以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
<第1の実施例>
先ず、図1及び図2を参照する。ETC装置100は例えば自動車などの車両に搭載され、有料道路の利用料金の自動収受に加えて駐車場の利用料金の自動収受を可能とするための処理を行う。ETC装置100は、無線通信部110と、記憶部120と、ICカード収容部130と、表示部140と、入力部150と、制御部160とを含む。
無線通信部110は、ETC装置100を搭載した車両が有料道路又は駐車場の入出口ゲートを通過する際に、その入出口ゲートに設けられた道路料金処理機又は駐車場料金処理機との間で、有料道路料金に関連するデータ(以下、道路料金関連データと称する)又は駐車場料金に関連するデータ(以下、駐車場料金関連データと称する)を無線通信機能によりアンテナ111を介して送受信する。
道路料金関連データには例えば暗号化された車両情報、料金所番号(料金所識別情報)、通過年月日及び時刻、有料道路料金が含まれる。車両情報には、車載器管理番号、車両番号、車種についての情報が含まれる。例えばETC装置100の購入時にETC装置100のセットアップ業者がETCに関する管理・運営団体から暗号化された車両情報を取得してETC装置100の記憶部120に記憶する。
駐車場料金関連データには例えば利用者番号、駐車場番号(駐車場識別情報)、通過年月日及び時刻、駐車場料金が含まれる。ここで、利用者番号は以下のような番号である。例えば駐車場を運営する業者がETC装置の所有者を対象に駐車場利用登録会員を新たに募っている。駐車場を利用したいユーザーは、自身の所有するETC装置100の車載器管理番号を駐車場運営業者へ通知する。駐車場運営業者は、その車載器管理番号をETCに関する管理・運営団体に照会する。管理・運営団体は、当該車載器管理番号に対応する番号を利用車番号として駐車場運営業者へ通知する。利用車番号はセキュリティの関係上、例えば車載器管理番号を変換して得られた番号であり、車載器管理番号とは異なる番号である。駐車場運営業者は、利用車番号と例えば駐車場料金支払い用のクレジットカードなどを含む登録会員情報とを登録会員毎に対応付けて登録者データベースに事前登録する。
その他、無線通信部110は、ETC装置100に収容されているICカード200を特定するためのそのカードに固有のカード識別子(以下、カードID番号と称する)、駐車場の利用時間に応じて設定された割引料金などを表す付随データなどの情報についても、道路料金処理機又は駐車場料金処理機との間で送受信する。
記憶部120は、無線通信部110によって受信された道路料金関連データや駐車場料金関連データ、ICカード収容部130に挿入されたICカード200のメモリ内に記憶されているカードID番号を記憶し、また、有料道路及び駐車場の利用料金の履歴を利用履歴テーブルとして記憶する例えばRAMやハードディスクなどの読み書き自在なメモリである。
ICカード収容部130は、カード挿入口131から挿入されたICカード200を収容する機構である。ICカード200は、図3に示される如く例えばフラッシュメモリなどのメモリ210と、メモリ210から読み出されたデータ又はメモリ210へ記憶すべきデータを入出力するためのインターフェース部220とを備えたいわゆるETCカードである。インターフェース部220はICカード収容部130に設けられた図示せぬインターフェースに接続され、そのインターフェースを介してメモリ210からのデータの読み出し又はメモリ210へのデータの書き込みがなされる。メモリ210にはカードID番号、利用履歴テーブルが記憶される。ICカード200は、ETCの利用のための機能と通常のクレジットカードとしての機能とが一体となったいわゆるクレジットカード一体型のETCカードであっても良いし、ETCの利用のための機能のみを有するいわゆる分離型のETCカードであっても良い。
表示部140は、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブル又はICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210に記憶されている利用履歴テーブルに表される情報(以下、利用履歴情報と称する)を、入力部150又は制御部160からの表示指示に応じて表示する例えばLCDなどのディスプレイである。利用履歴情報は、例えば駐車場への入出場日時、駐車場利用時間、駐車場料金、有料道路及び駐車場の総合利用料金である。表示部140は、例えばETC装置100の側面部に設けられている。
入力部150は、ETC装置100のユーザーからの利用履歴情報の表示指示やカードによる支払い確認応答を受け入れる例えばプッシュボタンなどの入力機構であり、ETC装置100の例えば側面部に設けられている。
制御部160は、道路関連データ処理部161と、駐車場関連データ処理部162と、付随データ処理部163と、料金計算部164と、履歴更新部165と、利用履歴通知部166と、を含み、ETC装置100の全体を制御する例えばCPUなどのマイクロプロセッサである。
道路関連データ処理部161は、車両が有料道路の料金所に設けられた入出口ゲートを通過する際に、その入出口ゲートに設けられた道路料金処理機との間で送受信すべき道路料金関連データやカードID番号などの情報についての処理を行う。道路関連データ処理部161は、例えば道路料金処理機からの道路料金関連データを記憶部120に記憶させる処理、記憶部120に記憶されている車両情報その他の道路料金関連データやカードID番号を無線通信部110をして道路料金処理機へ送信せしめる処理、道路料金処理機から発せられた信号の信号種別及びその正当性を判別する処理などの道路料金の収受に関する処理を行う。
