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JP5287352B2 - リチウムイオン電池用電解液 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン電池用の電解液に関する。
従来のリチウムイオン電池は、正極としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、これらの固溶体、マンガン酸リチウム(LiMn24)等を用い、負極として黒鉛等の炭素からなる負極材料を用いている。そして、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネート等の液状の有機化合物を溶媒に、リチウム塩を溶質として溶解させた電解液を用いている。
こうしたリチウムイオン電池のエネルギー密度をさらに高めるべく、新たな正極活物質の探索が進められている。例えば、特許文献1や特許文献2にはLiNiPOF、LiNiPO、LiCoPO及びLiCoPOFがエネルギー密度の高い正極活物質として提案されている。これらの大きなエネルギー密度を有する正極活物質をリチウムイオン電池に利用すれば、理論的には、大きな充電容量のリチウムイオン電池となるはずである。
ところが、このような正極活物質の充電反応は、極めて高い電位において起こるため、環状カーボネートや鎖状カーボネート等の有機溶媒を用いた従来のリチウムイオン電池用電解液では、溶媒が酸化分解されて使用できなくなるという問題があった。このため、実際に取り出せる容量は、理論的な容量の半分以下となってしまうという問題があった(非特許文献1)。
特許第3624205号 特許第3631202号
Journal of Power Sources 146 (2005) 565-569
本発明者は、上記従来の課題を解決すべく鋭意試験研究を行ない、ニトリル基を有する有機溶媒が高い正電位においても分解し難く、広い電位窓を有することを見出した。そして、ニトリル化合物が有機溶媒の重量に対して90重量%以上含まれているリチウムイオン電池用電解液を開発し、すでに特許出願を行なっている(特願2007−333829)。このリチウムイオン電池用電解液によれば、特に高い正電位において広い電位窓を有するため、LiCoPOF、LiNiPOF、LiCoPO、LiNiPO等の酸化還元電位の高い正極材料を利用することができる。このため、起電力の大きな電池とすることができる。
しかし、このリチウムイオン電池用電解液は、粘度の高いニトリル化合物を主たる溶媒成分としているため比伝導度が小さく、大電流を取り出すことが困難となっていた。このため、電位窓が広いだけでなく、粘度が低くて比伝導度の大きなリチウムイオン電池用電解液が求められていた。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、粘度が低くて比伝導度が大きく、高い電位においても分解し難く、充放電が高い正電位の領域にまで及ぶ物質を正極活物質として利用することが可能なリチウムイオン電池用電解液を提供することを解決すべき課題としている。
本発明者は、上記従来の課題を解決すべく、ニトリル基を有する有機溶媒を用いたリチウムイオン電池用電解液について、さらに鋭意試験研究を行なった。その結果、種々のニトリル化合物に、環状カーボネート、環状エステル及び鎖状カーボネートのうち少なくとも一つを混合しても、電位窓は広いまま保たれ、しかも粘度が低く、比伝導度の大きいリチウムイオン電池用電解液とすることができるという驚くべき事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のリチウムイオン電池用電解液は、有機溶媒にリチウム塩が溶解しているリチウムイオン電池用電解液であって、前記有機溶媒には、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物と、環状カーボネート、環状エステル及び鎖状カーボネートのうち少なくとも一つとが含まれていることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン電池用電解液では、有機溶媒として鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルという粘度の高いニトリル化合物に、環状カーボネート、環状エステル及び鎖状カーボネートのうち少なくとも一つとが混合されているため、粘度が低くなり、比伝導度も大きくなる。
本発明のリチウムイオン電池用電解液が、広い電位窓を有しない、環状カーボネート、環状エステル及び鎖状カーボネートのうち少なくとも一つを含んでいるにもかかわらず、広い電位窓を有する理由については、必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。すなわち、本発明のリチウムイオン電池用電解液に用いられる有機溶媒のうち、ニトリル化合物は、電位窓を広げる役割を果たす。また、鎖状カーボネートは粘度を下げるため、比伝導度を大きくする役割を果たすと推測される。そして、環状カーボネートや環状エステルは、多くのリチウム塩を溶解する上、カーボン負極上にSEIといわれる保護皮膜を形成することで、耐還元性を向上させつつ、Liイオンを通過させることができる特性を付与することができる。そのため、負側および正側の電位窓拡大に効果を発揮することが可能となると考えられる。
以上より、鎖状カーボネートと環状カーボネート及び/又は環状エステルとを併用することが好ましい。更に好ましくは、鎖状カーボネートと環状カーボネートとの併用である。具体的には、ジメチルカーボネートとエチレンカーボネートとを併用する。両者の配合割合は特に限定されないが、同量とすることが好ましい。
鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物としては、例えば、スクシノニトリルNC(CHCN、グルタロニトリルNC(CHCN、アジポニトリルNC(CHCN、セバコニトリルNC(CHCN、ドデカンジニトリルNC(CH10CNなどのような直鎖状のジニトリル化合物の他、2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH)CHCHCN等のように分枝を有していても良い。これらの鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物は、炭素数は特に限定されないが、7〜20であることが好ましい。更に好ましくは10〜12である。
また、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物としては、オキシジプロピオニトリルNCCHCH−O−CHCHCNや、3−メトキシプロピオニトリルCH−O−CHCHCN等が挙げられる。これらの鎖式エーテルニトリル化合物は、炭素数は特に限定されないが、20以下であることが好ましい。
さらに、シアノ酢酸エステルとしてはシアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸プロピル、シアノ酢酸ブチル等が挙げられる。これらのシアノ酢酸エステルは、炭素数は特に限定されないが、20以下であることが好ましい。
本発明のリチウムイオン電池用電解液に添加されるリチウム塩としては、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム),LiBF(四フッ化ホウ酸リチウム)、LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド),LiTFS(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)及びLiBETI(リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド)等を用いることができる。これらのリチウム塩は、本発明のリチウムイオン電池用電解液に用いられるニトリル系の有機溶媒へ溶解し、高い電位でも分解しない十分な電位窓を有している。この中でもLiPF6(六フッ化リン酸リチウム),LiBF(四フッ化ホウ酸リチウム)及びLiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)の少なくとも1種が含まれていることが好ましい。LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)やLiBF(四フッ化ホウ酸リチウム)はリチウムイオン電池の正極の電極基板としてよく用いられるアルミニウムに対する腐食性が少ない。更に、これらはまたLiTFS(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)及びLiBETI(リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド)に比べて、電位窓を広げる効果が優れている。LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)は特に分解温度が高く耐熱特性が向上する上、溶解度が高く、比伝導度を大きくすることができる。
リチウム塩の濃度は0.01mol/L以上であって、飽和状態よりも低い濃度とされていることが好ましい。リチウム塩の濃度が0.01mol/L未満では、解離したLiイオンが少ないため、極端にLiイオン伝導性が小さくなり、Liイオン伝導を確保できない。そのため、過電圧が大きくなり本来の電解液の電位が大きくずれる可能性がある。他方、リチウム塩の濃度が飽和状態とされた場合、温度の変化によって溶解しているリチウム塩が析出し、電極等を変形させたりするおそれがある。
また、本発明のリチウムイオン電池用電解液に含まれているニトリル化合物の濃度は1容量%以上100容量%未満であることが好ましい。ニトリル化合物の濃度が1容量%未満では電位窓を広げる効果が小さくなる。より好ましくは5容量%以上90容量%未満である。ニトリル化合物の濃度が90容量%以上となると、電解質の溶解度が低くなるとともに、粘度も高くなることから、伝導度が低くなり、ひいては電池の内部抵抗が高くなる。最も好ましいのは30容量%以上70容量%未満である。
本発明のリチウムイオン電池用電解液をリチウムイオン電池の電解液に用いれば、充電のための電位が5.2V(対Li/Li+)を超えた領域に存在するような高電位酸化還元正極活物質を利用することができる。このため、起電力が大きく、エネルギー密度の高い電池とすることができる。
本発明のリチウムイオン電池用電解液を用いることにより、充電のための電位が5.2V(対Li/Li+)を超える領域に存在するような高電位酸化還元正極活物質を正極活物質として利用することができ、このため、電池の起電力及びエネルギー密度を極めて高くすることができる。このような高電位酸化還元正極活物質としては、例えば、LiCoPOF,LiNiPOF,LiCoPO,LiNiPO等が挙げられる。これらの正極活物質はエネルギー密度が高く、容量の大きなリチウムイオン電池とすることができる。例えば、LiCoPOFは正極活物質としてのエネルギー密度がLiCoOに対して理論値で2倍以上あることが予測されており、十分にポテンシャルを発揮できれば、容量の大きなリチウムイオン電池を作ることができる。また、LiCoPOFが酸化される電位は高い電位領域にまで及ぶため、起電力の大きい電池とすることができる。さらに、LiCoPOFは熱安定性に優れ、400°Cという高温になっても、発熱反応は示さないことが、熱分析結果から分かっており、電池温度の上昇を防ぐことができる。
