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JP5324235B2 - 糸条巻取装置及び紡糸機 - Google Patents

糸条巻取装置及び紡糸機 Download PDF

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JP5324235B2 JP2009007210A JP2009007210A JP5324235B2 JP 5324235 B2 JP5324235 B2 JP 5324235B2 JP 2009007210 A JP2009007210 A JP 2009007210A JP 2009007210 A JP2009007210 A JP 2009007210A JP 5324235 B2 JP5324235 B2 JP 5324235B2
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Description

本発明は、糸条巻取装置及び紡糸機に関する。
この種の技術として特許文献1(特開平5−24740号公報)は、複数個のボビンに糸を巻き取ることができるように、軸方向に並設された複数個のボビンそれぞれに対し、その糸巻き取り方向の上流側に、第1のトラバースブレードと、若干偏位して設けられる第2のトラバースブレードと、を備え、第1及び第2のトラバースブレードが互いに逆方向に回転し、糸を受渡しながらトラバースさせる糸の綾振り装置を開示する。特許文献1の図2に開示されるように、複数個のボビンは、スピンドルに対して同軸上に一方向から詰めて並べるようにしている。
しかし、上記複数の巻取ボビンのボビン長は必ずしも精度良く一定であるとは限らない。とりわけ、昨今の生産現場では、巻取ボビンを何度も繰り返し使用する流れとなっており、この長期間の使用によって巻取ボビンのボビン長は現場の雰囲気条件の如何により伸縮してしまう。
そして、このボビン長のバラツキは、上記複数の巻取ボビンを前記ボビンホルダー上に同軸上に装着支持させる上記の装置において、各巻取ボビンと各トラバース装置との相対的な位置関係のずれの原因となる。そして、この相対的な位置関係のずれのせいで、上記特許文献1に開示の構成では、各巻取ボビンに対してパッケージを所望の位置に形成することができない場合があった。この問題は、特に、前記ボビンホルダーに対して最後に並べる前記巻取ボビンと、この巻取ボビンに対応する前記トラバース装置と、の間で顕著となる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、各巻取ボビンと各トラバース装置との相対的な位置関係のずれが生じても、各巻取ボビンに対してパッケージを所望の位置に形成することができる糸条巻取装置及び紡糸機を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本願発明の観点によれば、以下のように構成される、糸条巻取装置が提供される。即ち、糸条巻取装置は、複数の巻取ボビンを同軸上に装着支持するボビンホルダーと、糸ガイドを有し、この糸ガイドを往復運動させることで各巻取ボビンに対して各糸条を綾振る複数のトラバース装置と、前記トラバース装置を制御するトラバース制御部とを備える。上記トラバース装置は、上記糸ガイドの往復運動の往復範囲が変更自在なトラバース装置を各巻取ボビンに対応して配置した。前記トラバース制御部は、使用環境による前記巻取ボビンの長さの変化に合わせて、前記糸ガイドの前記往復運動の往復範囲が変更されるように、前記トラバース装置を制御する。更に、各トラバース装置は、前記糸ガイドが取り付けられる無端ベルトと、この無端ベルトの少なくとも一部が前記ボビンホルダーの長手方向に対して実質的に平行となるように前記無端ベルトを支持する一対の支持ユニットと、前記無端ベルトを駆動するベルト駆動源と、を備え、前記ベルト駆動源が前記無端ベルトを往復走行させることで、前記糸ガイドが前記ボビンホルダーの長手方向に対して実質的に平行に往復運動できるようにしたベルト式トラバース装置である。更に隣り合う前記ベルト式トラバース装置は、オーバーラップするように配置される。このように、各トラバース装置を、あえて、各糸ガイドの往復運動の往復範囲を変更できるように構成することで、上記の相対的な位置関係のずれが生じても、各巻取ボビンに対してパッケージを所望の位置に形成することができるようになる。
また、このように前記トラバース装置として上記のベルト式トラバース装置を採用することで、前記糸ガイドの往復運動の往復幅を自在に変更できるので、所謂テーパエンドパッケージの生産に対応できる。また、このベルト式トラバース装置では上記糸条を前記巻取ボビンに対する所望の相対的位置で拘束することができる。そして、この相対的位置は巻取時における上記糸ガイドの往復運動の往復範囲外とすることができる。これは、例えば以下のような付随的な効果を奏する。即ち、前記巻取ボビン上であってパッケージを形成する範囲の外に所謂棒巻き(テールエンド巻き)を形成する際に、特別な糸寄せ機構を用いることなく、上記糸ガイド自体を用いて、上記糸条を該形成位置に案内することができる。