駐車場関連データ処理部162は、車両が駐車場の料金所に設けられた入出口ゲートを通過する際に、当該入出口ゲートに設けられた駐車場料金処理機との間で送受信すべき駐車場料金関連データやカードID番号などの情報についての処理を行う。駐車場関連データ処理部162は、例えば駐車場料金処理機からの駐車場料金関連データを記憶部120に記憶させる処理、記憶部120に記憶されている車両情報その他の駐車場料金関連データやカードID番号を無線通信部110をして駐車場料金処理機へ送信せしめる処理、駐車場料金処理機から発せられた信号の信号種別及びその正当性を判別する処理などの駐車場料金の収受に関する処理を行う。
付随データ処理部163は、例えば車両が駐車場の料金所に設けられた入出口ゲートを通過する際に、その入出口ゲートに設けられた駐車場料金処理機との間で送受信すべき付随データについての処理を行う。付随データ処理部163は、例えば駐車場料金処理機からの付随データを記憶部120に記憶させる処理、記憶部120又はICカード200のメモリ210に記憶されている例えば買い物の日時や金額を無線通信部110をして駐車場料金処理機へ送信せしめる処理などの駐車場料金に関する付随情報についての処理を行う。
更に、付随データ処理部163は、車両が有料道路の料金所に設けられた入出口ゲートを通過する際に、その入出口ゲートに設けられた道路料金処理機との間で送受信すべき付随データについての処理を行うようにしても良い。この場合、付随データ処理部163は、例えば道路料金処理機からの例えば曜日や時間帯に応じた割引料金などの付随データを記憶部120に記憶させる処理、記憶部120に記憶されている付随データを無線通信部110をして道路料金処理機へ送信せしめる処理などの道路料金に関する付随情報についての処理を行う。
料金計算部164は、例えばユーザーによって入力部150に入力された算出指示に応じて、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルを参照し、その利用履歴情報に基づいて駐車場の総合利用料金を算出する。なお、料金計算部164は、駐車場道路の料金所に設けられた出口ゲートを通過した際に駐車場関連データ処理部162が発した算出指示に応じて総合利用料金を算出するようにしても良い。
料金計算部164は、例えば当該算出指示に応じて、利用履歴テーブルに利用履歴情報として記憶されている駐車場料金のうちの最新の駐車場料金から、当該駐車場料金に対応する付随データである割引料金を減算して総合利用料金を算出する。総合利用料金は利用履歴データの一部として記憶部120に記憶される。
履歴更新部165は、料金計算部164によって算出された総合利用料金の通知に応じて又はユーザーによって入力部150に入力された更新指示に応じて、ICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210に記憶されている利用履歴テーブルの利用履歴情報を、記憶部120に一時的に記憶されている道路料金関連データ、駐車場料金関連データ、付随データ及び総合利用料金に対応させて更新する。
利用履歴通知部166は、記憶部120に記憶されている利用履歴データ又は最新の利用料金を、無線通信部110をして例えば携帯電話端末などの通信端末へ送信せしめるものである。利用履歴通知部166は、例えば通信端末からの通知要求に応じて、又は定期的に、又は有料道路や駐車場に設けられた料金処理機からの料金情報の受信に応じて、利用履歴データ又は最新の利用料金を通信端末へ通知する。
車両は、高速道路などの有料道路を走行するだけでなく、有料道路から無料の一般道路へ乗り換え、更に例えばデパートなどに設けられた有料駐車場を利用することもあり得る。その際、ETC装置100は上記した如き処理を行う。
車両が有料道路を利用する場合には以下のような処理を実行する。先ず、車両は一般道路から有料道路へ入る際に、有料道路の入口料金所に設けられた入口ゲートを通過する。その際、道路関連データ処理部161は、入口ゲートに設けられた道路料金処理機から発せられた問合せ信号を無線通信部110を介して受信し、その問合せ信号が正当なものであると判別した場合に、暗号化された車両情報、カードID番号をその道路料金処理機へ返信する。そして、道路関連データ処理部161は、当該返信に応じた道路料金処理機から発せられた例えば料金所番号や入口ゲートの通過年月日及び時刻などの道路料金関連データを無線通信部110を介して受信しそれらを記憶部120に記憶させる。
車両が有料道路から出て一般道路へ乗り換える場合には先ず、出口料金所に設けられた出口ゲートを通過する。その際、道路関連データ処理部161は、出口ゲートに設けられた道路料金処理機から発せられた問合せ信号を無線通信部110を介して受信し、その問合せ信号が正当なものであると判別した場合に、暗号化された車両情報、カードID番号、入口ゲート通過時に取得した料金所番号、入口ゲートの通過年月日及び時刻などの道路料金関連データをその道路料金処理機へ返信する。
そして、当該返信に応じた道路料金処理機から発せられた例えば有料道路料金、出口ゲートの通過年月日及び時刻などの道路料金関連データを無線通信部110を介して受信しそれらを記憶部120に記憶させる。また、道路料金処理機から発せられた例えば曜日、時間帯に応じた割引料金や、路外パーキングサービスにおける再乗り無料料金などの付随データを無線通信部110を介して受信しそれらを記憶部120に記憶させるようにしても良い。更に履歴更新部165は、ICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210に記憶されている利用履歴データを、道路料金関連データに対応させて更新する。なお、ICカード200は、入出口ゲート通過時にはICカード収容部130に収容されている。
