JP5287352B2 - リチウムイオン電池用電解液 - Google Patents
リチウムイオン電池用電解液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5287352B2 JP5287352B2 JP2009046955A JP2009046955A JP5287352B2 JP 5287352 B2 JP5287352 B2 JP 5287352B2 JP 2009046955 A JP2009046955 A JP 2009046955A JP 2009046955 A JP2009046955 A JP 2009046955A JP 5287352 B2 JP5287352 B2 JP 5287352B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- potential
- nitrile
- lithium
- lithium ion
- electrolyte
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Secondary Cells (AREA)
Description
以上より、鎖状カーボネートと環状カーボネート及び/又は環状エステルとを併用することが好ましい。更に好ましくは、鎖状カーボネートと環状カーボネートとの併用である。具体的には、ジメチルカーボネートとエチレンカーボネートとを併用する。両者の配合割合は特に限定されないが、同量とすることが好ましい。
実施例1では、有機溶媒としてアジポニトリルと、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを容量比で50:25:25の割合で混合した溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を0.05mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
比較例1では、有機溶媒としてエチレンカーボネート50体積%、ジメチルカーボネート50体積%の混合溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
実施例2〜9では溶媒を、各種ニトリル:エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした(ただし、ニトリル化合物をオキシジプロピオニトリルにした実施例6は、LiPF6を0.5mol/Lとした)。
各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例1 アジポニトリルNC(CH2)4CN
実施例2 スクシノニトリルNC(CH2)2CN
実施例3 セバコニトリルNC(CH2)8CN
実施例4 ドデカンジニトリルNC(CH2)10CN
実施例5 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH3)CH2CH2CN
実施例6 オキシジプロピオニトリルNCCH2CH2-O-CH2CH2CN
実施例7 3−メトキシプロピオニトリルCH3-O-CH2CH2CN
実施例8 シアノ酢酸メチルNCCH2COOCH3
実施例9 シアノ酢酸ブチルNCCH2COO(CH2)3CH3
(電位−電流曲線の測定)
以上のようにして調製した実施例1〜9及び比較例1のリチウムイオン電池用電解液について、電位−電流曲線を測定した。測定にはポテンシオガルバノスタットを用い、作用極にはグラッシーカーボンを用い、対極には白金線を用いた。また、参照電極は(Ag/Ag+)または(Li/Li+)を用いた。測定にあたっては、正側及び負側に数回スキャンさせた後、自然電位から正方向、あるいは負方向に5mV/秒の速度で電位の掃引を行い、電位−電流曲線を測定した。結果を図1、図2及び図3に示す。
実施例10〜17では溶媒を、各種ニトリル:エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした(ただし、ニトリル化合物をグルタロニトリルにした実施例10では、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を0.5mol/Lとした)。
各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例10 グルタロニトリルNC(CH2)3CN
実施例11 セバコニトリルNC(CH2)8CN
実施例12 ドデカンジニトリルNC(CH2)10CN
実施例13 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH3)CH2CH2CN
実施例14 オキシジプロピオニトリルNCCH2CH2-O-CH2CH2CN
実施例15 3−メトキシプロピオニトリルCH3-O-CH2CH2CN
実施例16 シアノ酢酸メチルNCCH2COOCH3
実施例17 シアノ酢酸ブチルNCCH2COO(CH2)3CH3
比較例2では、有機溶媒としてエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=50:50(容量比)の混合溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(電位−電流曲線の測定)
実施例10〜17及び比較例2の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図4に示す。
この図から、実施例10〜17の電解液では、比較例2の電解液と比較して、電位窓が正方向に広がることが分かった。この結果から、エチレンカーボネート及びジエチルカーボネートを溶媒として用いた場合においても、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートを溶媒として用いた場合(すなわち実施例1〜9の場合)と同様、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。特に電位窓が大きく広がったのは、ニトリル化合物として鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を用いた実施例10〜13であり、分枝を有する実施例13においても大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。また、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物を用いた実施例14及び実施例15においても、大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。
実施例18〜25では溶媒を、各種ニトリル:γ−ブチロラクトン:ジメチルカーボネート=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。また、ニトリルとしてアジポニトリルを用いた実施例では、LiPF6を0.5mol/Lとした。
各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例18 グルタロニトリルNC(CH2)3CN
実施例19 アジポニトリルNC(CH2)4CN
実施例20 セバコニトリルNC(CH2)8CN
実施例21 ドデカンジニトリルNC(CH2)10CN
実施例22 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH3)CH2CH2CN
実施例23 オキシジプロピオニトリルNCCH2CH2-O-CH2CH2CN
実施例24 シアノ酢酸メチルNCCH2COOCH3
実施例25 シアノ酢酸ブチルNCCH2COO(CH2)3CH3
比較例3では、有機溶媒としてγ−ブチロラクトン:ジメチルカーボネート=50:50(容量比)の混合溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(電位−電流曲線の測定)
実施例18〜25及び比較例3の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図5に示す。
この図から、実施例18〜25の電解液においても、比較例3の電解液と比較して、電位窓が正方向に大きく広がることが分かった。この結果から、環状カーボネートであるエチレンカーボネートに替えて、ジメチルカーボネート及び環状エステルであるγ−ブチロラクトンを溶媒として用いた場合においても、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。また、鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物のうち、直鎖分子である実施例18〜21のみならず、分枝を有する実施例22においても大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。さらに、鎖式エーテル化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物を用いた実施例23や、シアノ酢酸エステルを用いた実施例24,25においても、大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。
実施例26〜31では溶媒を、各種ニトリル:ジメチルカーボネート=50:50(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/L(実施例30、31では0.1mol/L)となるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例26 グルタロニトリルNC(CH2)3CN
実施例27 セバコニトリルNC(CH2)8CN
実施例28 ドデカンジニトリルNC(CH2)10CN
実施例29 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH3)CH2CH2CN
実施例30 オキシジプロピオニトリルNCCH2CH2-O-CH2CH2CN
実施例31 シアノ酢酸メチルNCCH2COOCH3
比較例4では、有機溶媒としてジメチルカーボネートにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(電位−電流曲線の測定)
実施例26〜31及び比較例4の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図6に示す。
この図から、溶媒としてニトリル化合物以外にジメチルカーボネートを単独で加えた実施例26〜31の電解液では、ジメチルカーボネートを単独溶媒とした比較例3の電解液と比較して、電位窓が正方向に広がることが分かった。また、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって(実施例26〜29)、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。さらには、鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物のうち、直鎖分子である実施例26〜28のみならず、分枝を有する実施例29においても大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。さらに、鎖式エーテル化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物を用いた実施例30でも電位窓が大きく広がり、シアノ酢酸エステルを用いた実施例31では、電位窓が広がった。
実施例32,33では溶媒を、各種ニトリル:プロピレンカーボネート=50:50(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例32 セバコニトリルNC(CH2)8CN
実施例33 ドデカンジニトリルNC(CH2)10CN
比較例5では、有機溶媒としてプロピレンカーボネートにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(電位−電流曲線の測定)
実施例32,33及び比較例5の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図7に示す。
この図から、溶媒としてニトリル化合物以外にプロピレンカーボネートを単独で加えた実施例32,33の電解液では、プロピレンカーボネートを単独溶媒とした比較例5の電解液と比較して、電位窓が正方向に大きく広がることが分かった。また、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。
実施例34〜36では溶媒を、各種ニトリル:γ−ブチロラクトン=50:50(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例34 グルタロニトリルNC(CH2)3CN
実施例35 セバコニトリルNC(CH2)8CN
実施例36 ドデカンジニトリルNC(CH2)10CN
比較例6では、有機溶媒としてγ−ブチロラクトンにリチウム塩としてLiPF6を0.1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(電位−電流曲線の測定)
実施例34〜36及び比較例6の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図8に示す。
この図から、溶媒としてニトリル化合物以外にγ−ブチロラクトンを単独で加えた実施例34〜36の電解液では、γ−ブチロラクトンを単独溶媒とした比較例5の電解液と比較して、電位窓が正方向に大きく広がることが分かった。また、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。
実施例37〜39では溶媒を、各種ニトリル:エチレンカーボネート:γ−ブチロラクトン=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例37 セバコニトリルNC(CH2)8CN
実施例38 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH3)CH2CH2CN
実施例39 オキシジプロピオニトリルNCCH2CH2-O-CH2CH2CN
比較例7では、有機溶媒としてエチレンカーボネート:γ−ブチロラクトン=50:50(容量比)にリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(電位−電流曲線の測定)
実施例37〜39及び比較例7の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図9に示す。
この図から、溶媒としてニトリル化合物以外に環状カーボネートであるエチレンカーボネートと、環状エステルであるγ−ブチロラクトンとを溶媒として加えた実施例37〜39の電解液では、ニトリル化合物を入れない比較例7の電解液と比較して、電位窓が正方向及び負方向に大きく広がることが分かった。また、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。さらには、鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物のうち、直鎖分子である実施例37のみならず、分枝を有する実施例38においても大きく電位窓が正方向及び負方向に広がることが分かった。さらに、鎖式エーテル化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物を用いた実施例39でも電位窓が大きく正負方向に広がった。
実施例40〜44では溶媒を、セバコニトリル(実施例44ではアジポニトリル):エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に各種電解質を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いた電解質の種類は以下のとおりである。
実施例40 LiPF6
実施例41 LiTFSI
実施例42 LiTFSI
実施例43 LiBF4
実施例44 LiBETI
実施例45では、有機溶媒としてセバコニトリルと、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを容量比で50:25:25の割合で混合した溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を0.05mol/L、LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1.0mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
実施例46では、有機溶媒としてシアノ酢酸ブチルと、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを容量比で50:25:25の割合で混合した溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1.0mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
実施例47では、有機溶媒としてシアノ酢酸ブチルと、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを容量比で50:25:25の割合で混合した溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiBF4(四フッ化ホウ酸リチウム)を1.0mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
比較例8〜10では、比較例1におけるリチウム塩であるLiPF6の替わりに、各種リチウム塩を添加した。すなわち、有機溶媒としてエチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=50:50(容量比)に各種リチウム塩(比較例8ではLiTFSI、比較例9ではLiBF4、比較例10ではLiBETI)を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(電位−電流曲線の測定)
実施例40〜44、比較例1及び比較例8〜10の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図10に示す。またこの図から求めた、電流密度が50μA/cm2となるときの電位の値を表1に示す。
この図10及び表1から、溶媒としてニトリル化合物以外に環状カーボネートであるエチレンカーボネートと鎖状カーボネートであるジメチルカーボネートとを溶媒として加えた実施例40〜44の電解液では、電解質の種類によらず、ニトリル化合物を入れない比較例1及び比較例8〜10の電解液と比較して、電位窓が正方向に大きく広がることが分かった。
また、実施例45の電解液の電位窓は6.6V(図11参照)、実施例46の電解液の電位窓は5.4V(図12参照)、実施例47の電解液の電位窓は6.1V(図13参照)となり、いずれも正側に広がっていることが分かった。
本発明の電解液におけるニトリルの添加量の影響を調べるため、エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1(容量比)の混合溶媒に、所定量のセバコニトリルを添加し、電位電流曲線を測定した。なお、電解質はLiPF6を1Mとなるように加えた(ただし、セバコニトリル100容量%の場合には、1Mの溶解は困難であったため0.1Mとした)。結果を図14に示す。この図から、セバコニトリルの添加量は、1容量%でも電位窓を広げる効果があり、添加量が増すほど電位窓は高電位方向に広がることが分かった。ただし、セバコニトリル100容量%では、電解質であるLiPF6の溶解度が低くなるとともに、粘度も高くなることから、伝導度が低くなり、ひいては電池の内部抵抗が高くなるという問題が生ずる。このため、リチウム電池用の電解液としては好ましいセバコニトリルの添加量は、1容量%以上100容量%未満であり、より好ましくは5容量%以上90容量%未満、最も好ましくは30容量%以上70容量%未満である。
(1) ニトリル化合物を含む有機溶媒中に電極を浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程後、前記電極を前記ニトリル化合物を含まない前記有機溶媒のみの液中に浸漬したときに印加可能な電位よりも高い電位を付与する正電圧付与工程と、を含むことを特徴とする電極の処理方法。
(2) 前記高い電位は(Li/Li+)参照電極に対して5.2Vを超える、好ましくは6.0V以上であることを特徴とする(1)の電極の処理方法。
(3) 前記ニトリル化合物は鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つであり、
前記電極はカーボンからなる、ことを特徴とする(2)に記載の電極の処理方法。
(4) 鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つであるニトリル化合物を含む有機溶媒中に電極を浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程後、前記電極に正電圧を付与する正電圧付与工程と、を含むことを特徴とする電極の処理方法。
本発明のリチウムイオン電池用電解液の電池としての性能を評価するため、リチウム電池用陰極及びリチウム電池用正極を用いた電位−電流曲線を測定した。
すなわち、上記実施例41のリチウムイオン電池用電解液(すなわち、容量比でEC:DMC:セバコニトリル=25:25:50,リチウム塩としてLiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1.0mol/L)を用い、作用極にリチウム電池用陰極及びリチウム電池用陽極を用いて、リチウム吸蔵放出の電位−電流曲線を測定した。リチウム電池用陰極としてはLi4Ti5O12を用い、リチウム電池用正極としてはLiCoO2及びLiCoPO4を用いた。測定にはポテンシオガルバノスタットを用いた。また、参照電極は(Ag/Ag+)を用いた。測定にあたっては、正側及び負側に数回スキャンさせた後、自然電位から正方向、あるいは負方向に0.5mV/秒の速度で電位の掃引を行い、電位−電流曲線を測定した。
Claims (3)
- 鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物を50容量%以上含む有機溶媒と、該有機溶媒に溶解されたリチウム塩とを備えたリチウムイオン電池用電解液であって、
前記リチウム塩としてLiPF6、LiBF4、LiBETIのうち少なくとも一種が全体として1mol/L以上溶解しているか、或いは前記リチウム塩としてLiPF6、LiBF4、LiBETIのうち少なくとも一種及びLiTFSIが溶解しており該LiTFSIの濃度は1mol/L以上とされており、
前記有機溶媒には環状カーボネート、環状エステル及び鎖状カーボネートのうち少なくとも一つが含まれているリチウムイオン電池用電解液。 - 充電のための電位が5.2V(対Li/Li+)を超えた領域で使用するための請求項1に記載のリチウムイオン電池用電解液。
- 前記ニトリル化合物としてスクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリル、ドデカンジニトリル、2−メチルグルタロニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸プロピル及びシアノ酢酸ブチルの少なくとも1つが含まれている請求項1に記載のリチウムイオン電池用電解液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009046955A JP5287352B2 (ja) | 2008-02-29 | 2009-02-27 | リチウムイオン電池用電解液 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008050964 | 2008-02-29 | ||
JP2008050964 | 2008-02-29 | ||
JP2008322910 | 2008-12-18 | ||
JP2008322910 | 2008-12-18 | ||
JP2009046955A JP5287352B2 (ja) | 2008-02-29 | 2009-02-27 | リチウムイオン電池用電解液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010165653A JP2010165653A (ja) | 2010-07-29 |
JP5287352B2 true JP5287352B2 (ja) | 2013-09-11 |
Family
ID=42581659
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009046955A Expired - Fee Related JP5287352B2 (ja) | 2008-02-29 | 2009-02-27 | リチウムイオン電池用電解液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5287352B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112467202A (zh) * | 2019-09-06 | 2021-03-09 | 张家港市国泰华荣化工新材料有限公司 | 一种非水电解液及锂离子电池 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2650958A4 (en) * | 2010-12-06 | 2015-03-18 | Ube Industries | NON-AQUEOUS ELECTROLYTE AND ELECTROCHEMICAL ELEMENT THEREWITH |
US20150249268A1 (en) * | 2013-09-30 | 2015-09-03 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery |
WO2015088051A1 (ko) * | 2013-12-09 | 2015-06-18 | 에스케이이노베이션 주식회사 | 리튬 이차전지용 전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차전지 |
JP6561982B2 (ja) * | 2014-04-23 | 2019-08-21 | 株式会社村田製作所 | 二次電池用電解液、二次電池、電池パック、電動車両、電力貯蔵システム、電動工具および電子機器 |
WO2016063176A1 (en) * | 2014-10-24 | 2016-04-28 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Lithium-ion storage battery and fabricating method thereof |
WO2023136985A1 (en) * | 2022-01-13 | 2023-07-20 | Pacific Industrial Development Corporation | Low temperature electrolyte for safe batteries |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3946825B2 (ja) * | 1997-09-10 | 2007-07-18 | サンスター技研株式会社 | リチウムまたはリチウムイオン2次電池電解液用シアノエチル化合物の製造法 |
JPH11111333A (ja) * | 1997-10-02 | 1999-04-23 | Sunstar Eng Inc | リチウムまたはリチウムイオン2次電池用電解液 |
TWI302760B (en) * | 2004-01-15 | 2008-11-01 | Lg Chemical Ltd | Electrochemical device comprising aliphatic nitrile compound |
JP4812067B2 (ja) * | 2004-03-16 | 2011-11-09 | 日立マクセルエナジー株式会社 | 有機電解液およびそれを用いた有機電解液電池 |
KR101191636B1 (ko) * | 2005-02-28 | 2012-10-18 | 삼성에스디아이 주식회사 | 리튬 전지용 전해질 및 그를 포함하는 리튬 전지 |
TWI341603B (en) * | 2006-02-15 | 2011-05-01 | Lg Chemical Ltd | Non-aqueous electrolyte and electrochemical device with an improved safety |
KR20140020334A (ko) * | 2006-06-02 | 2014-02-18 | 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 | 비수계 전해액 및 비수계 전해액 전지 |
-
2009
- 2009-02-27 JP JP2009046955A patent/JP5287352B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112467202A (zh) * | 2019-09-06 | 2021-03-09 | 张家港市国泰华荣化工新材料有限公司 | 一种非水电解液及锂离子电池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010165653A (ja) | 2010-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Abu-Lebdeh et al. | New electrolytes based on glutaronitrile for high energy/power Li-ion batteries | |
JP5287352B2 (ja) | リチウムイオン電池用電解液 | |
Borgel et al. | On the application of ionic liquids for rechargeable Li batteries: High voltage systems | |
JP5668913B2 (ja) | リチウムイオン電池 | |
JP5672464B2 (ja) | 二次電池及びその製造方法 | |
CN104852087B (zh) | 一种电解液添加剂及应用了该添加剂的锂离子电池 | |
JP2009158240A (ja) | リチウムイオン電池用電解液 | |
JP5375580B2 (ja) | ナトリウムイオン電池用電解液 | |
CN106058315B (zh) | 锂离子电池添加剂,含有该添加剂的电池及制备方法 | |
CN104766995A (zh) | 一种电解液添加剂及其在锂离子电池中的应用 | |
JP2009503769A5 (ja) | ||
CN1317160A (zh) | 电池用非水电解质组合物 | |
KR20170063639A (ko) | 향상된 전기화학적 및 열적 안정성을 갖는 유기규소-함유 전해질 조성물 | |
JP2011154783A (ja) | 電気化学デバイス用電解液の製造方法 | |
WO2017102550A1 (en) | Non-aqueous electrolytes for lithium-ion batteries comprising asymmetric borates | |
CN105140558A (zh) | 一种锂离子电池高压电解液及其制备方法 | |
JP2011091019A (ja) | 二次電池正極用集電体、二次電池負極用集電体、二次電池用正極、二次電池用負極及び二次電池 | |
JP5402363B2 (ja) | リチウムイオン電池用電極の製造方法及びリチウムイオン電池用電極 | |
Di Censo et al. | Non-corrosive electrolyte compositions containing perfluoroalkylsulfonyl imides for high power Li-ion batteries | |
JP2011165392A (ja) | 正極活物質、正極活物質の製造方法及びアルカリ金属イオン電池 | |
JP2011071083A (ja) | リチウムイオン電池 | |
KR20230024363A (ko) | 전기화학 셀을 위한 전해질 첨가제 | |
JP4281030B2 (ja) | 非水電解質電池 | |
JP2016062820A (ja) | 非水電解液、電池用添加剤、電極およびリチウムイオン二次電池 | |
WO2016188884A1 (en) | Electrochemical cells using combinations of nitrile compounds as additives |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110316 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121204 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130226 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130410 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130507 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130520 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5287352 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |