した後、シリカ100部とエタノール500部とをエバポレーターに入れ、温度を40℃に維持したまま15分間攪拌した。次にシリカ100部に対して10部のジメチルジメトキシシランを入れ更に15分間攪拌した。最後に温度を90℃に上げてエタノールを減圧乾燥させ、処理物を取り出して更に120℃で30分間真空乾燥を行った。乾燥されたシリカを粉砕し、平均粒径130nmの外添剤Aを得た。
−外添剤Bの作製−
外添剤Aの作製において、25重量%アンモニア水の添加を、アンモニア水150部を4時間かけて滴下しながら、250rpmで攪拌して行った以外は、外添剤Aと同様の製法で平均粒径80nmの外添剤Bを得た。

−外添剤Cの作製−
外添剤Aの作製において、25重量%アンモニア水の添加を、アンモニア水150部を3時間かけて滴下しながら、100rpmで攪拌して行った以外は、外添剤Aと同様の製法で平均粒径200nmの外添剤Cを得た。
−外添剤Dの作製−
珪酸ナトリウムを純水中へシリカ濃度が3%となるように加えた。90に昇温した後に、200rpmで攪拌しながら、硫酸と珪酸ナトリウムを一定の比率で添加した。添加終了後さらに硫酸を加えてpH2にして反応を終了させた。この反応で得られたシリカに濾過と洗浄を繰り返し実施。得られた脱水ケークを真空乾燥後、粉砕した。このようにして得られた外添剤Dは平均粒径80nmであった。

−外添剤Eの作製−
外添剤Aの作製において、25重量%アンモニア水の添加を、アンモニア水150部を5時間かけて滴下しながら、280rpmで攪拌して行った以外は、外添剤Aと同様の製法で平均粒径60nmの外添剤Eを得た。

−外添剤Fの作製−
外添剤Aの作製において、25重量%アンモニア水の添加を、アンモニア水150部を1時間かけて滴下しながら、80rpmで攪拌して行った以外は、外添剤Aと同様の製法で平均粒径500nmの外添剤Fを得た。
(疎水化酸化チタン粒子)
−外添剤Kの作製−
イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄粉を分離し、TiSOを加水分解してTiO(OH)を生成させる湿式沈殿法を用いてTiO(OH)を製造した、なお、TiO(OH)の製造の過程で、加水分解と核生成のために分散調整および水洗をおこなった。
水1000ml中に得られたTiO(OH)100部を分散し、これにデシルシラン10部を室温で攪拌しながら滴下した。ついで、これをろ過し、水洗を繰り返した。そしてデシルシランで表面処疎水化処理された酸化チタンを150℃で乾燥し、体積平均1次粒径が300nmである外添剤Kを作製した。
Figure 0005402082
<キャリアの作製>
・フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗3×10Ω・cm)100質量部
・トルエン 14質量部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体
(共重合比40:60、Mw=5万) 1.6質量部
・カーボンブラック(VXC−72;キャボット社製) 0.12質量部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製し、この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。
<現像剤作製>
(実施例1)
前記トナー粒子1を100部に対して、PTFE粒子Gを0.4部添加し、ヘンシェルミキサーにより2500rpmで10分間ブレンドし、その後シリカ粒子Aを2部添加し、ヘンシェルミキサーにより1500rpmで15分間ブレンドして静電荷現像用トナーを得た。走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立製:S−5500)を用い、倍率×10万倍にて撮像した画像を画像解析装置(ニレコ製:ルーゼックスAP)によって走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立製:S−5500)を用い、倍率×10万倍にて撮像した画像を画像解析装置(ニレコ製:ルーゼックスAP)によって求められたPTFE粒子の形状係数は、159であった。得られた静電荷現像用トナー5部と上記キャリア100部をV−ブレンダーを用いて40rpmで10分間攪拌し、静電荷現像剤を得た。
(実施例2)
現像剤の作製において、PTFE粒子Hを0.5部、シリカ粒子Aを1.5部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、152であった。

(実施例3)
現像剤の作製において、PTFE粒子Iを0.3部、シリカ粒子Aを2.7部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、131であった。

(実施例4)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを0.4部、シリカ粒子Bを2.4部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、149であった。
(実施例5)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを0.4部、シリカ粒子Cを1.2部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、151であった。

(実施例6)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを0.1部、シリカ粒子Aを2.5部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、157であった。

(実施例7)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを1部、シリカ粒子Aを1部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、142であった。

(実施例8)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを1部、シリカ粒子Aを0.5部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、145であった。

(実施例9)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを0.15部、シリカ粒子Aを4.5部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、154であった。
(実施例10)
前記トナー粒子1を100部に対して、PTFE粒子Gを0.8部添加し、ヘンシェルミキサーにより1500rpmで10分間ブレンドし、その後シリカ粒子Aを3.2部添加し、ヘンシェルミキサーにより1500rpmで15分間ブレンドした以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、120であった。