また、前記ベルト式トラバース装置を採用すると、前記の糸ガイドは、前記一対の支持ユニット間で往復運動することとなる。従って、前記ベルト式トラバース装置の装置幅は、少なくとも巻取時における前記糸ガイドの往復運動の往復幅に前記一対の支持ユニットの設置スペースを加味したものとなる。一方、前記巻取ボビンのボビン長は、諸般の事情により極力、パッケージのパッケージ長と同程度に設定される。従って、前記複数の巻取ボビンが前記ボビンホルダー上に詰めて並べられる上記の糸条巻取装置においては、各巻取ボビンの正面に各ベルト式トラバース装置を配置しようとすると、どうしても隣り合う前記ベルト式トラバース装置同士が物理的に干渉してしまうことになる。そこで、上記のように、隣り合う前記ベルト式トラバース装置をオーバーラップするように配置することで、上記の干渉を解消できる。そして、このように問題なく干渉を解消できるので、糸条巻取装置の機台幅を長くすることなく、上記のベルト式トラバース装置を導入できる。
上記の糸条巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、隣り合う前記ベルト式トラバース装置は、各糸ガイドの往復運動の軌跡を前記ボビンホルダーの長手方向に対して傾斜させることでオーバーラップさせる。前記複数のトラバース装置と、前記ボビンホルダーと、の間には、各巻取ボビン上に形成されるパッケージに対して接触すると共に、各トラバース装置によって綾振られた各糸条が巻き掛けられるコンタクトローラが設けられる。各トラバース制御部は、前記巻取ボビン上に形成されるパッケージのパッケージ両端部近傍での糸密度が均等となるように前記ベルト駆動源を制御可能に構成される。即ち、前記ベルト式トラバース装置を上記のように傾斜配置すると、前記糸ガイド−前記コンタクトローラ間の距離であるフリーレングスが非対称となる。そして、フリーレングスが非対称となるとパッケージのパッケージ両端部近傍での糸密度が不均等となり、結果として、パッケージ外観が悪くなる。そこで、前記巻取ボビン上に形成されるパッケージのパッケージ両端部近傍での糸密度が均等となるように前記ベルト駆動源を制御可能な前記トラバース制御部を設けることで、フリーレングスの非対称性は甘受しつつも、パッケージのパッケージ両端部近傍での糸密度の不均等を解消することができる。そして、これにより、パッケージの外観を改善することができる。
上記の糸条巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、各トラバース制御部は、前記糸ガイドのトラバース両端部近傍での運動パターンが異なるように前記ベルト駆動源を制御可能に構成される。このように、上記パッケージのパッケージ両端部近傍での糸密度の不均等を解消する有効な一つの手段として、前記糸ガイドのトラバース両端部近傍での運動パターンを異なるものとすることが挙げられる。
上記の糸条巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、隣り合う前記ベルト式トラバース装置は、各糸ガイドの往復運動の軌跡を段違いにすることでオーバーラップさせる。前記複数のトラバース装置と、前記ボビンホルダーと、の間には、各巻取ボビン上に形成されるパッケージに対して接触すると共に、各トラバース装置によって綾振られた各糸条が巻き掛けられるコンタクトローラが設けられる。各トラバース制御部は、隣り合う前記巻取ボビン上に形成されるパッケージの糸密度が均一となるように前記ベルト駆動源を制御可能に構成される。即ち、隣り合う前記ベルト式トラバース装置を上記のように段違いに配置すると、前記糸ガイド−前記コンタクトローラ間の距離であるフリーレングスが隣り合う前記ベルト式トラバース装置間で異なる。そして、隣り合う前記ベルト式トラバース装置間でフリーレングスが異なると隣り合う前記巻取ボビン上に形成されるパッケージの糸密度が異なり、結果として、パッケージの外観が均一とならない。そこで、隣り合う前記巻取ボビン上に形成されるパッケージの糸密度が均一となるように前記ベルト駆動源を制御可能な前記トラバース制御部を設けることで、隣り合う前記ベルト式トラバース装置間におけるフリーレングスの相違は甘受しつつも、隣り合う前記ベルト式トラバース装置間におけるパッケージの糸密度の不均一性を解消することができる。そして、これにより、パッケージの外観を均一とすることができる。
上記の糸条巻取装置は、更に、以下のように構成される。即ち、各トラバース制御部は、前記糸ガイドの往復運動が、隣り合う他のベルト式トラバース装置における前記糸ガイドの往復運動と異なるように前記ベルト駆動源を制御可能に構成される。このように、上記パッケージの糸密度の不均一性を解消する有効な一つの手段として、隣り合う前記ベルト式トラバース装置における前記糸ガイドの往復運動を異ならせることが挙げられる。
また、紡糸機は、複数の糸条を紡出する紡糸部と、この紡糸部から紡出された複数の糸条を巻き取る上記何れかに記載の糸条巻取装置と、を備えて構成される。これによれば、優れたパッケージを生産できる。
本願発明の第一実施形態に係る糸条巻取装置の斜視図 トラバース装置の正面拡大図 糸ガイドの拡大図 トラバース装置の正面拡大図 糸条巻取装置の制御ブロック図 トラバース装置の制御パターンを示す図 ボビンホルダーの先端部の部分拡大図 図2に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係る図 図5に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係る図 図6に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係る図
