JP5285080B2 - 航空機の２つの胴体部分間の接続を準備する方法 - Google Patents

Description

本発明は、航空機の２つの胴体部（ｆｕｓｅｌａｇｅ）（胴部（ｂａｒｒｅｌ））の接続を準備する方法に関する。

民間航空機の製造プロセスは、胴体部の接続を準備する工程を含む。接続の準備工程および接続工程それ自体は、その接続が正確で堅牢であるべきであるという理由から、複雑で時間のかかるものとして知られている。特に、胴体の長さに関しては、数ミリメートルの僅かな公差が、胴体の端部において数センチメートルといった大きな公差を生じさせる場合があり、航空機の飛行特性を不明なものとしてしまう。

航空機の２つの胴体部分の接続を準備する今日の方法について、例示的に簡潔に記載する。

事前に取り付けられたシートバー（ｓｅａｔ ｂａｒ）および縦通材を有する部分が押し上げられて、互いに接近し、例えば、シートバーまたは縦通材、および／またはその部分の先端の間のスリット部の幅（数ミリメートルの一定距離を有する円形スリット部）等の手段を用いて、胴部のセンターライン、すなわち胴体の長手方向軸が一直線となるまで、正確に配置される。小さなバーは、結合手段の役割を果たし、前述の公差を相殺するために、縦通材に固定される。当初、縦通材自体は、１つの胴体部分における後方の円形フレームと前端との間で固定されない。それゆえ、公差のさらなる相殺が可能である。さらに、１つの胴体部分の製造時の公差を相殺するために、それは縦のスリットを有する。較正したボアホール（ＣＢＨ）を有する円形のブラケットは、胴部の内側に取り付けられ、一時的なリベットとしての、穴埋め固定（ｐｌｕｇｇｉｎｇ ｆｉｘｉｎｇ）手段により、１つの胴部の前端と重ねられる。このブラケットの半径は、その部分の関連する一部と同じである。

前述の小さなバー等の他の取付け具以外にも、円形のブラケットが、一時的なリベット等のさらなる固定要素を介して、タックリベット（ｔａｃｋ ｒｉｖｅｔｉｎｇ）を用いて、他の胴部およびドリルテンプレートに取り付けられてもよい。次の処理工程は、全ての計画された最終ボアホールに対してパイロットホールをドリル加工することであり、この最終ボアホールは、実際には、その部分の外表層およびブラケットを介した全てのボアホールである。切屑（ｄｒｉｌｌｉｎｇ ｃｈｉｐ）などの材料が、相対的に薄い外表層と円形のブラケットとの間に存在し得る間隔に噛み込む場合があるため、胴部および取付け具を分解する必要がある。パイロットホールをその外表層および円形のブラケットにドリル加工した後、ボアホールはバリ取りされてもよく、かつグリースが除去されてもよい。

本発明の課題は、航空機の２つの胴体部分（胴部）の接続を準備するための、より複雑でなく時間のかからない方法を提供することである。

この課題は請求項１に記載の方法によって解決され得る。本発明の主な利点は、特に胴体部分のブラケットにおいてボアホールがパイロットドリルされる必要がないことである。高速ドリル加工によって、単一の工程にてドリル加工が可能である。その部分またはブラケットに対して下方に作用する力は、本技術分野において公知である標準のドリル加工プロセスの間よりも著しく低い。それゆえ、その部分／ブラケットの変形を回避することができる。