続いて、車両が一般道路へ乗り換えた後に例えばデパートに設けられた駐車場を利用する場合の処理について以下に説明する。図4は、ETC装置100を搭載した車両500を入口駐車場料金処理機300と共に表す概略構成図である。図5は、入口駐車場料金処理機300の構成を表すブロック図である。図6は、駐車場入口ゲート通過時の処理フローを表すフローチャートである。
入口駐車場料金処理機300は、情報送受信部310と、信号判別部320と、駐車場料金関連情報生成部330と、ゲート340と、登録者データベース350とを含み、駐車場入口ゲートに設けられ、ETC装置100との間で駐車場料金関連データを送受信する装置である。以下、図4〜6を参照しつつ、車両が駐車場入口ゲートを通過する際の処理について説明する。駐車場を利用する際にも、利用者はICカード200をICカード収容部130に予め挿入しておく。
車両が駐車場入口のゲート340に近づくと、情報送受信部310から問合せ信号が発せられる。ETC装置100の無線通信部110は、その問合せ信号を受信する(ステップS101)。駐車場関連データ処理部162は、無線通信部110によって受信されたその問合せ信号が正当なものであるか否かを判別し(ステップS102)、正当であると判別した場合には、記憶部120に記憶されている利用者番号及びカードID番号の少なくともいずれかを無線通信部110から情報送受信部310へ送信する(ステップS103)。 入口駐車場料金処理機300の信号判別部320は、情報送受信部310によって受信された利用者番号が、登録者データベース350に予め記憶されている利用者番号一覧のうちの1つに一致した場合に、その車両が正当な登録利用車両であると判別する。なお、信号判別部320は、情報送受信部310によって受信されたカードID番号が、登録者データベース350に予め記憶されているカードID番号一覧のうちの1つに一致した場合に、その車両が正当な登録利用車両であると判別するようにしても良い。また、登録者データベース350は、必要に応じて入口駐車場料金処理機300に含まず別途に一括管理しても良い。
この場合、信号判別部320は、ゲート340へゲート開放指示を発するとともに、駐車場料金関連情報生成部330へ駐車場料金関連データの送信指示を発する。これに応じてゲート340が開かれる。また、駐車場料金関連情報生成部330は、駐車場番号や入口ゲートの通過年月日及び時刻などの駐車場料金関連データを生成し、これを情報送受信部310からETC装置100へ送信する。
ETC装置100の駐車場関連データ処理部162は、無線通信部110によって受信された駐車場料金関連データを記憶部120に記憶させる(ステップS104)。車両はゲート340を通過し、駐車場に停車する。その後、ユーザーは例えばデパート等で買い物をする。ICカード200がクレジットカード一体型ICカードである場合には、ユーザーはETC装置100からICカード200を抜き取り、そのクレジットカード機能により買い物をする。この場合、ICカード200内のメモリ210には買い物をした日時や金額が記憶される。車両は例えば1時間30分の期間だけ駐車場に停車し、その後、駐車場を去るために駐車場出口ゲートへ向かう。
図7は、ETC装置100を搭載した車両500を出口駐車場料金処理機400と共に表す概略構成図である。図8は、出口駐車場料金処理機400の構成を表すブロック図である。図9は、駐車場出口ゲート通過時の処理フローを表すフローチャートである。
出口駐車場料金処理機400は、情報送受信部410と、信号判別部420と、付随データ生成部430と、駐車場料金計算部440と、ゲート450と、登録者データベース460とを含み、駐車場出口ゲートに設けられ、ETC装置100との間で駐車場料金関連データを送受信する装置である。以下、図7〜9を参照しつつ、車両が駐車場出口ゲートを通過する際の処理について説明する。
車両が駐車場出口のゲート450に近づくと、情報送受信部410から問合せ信号が発せられる。ETC装置100の無線通信部110は、その問合せ信号を受信する(ステップS201)。駐車場関連データ処理部162は、無線通信部110によって受信されたその問合せ信号が正当なものであるか否かを判別し(ステップS202)、正当であると判別した場合には、記憶部120に記憶されている利用者番号、駐車場番号、入口ゲートの通過年月日及び時刻などを含む駐車場料金関連データを無線通信部110から情報送受信部410へ送信する(ステップS203)。なお、駐車場関連データ処理部162は、利用者番号に代えてカードIC番号を送信しても良いし、これらを併せて送信しても良い。また、カードによる支払い意思の確認のために、例えばETC装置100の側面に設けられた入力部150の確認ボタンがユーザーによって押された場合にのみ、これらの情報を送信するようにしても良い。
この際、ETC装置100に挿入されているICカード200がクレジットカード一体型ICカードである場合、付随データ処理部163は、ICカード200内のメモリ210に記憶されている買い物の日時及び金額についても無線通信部110から情報送受信部410へ送信する。
出口駐車場料金処理機400の信号判別部420は、情報送受信部410によって受信された利用者番号が、登録者データベース460に予め記憶されている利用者番号一覧のうちの1つに一致した場合に、その車両が正当な登録利用車両であると判別する。なお、信号判別部420は、情報送受信部410によって受信されたカードID番号が、登録者データベース460に予め記憶されているカードID番号一覧のうちの1つに一致した場合に、その車両が正当な登録利用車両であると判別するようにしても良い。この場合、信号判別部420は、付随データ生成部430へ付随データの生成指示を、駐車場料金計算部440へ駐車場料金の算出指示を、ゲート450へゲート開放指示を、それぞれ発する。なお、登録者データベース460は、必要に応じて出口駐車場料金処理機400に含まず別途に一括管理しても良い。
