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JP5362752B2 - ポリアミド酸組成物、ポリイミドおよびポリイミドフィルムならびにそれらの製造方法 - Google Patents

ポリアミド酸組成物、ポリイミドおよびポリイミドフィルムならびにそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特定のジアミン成分と、特定のテトラカルボン酸成分とを、特定の比率で用いたポリアミド酸組成物およびそれを硬化させて得られるポリイミドに関する。
芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンを縮重合し、硬化して得られるポリイミド組成物、その中でも特にポリイミドフィルムは、電気絶縁性や耐熱性などに優れているため、フレキシブルプリント基板(以下、FPCという)など電子基板材料の用途で多く利用されている。FPCは、ポリイミドフィルムと銅箔をエポキシ樹脂などの接着剤で張り合わせて銅張積層板(以下、CCLという)を作製し、その銅箔に回路を施すことで製造される。最近では電子機器の薄型化、小型化、微細化、実装化が進む中で、基板材料の高加工性、高精度化の要求が高まっており、ポリイミドフィルムの特性としても高弾性率、高寸法安定性、低熱膨張性、低吸水性などが求められている。そのようなポリイミドの特性向上の手段としては、ポリイミドモノマーの成分やその配列(ランダム、ブロックなど)を制御することがあり、現在までに種々の検討がなされている。
FPCはポリイミドフィルムと銅箔をエポキシ樹脂などの接着剤で張り合わせてCCLを作製し、その銅箔にエッチング加工により電子回路を施すことで製造される。さらに最近では、電子回路のファインピッチ化の要求から、ICチップ等をFPCに金バンプ等を介して直接実装するチップオンフィルム(以下、COFという)方式が多く用いられている。COF方式ではICチップを実装する際、高温で直接CCLに圧着するなど、高温での加工工程がある。高温域でのポリイミドフィルムの熱膨張率が銅箔と異なると、CCLにしわやカールなどが発生する問題が生じる。また、ポリイミドフィルムのTgが低いと、実装時にポリイミドフィルムが軟化し、回路およびICチップが沈み込む問題がある。そのため、ICチップ実装を伴うCOF用途においては、ポリイミドフィルムの特性として、高温域においても熱膨張率が銅箔と同等であること、高いTgを有し高温圧着時に軟化しないことが求められる。しかし、既存のポリイミドフィルムであるピロメリット酸二無水物(以下、ピロメリット酸またはその無水物をPMDAと略称することがある)と4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODAと略称することがある)や、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、当該カルボン酸またはその無水物をBPDAと略称することがある)とパラフェニレンジアミン(以下、PDAと略称することがある)との組合せからなる2成分系では、高温域における熱膨張率が銅箔よりも大きすぎたり小さすぎたりする問題がある。それらを組み合わせた3成分系や4成分系の多成分系では、モノマー比を調整することで熱膨張率をコントロールできるが、BPDA−ODAのような骨格が柔軟なブロックが存在するとポリイミドフィルムのTgが低下するという問題がある。
例えば、特許文献1では、ODA−BPDAのブロック共重合部分や、ODA−PMDAのブロック共重合部分を含むポリアミド酸組成物からエナメル線製造用のワニスを得たことが記載される。
特許文献2では、モノマー成分の組合せとして、PMDA、ODA、BPDAおよびPDAを混合して重合しポリアミド酸組成物を得て、ポリイミド膜を製造する方法が記載されている。
特許文献3には、ODA−PMDAのブロック共重合部分、ODA−ジメチルベンジジンのブロック共重合部分を含むポリアミド酸共重合体溶液からポリイミド共重合体膜を得ることが記載されている。
特許文献4では、PDA−BPDAのポリアミド酸と、ODA−PMDAのポリアミド酸の混合物を得て、加熱して、ポリイミドを製造する旨が記載される。
特許文献5には、PDA−PMDAのブロック共重合部分を有するポリアミド酸、ODA―BPDAのブロック共重合部分を有するポリアミド酸、さらにこれらにPMDAを重合させたポリアミド酸組成物の記載がある。
特許文献6には、PDA−PMDAのブロック共重合部分を有するポリアミド酸、ODA−BPDAのブロック共重合部分を有するポリアミド酸組成物に、さらにPMDAを重合させたポリアミド酸混合物からポリイミドフイルムを得たことが記載されている。
特許文献1、2、3、5では、PDA−BPDAのブロック共重合部分を有するポリアミド酸は記載されていない。一方、PDA−PMDAのブロック共重合部分を有するポリアミド酸を有する組成物では、得られるポリアミドのTgが低下して耐熱性に劣る恐れがある。
