JP5349628B2 - インクジェット記録方法、及び、印刷物 - Google Patents
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Description
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の被記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
放射線の照射により硬化可能な従来のインクジェット記録用インク組成物として、特許文献1及び2に記載されたインク組成物が挙げられる。
また、インク組成物の吐出に用いられる従来のインクジェットヘッドとして、特許文献3に記載されたインクジェットヘッドが挙げられる。
本発明の目的は、光沢性が高く、画像筋ムラが目立たず、ノズル欠けによる白抜けがない優れた画像を得ることができる放射線硬化型インクジェット記録方法、及び、前記インクジェット記録方法により作成された印刷物を提供することである。
また、本発明において、前記画像形成工程における吐出周波数が8〜80kHzであることや、前記画像形成工程における画像形成が打滴体積の異なる複数の前記インク組成物を組み合わせて吐出するグレースケール印刷であり、前記打滴体積を3段階〜8段階に可変させること、前記画像形成工程における画像形成がインクジェットヘッドを双方向に操作するシャトルスキャン方式で行われることも好ましい実施態様である。
また、本発明において、前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、ダイアモンド状炭素、金属、半金属酸化物、金属酸化物、半金属窒化物、及び金属窒化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備えることや、前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金、鉄、ステンレス、チタン、タンタル、プラチナ、ロジウム、ニッケル、クロム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、及び窒化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備えること、前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金、ステンレス、及び酸化ケイ素よりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備えること、前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金及び酸化ケイ素よりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備えること、及び、前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金により形成された層を備えることも好ましい実施態様である。
本発明には、上記に記載のインクジェット記録方法により記録された印刷物も包含される。
なお、明細書中、数値範囲を表す「X〜Y」の記載は「X以上Y以下」と同義である。また、前記「(成分A−1)式(1)の化合物」等を単に「成分A−1」等ともいう。以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明に使用されるインク組成物(以下、「本発明のインク組成物」ともいう。)について詳述する。
本発明のインクジェットインク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、(成分A−1)式(1)で表される化合物、及び、(成分B)重合開始剤を含有し、25℃における表面張力が、34.0〜39.0mN/mであることを特徴とする。
また、放射線硬化型のインク組成物は、インク組成物を被記録媒体上に吐出後硬化させるため、高揮発性溶媒を含まず、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に高揮発性溶剤が残留すると、インク硬化膜の耐溶剤性が劣化したり、残留する高揮発性溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。
一方、本発明のインク組成物は、筋ムラが目立たず、光沢性に優れた印刷物を得ることができる。理由は定かではないが、吐出された成分A−1を含むインク組成物が、着弾直後の活性放射線照射によって、打滴されたインク組成物の内部から硬化するためであると推定される。
特に、同一部分を重ね打ちにより印刷するマルチパスモードでの印刷では、重ね打ちの際に先に打滴されたインク組成物上に、後に打滴されたインク組成物が重なるケースが発生する。この際、先に打滴されたインク組成物の最表面が液状であると、後に打滴されたインク組成物の濡れ広がりが大きくなり、より高い光沢度が得られる。
本発明によれば、成分A−1を組み合わせて用いるため、打滴されたインク組成物の内部の硬化性を強く促進しつつ、インク組成物の最表面のみが選択的に長時間液状に保たれることとなり、光沢性が高く、筋ムラの目立たない画像が得られたものと推定される。
以下、本発明のインク組成物の各成分及び物性値等について、説明する。
本発明のインク組成物において、25℃における表面張力は、34.0〜39.0mN/mであり、35.0〜38.5mN/mであることが好ましく、35.5〜38.0mN/mであることがより好ましい。25℃における表面張力が39.0mN/mを超えると、光沢性に優れた画像が得られない場合がある。また34.0mN/m未満であると、ノズル欠けによる白抜けが起こる場合がある。25℃における表面張力が、34.0〜39.0mN/mであれば、光沢性に優れ、白抜けのない印刷物が得られる。また、良好な連続吐出安定性が得られる。
インク組成物の表面張力の測定方法としては、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定する方法が例示できる。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力が34.0〜39.0mN/mの範囲となるためには、本発明のインク組成物が、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.01質量%未満であることが好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、0.005質量%以下であることがより好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないことが特に好ましい。上記範囲であると、光沢性に優れる画像が得られる。特にマルチパス描画の際、先に描画されたインク組成物(ドット)上に重ね打ちされたインク組成物(ドット)の濡れ広がりが促進されるものと推定される。
本発明のインク組成物は、(成分A−1)式(1)で表される化合物を含有する。
式(1)のXにおける二価の連結基としては、本発明の効果を大きく損なうものでない限り特に制限はないが、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、二価の炭化水素基、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることがより好ましい。また、前記二価の連結基の炭素原子数は、1〜60であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。
式(1)におけるXとしては、単結合、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の二価の炭化水素基であることがより好ましく、炭素原子数1〜8の二価の炭化水素基であることが更に好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分B)重合開始剤を含有する。
重合開始剤は、前記活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく挙げられ、光ラジカル重合開始剤がより好ましく挙げられ、具体的にはアシルフォスフィン化合物、芳香族ケトン類(IRGACURE184等)、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、及び、炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
上記重合開始剤の詳細については、当業者に公知であり、例えば、特開2009−185186号公報の段落0090〜0116に記載されている。
重合開始剤として、ビスアシルフォスフィンオキサイド化合物、チオキサントン化合物、チオクロマノン化合物、及びα−アミノアルキルケトン類を少なくとも1種含有することが好ましい。
以下、成分B−1〜成分B−3について説明する。
本発明のインク組成物は、好ましくは(成分B−1)α−アミノアルキルケトン化合物を含有する。成分B−1は、式(b−1−1)で表されるα−アミノアルキルフェノン化合物であることが好ましい。
R1、R2は、式(b−1−1)におけるR1、R2と同義であり、R4及びR5は、式(b−1−2)におけるR4及びR5と同義である。
R4及びR5が互いに結合して複素環基を形成する場合、特に制限はなく適宜選択することができるが、例えば、モルホリノ基が好ましい。
本発明のインク組成物は、好ましくは(成分B−2)アシルフォスフィン化合物を含有する。
(成分B−2)アシルフォスフィン化合物としては、特開2009−096985号公報の段落0080〜0098に記載のアシルフォスフィンオキサイド化合物が好ましく挙げられ、中でも、化合物の構造中に式(b−2−1)で表されるモノアシルフォスフィンオキサイド、又は式(b−2−2)で表されるビスアシルフォスフィンオキサイド構造を有するものが好ましく、本発明の重合開始剤としては、ビスアシルフォスフィンオキサイド化合物がより好ましい。
中でも、式(b−2−3)で表されるモノアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(DAROCUR TPO:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、LUCIRIN TPO:BASF社製)が好ましい。
中でも、式(b−2−4)で表されるビスアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)がより好ましい。
本発明のインク組成物は、好ましくは(成分B−3)チオキサントン化合物及び/又はチオクロマノン化合物を含有する。
チオキサントン化合物は、式(b−3−1)で表される化合物であることが好ましい。
R1〜R8は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基が挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
これらの中でも、入手容易性及び硬化性の観点から、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンがより好ましく、例えば、SPEEDCURE ITX(LAMBSON社製)が挙げられる。
チオクロマノン化合物としては、式(b−3−2)で表される化合物であることが好ましい。
R1、R2、R3及びR4は、それぞれ隣接する2つが互いに連結、例えば、縮合して環を形成していてもよい。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、式(b−3−1)で前述したものが挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
また、チオクロマノン化合物は、チオクロマノンの環構造上に少なくとも1つの置換基(アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基等)を有する化合物であることが好ましい。上記置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基及びアシルオキシ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基及びハロゲン原子がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基及びハロゲン原子が更に好ましい。
また、チオクロマノン化合物は、芳香環上、及び、複素環上のそれぞれに、少なくとも1つの置換基を有する化合物であることがより好ましい。
本発明のインク組成物中におけるチオキサントン化合物の含有量は、0.05〜8質量%が好ましく、0.5〜6質量%がより好ましく、1〜4質量%が更に好ましい。
本発明のインク組成物中におけるチオクロマノン化合物の含有量は、0.05〜10質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1〜8質量%が更に好ましい。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)等が挙げられる。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、硬化性の観点から、{(成分B−1と成分B−2との総質量):(成分B−3の総質量)}が、20:1〜1:1であることが好ましく、20:1〜1.5:1であることがより好ましく、15:1〜1.5:1であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分A−2)N−ビニルラクタム類を更に含有することが好ましい。
成分A−2としては、式(A−2)で表される化合物が好ましい。
成分A−2の複素環上のメチレン基の水素原子が他の置換基で置換されていてもよい。 成分A−2は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物は、(成分A−3)炭素数5〜10の炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートを含有してもよい。 成分A−3における炭素数5〜10の炭化水素ジオールは、直鎖炭化水素ジオールであっても、分岐構造を有する炭化水素ジオールであっても、環構造を有する炭化水素ジオールであってもよいが、直鎖炭化水素ジオール又は分岐構造を有する炭化水素ジオールであることが好ましく、分岐構造を有する炭化水素ジオールであることがより好ましい。
また、成分A−3における炭化水素ジオールの炭素数は、5〜10であり、5〜9であることが好ましく、5又は6であることがより好ましく、6であることが特に好ましい。 また、成分A−3としては、炭素数5〜9の炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数5又は6の炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートがより好ましく、炭素数5又は6で分岐構造を有する炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートが更に好ましく、炭素数6で分岐構造を有する炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
なお、本発明においては、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
成分A−3は、アクリレート化合物であっても、メタクリレート化合物であってもよいが、アクリレート化合物であることが好ましい。
これらの中でも、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートがより好ましく、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが更に好ましく、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、成分A−1〜A−3以外の、他の重合性化合物を含有していてもよい。
他の重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
他の重合性化合物としては、公知の重合性化合物を用いることができ、成分A−1〜A−3以外の(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
他の重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アクリレート化合物であることがより好ましい。
他の重合性化合物の具体例としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、及び、イソボルニルアクリレート等が好ましく挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、その他の重合性化合物として、多官能重合性化合物を含有することが好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。
芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物が有していてもよい芳香環構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、インデン、フルオレン、1H−フェナレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、ナフタセン、テトラフェン、ビフェニル、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、クリセン、プレイアデン、フラン、チオフェン、ピロリン、ピラゾリン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソチアゾリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール及びテトラゾールよりなる群から選ばれた環構造が好ましく例示できる。
これらの中でも、芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが特に好ましく例示できる。
他の重合性化合物として具体的には、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。
他の重合性化合物の分子量は、80〜2,000であることが好ましく、80〜1,000であることがより好ましく、80〜800であることが更に好ましい。
好適に用いられる単官能ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。
好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物が例示できる。
特にエチレングリコール鎖を有する2官能ビニルエーテル化合物が好ましく、この場合、硬化膜の柔軟性、画像の光沢性に優れる。ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテルが好ましく例示でき、トリエチレングリコールジビニルエーテルがより好ましく例示できる。
該単官能(メタ)アクリレート化合物は、炭素数8〜13の鎖状炭化水素モノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、炭素数10〜13の鎖状炭化水素モノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることがより好ましい。
該単官能(メタ)アクリレート化合物は、アクリレート化合物であっても、メタクリレート化合物であってもよいが、アクリレート化合物であることが好ましい。
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
ただし、光沢性、筋ムラを抑制する観点から、前述したように、本発明のインク組成物は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.01質量%未満であることが好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、0.005質量%以下であることがより好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないことが特に好ましい。
なお、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤も、含有しないか、又は、その含有量が、インク組成物の全質量に対し、0.01質量%未満であることが好ましく、含有しないか、又は、その含有量が、0.005質量%以下であることがより好ましく、含有しないことが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、オリゴマーを含有することができる。
オリゴマーは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体であり、オリゴマーと称される公知の化合物を任意に選択可能であるが、本発明においては、重量平均分子量が400〜10,000(より好ましくは500〜5,000)の重合体を選択することが好ましい。
前記オリゴマーは、ラジカル重合性基を有していてもよい。前記ラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、基材の密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
オリゴマーについて、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、又は、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−4HA、U−6HA、U−15HA、U−108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
本発明のインク組成物におけるオリゴマーの含有量としては、インク組成物の全質量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。
本発明のインク組成物は、形成された画像部の視認性を向上させるため、好ましくは着色剤を含有する。着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、42、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、120、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26、白色顔料としては、Pigment White 6、18、21などが目的に応じて使用できる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては疎水性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、201、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット
33;C.I.ディスパーズブルー 56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、最も粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、必要に応じて、前記各成分以外に、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を含んでいてもよい。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、本発明のインク組成物の全質量に対し、200〜20,000ppmであることが好ましい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、又は、クペロンAl等が挙げられる。
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体(支持体)を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。更にインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、(成分A−1)式(1)で表される化合物、及び、(成分B)重合開始剤を含有し、25℃における表面張力が34.0〜39.0mN/mであるインク組成物を、インク吐出側の面が親インク処理されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドから、被記録媒体上に吐出し画像を形成する画像形成工程、並びに、吐出された前記インク組成物に活性放射線を照射して硬化させる硬化工程、を含むことを特徴とする。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録される。
まず、インク吐出側の面が親インク処理されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドから、インク組成物を被記録媒体上に吐出し画像を形成する画像形成工程について説明する。
本発明における被記録媒体としては、非吸収性被記録媒体が好ましく、中でもプラスチックフィルム、紙がより好ましい。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。
ノズルプレートを有するインクジェットヘッドとしては、公知のものを用いることができ、限定されないが、例えば米国特許第7,011,396号明細書、米国特許出願公開第2009/0290000号明細書等に記載されたインクジェットヘッドを好ましく用いることができる。
インク吐出側の面が親インク処理されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドとしては、例えばFUJIFILM Dimatix社製のピエゾ駆動方式によるオンデマンド・インクジェットヘッドが挙げられる。その具体例として、S−class、Q−class Sapphireが挙げられる。
ノズルの形状は、図1に示すように、吐出口102がノズルプレート100のインク吐出側の面から突出していないものが好ましく、板状の部材に貫通孔を設けることにより形成されたノズルがより好ましい。ノズルの開口部の形状としては、角丸多角形、円形、楕円形、矩形、多角形等が挙げられ、中でも角丸多角形、円形、多角形が好ましい。また、ノズルとなる貫通孔の断面形状は、図1に示すように、インク吐出口に向かって狭まるテーパー状のものが好ましい。
ここで、親インク処理されたノズルプレートの表面における接触角は、90°以下であることが好ましく、85°以下がより好ましく、80°以下が更に好ましい。上記の数値の範囲内であると、吐出が安定性するため好ましい。
ノズルプレートの表面における接触角は、基板ガラスをノズルプレートに変更し、純水を本発明におけるインク組成物に変更する以外は、「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」(JIS R3257)に規定された方法に従って測定される。
具体的には、前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、ダイアモンド状炭素、金属、半金属酸化物、金属酸化物、半金属窒化物、及び金属窒化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成される層を備えることが好ましい。ここでいう半金属には、ケイ素、ゲルマニウム、ビスマス、ヒ素、アンチモン、ビスマス等が含まれ、中でもケイ素が好ましい。金属としては、金、鉄、チタン、タンタル、プラチナ、ロジウム、ニッケル、クロム等が好ましく、金、鉄がより好ましい。半金属酸化物としては、酸化ケイ素が好ましい。金属酸化物としては、酸化アルミニウムが好ましい。半金属窒化物としては、窒化ケイ素が好ましい。金属窒化物としては、窒化アルミニウムが好ましい。
本発明においては、金、鉄、ステンレス、チタン、タンタル、プラチナ、ロジウム、ニッケル、クロム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、及び窒化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、金、ステンレス及び酸化ケイ素よりなる群から選ばれた少なくとも1種がより好ましく、金及び酸化ケイ素よりなる群から選ばれた少なくとも1種が更に好ましく、金より形成される層を備えることが最も好ましい。
図1に示すように、酸化ケイ素膜101は、ノズルプレート100全体に熱酸化により形成される。酸化ケイ素膜101は、少なくともインク吐出側の面に形成されていればよく、吐出口102の周辺、インク吐出側の面103、吐出口102の内壁の少なくとも一部に形成されていることが好ましい。
図2に示すように、ノズルのエッジ104に丸みを帯びさせる場合には、酸化ケイ素膜101を、例えばフッ化水素酸により除去することもできる。ノズルのエッジに丸みを帯びさせることにより、吐出が安定化するため好ましい。この場合、酸化ケイ素膜を除去した後に再びノズルプレートを熱酸化することで、酸化ケイ素膜が再び形成される。また、鋭角なエッジ部を丸くするために、シリコン製のノズルプレートをエッチング液(例えば水酸化カリウム(KOH)水溶液)に任意の時間で浸漬させてもよい。
酸化ケイ素膜101は、ノズルプレート100の表面を800〜1,200℃の温度で加熱処理することによって形成される。
図3は、酸化ケイ素膜を一度除去した後、保護層105がノズルプレート表面に形成された例を示す。メンテナンス時又はインクジェット記録装置の作動時における損傷を防止する観点から、保護層105は、シリコン等の半導体層よりも耐久性が高く強度が高いものが好ましい。
保護層としては、無機物、非金属物質が挙げられ、酸化物、ダイアモンド状炭素、窒化物(窒化ケイ素、窒化アルミニウム)等が挙げられる。
窒化物は酸化物よりも耐久性に優れるため、より薄く形成することが可能である。具体的には、窒化物の厚みは、0.5μm以下が好ましく、0.05〜0.2μmがより好ましい。
必要に応じて、窒化ケイ素は低温(例えば350〜1,000℃)で形成してもよい。例えば、ノズルプレートが熱感応性の部品、例えばキュリー温度以上で加熱すると物性が変化する圧電性のアクチュエーターに接続されている場合には、低温で形成することが必要となる。
保護層105の厚みは10nm以上が好ましく、10nm〜20μmがより好ましい。
前記(2)における保護層105は金属層であってもよい。金属層は、半導体物質(シリコン等)と比べて耐久性が高い点で好ましい。金属層に用いられる金属としては、例えば、チタン、タンタル、プラチナ、ロジウム、金、ニッケル、クロム及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは金属層は、インク吐出側の面に形成される。
また、インクジェットヘッドは、好ましくは300×300〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpiの解像度で吐出できるよう駆動する。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
本発明のインク組成物は、硬化感度が高く、短時間で硬化させることができるため、200ng・kHz以上の生産性を有する画像形成装置を用いたとしても、画質を低下させることなく画像を形成することが可能である。生産性は、200〜800ng・kHzがより好ましく、300〜600ng・kHzが更に好ましい。
なお、吐出周波数は、0.5〜80kHzが好ましく、1〜80kHzがより好ましく、8〜80kHzが更に好ましく、15〜80kHzがより更に好ましい。特に、15〜60kHzが好ましく、15〜50kHzがより好ましい。
1つのノズルプレートに形成されるノズル数は、10〜500個が好ましく、50〜400個がより好ましく、100〜300個が更に好ましい。
また、吐出されるインク組成物の体積に応じて、周波数を調整することが好ましい。
具体的には、インク組成物の体積が7pLを超え、20pL以下の場合には、周波数は25kHz以上、80kHz未満が好ましい。
インク組成物の体積が20pLを超え、40pL以下の場合には、周波数は15kHz以上、40kHz未満が好ましい。
インク組成物の体積が40pLを超え、70pL以下の場合には、周波数は10kHz以上、25kHz未満が好ましい。
インク組成物の体積が70pLを超え、100pL以下の場合には、周波数は8kHz以上、15kHz未満が好ましい。
生産性、及び、解像度のバランスの取れた印刷物を得るには、打滴サイズが7pL以上40pL以下であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、インクの吐出を4〜8回繰り返すことにより、画像形成を行うことが好ましい。
次に、(b)工程について説明する。
支持体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、LEDとして、米国特許番号第6,084,250号明細書に開示されている、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDが例示できる。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、インク組成物を吐出した後0.01〜10秒の間に、2,000mW/cm2以下の露光面照度で活性放射線を照射し、前記インク組成物を硬化させることが好ましい。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトルスキャン方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、支持体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な支持体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法又はコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、支持体表面に画像を形成することができる。
また、本発明のインクセットは、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
本発明のインク組成物を使用してフルカラー画像を得るためには、インクセットとして、少なくともイエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックよりなる4色の濃色インク組成物を組み合わせたインクセットであることが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトよりなる5色の濃色インク組成物を組み合わせたインクセットであることがより好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、及び、ホワイトよりなる5色の濃色インク組成物と、ライトシアン、及び、ライトマゼンタよりなる2色のインク組成物とを組み合わせたインクセットであることが更に好ましい。
なお、本発明における「濃色インク組成物」とは、着色剤の含有量がインク組成物全体の1質量%を超えているインク組成物を意味する。前記着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤を用いることができ、顔料又は分散染料が例示できる。
本発明のインクセットが、少なくとも1つの濃色インク組成物、及び、少なくとも1つの淡色インク組成物を含んでおり、濃色インク組成物と淡色インク組成物とが同系色の着色剤を用いている場合、濃色インク組成物と淡色インク組成物との着色剤濃度の比が、濃色インク組成物:淡色インク組成物=15:1〜4:1であることが好ましく、12:1〜4:1であることがより好ましく、10:1〜4.5:1であることが更に好ましい。上記範囲であると、粒状感の少ない、鮮やかなフルカラー画像が得られる。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
・IRGALITTE BLUE GLVO(シアン顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・NOVOPERM YELLOW 4G01(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・タイペークCR60−2(ホワイト顔料、石原産業(株)製)
・SOLSPERSE32000(Noveon社製分散剤)
・SOLSPERSE41000(Noveon社製分散剤)
・V−CAP(N−ビニルカプロラクタム、ISP社製)
・SR9003(プロピレングリコール変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製)
・SR506(イソボロニルアクリレート、Sartomer社製)
・SR531(サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート、Sartomer社製)
・SR339(フェノキシエチルアクリレート、Sartomer社製)
・HPPA: KAYARAD R128H(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、日本化薬(株)製)
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アルミニウム塩(10質量%)とフェノキシエチルアクリレート(90質量%)との混合物、Chem First社製)
・LUCIRIN TPO(光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製)
・IRGACURE819(光重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・IRGACURE184(光重合開始剤、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバガイギー社製)
・SpeedcureITX(光重合開始剤、イソプロピルチオキサントン、LAMBSON社製)
IRGALITTE BLUE GLVOを300質量部と、SR9003を600質量部と、SOLSPERSE32000を100質量部とを撹拌混合し、シアンミルベースAを得た。なお、シアンミルベースAの調製は各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散して行った。
CINQUASIA MAGENTA RT−355−Dを300質量部と、SR9003を600質量部と、SOLSPERSE32000を100質量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースBを得た。なお、マゼンタミルベースBの調製は各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散して行った。
NOVOPERM YELLOW 4G01を300質量部と、SR9003を600質量部と、SOLSPERSE32000を100質量部とを撹拌混合し、イエローミルベースCを得た。なお、イエローミルベースCの調製は各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散して行った。
SPECIAL BLACK 250を400質量部と、SR9003を500質量部と、SOLSPERSE32000を100質量部とを撹拌混合し、ブラックミルベースDを得た。なお、ブラックミルベースDの調製は各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで7時間分散して行った。
タイペークCR60−2を500質量部と、SR9003を440質量部と、SOLSPERSE41000を60質量部とを撹拌混合し、ホワイトミルベースEを得た。なお、ホワイトミルベースEの調製は各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散して行った。
IRGALITTE BLUE GLVOを300質量部と、SR531を600質量部と、SOLSPERSE32000を100質量部とを撹拌混合し、シアンミルベースFを得た。なお、シアンミルベースFの調製は各成分を分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散して行った。
表1〜表3に記載の成分を混合、撹拌することで、実施例1〜17及び比較例1〜4の各インク組成物を得た。
インク組成物の表面張力の測定は、表面張力計(協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定した。
ピエゾ型親インク処理されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドQ−class Sapphire QS−256/10(FUJIFILM DIMATIX製、ノズル数256個、液滴量10pL〜30pL、周波数15kHz〜50kHz、ノズルプレートのインク吐出側の面の親インク処理:酸化ケイ素)
各色用に2つずつ計8つ有するヘッド走査型のインクジェット記録実験装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、インクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温した。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、10〜30plのマルチサイズドット(10pL、20pL、30pLの3段階可変)で駆動し、インクジェットヘッドユニットは、支持体の搬送方向に対して垂直に両方向印刷するようシャトルスキャン駆動を行い、支持体は、シャトルスキャン方向に対して垂直に搬送し、それぞれ450×450dpiの解像度で印刷できるよう駆動した。紫外線ランプにはIntegration Technology社製SUB ZERO 085 H bulbランプユニットをヘッド走査ユニットの両端に設置した。インクジェットヘッドの中心間の距離は、8個とも、3.2cm間隔に配置し、ランプユニットの中心と最近接のインクジェットヘッドの中心との間の距離は、15cmに配置した。
両ランプとも、被記録媒体上にインク着弾から0.7秒以内に照射が始まるようランプ位置、主走査速度、及び、射出周波数を調整し、照射強度を750mW/cm2になるよう集光した。
画像は、単色のサイズ150cm×250cmのブロック画像を計10枚描画した。画像の余白部分にはノズルチェックパターンが描画されるように設定し、1パスごとに何本のノズルが欠けているかチェックできるようにした。
路面照度、積算露光量は、UV power Map (EIT instrumentation & Technology社製)を用い、いずれも、UVA、UVB及びUVC領域(波長240〜400nmの領域)の総和をそれぞれ路面照度、積算露光量とした。
インクジェットヘッドを、Spectra SE−128 AA (FUJIFILM DIMATIX製、ノズル数128個、液滴量30pL、40kHz、ノズルプレートのインク吐出側の面の親インク処理:ゴールド(金))に変更した以外は、インクジェット記録方法1と同様な方法でインクジェット記録を行った。
インクジェットヘッドを、Spectra GalaxyPH(FUJIFILM DIMATIX製、ノズル数256個、液滴量28pL、20kHz、ノズルプレートのインク吐出側の面の親インク処理:ステンレス)に変更した以外は、インクジェット記録方法1と同様な方法でインクジェット記録を行った。
上記インクジェット記録方法によって得られた画像を用い、JIS Z8741に基づき、Sheen Instruments社製光沢度計を用い、測定角60°で測定を行った。評価基準は、以下の通りである。
4:光沢度20以上
3:光沢度15以上20未満
2:光沢度10以上15未満
1:光沢度10未満
評価3以上は実用上許容できる。
上記インクジェット画像記録方法によって得られた画像の筋ムラを目視で評価した。評価基準は、以下の通りである。
4:画像から20cm離れた距離からでも筋ムラが認識できない。
3:画像から20cm離れた距離からでは筋ムラが認識できるが、1m離れた距離からは認識できない。
2:画像から1m離れた距離からでは筋ムラが認識できるが、2m離れた距離からは認識できない。
1:筋ムラが2m離れた位置からでも確認できる。
評価3以上は実用上許容できる。
計10枚描画されたサイズ150cm×250cmのブロック画像の各印刷物の総ノズル欠け数を平均し、以下の基準で評価した。
4:ノズル欠けが0〜2本
3:ノズル欠けが3〜5本
2:ノズル欠けが5〜10本
1:ノズル欠けが10本以上
評価3以上は実用上許容できる。
実施例1で使用したインク組成物を、親インク処理されていないノズルプレートを有するインクジェットヘッドCA4(東芝テック(株)製)を有するインクジェット記録装置を用いて、吐出液滴を42pL、周波数6.2kHzに固定し、被記録媒体への記録を行い、インク粘度が9cPとなるようヘッド温度を調整し、1時間連続印字したときの、ドット抜け及びインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、前記基準により評価した。その結果、ドット抜け、又は、インクの飛び散りが10本以上発生した。
101:酸化ケイ素膜
102:吐出口
103:インク吐出側の面
104:エッジ
105:保護層
106:ノズルプレート表面の金属層
107:ノズル内の金属層
Claims (13)
- (成分A−1)式(1)で表される化合物、及び、(成分B)重合開始剤を含有し、25℃における表面張力が34.0〜39.0mN/mであるインク組成物を、インク吐出側の面が親インク処理されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドから、被記録媒体上に吐出し画像を形成する画像形成工程、並びに、
吐出された前記インク組成物に活性放射線を照射して硬化させる硬化工程、
を含み、
前記画像形成工程におけるインク組成物の打滴体積が7pL以上100pL以下であり、
前記画像形成工程における画像形成が打滴体積の異なる複数の前記インク組成物を組み合わせて吐出するグレースケール印刷であり、前記打滴体積を3段階〜8段階に可変させることを特徴とする
インクジェット記録方法。
- 前記インク組成物が(成分A−2)N−ビニルラクタム類を更に含有する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インク組成物が(成分A−3)炭素数5〜10の炭化水素ジオールのジアクリレートを更に含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- シリコーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の総含有量が、インク組成物に対して0.005質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像形成工程におけるインク組成物の打滴体積が7pL以上40pL以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像形成工程における吐出周波数が8〜80kHzである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像形成工程における画像形成がインクジェットヘッドを双方向に操作するシャトルスキャン方式で行われる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、ダイアモンド状炭素、金属、半金属酸化物、金属酸化物、半金属窒化物、及び金属窒化物よりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金、鉄、ステンレス、チタン、タンタル、プラチナ、ロジウム、ニッケル、クロム、酸化ケイ素、窒化ケイ素、及び窒化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金、ステンレス、及び酸化ケイ素よりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金及び酸化ケイ素よりなる群から選ばれた少なくとも1種により形成された層を備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ノズルプレートが、インク吐出側の面の少なくとも一部に、金により形成された層を備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により記録された印刷物。
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