これに応じた付随データ生成部430は、例えば利用者番号、カードID番号、駐車時間、買い物の日時及び金額に応じた割引料金などの付随データを生成する。登録者データベース460は、例えば予め利用者番号又はカードID番号とその所有者が「お得意様」又は「決済不要顧客」であるか否かを示す識別子とを対応付けて記憶しており、付随データ生成部430は、ゲート450通過時にETC装置100から取得した利用者番号又はカードID番号からその車両の利用者が「お得意様」に該当すると判別した場合に、駐車料金を例えば500円を割り引くべき旨の付随データを生成する。また、付随データ生成部430は、例えば車両の利用者が「お得意様」に該当し且つ駐車時間が2時間以内であった場合に500円を割り引くべき旨の付随データを生成するようにしても良い。また、付随データ生成部430は、利用者番号又はカードID番号が、例えば自社社員、特別な固定客、機密車両の運転手などの「決済不要顧客」に該当すると判別した場合には、買い物金額や駐車時間にかかわらず駐車場料金の全額を割り引くべき旨の付随データを生成する。
また、付随データ生成部430は、入口ゲート通過時刻から出口ゲート通過時刻までの間の買い物金額が例えば1万円などの所定金額以上であると判別した場合に、利用者番号等が「お得意様」又は「決済不要顧客」に該当するか否かにかかわらず、駐車料金を例えば500円を割り引くべき旨の付随データを生成するようにしても良い。なお、このように買い物金額に応じて即座に割引等のサービス提供ができるのは、ICカード200がクレジットカード一体型ETCカードの場合である。ICカード200が分離型ETCカードである場合には、ICカード200からは買い物金額が出口駐車場料金処理機400へ送信されないので、例えば駐車場運営業者に登録したクレジットカードによる買い物金額に応じた割り引きやポイント加点が後日の決済においてなされるようにしても良い。なお、付随データは割引料金に限られない。付随データは、例えば割引率でも良いし、駐車場を例えば3回利用する毎に割引するといった処理をするための駐車場利用回数などを表すデータでも良い。
また、駐車場料金計算部440は、道路料金関連データ及び付随データ生成部430によって生成された付随データに基づいて駐車場料金を算出する。駐車場料金計算部440は、例えば現在時刻(つまり、出口ゲートの通過時刻)と、ETC装置100から取得した入口ゲートの通過時刻とから駐車時間を算出し、その駐車時間と、付随データが表す例えば割引料金とに基づいて駐車場料金を算出する。駐車場料金、利用時間、入出口ゲートの通過年月日及び時刻などの情報を含む駐車場料金関連データ及び割引料金などの付随データは、情報送受信部410によってETC装置100へ送信される。
ETC装置100の駐車場関連データ処理部162は、無線通信部110によって受信された駐車場料金関連データに含まれる駐車場料金などの情報を利用履歴テーブルの各項目に対応させて記憶部120に記憶させる(ステップS204)。また、付随データ処理部163は、無線通信部110によって受信された付随データに含まれる割引料金などの付随情報を利用履歴テーブルの各項目に対応させて記憶部120に記憶させる(ステップS204)。その後、車両は、開かれたゲート450を通過し、駐車場を出る。
図10は、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルの一例を表す図である。「利用番号」は有料道路や駐車場の利用毎に順番に付される番号である。「利用種別」は、各利用番号についての情報が、道路料金に関するものであるか、駐車場料金に関するものであるかを表す。「入場日時」は、道路又は駐車場に入場した日時(入口ゲート通過の日時)を表す。「出場日時」は、道路又は駐車場に出場した日時(出口ゲート通過の日時)を表す。「利用時間」は、入場から出場までの時間を表す。「割引料金」は、駐車場の割引料金を表す。「利用料金」は、有料道路又は駐車場についての割引料金を加味していない利用料金を表す。
駐車場関連データ処理部162は、無線通信部110によって受信された駐車場料金関連データに含まれる駐車場料金、入出口ゲートの通過年月日及び時刻や、付随データに含まれる割引料金などの情報を、利用履歴テーブルにおける「入場日時」や「割引料金」などの各項目に対応させて追加する。例えば利用履歴テーブルにおける「利用番号」1番及び2番に対応する欄に既に情報が記憶されている場合には、「利用番号」3番に対応する欄に、図10に示される如く入場日時(09/5/9 16:00)などの情報が追加される。ここで、09/5/9 16:00は2009年5月9日16時00分を意味する。なお、このような追加によって記憶部120の記憶容量を超える場合には、古い情報(「利用番号」1番に対応する欄に記憶されている情報)から順に削除して、新たな情報を追加するようにしても良い。
料金計算部164は、ユーザーによって入力部150に入力された算出指示、又は駐車場道路の料金所に設けられた出口ゲートを通過した際に駐車場関連データ処理部162が発した算出指示に応じて総合利用料金を算出する(ステップS205)。この際、料金計算部164は、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルを参照する。そして、料金計算部164は、最新の駐車場料金(「利用番号」の最も大きい欄の駐車場料金)から、当該駐車場料金に対応する割引料金を減算して総合利用料金を算出する。例えば「利用番号」3番まで記憶されている場合には、「利用番号」3番に対応する「利用料金」欄の駐車場料金(500円)から「割引料金」欄の割引料金(500円)を減算し、総合利用料金0円を算出する。料金計算部164は、総合利用料金を利用履歴データの一部として記憶部120に記憶させると共に、総合利用料金を算出した旨を履歴更新部165へ通知する。
