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JP5343913B2 - 多層光記録媒体 - Google Patents

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    • G11B7/24038Multiple laminated recording layers

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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

本発明は、入射光を反射する界面を複数有する多層光記録媒体に関する。
特開2004−213720号公報
例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)などの光記録媒体が広く普及している。
このような光記録媒体うち、記録膜(記録層)を有する記録可能型の光記録媒体については、記録容量の増大化を図るために、記録層を多数設けるということが行われている。特に近年では、記録膜を3以上有する多層光記録媒体の開発が進んでいる。
しかしながら、多層光記録媒体としたときは、いわゆる層間迷光が生じ、多重干渉の発生が問題となる。ここで言う多重干渉とは、再生対象とする記録膜からの反射光に対し、該再生対象とする記録膜とは異なる界面(光を反射する界面)の3以上を反射した光が干渉して、ディテクタ上で光強度変動を引き起こす現象を指すものである。
当然のことながらこのような多重干渉は、再生性能の低下の防止を図るべくその発生防止が図られることが望ましい。
ここで、例えば記録膜の数が3つである3層光記録媒体については、各記録膜間に形成されるスペーサの厚さを異ならせることで、多重干渉の発生を防止することができる。
このことは、3層光記録媒体において、記録膜Lrc0〜Lrc1間のスペーサ(Lrc0は最下層の記録膜であるとする)、記録膜Lrc1〜Lrc2間のスペーサの厚さが同じとされた状態で、上記記録膜Lrc0を再生する場合を想定すれば理解できる。つまりこの場合には、記録膜Lrc0に集光し反射される光(再生光:被干渉光)の光路長と、記録膜Lrc1→記録膜Lrc2(下面側)→記録膜Lrc1の順で反射される光(迷光)の光路長とが等しくなるので、ディテクタ上でこれらの光が干渉して多重干渉を生じさせる。
従って3層光記録媒体の場合には、上記のように各記録膜間に形成されるスペーサの厚さを異ならせることで、被干渉光と迷光との光路長を一致させないようにでき、多重干渉の発生を防止できる。
しかしながら、より多層化を進めた光記録媒体、すなわち記録膜を4以上有する多層光記録媒体については、単に各スペーサの厚さを異ならせるだけでは、多重干渉の発生防止を図ることはできないものとなる。
例えば、図17に示すように記録膜Lrc0〜記録膜Lrc4の計5つの記録膜Lrcが形成された多層光記録媒体を想定し、記録膜Lrc0〜記録膜Lrc1間に形成されるスペーサS1の厚さ=4、記録膜Lrc1〜記録膜Lrc2間に形成されるスペーサS2の厚さ=2、記録膜Lrc2〜記録膜Lrc3間に形成されるスペーサS3の厚さ=3、記録膜Lrc3〜記録膜Lrc4間に形成されるスペーサS4の厚さ=1と、それぞれのスペーサ厚を異なる値に設定した場合を考えてみる。
この場合において、最下層の記録膜Lrc0を対象とした再生を行うとしたときは、図中の太線矢印で示す再生光に対し、細実線矢印で示したLrc2→Lrc4→Lrc1の順で反射される迷光と、細破線矢印で示したLrc1→Lrc4→Lrc2の順で反射される迷光の光路長がそれぞれ一致し、これら2つの迷光が再生光に対して干渉することになる。これは、スペーサS1の厚さと、スペーサS3+スペーサS4による厚さとが一致しているためである。
このようにして記録膜を4以上有する多層光記録媒体においては、単純に各スペーサの厚さを異ならせるのみでは、多重干渉の発生を防止することはできない。
但しこの一方で、光記録媒体の多層化を推し進めるにあたっては、記録媒体の製造効率も視野に入れるべきものとなる。上記説明からも理解されるように、多重干渉の発生を防止するにあたっては、全てのスペーサの厚さを異ならせるということが必須となるが、このことは、各スペーサの積層プロセスが異なるということを意味し、従って製造効率の低下を招く。
また、多層化を推し進めて例えば数十層程度などの多層光記録媒体を実現するとした場合には、多重干渉の発生を完全に防止することは困難を極める。つまり、多重干渉の発生を完全に防止しようとすると、個々のスペーサの厚さのみでなく、図17のように複数を跨る厚さも考慮に入れて同厚とならないようなスペーサ厚の設定を行う必要があるが、これを実現しようとすると、光記録媒体のトータルの厚さが著しく増大するものとなってしまい、結果、各層で球面収差補正を適正に行うことが非常に困難となるためである。
ここで、多重干渉は、その発生を完全に防止するということは必須ではなく、或る一定レベル以下、すなわち或る一定以上の再生性能を確保できる程度にその抑制が図られればよいものである。
本発明はこのような観点に鑑み為されたもので、多層光記録媒体の製造効率やその実現性を確保しつつ、多重干渉の抑制が図られるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成すべく、本発明では多層光記録媒体として以下のように構成することとした。
すなわち、本発明の多層光記録媒体は、入射光を反射する界面を複数有し、それぞれの上記界面間にスペーサが形成されていると共に、光入射面を上面側としたとき、最も下面側にそれぞれ厚さが異なるスペーサが連続して配列された異厚層ユニットが形成され、且つ、上記異厚層ユニットの上方において、該異厚層ユニット内に配列される何れのスペーサとも異なる厚さによるスペーサが連続して配列されているものである。
上記のようにして本発明では、最下層部はそれぞれスペーサの厚さが異なる異厚層ユニットを形成し、該異厚層ユニットの上方側において、同じ厚さによるスペーサを敢えて連続配列した同厚層ユニットを形成するものとしている。
最下層部に上記異厚層ユニットを設けることで、重大な多重干渉の発生を効果的に抑制できる。つまり、後述するように多重干渉の程度は干渉光が経由する界面が下層側であるほど大となるので、上記のように最下層部に異厚層ユニットを設ける、すなわち最下層部で厚さが一致するスペーサを設けないようにすることで、重大な多重干渉の発生を効果的に防止できる。
また、異厚層ユニットの上方に敢えて同厚のスペーサを連続配列した同厚層ユニットを設けることによって、後述するように多重干渉を効果的に抑制することができる。
上記のようにして本発明によれば、多層光記録媒体において、多重干渉を効果的に抑制することができる。
また本発明では、同厚によるスペーサを連続配列した構造としていることで、その部分でスペーサの積層プロセスを共通化でき、例えば各スペーサの厚さを異ならせる場合と比較して製造効率の向上が図られる。また、同厚によるスペーサの配列が許容されるので、多重干渉の発生を完全に防止するようなスペーサ厚の設定を行う場合と比較すれば、記録媒体全体の厚さを抑える上でより有利とできる。
これらの点より、本発明によれば、多層光記録媒体の製造効率やその実現性を確保しつつ、多重干渉の抑制が図られるようにできる。
実施の形態の多層光記録媒体の断面構造を示した図である。 実施の形態の多層光記録媒体についてのサーボ制御の一例について説明するための図である。 実施の形態の多層光記録媒体の記録再生を行うための光学系の概要を示した図である。 実用上問題となり得る干渉光について考察するための図である。 比較構造その1としてのスペーサ厚の設定例を示した図である。 比較構造その2としてのスペーサ厚の設定例を示した図である。 比較構造その3としてのスペーサ厚の設定例を示した図である。 比較構造その3の自己相似形について説明するための図である。 比較構造その4としてのスペーサ厚の設定例を示した図である。 本実施の形態としてのスペーサ厚の設定例を示した図である。 比較構造その1〜その4と本実施の形態としての構造例とについて干渉光の数を比較した図である。 各界面のエネルギー反射率、エネルギー透過率の設定例を示した図である。 各界面のエネルギー反射率、エネルギー透過率の設定例と各界面の実効的反射率とを示した図である。 比較構造その1〜その4と本実施の形態としての構造例とについて干渉による光強度変動を比較した図である。 本実施の形態の構造例(改)について説明するための図である。 同厚層ユニット内のスペーサ配列数の設定指針について説明するための図である。 記録膜を4以上有する多層光記録媒体において生じる多重干渉の発生態様を例示した図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお説明は以下の順序で行うものとする。

<1.多層光記録媒体の断面構造及び記録/再生について>
<2.多重干渉抑制のためのスペーサ厚の設定>
[2-1.干渉光についての考察]
[2-2.多重干渉を効果的に抑制するための設計指針]
[2-3.実施の形態としてのスペーサ厚の設定手法]
[2-4.スペーサ厚の設定例]
<3.変形例>
<1.多層光記録媒体の断面構造及び記録/再生について>