以下、図1〜7を参照しつつ、本願発明の第一実施形態を説明する。
図1は、本願発明の第一実施形態に係る糸条巻取装置の斜視図である。図1に示されるように本実施形態に係る糸条巻取装置1は、複数(本実施形態では4本)で供給される糸条Yを夫々巻き取るための複数(本実施形態では4個)の巻取ボビン2が、同軸上に一方向から詰めて並べられるボビンホルダー3と、上記各糸条Yを捕捉可能な糸ガイド4を有し、この糸ガイド4を往復運動させることで各巻取ボビン2に対して各糸条Yを綾振る、複数(本実施形態では4個)のトラバース装置5と、を主たる構成として備える。そして、各トラバース装置5は、上記各糸ガイド4の往復運動の往復範囲をボビンホルダー3の長手方向にずらせるように構成される。以下、この糸条巻取装置1の構成を詳細に説明する。
本実施形態において糸条巻取装置1は、マルチフィラメントやモノフィラメントなどの合成繊維である糸条Yを複数同時に紡出する紡糸部を備える紡糸機7に適用される。即ち、紡糸機7は、複数の糸条Yを紡出する紡糸部と、この紡糸部から紡出された複数の糸条Yを巻き取る上記の糸条巻取装置1と、を備えて構成される。そして、紡糸部から紡出された各糸条Yは、略示のトラバース支点ガイド8を経てトラバース装置5に送られ、このトラバース装置5にて綾振られながら巻取ボビン2上に巻き取られるようになっている。
上記の糸条巻取装置1は、具体的には、装置本体9と、この装置本体9の側面に回転可能に支持されるターレット盤10と、このターレット盤10から水平方向に突設される一対の上記ボビンホルダー3と、上記複数のトラバース装置5とコンタクトローラ11を支持する梁体12と、装置本体9の側面に設けられるキーボード13(伸縮量入力手段)と、を備える。
以下、説明の便宜上、以降の説明において単に「先端側」というときは上記ボビンホルダー3の突設方向における先端側を意味し、単に「基端側」というときは上記ボビンホルダー3の突設方向における基端側を意味するものとする。
ボビンホルダー3は、上記複数の巻取ボビン2を同軸上に装着支持するものであって、ターレット盤10から水平方向に一対で突設される片持ち梁となっている。この構成で、複数の巻取ボビン2は、ボビンホルダー3に対して先端側から基端側へ向かって順番に外嵌され、ターレット盤10へ向かって詰め込まれ、もって、複数の巻取ボビン2はボビンホルダー3上で相互に隙間なく敷き詰められるようになっている。そして、各ボビンホルダー3に設けられる略示のボビンホルダーモータ14(図5を併せて参照。)によって、ボビンホルダー3は複数の巻取ボビン2と共に所定の回転数で回転可能に構成される。
上記のトラバース装置5は、本実施形態において所謂ベルト式に構成される。図2は、トラバース装置の正面拡大図である。図2に示されるようにベルト式トラバース装置5は、上記の糸ガイド4が取り付けられる無端ベルト15と、この無端ベルト15の一部がボビンホルダー3の長手方向に対して実質的に平行となるように無端ベルト15を支持する一対の支持ユニット16と、無端ベルト15を駆動する駆動モータ17(ベルト駆動源)と、を備える。そして、ベルト式トラバース装置5は、駆動モータ17が無端ベルト15を往復走行させることで、糸ガイド4がボビンホルダー3の長手方向に対して実質的に平行に往復運動できるようなっている。なお、上記の支持ユニット16及び駆動モータ17は、板状のベース18に取り付けられ、このベース18は梁体12に対して任意の姿勢で固定されるようになっている。また、無端ベルト15を往復走行させる際に糸ガイド4がばたつかないよう、糸ガイド4を直線的に案内するレール19が上記一対の支持ユニット16の間に延設される。
無端ベルト15として本実施形態ではタイミングベルトが採用され、無端ベルト15は、一対の支持ユニット16と駆動モータ17とに巻回されることで二等辺三角形状の軌跡上を走行するようになっている。
支持ユニット16は、無端ベルト15が巻き掛けられるプーリ20と、このプーリ20を上記ベース18に対して回転自在に固定するためのステー21と、から構成される。ステー21はプーリ20から突設され、駆動モータ17に向かって延びる。このステー21はベース18に対して締結固定される。
駆動モータ17は本実施形態においてパルスモータとされ、後述する巻取制御部60(図5参照)に接続される。
上記の糸ガイド4は、糸条Yの張力を利用して糸条Yを捕捉するように構成される。図3は、糸ガイドの拡大図である。この図3に示されるように、糸ガイド4は、糸ガイド4を無端ベルト15に対して嵌着するためにU字状の断面を有する嵌着部22と、この嵌着部22の上端に形成される糸条捕捉部23と、から構成される。糸条捕捉部23は、図1に示されるトラバース支点ガイド8と巻取ボビン2との間で走行する糸条Yが駆け上がるための傾斜面24を有する一対の傾斜部25から構成され、この一対の傾斜部25の間には、上記糸条Yを収容して捕捉する糸条収容溝26が形成される。この構成で、糸ガイド4が図3の太線矢印の方向へ走行すると、傾斜部25の傾斜面24が糸条Yに衝突し、この糸条Yが傾斜部25によって若干屈曲されることで、異なる方向へ作用する糸条Yの張力の合力Pが糸ガイド4の走行方向と反対の方向に発生する。そして、この合力Pの存在により、糸条Yは傾斜部25の傾斜面24を傾斜部25の頂に向かって移動し、やがて、糸条収容溝26内に収容される。
図示しない紡糸部は合成繊維の原料を溶融して口金から吐出することで、上記複数の糸条Yを連続的に紡出する。
