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JP5284228B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

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JP5284228B2
JP5284228B2 JP2009206198A JP2009206198A JP5284228B2 JP 5284228 B2 JP5284228 B2 JP 5284228B2 JP 2009206198 A JP2009206198 A JP 2009206198A JP 2009206198 A JP2009206198 A JP 2009206198A JP 5284228 B2 JP5284228 B2 JP 5284228B2
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Description

本発明は、排気浄化装置に関する。より詳しくは、内燃機関の排気に含まれる粒子状物質(PM(Particulate Matter))を捕集する排気浄化フィルタを備えた排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気系にPMを捕集する排気浄化フィルタを設け、PMの排出量を低減する技術は広く用いられている。この排気浄化フィルタが捕集できるPMの量には限界があるため、排気浄化フィルタに堆積したPMを燃焼させるフィルタ再生運転が適宜実行される。このフィルタ再生運転では、例えば、排気工程中での燃料噴射(以下、「ポスト噴射」という)を実行する。このようなポスト噴射を実行すると、排気浄化フィルタの上流側に設けられた酸化触媒における酸化反応が促進されるため、排気浄化フィルタに流入する排気の温度が上昇し、堆積したPMが燃焼する。
しかしながら、PMが燃焼することで発生した熱により、排気浄化フィルタが溶損してしまう場合がある。このような排気浄化フィルタの溶損は、堆積したPMが燃焼することで発生する熱量に対し、排気を介して排気浄化フィルタから持ち去られる熱量が少ない場合に生じると考えられる。そこで従来、排気流量を増大させることにより、排気浄化フィルタからの放熱を促進し、排気浄化フィルタの溶損を防止する技術が提案されている。
例えば特許文献1には、排気浄化フィルタの再生運転中に排気浄化フィルタの温度が所定値以上となった場合には、アイドル回転数を高くすることにより、排気流量が過度に減少しないようにする技術が示されている。
また、例えば特許文献2には、内燃機関の運転状態に基づいて排気浄化フィルタに堆積したPMが急速燃焼する可能性があると判断した場合には、吸気スロットル弁を通常時よりも開き側に制御する技術が示されている。これにより、排気浄化フィルタを流通する排気の流量を増大させて、排気浄化フィルタからの放熱を促進することができる。
特開昭60−206923号公報 特開2007−211788号公報
以上のように、排気流量の増加により排気浄化フィルタの溶損を防止する技術としては、アイドル回転数を上昇させることと、スロットル弁を開き側に制御することとの2つが知られている。これら2つの技術について、フィルタ再生運転中に内燃機関がアイドル運転状態となった状況を想定し、より詳細に検討する。
特許文献1の技術を適用した場合、アイドル回転数を高くすることで燃焼サイクルが速まるため、アイドル運転時における排気流量および排気温度ともに上昇するので、PMの燃焼と排気浄化フィルタからの放熱との両方を促進することができると考えられる。しかしながら、アイドル回転数を高くしすぎると、始動時における急発進や、大きな騒音の原因となるため、特許文献1の技術のようにアイドル回転数を高くするのみでは、商品性を損ねてしまうおそれがある。
これに対して特許文献2の技術を適用した場合、スロットル弁を開き側に制御することで排気流量は増加するものの、上述のようにアイドル回転数を高くすることで対応した場合と比較して排気の温度が低くなる。このため、スロットル弁を開き側に制御した場合、PMの燃焼と排気浄化フィルタからの放熱との両方を促進するには、例えばポスト噴射量を多くすることにより排気の温度を高くする必要がある。しかしながら、ポスト噴射量を多くすると、オイルダイリューションによりオイル性能が低下したり、燃費が悪化したりするおそれがある。
本発明は、始動時における急発進、騒音、オイル性能の低下、あるいは燃費の悪化などの排気流量の増加に伴って発生する課題を抑制しながら排気浄化フィルタの溶損を防止することができる排気浄化装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン2)の排気系(例えば、後述の排気管4)に設けられ、排気に含まれる粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタ(例えば、後述のDPF45)と、当該排気浄化フィルタにおける粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定手段(例えば、後述のECU7)と、当該排気浄化フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生運転を実行するフィルタ再生手段(例えば、後述のインジェクタ22、スロットル弁32、ECU7、および図2のステップS2の実行に係る手段)と、前記内燃機関のアイドル運転時における回転数であるアイドル回転数を制御するアイドル回転数制御手段(例えば、後述のインジェクタ22、スロットル弁32、ECU7、および図2のステップS5の実行に係る手段)と、当該アイドル回転数制御手段とは別の手段であり、前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を制御する排気流量制御手段(例えば、後述のスロットル弁32、ECU7、および図2のステップS7の実行に係る手段)と、を備える排気浄化装置(例えば、後述の排気浄化装置1)を提供する。前記排気浄化装置は、前記内燃機関がアイドル運転状態でありかつ前記フィルタ再生運転の実行中において、前記堆積量が所定の第1判定量(例えば、後述の第1判定量M1)よりも多い場合には、前記アイドル回転数制御手段によりアイドル回転数を通常アイドル運転時の回転数よりも高くし、前記堆積量が前記第1判定量より大きな所定の第2判定量(例えば、後述の第2判定量M2)よりも多い場合には、前記アイドル回転数制御手段によりアイドル回転数を前記通常アイドル運転時の回転数よりも高くすることに加えて、前記排気流量制御手段により前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加する制御を行う。
本発明によれば、排気浄化フィルタにおける粒子状物質の堆積量を推定する。そして、内燃機関がアイドル運転状態でありかつフィルタ再生運転の実行中において、堆積量が第1判定量よりも多い場合には、アイドル回転数制御手段によりアイドル回転数を通常アイドル運転時の回転数よりも高くし、排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加する。また、堆積量がこの第1判定量よりさらに大きな第2判定量よりも多い場合には、アイドル回転数制御手段によりアイドル回転数を高くすることに加えて、排気流量制御手段により排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加する制御を行い、排気浄化フィルタに流入する排気の流量をさらに増加する。これにより、排気浄化フィルタにおける粒子状物質の堆積量に応じて排気浄化フィルタに流入する排気の流量を適切にし、この排気浄化フィルタの溶損を防止することができる。
このように、堆積量が第2判定量よりも多くなるまでは、アイドル回転数制御手段によるアイドル回転数の上昇のみで排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加するので、上述のように排気の温度を高く保つためにポスト噴射量を多くする必要も無いことから、オイルダイリューションの発生や燃費の悪化を抑制することができる。また、堆積量が第2判定量よりも多くなってからは、アイドル回転数制御手段によるアイドル回転数の上昇に加えて、排気流量制御手段により排気の流量を増加することでアイドル回転数を過度に高くすることなく排気浄化フィルタを保護できるので、上述のように商品性を損ねることもない。
以上のように、アイドル回転数制御手段によるアイドル回転数の制御を優先しつつ、必要に応じて排気流量制御手段による排気の流量の制御を併用することにより、始動時における急発進、騒音、オイル性能の低下、あるいは燃費の悪化などの排気流量の増加に伴って発生する課題を抑制しながら排気浄化フィルタの溶損を防止することができる。
