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JP5348369B2 - 水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などの被処理水の処理方法に関し、詳しくは、濁度が低い被処理水にも適用できる水処理方法に関する。
工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などの被処理水を処理する方法として、精密濾過膜(MF膜)、限外濾過膜(UF膜)、逆浸透膜(RO膜)等の膜に通水する膜分離処理する方法がある。工業用水、市水、井水などは、通常フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物や、界面活性剤等の合成化学物質など、膜を汚染する膜汚染物質を含むため、膜分離処理をすると、これらの膜汚染物質が膜表面に吸着して膜分離性能が劣化するという問題がある。
そこで、膜分離処理の前に、被処理水に無機凝集剤及びアニオン性等の高分子凝集剤を添加して膜汚染物質を凝結等する凝集処理をし、沈殿や加圧浮上などにより固液分離した後、上澄み、すなわち、膜汚染物質を除去した被処理水を膜分離処理する方法が行われている。しかしながら、高分子凝集剤を添加すると、水中に残留した高分子凝集剤が後段の膜に吸着して膜を汚染し、膜の分離性能を劣化させるという新たな問題が生じる。
このような問題を解決する方法として、被処理水に無機凝集剤と高分子凝集剤とを添加し、凝集反応後、固液分離する前に再び無機凝集剤を添加した後、固液分離する凝集分離方法がある(特許文献1参照)。しかしながら、この特許文献1の方法では、被処理水に無機凝集剤と高分子凝集剤とを添加した後に、再び無機凝集剤を添加する工程が必要であるため、より簡便な方法が求められている。
そこで、これらの問題を解決する方法として、本出願人は、被処理水に水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加して吸着処理し、該吸着処理した被処理水を分離膜により膜分離処理する方法を先に出願した(特願2007−284111号)。この方法によれば、被処理水に含まれる膜汚染物質の膜表面への吸着を低減し膜分離性能の劣化を低減することができる。
しかしながら、特願2007−284111号の方法では、被処理水の濁度が低い場合、すなわち被処理水の濁質(SS)の量が少ない場合には、濁質に吸着しない水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子が存在し、この水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子により、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加する反応槽(凝集槽)の壁面など系内が汚染され、清澄な処理水が継続して得られない場合があるという問題が生じる。なお、上述したような膜分離処理する場合に限らず、加圧浮上等のその他の固分離処理を行う場合においても、凝集層など系内が汚染するという問題が同様に存在する。
特開平11−77062号公報
本発明は上述した事情に鑑み、濁度が低い被処理水も処理することができる水処理方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討した結果、被処理水に凝集助剤を添加した後、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加し、その後固液分離処理する方法とすることにより、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、本発明の水処理方法は、被処理水に凝集助剤を添加する凝集助剤添加工程と、該凝集助剤添加工程の後、一級アミン、二級アミン、三級アミンおよびそれらの酸塩、四級アンモニウム基などの官能基を有するカチオン性モノマーと、架橋剤モノマーとの共重合体であり且つ膨潤していない時の粒子径に対して水中で10〜200倍の粒子径に膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加するポリマー粒子添加工程と、該ポリマー粒子添加工程の後被処理水を撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程の後被処理水を固液分離処理する固液分離処理工程を有することを特徴とする。
前記凝集助剤を添加する前の被処理水の濁度は5度未満であってもよい。
また、前記凝集助剤が無機凝集剤であることが好ましい。
被処理水に凝集助剤を添加した後、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加し、その後固液分離処理する方法とすることにより、濁度の低い被処理水であっても処理することができ、系内や膜を汚染せずに、清澄な処理水を得ることができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の水処理方法は、被処理水に凝集助剤を添加する凝集助剤添加工程と、該凝集助剤添加工程の後水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加するポリマー粒子添加工程と、該ポリマー粒子添加工程の後被処理水を撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程の後被処理水を固液分離処理する固液分離処理工程を有するものである。
まず、被処理水に凝集助剤を添加する(凝集助剤添加工程)。被処理水としては、例えば、濁質、フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物、又は、界面活性剤等の合成化学物質などを含む水、具体的には、工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などが挙げられる。なお、フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物、又は、界面活性剤等の合成化学物質などは、後段で膜分離処理を行う場合には膜を汚染する物質(膜汚染物質)となる。
そして、本発明においては、被処理水として濁度(濁質(SS)の量)が5度未満、例えば、0.1度以上5度未満の水を用いても、好適に処理することができる。濁度が5度未満を維持している被処理水も好適に処理して清澄な処理水を得ることができ、また、工業用水、河川水等のように通常は濁度が高い被処理水であっても、水質の変動などにより、濁度が5度未満になるものについても、好適に処理することができる。なお、本明細書において、濁度はカオリン標準液を用いた透過光測定方法により求めた値である。
凝集助剤としては、被処理水の濁度を増加させることができるものであれば特に限定はなく、例えば、ベントナイトやカオリン等の濁質となる成分や、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム塩、塩化第二鉄、硫酸第一鉄等の鉄塩等の無機凝集剤を挙げることができるが、特に無機凝集剤が好ましい。無機凝集剤は、凝集剤としての機能も発揮して、COD成分や濁質を被処理水から除去することができ、後段で添加する水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子の添加量を低減することもできるからである。また、複数種の凝集助剤を併用してもよい。
凝集助剤の添加量は特に制限はないが、凝集助剤を添加した後の被処理水の濁度が5度以上になるように添加することが好ましく、例えば、5度〜10度、好ましくは5度〜7度程度である。
凝集助剤添加工程の後、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加する(ポリマー粒子添加工程)。ここで、フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物、又は、界面活性剤等の合成化学物質などは、通常の高分子凝集剤や無機凝集剤では凝集が不完全となり被処理水から除去し難い。しかし、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子(以下「膨潤性ポリマー粒子」と記載する場合がある)を添加することにより、良好に凝集させることができる。
この被処理水に添加する粒子を構成する水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーは、例えば、一級アミン、二級アミン、三級アミンおよびそれらの酸塩、四級アンモニウム基などの官能基を有するカチオン性モノマーと、実質的に水に溶解しないようにするための架橋剤モノマーとの共重合体である。カチオン性モノマーの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの酸塩もしくはその4級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの酸塩もしくはその4級アンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。架橋剤モノマーとしては、メチレンビスアクリルアミドなどのジビニルモノマーが挙げられる。また、上記カチオン性モノマーと共重合可能なアニオン性またはノニオン性モノマーとの共重合体としてもよい。共重合させるアニオン性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびそれらのアルカリ金属塩等が挙げられるが、その含有量は、共重合体がカチオン性ポリマーとしての性質を損なわない程度に少量である必要がある。ノニオン性モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、Nイソプロピルアクリルアミド、Nメチル(NNジメチル)アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、メチルもしくはエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。各モノマーは1種でも複数種でもよい。なお、ジビニルモノマー等の架橋剤モノマー量は、全モノマーに対して0.0001〜0.1モル%必要であり、この量によって、膨潤性ポリマー粒子の膨潤度や水中での粒子径が調整できる。そして、膨潤性ポリマー粒子としては、例えば、アコジェルC(三井サイテック株式会社製)が市販されている。また、WA20(三菱化学社製)等のアニオン交換樹脂を、膨潤性ポリマー粒子として用いてもよい。また、膨潤性ポリマー粒子の平均粒子径は特に限定されないが、逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体中での平均粒子径、すなわち、水で膨潤していない状態の平均粒子径は100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜10μmである。これは、粒子が小さい程、被処理水中に含まれる濁質等の吸着効果が高くなるが、小さすぎると固液分離が困難になるためである。
上記水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を被処理水に添加する形態に特に限定はなく、例えば、粒子そのままでもよく、また、水中に分散した状態や、逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体の形態で添加してもよい。何れにしても、被処理水に膨潤性ポリマー粒子を添加することによって、被処理水が膨潤性ポリマー粒子と接触して、後段の撹拌工程を経て被処理水中に含まれる濁質等が膨潤性ポリマー粒子に吸着して凝集するようにすればよい。
また、2種以上の膨潤性ポリマー粒子を被処理水に添加してもよい。なお、膨潤性ポリマー粒子を構成するカチオン性ポリマーは水中で膨潤し実質的に水に溶解しないため、膨潤性ポリマー粒子も、通常の高分子凝集剤とは異なり、水中で膨潤し実質的に水に溶解しない。「実質的に水に溶解しない」とは、水溶性の程度が水中でカチオン性ポリマーからなる粒子として存在できる程度であればよく、具体的には、例えば、30℃での水への溶解性が0.1g/L以下程度であればよい。また、この粒子の水中での膨潤度は、水で膨潤していない時の粒子径に対して水中での粒子径は10〜200倍程度である。
ここで、逆相エマルション液体の形態としたカチオン性ポリマーからなる粒子について以下に詳細に説明するが、この形態に限定されるものではない。なお、特殊なものではなく、ごく一般的な逆相(W/O)エマルションポリマーである。
逆相エマルション液体は、上記カチオン性ポリマー、水、炭化水素液体及び界面活性剤を含有する。そして、各成分の質量比(%)は、カチオン性ポリマー:水:炭化水素液体:界面活性剤=20〜40:20〜40:20〜40:2〜20で、カチオン性ポリマーと水との合計質量が、カチオン性ポリマーと水と炭化水素液体と界面活性剤との全体質量に対して40〜60質量%とすることが好ましい。
炭化水素液体としては、イソヘキサンなどのイソパラフィン、n−ヘキサン、ケロシン、鉱物油などの脂肪族系の炭化水素液体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、界面活性剤としては、例えば、HLB(親水親油バランス)が7〜10で、炭素数10〜20の高級脂肪族アルコールのポリオキシエチレンエーテル、もしくは、炭素数10〜22の高級脂肪酸のポリオキシエチレンエステルが挙げられる。前者の例としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどのポリオキシエチレン(EO付加モル数=3〜10)エーテルが挙げられる。後者の例としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのポリオキシエチレン(EO付加モル数=3〜10)エステルが挙げられる。
なお、逆相エマルション液体は、カチオン性ポリマーの原料であるカチオン性モノマーや架橋剤モノマーと、水、炭化水素液体、界面活性剤を混合してモノマーを重合(乳化重合又は懸濁重合)することにより得られるが、これに限定されるものではなく、例えば、各種モノマーを溶液重合した後、ホモジナイザーなどで粉砕し、その後、界面活性剤などの分散剤と共に炭化水素液体に添加することによっても得られる。
膨潤性ポリマー粒子を被処理水に添加する際には、粒子の表面積が大きいことが好ましい。したがって、上記逆相エマルション液体やサスペンション状の分散液体の形態である粒子を、撹拌下の水に添加して粒子を膨潤させた状態にした後、被処理水に添加することが好ましい。
膨潤性ポリマー粒子を被処理水に添加する量に特に制限は無いが、被処理水中に含まれる濁質や膜汚染物質の総量に対して、1〜50質量%程度とすることが好ましい。
また、ポリマー粒子添加工程と同時又は後段に、被処理水に無機凝集剤を添加する工程を設けてもよい。濁質の凝集剤として、無機凝集剤を添加することにより、濁質が凝集しやすくなり、濁質除去効果が増大する。なお、ポリマー粒子添加工程と同時又は後段に、被処理水に無機凝集剤を添加する工程を設ける場合は、ポリマー粒子添加工程の前段に設けた凝集助剤添加工程において、凝集助剤として無機凝集剤ではない凝集助剤を添加することが好ましい。無機凝集剤は特に限定はなく、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム等のアルミニウム塩、塩化第二鉄、硫酸第一鉄等の鉄塩などが挙げられる。また、無機凝集剤の添加量にも特に限定はなく、処理する被処理水の性状に応じて調整すればよいが、被処理水に対して概ねアルミニウム又は鉄換算で0.5〜10mg/Lである。また、被処理水の性状にもよるが、無機凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を用いた場合、膨潤性ポリマー粒子及び無機凝集剤を添加した被処理水のpHを、pH5.0〜7.0程度とすると、凝集が最適となる。
このようなポリマー粒子添加工程の後、被処理水を撹拌する(撹拌工程)。これにより、濁質等を膨潤性ポリマー粒子に完全に吸着させて濁質等を凝集させる。ここで、ポリマー粒子添加工程の前段で凝集助剤添加工程を行わない場合には、被処理水の濁度が低い場合、膨潤性ポリマー粒子を添加する凝集槽の壁面や後段の固液分離処理工程での沈殿槽の壁面など系内に濁質に吸着しない膨潤性ポリマー粒子が付着して、系内を汚染し、また、濁質の凝集が不完全になる。濁質の凝集が不完全になると、清澄な処理水が得られなくなったり、後段の膜分離処理で膜を汚染してしまうという問題が生じる。濁質の凝集が不完全になる機構は明らかではないが、次のように推測される。凝集助剤添加工程を行わない場合、被処理水の濁度が低いと、濁質に吸着しない膨潤性ポリマー粒子が存在し、これが凝集槽や沈殿槽の壁面など系内に付着する。そして、膨潤性ポリマーが壁面等に付着すると、付着した膨潤性ポリマーにさらに膨潤性ポリマーが付着していき、濁質を吸着する膨潤性ポリマーが不足してしまい、濁質の凝集が不完全になる。
一方、本発明においては、ポリマー粒子添加工程の前段で凝集助剤添加工程を行うので、凝集槽の壁面等の汚染や、凝集不足を抑制することができる。
撹拌工程の後、被処理水を固液分離処理する(固液分離処理工程)。固液分離処理としては、撹拌工程で生成した濁質等の凝集物を被処理水から除去することができれば特に限定はないが、沈殿処理、砂ろ過処理、加圧浮上処理や、膜分離処理等が挙げられる。
沈殿処理や加圧浮上処理は、カセイソーダ、消石灰や硫酸などでpH調整を行い、最後に有機系高分子凝集剤にて懸濁物をフロック化することが好ましい。また必要に応じて有機凝結剤を併用することもできる。有機凝結剤は特に限定はなく、例えば、ポリエチレンイミン、エチレンジアミンエピクロルヒドリン重縮合物、ポリアルキレンポリアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドやジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの四級アンモニウム塩を構成モノマーとする重合体等、通常水処理で使用されるカチオン性有機系ポリマーが挙げられる。また、有機凝結剤の添加量にも特に限定はなく、被処理水の性状に応じて調整すればよいが、被処理水に対して概ね固形分で0.01〜10mg/Lである。そして、有機系高分子凝集剤も特に限定はなく、水処理で通常使用される高分子凝集剤を用いることができる。例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドの共重合物、及び、それらのアルカリ金属塩等のアニオン系の有機系高分子凝集剤、ポリ(メタ)アクリルアミド等のノニオン系の有機系高分子凝集剤、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートもしくはその4級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドもしくはその4級アンモニウム塩等のカチオン性モノマーからなるホモポリマー、及び、それらカチオン性モノマーと共重合可能なノニオン性モノマーとの共重合体等のカチオン系の有機系高分子凝集剤が挙げられる。また、有機系高分子凝集剤の添加量にも特に限定はなく、処理水の性状に応じて調整すればよいが、被処理水に対して概ね固形分で0.01〜10mg/Lである。
膜分離処理としては、精密濾過膜(MF膜)、限外濾過膜(UF膜)、ナノ濾過膜(NF膜)、又は、逆浸透膜(RO膜)等が挙げられる。ここで、例えば、固液分離処理として膜分離処理を行う場合、被処理水である工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などは、通常フミン酸・フルボ酸系有機物、藻類等が生産する糖などの生物代謝物や、界面活性剤等の合成化学物質などの膜汚染物質を含むため、膜分離処理をすると、膜汚染物質が膜表面に吸着して膜分離性能が劣化してしまうという問題がある。本発明においては、膜分離処理の前に、膨潤性ポリマー粒子を添加するため、該粒子に膜汚染物質が吸着して凝集した後に膜分離処理をすることになる。したがって、生物代謝物などの膜汚染物質の溶存有機物濃度が低い水を膜分離処理することができるので、膜汚染物質の膜への吸着を低減でき、膜の分離性能の劣化を抑制でき、継続して清澄な処理水を得ることができる。
これらの固液分離処理は、単独で一段以上用いてもよく、また、沈澱処理、砂ろ過処理や加圧浮上処理後に、膜分離処理を行うなど、各種の固液分離処理を組み合わせてもよい。
また、膜分離処理の後に、イオン交換処理等の脱イオン処理をさらに有していてもよい。これにより、純水や超純水を得ることができる。そして、脱炭酸処理や、活性炭処理等、被処理水の精製処理をさらに行ってもよい。
また、必要に応じて、凝結剤、殺菌剤、消臭剤、消泡剤、防食剤などを添加してもよい。さらに、必要に応じて、紫外線照射、オゾン処理、生物処理などを併用してもよい。
以上述べたように、本発明の水処理方法によれば、被処理水に凝集助剤を添加した後、水中で膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加した後固液分離処理することにより、濁度が低い被処理水も処理することができ、凝集槽の壁面等を汚染することなく、清澄な水を得ることができる。
この水処理方法を用いた水処理装置の一例を図1の概略系統図に示す。図1に示すように、水処理装置1は、被処理水(原水)を導入するポンプ等の被処理水導入手段10と、原水側から順に第1凝集槽11と第2凝集槽12とからなる凝集槽13と、凝集助剤が保持される凝集助剤槽14から第1凝集槽11に凝集助剤を導入するポンプ等からなる凝集助剤導入手段15と、膨潤性ポリマー粒子が保持される膨潤性ポリマー粒子槽16から第2凝集槽12に膨潤性ポリマー粒子を導入するポンプ等からなる膨潤性ポリマー粒子導入手段17と、凝集槽13で濁質を凝集させた被処理水を排出する排出手段18とを有する。また、凝集槽13には、第1凝集槽11内の被処理水を撹拌する撹拌機19と第2凝集槽12内の被処理水を撹拌する撹拌機20が設けられている。そして、凝集槽13の下流側には、加圧浮上装置21、砂ろ過装置22、及び、MF膜を有する膜分離処理装置23が順に設けられている。
このような水処理装置1では、まず、工業用水、市水、河川水、湖沼水、井水などの被処理水(原水)が、第1の凝集槽11に導入される。そして、凝集助剤槽14に保持された凝集助剤が、凝集助剤導入手段15により第1の凝集槽11に導入され被処理水に添加され、該被処理水は撹拌機19により撹拌される。次いで、被処理水は第2の凝集槽12に導入される。そして、膨潤性ポリマー粒子槽16に保持された膨潤性ポリマー粒子が、膨潤性ポリマー粒子導入手段17により第2の凝集槽12に導入され被処理水に添加され、該被処理水は撹拌機20により撹拌される。これにより、被処理水が含有する濁質や膜汚染物質が膨潤性ポリマー粒子に吸着して凝集し、凝集物が形成される。次に、凝集物が形成された被処理水は、排出手段18で反応槽13から排出され、加圧浮上装置21、砂ろ過装置22、及び、MF膜を有する膜分離処理装置23により固液分離処理されて、凝集物が除去され、清澄な処理水が得られる。
本発明においては、凝集助剤を添加した後に膨潤性ポリマー粒子を添加するので、第2凝集槽12の壁面等の水処理装置1の系内の汚染を抑制することができ、また、濁質の凝集も十分行うことができるため、清澄な処理水を得ることができる。さらに、図1に示す水処理装置では、膨潤性ポリマー粒子を用いて膜汚染物質を凝集させた後に膜分離処理するため、膜汚染物質の膜表面への吸着を低減し膜分離性能の劣化を抑制し、継続して清澄な処理水を得ることができる。
なお、図1に示す水処理装置においては、第1凝集槽11と第2凝集槽12からなる2槽構造としたが、一方又は両方の凝集槽を配管内で撹拌する構造としてもよい。また、膜分離処理装置23としてMF膜を示したが、UF膜、RO膜、又は、NF膜等でもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
フミン質や生物代謝物を含有し、カオリン標準液を用いた透過光測定方法による濁度が1.2〜4.8度、波長260nmでの吸光度(E260:有機物濃度指標)が0.187〜0.345で変動する工業用水を被処理水(原水)とし、図1に示す凝集槽・加圧浮上装置・砂ろ過装置・MF膜(0.45μm、酢酸セルロール製)を有する膜分離処理装置からなる水処理装置を用い、第1凝集槽にカオリン(キシダ化学社製、300mesh(100%))を、第2凝集槽に膨潤性ポリマー粒子(アコジェルC、三井サイテック社製)を添加して、1ヶ月間水処理を行った。なお、カオリンは、第1凝集槽での被処理水の濁質が5度になる量を添加し、また、アコジェルCは第2凝集槽での被処理水に対して4mg/Lになる量を添加した。
水処理を行った1ヶ月の間、砂ろ過した後の被処理水についてTOC濃度及び濁度を求め、また、MF膜で処理した後の被処理水についてMFF値を求めた。結果を表1に示す。なお、TOC濃度は湿式酸化赤外吸収法により、濁度はカオリン標準液を用いた透過光測定方法により求めた。また、MFF値は、目皿外径40mm、目皿上高さ100mmのブフナーロートと、直径47mmの微細孔0.45μmのメンブレンフィルター(ミリポア社製)を用いて、目皿上の空間が常に水で満たされた状態で濾過し、濾過量が500mlとなるまでの時間T1(秒)と、濾過量が1,000mlとなるまでの時間T2(秒)を測定し、下記[数1]から求めた。なお、MFF値が小さいほど、測定された被処理水が清澄であることを示す。さらに、1ヶ月間水処理を行った後の水処理装置内の壁面を目視で観察した。
Figure 0005348369
(実施例2)
カオリンのかわりに、工業用ポリ塩化アルミニウム(PAC)を用い、第1凝集槽での被処理水に対して30mg/Lとなる量のPACを添加した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(比較例1)
カオリンを添加しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。
この結果、実施例1及び実施例2では、第2凝集槽の壁面など水処理装置内には膨潤性ポリマー粒子が付着しておらず、第2凝集槽は汚染されていなかった。
また、実施例1及び実施例2では、砂ろ過後の被処理水のTOC濃度及び濁度を低い値で維持することができた。したがって、膨潤性ポリマー粒子により濁質の凝集が良好に行われ続けたことが確認された。
さらに、実施例1及び実施例2では、MF膜処理後の被処理水のMFF値も低い値で維持することができ、継続して清澄な処理水が確実に得られたことが確認された。なお、1ヶ月通水後もMF膜は汚染していなかった。
一方、膨潤性ポリマー粒子を添加する前段で凝集助剤を添加しなかった比較例1では、第2凝集槽の壁面は膨潤性ポリマー粒子が付着していた。また、砂ろ過後の被処理水のTOC濃度及び濁度やMF膜処理後の被処理水のMFF値は、実施例1及び実施例2と比較して、高くなる場合があった。したがって、膨潤性ポリマー粒子が凝集槽の壁面に付着することにより、濁質の凝集が不十分となる場合があり、MF膜処理後の処理水として清澄なものを継続して得ることはできなかった。また、MF膜も汚染していた。
Figure 0005348369
本発明の水処理方法を用いた水処理装置の一例を示す概略系統図である。
符号の説明
1 水処理装置
10 被処理水導入手段
11 第1凝集槽
12 第2凝集槽
13 凝集槽
14 凝集助剤槽
15 凝集助剤導入手段
16 膨潤性ポリマー粒子槽
17 膨潤性ポリマー粒子導入手段
18 排出手段
19、20 撹拌機
21 加圧浮上装置
22 砂ろ過装置
23 膜分離処理装置

Claims (3)

  1. 被処理水に凝集助剤を添加する凝集助剤添加工程と、該凝集助剤添加工程の後、一級アミン、二級アミン、三級アミンおよびそれらの酸塩、四級アンモニウム基などの官能基を有するカチオン性モノマーと、架橋剤モノマーとの共重合体であり且つ膨潤していない時の粒子径に対して水中で10〜200倍の粒子径に膨潤し実質的に水に溶解しないカチオン性ポリマーからなる粒子を添加するポリマー粒子添加工程と、該ポリマー粒子添加工程の後被処理水を撹拌する撹拌工程と、該撹拌工程の後被処理水を固液分離処理する固液分離処理工程を有することを特徴とする水処理方法。
  2. 前記凝集助剤を添加する前の被処理水の濁度が5度未満であることを特徴とする請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記凝集助剤が無機凝集剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理方法。
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