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JP5397664B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、モータ(とくにブラシレスモータ)を駆動するためのモータ制御装置に関する。ブラシレスモータは、たとえば、電動パワーステアリング装置における操舵補助力の発生源として利用される。
ブラシレスモータのためのモータ制御装置は、モータの電機子巻線を流れる電流を検出する電流検出部と、モータのロータ回転角を検出する回転角検出部と、d軸目標電流およびq軸目標電流を演算するdq軸目標電流演算部と、検出された電機子巻線電流およびロータ回転角に基づいてd軸電流およびq軸電流を求めるdq軸電流演算部と、d軸電圧指令値演算部と、q軸電圧指令値演算部とを備えている。d軸電圧指令値演算部は、d軸目標電流とd軸電流との間のd軸偏差を低減するように、d軸偏差のPI演算に基づいてd軸電圧指令値を求める。q軸電圧指令値演算部は、q軸目標電流とq軸電流との間のq軸偏差を低減するように、q軸偏差のPI演算に基づいてq軸電圧指令値を求める。こうして求められたd軸電圧指令値、q軸電圧指令値、および検出されたロータ回転角に基づいて、モータ制御装置は、電機子巻線に電圧を印加する。これにより、ロータの回転力が発生する。
一方、PI演算値に対して非干渉化制御量を加算する非干渉化制御が知られている(特許文献1参照)。非干渉化制御とは、ロータの回転に伴ってモータ内部で生じる速度起電力を補償するように電圧指令値を定めることにより、d軸の制御系とq軸の制御系との干渉を打ち消すための制御である。非干渉化制御を行うことによって、速度起電力による応答性や追従性の低下を効果的に抑制できると期待されている。
特開2005−82034号公報
モータ内部で生じる速度起電力は、回転角速度および電流に依存する。したがって、これを補償するための非干渉化制御量も同様に回転角速度および電流に依存する。より具体的には、d軸非干渉化制御量は回転角速度およびq軸電流に依存し、q軸非干渉化制御量は回転角速度およびd軸電流に依存する。
ところが、電流の検出から非干渉化制御量の演算が完了するまでには、回転角速度などの演算のための時間がかかる。そのため、非干渉化制御量の変化がモータ内部の速度起電力の変化から遅れることになる。このような非干渉化制御量を用いて電圧指令値を補正しても、モータ電流を必ずしも理想的な波形に制御することができない。そのため、非干渉化制御が必ずしも期待どおりの効果を生じない場合がある。
そこで、この発明の目的は、電流検出からの演算時間に起因する非干渉化制御量のずれを補償して、モータ電流を良好に制御することができるモータ制御装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、モータ(1)に流れるモータ電流を検出するモータ電流検出手段(11)と、目標電流値と前記モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流との偏差に基づいて基本電圧指令値を生成する基本電圧指令値生成手段(51a,52a)と、前記モータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段(22)と、前記モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流および前記回転角速度演算手段によって演算される回転角速度に基づいて、前記モータの非干渉化制御のための非干渉化制御量を演算する非干渉化制御量演算手段(51b,52b)と、前記モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流に対して位相進み演算を行ってモータ電圧を推定するモータ電圧推定手段(51c,52c)と、前記モータ電圧推定手段によって推定される推定モータ電圧と前記基本電圧指令値生成手段が生成する基本電圧指令値とに基づいて補正値を演算する補正値演算手段(51d,52d)と、前記基本電圧指令値生成手段が生成する基本電圧指令値を前記非干渉化制御量および補正値によって補正して電圧指令値を求める補正手段(51e,52e)と、この補正手段によって求められた電圧指令値を用いて前記モータを駆動する駆動手段(20,21,13)とを含む、モータ制御装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、目標電流値とモータ電流との偏差に基づいて基本電圧指令値が生成される一方で、モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流に対して位相進み演算を行うことでモータ電圧が推定される。