装置本体9は、巻取制御部60(図5を併せて参照。)を有する。
ターレット盤10には、ターレット盤10を回転駆動するためのターレットモータ27(図5を併せて参照。)が設けられる。ボビンチェンジの際に、ターレット盤10はターレットモータ27によって180度、半時計回りに回転駆動される。
コンタクトローラ11は、複数のベルト式トラバース装置5と、ボビンホルダー3と、の間に設けられ、各巻取ボビン2上に形成されるパッケージに対して接触すると共に、各ベルト式トラバース装置5によって綾振られた各糸条Yが巻き掛けられる。このコンタクトローラ11は、ボビンホルダー3の長手方向に対して平行に延びる。
梁体12は、ボビンホルダー3の長手方向に対して平行に延在し、複数のベルト式トラバース装置5が取り付けられる傾斜面12aを有する。なお、トラバース支点ガイド8と糸ガイド4との間における各糸条Yの綾振りによって特定できる三角形の綾振面は、上記傾斜面12aと略平行であり、かつ、コンタクトローラ11の周面に対しては、断面視で円と接線の関係にある。
以上に、糸条巻取装置1の構成を説明した。続けて、図2を参照しつつ、隣り合うベルト式トラバース装置5の配設関係を説明する。
即ち、図2に示されるように、本実施形態において隣り合うベルト式トラバース装置5は、相互にオーバーラップするように配置される。具体的には、隣り合うベルト式トラバース装置5は、レール19をボビンホルダー3の長手方向に対して傾斜させることでオーバーラップするようになっている。なお、レール19は糸ガイド4の往復運動の軌跡に相当するので、以下のように換言できる。即ち、隣り合うベルト式トラバース装置5は、糸ガイド4の往復運動の軌跡をボビンホルダー3の長手方向に対して傾斜させることでオーバーラップする。本実施形態では更に、隣り合うベルト式トラバース装置5は、図2の如く梁体12の傾斜面12aの法線方向に沿って見たときに、2つの支持ユニット16が糸条Yの走行方向(図中太線矢印を参照)に沿って略一列に並ぶことによって、相互にオーバーラップするように配置される。
次に、図4を参照しつつ、糸ガイド4が糸条Yを巻取ボビン2の長手方向に案内できる範囲としての案内可能範囲について説明する。図4は、トラバース装置の正面拡大図である。図4に示されるように、本実施形態の巻取ボビン2の先端側端部には、所謂棒巻き(テールエンド巻きとも称する。)を形成するための棒巻き用浅溝2Tが刻設される。そして、二点鎖線で略示のパッケージQは、上記棒巻き用浅溝2Tと、巻取ボビン2の他端側端部と、の間に形成される。そして、ベルト式トラバース装置5は、上記のパッケージQのパッケージ長に加えて上記棒巻き用浅溝2Tを包含する広範囲に亘って満遍なく糸ガイド4が糸条Yを案内できるよう、十分に幅広に設計される。
次に、図5を参照しつつ、巻取制御部60の構成を説明する。図5は、糸条巻取装置の制御ブロック図である。
即ち、巻取制御部60は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)と、を備える。そして、ROMに記憶された上記制御プログラムがCPUに読み込まれCPU上で実行されることで、制御プログラムは、CPUなどのハードウェアを、トラバース制御部(No.1〜4)61、原点変更部62、ボビンホルダー制御部63として機能させるようになっている。各トラバース制御部に割り当てられた番号は、図1において先端側から振ったものである。また、この巻取制御部60には、駆動モータ(No.1〜4)17、キーボード13、ボビンホルダーモータ14、ターレットモータ27、が接続される。各駆動モータに割り当てられた番号も、トラバース制御部と同様、図1において先端側から振ったものである。
各トラバース制御部(No.1〜4)61は、制御パターン記憶部64と、原点記憶部65と、を有し、制御パターン記憶部64に記憶された制御パターンと、原点記憶部65に記憶された原点と、に基づいて、各ベルト式トラバース装置5の駆動モータ(No.1〜4)17を制御する。具体的には、各トラバース制御部(No.1〜4)61は、前記巻取ボビン2上に形成されるパッケージQのパッケージ両端部近傍での糸密度が均等となるように各駆動モータ(No.1〜4)17を制御可能に構成される。
制御パターン記憶部64には、駆動モータ17の制御パターンが記憶される。本実施形態において上記制御パターンは、巻取ボビン2上に形成されるパッケージQが図4において二点鎖線で略示されるようなチーズパッケージ(円筒状パッケージ)となるように作成される。この制御パターンの一例を図6に示す。図6は、トラバース装置の制御パターンを示す図である。図6において縦軸はトラバース速度Vtを意味し、横軸は時間tを意味する。そして、図4において糸ガイド4が先端側に進むときのトラバース速度Vtを図6において+としている。図6に示されるように本実施形態に係る制御パターンは、具体的には、糸ガイド4のトラバース両端部近傍での運動パターンが異なるように作成される。更に具体的には、図4において糸ガイド4が往復運動の往復範囲の右端Bに到達し反転した直後の糸ガイド4のトラバース速度Vtは若干高めに設定される。即ち、右端Bだけ、反転時における糸条Yの滞留を解消すべくフィードフォワード制御を行うようになっている。なお、図6に示される制御パターンは、綾角が0.5度となるように作成されたものである。
原点記憶部65には、ベルト式トラバース装置5の糸ガイド4の往復運動の基準となる原点が記憶される。ここで、「原点」とは、本実施形態において、ベルト式トラバース装置5の糸ガイド4の往復運動の中心点の位置を意味する。