図1は、本発明の一実施形態としての多層光記録媒体(多層光記録媒体1とする)の断面構造を示した図である。
本実施の形態の多層光記録媒体1は、ディスク状の光記録媒体とされ、回転駆動される多層光記録媒体1に対するレーザ光照射が行われてマーク記録(情報記録)が行われる。また、記録情報の再生としても、回転駆動される多層光記録媒体1に対してレーザ光を照射して行われる。
なお光記録媒体とは、光の照射により情報の記録/再生が行われる記録媒体を総称したものである。
図1に示されるように、バルク型記録媒体1には、上層側から順にカバー層2、選択反射膜3が形成されると共に、その下層側には、スペーサ4と記録膜Lrcとが繰り返し積層された構造を有する記録層(複数の記録膜Lrcが形成された記録可能範囲)が形成され、さらにその下層側に基板5が形成されている。
ここで、本明細書において「上層側」とは、情報の記録/再生のための光が入射する側の面を上面としたときの上層側を指す。
多層光記録媒体1において、上記カバー層2は、例えばポリカーボネートやアクリルなどの樹脂で構成され、図示するようにその下面側には、記録/再生位置を案内するための位置案内子として、グルーブやピット列などの形成に伴う案内溝が形成されることで、凹凸の断面形状が与えられている。この案内溝は、スパイラル状、或いは同心円状に形成されている。
例えば案内溝がピット列で形成される場合、ピットとランドの長さの組み合わせにより位置情報(絶対位置情報:ディスク上での回転角度位置を表す情報としての回転角度情報や、半径位置情報など)が記録される。或いは、案内溝がグルーブとされる場合、当該グルーブを周期的に蛇行(ウォブル)させて形成することで、該蛇行の周期情報により位置情報の記録が行われる。
カバー層2は、例えばこのような案内溝(凹凸形状)が形成されたスタンパを用いた射出成形、或いはフィルムへの上記スタンパの形状を熱転写することなどにより生成される。
また、上記ピット列が形成された上記カバー層2の下面側には、選択反射膜3が成膜される。
なお、この選択反射膜3については後述する。
上述のように選択反射膜3の下層側には、記録層が形成される。
この記録層において、スペーサ4は、例えば紫外線硬化樹脂などの接着材料で構成される。
また記録膜Lrcは、レーザ光が集光されることでマークが形成され且つ入射光を反射可能に構成された膜となる。例えばこの場合の記録膜Lrcは、反射膜上に相変化膜などの書換型記録膜や、様々な熱による非可逆反応を呈する無機系追記記録膜或いは有機色素追記記録膜などの記録材料が積層されて形成されている。
なお、反射膜を焼き切るなどして反射率を低下させた部分をマーク部分とする記録手法を採られる場合、記録膜Lrcとしては反射材料のみで構成することができるが、その場合も記録膜Lrcとしては入射光を反射し得るものであることに変わりはない。
本実施の形態において、記録層内には、例えばLrc0〜Lrc22までの計23個の記録膜Lrcが形成される。このとき、最下層に形成される記録膜Lrc0には入射光を全反射するように構成された全反射記録膜が用いられ、該記録膜Lrc0を除く記録膜Lrc1〜Lrc22には、入射光の一部を透過するように構成された半透明記録膜が用いられる。
また、基板5は、例えばポリカーボネートやアクリルなどの樹脂で構成されている。
図1に示す構造による多層光記録媒体1は、例えば以下のようなプロセスで製造することができる。
先ず、基板5上に、記録膜Lrc0としての全反射記録膜を成膜する。その上で、該記録膜Lrc0上に、スペーサ4→半透明記録膜の繰り返し積層を行って、記録膜Lrc22までを形成する。
一方で、上述したスタンパを用いた射出成形などにより位置案内子の形成に伴う凹凸断面形状の与えられたカバー層2を生成し、該カバー層2の上記凹凸断面形状の与えられた面側に選択反射膜3を成膜する。
このように選択反射膜3が形成されたカバー層2を、上記記録膜Lrc22の上面側に対し、上記選択反射膜3の形成面が対向するように、スペーサ4としての紫外線硬化樹脂を用いて接着する。具体的には、例えば上記記録膜Lrc22上に紫外線硬化樹脂を例えばスピンコート法などにより塗布し、そこにカバー層2の選択反射膜3の形成された面を押し当てた状態で紫外線照射による硬化処理を施すことで、図中に示すように選択反射膜3と記録膜Lrc22とがスペーサ4を隔てて形成された状態を得る。
ここで、上記により説明した多層光記録媒体1において、注意すべきは、各記録膜Lrcには位置案内子が形成されていないという点である。
すなわち、現状において普及している2層ディスクなどでは、記録膜ごとに位置案内子を形成するものとされているが、本例の多層光記録媒体1では、位置案内子は記録層とは別の層位置に1つのみ形成するものとしている。
このような構造とすることで、記録膜Lrcごとに位置案内子を形成する構造とする場合のように記録膜Lrcの増加に伴い位置案内子の形成プロセスも増加してしまうという点を解消でき、従って多層化を進めるほど製造プロセスの簡素化、製造コストの削減の面で有利とできる。
但し、このように位置案内子の形成層を1つのみとする構造を採った場合には、単純に対物レンズを介して記録/再生のためのレーザ光(以下、録再用レーザ光とも称する)を照射したのみでは、各記録膜Lrcに対する記録時において所定位置にマークを記録することができなくなってしまう。
そこで、図1に示すような構造を有する多層光記録媒体1に対しては、次の図2に示されるように、録再用レーザ光と共に、位置制御用のレーザ光としてのサーボ用レーザ光を、共通の対物レンズ16を介して別途照射するようにされる。
なお本実施の形態において、対物レンズ16の開口数としては、録再用レーザ光についての実効的な開口数が0.85程度、サーボ用レーザ光についての実効的な開口数が0.6程度であるとする。
このとき、仮に、上記サーボ用レーザ光が記録膜Lrcに到達してしまうと、マーク記録に悪影響を与える虞がある。このため、上記サーボ用レーザ光としては、録再用レーザ光と波長帯の異なるレーザ光を用いるものとし、且つ、位置案内子が形成される反射膜としては、サーボ用レーザ光(所定波長帯による光)は反射し、録再用レーザ光(上記所定波長帯以外の波長による光)は透過するという波長選択性を有するように構成された選択反射膜3を用いるものとしている。
本実施の形態において、録再用レーザ光の波長は405nm程度、サーボ用レーザ光の波長は650nm程度であるとする。
上記の前提を踏まえた上で、多層光記録媒体1についてのサーボ制御の一例について説明する。
先ず、トラッキングサーボ制御については、記録時と再生時とで異なる手法を採ることになる。
具体的に、マークが未だ形成されていない記録時においては、録再用レーザ光の記録膜Lrcからの反射光に基づいてトラッキングサーボをかけることができないので、記録時における対物レンズ16のトラッキングサーボ制御は、サーボ用レーザ光の選択反射膜3からの反射光に基づき、当該サーボ用レーザ光のスポット位置が位置案内子に追従するようにして行うことになる。
このことで、各記録膜Lrcに位置案内子が形成されていなくとも、記録膜Lrc上の所定の位置(位置案内子としてのトラックの直下となる位置)にマークを記録することができる。
一方で、記録膜Lrcに既にマーク列が形成されている再生時においては、記録済みのマーク列を対象としてトラッキングサーボをかけることができる。従って再生時においては、録再用レーザ光の記録膜Lrcからの反射光に基づき、録再用レーザ光のスポット位置が記録済みマーク列に追従するように対物レンズ16のトラッキングサーボ制御を行うことになる。
ここで、上記説明からも理解されるように、位置案内子を有する選択反射膜3の形成面は、サーボ用レーザ光に基づく録再用レーザ光の位置制御を行うにあたっての基準となる反射面となる。この意味で、以下、選択反射膜3の形成面のことを、基準面Refと称する。
また、フォーカスサーボ制御に関しては、以下の点に留意する。
ここで、記録時には、上記のように基準面Refに形成された位置案内子に基づく対物レンズ16のトラッキングサーボ制御を行うために、サーボ用レーザ光としては基準面Refに合焦している必要がある。また、当然のことながら記録時には、録再用レーザ光は記録対象とする記録膜Lrcに合焦させる必要がある。
このようにして記録時には、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とに関し、それぞれ異なる層位置を対象として別々にフォーカスサーボをかける必要がある。この点より、多層光記録媒体1についての記録再生を行う装置では、対物レンズ16の位置制御を行う2軸アクチュエータとは別途に、録再用レーザ光の合焦位置を独立して制御するための録再光用フォーカス機構を設けることになる。
ここで、このような録再光用レーザ光の合焦位置を独立して制御するための機構を含めた、多層光記録媒体1の記録再生を行うための光学系の概要を図3に示しておく。
図3において、図2にも示した対物レンズ16は、図中の2軸アクチュエータ17によって多層光記録媒体1の半径方向(トラッキング方向)、及び多層光記録媒体1に接離する方向(フォーカス方向)に変位可能に保持されている。
この図3において、録再用レーザ光の合焦位置を独立して制御するための録再光用フォーカス機構10は、図のように固定レンズ11と、可動レンズ12と、レンズ駆動部13とを備えて成る。レンズ駆動部13は、図示は省略した制御部からの駆動信号に基づき、可動レンズ12を録再用レーザ光の光軸に平行な方向に変位させる。このように可動レンズ12が録再用レーザ光の光軸に平行な方向に駆動されることで、対物レンズ16に入射する録再用レーザ光のコリメーションが変化し、それにより録再用レーザ光の合焦位置をサーボ用レーザ光とは独立して変化させることができる。
また、前述のように録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とはそれぞれ波長帯が異なるものとされているので、これに対応しこの場合の光学系では、図中のダイクロイックプリズム15により、録再用レーザ光、サーボ用レーザ光の多層光記録媒体1からの反射光がそれぞれの系に分離されるように(つまりそれぞれの反射光検出を独立して行えるように)している。
また、往路光で考えた場合、上記ダイクロイックプリズム15は、録再用レーザ光とサーボ用レーザ光とを同一軸上に合成して対物レンズ16に入射させる機能を有する。具体的にこの場合、録再用レーザ光は、図示するように録再光用フォーカス機構10(固定レンズ11→可動レンズ12)を介しミラー14で反射された後、上記ダイクロイックプリズム15の選択反射面で反射されて対物レンズ16に対して入射する。一方、サーボ用レーザ光は、上記ダイクロイックプリズム15の選択反射面を透過して対物レンズ16に入射する。
このような光学系の構成の下で、フォーカスサーボ制御は以下のようにして行う。
すなわち、サーボ用レーザ光の反射光に基づく対物レンズ16のフォーカスサーボ制御により、サーボ用レーザ光の合焦位置を基準面Refに追従させるようにすると共に、録再用レーザ光の反射光に基づく録再光用フォーカス機構10(レンズ駆動部13)のフォーカスサーボ制御を行うことで、録再用レーザ光の合焦位置を、記録対象とする記録膜Lrc上に追従させるようにする。
なお、前述もしたように再生時のトラッキングサーボ制御に関しては、記録済みマーク列を対象として録再用レーザ光の反射光に基づき対物レンズ16を駆動することで行われるので、再生時においては、サーボ用レーザ光を基準面Refに合焦させる必要性はない。この点に鑑み、再生時における対物レンズ16のフォーカスサーボ制御は、録再用レーザ光の反射光に基づき行うようにすることもできる。この場合、録再光用フォーカス機構10は、記録膜Lrcのおおよその選択を行う用途、すなわち録再用レーザ光の合焦位置を大まかに動かす用途で用いるものとすればよい。
説明を図1に戻す。
この図1に示される多層光記録媒体1において、入射光を反射する界面Liとしては、図中の括弧内に示すようにL0〜L23の計24個を有しているものとする。
ここで、先の説明によると、選択反射膜3としては録再用レーザ光を透過する波長選択性を有するものとなり、従って基準面Refは、多重干渉の被干渉光となり得る録再用レーザ光の入射光から見て、「入射光を反射する界面」から除外されるものとして考えることもできる。
しかしながら実際において、選択反射膜3の波長選択性は100%とすることは困難であり、基準面Refにおける録再用レーザ光の反射をゼロに抑えることは実質的に不可能に近い。この意味で、基準面Refは「入射光を反射する界面」に包含されるものとなる。
また一方で、「入射光を反射する界面」とは、文字通りの解釈をすれば、光を反射する薄膜が形成された面以外にも、屈折率がそれぞれ異なる媒質の界面も含まれるものであり、従って多層光記録媒体1の表面(カバー層2の表面)も界面Liに包含され得る。
但し、本実施の形態においては、カバー層2の表面はAR(Anti Reflection)コーティングなど無反射コーティング処理が施されているものとし、該表面は界面Liからは除外されている。
以上の事情より、本実施の形態の多層光記録媒体1において、「入射光を反射する界面」は、記録膜Lrc0〜Lrc22と基準面Refとを併せたL0〜L23の計24個とされる。
<2.多重干渉抑制のためのスペーサ厚の設定>
[2-1.干渉光についての考察]

