以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う車両100の概略構成図である。図1を参照して、車両100は、バッテリBATと、駆動ユニット200と、空調ユニット300とを含む。
バッテリBATは、充放電可能な蓄電装置として車両100に搭載される。バッテリBATは一例として、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池である。なお、車両100に搭載される蓄電装置は二次電池に限定されず、たとえば電気二重層キャパシタを用いてもよい。バッテリBATは、正極ラインPL1および負極ラインNL1を介して、駆動ユニット200および空調ユニット300へ直流電力を供給する。また、バッテリBATは駆動ユニット200からの直流電力により充電される。
駆動ユニット200は、バッテリBATから供給される直流電力により車両100の駆動力を発生可能に構成される。詳細には、駆動ユニット200は、エンジン2と、モータジェネレータMG1,MG2と、動力分割機構4と、減速機6と、インバータ8,10と、コンデンサC1と、コンバータ12とを含む。
エンジン2は、燃料と空気との混合気を燃焼させることによりクランクシャフト(図示せず)を回転させて駆動力を発生する。エンジン2が発生した駆動力は、動力分割機構4により2経路に分割される。その2経路のうちの一方は減速機6を介して車輪(図示せず、以下同様)を駆動させるための経路であり、他方はモータジェネレータMG1を駆動させるための経路である。
モータジェネレータMG1,MG2の各々はたとえば三相交流回転電機である。モータジェネレータMG1はエンジン2の動力を用いて三相交流電圧を発生させ、その交流電圧をインバータ8へ出力する。また、モータジェネレータMG1はインバータ8によって力行駆動されてエンジン2を始動する。モータジェネレータMG2は、インバータ10によって力行駆動され、車輪を駆動するための駆動力を発生する。また、車両100の回生制動時には、モータジェネレータMG2は車両の回転力によって発電して、その発電による三相交流電圧をインバータ10に出力する。
インバータ8は、正極ラインPL2および負極ラインNL2に接続され、コンバータ12とモータジェネレータMG1との間で直流から交流、または交流から直流への電力変換を行なう。より詳細には、インバータ8は、各々が直列接続された複数のスイッチング素子からなる3相分のアーム回路を含む。各スイッチング素子はスイッチング指令PWM1に従って周期的なスイッチング動作を行なう。これにより上記電力変換が実現される。
インバータ10は、正極ラインPL2および負極ラインNL2に接続され、コンバータ12とモータジェネレータMG2との間で直流から交流、または交流から直流への電力変換を行なう。より詳細には、インバータ10は、各々が直列接続された複数のスイッチング素子からなる3相分のアーム回路を含む。各スイッチング素子はスイッチング指令PWM2に従って周期的なスイッチング動作を行なう。これにより上記電力変換が実現される。
コンデンサC1は、正極ラインPL2および負極ラインNL2に接続されて、正極ラインPL2および負極ラインNL2間の電圧を平滑化する。
コンバータ12は、スイッチング指令PWCに応答して、バッテリBATから出力される直流電圧を昇圧し、その昇圧された電圧を正極ラインPL2へ出力する。また、コンバータ12は、スイッチング指令PWCに応答して、インバータ8,10から正極ラインPL2を介して供給される直流電力をバッテリBATの電圧レベルに降圧してバッテリBATに供給する。
空調ユニット300は、バッテリBATからの直流電力により動作可能に構成される。詳細には、空調ユニット300は、圧縮ユニット70と、ブロワー82と、DC/DCコンバータ80と、バッテリSBとを含む。
圧縮ユニット70は、インバータ72と、コンプレッサ(COMP)74とを含む。インバータ72は、バッテリBATからの直流電力を交流電力に変換して、その交流電力をコンプレッサ74に供給する。コンプレッサ74は、交流電力が供給されることにより冷媒を圧縮する。ブロワー82は、コンプレッサ74の動作により温度が調整された空気を車室内に送る。
DC/DCコンバータ80は、正極ラインPL1および負極ラインNL1に接続される。DC/DCコンバータ80は、制御指令CHに応答して、バッテリBATの電圧をブロワー82の動作電圧(たとえばDC12V)に変換する。DC/DCコンバータ80からの直流電力はバッテリSBおよびブロワー82に供給される。
バッテリSBは、副蓄電装置(サブバッテリ)として車両100に搭載される。バッテリSBは一例として鉛蓄電池であり、DC/DCコンバータ80からの直流電力により充電される。またバッテリSBは、自身に蓄えられた電力をブロワー82、あるいは、オーディオ機器、車内灯、インジケータなどの補機(いずれも図示せず)に供給する。
車両100は、さらに、電流センサ24と、電圧センサ26と、システムメインリレーSMR1,SMR2,SMR3と、制限抵抗R1と、パワースイッチ22と、ECU(Electronic Control Unit)20と、設定スイッチ36と、受信アンテナ32とを含む。
