JP5325793B2 - リグニンを除去するために、アルカリ溶液で固体リグノセルロース材料を処理するステップを含む、固体リグノセルロース材料からのエタノールの発酵生産のための方法 - Google Patents

Description

本発明は、リグノセルロースの農業廃棄物及び農工業廃棄物、特にサトウキビバガスを使用することにより燃料エタノールを得るための方法に関する。これらの残渣は、多糖（セルロース及びヘミセルロース）の形態で、著しい含量の炭水化物を有し、化学的プロセス及び酵素的プロセスによって加水分解することができる。ヘミセルロース画分を、硫酸を用いた緩やかな加水分解にかけ、この加水分解からの固体物を、大幅に短縮された時間でエタノールへの変換を著しく増加させることを可能にする条件下で、同時の急速なアルコール発酵と共に糖化（酵素的加水分解）のプロセスにかける。

農業活動及び農工業活動からのリグノセルロース組成物を含む廃棄物は大きな環境問題であるが、廃棄物は、エタノール等の種々の化学物質及び燃料を生産するための、低コストで再生可能な出発材料の有益な供給源となり得る。

エタノール生産に多糖画分を利用するためには、これらの画分を効率的に加水分解する必要がある。

これらの多糖は、ヘミセルロース画分を加水分解する目的で、酸加水分解として知られている反応からなる前処理によって分画する。このステップからの固体産物は、セルロースに富むが、セルロース繊維の酵素による利用を確実にするように、アルカリ条件下で可溶性リグニンを除去するためにさらに処理する必要がある。

セルロースのエタノールへの変換は、２つの基礎的なステップ、すなわち、長鎖セルロース分子を加水分解して糖（ヘキソース）を得るステップ及びこれらの糖を発酵させてエタノールを得るステップを含む。自然界では、これらのプロセスは、セルロースを加水分解することができる酵素（セルラーゼ）を分泌する菌類及び細菌によって行われ、糖のエタノールへの発酵の場合には主に酵母によって行われる。本出願の概念は、自然のプロセスと一致している。

この戦略は、セルロースの化学的加水分解によって生産されると思われる毒素の存在をなくし、加水分解自体の産物（グルコース及びセロビオース）によるセルロース複合体の酵素の阻害を最小限にする。この技術は、ＳＳＦプロセス（「同時糖化発酵」）と名付けられ、酵素的加水分解及び同時のエタノール発酵を含む。

環境の保護に対する関心は日々高まっている。こういった背景において、農業廃棄物及び農工業廃棄物の使用並びに自然に対してそれほど有害でない代理産物及び／又は代替産物の探求は世界的に重要なトピックである。同じアイデアを念頭に置いて、代替エネルギー源や、経済的に実現可能な産物を生産する及び／又は低汚染の産物をもたらす可能性のある農業廃棄物及び農工業廃棄物の使用が探求されている。代替源の分野において、たとえばエタノール等のより低公害の燃料を生産するための多くの試みがなされてきた。

ブラジルでは、糖エタノール産業の成長及びその結果としての大量の過剰サトウキビバガスの生成は、このリグノセルロース材料を合理的に使用するための必要性を考慮した非常に有望なシナリオをもたらした。

環境的及び経済的関心のおかげで、ガソリンに添加される燃料としての又はバイオディーゼル製造のための出発材料としてのエタノールの使用は目まぐるしく成長し、ブラジルは世界で最大の生産国のうちの１つとなった。その結果として、ブラジルは、莫大な量のバガス及びさらにサトウキビのわらを生産し、その両者とも、生物工学的エタノール生産のための少なからぬ可能性を有している。

酵素的経路及び発酵経路による、サトウキビバガスからのエタノールの生産は、経済的及び環境的利益を伴う非常に大きな工業的関心事である産物を生産するために、十分に使用されていない材料の使用を可能にするであろう。

セルロース画分の使用に向けられた同時糖化発酵技術（ＳＳＦプロセス）は、専門家の文献に記載され、化学物質及び燃料を生産するための様々な目的のために適用されてきた。しかしながら、それは、商業規模ではまだ実施されていない。

克服する必要がある主要な問題点は、微生物に関するものであり、微生物は、特に、たとえば、リグノセルロース材料の前処理から生じる、酵母の成長を阻害する、フルフラール、ヒドロキシメチル−フルフラール、重金属、テルペン、タンニン、及びフェノール化合物等のような、反応培地中に生成される阻害剤の濃度に関する操作条件に対して抵抗性である必要がある。

生物学的作用物質に固有の他の問題点は、加水分解のプロセスに起因する、炭水化物の利用に関するそれらの限界である（ペントース及びヘキソース）。これらの２つの要因の関連は、長期の発酵プロセスにつながってしまい、工業的規模への移行に関する基本的に重要なパラメーターである量産率が低くなる。

最近の報告の大部分は、これらの問題を回避するために設計され、特定の用途のために開発された遺伝子改変微生物の使用を記載する。

生物学的技術によるエタノール生産は、長い間、研究中であったが、近年、少なからず推進された。先に述べられるように、克服するべき大きな障害は、生産率、すなわち、容易に入手可能な出発材料を使用して高収率が得られる、経済的に実現可能なプロセスを達成することに関する。

Ｇｒｏｈｍａｎｎら（ＵＳ５１２５９７７）は、バイオマス（農業廃棄物、林業廃棄物、植物加工廃棄物、及び食品加工廃棄物）を２ステップで前処理することにより、キシロースを回収する方法を記載している。第１のステップでは、キシランを本質的に含有するヘミセルロースを、希酸（９％硫酸 ｖ／ｖ）であらかじめ加水分解し、その残渣を、酵素的加水分解の第２のステップにかけ、セルロースが徐々に加水分解するのに十分な時間、バイオマスを反応させる。この方法の目的は、約９０％を加水分解し、キシロースを生産するための従来の方法の限界を回避することができるよう、キシランを回収することである。この方法の欠点は、苛酷な温度条件（１６０℃〜２２０℃）を使用した場合に、発酵プロセスにおいて使用される大多数の微生物の代謝を阻害する多くの物質が形成されることである。

１９９２年１月１５日のブラジル特許ＰＩ９２００１００に対応する特許文献ＧＢ２２５３６３３は、バイオマスからエタノールを生産するための方法であって、発酵性の六炭糖を生産する目的で、基質が、セルロース、ヘミセルロース、及びデンプンの加水分解物を含む方法を記載している。発酵には遺伝子改変酵母株（ブレタノミセス クステルシィ（Ｂｒｅｔｔａｎｏｍｙｃｅｓ ｃｕｓｔｅｒｓｉｉ）ＣＢＳ ５５１２）を使用し、この酵母株は、酵素β−グルコシダーゼを産生し、この酵母がグルコース及びセロビオースの両方を発酵することを可能にしている。しかしながら、ペントースを発酵する問題は未解決のままである。

米国特許ＵＳ５２３１０１７は、トウモロコシの穂軸、穀粒、穀草、及びそれらの混合物等の高固体内容物を有する出発材料を使用してエタノールを生産するための方法を記載している。これらの出発材料中に存在するデンプンを、バシラス リケンフォルミス（Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｌｉｃｋｅｎｆｏｒｍｉｓ）からの市販のα−アミラーゼ（ＴＡＫＡ−ＴＨＥＲＭ ＩＩ（登録商標））と接触させ、発酵性の液体培地を得て、この液体培地を、アスペルギルス ニガー（Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ ｎｉｇｅｒ）に由来する市販のグルコアミラーゼ（ＤＩＳＴＩＬＬＡＳＥ（登録商標））の存在下で糖化すると、加水分解されたデンプン及び糖が得られ、加水分解されたデンプン及び糖を、酵母サッカロミセス セレビシエ（Ｓａｃｃｈａｒｏｍｙｃｅｓ ｃｅｒｅｖｉｓｉａｅ）によって発酵させて、エタノールを得る。これは同時糖化発酵の技術を使用するが、この方法はサトウキビバガスに適用することはできない。

Ｔｏｒｇｅｔら（ＵＳ５７０５３６９）は、リグノセルロース材料をあらかじめ加水分解するための一般的な方法を記載しており、より好適な分離百分率のヘミセルロース及びセルロースからのリグニンを得る目的で、種々の組み合わせの温度及び反応時間の範囲が検討されている。種々の温度（１２０℃〜２４０℃の範囲）及びｐＨ（１〜７の範囲）を、液体（あらかじめ加水分解された可溶性産物）が固相を通過する系（「フロー−スルー」系）において試験し、材料から抽出されたキシラン及びリグニンの量を決定した。それほど厳しくない条件の組み合わせにより、リグニンの除去が５％増加した。