ここで、以下では先ず、図4を参照して、多重干渉における干渉光について考察する。
なお、以下の説明を行うにあたり、次のような定義を行う。
先ず、入射光を反射する各界面をLi(i=0,1,...,N)とおく。このとき、iの数値が小であるほど下層側に形成される界面であるとする。
また、界面Li-1と界面Liとの間に形成される層の厚さ(スペーサ厚さとする)をSi(i=0,1,...,N)とおく。
以上を踏まえた上で、図4について説明していく。
先ず図4においては、説明の簡単のため、界面Liの数を基準面Refも含めて9つ(i=0〜8)とした多層光記録媒体を例示している。
この図4において、図4(a)は、多層光記録媒体における界面L6(記録膜Lrc6)と界面L7(記録膜Lrc7)との間のスペーサ厚さS7と界面L7と界面L8(基準面Ref)との間のスペーサ厚さS8との和(S7+S8)が、界面L0(記録膜Lrc0)と界面L1(記録膜Lrc1)との間のスペーサ厚さS1と界面L1と界面L2(記録膜Lrc2)との間のスペーサ厚さS2との和(S1+S2)と等しい場合において、界面L0(記録膜Lrc0)を対象とした再生を行う場合に生じることとなる多重干渉を生じさせる迷光(干渉光)を例示している。
また図4(b)は、界面L2(記録膜Lrc2)と界面L3(記録膜Lrc3)との間のスペーサ厚さS3と、界面L3と界面L4(記録膜Lrc4)との間のスペーサ厚さS4とが等しい場合において、界面L2を対象とした再生時に生じる干渉光を例示している。
確認のため述べておくと、図4においては、太実線による矢印が再生対象とする界面Liに集光し反射される光(再生光:被干渉光とも称する)を表し、細線(図4(a)においては細実線及び細破線)による矢印が多重干渉を発生させる干渉光を表している。
先ず、多重干渉の抑制を図る上では、どのような迷光が多重干渉を引き起こし得るかを考える必要がある。
先ず、多重干渉を生じさせる可能性の有る迷光としては、必ず奇数回反射の光となる。このとき、奇数回反射の迷光として、5回以上反射の迷光に関しては、界面Lでの反射ごとにその光強度が減衰するため、再生信号を得るためのディテクタ上において実用上問題となるような光強度変動を生じさせる可能性はないものと見なすことができる。従ってこの点より、多重干渉の抑制にあたっては、3回反射の迷光のみを考慮に入れる。
また、再生対象とする界面よりも下層側に形成された界面を経由する迷光は、その光路長が必ず被干渉光よりも大となる。このため、3回反射の迷光であっても、このように再生対象とする界面より下層側の界面を経由する迷光については、多重干渉を引き起こす迷光からは除外する。
これらの点からも理解されるように、多重干渉の抑制を図る上では、再生対象とする界面L(以下、これを界面Ljとする)よりも上層側に形成された界面を経由する3回反射の迷光の発生数を減らす、理想的にはその全ての発生を防止することが望ましいものとなる。
以下、実用上問題となり得る3回反射の迷光について、具体的に考察してみる。
先ず、図4(a)のケースでは、該当する迷光は、図のように界面L6→界面L8→界面L2を反射する迷光(細実線矢印)と、界面L2→界面L8→界面L6を反射する迷光(細破線矢印)となる。
この図4(a)のケースでは、再生対象の界面Ljが界面L0とされ、スペーサ厚さS1+S2=S7+S8となっているので、上記2つの3回反射の迷光の光路長が、被干渉光の光路長と等しくなり、実用上問題となり得る多重干渉を生じさせることになる。
このとき、3回反射の迷光が経由する界面を下層側から順にLk、Ll、Lmとおくと、図4(a)のケースにおける3回反射の迷光は、Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)の3つの界面を経由して生じるものと表現できる。
一方、図4(b)のケースのように、連続する3つの界面Li-1、Li、Li+1の個々の間隔が等しい(つまり3つの界面Li-1、Li、Li+1の個々の間のスペーサ厚さSi、Si+1が等しい)場合に、上記3つの界面Li-1、Li、Li+1のうちで最も下層側の界面Li-1を対象とした再生を行うときには、実用上問題となり得る多重干渉を生じさせる迷光としては、界面Liと界面Li+1の2つの界面間で3回反射する迷光(Li→Li+1→Liの経由)も生じ得る。
つまり、実用上問題となり得る多重干渉の発生防止を図る上では、このようなLi→Li+1→Li経由の3回反射の迷光も生じることを考慮に入れて、各スペーサ厚を設定すべきことになる。
ここで、図4(b)のケースのように2つの界面Lを経由する3回反射の迷光は、図4(a)のケースのように3つの異なる界面Lを経由する3回反射の迷光「Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)」に当て嵌めて考えると、界面Lkと界面Llとが同一になったものと捉えることができる。
この点に基づき、本明細書においては、実用上問題となり得る多重干渉の防止を図る上で考慮に入れるべき迷光としての、図4(a)のような3界面を経由する3回反射の迷光と、図4(b)のような2界面のみを経由する3回反射の迷光との双方を包括する表現として、以下のような表現を用いる。
すなわち、
「k≦l<m」とおいた上で、「Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)を経由する3回反射の迷光」とする表現である。
上記のように「k≦l<m」とおくことで、上記「Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)を経由する3回反射の迷光」としては、Lk→Lm→Lkを経由する3回反射の迷光も包含するものとなり、従って図4(b)のケースのような2つの界面間で3回反射する迷光も包含することになる。
このとき、実用上問題となり得る多重干渉の発生防止のために考慮に入れるべき3回反射の迷光は、前述のように再生対象とする界面Ljよりも上層側の界面Lを経由する迷光のみである。従ってこの点も考慮すると、