(実施例11)
前記トナー粒子1を100部に対して、PTFE粒子Gを0.2部添加し、ヘンシェルミキサーにより2500rpmで20分間ブレンドし、その後シリカ粒子Aを4部添加し、ヘンシェルミキサーにより1500rpmで15分間ブレンドした以外は、実施例1と
同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、159であった。

(実施例12)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを2部、シリカ粒子Aを2部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、159であった。
(比較例1)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを0.4部、シリカ粒子Dを3.2部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、155であった。

(比較例2)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを0.4部、シリカ粒子Eを2部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、130であった。

(比較例3)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを0.4部、シリカ粒子Fを2.4部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、152であった。
(比較例4)
現像剤の作製において、PTFE粒子Jを0.2部、シリカ粒子Aを1.8部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、132であった。

(比較例5)
前記トナー粒子1を100部に対して、PTFE粒子Gを0.4部添加し、ヘンシェルミキサーにより800rpmで10分間ブレンドし、その後シリカ粒子Aを2部添加し、ヘンシェルミキサーにより600rpmで15分間ブレンドした以外は、実施例1と
同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、111であった。

(比較例6)
現像剤の作製において、PTFE粒子Gを0.2部、シリカ粒子Aを8部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。PTFE粒子の形状係数は、149であった。

(比較例7)
現像剤の作製において、疎水化酸化チタン粒子Kを0.4部、シリカ粒子Aを1.6部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。

(比較例8)
現像剤の作製において、PMMA粒子L(粒径200nm、綜研化学(株)社製)を0.4部、シリカ粒子Aを1.6部添加した以外は、実施例1と同様の製法で静電荷現像剤を得た。
<トナーの物性評価>
(PTEF粒子の付着率)
まず、得られたトナー粒子のPTFE粒子付着量を、蛍光X線により測定した。
その後、トナー粒子を5g秤量して、水系分散液であるポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(和光純薬工業製)水溶液(25℃)中に分散させ、超音波発生装置( Ultrasonic Generator modelUS−300TCVP(日本精機社製))を用いて、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加える超音波処理を実施した。
処理後に、浮遊外添剤(PTFE粒子)をトナー表面から除去して回収し、またトナー粒子を濾取し、蛍光X線 により回収した浮遊PTFE粒子や、濾取したトナーを測定し、超音波処理前後の付着量の差より、下記式トナー粒子表面に付着しているPTFE粒子の残存率を求めた。その結果を下記表2に記載する。
ここで、予めPTFE粒子の含有量が既知の試料を用いて検量線を作成し、処理前のトナーと、前記濾取したトナーを蛍光X線測定することにより、付着PTFE粒子量が求められる。
付着率=(超音波処理後のPTFE量)/(処理前のPTFE量)×100
(トナー粒子表面に付着したPTFE粒子の形状係数の測定)
ヘンシェルミキサーにより外添した静電荷現像用トナーを、走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立製:S−5500)を用い、倍率×10万倍にて撮像した画像を画像解析装置(ニレコ製:ルーゼックスAP)によって走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立製:S−5500)を用い、倍率×10万倍にて撮像した画像を画像解析装置(ニレコ製:ルーゼックスAP)によって求めた。
ここで上記形状係数(SF1)は、下記式(2)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(2)
上記式(2)中、MLはPTFE粒子の絶対最大長、AはPTFE粒子の投影面積を各々示す。上記により測定した500個のトナー表面のPTFE粒子のSF1値から平均値を求めることにより、得られる。
これらトナーの物性は、下記表2に示す。
<トナーの性能評価>
(回収詰まり評価)
DocuCenter−III C4400(富士ゼロックス社製)を用いて現像性評価を行った。トナー量を6.0g/m、C2紙 A4(富士ゼロックス社製)を使用し電子写真学会テストチャートNo.1-R 1993を用い、10000枚の実機評価を行い、回収トナーの回収機内における詰まりの有無を確認し、これを10000枚ごとに50000枚まで実施した。以下の評価基準で評価し、×になったところで評価を中止した。
なお評価環境は温度30℃、湿度85%で行い、許容できる範囲は30000枚で「○」までである。結果を下記表3に示す。
<評価基準>
◎:回収装置内でのトナー詰まり発生が確認されない
○:回収装置内でのトナー詰まりは確認されないが、感光体に回収しきれていないようなトナーの付着がある。
×:回収装置内でのトナー詰まりが発生した
Figure 0005402082
Figure 0005402082
表2の物性値及び表3の性能評価の結果より、本実施形態の静電画像現像用トナーは、比較例のトナーに比べ、トナー粒子の凝集や装置への付着に起因する回収系におけるトナー粒子詰まりの発生がより抑制されることがわかる。
1Y、1M、1C、1K、 感光体(潜像保持体)
2Y、2M、2C、2K、 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K、 レーザ光線(静電潜像形成手段)
3、 露光装置
4Y、4M、4C、4K、 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、 感光体クリーニング装置(トナー除去手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
26 2次転写ローラ(転写手段)
28 定着装置(定着手段)
200 プロセスカートリッジ、
P 記録紙(被転写体)