本発明の第１の例示的実施形態によれば、２つの胴体部分の接続を準備する方法が提供される。本方法は、以下の工程の１つまたは全てを、好ましくは以下の順序にて含んでよい。部分（ｓｅｃｔｉｏｎ）の各々を配置する工程であって、一方の部分の開口部を他方の部分に向けて配置する工程と、少なくとも１つの胴体部分および／または少なくとも１つの部分の縦通材要素に、較正ボアホール（ＣＢＡ）を含む結合要素（例えばブラケット）を取り付ける工程。ここで「取り付ける工程」は、航空機の長手方向軸および／または垂直軸におけるその部分を較正する工程を含む。上記胴体部分を上記結合手段から切り離す工程、および上記胴体部分のグリースを除去しバリ取りする工程。上記部分、特に上記結合手段にシーリング材を塗布する工程。例えばパイロットドリル位置にある、上記胴体部分、および上記結合手段を固定する工程／リベット打ちする工程。固定手段および上記胴体部分における較正ボアホールを介して、および／または上記ＣＢＡを用いる結合手段を介して、少なくとも１つのドリルテンプレートを固定する工程。ガイド用ボアホールとして、ＣＢＡを用いることによって、少なくとも１つの胴部の外表層を介して、一群のパイロットボアホール（４．６ｍｍ）をドリル加工する工程。最後に、上記ドリルテンプレートを用いて、少なくとも１つの胴体部分の外表層および／または上記結合手段を介して一群の最終ボアホール（４．８ｍｍ）に高速ドリル加工（ＨＳＤ）を行う工程。ここで、上記ＨＳＤは毎分回転数（ＲＰＭ）１５０００から２００００に達し、上記ＨＳＤは、上記ボアホールの潤滑油の注入および皿座ぐりを含む。概して、パイロットドリル加工は、高速ドリル加工方法が用いられる場合、必要ではない。

図１は、前方の第１の胴体部２、および第２の胴体部３を有する胴体１の一部の概略的な側面図を示す。

以下において、例示的な実施形態が、さらなる説明、および、添付の図面を参照してよりよい理解のために特定される。

図１は、前方の第１の胴体部２、および第２の胴体部３を有する胴体１の一部の概略的な側面図を示す。円形のブラケット４（フレーム）の形態の第１の結合手段が、部分２の先端５において固定される。前述の手段／部分における最終およびパイロットボアホールは図示されない。部分２、３の両方は、縦通材６の形態にてさらなる結合手段を含む。図中の図は概略的であり、原寸大ではない。

用語「備える、含む、有する（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」は、他の要素または工程を排除せず、「１つの（ａ）または（ａｎ）」は複数を排除しない。また、異なる実施形態に関連して記載された要素は組み合わされてもよい。特許請求の範囲における参照符号は特許請求の範囲の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。

Claims (6)

1. 航空機の２つの胴体部分（２、３）の接続を準備する方法であって、
   前記胴体部分（２、３）の各々を、一方の胴体部分の開口部を他方の胴体部分に向けて配置する工程と、
   少なくとも１つの胴体部分（２、３）および／または少なくとも１つの胴体部分の縦通材要素（６）に、較正ボアホール（ＣＢＡ）を含む結合手段（４、６）を取り付ける工程と、
   固定手段および前記胴体部分における較正ボアホールを介して、および／または前記較正ボアホールを用いる結合手段を介して、少なくとも１つのドリルテンプレートを固定する工程と、
   パイロットドリル加工を含まずに、前記ドリルテンプレートを用いて、少なくとも１つの胴体部分の外表層および前記結合手段を介して一群の最終ボアホールの高速ドリル加工（ＨＳＤ）を行う工程と、
   を含む、方法。
2. 前記胴体部分（２、３）のグリースを除去する工程と、
   前記胴体部分（２、３）をバリ取りする工程と、
   をさらに含む、請求項１に記載の方法。
3. シーリング材を前記胴体部分、特に前記結合手段（４）に塗布する工程と、
   前記胴体部分（２、３）および前記結合手段を固定し、リベット止めする工程と、
   をさらに含む、請求項１に記載の方法。
4. 前記ＨＳＤは、毎分回転数（ＲＰＭ）１５０００から２００００に達する、請求項１に記載の方法。
5. 前記ＨＳＤは、前記ボアホールの潤滑油の注入を含む、請求項１に記載の方法。
6. 前記ＨＳＤは、前記ボアホールの皿座ぐりを含む、請求項１に記載の方法。
   

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