「j<k≦l<m」

とおくことになる。
[2-2.多重干渉を効果的に抑制するための設計指針]

ここで、実用上問題となり得る多重干渉の発生防止にあたり考慮に入れるべき3回反射の迷光、すなわち再生対象の界面Ljよりも上層側の界面を経由する3回反射の迷光を、上記のように「j<k≦l<m」とおいた上で「Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)を経由する3回反射の迷光」と表現としたときに、界面Ljと界面Lkとの間に形成される各界面の間のスペーサ厚さの総和を「Sj〜k」と表記する。また、界面Llと界面Lmとの間に形成される各界面の間のスペーサ厚さの総和を「Sl〜m」と表記する。
このとき、これらSj〜kとSl〜mとの差Sj〜k−Sl〜m(絶対値とする)がゼロであるとすると(つまり図4(a)や図4(b)に示す状態であるとすると)、上記「Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)を経由する3回反射の迷光」の光路長と、界面Ljを経由する被干渉光との光路長差が等しくなり、ディテクタ上でこれらの光が干渉するものとなる。
このことからも理解されるように、実用上問題となり得る干渉光の発生を完全に防止するとしたときには、上記Sj〜kとSl〜mとに或る程度の差を与えるものとすればよい。
ここで、本例においては、録再用レーザ光の波長=405nm程度、対物レンズ16の開口数(録再用レーザ光についての実効的な開口数)=0.85程度により記録再生が行われ、且つスペーサの屈折率が概ね1.6程度であることを前提としているが、このような条件(BDの場合と同等の条件)の下では、上記の差Sj〜k−Sl〜mとしては、少なくとも1μmよりも大(つまり往復の距離差としては2μmより大)とすれば、ディテクタ上における上記3回反射の迷光の単位面積当たりの振幅強度を低下させて、実用上問題となり得る3回反射の迷光の発生を防止できることが実験の結果から分かっている。
つまりこのことから、実用上問題となり得る3回反射の迷光の発生を防止するにあたっては、少なくとも、

|Sj〜k−Sl〜m|>1μm

の条件が満たされるようにして、各スペーサの厚さを設定すればよいこととなる。
上記のような条件が満たされることで、任意の界面Ljを対象として再生を行うときに、「Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)を経由する3回反射の迷光」の発生数がゼロになる、という理想的な状態が得られるようにすることができる。
但し、このように実用上問題となり得る3回反射の迷光の発生を完全に防止することは、再生性能の向上を図る上で理想的ではあるものの、実用化を視野に入れた場合には、その実現が非常に困難なものとなる。
つまり、上記による「|Sj〜k−Sl〜m|>1μm」の条件を満たすということは、実質的には、各界面Liの間のスペーサのうちから取り出した任意の2つのスペーサの厚さに1μmより大となる差が与えられるようにすることを意味するものとなるが、これによると、多層化を進めるにあたって多層光記録媒体の全体の厚さを抑制することが非常に困難となる。具体的に、上記「|Sj〜k−Sl〜m|>1μm」の条件を満たすとしたとき、全スペーサのトータルの厚さStotは、界面Lの総数をNとし、これらN個の各界面L間に形成される各スペーサの厚さのうち最も小さい値をSminとすると、

Stot>Smin×(N−1)+1μm×(N−2)2/2

となる。これは、N−1個のスペーサのそれぞれを、その厚さを長辺にもち且つその短辺を1とした長方形として捉えて、それらを長辺の値が小さい順に配列させたときに形成される図形の面積に由来するものである。該図形は、面積がSmin×(N−1)による長方形上に、1μm×(N−2)2/2による面積の三角形を配置した形状となり、よって上式が導かれるものである。
なお、「Smin」は、隣接層間のクロストークの防止の観点から設定されるスペーサの最小値であり、例えば10μm程度となる。
このように実用上問題となり得る3回反射の迷光の発生を完全に防止しようとすると、全スペーサのトータルの厚さStot、すなわちマークの記録/再生を行う深さ方向の範囲が非常に大となる。
厚さStotが大となることは、マークの記録/再生を行う深さ方向の範囲が大となることを意味する。そして、このようにマークの記録/再生を行う深さ方向の範囲が大となることによっては、各記録膜Lrcにて球面収差補正を適正に行うことが困難となるなど、実用化にあたっての重大な問題が生じることになる。特に、図1に示した本例の多層光記録媒体1のように数十もの記録膜Lrcを有する程度に多層化を進めた場合には、トータルの厚さStotは非常に大となり、その実用化が極めて困難となる。
ここで、多重干渉としては、その発生を完全に防止するということは必須ではなく、実用的な再生性能が確保される程度にその発生を許容することができる。
この点に鑑み本実施の形態では、上記により説明したような実用上問題となり得る「Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)を経由する3回反射の迷光」の発生を完全に防止するという手法は採らず、可能な限り抑制するという手法を採るものとする。
以下、このような本実施の形態としての考え方に基づくスペーサ厚の設計指針について説明していく。
先ず、多重干渉の抑制にあたって考慮すべきファクタとしては、上記のようなLk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)の3回反射光の発生数はもちろんのこと、ディテクタに到達する干渉光の光強度も重要となる。
干渉光の光強度を見積もるには、各界面Liの反射率と透過率を見積もる必要がある。
ここで、多層光記録媒体においては、各記録膜Lrcの反射率と透過率を調整して、各々の記録膜Lrcを対象とした再生を行ったときの実効的な反射率が同等となるように設計するのが通例である。但し、実際設計で取り扱う実効的反射率は、他の記録膜Lrc(界面L)からの層間迷光をすべて含んだ値であるため、それら迷光を除いた真の実効的反射率は、下層側の記録膜Lrcほど小さく、逆に上層側の記録膜Lrcほど大きくなっていると考えるのが妥当である。
なお、以降の説明では簡単のため、実効的反射率は、このような層間迷光による影響を除いて計算されるものとして話を進める。
また、一般に記録膜Lrcを構成する薄膜が複数ありかつ吸収があるものを含む場合は、光の進行方向により反射率(及び吸収率)が変化するものとなる。一方で、透過率については光の進行方向に依らず同じとなる。このような現象は、記録膜Lrcに対する進行方向によって光が感じる薄膜の順序が逆になることに由来する。
このようにして、干渉光の強度を見積もる上では、光の進行方向に応じた反射率差も考慮に入れるべきとなる。
ここで以下、界面Li単体でのエネルギー反射率(以下界面エネルギー反射率とも称する)rに関して、入射方向側(上層側)の界面エネルギー反射率をri、反射方向側(下層側)の界面エネルギー反射率をr~iとおく。また、界面Liのエネルギー透過率についてはtiとおく。
さらに、多層光記録媒体における界面Liの実効的なエネルギー反射率をRiとおく。
すると、

Ri=ri×ti+12×ti+22…×tN-12×tN2

であり、任意の界面Lj、界面Lkでの実効的なエネルギー反射率(迷光成分を含む実際上の実効的反射率)が同じであることから、

Rj≒Rk(j<k<N−1)