履歴更新部165は、料金計算部164からの総合利用料金を算出した旨の通知に応じて又はユーザーによって入力部150に入力された更新指示に応じて、ICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210に記憶されている利用履歴データを更新する(ステップS206)。ICカード200のメモリ210にも、図10に示される如き利用履歴テーブルの形式により「入場日時」などの利用履歴データが記憶されている。履歴更新部165は、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルに対応させてメモリ210内の利用履歴テーブルを更新する。また、履歴更新部165は、利用履歴データの一部としてメモリ210内に記憶されている総合利用料金についても、料金計算部164によって算出された総合利用料金に対応させて更新する。
ETC装置100のユーザーが、これらの利用履歴を確認したい場合には、入力部150に利用履歴情報の表示指示を入力することによって、例えばLCDなどのディスプレイである表示部140に表示させることができる。表示部140は、ユーザーからの利用履歴情報の表示指示に応じて、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブル又はICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210に記憶されている利用履歴テーブルの利用履歴情報を取り出してこれを表示する(ステップS207)。
図11は、表示部140における利用履歴情報の表示例を表す図である。利用履歴情報は、例えばユーザーによって指定されたある特定の利用番号についての駐車場への入出場日時、利用時間、割引料金、利用料金、総合利用料金である。図11では、利用番号3番についての利用時間(1時間30分)や総合利用料金(0円)などの利用履歴情報が表示されている。
また、利用履歴通知部166は、料金計算部164からの総合利用料金を算出した旨の通知に応じて、ICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210又は記憶部120に記憶されている利用履歴データ又は最新の総合利用料金を表すデータを例えば電子メールの形式により、無線通信部110をして例えば携帯型電話端末などの通信端末へ送信せしめる(ステップS208)。
上記したように本実施例によるETC装置は、有料道路の利用に際して道路料金処理機との間で暗号化された車両情報やゲート通過時刻などの道路料金関連情報を送受信するといった従来の機能に加え、駐車場の利用に際して駐車場料金処理機との間で利用者番号やゲート通過時刻などの駐車場料金関連情報及び割引料金などの付随情報を送受信する機能を備えている。有料道路及び駐車場の利用料金は、有料道路及び駐車場のゲート通過時に道路料金処理機及び駐車場料金処理機との間で交換された暗号化車両情報や利用者番号、道路料金関連データ及び駐車場料金関連データに基づいてこれらの料金処理機によって算出され、ETC装置に挿入されているICカード又は決済合意したクレジットカードから自動的に引き落とされる。それ故、本実施例のETC装置によれば、有料道路の利用料金に加えて駐車場の利用料金についても自動収受することができるので、ユーザーの利便性が大幅に向上する。
本実施例によるETC装置によれば、例えば駐車時間、カードID番号や利用者番号(お得意様、自社社員などに対応)、買い物金額などに応じた駐車場料金割引サービスを提供できる。例えばクレジットカード一体型のETCカードの場合には、ETCカードのメモリ内に記憶されている買い物金額に応じて駐車場料金割引金額を算出し、駐車場を出る際に駐車場料金を割り引くといったサービスを提供できる。分離型のETCカードの場合には、ETCカードと提携している別のクレジットカードによる買い物金額に応じた割引を後日行うようにしても良い。
本実施例によるETC装置は、有料道路についての利用履歴情報だけでなく割引料金などの付随情報をも加味した駐車場についての利用履歴情報もETC装置内のメモリ及びETC装置に挿入されたICカード内のメモリに記憶する。そして、ETC装置は、駐車場料金と割引料金とを総合した総合利用料金を算出してこれを表示する機能を有する。これにより、ユーザーは、有料道路についての利用履歴だけでなく駐車場についての利用履歴も参照することができ、更に、割引料金を加味した総合利用料金についても随時確認することができる。
従来、駐車場の入口ゲートを通過する際には、車両を一旦停止させ、車両の窓を開け、窓から身を乗り出して発券機から駐車券を受け取るといった動作をする必要があった。本実施例のETC装置によれば、利用者番号、カードID番号を駐車場料金処理機に送信することにより、その利用者番号、カードID番号の認証処理を経て自動的に入口ゲートが開かれるので、スムースに入口ゲートを通過することができる。これにより、通行券を受け取るといったわずらわしい動作をする必要もなく、入口ゲートにおける混雑を解消できる。また、従来、駐車場の出口ゲートを通過する際には、車両を一旦停止させ、車両の窓を開け、窓から身を乗り出して料金処理機へ駐車券を挿入すると共に利用時間等に応じた分の駐車場料金を現金で投入するといった動作をする必要があった。本実施例のETC装置によれば、出口ゲートが自動的に開かれるので、このようなわずらわしい動作をする必要もなく、出口ゲートにおける混雑も解消できるといった効果も奏する。