以下本発明のリチウムイオン電池用電解液を具体化した実施例についてさらに詳細に述べる。
(実施例1)
実施例1では、有機溶媒としてアジポニトリルと、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを容量比で50:25:25の割合で混合した溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を0.05mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(比較例1)
比較例1では、有機溶媒としてエチレンカーボネート50体積%、ジメチルカーボネート50体積%の混合溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(実施例2〜9)
実施例2〜9では溶媒を、各種ニトリル:エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした(ただし、ニトリル化合物をオキシジプロピオニトリルにした実施例6は、LiPF6を0.5mol/Lとした)。
各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例1 アジポニトリルNC(CHCN
実施例2 スクシノニトリルNC(CHCN
実施例3 セバコニトリルNC(CHCN
実施例4 ドデカンジニトリルNC(CH10CN
実施例5 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH)CHCHCN
実施例6 オキシジプロピオニトリルNCCHCH-O-CHCHCN
実施例7 3−メトキシプロピオニトリルCH-O-CHCHCN
実施例8 シアノ酢酸メチルNCCHCOOCH
実施例9 シアノ酢酸ブチルNCCHCOO(CHCH
−評価−
(電位−電流曲線の測定)
以上のようにして調製した実施例1〜9及び比較例1のリチウムイオン電池用電解液について、電位−電流曲線を測定した。測定にはポテンシオガルバノスタットを用い、作用極にはグラッシーカーボンを用い、対極には白金線を用いた。また、参照電極は(Ag/Ag+)または(Li/Li+)を用いた。測定にあたっては、正側及び負側に数回スキャンさせた後、自然電位から正方向、あるいは負方向に5mV/秒の速度で電位の掃引を行い、電位−電流曲線を測定した。結果を図1、図2及び図3に示す。
その結果、図1に示すように、実施例1の電解液の電位窓は、Li電位(Li/Li+)に対し6.9V(電位窓の判断基準は50μA/cmとした。以下同様)となった。これに対して、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶媒を用いた比較例1の電位窓は、図3に示すように5.2Vであり、実施例1の電解液の電位窓は、比較例1の電解液に比べて、正側に大きく広がっていることが分かった。この結果から、実施例1の電解液を用いれば、充電のための電位が5.2Vを超えた領域に存在するような高電位酸化還元正極活物質をリチウムイオン電池の正極活物質として利用できることとなり、起電力及びエネルギー密度が高く、容量の大きなリチウムイオン電池とすることができる。例えば、比較例1の電解液では、LiCoPOFやLiNiPOFの酸化還元電位でも有機溶媒が電気分解を起こし、これらの正極酸化物質を利用することができないのに対し、実施例1の電解液を用いれば、LiCoPOFやLiNiPOFを正極活物質として利用できるだけでなく、例えば、LiCoPO,LiNiPO等も利用することができる。
また、図2に示すように、実施例2〜9の電解液においても、実施例1と同様、いずれも比較例1の電解液と比較して、電位窓が正方向に広がることが分かった。これらの結果から、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートに、さらに鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物(実施例1〜5)、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物(実施例6,7)及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物(実施例8,9)を加えることによって、溶媒が高い電位まで分解することなく安定に存在できることが分かった。特に電位窓が大きく広がったのは、ニトリル化合物として鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を用いた実施例1〜5であり、分枝を有する実施例5においても大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。また、オキシジプロピオニトリルNCCHCH-O-CHCHCNを用いた実施例6においても、大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。
(実施例10〜17)
実施例10〜17では溶媒を、各種ニトリル:エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした(ただし、ニトリル化合物をグルタロニトリルにした実施例10では、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を0.5mol/Lとした)。