原点変更部62は、キーボード13を介して入力された巻取ボビン2の伸縮量に基づいて、各トラバース制御部(No.1〜4)61の原点記憶部65に記憶されている原点を変更する。図7は、ボビンホルダーの先端部の部分拡大図である。この伸縮量は、詳しくは複数の巻取ボビン2全体のボビン長の方向における伸縮量であって、ボビンホルダー3上に一方向から詰めて並べられる複数の巻取ボビン2のうち最も先端側の巻取ボビン2の先端側端面Eの位置をボビンホルダー3上に刻まれている図7の目盛りS上で読み取ることで取得できるようになっている。例えば、図7に示されるように上記巻取ボビン2の先端側端面Eの位置が目盛りS上で「−2.8mm」となっている場合、上記伸縮量は「−2.8mm」となる。そして、原点変更部62は、上記伸縮量ΔLを8で割った上で7を掛けた量7/8ΔLをトラバース制御部(No.1)61の原点記憶部65に記憶されている原点に加える。同様に、原点変更部62は、5/8ΔLをトラバース制御部(No.2)61の原点記憶部65に記憶されている原点に、3/8ΔLをトラバース制御部(No.3)61の原点記憶部65に記憶されている原点に、1/8ΔLをトラバース制御部(No.4)61の原点記憶部65に記憶されている原点に、夫々、加える。なお、上記の原点変更部62の作動は、巻取ボビン2が紙製のため使用環境の湿度によりボビン長さが変化すること、また、このボビン長さの変化はすべての巻取ボビン2の間で均等に発生することを前提としている。
ボビンホルダー制御部63は、ボビンホルダーモータ14の回転を制御する。
その他、巻取制御部60は、ターレットモータ27の回転を制御するターレット制御部を備える。
次に、本実施形態の作動を説明する。オペレータは、先ず、一対のボビンホルダー3に対して、夫々、4個ずつ空の巻取ボビン2をターレット盤10の方向へ詰め込む。
そして、オペレータは、キーボード13などを操作して紡糸機7を稼動させると共に、上記の伸張量を読み取って巻取制御部60に入力する。すると、原点変更部62は、各トラバース制御部(No.1〜4)61の原点記憶部65に記憶されている原点を上述の通りに変更する。この原点の変更により、各糸ガイド4の往復運動の往復範囲はボビンホルダー3の長手方向に若干ずれることとなる。
紡糸部から紡出される4本の糸条Yは図略のサクションガンで吸引保持されると共に、ボビンホルダー制御部63はボビンホルダーモータ14を駆動して巻取ボビン2を所望の回転数で回転させる。そして、サクションガンで吸引保持されている各糸条Yは各巻取ボビン2の棒巻き用浅溝2Tへと案内される。これにより、各糸条Yは各巻取ボビン2の棒巻き用浅溝2Tに強力に把持されると共に、サクションガンによる吸引保持状態が解除されることで各糸条Yは棒巻き用浅溝2Tから巻取ボビン2の外周面へと乗り上がり、巻取ボビン2のボビン長の中心へ向かって螺旋を描きながら移動する。
次いで、各トラバース制御部(No.1〜4)61は、制御パターン記憶部64に記憶されている制御パターンと、原点記憶部65に記憶されている原点と、に基づいて、各駆動モータ(No.1〜4)17を制御する。これにより、各糸条Yが各糸ガイド4に捕捉されて綾振られ始めると共に(図3を併せて参照。)、各巻取ボビン2上には、図4で示されるようなチーズパッケージQが形成される。
パッケージQが満巻きになると、ターレット制御部がターレットモータ27を駆動してターレット盤10を半時計回りに180度、回転させると共に、各トラバース制御部(No.1〜4)61が糸ガイド4を棒巻き用浅溝2Tに対向する位置へと移動させる。すると、各糸条Yは、空の巻取ボビン2の棒巻き用浅溝2Tに上記同様、強力に把持される。続いて、トラバース制御部(No.1〜4)61が再度、制御パターン記憶部64に記憶されている制御パターンと、原点記憶部65に記憶されている原点と、に基づいて、各駆動モータ(No.1〜4)17を制御する。これにより、各巻取ボビン2上には、糸ガイド4による糸条Yの捕捉が途絶えることなく、図4で示されるようなチーズパッケージQが再び、形成されることとなる。
(まとめ)
(請求項1)
以上説明したように上記実施形態において糸条巻取装置1は、以下のように構成される。即ち、糸条巻取装置1は、複数の巻取ボビン2を同軸上に装着支持するボビンホルダー3と、糸ガイド4を有し、この糸ガイド4を往復運動させることで各巻取ボビン2に対して各糸条Yを綾振る複数のトラバース装置5とを備える。上記トラバース装置5は、上記糸ガイド4の往復運動の往復範囲が変更自在なトラバース装置5を各巻取ボビン2に対応して配置した。このように、各トラバース装置5を、あえて、各糸ガイド4の往復運動の往復範囲を変更できるように構成することで、上記の相対的な位置関係のずれが生じても、各巻取ボビン2に対してパッケージQを所望の位置に形成することができるようになる。
なお、上記実施形態では、トラバース装置5としてベルト式トラバース装置5を採用することとしたが、これに代えて、アーム式トラバース装置を採用してもよい。このアーム式トラバース装置は、ボイスコイルモータに構成した駆動モータによって、先端に糸ガイドが形成されるアーム部材を旋回往復駆動させるトラバース装置である。
(請求項2)