この推定モータ電圧は、具体的には、基本電圧指令値を非干渉化制御量等で補正して電圧指令値が求められ、この電圧指令値を用いてモータを駆動する時点でのモータ電圧の推定値であることが好ましい。このような推定モータ電圧と基本電圧指令値との差に基づいて補正値が求められる。この補正値は、モータ電流が検出されてから回転角速度が演算され、さらに非干渉化制御量が演算されて電圧指令値が求められるまでの演算時間中に生じる非干渉化制御量のずれ量(適正な非干渉化制御量からの誤差)に対応している。そこで、基本電圧指令値が、非干渉化制御量だけでなく、前記補正値によっても補正される。これにより、演算時間の遅れを補償した非干渉化制御を行うことができるので、モータ電流波形を理想の波形に近づけることができ、モータの応答性および追従性を効果的に向上することができる。
請求項2記載の発明は、前記モータ電圧推定手段が行う位相進み演算が、前記モータの時定数によって定義されるものである、請求項1記載のモータ制御装置である。
この構成によれば、前記位相進み演算がモータの時定数によって定義されるので、電圧指令値によってモータを駆動するときのモータ電圧に近似した値の推定モータ電圧を求めることができる。これにより、非干渉化制御量のずれを一層適正に補償することができるので、非干渉化制御による効果を一層増大させることができる。
請求項3記載の発明は、前記補正値演算手段は、前記推定モータ電圧と前記基本電圧指令値との偏差に対して1以下のゲインを乗じて前記補正値を求めるものである、請求項1または2記載のモータ制御装置である。
この構成によれば、推定モータ電圧と基本電圧指令値との偏差に対して1以下のゲインを乗じて補正値を求める構成であるので、非干渉化制御量を適正に補正することができる。ゲインが1のとき補正の効果が最大となるが、ゲインの値を1以下の適切な値(ただし、0よりも大きな値)とすることで補正の度合いを調節することができる。
前記モータ電流検出手段は、モータの電機子巻線に流れる相電流を検出する相電流検出手段(11)と、この相電流検出手段が検出する相電流をロータ回転角に基づいて回転座標系(たとえば、dq座標系)の電流値に変換する座標変換手段(17)とを含むものであってもよい。この場合に、座標変換手段(17)は、ロータ回転角を検出する回転角検出手段(2)の出力に基づいて、座標変換処理を行うものであってもよい。
前記基本電圧指令値生成手段は、d軸基本電圧指令値およびq軸基本電圧指令値を演算するものであり、前記非干渉化制御量演算手段は、d軸非干渉化制御量およびq軸非干渉化制御量を演算するものであり、前記モータ電圧推定手段は、d軸推定電圧およびq軸推定電圧を演算するものであり、前記補正値演算手段は、d軸推定電圧およびd軸基本電圧指令値に基づいてd軸補正値を求め、q軸推定電圧およびq軸基本電圧指令値に基づいてq軸補正値を求めるものであり、前記補正手段は、d軸基本電圧指令値をd軸非干渉化制御量およびd軸補正値に基づいて補正してd軸電圧指令値を求め、q軸基本電圧指令値をq軸非干渉化制御量およびq軸補正値に基づいて補正してq軸電圧指令値を求めるものであり、前記駆動手段は、d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値に基づいてモータを駆動するものであってもよい。
この場合に、前記非干渉化制御量演算手段は、d軸非干渉化制御量Ddを下記式Aに従って演算し、q軸非干渉化制御量Dqを下記式Bに従って演算するものであってもよい。
d=−ωLqq …A
q=ωLdd+ωΦ …B