各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例10 グルタロニトリルNC(CHCN
実施例11 セバコニトリルNC(CHCN
実施例12 ドデカンジニトリルNC(CH10CN
実施例13 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH)CHCHCN
実施例14 オキシジプロピオニトリルNCCHCH-O-CHCHCN
実施例15 3−メトキシプロピオニトリルCH-O-CHCHCN
実施例16 シアノ酢酸メチルNCCHCOOCH
実施例17 シアノ酢酸ブチルNCCHCOO(CHCH
(比較例2)
比較例2では、有機溶媒としてエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=50:50(容量比)の混合溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
−評価−
(電位−電流曲線の測定)
実施例10〜17及び比較例2の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図4に示す。
この図から、実施例10〜17の電解液では、比較例2の電解液と比較して、電位窓が正方向に広がることが分かった。この結果から、エチレンカーボネート及びジエチルカーボネートを溶媒として用いた場合においても、エチレンカーボネート及びジメチルカーボネートを溶媒として用いた場合(すなわち実施例1〜9の場合)と同様、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。特に電位窓が大きく広がったのは、ニトリル化合物として鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を用いた実施例10〜13であり、分枝を有する実施例13においても大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。また、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物を用いた実施例14及び実施例15においても、大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。
(実施例18〜25)
実施例18〜25では溶媒を、各種ニトリル:γ−ブチロラクトン:ジメチルカーボネート=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。また、ニトリルとしてアジポニトリルを用いた実施例では、LiPF6を0.5mol/Lとした。
各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例18 グルタロニトリルNC(CHCN
実施例19 アジポニトリルNC(CHCN
実施例20 セバコニトリルNC(CHCN
実施例21 ドデカンジニトリルNC(CH10CN
実施例22 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH)CHCHCN
実施例23 オキシジプロピオニトリルNCCHCH-O-CHCHCN
実施例24 シアノ酢酸メチルNCCHCOOCH
実施例25 シアノ酢酸ブチルNCCHCOO(CHCH
(比較例3)
比較例3では、有機溶媒としてγ−ブチロラクトン:ジメチルカーボネート=50:50(容量比)の混合溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
−評価−
(電位−電流曲線の測定)
実施例18〜25及び比較例3の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図5に示す。
この図から、実施例18〜25の電解液においても、比較例3の電解液と比較して、電位窓が正方向に大きく広がることが分かった。この結果から、環状カーボネートであるエチレンカーボネートに替えて、ジメチルカーボネート及び環状エステルであるγ−ブチロラクトンを溶媒として用いた場合においても、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。また、鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物のうち、直鎖分子である実施例18〜21のみならず、分枝を有する実施例22においても大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。さらに、鎖式エーテル化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物を用いた実施例23や、シアノ酢酸エステルを用いた実施例24,25においても、大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。
(実施例26〜31)
実施例26〜31では溶媒を、各種ニトリル:ジメチルカーボネート=50:50(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/L(実施例30、31では0.1mol/L)となるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例26 グルタロニトリルNC(CHCN
実施例27 セバコニトリルNC(CHCN
実施例28 ドデカンジニトリルNC(CH10CN
実施例29 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH)CHCHCN
実施例30 オキシジプロピオニトリルNCCHCH-O-CHCHCN