特許文献2では、PDA、ODA、BPDA、PMDAを混合して、重合するので、耐熱性が低下し、分子量があまり高くならない問題がある。
特許文献4では、PDA−BPDAのポリアミド酸と、ODA−PMDAのポリアミド酸の混合物が記載され、共重合物の記載はない。また、モノマーの各成分は全てが等モルの場合の実施例のみが記載されていて、得られるポリイミドフィルムは表面に微細な凹状構造が形成されると記載され、耐熱性等の特性は不明である。PDA−BPDAのポリアミド酸とODA−PMDAのポリアミド酸は、室温では混ざるまで数日かかるので均一混合が難しく、混合できても、分子量が低下するという問題がある。
特許文献6では、PDA−BPDAのブロック共重合部分を有するポリアミド酸が得られているが、各成分の組成比と弾性率との関係において改善が望まれる。
特開昭59‐164328号公報 特開昭61‐111359号公報 特開昭63‐314242号公報 特開平6−313055号公報 特許3687044号公報 特開2007−162005号公報
本発明は、従来技術の問題点を改善でき、優れた特性を有するポリイミドフィルムが得られるポリアミド酸組成物を提供することを目的とする。本発明のポリアミド酸組成物を用いて得られるポリイミドフィルムは、高温域においても銅箔と同等の熱膨張特性をもち、耐熱性が高い。
上記課題を解決する手段として、本発明は、ODAとPMDAとからなるブロック成分と、PDAとBPDAとからなるブロック成分が一定の比率で共重合されたポリアミド酸組成物およびそれを硬化させて得られるポリイミドを開発した。
すなわち、本発明は以下を提供する。
(1)パラフェニレンジアミン:50mol%超〜90mol%以下および
4,4´−ジアミノジフェニルエーテル:50mol%未満〜10mol%以上からなるジアミン成分ならびに
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物:45〜87mol%および
ピロメリット酸二無水物:55〜13mol%からなるテトラカルボン酸成分からなるポリアミド酸組成物であって、
前記パラフェニレンジアミンと前記3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の共重合体からなるブロック成分と
前記4,4´−ジアミノジフェニルエーテルと前記ピロメリット酸二無水物の共重合体からなるブロック成分を含むことを特徴とするポリアミド酸組成物。
(2)上記(1)に記載のポリアミド酸組成物が硬化されてなるポリイミド。
(3)上記(2)に記載のポリイミドがフィルムであるポリイミド。
(4)400℃から50℃への降温過程における熱膨張率が−18〜−25ppm/℃、ガラス転移温度が350℃以上であり、引張弾性率が5.8GPa以下であることを特徴とする請求項3に記載のポリイミドフィルム。
(5)上記(1)に記載のポリアミド酸組成物の製造方法であって、
前記パラフェニレンジアミン100mol%に対して前記3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が90〜100mol%となる比率で、溶媒中で混合、反応させて、該パラフェニレンジアミンと該3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のブロック共重合部分を得た後、
前記4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを添加し、続いて前記ピロメリット酸二無水物を添加し、反応させて、該4,4´−ジアミノジフェニルエーテルと該ピロメリット酸二無水物のブロック共重合部分を得ることを特徴とするポリアミド酸組成物の製造方法。
(6)上記(5)で製造されたポリアミド酸組成物を硬化させて、ポリイミドを得るポリイミドの製造方法。
(7)上記(5)で製造されたポリアミド酸組成物を基板に塗布後、乾燥してゲルフィルムを製造後、前記ゲルフィルムを加熱してポリイミドフィルムを得ることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
本発明のポリアミド酸組成物は、従来技術の問題点を改善でき、優れた特性を有するポリイミドフィルムが得られるポリアミド酸組成物である。本発明のポリアミド酸組成物を用いて得られるポリイミドフィルムは、高温域においても銅箔と同等の熱膨張特性をもち、耐熱性が高い。好ましくは、弾性率が適切範囲であるという優れた特性を持つ。
上記課題を解決する手段として、ODAとPMDAとからなるブロック成分と、PDAとBPDAとからなるブロック成分が一定の比率で共重合されたポリアミド酸組成物およびそれを硬化させて得られるポリイミド組成物を開発した。
本発明は、パラフェニレンジアミン(PDA)と3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)の共重合体からなるブロック成分と4,4´−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とピロメリット酸二無水物(PMDA)の共重合体からなるブロック成分を含むポリアミド酸組成物である。成分比は、全芳香族ジアミン成分中PDAが50mol%超〜90mol%以上、ODAが50mol%未満、10mol%以上であり、かつ全芳香族テトラカルボン酸成分中PMDA13〜55mol%、BPDAが45〜87mol%である。
有機溶媒中の本発明のポリアミド酸組成物は部分的にイミド化されている部分があっても本発明の組成物に含まれる。
芳香族ジアミン成分において、PDAの割合が上記より少なく、ODAの割合が多くなりすぎると、得られるポリイミド組成物の弾性率が低下しすぎたり、熱膨張率が増大しすぎたりするので好ましくない。弾性率が、高すぎると製造工程や長時間の使用でポリイミドフィルムに破断や割れが生じやすくなり、特にCOF用途では使用上ある程度の柔軟性が求められる。また弾性率が、低すぎると製造工程や加工工程においてフィルムのハンドリングが悪くなる。
弾性率、熱膨張率がいずれも適切であるという理由で、好ましくは、PDAが51〜90mol%、ODAが10〜49mol%であり、より好ましくは、PDAが70〜90mol%、ODAが10〜30mol%である。
またPDAの割合が上記より多く、ODAの割合が少なくすぎると、得られるポリイミドの吸水率が増大したり、熱膨張率が低下しすぎたり、弾性率が高くなりすぎて成形性を損なうので好ましくない。
芳香族テトラカルボン酸成分において、BPDAの割合が上記の割合より少なく、PMDAが多くなりすぎると、得られるポリイミドの弾性率が低下したり、吸水率が増大するので好ましくなく、またBPDAの割合が上記の割合より多く、PMDAが少なくなりすぎると、得られるポリイミドの気体透過率が低下し、加熱硬化の際に、ポリアミド酸組成物の表面に気泡が発生したり、接着力が低下するので好ましくない。好ましくは、BPDAが50〜87モル%、PMDAが13〜50mol%未満である。
本発明のポリアミド酸組成物を硬化させて得られるポリイミドは、好ましくは、以下の特性を持つ。
400℃から50℃への降温過程における熱膨張率が−18〜−25ppm/℃、ガラス転移温度が350℃以上であり、引張弾性率が5.8GPa以下である。
より好ましくは、400℃から50℃への降温過程における熱膨張率が−18〜−24ppm/℃、ガラス転移温度が350℃〜400℃であり、引張弾性率が5〜5.8GPaである。
このポリイミドをフイルムに成形したポリイミドフイルムは、好ましくは、伸び率が50%以上である。より好ましくは伸び率50〜100%である。
ポリアミド酸組成物を形成するPMDAおよびBPDAは、これら以外の芳香族テトラカルボン酸成分を本発明の目的を阻害しない範囲で含むことができ、それらの具体例としては、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸およびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。ポリアミド酸組成物の製造にあたっては、これらの芳香族テトラカルボン酸の酸無水物を少量添加してもかまわない。
ポリアミド酸組成物を形成するパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、これら以外の芳香族ジアミン成分を本発明の目的を阻害しない範囲で含むことができ、それらの具体例としては、メタフェニレンジアミン、ベンチジン、パラキシリレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンチジン、1,4−ビス(3メチル−5アミノフェニル)ベンゼンおよびこれらのアミド形成性誘導体が挙げられる。ポリアミド酸組成物の製造にあたっては、これらの芳香族ジアミン類を少量添加してもかまわない。
本発明のポリアミド酸組成物の製造方法は、溶媒中で、PDAに対してBPDAが好ましくは、90〜100mol%となる比率で、混合、反応した後、ODAを添加し、続いてPMDAを全芳香族テトラカルボン酸類成分と全芳香族ジアミン成分とがほぼ等モルとなる量添加して、混合、反応することで得られる。
ポリアミック酸を構成する芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とは、それぞれのモル数が大略等しくなる割合で重合される。PDAに対してBPDAが90〜100mol%となる比率で用いると、重合度を制御できるという利点があるからである。より好ましくは、PDAに対してBPDAが95〜100mol%となる比率で用いる。
重合反応は、有機溶媒中で撹拌および/または混合しながら、0〜80℃の温度の範囲で、10分〜30時間進められるのが好ましく、上記の順序の範囲内であれば必要により重合反応を分割したり、温度を上下させたりしてもかまわない。重合反応中に真空脱泡することは、良質なポリアミド酸組成物の有機溶媒溶液を製造するのに有効な方法である。
上記製造方法で使用する溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcと略称することがある)、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドおよびジメチルスルホンなどが挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
上記製造方法で得られるポリアミド酸組成物は前記溶媒中に10〜30重量%の割合で調製するのが好ましい。
上記製造方法で得られる共重合ポリアミド酸組成物を環化させて共重合ポリイミドにする際、脱水剤と触媒を用いて脱水する化学閉環法、熱的に脱水する熱閉環法のいずれで行っても良いが、化学閉環法で行った方が、ポリイミドフィルムの強度が向上する、生産性が向上するなどの点で好ましい。化学閉環法で使用する脱水剤としては、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、フタル酸無水物等の芳香族酸無水物等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。また触媒としては、ピリジン、ピコリン、キノリン等の複素環式第3級アミン類、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、N,N−ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類等が挙げられ、これらを単独あるいは混合して使用するのが好ましい。
上記ポリイミドフィルムの製造方法において、フィルムの延伸操作を行う場合は、まず一連の反応で得られたポリアミド酸組成物を環化触媒および脱水剤を用いて化学環化するか、加熱処理による熱環化により得られたポリイミドのゲルフィルムの端部を固定して二軸延伸を行い、縦方向(MD)に対する横方向(TD)の延伸率の比(TD/MD)が0.95〜1.05になるよう調整するのが好ましい。このような二軸延伸操作を行うと、得られるポリイミドフィルムの機械特性向上、さらには等方性が向上する。
ポリイミドフィルムの機械特性においては、引張弾性率が5.8GPa以下、伸び率が50%以上に調整するのが好ましい。機械特性が上記範囲を外れると、製造工程や長時間の使用でポリイミドフィルムに破断や割れが生じやすくなる。またCOF用途ではポリイミドフィルムが硬くなりすぎて使用上取扱いにくくなる。
以下に、実施例および比較例を用いて本発明を具体例に説明する。本発明は以下の例に限定されない。
実施例、比較例の各特性は次の方法で評価した。
(1)熱膨張率(降温過程における熱膨張率)
機器:島津製作所製TMA−50
測定温度範囲:400℃〜50℃
昇温速度:−10℃/min
(2)引張弾性率および伸び率
JISK7113に準じて、以下の装置を以下の条件で用いて、応力−歪曲線を得て、初期の立ち上がり部の勾配から引張弾性率を求めた。
機器:島津製作所製AGS−J
引張速度:51mm/min
荷重範囲:400MPa
(3)ガラス転移温度
機器:TAインストルメント製DMAQ800
昇温速度:3℃/min
温度範囲:50〜450℃
周波数:1Hz
(実施例1)
500mlのセパラブルフラスコにDMAc255.0gを入れ、ここにPDAを10.95g(0.10モル)とBPDAを28.12g(0.096モル)を添加し、常温常圧中で1時間反応させた。次にODAを2.25g(0.011モル)添加し、均一になるまで撹拌した後、PMDAを3.68g(0.017モル)を添加し、1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。なお、このポリアミド酸溶液から15gを取り、アプリケーターを用いてガラス板に塗布し、100℃で20分間加熱乾燥したのち、ゲルフィルムをガラス板から剥離した。ゲルフィルム端部をピン止めし、MD方向およびTD方向に表1に示す延伸比で二軸延伸した。その後200℃で20分間、300℃で20分間、続いて400℃で20分間加熱乾燥した後、ピン止めを外し、厚さ約30μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの各特性の評価を行い、表1にその結果を示した。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分を表1に示すモル比、添加順、延伸比でそれぞれポリアミド酸を重合、ポリイミドフィルムを作製、各特性評価を行い、表1にその結果を示した。なお、各成分モル比は、全芳香族ジアミン成分中および全芳香族テトラカルボン酸成分中のモル比とする。
(比較例1〜3)
実施例1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分を表1に示すモル比、添加順、延伸比でそれぞれポリアミド酸組成物を重合、ポリイミドフィルムを作製、各特性評価を行い、表1にその結果を示した。なお、各成分モル比は、全芳香族ジアミン成分中および全芳香族テトラカルボン酸成分中のモル比とした。