２００６年２月８日のブラジル特許出願ＰＩ０６００４０９−１は、廃棄物（硬材及び穀草のわら）からセルロース分解酵素及びヘミセルロース分解酵素を生産するための方法を記載している。これらの廃棄物は、トリコデルマ リーゼイ（Ｔｒｉｃｈｏｄｅｒｍａｒｅｅｓｅｉ）の遺伝学的に改良され、かつ組み換えられた株を用いて、これらの酵素を誘導するための炭素源として使用される。誘導基質（たとえば、セルロース）の存在下で、この微生物の野生株は、セルロース加水分解に最もふさわしいと考えられる複合体を分泌することができる。したがって、これは、特有の株によって産生されるセルロース分解酵素及び／又はヘミセルロース分解酵素を生産するための方法である。第１の前処理ステップは、ヘミセルロースをモノマーに変換するための数分間の、酸性条件下での水蒸気（１５０℃〜２５０℃）中での膨張を含み、キシロースが主な糖である。糖は、水相で洗浄することにより抽出し、酵素生産のための炭素源として使用し、セルロース及びリグニンを含有する、抽出物からの固体残渣は、生産されたセルロース分解酵素によって加水分解することができる。

下記に詳細に記載されるが、本出願における本発明の目的は、さらに、同じ出願人による２００５年１１月１１日のブラジル特許出願ＰＩ０５０５２９９−８における、ヘミセルロースの酸加水分解のための方法によって前処理されたリグノセルロース廃棄物、より詳細には固体サトウキビバガスの使用である。

本発明は、セルロース画分をより好適に使用し、かつ効率的にエタノールを生産する特定の条件下での急速な同時糖化発酵の技術により、リグノセルロース材料を使用することによって燃料エタノールを得る方法に関する。

より具体的には、本発明の方法は、サトウキビバガスの酸加水分解後の固体残渣の処理を含む。この方法によれば、希硫酸を用いた緩やかな加水分解によって、キシロースが豊富な、サトウキビバガスのヘミセルロース画分の加水分解物を得、これを、加水分解物中の主要な基質（キシロース）に適切に順応させた酵母ピチア スティピティス（Ｐｉｃｈｉａ ｓｔｉｐｉｔｉｓ）の株を使用して発酵させた。酸加水分解からの固体残渣（セルロリグニン（ｃｅｌｌｕｌｏｌｉｇｎｉｎ））を一連のアルカリリンスによってリグニンを除去するために反応器内でさらに処理して、適した市販の酵素調製物に応じるセルロース繊維を調製した。サッカロミセス セレビシエ種の自然発生の酵母の株の存在下で、部分的に脱リグニンされた材料を急速な糖化及び発酵にかけ、エタノールを生産した。

この方法の大きな利点は、サトウキビバガスからエタノールを得、１〜３ｇ／Ｌ．ｈで変動する高量産率を達成し、遺伝子改変の必要なしに自然発生の酵母のあらゆる代謝的可能性を実現することができるということである。

本発明の目的は、高酵素濃度を使用することなく、短期間の糖化及びアルコール発酵を行うことにより、燃料若しくはガソリン添加剤としての又は化学的出発材料としてのエタノールを生産するために使用することができるサトウキビバガスの多糖画分を利用することである。

本発明をより十分に理解するために、本発明の好ましい実施形態を示す図１の流れ図を参照して本発明を記載する。図１に示されるように、リグノセルロース材料を含有するバイオマス（１）を、先ず、希酸（２）を用いた加水分解のプロセスにかけると、ペントースが豊富なヘミセルロース加水分解物（３）とセルロース及びリグニン−セルロリグニンが豊富な固体残渣（６）が生じ、ヘミセルロース加水分解物を発酵させると（４）、エタノールが生成し、エタノールを後に蒸留する（５）。この残渣（６）は、アルカリ溶液を用いた洗浄（７）による前処理にかけ、後に酵素的加水分解（糖化）（８）のプロセスにかけて、グルコースを放出させ、また同時に、酵母を用いた発酵（９）のプロセスにかけて、グルコースをエタノールに発酵し、エタノールを、発酵培地から分離し、かつ蒸留する（５）。

この方法の第１段階は、ペントース、特に、サトウキビバガスのヘミセルロース画分の主要な構成成分であるキシロースを選択的に得るための、１％硫酸によるサトウキビバガスの緩やかな加水分解を含む。

この第１段階は、同じ出願人によって提出されたブラジル特許出願ＰＩ０５０５２９９−８に詳細に記載されている。セルロース材料を、均質化し、メインの容器が１気圧（１２１℃の温度に相当する）の圧力である特別な加圧反応器中で、固体：液体比に適合するよう決められた間、通常３０〜５０分の範囲で緩やかな酸加水分解にかける。液相（加水分解物）は、反応器内でさらに加圧することにより固体残渣から分離し、発酵培地に順応させ、かつ適応させたピチア スティピティス酵母の存在下での発酵プロセスにかけ、エタノールを得る。