が成り立つことになる。光の入射側に近い方の界面Li、すなわちLiのiの値が大きいほど界面エネルギー反射率riが小であり、且つエネルギー透過率tiが大となる設計となる。
以上の前提を踏まえた上で、Lk(又はLl)→Lm→Ll(又はLk)の3回反射光の光強度について考察してみる。
先ず、このうような3回反射光R(klm)は、

R(klm)=rk×tk+12×tk+22…×tN-12×tN2×rl×r~m×tl+12×tl+22…×tm-12
=Rk×r~m×rl×tl+12×tl+22…×tm-12≒Rk×r~m×rm-1
=Rj×r~m×(rm/tm2)=Rj×(r~m×rm)/tm2

となる。この3回反射光が、界面Ljにて1回反射した再生光に対して干渉条件を満たす場合(すなわち光路差<2μmとなる場合)、該3回反射光の干渉による光強度変動(Max)は、

Figure 0005343913
で表される。
上記の(数1)は、3回反射光R(klm)の干渉による影響は、界面Lk、Lm,Llのうち最も上層側に位置する界面Lmにおけるエネルギー反射率rm、r~m とエネルギー透過率tmとで決まることを意味している。具体的には、3回反射光R(klm)の干渉による影響は、上記界面Lmにおけるエネルギー反射率rm、r~mが小さく且つエネルギー透過率tmが大きいほど小さくなるというものである。
これは、上述のように各界面Liにおける実効的なエネルギー反射率を等しくする通常設計を行うことを前提とすると、界面Lmが上層側にあるほど干渉による影響が小になるということを意味するものとなる。
上記の説明からも理解されるように、多重干渉の抑制のためには、3回反射光R(klm)を引き起こす界面Lk、Lm,Llのうちの最も上層側に位置する界面Lmの位置が、できるだけ上層側となるようにすることが望ましい。換言すれば、界面Lmが下層側に位置する場合には、重大な光強度変動を引き起こし、その結果、再生性能の著しい低下を招く可能性が高まるというものである。
従って、多重干渉を抑制するにあっての1つの指針としては、少なくとも、界面Lmが、想定され得る最も下層側となる位置に形成されないようにする、ということを挙げることができる。これは、最下層に位置する界面L0と界面L1との間のスペーサ4の厚さS1とその上方における界面L1と界面L2との間のスペーサ4の厚さS2とが等しくなり、界面Lm=界面L2となってしまうことを少なくとも防止すべきことを意味する。換言すれば、最も下層側にて連続配置される少なくとも2つのスペーサ4の厚さについては、それらを異なるものとすべきことを意味するものである。
このようにして、3回反射光R(klm)の発生を許容する設計を行うとした場合の1つ目の指針としては、

1)最も下層側に連続配置される少なくとも2つのスペーサの厚さは異なるようにする

となる。
また、この一方で、3回反射光R(klm)の発生は許容するものの、その発生数は可能な限り削減される方が望ましい。
ここで、先の図4(a)(b)を参照して理解されるように、3回反射光R(klm)が生じるパターンとしては、3回反射光R(klm)が2つ生じる図4(a)のパターンよりも、1つで済む図4(b)のパターンの方が望ましいと言える。
このことより、2つ目の指針としては、

2)同じスペーサ厚(複数を組み合わせた場合も含む)が連続することは許容するが、同じ厚さとなる部分が離れて存在するパターンは極力回避する

という点を挙げることができる。
[2-3.実施の形態としてのスペーサ厚の設定手法]

続いて、本実施の形態としてのスペーサ厚の具体的な設定手法について説明する。
以下では先ず、上記で掲げた設計指針の正しさを検証する意味で、比較構造その1〜比較構造その4を挙げた上で、本実施の形態としてのスペーサ厚の具体的設定例について説明する。
ここで、以下で説明する各比較構造について、実施の形態の多層光記録媒体1と共通する事項は、界面Lの数N=24としている点と、最も下層側に位置する界面L0の下層側に基板が形成され、また最も上層側に位置する界面L23の上層側にカバー層が形成されている点である。
図5は、比較構造その1としてのスペーサ厚の設定例を示している。
先ず、この比較構造その1を始めとして、以下で説明する比較構造その2〜その4、及び実施の形態としての構造例においては、N=24と界面Lの数を比較的多くしている関係から、最も下層側において連続配置される3つのスペーサの厚さS1、S2、S3を、それぞれ異なる厚さに設定するものとしている。
これら3つのスペーサの厚さS1、S2、S3に関しては、順にa,b,c(a≠b、a≠c、b≠c)とおく。
図5に示す比較構造その1は、上記厚さa,b,cによるスペーサが連続配置されるユニット(以下、異厚層ユニットとも呼ぶ)の上層側において、上記a,b,cとは異なる厚さd,eによる2種のスペーサを交互に配置するようにしたものである。
すなわち、

基板/a/b/c/d/e/d/e/d/e/d/e/d/e/d/e/d/e/d/e/d/e/d/e/カバー層

である。
ここで「/」は界面Liに相当し、基板に近い方から順にL0, L1, …, L23 とする。
ここでは簡単のため、a+b及びa+b+cは何れもd, d+e, 2d+e ,2d+2e, …,10d+10eとは異なるものとする。なおこの関係は、a〜eを互いに素となるように選ぶと容易に満たすことができる。
このような関係が成り立っているとき、先ず、上記の異厚層ユニットの存在により、界面L0〜L2を対象とした再生時における干渉光の数は0となる。
この場合、界面L3〜L23 の再生時に生じる干渉光の数は、以下のようにカウントできる。
<界面L3>
L3-L4間dと同じスペーサ(L5-L6間、L7-L8間など)の存在による干渉光…18
L3-L5間d+eと同じスペーサ(L5-L7間、L6-L8間など)の存在による干渉光…33
L3-L6間2d+eと同じスペーサの存在による干渉光…14
L3-L7間2d+2eと同じスペーサの存在による干渉光…25
L3-L8間3d+2eと同じスペーサの存在による干渉光…10
L3-L9間3d+3eと同じスペーサの存在による干渉光…17
L3-L10間4d+3eと同じスペーサの存在による干渉光…6
L3-L11間4d+4eと同じスペーサの存在による干渉光…9
L3-L12間5d+4eと同じスペーサの存在による干渉光…2
L3-L13間5d+5eと同じスペーサの存在による干渉光…1
…合計135
<界面L4>
L4-L5間eと同じスペーサ(L5-L7間、L6-L8間、、)の存在による干渉光…18
L4-L6間d+eと同じスペーサの存在による干渉光…31
L4-L7間d+2eと同じスペーサの存在による干渉光…14
L4-L8間2d+2eと同じスペーサの存在による干渉光…23

L4-L13間4d+5eと同じスペーサの存在による干渉光…2
…合計126
以下同様に、界面L5への干渉光…合計108、、、界面L18への干渉光…合計7、界面L19への干渉光…合計3、界面L20への干渉光…合計2、界面L21〜L23への干渉光…各0
となる。
この比較構造その1は、d/e/d/e…というスペーサ厚の繰り返しが自己相似形となっており、どこをどのように切り出しても他の部分に同じ厚さが存在する、つまり、界面Ljに対して界面Lk, Ll, Lmの3回反射光の光路差が一致するk, l, m の組合せが非常に多くなってしまう。特に、再生対象とする界面Ljが下層側であるほど、j-k間が離れても対応するl, m がいくつも存在する。
このため比較構造その1では、干渉光の数を有効に低減することができないものとなっている。
図6は、比較構造その2について示している。
比較構造その2は、厚さd,e(この場合もa〜eは互いに素であるとする)によるそれぞれのスペーサを、連続して5個ずつ交互に積み上げたものである。つまり、

基板/a/b/c/d/d/d/d/d/e/e/e/e/e/d/d/d/d/d/e/e/e/e/e/カバー層

である。
この比較構造その2についても、界面L3〜L23を再生対象とした場合の干渉光の数は、先の比較構造その1の場合と同様に以下のようにカウントできる。確認のため述べておくと、この場合も界面L0〜L2を対象とした場合の干渉光数は0となる。
<界面L3>
L3-L4間dと同じスペーサの存在による干渉光…17
L3-L5間2dと同じスペーサの存在による干渉光…11
L3-L6間3dと同じスペーサの存在による干渉光…6
L3-L7間4dと同じスペーサの存在による干渉光…4
L3-L8間5dと同じスペーサの存在による干渉光…2
L3-L9間5d+eと同じスペーサの存在による干渉光…4
L3-L10間5d+2eと同じスペーサの存在による干渉光…6
L3-L11間5d+3eと同じスペーサの存在による干渉光…5
L3-L12間5d+4eと同じスペーサの存在による干渉光…3
L3-L13間5d+5eと同じスペーサの存在による干渉光…1
…合計59
以下同様に、界面L4への干渉光…合計48、界面L5への干渉光…合計41、、界面L18への干渉光…合計10、界面L19への干渉光…合計6、界面L20への干渉光…合計3、界面L21への干渉光…合計1、界面L22,L23への干渉光…各0、となる。
この比較構造その2は全スペーサ厚の合計は比較構造その1と一致するものの、dの連続およびeの連続という偏りのある構造により自己相似形が崩れた結果、比較構造その1よりは干渉光の数を低減することができる。しかしながら、同じ厚さdおよびeの絶対数が多い(各10個)ため、再生対象とする界面Ljが下層側である場合においてk=j+1やk=j+2の場合などj-k間が狭い場合の干渉光の数を低減できていない。
図7は、比較構造その3について示している。
比較構造その3は、厚さd,e,f,g(a〜gは互いに素とする)のスペーサを周期的に繰り返す構造としたものである。具体的には、