この場合、前記内燃機関がアイドル運転状態でありかつ前記フィルタ再生運転の実行中において、前記堆積量が前記第2判定量よりも多い場合には、前記アイドル回転数制御手段によりアイドル回転数を所定の上限値に制御することが好ましい。
上述のように、フィルタ再生運転の実行中に、アイドル回転数の上昇以外の手段により排気の流量を増加させた場合、排気の温度を高く保つためにポスト噴射量を多くする必要が生じる場合があるため、オイルダイリューションが発生したり燃費が悪化したりするおそれがある。本発明によれば、堆積量が第2判定量よりも多い場合には、アイドル回転数制御手段によりアイドル回転数を上限値に制御する。すなわち、アイドル回転数を可能な限り上昇させることにより、排気流量制御手段により排気の流量を増加させる分を少なくできるので、オイルダイリューションの発生や燃費の悪化を抑制することができる。
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン2)の排気系(例えば、後述の排気管4)に設けられ、排気に含まれる粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタ(例えば、後述のDPF45)と、当該排気浄化フィルタにおける粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定手段(例えば、後述のECU7)と、当該排気浄化フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生運転を実行するフィルタ再生手段(例えば、後述のインジェクタ22、スロットル弁32、ECU7、および図7のステップS12の実行に係る手段)と、前記内燃機関のアイドル運転時における回転数であるアイドル回転数を制御するアイドル回転数制御手段(例えば、後述のインジェクタ22、スロットル弁32、ECU7、および図7のステップS16の実行に係る手段)と、当該アイドル回転数制御手段とは別の手段であり、前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を制御する排気流量制御手段(例えば、後述のスロットル弁32、ECU7、および図7のステップS19の実行に係る手段)と、前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を検出又は推定する排気流量検出手段(例えば、後述のECU7)と、を備える排気浄化装置(例えば、後述の排気浄化装置1)を提供する。前記排気浄化装置は、前記フィルタ再生運転を実行している間における排気浄化フィルタが過昇温に至らない排気の流量に対する流量下限値(例えば、後述の流入排気流量目標下限値QEIN_TRGT)を、前記堆積量に基づいて算出する流量下限値算出手段(例えば、後述のECU7、および図7のステップS14の実行に係る手段)をさらに備える。前記排気浄化装置は、前記内燃機関がアイドル運転状態でありかつ前記フィルタ再生運転の実行中において、前記排気の流量の検出値又は推定値が前記流量下限値より小さい場合には、前記アイドル回転数制御手段により前記検出値又は推定値が前記流量下限値以上となるように、前記アイドル回転数を所定の上限値へ向けて増加する制御を行い、当該アイドル回転数が前記上限値に達しても前記検出値又は推定値が前記流量下限値よりも小さい場合には、前記排気流量制御手段により前記検出値又は推定値が前記流量下限値以上となるように、前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加する制御を行う。
本発明によれば、フィルタ再生運転を実行している間における排気浄化フィルタが過昇温に至らない排気の流量に対する流量下限値を粒子状物質の堆積量に基づいて算出する。そして、内燃機関がアイドル運転状態でありかつフィルタ再生運転の実行中において、排気の流量の検出値又は推定値が流量下限値よりも小さい場合、すなわち排気浄化フィルタが過昇温に至ると判断される場合には、上記検出値又は推定値が流量下限値以上となるように、アイドル回転数制御手段によりアイドル回転数を所定の上限値に向けて増加する制御を行う。これにより、排気浄化フィルタに流入する排気の流量を適切にし、この排気浄化フィルタの溶損を防止することができる。またこの場合、アイドル回転数制御手段とは別の排気流量制御手段により排気の流量を増加する制御を行う必要も無いので、上述のように、排気の温度を高く保つためにポスト噴射量を多くする必要もない。このため、オイルダイリューションの発生や燃費の悪化を抑制することができる。