上記の糸条巻取装置1は、更に、以下のように構成される。即ち、各トラバース装置5は、前記糸ガイド4が取り付けられる無端ベルト15と、この無端ベルト15の一部が前記ボビンホルダー3の長手方向に対して実質的に平行となるように前記無端ベルト15を支持する一対の支持ユニット16と、前記無端ベルト15を駆動する駆動モータ17と、を備え、駆動モータ17が前記無端ベルト15を往復走行させることで、前記糸ガイド4が前記ボビンホルダー3の長手方向に対して実質的に平行に往復運動できるようにしたベルト式トラバース装置5である。このように前記トラバース装置5として上記のベルト式トラバース装置5を採用することで、前記糸ガイド4の往復運動の往復幅を自在に変更できるので、図4や図6に示されるような所謂テーパエンドパッケージの生産に対応できる。また、このベルト式トラバース装置5では上記糸条Yを前記巻取ボビン2に対する所望の相対的位置で拘束することができる。そして、この相対的位置は巻取時における上記糸ガイド4の往復運動の往復範囲外とすることができる(図4を併せて参照。)。これは、例えば以下のような付随的な効果を奏する。即ち、前記巻取ボビン2上であってパッケージQを形成する範囲の外に所謂棒巻き(テールエンド巻き)を形成する際に、特別な糸寄せ機構を用いることなく、上記糸ガイド4自体を用いて、上記糸条Yを該形成位置に案内することができる。
(請求項3)
上記の糸条巻取装置1は、更に、以下のように構成される。即ち、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5は、オーバーラップするように配置される。即ち、前記ベルト式トラバース装置5を採用すると、前記の糸ガイド4は、前記一対の支持ユニット16間で往復運動することとなる。従って、前記ベルト式トラバース装置5の装置幅は、少なくとも巻取時における前記糸ガイド4の往復運動の往復幅に前記一対の支持ユニット16の設置スペース(例えば、+40〜60mm)を加味したものとなる。一方、前記巻取ボビン2のボビン長は、諸般の事情により極力、パッケージQのパッケージ長と同程度(例えば、パッケージ長+30mm)に設定される。従って、前記複数の巻取ボビン2が前記ボビンホルダー3上に詰めて並べられる上記の糸条巻取装置1においては、各巻取ボビン2の正面に各ベルト式トラバース装置5を配置しようとすると、どうしても隣り合う前記ベルト式トラバース装置5同士が物理的に干渉してしまうことになる。そこで、上記のように、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5をオーバーラップするように配置することで、上記の干渉を解消できる。そして、このように問題なく干渉を解消できるので、糸条巻取装置1の装置幅を長くすることなく、上記のベルト式トラバース装置5を導入できる。
(請求項4)
上記の糸条巻取装置1は、更に、以下のように構成される。即ち、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5は、各糸ガイド4の往復運動の軌跡を前記ボビンホルダー3の長手方向に対して傾斜させることでオーバーラップさせる。前記複数のベルト式トラバース装置5と、前記ボビンホルダー3と、の間には、各巻取ボビン2上に形成されるパッケージQに対して接触すると共に、各ベルト式トラバース装置5によって綾振られた各糸条Yが巻き掛けられるコンタクトローラ11が設けられる。各ベルト式トラバース装置5の上記駆動モータ17を制御するトラバース制御部(No.1〜4)61を夫々、設ける。各トラバース制御部(No.1〜4)61は、前記巻取ボビン2上に形成されるパッケージQのパッケージ両端部近傍での糸密度が均等となるように駆動モータ17を制御可能に構成される。即ち、前記ベルト式トラバース装置5を上記のように傾斜配置すると、前記糸ガイド4−前記コンタクトローラ11間の距離であるフリーレングスΔFが図4の紙面上で左右非対称となる。そして、フリーレングスΔFが左右非対称となるとパッケージQのパッケージ両端部近傍での糸密度が不均等となり、結果として、パッケージ外観が悪くなる。そこで、前記巻取ボビン2上に形成されるパッケージQのパッケージ両端部近傍での糸密度が均等となるように駆動モータ17を制御可能な前記トラバース制御部(No.1〜4)61を設けることで、フリーレングスΔFの非対称性は甘受しつつも、パッケージQのパッケージ両端部近傍での糸密度の不均等を解消することができる。そして、これにより、パッケージQの外観を改善することができる。
なお、フリーレングスΔFが左右非対称だとパッケージQのパッケージ両端部近傍での糸密度が不均等となるのは以下の理由による。即ち、フリーレングスΔFが相対的に大きいと、反転の際、糸ガイド4に対する糸条Yの追従性が相対的に悪く、これがパッケージQの端部における糸条Yの滞留を招くからである。
(請求項5)
上記の糸条巻取装置1は、更に、以下のように構成される。即ち、各トラバース制御部(No.1〜4)61は、前記糸ガイド4のトラバース両端部近傍での運動パターンが異なるなるように駆動モータ17を制御可能に構成される。このように、上記パッケージQのパッケージ両端部近傍での糸密度の不均等を解消する有効な一つの手段として、前記糸ガイド4のトラバース両端部近傍での運動パターンを異なるものとすることが挙げられる。
(請求項8)
また、紡糸機7は、複数の糸条Yを紡出する紡糸部と、この紡糸部から紡出された複数の糸条Yを巻き取る上記の糸条巻取装置1と、を備えて構成される。これによれば、優れたパッケージQを生産できる。