電流センサ24は、正極ラインPL1に設けられて、バッテリBATに入出力される電流Ibを検出する。電流センサ24は、その検出した電流Ibの値をECU20へ出力する。本実施の形態では、バッテリBATから電力が出力される場合には、電流Ibの値が正であり、バッテリBATに電力が入力される場合には電流Ibの値が負であるとする。
電圧センサ26は、正極ラインPL1と負極ラインNL1との間に設けられて、バッテリBATの電圧Vbを検出する。電圧センサ26は、その検出した電圧Vbの値をECU20へ出力する。
システムメインリレーSMR1および制限抵抗R1はバッテリBATの正極と正極ラインPL1との間に直列に接続される。システムメインリレーSMR2は、直列接続されたシステムメインリレーSMR1および制限抵抗R1に対して並列に設けられ、かつバッテリBATの正極と正極ラインPL1との間に接続される。システムメインリレーSMR3はバッテリBATの負極と負極ラインNL1との間に接続される。システムメインリレーSMR1〜SMR3は、制御指令SEに応答して導通状態(オン状態)または非導通状態(オフ状態)となる。
バッテリBATが駆動ユニット200および空調ユニット300に電気的に接続する際には、システムメインリレーSMR1,SMR3が先にオン状態となり、次にシステムメインリレーSMR2がオン状態となる。これにより、バッテリBATを電気的に接続する際に生じる突入電流を制限抵抗R1により制限することができる。突入電流を制限した後にはシステムメインリレーSMR1がオフ状態となる。
パワースイッチ22は、ユーザが車両100を始動および停止するために用いられる。車両100がユーザがパワースイッチ22を操作した場合、パワースイッチ22は、図1に示す車両システム(特に駆動ユニット200)を起動するための指令IGON、あるいは車両システムを停止するための指令IGOFFをECU20へ出力する。なお、車両100を始動および停止するための操作は、パワースイッチ22の操作に他の操作(たとえばユーザがブレーキペダルを踏む)を組み合わせてもよい。
ECU20は、指令IGONに応答して、予め格納されたプログラムを実行する。これにより図1に示す車両システムが起動されて、車両100は走行可能な状態となる。「走行可能な状態」とは、ユーザの操作によって車両100の走行開始が可能である状態を意味する。たとえば「走行可能な状態」とは、ユーザがブレーキを解除してアクセルペダル(図示せず)を踏み込んだ場合に、駆動ユニット200が車両100の駆動力を発生させることができる状態である。この状態を以下では「Ready−ON状態」とも呼ぶことにする。
ECU20は、図示しない各センサ(たとえば車速センサ等)から送信された信号、走行状況、アクセル開度、バッテリBATの充電状態(SOC:State of Charge)、自身に格納されたマップなどに基づいて演算処理を実行する。そしてECU20は運転者の操作に応じた車両の制御を実行するための制御指令SEおよびスイッチング指令PWC,PWM1,PWM2などを生成する。また、ECU20は補機を駆動するために制御指令CHをDC/DCコンバータ80へ与える。
ECU20は、設定スイッチ36および受信アンテナ32と接続される。ECU20は、設定スイッチ36からの空調要求CTL1あるいは受信アンテナ32からの空調要求CTL2に応答して、車室内を空調するための制御を実行する。
受信アンテナ32は、送信装置34から無線で送信された空調要求CTL1を受信する。なお送信装置34は特に限定されず、たとえば専用のリモコン装置でもよいし携帯情報端末でもよい。また、設定スイッチ36は、たとえばインストルメントパネルに配置されて、ユーザにより操作される。
図2に示すように、ユーザからの空調要求(CTL1,CTL2)はたとえば空調の開始時刻(X1時Y1分)および設定温度(A℃)についての情報を含む。また、図3に示すように、ユーザからの空調要求は、車両の出発時刻(X2時Y2分)および設定温度(B℃)についての情報を含んでもよい。車両の出発時刻が指定された場合、ECU20はその出発時刻に基づいて空調を開始する時刻を算出する。
ECU20は、ユーザが車両100に搭乗していなくとも、設定された開始時刻に空調ユニット300を動作させて車室内空調を開始する。すなわち車両100は、プレ空調を実行可能に構成される。
具体的に説明すると、ECU20は、プレ空調の実行時には、まず制御指令SEをシステムメインリレーSMR1〜SMR3に出力して、バッテリBATを正極ラインPL1および負極ラインNL1に接続する。上記のように、まずシステムメインリレーSMR1,SMR3がオンし、次に、システムメインリレーSMR2をオンする。その後、システムメインリレーSMR1がオフする。これによりバッテリBATは空調ユニット300に直流電力を供給できる。
なおECU20はプレ空調の実施時にスイッチング指令PWM1,PWM2,PWCを出力しない。したがってインバータ8,10およびコンバータ12は停止したままである。
さらにECU20は制御指令CMPを圧縮ユニット70(インバータ72)へ与える。これにより圧縮ユニット70が動作する。さらに、ECU20は、DC/DCコンバータ80およびブロワー82へ制御指令CHおよびBLをそれぞれ与えてDC/DCコンバータ80およびブロワー82を動作させる。
ユーザからの空調要求によって車室内の温度が設定された場合、ECU20は、設定された開始時刻より空調ユニット300を動作させて空調を実行する。ECU20は、車室の温度が設定温度に達した場合には、空調ユニット300を停止する。あるいはECU20は、現在時刻が、ユーザの指定した出発時刻に達すると空調ユニット300を停止する。空調ユニット300は、バッテリBATに蓄積された電力を用いて動作する。
ECU20は、プレ空調実施時間を計測し、その計測時間が所定時間を上回るとプレ空調を制限する。プレ空調の制限とは、空調ユニット300による空調能力を制限することである。空調ユニット300の空調能力を制限することによって空調ユニット300が消費する電力が少なくなるので、バッテリBATから取り出される電力量が少なくなる。
ECU20はプレ空調を制限するために空調ユニット300を停止してもよい。この場合には、バッテリBATから取り出される電力量を0に制限することができる。また、ECU20は、プレ空調を制限するために、たとえばバッテリBATからインバータ72に供給される電力量を小さくしてもよい。
さらに、ECU20は、バッテリBATの充放電に関する予め定められた条件が成立した場合に、プレ空調実施時間の計測値を初期化する。この場合には、計測値が0となる。上記のように、プレ空調実施時間が所定時間を超えた場合にはプレ空調が制限される。この場合、計測値を初期化することによってプレ空調の制限が解除される。
また、プレ空調実施時間が所定時間を超える前に、上記の「予め定められた条件」が成立した場合においても、プレ空調実施時間の計測値が初期化される。すなわち計測値の初期化は、プレ空調が制限された後に実施されるものと限定されない。
実施の形態1では、バッテリBATの充放電に関する予め定められた条件とは、駆動ユニットが起動したという条件である。より具体的には、ECU20が車両システムを起動するための指令IGONを受けたときに、プレ空調実施時間の計測値が初期化される。
図4は、図1に示したECU20に含まれるプレ空調制御系の構成を説明する機能ブロック図である。なお、図4に示した構成は、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれによっても実現可能である。
図4を参照して、ECU20は、初期化部41と、計測部42と、比較部43と、空調制御部44と、開始指令部45とを含む。
初期化部41は、指令IGONに応答して、計測部42による計測結果を初期化するための指令INTを出力する。初期化によって計測結果が0に設定される。
計測部42は、開始指令部45からの制御指令ACNに応じて、プレ空調実施時間の計測を開始する。そして計測部42は、計数結果を示す数値を比較部43に出力する。なお、計測部42はプレ空調が実施されている間はその実施時間を積算する。計測部42は指令INTに応じて、計測結果を示す数値を0に設定する。
比較部43は、計測部42による計測結果を基準値と比較する。計測部42の計測結果が基準値を上回った場合、比較部43はバッテリBATの放電時間が所定時間を超えたことを示す情報を空調制御部44に送る。
この基準値はたとえば一定である。ただし基準値はバッテリBATの劣化状態に応じて設定されることが好ましい。一般的に二次電池においては経年劣化が生じる。これにより二次電池の出力可能値が低下する。たとえばバッテリBATに蓄積された電力をプレ空調に優先的に使用する場合には、バッテリBATの経年劣化に応じて基準値を長くすることができる。一方、プレ空調以外の処理(たとえばエンジン2からの排ガスを浄化するための触媒を暖める処理)にバッテリBATに蓄積された電力を優先的に使用する場合には、バッテリBATの経年劣化に応じて基準値を短くすることができる。
基準値は、たとえばバッテリの充放電性能の経年変化を予め計測することにより定めることができる。また、ECU20(たとえば比較部43)にその計測結果に基づくマップを記憶させることができる。なおバッテリBATの経年劣化の度合いを判断するための方法としては公知の方法を用いることができるのでここでは詳細な説明を繰り返さない。以上の方法により、バッテリBATの劣化状態に応じて基準値を設定することができる。
空調制御部44は、開始指令部45からの制御指令ACNに応答して、制御指令SE,CH,CMP,BLを出力する。これによりプレ空調が開始される。さらに空調制御部44は、比較部43からバッテリBATの放電時間が所定時間を超えたことを示す情報を受けると、プレ空調を制限するための制御を実行する。上記のように、たとえば、空調制御部44は、空調ユニット300を停止するための制御指令CH,CMP,BLを出力する。また、空調制御部44は、インバータ72および/またはブロワー82の動作電力を低下させるための制御指令CH,CMP,BLを出力する。さらに空調制御部44は、プレ空調の終了時およびプレ空調の制限時に、計測部42に計数処理を停止するための停止指令STPを送る。
開始指令部45は、空調要求CTL1,CLT2に基づいて、プレ空調の開始時刻を設定する。そして開始指令部45は、現在時刻が設定された開始時刻になると、制御指令ACNを出力する。
図5は、ECU20によるプレ空調の制御処理を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートに示す処理は所定の周期ごとにメインルーチンより呼び出されて実行される。
図5および図4を参照して、初期化部41は、指令IGON(車両システムの起動指令)が入力されたか否かを判定する(ステップS10)。パワースイッチ22から指令IGONが出力されることによって、図1に示す車両システム(特に駆動ユニット200)が起動されて、車両100の状態はReady−ON状態になる。つまりステップS10において、初期化部41は車両100がReady−ON状態であるか否かを判定する。
初期化部41が指令IGONを受けていない場合(ステップS10においてNO)、処理は後述するステップS30に進む。この場合、初期化部41は指令INTを出力しない。一方、初期化部41が指令IGONを受けた場合(ステップS10においてYES)、初期化部41は指令INTを計測部42に出力する。すなわち初期化部41は、車両の状態が走行可能状態である場合に、指令INTを出力する。
計測部42は、指令INTに応答して、プレ空調実施時間の計測結果をクリア(初期化)する(ステップS20)。すなわち計測部42は、計測結果を示す数値を0に設定する。
計測部42は、プレ空調が実施中であるか否かを判定する(ステップS30)。具体的には、計測部42は、開始指令部45からの制御指令ACNを受けると、それ以後においてプレ空調が実施中であると判定する。一方、計測部42は、空調制御部44からの停止指令STPを受けると、それ以後においてプレ空調が実施されていないと判定する。
計測部42はプレ空調が実施中であると判定した場合(ステップS30においてYES)、プレ空調実施時間を計測する(ステップS40)。そして計測部42は、その計測結果を示す数値を比較部43に出力する。一方、計測部42はプレ空調が実施されていないと判定した場合(ステップS30においてNO)、計測部42は、プレ空調実施時間を計測する処理を実行しない。したがって計測結果を示す数値は変化しない。この場合、処理はステップS50に進む。
プレ空調実施時間とは、バッテリBATの放電時間に対応する。したがってプレ空調実施時間は、本発明における「蓄電装置の放電に関する所定のパラメータ」に対応する。
ステップS50において、比較部43は計測部42の計数結果を基準値と比較して、その比較結果を空調制御部44に出力する。空調制御部44は、比較部43の比較結果に基づいて、プレ空調実施時間が所定時間未満であるか否かを判定する。プレ空調実施時間が所定時間未満である場合(ステップS50においてYES)、空調制御部44はプレ空調を許可する(ステップS60)。したがって、プレ空調の実施中であれば、プレ空調が継続される。また、プレ空調が既に終了している場合には、プレ空調が次回も実施可能となる。
一方、プレ空調実施時間が所定時間を上回る場合(ステップS50においてNO)、空調制御部44はプレ空調を制限する(ステップS70)。たとえばプレ空調の実施中であれば、空調制御部44は空調ユニット300を停止するための制御指令CH,CMP,BLを出力する。また、プレ空調が既に終了している場合には、プレ空調の次回の実施が禁止される。
ステップS60またはS70の処理が終了すると全体の処理はメインルーチンに戻される。
実施の形態1によれば、指令IGONによりプレ空調実施時間が初期化される。たとえば、ユーザがプレ空調を長い期間実行するよう車両100に指示する可能性がある。長時間にわたりプレ空調が実行されると、空調ユニット300への電力供給のためにバッテリBATの放電が続く。長時間にわたりバッテリBATが放電した場合、バッテリBATの劣化が促進される可能性がある。
実施の形態1によれば、指令IGONを受けるまではプレ空調実施時間が積算される。その積算時間が所定時間を超えた場合、プレ空調が制限される。たとえばプレ空調実施時間が所定時間を超えるとプレ空調の実行が禁止される。プレ空調の実行時間を制限することによってバッテリBATから電力が継続的に取り出されることを回避できる。これによりバッテリBATの劣化が促進されるのを防ぐことができる。
バッテリBATの劣化が進んだ場合、バッテリBATの放電性能(電力供給能力)が低下する。このためプレ空調の実行時において空調ユニット300の空調能力が低下する。実施の形態1によれば、このような問題が生じる事を防ぐことができる。したがって実施の形態1によればユーザが車両に搭乗する際に、ユーザにとって快適な環境を提供することができる。
ただし、プレ空調実施時間の計測結果を初期化しない場合、プレ空調実施時間が所定時間を一旦超えた後にプレ空調が制限されたままとなる。この問題を防ぐため、初期化部41は、バッテリBATの充放電に関する予め定められた条件が成立すると、計測部42によるプレ空調実施時間の計測結果を初期化する。
たとえばバッテリBATの放電が一旦停止すれば、バッテリBATの劣化の進行を止めることができる。また、バッテリBATを充電すれば、プレ空調によりバッテリBATから取り出された電力を補うことができる。これらの理由によって、バッテリBATはプレ空調に必要な電力を供給できる状態となる。したがって、初期化部41は、バッテリBATの充放電に関する予め定められた条件が成立すると、計測部42によるプレ空調実施時間の計測結果を初期化する。
実施の形態1では、バッテリBATの充放電に関する予め定められた条件とは、初期化部41が指令IGONを受けるという条件である。指令IGONは駆動ユニット200を起動するためにECU20に与えられる。すなわち、上記の条件とは、駆動ユニット200が起動されるという条件と等価である。
指令IGONがECU20に送信されることにより車両システムが起動され、その後に車両100の走行が開始される。車両100の走行が開始されると、モータジェネレータMG1あるいはMG2によって、バッテリBATを充電する機会が生じる。したがってプレ空調時において、バッテリBATは、空調ユニット300の空調能力が低下しないように空調ユニット300に電力を供給することができる。
以上のように、実施の形態1によれば、蓄電装置の劣化が促進されるのを回避しつつプレ空調を実行できる。
(変形例)
プレ空調の実施期間が短くても、プレ空調時にバッテリBATから大電力が出力された場合には、バッテリBATの劣化が促進されると考えられる。この変形例では、プレ空調の実施時間に代えてバッテリBATの放電電力の積算量が計測される。すなわちバッテリBATの放電電力の積算量は、本発明における「蓄電装置の放電に関する所定のパラメータ」に対応する。
図1を参照して、実施の形態1の変形例に従う車両100Aは、ECU20に代えてECU20Aを備える点において実施の形態1に従う車両100と異なる。なお、車両100Aの他の部分の構成は図1に示した車両100の対応する部分の構成と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
図6は、ECU20Aに含まれるプレ空調制御系の構成を説明する機能ブロック図である。なお図6に示した構成は、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれによっても実現可能である。
図6および図4を参照して、ECU20Aは、計測部42に代えて計測部42Aを備える点において、ECU20と異なる。計測部42Aは、プレ空調が実施されている期間において、電流Ibと電圧Vbとの積を時間積分することによってバッテリBATから出力される電力量の積分値(放電電力の積分値)を算出する。なお、計測部42Aは、開始指令部45からの制御指令ACNを受けると、それ以後においてプレ空調が実施中であると判定する。
比較部43は計測部42Aの計測結果を基準値と比較して、その比較結果を空調制御部44に出力する。
図7は、ECU20Aによるプレ空調の制御処理を説明するフローチャートである。なお、このフローチャートに示す処理は所定の周期ごとにメインルーチンより呼び出されて実行される。
図7および図5を参照して、図7のフローチャートは、ステップS20,S40,S50の処理に代えてステップS20A,S40A,S50Aの処理が実行される点において図5のフローチャートと異なる。図7のフローチャートの他のステップの処理は、図5のフローチャートの対応するステップの処理と同様である。したがって、以下ではステップS20A,S40A,S50Aの処理を詳細に説明し、他のステップの処理については概要を説明する。
図7および図6を参照して、初期化部41は、指令IGONが入力されたか否かを判定する(ステップS10)。初期化部41が指令IGONを受けていない場合(ステップS10においてNO)、処理は後述するステップS30に進む。この場合、初期化部41は指令INTを出力しない。一方、初期化部41が指令IGONを受けた場合(ステップS10においてYES)、初期化部41は指令INTを計測部42Aに出力する。
計測部42Aは、指令INTに応答して、バッテリBATの放電電力の積算量をクリアする(ステップS20A)。すなわち計測部42Aは積算量を0に設定する。
計測部42Aは、プレ空調が実施中であると判定した場合(ステップS30においてYES)、プレ空調実施時におけるバッテリBATの放電電力の積算量を算出し、その算出結果を比較部43に出力する(ステップS40A)。一方、計測部42Aはプレ空調が実施されていないと判定した場合(ステップS30においてNO)、放電電力量の積算を実行しない。この場合、処理は後述するステップS50Aに進む。
ステップS50Aにおいて、比較部43は、計測部42Aが算出した放電電力の積算量を基準値と比較して、その比較結果を空調制御部44に出力する。空調制御部44は、比較部43の比較結果に基づいて、放電電力の積算量が基準値未満であるか否かを判定する。放電電力の積算量が基準値未満である場合(ステップS50AにおいてYES)、空調制御部44は、プレ空調を許可する(ステップS60)。一方、放電電力積算量が基準値を上回る場合(ステップS50AにおいてNO)、空調制御部44は、プレ空調を制限する(ステップS70)。ステップS60またはS70の処理が終了すると全体の処理はメインルーチンに戻される。
この変形例によっても、バッテリBATから継続的に電力が取り出されることを防ぐことができるので、バッテリBATの劣化が促進されるのを防ぐことができる。さらに、指令IGONによって駆動ユニット200が起動されることにより、バッテリBATを充電する機会が生じる。これにより、プレ空調時において、バッテリBATは、空調ユニット300の空調能力が低下しないように空調ユニット300に電力を供給することができる。したがって、この変形例によっても、蓄電装置の劣化が促進されるのを回避しつつプレ空調を実行できる。
なお、実施の形態1およびその変形例によれば、初期化部41は、指令IGONに応じて指令INTを出力する。ただし初期化部41は、指令IGOFFに応じて指令INTを出力してもよい。車両の走行が開始されると、その後にはプレ空調は実行されず、かつバッテリBATが充電される機会が生じる。したがって、次回のプレ空調の実施時において、空調ユニット300の空調能力が低下しないようにバッテリBATが空調ユニット300に電力を供給できる可能性が高くなる。したがって初期化部41は、車両の走行終了時点(すなわち指令IGOFFが出力された時点)に指令INTを出力してもよい。さらに、初期化部41は、車両の走行中における任意の時点(たとえばバッテリBATが実際に充電されたとき)に指令INTを出力してもよい。
[実施の形態2]
図1を参照して、実施の形態2に従う車両100Bは、ECU20に代えてECU20Bを備える点において、実施の形態1に従う車両100と異なる。車両100Bの他の部分の構成は図1に示した車両100の対応する部分の構成と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
図8は、ECU20Bに含まれるプレ空調制御系の構成を説明する機能ブロック図である。図8に示す構成は、ハードウェアおよびソフトウェアのいずれでも実現可能である。
図8および図4を参照して、ECU20Bは、初期化部41に代えて初期化部41Aを備える点においてECU20と異なる。ECU20Bの他の部分の構成については、ECU20の対応する部分の構成と同様である。なお、ECU20Bは計測部42に代えて図6に示した計測部42Aを含んでもよい。
初期化部41Aは、プレ空調の終了時に空調制御部44から、空調ユニット300を停止するための停止指令STPを受ける。初期化部41Aは、プレ空調の終了を示す制御指令ACNを受けてから所定時間が経過した後に指令INTを出力する。
図9は、ECU20Bによるプレ空調処理を説明するフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定の周期ごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図9および図5を参照して、図9のフローチャートに示す処理は、ステップS10の処理に代えてステップS10Aの処理が実行される点において図5のフローチャートに示す処理と異なる。なお、図9のフローチャートの他のステップの処理は、図5のフローチャートの対応するステップの処理と同様である。
図9および図8を参照して、初期化部41Aは、プレ空調の終了を示す停止指令STPが入力された場合には、その停止指令STPを受けた時点からの経過時間を計測する。そして初期化部41Aは、プレ空調の終了から基準時間が経過したか否かを判定する(ステップS10A)。
この基準時間は、バッテリBATの放電による分極が戻る時間として、実験などにより予め算出された値を用いることができる。基準時間はたとえば数十分程度に設定されるが、このように限定されるものではない。
また、上記基準時間はバッテリBATの放電時間(すなわち空調ユニット300の動作時間)にかかわらず一定の時間であってもよいが、バッテリBATの放電時間に応じて変化するように定められることが好ましい。たとえばECU20B(たとえば初期化部41A)は、プレ空調時のバッテリBATの放電時間と上記の時間とを対応付けるマップを記憶する。そしてステップS10Aでの処理において、初期化部41Aがそのマップを参照する。これにより、上記「基準時間」をバッテリBATの放電時間に応じて変化するように定められることができる。
バッテリBATの放電時間が長くなるほど分極の解消に要する時間が長くなる。一方、バッテリBATの放電時間が短いにも関わらず基準時間を大きく設定すると、バッテリBATの分極が解消してもプレ空調をすぐに実行できなくなることが起こりうる。したがって、上記基準時間はバッテリBATの放電時間に応じて変化するように定められることが好ましい。
初期化部41Aは、プレ空調終了からの経過時間が基準時間に達したと判定した場合(ステップS10AにおいてYES)、計測部42に対して指令INTを出力する(ステップS20)。計測部42は指令INTに応じてその計数結果を初期化する。従って、プレ空調実施時間の計測結果を示す数値が0となる。一方、プレ空調終了からの経過時間が基準時間未満である場合(ステップS10AにおいてNO)、処理はステップS30に進む。なお、ステップS30以後の処理は図5に示したフローチャートの対応するステップの処理と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
以上のように、実施の形態2によれば、前回のプレ空調の終了時点から所定時間が経過したときに計測部42の計測結果が初期化される。たとえば前回のプレ空調の終了時点から次回のプレ空調の開始時点までの間隔が短い場合、バッテリBATの放電は実質的に継続される。
実施の形態2によれば、所定時間を、バッテリBATの放電が一旦終了したとみなすことが可能な時間に設定できる。これによって、バッテリBATの放電が継続されることを回避できるので、バッテリBATの劣化の進行を止めることができる。したがってバッテリBATの劣化の促進を回避することができる。
さらに実施の形態2によれば、前回のプレ空調の終了時点から所定時間が経過するまでの間にバッテリBATの分極を解消させることができる。これによってバッテリBATの放電性能(電力供給能力)を回復させることができるので、プレ空調の実行時において空調ユニット300の空調能力が低下するのを回避できる。
さらに実施の形態2によれば、前回のプレ空調の終了時点から所定時間が経過したときに計測部42の計測結果が初期化されるので、指令IGONが発せられなくともプレ空調を再実行することができる。たとえばプレ空調が一旦実施された後に、当初の車両の出発予定が延期されることがある。車両の出発が延期されることによって、プレ空調が再度必要となる場合が生じうる。実施の形態2によれば、このような場合に、車両システム全体を起動させなくとも空調要求によってプレ空調を実行できる。したがって実施の形態2によればユーザの利便性を高めることができる。
[実施の形態3]
図10は、実施の形態3に従う車両101の概略構成図である。図10および図1を参照して、車両101は、充電器400と、コネクタ410とをさらに備える点において車両100と異なる。さらに車両101は、ECU20に代えてECU20Cを備える点において車両100と異なる。車両101の他の部分の構成は車両100の対応する部分の構成と同様である。
充電器400は車両101の外部の電源500(たとえば交流電源)からの電力を用いてバッテリBATを充電する。電源500はコネクタ510により、車両101に設けられたコネクタ410に接続される。これにより充電器400が電源500に電気的に接続される。
充電器400は、ECU20Cからの制御指令CHGに応答して電源500からの交流電力を直流電力に変換するとともに電圧を調圧する。電源500からの電力は充電器400を介して空調ユニット300に供給される。バッテリBATは電源500により充電されるとともに、空調ユニット300は電源500により動作可能となる。
図11は、ECU20Cに含まれるプレ空調制御系の構成を説明する機能ブロック図である。なお図11に示す構成はハードウェアおよびソフトウェアのいずれでも実現可能である。図11および図4を参照して、ECU20Cは、初期化部41に代えて初期化部41Bを備える点、および充電指令生成部46をさらに備える点においてECU20と異なる。なおECU20Cの他の部分の構成は、ECU20の対応する部分の構成と同様である。また、ECU20Cは計測部42に代えて図6に示した計測部42Aを含んでもよい。
充電指令生成部46は充電器400を制御するための制御指令CHGを生成して出力する。たとえば充電指令生成部46は、コネクタ510がコネクタ410に接続されたことを示す信号に応じて制御指令CHGを生成する。これにより、電源500からの電力がバッテリBATおよび空調ユニット300に供給される。
初期化部41Bは、制御指令CHGに応答して指令INTを計測部42に出力する。すなわち実施の形態3では、バッテリBATの充放電に関する予め定められた条件とは、電源500からの電力が充電器400を介してバッテリBATおよび空調ユニット300に供給されたという条件である。
図12は、ECU20Cによるプレ空調処理を説明するフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定の周期ごとにメインルーチンから呼び出されて実行される。
図12および図5を参照して、図12のフローチャートに示す処理は、ステップS10の処理に代えてステップS10Bの処理が実行される点において図5のフローチャートに示す処理と異なる。なお、図12のフローチャートの他のステップの処理は、図5のフローチャートの対応するステップの処理と同様である。
図12および図11を参照して、初期化部41Bは、電源500(外部電源)から車両101(バッテリBATおよび空調ユニット300)への電力供給の有無を判定する。具体的には初期化部41Bは、充電指令生成部46から制御指令CHGを受けたか否かを判定する(ステップS10B)。
初期化部41Bは、制御指令CHGを受けた場合には、電源500から車両101(バッテリBATおよび空調ユニット300)に電力が供給されていると判定する。この場合(ステップS10BにおいてYES)、初期化部41Bは、計測部42に対して指令INTを出力する(ステップS20)。計測部42は指令INTに応じて、プレ空調実施時間の計測結果を初期化する。
一方、初期化部41Bは制御指令CHGを受けていない場合、電源500から車両101に電力が供給されていないと判定する。この場合(ステップS10BにおいてNO)、処理はステップS30に進む。なお、ステップS30以後の処理は図5に示したフローチャートの対応するステップの処理と同様であるので以後の説明は繰り返さない。
以上のように実施の形態3によれば、電源500から車両101に電力が供給されたときに、計測部42によるプレ空調実施時間の計測結果を初期化する。電源500から車両101に電力が供給されることでバッテリBATを充電できるので、バッテリBATの放電が継続されることを回避できる。さらに、空調ユニット300を動作させるための電力が電源500から供給される。これによりバッテリBATの劣化の促進を回避することができる。
また、空調ユニット300が車室内を空調するために必要な電力は、電源500によって供給される。したがって空調能力の低下を回避しつつプレ空調を実行できる。
さらに、バッテリBATの充電により、バッテリBATに十分な電力を蓄えることができる。したがって、電源500と車両101との接続が切り離された後においても、バッテリBATに蓄えられた電力を用いてプレ空調を実行できる。したがって、バッテリBATの充電完了後(プレ空調の完了後)、車両の出発が延期されることによってプレ空調が再度必要となる場合においても、プレ空調を実行できる。