なお、上記した実施例は、駐車場料金と割引料金とを総合した料金を総合利用料金とした例であるが、例えば利用履歴テーブルに利用履歴情報として記憶されている各道路料金と各駐車場料金とを総合して総合利用料金を算出するようにしても良い。
この場合、料金計算部164は、例えばユーザーによって入力部150に入力された算出指示に応じて、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルを参照し、その利用履歴情報に基づいて有料道路及び駐車場の総合利用料金を算出する。詳細には、料金計算部164は、利用履歴テーブルに利用履歴情報として記憶されている利用番号毎の道路料金と駐車場料金とを加算して加算料金を算出し、その加算料金から、当該駐車場料金にそれぞれ対応する割引料金を減算して総合利用料金を算出する。例えば図10における利用番号1〜3を算出対象とした場合を例に挙げれば、「利用料金」欄の道路料金(2000円)と駐車場料金(500円+500円)とを加算して加算料金(3000円)を算出し、加算料金3000円から、当該駐車場料金にそれぞれ対応する割引料金(0円+500円)を減算し、総合利用料金2500円を算出する。総合利用料金は利用履歴データの一部として記憶部120に記憶される。
このような処理を行うことにより、ETCカードで支払うべき例えば1か月分の利用料金を総合した総合利用料金を確認することができて便利である。
<第2の実施例>
本実施例におけるETC装置100は、駐車場での利用のみならず、ガソリンスタンドやドライブスルー等での利用も可能な機能を備え、更にその利用履歴を例えば携帯電話端末などの通信端末へ送信する機能をも備える。図12は、本実施例によるETC装置100の構成を表すブロック図である。ETC装置100は、ガソリンスタンド関連データ処理部(以下、GS関連データ処理部と称する)167と、ドライブスルー(DT)関連データ処理部(以下、DT関連データ処理部と称する)168と、を更に含む。
GS関連データ処理部167は、車両がガソリンスタンドでの給油の際に、給油機(またはこれに付随する料金計算装置:本明細書では料金計算装置も含めて「給油機」と称する)との間で送受信すべき給油料金関連データやカードID番号などの情報についての処理を行う。GS関連データ処理部167は、例えば給油機からの給油料金関連データを記憶部120に記憶させる処理、記憶部120に記憶されている利用者番号その他の給油料金関連データやカードID番号を無線通信部110をして給油機へ送信せしめる処理、給油機から発せられた信号の信号種別及びその正当性を判別する処理などの給油料金の収受に関する処理を行う。DT関連データ処理部168は、車両がドライブスルーでの商品購入の際に、例えばドライブスルーに設けられたレジスター機との間で送受信すべき商品購入料金関連データやカードID番号などの情報についての処理を行うものであり、GS関連データ処理部167と同様の処理を行う。
利用履歴通知部166は、記憶部120に記憶されている利用履歴データ又は最新の利用料金を、無線通信部110をして例えば携帯電話端末などの通信端末へ送信せしめるものである。利用履歴通知部166は、例えば通信端末からの通知要求に応じて、又は定期的に、又は給油機やレジスター機からの料金情報の受信に応じて、利用履歴データ又は最新の利用料金を通信端末へ通知する。
図13は、ETC装置100を搭載した車両500を給油機600と共に表す概略構成図である。図14は、給油機600の構成を表すブロック図である。図15は、ガソリンスタンドでの給油時の処理フローを表すフローチャートである。以下、図13〜15を参照しつつ、車両がガソリンスタンドで給油する際の処理について説明する。
車両が給油機600に近づくと、情報送受信部610から問合せ信号が発せられる。ETC装置100の無線通信部110は、その問合せ信号を受信する(ステップS301)。GS関連データ処理部167は、無線通信部110によって受信されたその問合せ信号が正当なものであるか否かを判別し(ステップS302)、正当であると判別した場合には、記憶部120に記憶されている利用者番号、カードID番号の少なくともいずれかを無線通信部110から情報送受信部610へ送信する(ステップS303)。
給油機600の信号判別部620は、情報送受信部610によって受信された利用者番号が、登録者データベース660に予め記憶されている利用者番号一覧のうちの1つに一致したと判別した場合に、その車両が正当な登録利用車両であると判別する。なお、信号判別部620は、情報送受信部610によって受信されたカードID番号が、登録者データベース660に予め記憶されているカードID番号一覧のうちの1つに一致した場合に、その車両が正当な登録利用車両であると判別するようにしても良い。なお、登録者データベース660は、必要に応じて給油機600に含まず別途に一括管理しても良い。
この場合、信号判別部620は、給油部630へ給油許可を、付随データ生成部640へ付随データの生成指示をそれぞれ発する。これに応じた付随データ生成部640は、例えば予め利用者番号とその所有者が「お得意様」であるか否かを示す識別子とを対応付けて記憶しており、ETC装置100から取得した利用者番号からその車両の利用者が「お得意様」に該当すると判別した場合に、給油料金を例えば1%割り引くべき旨の付随データを生成する。