Claims (5)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、トナー粒子表面に付着された平均粒子径100nm以上500nm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と、トナー粒子表面に付着された平均粒子径80nm以上200nm以下の単分散球状シリカ粒子とを含み、ポリテトラフルオロエチレン粒子の添加量が、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上1質量部以下であり、且つ、ポリテトラフルオロエチレン粒子1質量部に対して単分散球状シリカ粒子が0.5質量部以上30質量部以下であり、
    水系分散液中で出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加える超音波処理を実施したとき、トナー粒子から脱離せずに付着しているポリテトラフルオロエチレン粒子の量が、超音波処理実施前のポリテトラフルオロエチレン粒子付着量の50質量%以上100質量%以下であり、前記トナー粒子表面に付着されたポリテトラフルオロエチレン粒子の形状係数が120以上160以下である静電荷像現像用トナー。
  2. 前記トナー粒子表面に、ポリテトラフルオロエチレン粒子を付着させた後、単分散球状シリカ粒子を付着させて得られる請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 現像手段を備えた画像形成装置に脱着され、前記現像手段に供給するためのトナーが収納され、前記トナーは、請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーである、トナーカートリッジ。
  4. 現像保持体を備え、請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤が収容されたプロセスカートリッジ。
  5. 潜像保持体と、
    前記潜像保持体の表面に静電潜像を形成させる静電潜像形成手段と、
    トナーを含む現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記潜像保持体上に形成された前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写手段と、
    前記潜像保持体の表面上に残留した残留トナーを除去するためのトナー除去手段と、を有し、
    前記現像剤は、請求項1又は請求項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤である画像形成装置。
JP2009042735A 2009-02-25 2009-02-25 静電荷像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Expired - Fee Related JP5402082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009042735A JP5402082B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 静電荷像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009042735A JP5402082B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 静電荷像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010197732A JP2010197732A (ja) 2010-09-09
JP5402082B2 true JP5402082B2 (ja) 2014-01-29

Family

ID=42822511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009042735A Expired - Fee Related JP5402082B2 (ja) 2009-02-25 2009-02-25 静電荷像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5402082B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012063602A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Kyocera Mita Corp 電子写真用正帯電乾式トナー
JP6724530B2 (ja) 2016-04-28 2020-07-15 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6903985B2 (ja) * 2017-03-23 2021-07-14 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2019117218A (ja) * 2017-12-26 2019-07-18 株式会社リコー トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置および画像形成方法
JP7480686B2 (ja) 2020-11-25 2024-05-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 トナー、画像形成装置及び画像形成方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02162380A (ja) * 1988-12-16 1990-06-21 Canon Inc 加熱定着方法及び該定着用トナー
JPH03170946A (ja) * 1989-11-30 1991-07-24 Tomoegawa Paper Co Ltd 静電荷像現像用トナーの製造方法
JPH07271090A (ja) * 1994-03-25 1995-10-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁性トナーとその製造方法及び電子写真方法
JP4076681B2 (ja) * 1999-08-24 2008-04-16 富士ゼロックス株式会社 静電潜像現像用トナーの製造方法
JP2002156782A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法
JP2004061682A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナー、このトナーを用いた現像剤、トナーカートリッジ及び画像形成方法
JP2005215090A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Seiko Epson Corp トナーの製造方法およびトナー
JP5223382B2 (ja) * 2007-03-15 2013-06-26 株式会社リコー 静電潜像現像トナー用の有機シリコーン微粒子、トナー用外添剤、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、画像形成方法、及びプロセスカートリッジ
JP2009015258A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Seiko Epson Corp 一成分非磁性トナー及び該トナーが使用される画像形成装置
JP2009025487A (ja) * 2007-07-18 2009-02-05 Kyocera Mita Corp 正帯電二成分現像剤及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010197732A (ja) 2010-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5151384B2 (ja) 静電荷像現像用負帯電トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP4811480B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP5979593B2 (ja) 現像装置、及び画像形成装置
US8828634B2 (en) Electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
JP5407377B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置
CN104076626B (zh) 静电荷图像显影用色调剂、显影剂、色调剂盒、处理盒、图像形成设备和图像形成方法
JP2008224976A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2011154278A (ja) 非磁性一成分トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2009229621A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤及び画像形成装置
JP2007147927A (ja) 静電荷現像用トナー及びその製造方法
JP5691737B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、静電荷像現像用トナーの製造方法及び画像形成装置
JP5402082B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2010078861A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
CN103365136B (zh) 色调剂、显影剂、色调剂盒、处理盒、图像形成设备和图像形成方法
JP2007033694A (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷現像用現像剤、及び画像形成方法
JP2010160325A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5262516B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5298485B2 (ja) 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5983328B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
US9885968B2 (en) Toner
JP5418017B2 (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2010078719A (ja) 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用現像剤
JP5493379B2 (ja) 静電荷現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、カートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP2012226194A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法
JP5104147B2 (ja) 静電荷現像用トナー及びその製造方法、静電荷現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130528

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131014

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5402082

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees