JP5382306B2 - ポリマーで固定化されたコロイド結晶及びその製造方法 - Google Patents
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[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下であるコロイド粒子と、顔料及び染料からなる群から選択される少なくとも1種の着色材料とを含有しており、前記分散媒成分中に前記コロイド粒子が反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態に分散しており、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されている分散液を準備する工程と、
前記分散液中の前記分散媒成分を硬化させて、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を得る工程と、
を含むこと、
前記分散液を準備する工程が、超音波を印加することにより前記分散媒成分中に前記コロイド粒子を前記3次元規則配列状態となるように分散させる工程を含むこと、
前記親水性モノマーの含有比率が前記分散媒成分の総量に対して85質量%以上であること、
前記分散液中の前記コロイド粒子の含有比率が5〜50体積%であること、及び、
前記着色材料の含有比率が前記分散媒成分及び前記コロイド粒子の総量100質量部に対して0.01〜2質量部であること、
を特徴とする方法である。
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下であるコロイド粒子と、顔料及び染料からなる群から選択される少なくとも1種の着色材料とを含有しており、前記分散媒成分中に前記コロイド粒子が反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態に分散しており、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されている分散液を準備する工程(第一工程)と、
前記分散液中の前記分散媒成分を硬化させて、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を得る工程(第二工程)と、
を含むことを特徴とする方法である。
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下の粒子である。すなわち、前記粒子は、このような単分散度を有する粒径が極めて均一な粒子である。本発明においては、コロイド粒子に、このような均一性が極めて高い粒子を用いているため、分散媒成分中において前記粒子を分散させた際に、粒子間の相互作用により容易に3次元規則配列構造を形成させることが可能となる。また、このような粒子としては、単分散度がより小さな値となるほどより高い特性が得られる傾向にあることから、前記単分散度は5%以下であることがより好ましい。
先ず、ポリエチレングリコールジアクリレートモノマー(新中村科学製の商品名「NKエステルA−200」)とポリエチレングリコールモノアクリレートモノマー(新中村化学製の商品名「NKエステルAM−30G」)とを重量比(A−200:AM−30G)が8:2となるようにして混合し、分散媒成分を調製した。次に、前記分散媒成分中に、Stober法にて合成したシリカ粒子(平均粒子径200nm、単分散度:5%)を含有量が27体積%になるようにして添加した後、室温条件(25℃)下で超音波(45kHz)を3時間印加して分散させ、コロイド粒子(シリカ粒子)がモノマー中に均一分散した分散液前駆体を得た。なお、前記分散液前駆体においては、虹彩色が観察され、コロイド粒子が3次元規則配列状態に分散されていることが分かった。次いで、前記分散液前駆体に、黒色顔料として三菱化学製のカーボンブラック「MA600」を、前記分散液前駆体100質量部に対して0.1質量部添加し、再び室温条件下で超音波(45kHz)を30分印加して顔料を均一分散させて分散液を得た。なお、このようにして得られた分散液においても前記分散液前駆体と同様に虹彩色が観察された。前記分散液の反射スペクトルを図2に示す。
黒色顔料の代わりにチバ・ジャパン株式会社製のIRGAZIN DPP Rubine TR(赤色顔料)を用い、前記赤色顔料の添加量を前記分散液前駆体100質量部に対して0.05質量部とし、更にUV光の照射時間を1分間に変更した以外は実施例1と同様にして、ポリマーで固定化されたコロイド結晶のバルク体を得た。このようなコロイド結晶のバルク体の製造過程において調製された分散液の反射スペクトルを図4に示し、前記コロイド結晶のバルク体の反射スペクトルを図5に示す。なお、得られたコロイド結晶のバルク体を目視により観察したところ、蛍光灯の照明下における鏡面反射条件あるいはそれに近い照射条件ではコロイド結晶のBragg回折に基づく構造色が観測され、それ以外の照射条件下では顔料の光吸収に起因する赤色が観測された。
赤色顔料の代わりにクラリアントジャパン株式会社製のHOSTAPERM BLUE A4R(青色顔料)を用い、前記青色顔料の添加量を前記分散液前駆体100質量部に対して0.2質量部とした以外は、実施例2と同様にして、ポリマーで固定化されたコロイド結晶のバルク体を得た。このようなコロイド結晶のバルク体の製造過程において調製された分散液の反射スペクトルを図6に示し、前記コロイド結晶のバルク体の反射スペクトルを図7に示す。なお、得られたコロイド結晶のバルク体を目視により観察したところ、蛍光灯の照明下における鏡面反射条件あるいはそれに近い照射条件では、コロイド結晶のBragg回折に基づく構造色が観測され、それ以外の照射条件下では、顔料の光吸収に起因する青色が観測された。