しかしながら、固体残渣は、エタノールを生産するためにサッカロミセス セレビシエの株によって発酵される糖に加水分解される必要があるセルロースを高濃度でまだ含有している。全プロセスの第２段階に相当する、本発明の目的である方法を、これ以降に記載する。

この方法の第２段階は、固体残渣の処理を本質的に含む、すなわち
ａ）アルカリ培地中でのセルロリグニンの前処理及びそれに続く水を用いた洗浄；
ｂ）市販の酵素が装填された状態での、中程度の温度での、好ましくは８〜１２時間の期間の、残渣の酵素的加水分解（糖化）のための生物反応器への残渣の移動；
ｃ）エタノールの生産に適合した酵母の添加及び最大期間３２時間の酵素濃度の維持による、前のステップにおいて加水分解された材料のセルロース画分の同時の発酵；
ｄ）生成したエタノールの分離及び蒸留。

本発明の方法の主要な利点は、試験して最適化した条件により、この方法が、時間を短縮して、かなりの量産率でエタノール生産を達成し、その商業上の実施を実現可能にする経済的利益をもたらすことである。

先行技術で知られている方法は、遺伝子改変微生物を使用するにもかかわらず、上記の短い時間ではエタノールへの変換を達成せず、約３〜５日を要する。本発明の方法を用いると、エタノールの最大生産量は、わずか８時間の糖化及びさらなる３２時間の発酵の後に早くも見られる。

この方法の効率は、方法に関与する決定的な変数の正確なコントロール及び最適な操作条件の決定の結果であると考えられる。

本発明の方法をより十分に評価するために、この方法の好ましい実施形態を記載するが、実施例は単に説明のために示される。

先に述べられたように、この方法の第１ステップは、ヘミセルロース加水分解物及び固体画分を得るための、リグノセルロース材料の酸加水分解を含む。採用した方法を、下記の実施例１に概説する。
（実施例１）

方法の第１ステップは、ヘミセルロース加水分解物及び固体画分を得るための硫酸（１％ ｖ／ｖ）を用いた加水分解並びに最適な固体：液体比を使用した、約４０分間のヘミセルロース画分の酸加水分解である。固体物は、ＰＩ０５０２５９９−８における方法のために特に開発された加圧反応器中で加圧することにより取り出される。加水分解物は、Ｃａ（ＯＨ）_２を用いて中和し、濾過し、液体加水分解物を取り出し、約３０℃の温度で２０〜３０時間、生物反応器中で、１０ｇ／Ｌの濃度で使用される順応させたバイオマスによるペントースの発酵にかける。バイオマスは経時的な細胞増殖によって順応し、加水分解物の含量は次第に増加した。発酵の終わりに、エタノールを分離し、蒸留する。

得られた量産率は約１．０ｇ／Ｌ．ｈであった。
（実施例２）

前の実施例に記載された反応器中で分離した固体を本発明の方法に従って処理する。セルロースが豊富である、このステップからの固体は、芳香族構成成分が発酵プロセスを阻害する可溶性リグニンを部分的に除去するために、一連のアルカリ洗浄にかけるが、まだ加圧反応器内にある。このステップは、セルロース繊維の酵素に対する利用可能性を増加させるので、基本的に重要である。

反応器中で加圧することにより分離された固体残渣を、アルカリ溶液（４％ＮａＯＨ ｗ／ｖ）を用いて洗浄し、次いで、ｐＨ６〜７に達するまで、わずかに酸性化した（ＨＣｌ）水を用いて継続的に洗浄し、酵素前処理のために生物反応器に戻す。生物反応器中で、固体残渣を、３０℃〜５０℃の範囲の温度、好ましくは４７℃を維持しながら、比１：１０〜２０で、微量栄養素を含有する水と混合し、市販のセルロース酵素（ＧＥＮＥＮＣＯＲ（登録商標）ＧＣ２２０）を２０〜３０ＦＰＵ／ｇの濃度でこの混合物に追加し、反応を８〜１２時間進行させる。この後に発酵培地の同時発酵が続き、いかなる遺伝子改変も有していない、エタノール生産に適合した活性を有する微生物−サッカロミセス セレビシエを添加する。反応器中の温度を、３０℃〜３９℃の範囲で、好ましくは３７℃近くに維持し、２〜６ｇ／Ｌの範囲で酵母細胞の濃度を最大期間３０〜３２時間維持する。

セルロースのエタノールへの変換は２つの基本的なステップ、すなわち、糖（ヘキソース）への長鎖セルロース分子の加水分解及びエタノールへのこれらの糖の発酵を含む。

セルロースの化学的加水分解によって生成されると思われる毒性物質を排除すると、加水分解によるそれら自体の産物（グルコース及びセロビオース）による、セルラーゼ複合体の酵素の阻害が最小限になる。本発明の方法は、さらに、当技術分野でＳＳＦプロセスとして知られている同時糖化発酵の技術を使用する。

５０〜５５ｇ／Ｌの間のエタノールの濃度が得られた、また達成された生産性は、１．５〜２．０ｇ／Ｌ．ｈの範囲であった。

結果は、図２に示す時間に対する濃度の図で示す。

この方法の両方の段階を適用すると、エタノールへの変換は、１８２Ｌ／サトウキビバガス メートルトンに達し、これにより、この方法は、第２段階における変換のための時間を４〜５日から３２時間に減少させることが可能であることを考えれば、全体としてかなり経済的に実現可能なものとなる。

しかしながら、本明細書に示される実施例は、事実上、単に例示的なものであり、本発明を限定しないことが重視されるべきであり、市販の又は市販ではない他の酵素調製物及び異なる酵母を本発明の範囲内で使用することができることは当業者にとって明らかであろう。

本発明の方法の主要なステップを単純化した流れ図を示す図である。 本発明の方法を用いて得られた結果を示す図である。

Claims (12)

1. リグノセルロース材料からエタノールを酵素的に生産する方法であって、
   ａ）セルロース及びリグニンを含む固体物を、アルカリ溶液による１回又は複数回の洗浄にかけて、前記固体物からリグニンを少なくとも部分的に除去し、酸性化した水で洗浄して、６〜７のｐＨとし、水相から残りの前記固体物を分離するステップ；次いで
   ｂ）固体物を、まだ前記反応器中で、加水分解するステップであって、固体物を、微量栄養素の溶液及びセルロース分解酵素と反応させることを含み、ここで、固体：液体比は１：１０〜１：２０であり、温度は３０℃〜５０℃であり、酵素濃度は２０〜３０ＦＰＵ／ｇであり、反応は８〜１２時間進行させるステップ；並びに
   ｃ）酵素的加水分解に由来する培地を同時発酵によって発酵するステップであって、エタノール生産酵母を追加した後の培地中の追加されたエタノール生産酵母の細胞濃度が２〜６ｇ／Ｌであるエタノール生産酵母を追加すること、及び３２時間以内、温度を３０℃〜３９℃に維持することを含むステップ；次いで
   ｄ）蒸留によってエタノールを分離するステップ
   を含む、上記方法。
2. 酵母は、非遺伝子改変サッカロミセス セレビシエ（Ｓａｃｃｈａｒｏｍｙｃｅｓ ｃｅｒｅｖｉｓｉａｅ）酵母である請求項１に記載の方法。
3. 方法の生産率は１．０〜３．０ｇ／Ｌ．ｈの範囲である請求項１又は２に記載の方法。
4. 方法の全期間は３２時間以内である請求項１から３までのいずれか一項に記載の方法。
5. 加水分解は４５℃〜４９℃の温度で進められる請求項１から４までのいずれか一項に記載の方法。
6. 発酵は３５℃〜３９℃の温度で進められる請求項１から５までのいずれか一項に記載の方法。
7. ステップｃ）の酵母のバイオマスの濃度は２〜６ｇ／Ｌの範囲で維持される請求項１から６までのいずれか一項に記載の方法。
8. ステップｂ）に記載される酵素は市販のセルロース酵素調製物を加えることにより提供される請求項１から７までのいずれか一項に記載の方法。
9. リグノセルロース材料はサトウキビバガスを含む請求項１から８までのいずれか一項に記載の方法。
10. 同時糖化発酵（ＳＳＦ）がステップｃ）において実施される請求項１に記載の方法。
11. リグノセルロース材料からエタノールを酵素的に生産する方法であって、
    ｉ）リグノセルロース材料を加水分解し、及び発酵させ、並びに固体物を保持するステップ；並びに
    ｉｉ）前記固体物に対して、請求項１から１０までのいずれか一項に記載の方法を実施するステップを含む、上記方法。
12. リグノセルロース材料はサトウキビバガスを含む請求項１１に記載の方法。

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