ただし、ωはモータの回転角速度(rad/秒)、Ldはd軸インダクタンス(H)、Lqはq軸インダクタンス(H)、Idはd軸電流(A)、Iqはq軸電流(A)、Φはモータの界磁のU,V,W相電機子巻線鎖交磁束数の最大値の√(3/2)倍をそれぞれ表す。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。この電動パワーステアリング装置は、車両のステアリングホイールに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ7と、車両の速度を検出する車速センサ8と、車両の舵取り機構3に操舵補助力を与えるモータ1と、このモータ1を駆動制御するモータ制御装置10とを備えている。モータ制御装置10は、トルクセンサ7が検出する操舵トルクおよび車速センサ8が検出する車速に応じてモータ1を駆動することによって、操舵状況に応じた適切な操舵補助を実現する。モータ1は、たとえば、三相ブラシレスモータである。
モータ制御装置10は、電流検出部11、信号処理部としてのマイクロコンピュータ12、および駆動回路13を有する。このモータ制御装置10に、モータ1内のロータの回転角を検出するレゾルバ2(回転角センサ)とともに、前述のトルクセンサ7および車速センサ8が接続されるようになっている。
電流検出部11はモータ1の電機子巻線を流れる電流を検出する。より具体的には、電流検出部11は、3相(U相、V相およびW相)の電機子巻線における相電流をそれぞれ検出する電流検出器11u,11v,11wと、電流検出器11u,11v,11wによる電流検出信号をA/D(アナログ/ディジタル)変換するA/D変換器11u′,11v′,11w′とを有する。
マイクロコンピュータ12は、プログラム処理(ソフトウェア処理)によって実現される複数の機能処理部を備えている。これらの複数の機能処理部には、基本目標電流演算部15、dq軸目標電流演算部16、dq軸電流演算部17、d軸偏差演算部18d、q軸偏差演算部18q、dq軸電圧指令値演算部19、電圧指令値座標変換部20、PWM(パルス幅変調)制御部21、および回転角速度演算部22が含まれている。
駆動回路13は、インバータ回路で構成され、PWM制御部21によって制御されることにより、車載バッテリ等の電源からの電力をモータ1のU相、V相およびW相電機子巻線に供給する。この駆動回路13とモータ1の各相の電機子巻線との間において流れる相電流が電流検出器11u,11v,11wにより検出されるようになっている。
基本目標電流演算部15は、トルクセンサ7により検知される操舵トルクと、車速センサ8により検出される車速とに基づいて、モータ1の基本目標電流I*を演算する。基本目標電流I*は、たとえば、操舵トルクの大きさが大きいほど大きく、車速が小さい程大きくなるように定められる。
基本目標電流演算部15により演算された基本目標電流I*はdq軸目標電流演算部16に入力される。dq軸目標電流演算部16は、d軸方向の磁界を生成するためのd軸目標電流Id *と、q軸方向の磁界を生成するためのq軸目標電流Iq *とを演算する。d軸とは、モータ1のロータの有する界磁の磁束方向に沿う軸であり、q軸とは、d軸およびロータ回転軸に直交する軸である。dq軸目標電流演算部16における演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
電流検出部11から出力される相電流Iu,Iv,Iwはdq軸電流演算部17に入力される。dq軸電流演算部17は、レゾルバ2により検出されたロータ回転角に基づいて、相電流Iu,Iv,Iwを座標変換することにより、d軸電流Idおよびq軸電流Iqを演算する。dq軸電流演算部17における演算は公知の演算式を用いて行うことができる。
d軸偏差演算部18dは、d軸目標電流Id *とd軸電流Idとの間のd軸偏差δIdを求める。同様に、q軸偏差演算部18qは、q軸目標電流Iq *とq軸電流Iqとの間のq軸偏差δIqを求める。
dq軸電圧指令値演算部19は、d軸偏差δIdに対応するd軸電圧指令値Vd *とq軸偏差δIqに対応するq軸電圧指令値Vq *とを求める。
電圧指令値座標変換部20は、レゾルバ2により検出されたロータ回転角に基づいて、d軸電圧指令値Vd *およびq軸電圧指令値Vq *の座標変換を行い、U相電機子巻線、V相電機子巻線、W相電機子巻線にそれぞれ印加すべき印加電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する。電圧指令値座標変換部20における演算は公知の演算式を用いて行えばよい。