実施例31 シアノ酢酸メチルNCCHCOOCH
(比較例4)
比較例4では、有機溶媒としてジメチルカーボネートにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
−評価−
(電位−電流曲線の測定)
実施例26〜31及び比較例4の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図6に示す。
この図から、溶媒としてニトリル化合物以外にジメチルカーボネートを単独で加えた実施例26〜31の電解液では、ジメチルカーボネートを単独溶媒とした比較例3の電解液と比較して、電位窓が正方向に広がることが分かった。また、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって(実施例26〜29)、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。さらには、鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物のうち、直鎖分子である実施例26〜28のみならず、分枝を有する実施例29においても大きく電位窓が正方向に広がることが分かった。さらに、鎖式エーテル化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物を用いた実施例30でも電位窓が大きく広がり、シアノ酢酸エステルを用いた実施例31では、電位窓が広がった。
(実施例32,33)
実施例32,33では溶媒を、各種ニトリル:プロピレンカーボネート=50:50(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例32 セバコニトリルNC(CHCN
実施例33 ドデカンジニトリルNC(CH10CN
(比較例5)
比較例5では、有機溶媒としてプロピレンカーボネートにリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
−評価−
(電位−電流曲線の測定)
実施例32,33及び比較例5の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図7に示す。
この図から、溶媒としてニトリル化合物以外にプロピレンカーボネートを単独で加えた実施例32,33の電解液では、プロピレンカーボネートを単独溶媒とした比較例5の電解液と比較して、電位窓が正方向に大きく広がることが分かった。また、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。
(実施例34〜36)
実施例34〜36では溶媒を、各種ニトリル:γ−ブチロラクトン=50:50(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例34 グルタロニトリルNC(CHCN
実施例35 セバコニトリルNC(CHCN
実施例36 ドデカンジニトリルNC(CH10CN
(比較例6)
比較例6では、有機溶媒としてγ−ブチロラクトンにリチウム塩としてLiPF6を0.1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
−評価−
(電位−電流曲線の測定)
実施例34〜36及び比較例6の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図8に示す。
この図から、溶媒としてニトリル化合物以外にγ−ブチロラクトンを単独で加えた実施例34〜36の電解液では、γ−ブチロラクトンを単独溶媒とした比較例5の電解液と比較して、電位窓が正方向に大きく広がることが分かった。また、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。
(実施例37〜39)
実施例37〜39では溶媒を、各種ニトリル:エチレンカーボネート:γ−ブチロラクトン=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に電解質をLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いたニトリルの種類は以下のとおりである。
実施例37 セバコニトリルNC(CHCN
実施例38 2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH)CHCHCN
実施例39 オキシジプロピオニトリルNCCHCH-O-CHCHCN
(比較例7)
比較例7では、有機溶媒としてエチレンカーボネート:γ−ブチロラクトン=50:50(容量比)にリチウム塩としてLiPF6を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
−評価−
(電位−電流曲線の測定)
実施例37〜39及び比較例7の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図9に示す。
この図から、溶媒としてニトリル化合物以外に環状カーボネートであるエチレンカーボネートと、環状エステルであるγ−ブチロラクトンとを溶媒として加えた実施例37〜39の電解液では、ニトリル化合物を入れない比較例7の電解液と比較して、電位窓が正方向及び負方向に大きく広がることが分かった。また、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物を加えることによって、溶媒が高い電位まで安定に存在することが分かった。さらには、鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物のうち、直鎖分子である実施例37のみならず、分枝を有する実施例38においても大きく電位窓が正方向及び負方向に広がることが分かった。さらに、鎖式エーテル化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物を用いた実施例39でも電位窓が大きく正負方向に広がった。
(実施例40〜44)
実施例40〜44では溶媒を、セバコニトリル(実施例44ではアジポニトリル):エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=50:25:25(容量比)とし、この混合溶媒に各種電解質を1mol/Lとなるように溶解させたものをリチウムイオン電池用電解液とした。各実施例に用いた電解質の種類は以下のとおりである。
実施例40 LiPF6
実施例41 LiTFSI
実施例42 LiTFSI
実施例43 LiBF
実施例44 LiBETI
(実施例45)
実施例45では、有機溶媒としてセバコニトリルと、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを容量比で50:25:25の割合で混合した溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)を0.05mol/L、LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1.0mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(実施例46)
実施例46では、有機溶媒としてシアノ酢酸ブチルと、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを容量比で50:25:25の割合で混合した溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1.0mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(実施例47)
実施例47では、有機溶媒としてシアノ酢酸ブチルと、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)とを容量比で50:25:25の割合で混合した溶媒を用い、これにリチウム塩としてLiBF(四フッ化ホウ酸リチウム)を1.0mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
(比較例8〜10)
比較例8〜10では、比較例1におけるリチウム塩であるLiPF6の替わりに、各種リチウム塩を添加した。すなわち、有機溶媒としてエチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=50:50(容量比)に各種リチウム塩(比較例8ではLiTFSI、比較例9ではLiBF、比較例10ではLiBETI)を1mol/Lとなるように溶解させてリチウムイオン電池用電解液とした。
−評価−
(電位−電流曲線の測定)
実施例40〜44、比較例1及び比較例8〜10の電解液について、前述の方法と同様にして電位−電流曲線を測定した。結果を図10に示す。またこの図から求めた、電流密度が50μA/cmとなるときの電位の値を表1に示す。
この図10及び表1から、溶媒としてニトリル化合物以外に環状カーボネートであるエチレンカーボネートと鎖状カーボネートであるジメチルカーボネートとを溶媒として加えた実施例40〜44の電解液では、電解質の種類によらず、ニトリル化合物を入れない比較例1及び比較例8〜10の電解液と比較して、電位窓が正方向に大きく広がることが分かった。
また、実施例45の電解液の電位窓は6.6V(図11参照)、実施例46の電解液の電位窓は5.4V(図12参照)、実施例47の電解液の電位窓は6.1V(図13参照)となり、いずれも正側に広がっていることが分かった。
Figure 0005287352
同様に、リチウム塩をLiPFとした、他の実施例及び比較例の電解液について、電位−電流曲線から求めた、所定の電流密度となるときの電極電位を表2に示す。この表から、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物と、環状カーボネート、環状エステル及び鎖状カーボネートのうち少なくとも一つとが含まれている場合に、正方向に電位窓が広がることが分かる。
Figure 0005287352
<ニトリル添加量の影響>
本発明の電解液におけるニトリルの添加量の影響を調べるため、エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1(容量比)の混合溶媒に、所定量のセバコニトリルを添加し、電位電流曲線を測定した。なお、電解質はLiPFを1Mとなるように加えた(ただし、セバコニトリル100容量%の場合には、1Mの溶解は困難であったため0.1Mとした)。結果を図14に示す。この図から、セバコニトリルの添加量は、1容量%でも電位窓を広げる効果があり、添加量が増すほど電位窓は高電位方向に広がることが分かった。ただし、セバコニトリル100容量%では、電解質であるLiPFの溶解度が低くなるとともに、粘度も高くなることから、伝導度が低くなり、ひいては電池の内部抵抗が高くなるという問題が生ずる。このため、リチウム電池用の電解液としては好ましいセバコニトリルの添加量は、1容量%以上100容量%未満であり、より好ましくは5容量%以上90容量%未満、最も好ましくは30容量%以上70容量%未満である。
以上のように、実施例の電解液についての電位−電流曲線では、有機溶媒にニトリル化合物を加えることにより、電位窓が正の方向に大きく広がることが分かった。上記実施例の電位−電流曲線の測定においては、前述したように、正側及び負側に数回スキャンさせた後、自然電位から正方向、あるいは負方向に5mV/秒の速度で電位の掃引を行い、電位−電流曲線を測定している。この測定前の数回の電位のスキャンにおいては、2回以降において電位窓が広がっており、このことから、本発明の電解液中で正方向に電位掃引することにより、電位窓の広い電極を製造できることが分かる。
以上より、下記の事項を開示する。
(1) ニトリル化合物を含む有機溶媒中に電極を浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程後、前記電極を前記ニトリル化合物を含まない前記有機溶媒のみの液中に浸漬したときに印加可能な電位よりも高い電位を付与する正電圧付与工程と、を含むことを特徴とする電極の処理方法。
(2) 前記高い電位は(Li/Li+)参照電極に対して5.2Vを超える、好ましくは6.0V以上であることを特徴とする(1)の電極の処理方法。
(3) 前記ニトリル化合物は鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つであり、
前記電極はカーボンからなる、ことを特徴とする(2)に記載の電極の処理方法。
(4) 鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つであるニトリル化合物を含む有機溶媒中に電極を浸漬する浸漬工程と、
前記浸漬工程後、前記電極に正電圧を付与する正電圧付与工程と、を含むことを特徴とする電極の処理方法。
<電池特性の測定>
本発明のリチウムイオン電池用電解液の電池としての性能を評価するため、リチウム電池用陰極及びリチウム電池用正極を用いた電位−電流曲線を測定した。
すなわち、上記実施例41のリチウムイオン電池用電解液(すなわち、容量比でEC:DMC:セバコニトリル=25:25:50,リチウム塩としてLiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を1.0mol/L)を用い、作用極にリチウム電池用陰極及びリチウム電池用陽極を用いて、リチウム吸蔵放出の電位−電流曲線を測定した。リチウム電池用陰極としてはLiTiO1を用い、リチウム電池用正極としてはLiCoO及びLiCoPOを用いた。測定にはポテンシオガルバノスタットを用いた。また、参照電極は(Ag/Ag+)を用いた。測定にあたっては、正側及び負側に数回スキャンさせた後、自然電位から正方向、あるいは負方向に0.5mV/秒の速度で電位の掃引を行い、電位−電流曲線を測定した。
その結果、図15に示すように、リチウム電池用陰極としてのLiTi12、リチウム電池用正極としてのLiCoO及びLiCoPOのいずれの電極においても、リチウム(0)とリチウムイオンとの間での酸化還元に伴うほぼ可逆的な電流が観測された。この結果から、実施例4のリチウムイオン電池用電解液を用いることにより、リチウム(0)−リチウムイオン間の円滑な充放電が可能であることが分かった。
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
実施例1及び比較例1の電位−電流曲線である。 実施例2〜9及び比較例1の電位−電流曲線である。 比較例1の電位−電流曲線である。 実施例10〜17及び比較例2の電位−電流曲線である。 実施例18〜25及び比較例3の電位−電流曲線である。 実施例26〜31及び比較例4の電位−電流曲線である。 実施例32、33及び比較例5の電位−電流曲線である。 実施例34〜36及び比較例6の電位−電流曲線である。 実施例37〜39及び比較例7の電位−電流曲線である。 実施例41〜45及び比較例1の電位−電流曲線である。 実施例45及び比較例8の電位−電流曲線である。 実施例46及び比較例8の電位−電流曲線である。 実施例47及び比較例1の電位−電流曲線である。 エチレンカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1とし、さらにセバコニトリルを所定量添加した混合溶媒における電位−電流曲線である。 実施例41のリチウムイオン電池用電解液を用いたリチウム吸蔵放出の電位−電流曲線である。

Claims (3)

  1. 鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物を50容量%以上含む有機溶媒と、該有機溶媒に溶解されたリチウム塩とを備えたリチウムイオン電池用電解液であって、
    前記リチウム塩としてLiPF、LiBF、LiBETIのうち少なくとも一種が全体として1mol/L以上溶解しているか、或いは前記リチウム塩としてLiPF、LiBF、LiBETIのうち少なくとも一種及びLiTFSIが溶解しており該LiTFSIの濃度は1mol/L以上とされており、
    前記有機溶媒には環状カーボネート、環状エステル及び鎖状カーボネートのうち少なくとも一つが含まれているリチウムイオン電池用電解液。
  2. 充電のための電位が5.2V(対Li/Li+)を超えた領域で使用するための請求項1に記載のリチウムイオン電池用電解液。
  3. 前記ニトリル化合物としてスクシノニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、セバコニトリル、ドデカンジニトリル、2−メチルグルタロニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸プロピル及びシアノ酢酸ブチルの少なくとも1つが含まれている請求項1に記載のリチウムイオン電池用電解液。
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