なお、図10ではバッテリBATを充電するための専用の充電器を車両101に搭載した構成を示した。しかしながらバッテリBATの充電形態はこのように限定されるものではない。たとえば、図13に示すように、コネクタ410に接続される2つの電力線をモータジェネレータMG1の中性点N1およびモータジェネレータMG2の中性点N2にそれぞれ接続してもよい。この構成においては、モータジェネレータMG1,MG2が、車両外部の電源500から与えられる交流電力を直流電力に変換して、その変換した直流電力をコンバータ12に供給する。
図14は、図13に示したインバータ8,10およびモータジェネレータMG1,MG2の零相等価回路を示した図である。モータジェネレータMG1,MG2の各々は、図15に示したように三相ブリッジ回路から成り、各インバータにおける6個のスイッチング素子のオン/オフの組合わせは8パターン存在する。その8つのスイッチングパターンのうち2つは相間電圧が零となり、そのような電圧状態は零電圧ベクトルと称される。零電圧ベクトルについては、上アームの3つのスイッチング素子は互いに同じスイッチング状態(全てオンまたはオフ)とみなすことができ、また、下アームの3つのスイッチング素子も互いに同じスイッチング状態とみなすことができる。
バッテリBATの充電時、たとえばECU20によって生成される零相電圧指令に基づいて、インバータ8,10の少なくとも一方において零電圧ベクトルが制御される。したがって、この図14では、インバータ8の上アームの3つのスイッチング素子は上アーム8Aとしてまとめて示され、インバータ8の下アームの3つのスイッチング素子は下アーム8Bとしてまとめて示されている。同様に、インバータ10の上アームの3つのスイッチング素子は上アーム10Aとしてまとめて示され、インバータ10の下アームの3つのスイッチング素子は下アーム10Bとしてまとめて示されている。
そして、図14に示されるように、この零相等価回路は、電源500からモータジェネレータMG1の中性点N1およびモータジェネレータMG2の中性点N2に与えられる単相交流電力を入力とする単相PWM(Pulse Width Modulation)コンバータとみることができる。そこで、モータジェネレータMG1,MG2の少なくとも一方において零相電圧指令に基づいて零電圧ベクトルを変化させ、インバータ8,10を単相PWMコンバータのアームとして動作するようにスイッチング制御することによって、電源500から供給される交流電力を直流電力に変換してバッテリBATを充電することができる。
なお上記の実施の形態においては、動力分割機構4によりエンジン2の動力を分割して駆動輪とモータジェネレータMG1に伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド車について説明したが、本発明は、その他の形式のハイブリッド車にも適用可能である。たとえば、モータジェネレータMG1を駆動するためにのみエンジン2を用い、モータジェネレータMG2でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド車や、エンジン2が生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド車、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド車などにも本発明は適用可能である。これらの車両には、充放電可能な蓄電装置と、その蓄電装置からの電力により車両の駆動力を発生可能であるとともに、その蓄電装置に電力を供給可能に構成された駆動装置を備えることができる。したがって、本発明は、上記のハイブリッド車にも適用可能である。
また、本発明は、内燃機関と電動機とを搭載するハイブリッド車に適用されるものと限定されるものではない。本発明は、たとえば電気自動車や、燃料電池車にも適用可能である。これらの車両は、充放電可能な蓄電装置と、その蓄電装置からの電力により車両の駆動力を発生可能であるとともに、その蓄電装置に電力を供給可能に構成された駆動装置を備えることができる。したがって、上記の車両にも本発明は適用可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 エンジン、4 動力分割機構、6 減速機、8,10 インバータ、8A,10A 上アーム、8B,10B 下アーム、12 コンバータ、22 パワースイッチ、24 電流センサ、26 電圧センサ、32 受信アンテナ、34 送信装置、36 設定スイッチ、41,41A,41B 初期化部、42,42A 計測部、43 比較部、44 空調制御部、45 開始指令部、46 充電指令生成部、70 圧縮ユニット、72 インバータ、74 コンプレッサ、80 DC/DCコンバータ、82 ブロワー、100,100A,100B,101 車両、200 駆動ユニット、300 空調ユニット、400 充電器、410,510 コネクタ、500 電源、BAT,SB バッテリ、C1 コンデンサ、MG1,MG2 モータジェネレータ、N1,N2 中性点、NL1,NL2 負極ライン、PL1,PL2 正極ライン、R1 制限抵抗、SE 制御指令、SE,CH,CMP,BL 制御指令、SMR1,SMR2,SMR3 システムメインリレー。