基板/a/b/c/d/e/f/g/d/e/f/g/d/e/f/g/d/e/f/g/d/e/f/g/カバー層

である。
他の比較構造の場合と同様に界面L3〜L23の干渉光の数は以下のようにカウントできる。
<界面L3>
L3-L4間dと同じスペーサの存在による干渉光…8
L3-L5間d+eと同じスペーサの存在による干渉光…8
L3-L6間d+e+fと同じスペーサの存在による干渉光…8
L3-L7間d+e+f+gと同じスペーサの存在による干渉光…25
L3-L8間2d+e+f+gと同じスペーサの存在による干渉光…4
L3-L9間2d+2e+f+gと同じスペーサの存在による干渉光…4
L3-L10間2d+2e+2f+gと同じスペーサの存在による干渉光…4
L3-L11間2d+2e+2f+2gと同じスペーサの存在による干渉光…9
…合計70
以下同様に、界面L4への干渉光…合計66、界面L5への干渉光…合計58、、界面L17への干渉光…合計4、界面L18への干渉光…合計2、界面L19〜L23への干渉光…各0、となる。
この比較構造その3は、スペーサの種類を4つに増やしたため比較構造その1と比較してその規則性は緩むものの、やはり自己相似形が強く、干渉光の数を低減できていない。特に、上記のL3-L7間のようにj-k間が(d+e+f+g)となる場合はやはり、「どこを切りだしても同じ厚さ」となってしまう(図8を参照)。このため、干渉光の数が多くなってしまう。
図9は、比較構造その4について示している。
比較構造その4は、比較構造その3の規則性を崩し、揺らぎを与えたような構造である。具体的には、

基板/a/b/c/d/e/f/g/g/e/f/d/e/d/f/g/f/e/d/g/d/g/f/e/カバー層

である。
この比較構造その4における干渉光の数は、
<界面L3>
L3-L4間dと同じスペーサの存在による干渉光…8
L3-L5間d+eと同じスペーサの存在による干渉光…4
L3-L6間d+e+fと同じスペーサの存在による干渉光…8
L3-L7間d+e+f+gと同じスペーサの存在による干渉光…9
L3-L8間d+e+f+2gと同じスペーサの存在による干渉光…6
L3-L9間d+2e+f+2gと同じスペーサの存在による干渉光…0
L3-L10間d+2e+2f+2gと同じスペーサの存在による干渉光…0
L3-L11間2d+2e+2f+2gと同じスペーサの存在による干渉光…3
…合計38
以下同様に、界面L4への干渉光…合計19、界面L5への干渉光…合計18、、界面L17への干渉光…合計3、界面L18への干渉光…合計2、界面L19〜L23への干渉光…各0、となる。
この比較構造その4は、比較構造その3に比べると干渉光の数はかなり低減されるものの、下層側の界面Lを対象としたときに比較的多くの干渉光が生じる点が問題となる。
図10は、本実施の形態としての構造例(スペーサ厚の設定例)を示している。
本実施の形態としての構造例は、

基板/a/b/c/d/d/d/d/d/e/e/e/e/e/f/f/f/f/f/g/g/g/g/g/カバー層

である。
本実施の形態の構造例のポイントは、以下の点にある。

[1]最も下層側となる部分に配列される3つのスペーサの厚さを全て変える(a≠b,b≠c)。つまり、先の1)の指針に基づくものである。以下、このように最下層においてそれぞれのスペーサ厚を異ならせた部分については、異厚層ユニットと称する。

[2]異厚層ユニットの上層側には、a, b, cとは異なる厚さによるスペーサを複数連続して配列した同厚層ユニットを設ける。
具体的にこの場合、同厚層ユニットとしては厚さdのスペーサによるもの、さらにその上層側に厚さeのスペーサによるもの、さらにその上層側に厚さfのスペーサによるもの、さらにその上層側に厚さgのスペーサによるものを設ける。このとき、厚さa,b,c,d,e,f,gは互いに異なることが前提となる。

[3]各同厚層ユニット内にて連続配列するスペーサの数を制限する。例えばこの場合は5に制限するものとしている。

[4]各同厚層ユニットでは、ユニット内の一つのスペーサの厚さ及びユニット内の任意位置で連続する任意数のスペーサの合計厚さのそれぞれが、そのユニットの外部における任意の一つのスペーサの厚さ及び任意位置で連続する任意数のスペーサの合計厚さの何れとも異なるようにする。
例えば厚さdについて見れば、d,2d、3d、4d、5dが、a,b,c,e,f,g,a+b,a+b+c,b+c,2e,3e,4e,5e,e+f,2e+f,3e+f,4e+f,5e+f,e+2f,e+3f,e+4f,e+5f,e+5f+g,・・・,5e+5f+5g,2f,3f,4f,5f,f+g,2f+g,3f+g,4f+g,5f+g,・・・,5f+5g,2g、3g、4g、5gの何れとも異なるということである。また、例えばeについて見れば、e,2e、3e、4e、5eが、a,b,c,d,f,g,a+b,a+b+c,b+c,a+b+c+d,a+b+c+2d,a+b+c+3d,a+b+c+4d,a+b+c+5d,2d,3d,4d,5d,2f,3f,4f,5f,f+g,f+2g,f+3g,f+4g,f+5g,2f+1g,2f+2g,・・・,5f+5,2g,3g,4g,5gの何れとも異なるということである。
これらのうち、[2]の連続配列スペーサ数の制限は、干渉光の数を抑制するにあたって必要なものとなる。
但し、制限数=5はあくまで一例であり、干渉光による影響が非常に小さい場合(例えば反射率が非常に低い場合)にはより多くすることもできる。
また[4]の条件は、a〜gを互いに素の関係となるように選定すると比較的容易に満足することができる。
図10においても、a〜gは互いに素の関係であるとする。
図10に示す本実施の形態としての構造例におけるL3〜L23の干渉光の数は、以下に示す通りである。
<界面L3>
L3-L4間dと同じスペーサの存在による干渉光…7
L3-L5間2dと同じスペーサの存在による干渉光…3
L3-L6間3dと同じスペーサの存在による干渉光…0
…合計10
以下同様に、L4への干渉光…合計6、L5への干渉光…合計3、・・・、、L17への干渉光…合計0、L18への干渉光…合計10、L19への干渉光…合計6、L20への干渉光…合計3、L21への干渉光…合計1、L22〜L23への干渉光…各0、となる。
図10に示す本実施の形態としての構造例によれば、異厚層ユニット外で用いるスペーサの種類を4つに増やし且つそれらを偏らせまとめて配置した構造としているため、特に大きな周期での自己相似形を崩すことができ、結果、干渉光の数を何れの比較構造よりも大幅に少なくすることができる。
また、何より同厚のスペーサの連続配列が許容されるので、構造が非常にシンプルで製造上の煩雑さを軽減することができる。
さらに、同厚のスペーサの使用を許容したものとなるので、例えば3回反射光による干渉光の発生の完全防止を図るべく各スペーサの厚さに1μmより大きな差を与える構造と比較して、多層光記録媒体のトータルの厚さ(カバー層+全スペーサ)を抑えることができ、その分、球面収差補正の適正化の面でより有利とすることができる。
図11は、比較構造その1〜その4と本実施の形態の構造例との干渉光数を比較した図である。
図11では横軸を対象とする界面Li、縦軸を干渉光の数として界面Liごとの干渉光数を示している。◆プロットが比較構造その1、■プロットが比較構造その2、▲プロットが比較構造その3、●プロットが比較構造その4、*プロットが本実施の形態の構造例について、それぞれ界面Liごとの干渉光数を表している。
この図11より、比較構造その1は、下層側の界面Lほど急激に干渉光の数が増加するのがわかる。確認のため述べておくと、このように下層側ほど干渉光の数が急激に増加する現象が顕著に表れるのは、ここでは界面Lの総数を24と比較的多くしていることに依る。
また、スペーサ厚を4種類に増やして規則的に並べた比較構造その3も、下層側において急激に干渉光の数が増加する傾向となっていることが分かる。
また、比較構造その1で用いるスペーサ(d,e)を偏らせてまとめて並べ替えた比較構造その2、及び比較構造その3で用いるスペーサ(d,e,f,g)の規則性を崩した比較構造その4は、並べ替え前の構造となる比較構造その1、その3と比べると、それぞれ干渉光の数が低減できているものの、やはり下層側においてその低減度合いが十分でないことが分かる。
そして、これら比較構造と比較して、本実施の形態の構造例は、どの層でも干渉光の数が10以下に抑えられており、干渉光の数を減らすという面で有効なアプローチであることが分かる。
ここで、多重干渉の度合いを正確に見積もるには、各々の干渉光の「振幅強度」を考慮すべきである。
図12、及び図13(a)は、24個の界面Lそれぞれのエネルギー反射率、エネルギー透過率の設定例を示している。そして、図13(b)は、図12及び図13(a)に示される反射率・透過率の設定を行った場合における各界面Lの実効的反射率(迷光は含まず)を示している。
これら図12及び図13に示す反射率・透過率の設定を行った場合における、多重干渉の影響を見積もってみる。
なお、計算の簡略化のため、光の進行方向の違いによる反射率差はないものとする。また、干渉は被干渉光(主信号光)と干渉光間の干渉のみを考慮する。
これらの条件に基づき、先の図11における縦軸を干渉による光量変動の最大値(pp値)として、干渉光の数が20以下の分を計算して描画したものが図14である。
図14において、本実施の形態の構造例では、全ての層で光強度変動が最大pp0.9以下(±45%以下)で抑制されていることが分かる。
また、本実施の形態の構造例は、周期的に光強度変動のピークを迎える界面Li以外は光強度変動が非常に小さく抑制されており、下層側ほど光強度変動が逓増していく他の比較構造とは異なっている。
ここで、先の図11を参照すると、本実施の形態の構造例において界面L3,L8,L13,L18(つまりそれぞれの同厚層ユニット内において最も下層側に位置する界面L)はそれぞれ干渉光の数が同じとなっているが、この図14によると、これら界面L3,L8,L13,L18の光強度変動はそれぞれ異なるものとなっていることが分かる。具体的には、L18→L13→L8→L3の順、すなわち下層側の界面Lとなるに従って光強度変動が大となる傾向となっている。
このように干渉光の数が同じでも下層側ほど光強度変動が大となるのは、3回反射に寄与する界面Lmがより下層側に位置するためである。
上記のようにして本実施の形態としての構造例、つまり同厚層ユニットを設ける構造を採る場合には、下層側の同厚層ユニットほど干渉による光強度変動が大となる傾向になる。
このような特性を改善するとしたときには、図10に示したように各同厚層ユニット内のスペーサの連続配列数を一律に5とする構造に代えて、上層側よりも下層側の同厚層ユニットでスペーサ配列数をより小とする構造を採るものとすればよい。
この図15は、最も下層側に位置する同厚層ユニット内でのスペーサの配列数を4とし且つ最も上層側の同厚層ユニット内でのスペーサの配列数を6にした構造例、すなわち、