次に、図8〜10を参照しつつ、本願発明の第二実施形態を説明する。図8は、図2に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係る図である。図9は、図5に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係る図である。図10は、図6に類似する図であって、本願発明の第二実施形態に係る図である。以下、本実施形態が上記第一実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は適宜に割愛する。
上記第一実施形態では、隣り合うベルト式トラバース装置5は、各糸ガイド4の往復運動の軌跡をボビンホルダー3の長手方向に対して傾斜させることでオーバーラップさせることとした。しかし、本実施形態では、これに代えて図8に示されるように、隣り合うベルト式トラバース装置5は、各糸ガイド4の往復運動の軌跡を段違いにすることでオーバーラップさせる。具体的には、何れのベルト式トラバース装置5においてもレール19の長手方向がボビンホルダー3の長手方向と平行となるように傾斜面12aに対するベース18の姿勢を定めると共に、隣り合うベルト式トラバース装置5は図8の如く梁体12の傾斜面12aの法線方向に沿って見たときに、2つの支持ユニット16が糸条Yの走行方向(図中太線矢印を参照)に沿って略一列に並ぶことによって、相互にオーバーラップするように配置される。
また、上記第一実施形態では、各トラバース制御部(No.1〜4)61は、前記巻取ボビン2上に形成されるパッケージQのパッケージ両端部近傍での糸密度が均等となるように、前記糸ガイド4のトラバース両端部近傍での運動パターンが異なる制御パターンに基づいて各駆動モータ(No.1〜4)17を制御するように構成される。これに対し、本実施形態では、各トラバース制御部(No.1〜4)61は、隣り合う前記巻取ボビン2上に形成されるパッケージQの糸密度が均一となるように駆動モータ(No.1〜4)17を制御可能に構成される。更に詳しくは、各トラバース制御部(No.1〜4)61は、前記糸ガイド4の往復運動が、隣り合う他のベルト式トラバース装置5における前記糸ガイド4の往復運動と異なるように各駆動モータ(No.1〜4)17を制御可能に構成される。
具体的には、図9及び図10の通りである。即ち、本実施形態において各トラバース制御部(No.1〜4)61は、図5の制御パターン記憶部64を二つ、有する。この二つの制御パターン記憶部64を以下、制御パターンA記憶部64A、制御パターンB記憶部64B、と称する。そして、制御パターンA記憶部64Aには図10(a)に示される制御パターンAが記憶され、制御パターンB記憶部64Bには図10(b)に示される制御パターンBが記憶される。図10(a)に示される制御パターンAは、一般的なチーズパッケージ向けの制御パターンである。これに対し、図10(b)に示される制御パターンBは、反転直後のトラバース速度Vtが若干高めに設定された制御パターンである。
そして、トラバース制御部(No.1)61は、制御パターンB記憶部64Bに記憶された制御パターンBと、原点記憶部65に記憶された原点と、に基づいて、駆動モータ(No.1)17を制御する。一方、トラバース制御部(No.2)61は、制御パターンA記憶部64Aに記憶された制御パターンAと、原点記憶部65に記憶された原点と、に基づいて、駆動モータ(No.2)17を制御する。同様に、トラバース制御部(No.3)61は、制御パターンB記憶部64Bに記憶された制御パターンBと、原点記憶部65に記憶された原点と、に基づいて、駆動モータ(No.3)17を制御する。トラバース制御部(No.4)61は、制御パターンA記憶部64Aに記憶された制御パターンAと、原点記憶部65に記憶された原点と、に基づいて、駆動モータ(No.4)17を制御する。
上記の制御によれば、図8に示されるように隣り合うベルト式トラバース装置5間でフリーレングスΔFに相違があっても、フリーレングスΔFが大きいベルト式トラバース装置5においては反転直後における糸ガイド4のトラバース速度Vtが若干高く設定されるので、フリーレングスΔFの相違によるパッケージQの糸密度の不均一性を解消できる。
(まとめ)
(請求項6)
以上説明したように、上記第二実施形態において糸条巻取装置1は、以下のように構成される。即ち、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5は、各糸ガイド4の往復運動の軌跡を段違いにすることでオーバーラップさせる。前記複数のベルト式トラバース装置5と、前記ボビンホルダー3と、の間には、各巻取ボビン2上に形成されるパッケージQに対して接触すると共に、各ベルト式トラバース装置5によって綾振られた各糸条Yが巻き掛けられるコンタクトローラ11が設けられる。各ベルト式トラバース装置5の上記駆動モータ17を制御するトラバース制御部(No.1〜4)61を夫々、設ける。各トラバース制御部(No.1〜4)61は、隣り合う前記巻取ボビン2上に形成されるパッケージQの糸密度が均一となるように前記駆動モータ(No.1〜4)17を制御可能に構成される。即ち、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5を上記のように段違いに配置すると、前記糸ガイド4−前記コンタクトローラ11間の距離であるフリーレングスΔFが隣り合う前記ベルト式トラバース装置5間で異なる。