また、店員が給油部630により車両への給油を行い、給油料金計算部650がその給油量に基づいて給油料金を算出する。給油料金計算部650は、例えば給油量と、付随データが表す例えば割引率とに基づいて給油料金を算出する。給油料金、給油の年月日及び時刻などの情報を含む給油料金関連データ及び割引料金、油種、給油量などの付随データは、情報送受信部610によってETC装置100へ送信される。
ETC装置100のGS関連データ処理部167は、無線通信部110によって受信された給油料金関連データに含まれる給油料金などの情報を利用履歴テーブルの各項目に対応させて記憶部120に記憶させる(ステップS304)。また、付随データ処理部163は、無線通信部110によって受信された付随データに含まれる割引料金、油種、給油量などの付随情報を利用履歴テーブルの各項目に対応させて記憶部120に記憶させる(ステップS304)。その後、車両はガソリンスタンドを立ち去る。
図16は、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルの一例を表す図である。図10に示される例とほぼ同じであるが、ガソリンスタンドを利用した場合には「利用種別」欄に「GS」と記憶される。なお、「出場日時」及び「利用時間」については省略される。「割引料金」、「利用料金」については、図10に示される例と同じである。GS関連データ処理部167は、無線通信部110によって受信された給油料金関連データに含まれる給油料金、利用の年月日及び時刻や、付随データに含まれる割引料金、油種、給油量などの情報を、利用履歴テーブルにおける「入場日時」、「割引料金」、「備考」などの各項目に対応させて追加する。
料金計算部164は、ユーザーによって入力部150に入力された算出指示、又は無線通信部110が給油料金関連データを受信した際にGS関連データ処理部167が発した算出指示に応じて総合利用料金を算出する(ステップS305)。この際、料金計算部164は、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルを参照する。そして、料金計算部164は、最新の給油料金(「利用番号」の最も大きい欄の給油料金)から、当該給油料金に対応する割引料金を減算して総合利用料金を算出する。例えば「利用番号」3番まで記憶されている場合には、「利用番号」3番に対応する「利用料金」欄の給油料金(5000円)から「割引料金」欄の割引料金(500円)を減算し、総合利用料金4500円を算出する。料金計算部164は、総合利用料金を利用履歴データの一部として記憶部120に記憶させると共に、総合利用料金を算出した旨を履歴更新部165及び利用履歴通知部166へ通知する。
履歴更新部165は、料金計算部164からの総合利用料金を算出した旨の通知に応じて又はユーザーによって入力部150に入力された更新指示に応じて、ICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210に記憶されている利用履歴データを更新する(ステップS306)。ICカード200のメモリ210にも、図16に示される如き利用履歴テーブルの形式により「入場日時」などの利用履歴データが記憶されている。履歴更新部165は、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルに対応させてメモリ210内の利用履歴テーブルを更新する。また、履歴更新部165は、利用履歴データの一部としてメモリ210内に記憶されている総合利用料金についても、料金計算部164によって算出された総合利用料金に対応させて更新する。
ETC装置100のユーザーが、これらの利用履歴を確認したい場合には、入力部150に利用履歴情報の表示指示を入力することによって、例えばLCDなどのディスプレイである表示部140に表示させることができる。表示部140は、ユーザーからの利用履歴情報の表示指示に応じて、記憶部120に記憶されている利用履歴テーブル又はICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210に記憶されている利用履歴テーブルの利用履歴情報を取り出してこれを表示する(ステップS307)。
また、利用履歴通知部166は、料金計算部164からの総合利用料金を算出した旨の通知に応じて、ICカード収容部130に挿入されているICカード200のメモリ210又は記憶部120に記憶されている利用履歴データ又は最新の総合利用料金を表すデータを例えば電子メールの形式により、無線通信部110をして例えば携帯型電話端末などの通信端末へ送信せしめる(ステップS308)。
上記したように本実施例によるETC装置は、有料道路や駐車場の利用に際してのみならず、ガソリンスタンドを利用する際にもカードID番号、利用者番号や給油料金などの給油料金関連情報及び割引料金などの付随情報を送受信する機能を備えている。これらの利用料金は、道路料金処理機、駐車場料金処理機及び給油機との間で交換されたカードID番号、利用者番号、道路料金関連データ及び駐車場料金関連データに基づいてこれらの料金処理機によって算出され、ETC装置に挿入されているICカード又は決済合意したクレジットカードから自動的に引き落とされる。それ故、本実施例のETC装置によれば、有料道路や駐車場のみならず、ガソリンスタンドの利用料金の支払いをも統合して自動収受することができるので、ユーザーの利便性が大幅に向上する。なお、ドライブスルーを利用する際には、DT関連データ処理部168によって上記したのと同様の処理がなされる。それ故、ドライブスルーでの商品購入料金についても同様に自動収受することができる。ドライブスルーを利用する場合には、図16に示される利用履歴テーブルの備考欄には、ドライブスルーに設けられたレジスター機から付随情報として送信された例えば購入商品の個数や単価(例えば購入商品:ハンバーグ購入個数:1個、単価:300円)などの情報が記録される。