また、アイドル回転数が上限値に達しても上記検出値又は推定値が流量下限値よりも小さい場合には、上記検出値又は推定値が流量下限値以上となるように、排気流量制御手段により排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加する制御を行う。これにより、排気浄化フィルタに流入する排気の流量を適切にし、この排気浄化フィルタの溶損を防止することができる。ここで、アイドル回転数の制御に加えて排気流量制御手段により排気の流量を制御することにより、アイドル回転数を過度に高くすることなく排気浄化フィルタを保護できるので、上述のように商品性を損ねることもない。
以上のように、アイドル回転数制御手段によるアイドル回転数の制御を優先しつつ、アイドル回転数を上限値まで上昇させても排気浄化フィルタが過昇温に至ると判断されたときのみ排気流量制御手段で排気の流量を制御することにより、始動時における急発進、騒音、オイル性能の低下、あるいは燃費の悪化などの排気流量の増加に伴って発生する課題を抑制しながら排気浄化フィルタの溶損を防止することができる。
また、上記検出値又は推定値が流量下限値以上となるようにアイドル回転数制御手段および排気流量制御手段により排気の流量を制御することにより、排気浄化フィルタの溶損をより確実に防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る排気浄化装置、およびこれを適用したエンジンの構成を示す模式図である。 上記実施形態に係るDPF再生制御処理の手順を示すフローチャートである。 DPF再生運転実行中のDPFにおけるPM堆積量とDPFの最高温度との関係を示す図である。 再生時アイドル回転数とPM堆積量との関係を示す図である。 再生時スロットル開度とPM堆積量との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るDPF再生制御処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係るDPF再生制御処理の手順を示すフローチャートである。 流入排気流量目標下限値とPM堆積量との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、第2実施形態以後の説明において、第1実施形態と共通する構成については説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る排気浄化装置1、およびこれを適用した内燃機関(以下「エンジン」という)2の構成を示す模式図である。エンジン2は、各気筒21の燃焼室内に燃料を直接噴射するディーゼルエンジンである。
エンジン2に燃料を供給する燃料供給系は、燃料タンク23に貯留された燃料を加圧する燃料ポンプ24と、この燃料ポンプ24により加圧された燃料をエンジン2の気筒21ごとに設けられたインジェクタ22に供給するコモンレール25と、を含んで構成される。
インジェクタ22からの燃料噴射量QINJは、後述する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)7によって設定される。また、このインジェクタ22の開弁時間は、設定された燃料噴射量QINJが得られるように、ECU7からの駆動信号により制御される。
エンジン2には、吸気が流通する吸気管3と、排気が流通する排気管4と、排気管4内の排気の一部を吸気管3に還流するEGR通路5と、吸気管3に吸気を圧送する過給機6とが設けられている。
吸気管3は、吸気マニホールド31の複数の分岐部を介してエンジン2の各気筒21の吸気ポートに接続されている。排気管4は、排気マニホールド41の複数の分岐部を介してエンジン2の各気筒21の排気ポートに接続されている。EGR通路5は、排気マニホールド41から分岐し吸気マニホールド31に至る。
過給機6は、排気管4に設けられた図示しないタービンと、吸気管3に設けられた図示しないコンプレッサと、を備える。タービンは、排気管4を流通する排気の運動エネルギにより駆動される。コンプレッサは、タービンにより回転駆動され、吸気を加圧し吸気管3内へ圧送する。また、タービンは、図示しない複数の可変ベーンを備えており、可変ベーンの開度を変化させることにより、タービン回転数(回転速度)を変更できるように構成されている。タービンのベーン開度は、ECU7により電磁的に制御される。