赤色顔料の代わりにクラリアントジャパン株式会社製のHOSTAPERM VIOLET RL SP(紫色顔料)を用い、前記青色顔料の添加量を前記分散液前駆体100質量部に対して0.05重量部とした以外は、実施例2と同様にして、ポリマーで固定化されたコロイド結晶のバルク体を得た。このようなコロイド結晶のバルク体の製造過程において調製された分散液の反射スペクトルを図8に示し、前記コロイド結晶のバルク体の反射スペクトルを図9に示す。なお、得られたコロイド結晶のバルク体を目視により観察したところ、蛍光灯の照明下における鏡面反射条件あるいはそれに近い照射条件では、コロイド結晶のBragg回折に基づく構造色が観測され、それ以外の照射条件下では、顔料の光吸収に起因する紫色が観測された。
顔料を使用しなかった以外は実施例1と同様にしてポリマーで固定化されたコロイド結晶のバルク体を得た。このようなコロイド結晶のバルク体の製造過程において調製された分散液の反射スペクトルを図10に示し、前記コロイド結晶のバルク体の反射スペクトルを図11に示す。なお、得られたコロイド結晶のバルク体を目視により観察したところ、蛍光灯の照明下における鏡面反射条件あるいはそれに近い照射条件では、コロイド結晶のBragg回折に基づく構造色が観測され、それ以外の照射条件下では、白っぽく観察された。
〈反射スペクトルの測定〉
実施例1〜4及び比較例1で得られた分散液及びポリマーで固定化されたコロイド結晶の反射スペクトルは以下のようにして測定した。すなわち、測定装置として相馬光学製のマルチチャンネル分光器Fiberspec S−2650を用い、本装置内蔵のハロゲンランプを光源にして、同軸光ファイバにより拡散光を直径約15mmの領域でサンプルに垂直方向から照射し、垂直方向の反射光のスペクトルを測定した。なお、各コロイド結晶の反射スペクトルのグラフは、ガラス基板に蒸着したアルミニウム膜をリファレンスに用い、前記ガラス基板に蒸着したアルミニウム膜の反射スペクトルとの割り算により、反射率を求めて反射スペクトルの縦軸とした。
実施例1〜4及び比較例1で得られたポリマーで固定化されたコロイド結晶について、鏡面反射条件に近い条件と鏡面反射条件から著しくはずれた条件において「色」を定量的に測定した。このような測定には、測定装置として、x−rite社製のマルチアングル分光測色計MA68を用い、測定面に対して45°の角度で入射光L1を照射した場合における正反射光L2(測定面に対して45°の角度の反射光)を基準とした図1に示す角度の定義における測定角15°と75°における「色」をCIELAB方式で測定した。各測定角におけるL*a*b*の値をそれぞれ表1に示す。なお、L*は、色の明度を表し、上限が100で下限が0の値をとり、この値が大きいほど白く、小さいほど黒いことを表す。また、a*及びb*は色度を表す座標である。これらのうち、a*軸が直交する二つの座標軸のx軸に相当し、+側が赤、−側が緑を意味する。また、b*軸はy軸に相当し、+側が黄色、−側が青色を意味する。そして、このようなa*b*が表す座標の原点からの距離が、色の鮮やかさである彩度を表す。
Claims (4)
- ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールトリ(メタ)アクリレートからなる群から選択される少なくとも1種の親水性モノマーからなる分散媒成分と、平均粒径が0.05〜5μmであり且つ下記式(1):
[単分散度(単位:%)]=([粒径の標準偏差]/[平均粒径])×100 (1)
で表される単分散度が10%以下であるコロイド粒子と、顔料及び染料からなる群から選択される少なくとも1種の着色材料とを含有しており、前記分散媒成分中に前記コロイド粒子が反射スペクトルにおいて反射ピークを有する3次元規則配列状態に分散しており、前記3次元規則配列状態のコロイド結晶が形成されている分散液を準備する工程と、
前記分散液中の前記分散媒成分を硬化させて、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を得る工程と、
を含むこと、
前記分散液を準備する工程が、超音波を印加することにより前記分散媒成分中に前記コロイド粒子を前記3次元規則配列状態となるように分散させる工程を含むこと、
前記親水性モノマーの含有比率が前記分散媒成分の総量に対して85質量%以上であること、
前記分散液中の前記コロイド粒子の含有比率が5〜50体積%であること、及び、
前記着色材料の含有比率が前記分散媒成分及び前記コロイド粒子の総量100質量部に対して0.01〜2質量部であること、
を特徴とするポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。 - 前記着色材料が顔料であることを特徴とする請求項1に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。
- 前記コロイド粒子がシリカ、ポリスチレン又はポリメタクリル酸メチルからなる粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法。
- 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のポリマーで固定化されたコロイド結晶の製造方法により得られたものであることを特徴とするポリマーで固定化されたコロイド結晶。
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