また、本実施例によるETC装置は、利用履歴又は最新の利用料金を表すデータを例えば携帯型電話端末などの通信端末へ送信するので、ユーザーが容易に利用履歴や利用料金を知ることができ、非常に便利である。
<第3の実施例>
第1の実施例は、出口駐車場料金処理機400が駐車場料金を算出してそれをETC装置100へ送信する場合の例であるが、本実施例ではETC装置100が駐車場料金を算出する。図17は、本実施例によるETC装置100の構成を表すブロック図である。ETC装置100は、時計169と、駐車場料金対応テーブル170とを更に含む。
時計169は、例えばCPUである制御部160の動作クロックに同期するように時刻をカウントする時計である。時計169は、時刻だけでなく年月日についてもカウントする。
駐車場料金対応テーブル170は、駐車場の利用料金を算出するためのテーブルであり、例えばRAMやハードディスクなどの記憶媒体に予め記憶したものでも良いし、駐車場入口のゲート340を通過する際又は駐車場出口のゲート450を通過する際に無線通信部110を介して最新の駐車場利用料金に更新されたものを受信及び記憶したものでも良い。図18は、駐車場料金対応テーブル170の一例を表す図である。駐車場料金対応テーブル170には、例えば駐車時間が2時間以下であれば駐車場料金が500円、2〜3時間であれば駐車場料金が1000円といったように、駐車時間と駐車料金とが対応付けられている。
図19は、駐車場料金決定フローを表すフローチャートである。以下、図17〜19を参照しつつ、駐車場料金の決定処理について説明する。
先ず、車両が駐車場に進入するために駐車場入口のゲート340を通過する。その際、駐車場関連データ処理部162は、入口駐車場料金処理機300から無線通信部110を介して駐車場料金関連データを受信する(ステップS301)。
駐車場関連データ処理部162は、駐車場料金関連データに含まれる入口ゲートの通過年月日及び時刻(以下、単に入口ゲート通過時刻と称する)を記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルに記憶させる(ステップS302)。例えば「利用番号」3番の「入場日時」に09/5/9 16:00(2009年5月9日16時00分を意味する)を記憶させる。なお、駐車場関連データ処理部162は、駐車場料金関連データを受信したときに時計169を参照してその時刻及び日時(以下、単に入口ゲート通過時刻と称する)を利用履歴テーブルに記憶させるようにしても良い。この場合には、駐車場料金関連データには入口ゲートの通過年月日及び時刻は含まれていなくても良い。
入口ゲートを通過した車両は、駐車場に入って例えば1時間30分程停車し、その後、駐車場を出るために出口ゲートに向かう。車両が駐車場出口のゲート450を通過する際、駐車場関連データ処理部162は、出口駐車場料金処理機300から無線通信部110を介して駐車場料金関連データを受信する(ステップS303)。
駐車場関連データ処理部162は、駐車場料金関連データに含まれる出口ゲートの通過年月日及び時刻(以下、単に出口ゲート通過時刻と称する)を記憶部120に記憶されている利用履歴テーブルに記憶させる(ステップS304)。例えば「利用番号」3番の「出場日時」に09/5/9 17:30(2009年5月9日17時30分を意味する)を記憶させる。なお、駐車場関連データ処理部162は、駐車場料金関連データを受信したときに時計169を参照してその時刻及び日時(以下、単に出口ゲート通過時刻と称する)を利用履歴テーブルに記憶させるようにしても良い。この場合には、駐車場料金関連データには出口ゲートの通過年月日及び時刻は含まれていなくても良い。
続いて、料金計算部164が、利用履歴テーブルに記憶されている「入場日時」と「出場日時」との差分から駐車時間1時間30分を算出し(ステップS305)、これを利用履歴テーブルの「利用番号」3番に対応する「利用時間」の欄に1:30として記憶する。更に、料金計算部164は、駐車場料金対応テーブル170を参照し、利用時間である1時間30分に対応する「駐車場料金」欄の500円を駐車場料金として決定する。最後に料金計算部164は、駐車場料金500円を、利用履歴テーブルの「利用番号」3番に対応する「利用料金」欄に記憶する(ステップS306)。
また、駐車場関連データ処理部162は、当該決定された駐車場料金500円を表すデータを無線通信部110を介して出口駐車場料金処理機400へ送信する(ステップS307)。なお、割引料金を表す付随データについては第1の実施例と同様に送受信される。
上記したように本実施例によるETC装置100は、駐車時間と駐車場料金とを対応付けた駐車場料金対応テーブルを予め記憶するか又は駐車場を利用する毎にその駐車場の最新の駐車場料金対応テーブルを取得し、駐車場の利用料金を駐車時間に基づいて自ら算出する。ETC装置100は、駐車場の入口及び出口において駐車場料金処理機から取得したゲートの通過時刻に基づいて駐車時間を算出しても良いし、駐車場の入口及び出口のゲートを通過する際に内蔵の時計を参照して得られた通過時刻に基づいて駐車時間を算出しても良い。後者の場合には、駐車場料金処理機から通過時刻を表すデータを取得せずとも、駐車場料金を算出できる。
また、ETC装置100は、算出した駐車場料金を駐車場料金処理機へ送信するので、当該駐車場料金処理機の管理会社の側でも駐車場料金を把握することができる。駐車場料金は、ETC装置に挿入されているICカード又は決済合意したクレジットカードから有料道路の利用料金などと併せて自動的に引き落とされるので、ユーザーの利便性が大幅に向上する。