吸気管3のうち過給機6の上流側には、エンジン2に吸入される新気の流量(以下、「吸入空気量」という)を制御するスロットル弁32が設けられている。このスロットル弁32は、アクチュエータを介してECU7に接続されており、その開度はECU7により電磁的に制御される。また、吸気管3のうち過給機6の下流側には、過給機6により加圧された吸気を冷却するためのインタークーラ33が設けられている。
EGR通路5は、排気マニホールド41と吸気マニホールド31とを接続し、エンジン2から排出された排気の一部をエンジン2の吸気に還流する。なお、以下では、このEGR通路5を介して吸気に還流されるガスをEGRガスという。EGR通路5には、EGRガスを冷却するEGRクーラ51と、EGRガスの流量を制御するEGR弁52と、が設けられている。このEGR弁52は、アクチュエータを介してECU7に接続されており、その弁開度はECU7により電磁的に制御される。
排気管4のうち過給機6の下流側には、排気を浄化する触媒コンバータ43および排気浄化フィルタとしてのディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、「DPF(Diesel Particulacte Filter)」という)45が、上流側からこの順で設けられている。
触媒コンバータ43は、例えば、酸化触媒を内蔵し、この触媒と排気との反応により排気を浄化するとともに、排気と触媒の反応により発生する熱で排気を昇温する。より具体的には、触媒コンバータ43には、例えば、触媒として作用する白金(Pt)をアルミナ(Al)担体に担持させたものに、HCの吸着作用に優れたゼオライトや、HCの水蒸気改質作用に優れたロジウム(Rh)を加えたものが用いられる。
DPF45は、排気がフィルタ壁の微細な孔を通過する際、排気中の炭素を主成分とするPMを、フィルタ壁の表面およびフィルタ壁中の孔に堆積させることによって捕集する。フィルタ壁の構成材料としては、例えば、チタン酸アルミニウムやコージェライトなどを材料とした多孔質体が使用される。
DPF45の捕集能力の限界、すなわち堆積限界までPMを捕集すると、圧損が大きくなるので、DPF45に堆積したPMを燃焼し、DPF45を再生するDPF再生運転を適宜実行する必要がある。このDPF再生処理は、例えば、ポスト噴射を実行し、触媒コンバータ43における酸化反応を促進することでDPF45に流入する排気を昇温し、PMを燃焼させることで行われる。このDPF再生運転を実行する手順については、後に図2を参照して詳述する。
ECU7には、排気温度センサ82、およびエアフローセンサ83が接続されている。排気温度センサ82は、排気管4のうちDPF45の下流側の排気の温度TEを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。エアフローセンサ83は、エンジン2の吸入空気量QAIRを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。
この他、ECU7には、クランク角センサ84、アクセル開度センサ85、およびイグニッションスイッチ86が接続されている。クランク角センサ84は、エンジン2のクランクシャフトの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU7に送信する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30°)ごとに送信される。アクセル開度センサ85は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル開度」という)APを検出し、検出値に略比例した信号をECU7に送信する。イグニッションスイッチ86は、図示しない車両の運転席に設けられ、車両の起動又は停止を指令する信号をECU7に送信する。
ここで、エンジン2の回転数(以下、「エンジン回転数」という)NEは、クランク角センサ84から送信されたCRK信号に基づいて、ECU7により算出される。上述のインジェクタ22からの燃料噴射量QINJは、エンジン回転数NEおよびアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、ECU7により算出される。また、エンジン2から排出され、DPF45に流入する排気の流量の推定値(以下、単に「流入排気流量」という)QEINは、吸入空気量QAIR、燃料噴射量QINJ、およびエンジン回転数NEに基づいて、ECU7により算出される。