PWM制御部21は、印加電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に対応するデューティ比を有するパルス信号である各相のPWM制御信号を生成する。これにより、d軸電圧指令値Vd *およびq軸電圧指令値Vq *に対応する電圧が駆動回路13から各相の電機子巻線に印加され、ロータの回転力が発生する。
回転角速度演算部22は、レゾルバ2により検出されたロータ回転角の時間変化(微分)を演算することによって、回転角速度ω(rad/sec)を求める。この回転角速度ωは、dq軸電圧指令値演算部19に入力されるようになっている。
図2は、dq軸電圧指令値演算部19の詳しい構成を説明するためのブロック図である。
dq軸電圧指令値演算部19は、d軸電圧指令値演算部51、およびq軸電圧指令値演算部52を有する。d軸電圧指令値演算部51は、d軸偏差δIdを低減するように、d軸偏差δIdのPI演算(以下「d軸PI演算」という。)等に基づいてd軸電圧指令値Vd *を求める。q軸電圧指令値演算部52は、q軸偏差δIqを低減するように、q軸偏差δIqのPI演算(以下「q軸PI演算」という。)等に基づいてq軸電圧指令値Vq *を求める。
d軸電圧指令値演算部51は、d軸PI演算部51aと、d軸非干渉化制御量演算部51bと、d軸電圧推定部51cと、d軸補正値演算部51dと、d軸補正部51eとを有する。
d軸PI演算部51aは、d軸電流をフィードバック制御するものであり、d軸偏差δIdのPI演算によりd軸基本電圧指令値としてのd軸PI演算値Vd0を演算し、このd軸PI演算値Vd0をd軸補正部51eに出力する。このd軸補正部51eでd軸PI演算値Vd0を補正することによって、d軸電圧指令値Vd *が得られる。
d軸非干渉化制御量演算部51bは、dq軸電流演算部17により求められるq軸電流Iqと、回転角速度演算部22によって求められる回転角速度ω(rad/sec)とに基づき、d軸非干渉化制御量Ddを求める。より具体的には、d軸非干渉化制御量演算部51bは、d軸非干渉化制御量Ddを次式(1)に従って演算する。
d=−ωLqq …(1)
ただし、式中、Lqはモータ1の電機子巻線のq軸自己インダクタンスであり、予め測定済みの定数である。
d軸電圧推定部51cは、d軸電流Idに電機子巻線抵抗(モータ抵抗)Rを乗じる乗算器61aと、d軸電流Id(モータ抵抗Rを乗じた値)に対して位相進み演算を行う位相進み演算部61bと、位相進み演算後のd軸電流Id(モータ抵抗Rを乗じた値)に対して平滑化処理を施すローパスフィルタ61cとを含む。この構成により、d軸電圧推定部51cは、d軸電圧指令値Vd *によってモータ1を駆動するときのモータ電圧(d軸電圧)を推定して、d軸推定電圧VE dを生成する。すなわち、モータ電流が検出されてから、回転角速度ωが演算され、d軸PI演算値Vd0が演算され、さらにd軸PI演算値Vd0に対してd軸補正部51eによる補正が施されるまでの遅れ時間を考慮して、d軸電圧指令値Vd *によるモータ駆動が実際に行われるときのd軸推定電圧VE dが求められる。
位相進み演算部61bの伝達関数は、(Tmds+1)/(TL1s+1)と表され、ローパスフィルタ61cの伝達関数は、1/(TL2s+1)と表される。sはラプラス演算子である。Tmdはモータの時定数であり、d軸インダクタンスLdとモータ抵抗Rとによって、Tmd=Ld/Rと表される。TL1,TL2はローパスフィルタの時定数である。位相進み演算部61bの伝達関数の分子(Tmds+1)が位相進み要素である。位相進み演算部61bの一次遅れ要素1/(TL1s+1)は、位相進み演算部61bのゲインが無限大となることを抑制する。ローパスフィルタ61cは、位相進み演算部61bによる位相進み演算により生じるノイズを除去して平滑化するためのものである。
d軸補正値演算部51dは、d軸推定電圧VE dとd軸PI演算値Vd0との偏差ΔVd(=VE d−Vd0)を求める偏差演算部63aと、この偏差ΔVdにゲインK(ただし、0<K≦1)を乗じてd軸補正値Cd(=K・ΔVd)を求める乗算器63bとを有している。そして、乗算器63bが生成するd軸補正値Cdが、d軸補正部51eに与えられるようになっている。d軸補正値Cdは、モータ電流が検出されてからd軸電圧指令値Vd *による駆動が行われるまでの遅れ時間におけるd軸非干渉化制御量Ddのずれ量(誤差)に相当する。
d軸補正部51eは、d軸PI演算値Vd0にd軸非干渉化制御量Ddを加算する非干渉化制御補正部65aと、この非干渉化制御補正部65aの出力からd軸補正値Cd算する遅延補正部65bとを有している。この構成により、d軸PI演算値Vd0が、d軸非干渉化制御量Ddおよびd軸補正値Cdで補正され、d軸電圧指令値Vd *が求められる。むろん、d軸PI演算値Vd0に対して先にd軸補正値Cd の減算を行い、その結果に対してd軸非干渉化制御量Ddを加算してもよい。また、d軸非干渉化制御量Ddに対してd軸補正値Cd の減算を行い(すなわち、d軸非干渉化制御量Ddを補正し)、この結果(補正されたd軸非干渉化制御量Dd)をd軸PI演算値Vd0に加算してもよい。いずれの場合にも、d軸電圧指令値Vd *は、次式(2)で与えられる。
d *=Vd0+Dd d …(2)
このd軸電圧指令値Vd *は、非干渉化制御量Ddの演算遅れに起因するズレ量(誤差)を補正した値となる。
q軸電圧指令値演算部52は、q軸PI演算部52aと、q軸非干渉化制御量演算部52bと、q軸電圧推定部52cと、q軸補正値演算部52dと、q軸補正部52eとを有する。
q軸PI演算部52aは、q軸電流をフィードバック制御するものであり、q軸偏差δIqのPI演算によりq軸基本電圧指令値としてのq軸PI演算値Vq0を演算し、このq軸PI演算値Vq0をq軸補正部52eに出力する。このq軸補正部52eでq軸PI演算値Vq0を補正することによって、q軸電圧指令値Vq *が得られる。
q軸非干渉化制御量演算部52bは、dq軸電流演算部17により求められるd軸電流Idと、回転角速度演算部22によって求められる回転角速度ω(rad/sec)とに基づき、q軸非干渉化制御量Dqを求める。より具体的には、q軸非干渉化制御量演算部52bは、q軸非干渉化制御量Dqを次式(3)に従って演算する。
q=ωLdd+ωΦ …(3)
ただし、式中、Ldはモータ1の電機子巻線のd軸自己インダクタンスであり、予め測定済みの定数である。また、Φはロータの界磁のU,V,W相電機子巻線鎖交磁束数の最大値の(3/2)1/2倍である。
q軸電圧推定部52cは、q軸電流Iqに電機子巻線抵抗(モータ抵抗)Rを乗じる乗算器62aと、q軸電流Iq(モータ抵抗Rを乗じた値)に対して位相進み演算を行う位相進み演算部62bと、位相進み演算後のq軸電流Iq(モータ抵抗Rを乗じた値)に対して平滑化処理を施すローパスフィルタ62cとを含む。この構成により、q軸電圧推定部52cは、q軸電圧指令値Vq *によってモータ1を駆動するときのモータ電圧(q軸電圧)を推定して、q軸推定電圧VE qを生成する。すなわち、モータ電流が検出されてから、回転角速度ωが演算され、q軸PI演算値Vq0が演算され、さらにq軸PI演算値Vq0に対してq軸補正部52eによる補正が施されるまでの遅れ時間を考慮して、q軸電圧指令値Vq *によるモータ駆動が実際に行われるときのq軸推定電圧VE qが求められる。
位相進み演算部62bの伝達関数は、(Tmqs+1)/(TL1s+1)と表され、ローパスフィルタ62cの伝達関数は、1/(TL2s+1)と表される。sはラプラス演算子である。Tmqはモータの時定数であり、q軸インダクタンスLqとモータ抵抗Rとによって、Tmq=Lq/Rと表される。TL1,TL2はローパスフィルタの時定数である。位相進み演算部62bの伝達関数の分子(Tmqs+1)が位相進み要素である。位相進み演算部62bの一次遅れ要素1/(TL1s+1)は、位相進み演算部62bのゲインが無限大となることを抑制する。ローパスフィルタ62cは、位相進み演算部62bによる位相進み演算により生じるノイズを除去して平滑化するためのものである。
q軸補正値演算部52dは、q軸推定電圧VE qとq軸PI演算値Vq0との偏差ΔVq(=VE q−Vq0)を求める偏差演算部64aと、この偏差ΔVqにゲインK(ただし、0<K≦1)を乗じてq軸補正値Cq(=K・ΔVq)を求める乗算器64bとを有している。そして、乗算器64bが生成するq軸補正値Cqが、q軸補正部52eに与えられるようになっている。q軸補正値Cqは、モータ電流が検出されてからq軸電圧指令値Vq *による駆動が行われるまでの遅れ時間におけるq軸非干渉化制御量Dqのずれ量(誤差)に相当する。
q軸補正部52eは、q軸PI演算値Vq0にq軸非干渉化制御量Dqを加算する非干渉化制御補正部66aと、この非干渉化制御補正部66aの出力からq軸補正値Cq算する遅延補正部66bとを有している。この構成により、q軸PI演算値Vq0が、q軸非干渉化制御量Dqおよびq軸補正値Cqで補正され、q軸電圧指令値Vq *が求められる。むろん、q軸PI演算値Vq0に対して先にq軸補正値Cq の減算を行い、その結果に対してq軸非干渉化制御量Dqを加算してもよい。また、q軸非干渉化制御量Dqに対してq軸補正値Cq の減算を行い(すなわち、q軸非干渉化制御量Dqを補正し)、この結果(補正されたq軸非干渉化制御量Dq)をq軸PI演算値Vq0に加算してもよい。いずれの場合にも、q軸電圧指令値Vq *は、次式(4)で与えられる。
q *=Vq0+Dq q …(4)
このq軸電圧指令値Vq *は、非干渉化制御量Dqの演算遅れに起因するズレ量(誤差)を補正した値となる。
図3は、モータ制御装置10によるモータ1の制御手順を説明するためのフローチャートである。まず、マイクロコンピュータ12は、トルクセンサ7、車速センサ8、電流検出器11u,11v,11wおよびレゾルバ2による検出値を読み込む(ステップS1)。基本目標電流演算部15は、検出された操舵トルクおよび車速に基づき、目標電流I*を演算する(ステップS2)。dq軸目標電流演算部16は、その目標電流I*に対応するd軸目標電流Id *とq軸目標電流Iq *とを演算する(ステップS3)。dq軸電流演算部17は、検出された相電流Iu,Iv,Iwに対応するd軸電流Idおよびq軸電流Iqを演算する(ステップS4)。d軸目標電流Id *とd軸電流Idとから、d軸偏差演算部18dにおいて、d軸偏差δIdが演算され、q軸目標電流Iq *とq軸電流Iqとから、q軸偏差演算部18qにおいて、q軸偏差δIqが演算される(ステップS5)。また、回転角速度演算部22は、レゾルバ2によって検出されるロータ回転角に基づいて、回転角速度ωを演算する(ステップS6)。
次に、dq軸電圧指令値演算部19において、d軸電圧指令値Vd *とq軸電圧指令値Vq *とが演算される(ステップS7)。そして、電圧指令値座標変換部20において、d軸電圧指令値Vd *およびq軸電圧指令値Vq *に対応するU相電機子巻線、V相電機子巻線、W相電機子巻線への印加電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*が演算される(ステップS8)。これらの印加電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に対応するPWM制御信号がPWM制御部21から駆動回路13に与えられる。これより、モータ1が駆動される(ステップS9)。そして、制御を終了するか否かを例えばイグニッションスイッチのオン・オフにより判断し(ステップS10)、終了しない場合はステップS1に戻る。
図4は、d軸電圧指令値Vd *およびq軸電圧指令値Vq *の演算手順を示すフローチャートである。まず、d軸PI演算およびq軸PI演算によりd軸PI演算値Vd0およびq軸PI演算値Vq0がそれぞれ求められる(ステップS101)。回転角速度演算部22によって演算される回転角速度ωを用いて、d軸非干渉化制御量演算部51bにおいてd軸非干渉化制御量Ddが求められ、q軸非干渉化制御量演算部52bにおいてq軸非干渉化制御量Dqが求められる(ステップS102)。また、d軸電圧推定部51cによってd軸推定電圧VE dが求められ、q軸電圧推定部52cによってq軸推定電圧VE qが求められる(ステップS103)。
さらに、d軸補正値演算部51dにおいてd軸補正値Cdが求められ、q軸補正値演算部52dにおいてq軸補正値Cqが求められる(ステップS104)。
そして、d軸補正部51eにおいて、d軸PI演算値Vd0にd軸非干渉化制御量Ddおよびd軸補正値Cd による補正がされてd軸電圧指令値Vd *が求められる(ステップS105)。また、q軸補正部52eにおいて、q軸PI演算値Vq0にq軸非干渉化制御量Dqおよびq軸補正値Cq による補正がされてq軸電圧指令値Vq *が求められる(ステップS105)。こうして求められたd軸電圧指令値Vd *およびq軸電圧指令値Vq *が出力される。