基板/a/b/c/d/d/d/d/e/e/e/e/e/f/f/f/f/f/g/g/g/g/g/g/カバー層

による構造例(本実施の形態の構造例(改)とする)について、界面Liごとの光強度変動(pp)を示している(●プロット)。なお図15では比較として、図10に示した本実施の形態の構造例についての界面Liごとの光強度変動も併せて示している(*プロット)。
この図15を参照して明らかなように、最も下層側に位置する同厚層ユニット内のスペーサ配列数を4に減らすことによって、図10の構造例においては最も大であった界面L3における光強度変動を、効果的に抑制することができる。具体的にこの場合、光強度変動はpp0.85程度からpp0.55程度に抑制することができる。
一方でこの場合は、最下層の同厚層ユニットのスペーサ配列数を1つ減らしたことで、最上層の同厚層ユニットのスペーサ配列数を6に増やしているが、図14と図15とを比較して分かるように、このことによる光強度変動は微少なもので済む。これは、3回反射に寄与する界面Lmが上層側であるほど干渉光の光強度が小である、ひいては光強度変動が小であることによる。
このように下層側における同厚層ユニット内のスペーサの配列数を少なくする設計によって、より効果的に多重干渉の影響を抑制できる。
[2-4.スペーサ厚の設定例]

以上、製造効率の低下の抑制を図りつつ多重干渉を効果的に抑制するスペーサ設計の具体的な手法について説明してきたが、具体的なスペーサ厚の数値を決めるには、反射率・透過率といった各界面Lの光学設計条件やスペーサ作製上のプロセスマージンなども考慮して「スペーサの種類が最少で且つ全スペーサの合計厚さが最少」となるように設計していけばよい。
以下では、N層ディスクの具体的な”N”の値を設定し、その際のスペーサ厚の設定値の具体例を示す。
ここで前提として、BD光学系に従いディスク構造を設計すると、最小スペーサ厚は10μm程度となり、全スペーサの厚さはそれよりも大となる値に設定すべきとなる。
Nが大きい場合は、下層側の異厚層ユニット内のスペーサとして比較的厚いスペーサを用いるものとし、各同厚層ユニットに薄いスペーサを用いた方が全スペーサの厚さ抑制には効果的である。
以下では具体的にN=16、20、24とした場合のスペーサ厚の設定例をそれぞれ示す。

<16層の設定例>
基板/19/29/25/17/17/13/13/13/13/11/11/11/11/11/11/カバー層

つまり、異厚層ユニット内のスペーサの厚さa,b,cをa=19,b=29,c=25とし、3種の同厚層ユニットのそれぞれのスペーサの厚さd,e,fをd=17,e=13,f=11とすると共に、下層側の同厚層ユニットほどスペーサの配列数を小としたものである。具体的にこの場合、スペーサの配列数は、下層側の同厚層ユニットから順に2→4→6としている。
この場合、スペーサ全厚=225μm、カバー層+スペーサ全厚=256μmとなる。
このようなスペーサ厚の設定によれば、複数のスペーサに跨る場合を考慮しても、同じ厚さとなる組合せがほとんどなく、干渉光の数は効果的に抑制できる。
ちなみに、先の図12で示したような反射率・透過率の設定によると、各界面Lの実効的反射率は1〜1.2%(実際には層間迷光があるのでシステムで検出できる反射率はそれ以上)となる。

<20層の設定例>
基板/21/29/25/19/19/17/17/17/17/13/13/13/13/11/11/11/11/11/11/カバー層

この場合も異厚層ユニット内のスペーサの厚さa,b,cはa=19,b=29,c=25である。この場合、異厚層ユニットの上層側ではそれぞれ厚さd,e,f,gによる4種の同厚層ユニットを設け、d=19,e=17,f=13,g=11とする。さらにこの場合としても、下層側の同厚層ユニットほどスペーサの配列数を小とし、具体的には下層側の同厚層ユニットから順に2→4→4→6としている。
この例の場合、スペーサ全厚=299μm、カバー層+スペーサ全厚=331μmとなる。
この例ではN=20とスペーサ数が増えたことに応じ、スペーサの種類を先の16層の場合の3つから4つに増やすことで、干渉光数の増加を抑制した。16層の場合と同様に複数のスペーサに跨る場合を考慮しても同じ厚さとなる組合せがほとんどなく、干渉光の数は効果的に抑制できる。
各界面Liにおける反射率・透過率の設計を図12に示したものとすると、この場合における各界面Liでの実効的反射率は0.7〜0.9%となる。

<24層の設定例>
基板/21/29/25/19/19/19/19/17/17/17/17/17/13/13/13/13/13/11/11/11/11/11/11/カバー層