ECU7は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU7は、CPUで実行される各種演算プログラムおよび演算結果などを記憶する記憶回路と、インジェクタ22やスロットル弁32などに制御信号を出力する出力回路と、を備える。以上のようなハードウェア構成により、ECU7には、以下に示すDPF再生制御処理(図2参照)を実行するモジュールが構成される。
図2〜図6を参照して、本実施形態のDPF再生制御処理について説明する。
図2は、DPFに堆積したPMを燃焼除去し、DPFを再生するDPF再生制御処理の手順を示すフローチャートである。
図3は、DPF再生運転実行中のDPFにおけるPM堆積量とDPFの最高温度との関係を示す図である。図3には、上記PM堆積量とDPF最高温度との関係を、異なる流入排気流量Q1,Q2,Q3ごとに示す。ここで、DPFの最高温度とは、DPFのうち最も温度が高い部分の温度をいう。
図3においてQ1は、通常アイドル運転時における流入排気流量、すなわちエンジンを所定の通常アイドル回転数でアイドル運転したときにおける流入排気流量を示す。
Q2は、アイドル回転数を上記通常アイドル回転数よりも高くしてアイドル運転したときにおける流入排気流量を示し、上記Q1よりも大きくなっている。
Q3は、アイドル回転数を上記通常アイドル回転数よりも高くしてアイドル運転するとともに、スロットル弁の開度を全開にしたときにおける流入排気流量を示し、上記Q2よりも大きくなっている。
図3に示すように、一定の流入排気流量の下でPM堆積量を多くすると、DPF最高温度は高くなる。これは、PM堆積量が多くなるとPMが燃焼したときに発生する熱量が増えるためである。また、一定のPM堆積量の下で流入排気流量を大きくすると、DPF最高温度は低くなる。これは、流入排気流量を大きくするとDPFからの放熱が促進されるためである。
一方、図3において破線で示すように、DPFには使用する材料に応じて限界温度が存在する。このため、DPF再生運転を実行している間は、DPFが過昇温となりこの限界温度を超えないようにする必要がある。そこで、本実施形態のDPF再生制御処理では、DPF再生運転の実行に併せて、DPFの状態に応じて流入排気流量を適切に制御することにより、DPFが限界温度を上回らないようにする。以下では、このような概念に基づく本実施形態のDPF再生制御処理の具体的な手順について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、このDPF再生制御処理では、DPF昇温制御(ステップS2)の実行に併せて、アイドルアップ制御(ステップS5)と排気流量増量制御(ステップS7)とを必要に応じて実行することにより、DPFの流入排気流量を増加し過昇温を防止する。このDPF再生制御処理は、エンジンを始動してから所定の制御周期ごとに繰り返し実行される。
ステップS1では、DPF再生運転フラグFDPFREGが「1」であるか否かを判別する。このDPF再生運転フラグFDPFREGは、DPF再生運転中であること、すなわち、DPF昇温制御(後述のステップS2参照)の実行を指令している期間であることを示すフラグであり、図示しない処理により逐次更新される。ステップS1の判別がYESであり、DPF再生運転の実行中である場合には、ステップS2に移る。ステップS1の判別がNOである場合には、この処理を直ちに終了する。
DPF再生運転フラグFDPFREGを更新する処理では、DPFにおけるPM堆積量の推定値(以下、単に「PM堆積量」という)QPMを適宜算出しており、このPM堆積量QPMが所定の開始判定量REGSTARTを超えた場合には、DPF再生運転を開始するべくDPF再生運転フラグFDPFREGに「1」をセットする。そして、PM堆積量QPMが所定の終了判定量REGENDを下回った場合には、DPF再生運転を終了するべくDPF再生運転フラグFDPFREGを「0」にリセットする。
DPF再生運転を行っていない間におけるPM堆積量QPMは、前回の制御サイクル時におけるPM堆積量の値に、今回の制御サイクル時にDPFに新たに捕集されたPM量ΔPMを加算することにより算出される。今回制御時においてエンジンから排出されDPFに捕集されたPM量ΔPMは、例えば、燃料噴射量QINJおよびエンジン回転数NEに基づいて算出された基本値に、エンジンの冷却水温度や吸入空気量QAIRなどに基づいて算出された補正項を加算することで算出される。