以上のように、この実施形態によれば、非干渉化制御量Dd,Dqの演算等による遅れ時間の影響を推定電圧VE d,VE qに基づいて生成した補正値Cd,Cqによって補償するようにしている。これにより、非干渉化制御を良好に行うことができるので、電流波形を理想的な波形に近似させることができ、モータ1の応答性および追従性を向上することができる。電動パワーステアリング装置における操舵フィーリングを向上することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することも可能である。たとえば、前述の実施形態では、レゾルバ2でロータ回転角を検出しているが、いわゆるセンサレス制御によってロータ回転角を推定してもよい。そして、この推定されたロータ回転角に基づいて回転角速度ωを演算するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、電動パワーステアリング装置の駆動源としてのモータに本発明が適用された例について説明したが、この発明は、電動パワーステアリング装置以外の用途のモータの制御に対しても適用が可能である。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係るモータ制御装置を適用した電動パワーステアリング装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。 dq軸電圧指令値演算部の詳しい構成を説明するためのブロック図である。 モータ制御装置によるモータの制御手順を説明するためのフローチャートである。 d軸電圧指令値およびq軸電圧指令値の演算手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…モータ、2…レゾルバ、10…モータ制御装置、11…電流検出部、12…マイクロコンピュータ、51…d軸電圧指令値演算部、51c…d軸電圧推定部、51d…d軸補正値演算部、51e…d軸補正部、52…q軸電圧指令値演算部、52c…q軸電圧推定部、52d…q軸補正値演算部、52e…q軸補正部、61a…乗算器、61b…位相進み演算部、61c…ローパスフィルタ、62a…乗算器、62b…位相進み演算部、62c…ローパスフィルタ、63a…偏差演算部、63b…乗算器、64a…偏差演算部、64b…乗算器、65a…非干渉化制御補正部、65b…遅延補正部、66a…非干渉化制御補正部、66b…遅延補正部

Claims (3)

  1. モータに流れるモータ電流を検出するモータ電流検出手段と、
    目標電流値と前記モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流との偏差に基づいて基本電圧指令値を生成する基本電圧指令値生成手段と、
    前記モータの回転角速度を演算する回転角速度演算手段と、
    前記モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流および前記回転角速度演算手段によって演算される回転角速度に基づいて、前記モータの非干渉化制御のための非干渉化制御量を演算する非干渉化制御量演算手段と、
    前記モータ電流検出手段によって検出されるモータ電流に対して位相進み演算を行ってモータ電圧を推定するモータ電圧推定手段と、
    前記モータ電圧推定手段によって推定される推定モータ電圧と前記基本電圧指令値生成手段が生成する基本電圧指令値とに基づいて補正値を演算する補正値演算手段と、
    前記基本電圧指令値生成手段が生成する基本電圧指令値を前記非干渉化制御量および補正値によって補正して電圧指令値を求める補正手段と、
    この補正手段によって求められた電圧指令値を用いて前記モータを駆動する駆動手段とを含む、モータ制御装置。
  2. 前記モータ電圧推定手段が行う位相進み演算が、前記モータの時定数によって定義されるものである、請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記補正値演算手段は、前記推定モータ電圧と前記基本電圧指令値との偏差に対して1以下のゲインを乗じて前記補正値を求めるものである、請求項1または2記載のモータ制御装置。
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