そして、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5間でフリーレングスΔFが異なると隣り合う前記巻取ボビン2上に形成されるパッケージQの糸密度が異なり、結果として、パッケージQの外観が均一とならない。そこで、隣り合う前記巻取ボビン2上に形成されるパッケージQの糸密度が均一となるように各駆動モータ(No.1〜4)17を制御可能なトラバース制御部(No.1〜4)61を設けることで、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5間におけるフリーレングスΔFの相違は甘受しつつも、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5間におけるパッケージQの糸密度の不均一性を解消することができる。そして、これにより、パッケージQの外観を均一とすることができる。
(請求項7)
上記の糸条巻取装置1は、更に、以下のように構成される。即ち、各トラバース制御部(No.1〜4)61は、前記糸ガイド4の往復運動が、隣り合う他のベルト式トラバース装置5における前記糸ガイド4の往復運動と異なるように駆動モータ(No.1〜4)17を制御可能に構成される。このように、上記パッケージQの糸密度の不均一性を解消する有効な一つの手段として、隣り合う前記ベルト式トラバース装置5における前記糸ガイド4の往復運動を異ならせることが挙げられる。
以上に本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記各実施形態は下記のように変更できる。
即ち、図4や図6、図10に示されるように上記各実施形態において糸条Yはチーズパッケージとして巻き取ることとしたが、これに代えて、テーパエンドパッケージとして巻き取ってもよい。
1 糸条巻取装置
2 巻取ボビン
3 ボビンホルダー
4 糸ガイド
5 ベルト式トラバース装置
7 紡糸機

Claims (6)

  1. 複数の巻取ボビンを同軸上に装着支持するボビンホルダーと、
    糸ガイドを有し、この糸ガイドを往復運動させることで各巻取ボビンに対して各糸条を綾振る複数のトラバース装置と、
    前記トラバース装置を制御するトラバース制御部とを備え、
    上記トラバース装置は、上記糸ガイドの往復運動の往復範囲が変更自在なトラバース装置を各巻取ボビンに対応して配置し、
    前記トラバース制御部は、使用環境による前記巻取ボビンの長さの変化に合わせて、前記糸ガイドの前記往復運動の往復範囲が変更されるように、前記トラバース装置を制御し、
    各トラバース装置は、前記糸ガイドが取り付けられる無端ベルトと、この無端ベルトの少なくとも一部が前記ボビンホルダーの長手方向に対して実質的に平行となるように前記無端ベルトを支持する一対の支持ユニットと、前記無端ベルトを駆動するベルト駆動源と、を備え、
    前記ベルト駆動源が前記無端ベルトを往復走行させることで、前記糸ガイドが前記ボビンホルダーの長手方向に対して実質的に平行に往復運動できるようにしたベルト式トラバース装置であり、
    隣り合う前記ベルト式トラバース装置は、オーバーラップするように配置される、
    ことを特徴とする糸条巻取装置。
  2. 請求項に記載の糸条巻取装置であって、
    隣り合う前記ベルト式トラバース装置は、各糸ガイドの往復運動の軌跡を前記ボビンホルダーの長手方向に対して傾斜させることでオーバーラップさせ、
    前記複数のトラバース装置と、前記ボビンホルダーと、の間には、各巻取ボビン上に形成されるパッケージに対して接触すると共に、各トラバース装置によって綾振られた各糸条が巻き掛けられるコンタクトローラが設けられ、
    各トラバース制御部は、前記巻取ボビン上に形成されるパッケージのパッケージ両端部近傍での糸密度が均等となるように前記ベルト駆動源を制御可能に構成される、
    ことを特徴とする糸条巻取装置。
  3. 請求項に記載の糸条巻取装置であって、
    各トラバース制御部は、前記糸ガイドのトラバース両端部近傍での運動パターンが異なるように前記ベルト駆動源を制御可能に構成される、
    ことを特徴とする糸条巻取装置。
  4. 請求項に記載の糸条巻取装置であって、
    隣り合う前記ベルト式トラバース装置は、各糸ガイドの往復運動の軌跡を段違いにすることでオーバーラップさせ、
    前記複数のトラバース装置と、前記ボビンホルダーと、の間には、各巻取ボビン上に形成されるパッケージに対して接触すると共に、各トラバース装置によって綾振られた各糸条が巻き掛けられるコンタクトローラが設けられ、
    各トラバース制御部は、隣り合う前記巻取ボビン上に形成されるパッケージの糸密度が均一となるように前記ベルト駆動源を制御可能に構成される、
    ことを特徴とする糸条巻取装置。
  5. 請求項に記載の糸条巻取装置であって、
    各トラバース制御部は、前記糸ガイドの往復運動が、隣り合う他のベルト式トラバース装置における前記糸ガイドの往復運動と異なるように前記ベルト駆動源を制御可能に構成される、
    ことを特徴とする糸条巻取装置。
  6. 複数の糸条を紡出する紡糸部と、
    この紡糸部から紡出された複数の糸条を巻き取る請求項1〜5の何れかに記載の糸条巻取装置と、
    を備えて構成される、
    ことを特徴とする紡糸機。
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