つまり、先に説明した本実施の形態の構造例(改)において、a=21,b=29,c=25,d=19,e=17,f=13,g=11としたものである。これは、先の20層の場合との比較では、同厚層ユニットとして用いるスペーサの種類は同数とした上で、最上層の同厚層ユニットを除く同厚層ユニットでのスペーサ配列数を増やしたことに相当する。
この場合、スペーサ全厚=367μm、カバー層+スペーサ全厚=399μmである。
この設定例によっても、複数のスペーサを重ねた場合を考慮しても同じ厚さとなる組合せがほとんどなく、干渉光の数は効果的に抑制できる。
この場合、各界面Liにおける反射率・透過率の設計を図12に示したものとすると、各界面Liでの実効的反射率は0.5〜0.7%となる。
ここで、例えばN=30などさらなる多層化を図る場合には、スペーサの種類をさらに増やすことになるが、その場合には互いに素となるスペーサ厚の選定と複数のスペーサを跨った場合の干渉条件の回避などの難易度は増す傾向となる。また、カバー層+スペーサ全厚は400μmを超え、球面収差補正やスキュー調整など、ドライブシステム側の制御も困難性が増す。
また、Nの数を増やすことによっては、記録膜Lrcの設計として、エネルギー反射率を低下させ且つエネルギー透過率を上昇させる必要性がある。例えば透過率95%の記録膜Lrcを15層重ねた場合、最も下層側の記録膜Lrcでは記録パワーが46%まで減衰し、また20層重ねた場合は36%、25層では28%まで減衰する。このことからも理解されるように、実効的な記録パワーを各記録膜Lrcで揃える設計は多層化が進むに連れて非常に困難となる。また、Nの数が過大であると、下層側において必要な記録パワーを確保することも非常に困難となる。
これらの点を加味すると、多層光記録媒体としては、N=30を超えると現時点では非常に大きな技術的な課題を抱えることとなり、その実現が非常に困難になるとの予想が立つ。
<3.変形例>

以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明としてはこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、多層光記録媒体の表面が無反射コーティングされ、該表面を界面Liに包含せずに各スペーサ厚の設定を行うものとしたが、例えば上記表面が無反射コーティングされず、上記表面を界面Liとして包含すべき場合は、カバー層2としてのスペーサの厚さについても考慮に入れるべきものとなる。
このとき、カバー層2の厚さは、他の全てのスペーサ厚(重ねた場合も含む)と異なる値とする。例えば先に示した16層の設定例の場合、当該条件を満たすカバー層2の厚さとしては例えば31μmを挙げることができる。このように表面も界面Liに含む場合は、カバー層2としてのスペーサの厚さも含めて、各種スペーサの厚さを互いに素の関係となるように選定することで、カバー層2の厚さが他の全てのスペーサ厚(重ねた場合も含む)と異なるようにすることができる。
また、これまでの説明では、選択反射膜3(基準面Ref)を界面Liに含める場合を例示したが、例えば選択反射膜3による波長選択性がほぼ100%に近く基準面Refを経由する3回反射の迷光は考慮せずに済む場合には、基準面Refを界面Liから除外することができる。
また、これまでの説明では、異厚層ユニットとしては、厚さa,b,cによる3種のスペーサで構成する場合を例示したが、異厚層ユニット内のスペーサ数は、3つに限定されるべきものではなく、少なくとも複数(2以上)とされればよい。
先の説明からも理解されるように、最下層部分に異厚層ユニットを設ける主旨は、光強度が最も大となる最下層部分での干渉光の発生を防止することにある。例えば多層光記録媒体の層数が少ない場合には、界面L2における干渉光の光強度としても小となり、その発生を許容できることが考えられ、その場合の異厚層ユニットとしては厚さa,bによる2種のスペーサのみを配列したものとすることもできる。このように異厚層ユニットにおけるスペーサ配列数を幾つにするかは、多層光記録媒体の層数(界面Liの数)を幾つに設定するかに応じて定めればよい。
また、これまでの説明では、同厚層ユニット内におけるスペーサの配列数の制限に関して具体的な指針については触れなかったが、同厚層ユニット内におけるスペーサの配列数は、例えば以下で説明するような指針に基づき設定することができる。
図16(a)は、各界面Liにおけるエネルギー反射率を示し、図16(b)は、先の24層ディスクについて例示した反射率・透過率(図12)の設定の下で、任意の対象とする界面Li(Lj)より上にn個(n=2〜6)のスペーサを配列したときの界面Liにおける多重干渉による光強度変動(最大値pp)を見積もった結果を示している。
この図16(a)(b)によると、多重干渉による光強度変動を最大値ppで50%(±25%)許容するとした場合においては、反射率1.2%となる界面L15より上層の領域ではスペーサの配列数は6個まで許容されることが分かる。また、反射率1.2%となる界面L10より上層の領域でみるとスペーサの配列数は5個まで許容でき、さらに反射率2.5%以下(界面L5より上層)では4個、反射率4%以下では3個まで許容される。
ここで、先の(数1)にて導出した式は、反射率rが小で且つ透過率tが大のとき(つまり界面Liが上層側であるとき)は、分母の「r~mrm+tm2」の値がほぼ1となり、分子の「±2√(r~mrm)×tm」の値は反射率rに比例する。このため、多重干渉による光強度変動は、対象とする界面Liのエネルギー反射率に比例すると見なすことができる。
また、一方で、同厚層ユニットに関して、そのスペーサ配列数をnとおくと、該同厚層ユニット内で最も多くの干渉光が発生することとなる最も下層側の界面Liにおける干渉光の発生数は、「n(n−1)/2」となる。
これらの前提を踏まえると、同厚層ユニットにおけるスペーサの配列数は、対象とする同厚層ユニット内における最下層に位置する界面Liのエネルギー反射率(ri)と、上記「n(n−1)/2」とに基づき設定できることが分かる。
具体的に、同厚層ユニットにおけるスペーサの配列数を定めるための1つの指針としては、例えば以下のものを挙げることができる。

i×n(n−1)/2<20
また、これまでの説明において、図1に多層光記録媒体1として示した構造はあくまでも一例を示したものに過ぎず、多層光記録媒体の構造は実際の実施形態に応じて適宜最適とされる構造が採られればよい。
例えば、各記録膜Lrcにグルーブ等の位置案内子を形成する構造とすることもできる。その場合、基準面Ref(選択反射膜3)は省略することができる。
本発明の多層光記録媒体としては、少なくとも、入射光を反射する界面を複数有するように構成されたものであればよい。
1 多層光記録媒体、2 カバー層、3 選択反射膜、4 スペーサ、Lrc0〜Lrc19 記録膜、5 基板、Ref 基準面、L0〜L23 界面、10 録再光用フォーカス機構、11 固定レンズ、12 可動レンズ、13 レンズ駆動部、14 ミラー、15 ダイクロイックプリズム、16 対物レンズ、17 2軸アクチュエータ

Claims (11)

  1. 入射光を反射する界面を複数有し、それぞれの上記界面間にスペーサが形成されていると共に、
    光入射面を上面側としたとき、最も下面側にそれぞれ厚さが異なるスペーサが連続して配列された異厚層ユニットが形成され、且つ、上記異厚層ユニットの上方において、該異厚層ユニット内に配列される何れのスペーサとも異なる厚さによるスペーサが連続して配列されている
    多層光記録媒体。
  2. 上記異厚層ユニットは、それぞれ異なる厚さによる3種のスペーサが配列されて成る
    請求項1に記載の多層光記録媒体。
  3. 上記異厚層ユニットの上方においては、同厚によるスペーサが連続して配列された同厚層ユニットが複数形成されていると共に、それら同厚層ユニット間では、配列されるスペーサの厚さがそれぞれ異なる
    請求項2に記載の多層光記録媒体。
  4. 複数の上記同厚層ユニットのうちの個々の同厚層ユニットに関して、ユニット内の一のスペーサの厚さ及びユニット内の任意位置で連続する任意数のスペーサの合計厚さのそれぞれが、そのユニット外における任意の一のスペーサの厚さ及び任意位置で連続する任意数のスペーサの合計厚さの何れとも異なる
    請求項3に記載の多層光記録媒体。
  5. 上記異厚層ユニットの各スペーサの厚さとそれぞれの上記同厚層ユニットのスペーサの厚さとが互いに素の関係にある請求項3に記載の多層光記録媒体。
  6. 最上面としての表面に無反射コーティングが施されている請求項5に記載の多層光記録媒体。
  7. 最上面としての表面が、上記入射光を反射し得る界面の1つとして含まれ、上記表面と、上記表面と隣り合う界面との間に形成されるカバー層としてのスペーサの厚さが、他の何れのスペーサの厚さとも異なる
    請求項5に記載の多層光記録媒体。
  8. 上記カバー層としてのスペーサの厚さと他のスペーサの厚さとが互いに素の関係にある請求項7に記載の多層光記録媒体。
  9. それぞれの上記同厚層ユニット内に配列されるスペーサの数が同じである請求項5に記載の多層光記録媒体。
  10. 下方側に形成される上記同厚層ユニットほどスペーサの数が少ない傾向にある請求項5に記載の多層光記録媒体。
  11. 最も下方側と最も上方側の同厚層ユニットを除く同厚層ユニットにおけるスペーサの数が5とされている
    請求項5に記載の多層光記録媒体。
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