(比較例4)
DMAc239.1gを用い、ここにPDA1.870g(0.0173モル)とPMDA3.659g(0.0168モル)を投入し、常温常圧中で1時間反応させた。次にここにODA25.398g(0.1268モル)を投入し均一になるまで撹拌した後、BPDA8.481g(0.0288モル)を添加し、1時間反応させた。続いてここにPMDA21.491g(0.0985モル)を添加してさらに1時間反応させポリアミド酸溶液を得た。尚この重合で各原料の添加モル比は、表2に示す割合で行い、このポリアミド酸溶液から厚さ約25μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムの各特性の評価を行い、表2に示した。
(比較例5)
実施例1と同様の原料で、ただし、PDA3.27g(30.2mmol)とN,N−ジメチルアセトアミド223.58gとを入れ、PMDA6.54g(30.0mmol)を数回に分けて投入し窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。次に、これにODA24.25g(121.1mmol)を入れ、30分攪拌した後、BPDA、1.34g(4.5mmol)を数回に分けて投入し、さらに30分攪拌した後、PMDA、24.51g(112.4mmol)を数回に分けて投入した。1時間撹拌した後、PMDAのN,N’−ジメチルアセトアミド溶液(6重量%)12.68gを30分かけて滴下し、さらに1時間撹拌した。得られたポリアミド酸組成物から、延伸を行わず実施例1と同様の方法を用いて、ポリイミドフィルム(平均膜厚30μm)を得た。
(比較例6)
比較例7と同様に、ただし表2に示すモノマーモル比でポリアミド酸組成物を重合した。得られたポリアミド酸組成物から、比較例7と同様にポリイミドフイルム(平均膜厚30μm)を得た。
得られたポリイミドフィルムについて、ヤング率、線膨張係数、およびガラス転移温度を測定した結果を表2に示した。
本発明のポリイミドフィルムは、COF用途に対して適切な弾性と柔軟性、高温域においても銅箔と同等の熱膨張性などの優れた物性を有し、さらに低いTgをもつBPDA−ODAブロック成分が少なく、350℃以上のTgを有するため、高温熱処理によるフィルムの軟化を軽減することができる。

Claims (7)

  1. パラフェニレンジアミン:50mol%超〜90mol%以下および
    4,4´−ジアミノジフェニルエーテル:50mol%未満〜10mol%以上からなるジアミン成分ならびに
    3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物:45〜87mol%および
    ピロメリット酸二無水物:55〜13mol%からなるテトラカルボン酸成分からなるポリアミド酸組成物であって、
    前記パラフェニレンジアミンと前記3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の共重合体からなるブロック成分と
    前記4,4´−ジアミノジフェニルエーテルと前記ピロメリット酸二無水物の共重合体からなるブロック成分とを含むことを特徴とするポリアミド酸組成物。
  2. 請求項1に記載のポリアミド酸組成物が硬化されてなるポリイミド。
  3. 請求項2に記載のポリイミドがフィルムであるポリイミド。
  4. 400℃から50℃への降温過程における熱膨張率が−18〜−25ppm/℃、
    ガラス転移温度が350℃以上であり、
    引張弾性率が5.8GPa以下である請求項2または3に記載のポリイミド。
  5. 請求項1に記載のポリアミド酸組成物の製造方法であって、
    前記パラフェニレンジアミン100mol%に対して前記3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が90〜100mol%となる比率で、溶媒中で混合、反応させて、該パラフェニレンジアミンと該3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物のブロック共重合部分を得た後、
    前記4,4´−ジアミノジフェニルエーテルを添加し、続いて前記ピロメリット酸二無水物を添加し、反応させて、該4,4´−ジアミノジフェニルエーテルと該ピロメリット酸二無水物のブロック共重合部分を得ることを特徴とするポリアミド酸組成物の製造方法。
  6. 請求項5で製造されたポリアミド酸組成物を硬化させて、ポリイミドを得ることを特徴とするポリイミドの製造方法。
  7. 請求項5で製造されたポリアミド酸組成物を基板に塗布後、乾燥してゲルフィルムを得た後、前記ゲルフィルムを加熱してポリイミドフィルムを得ることを特徴とするポリイミドフィルムの製造方法。
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