一方、DPF再生運転を行っている間におけるPM堆積量QPMは、前回の制御サイクル時におけるPM堆積量の値から、今回の制御サイクル時にDPFで燃焼除去されたPM量ΔPMを減算することにより算出される。今回制御時において燃焼除去されたPM量ΔPMは、例えば、流入排気流量QEINおよび排気温度TEに基づいて算出される。
ステップS2では、DPF昇温制御を実行し、ステップS3に移る。より具体的には、このDPF昇温制御では、例えば、スロットル弁の開度を所定の開度にし、吸入空気量を絞るとともに、ポスト噴射を実行して触媒コンバータでの酸化反応を促進することにより、DPFに流入する排気の温度を上昇させる。これにより、DPFに堆積したPMが燃焼除去される。
ステップS3では、アイドル運転状態であるか否かを判別する。具体的には、例えば、アクセル開度が「0」であること、エンジン回転数NEが所定値より小さいこと、並びに、車速が「0」であること、の3つの条件を満たす場合に、エンジンの運転状態はアイドル運転状態であると判断する。この判別がYESの場合にはステップS4に移り、NOの場合にはこの処理を直ちに終了する。
ステップS4では、PM堆積量QPMが所定の第1判定量M1以下であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、DPFが過昇温に至る程のPMが堆積していないと判断し、この処理を直ちに終了する。この判別がNOの場合には、DPFの過昇温を防ぐべくステップS5に移る。
ステップS5では、エンジンのアイドル回転数を、通常アイドル運転時の回転数よりも高く設定された再生時アイドル回転数NE_IDLUPまで上昇させるアイドルアップ制御を実行することにより、DPFの流入排気流量を増加し、ステップS6に移る。より具体的には、DPFのPM堆積量QPMに適した再生時アイドル回転数NE_IDLUPを算出し、この再生時アイドル回転数NE_IDLUPに応じて吸入空気量と燃料噴射量とを、通常アイドル運転時よりも増量することにより、アイドル回転数を上記再生時アイドル回転数NE_IDLUPまで上昇させる。
この再生時アイドル回転数NE_IDLUPは、DPF再生運転を実行している間におけるDPFに適したアイドル回転数、すなわちDPF再生運転中におけるDPFが過昇温に至らない流量の排気を安定してDPFに供給できるアイドル回転数の最小値であり、通常アイドル運転時における回転数以上の値に設定される。
図4は、再生時アイドル回転数NE_IDLUPとPM堆積量QPMとの関係を示す図であり、再生時アイドル回転数NE_IDLUPを算出する際に参照される制御マップの例を示す。
PM堆積量QPMが第1判定量M1より多い場合には、再生時アイドル回転数NE_IDLUPは、PM堆積量QPMに比例して通常アイドル運転時における回転数よりも高くなるように設定される。また、アイドル回転数には所定の上限値が設定されており、再生時アイドル回転数NE_IDLUPは、この上限値以下の値に制限される。つまり、再生時アイドル回転数NE_IDLUPは、PM堆積量QPMが第1判定量M1と第1判定量M1よりも大きな第2判定量M2との間にある場合には、PM堆積量QPMに略比例して大きくなるように設定され、PM堆積量QPMが第2判定量M2よりも多い場合には上限値に設定される。
なお、このアイドル回転数の上限値は、アイドル回転数として許容できる回転数の最大値を示すものである。アイドル回転数を高くしすぎると、始動時に急発進したりエンジンに騒音が発生したりするおそれがある。そこで、このような上限値を適切な値に設定することにより、アイドル回転数を高くしすぎることによる商品性の低下を防止できる。
図2に戻って、ステップS6では、PM堆積量QPMが上述の第2判定量M2以下であるか否かを判別する。この判別がYESの場合には、アイドルアップ制御の実行のみでDPFが過昇温に至るのを防止できると判断し、この処理を直ちに終了する。この判別がNOの場合には、アイドルアップ制御の実行のみではDPFが過昇温に至るおそれがあると判断し、上述のアイドルアップ制御に加えて排気流量増量制御を実行するべくステップS7に移る。
ステップS7では、スロットル弁の開度が、通常のDPF再生運転時の開度よりも大きく設定された再生時スロットル開度TO_REGになるまでスロットル弁を開く排気流量増量制御を実行することにより、DPFの流入排気流量をさらに増加し、この処理を終了する。
この再生時スロットル開度TO_REGは、DPF再生運転を実行している間におけるDPFに適したスロットル開度、すなわちDPF再生運転中におけるDPFが過昇温に至らない流量の排気を安定してDPFに供給できるスロットル弁の開度であり、通常のDPF再生運転時以上の開度に設定される。
図5は、再生時スロットル開度TO_REGとPM堆積量QPMとの関係を示す図であり、再生時スロットル開度TO_REGを算出する際に参照される制御マップの例を示す。
PM堆積量QPMが第2判定量M2より多い場合には、再生時スロットル開度TO_REGは、PM堆積量QPMに比例して通常のDPF再生運転時における開度よりも大きくなるように設定される。すなわち、PM堆積量QPMが第2判定量M2とこの第2判定量M2よりも大きな第3判定量M3との間では、再生時スロットル開度TO_REGは、通常のDPF再生運転時よりも大きな開度に、PM堆積量QPMに略比例して大きくなるように設定される。また、PM堆積量QPMが第3判定量M3よりも多い場合、再生時スロットル開度TO_REGは、全開開度に設定される。
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、エンジンがアイドル運転状態でありかつDPF再生運転の実行中において、PM堆積量QPMが第1判定量M1よりも多い場合には、アイドルアップ制御を実行することによりアイドル回転数を通常アイドル運転時の回転数よりも高く設定された再生時アイドル回転数NE_IDLUPまで上昇させ、DPFの流入排気流量を増加する。また、PM堆積量QPMがこの第1判定量M1よりさらに大きな第2判定量M2よりも多い場合には、アイドルアップ制御によりアイドル回転数を高くすることに加えて、排気流量増量制御を実行することにより、DPFの流入排気流量をさらに増加する。これにより、DPFのPM堆積量QPMに応じてDPFの流入排気流量を適切にし、このDPFの溶損を防止することができる。
このように、PM堆積量QPMが第2判定量M2よりも多くなるまでは、アイドルアップ制御によるアイドル回転数の上昇のみでDPFの流入排気流量を増加するので、排気の温度を高く保つためにポスト噴射量を多くする必要も無いことから、オイルダイリューションの発生や燃費の悪化を抑制することができる。また、PM堆積量QPMが第2判定量M2よりも多くなってからは、アイドルアップ制御によるアイドル回転数の上昇に加えて、スロットル弁を開く排気流量増量制御を実行することにより流入排気流量を増加することで、アイドル回転数を過度に高くすることなくDPFを保護できるので、商品性を損ねることもない。
以上のように、アイドルアップ制御によるアイドル回転数の制御を優先しつつ、必要に応じて排気流量増量制御の実行による流入排気流量の制御を併用することにより、始動時における急発進、騒音、オイル性能の低下、あるいは燃費の悪化などの排気流量の増加に伴って発生する課題を抑制しながらDPFの溶損を防止することができる。
(2)本実施形態によれば、PM堆積量QPMが第2判定量M2よりも多い場合には、アイドルアップ制御を実行することによりアイドル回転数を上限値に制御する。すなわち、アイドル回転数を可能な限り上昇させることにより、排気流量増量制御を実行し、スロットル弁を開くことにより流入排気流量を増加させる分を少なくできるので、オイルダイリューションの発生や燃費の悪化を抑制することができる。
なおステップS7の排気流量増量制御では、スロットル弁を再生時スロットル開度TO_REGへ向けて開弁し、吸入空気流量を増加することによりDPFの流入排気流量を増加側に制御したが、DPFの流入排気流量を制御する手段はこれに限られるものではない。この排気流量増量制御では、スロットル弁の他、例えばEGR弁を所定の再生時EGR開度EO_REGへ向けて閉弁し、EGRガスの流量を少なくすることによりDPFの流入排気流量を増加側に制御することもできる。この他、排気流量増量制御では、スロットル弁とEGR弁とを併用してDPFの流入排気流量を増加側に制御してもよい。
図6は、再生時EGR開度EO_REGとPM堆積量QPMとの関係を示す図であり、PM堆積量QPMに基づいて再生時EGR開度EO_REGを算出する際に参照される制御マップの例を示す。
図6に示すように、基本的には、PM堆積量QPMが大きくなるに従い再生時EGR開度EO_REGは小さな値に設定される。より具体的には、PM堆積量QPMが第2判定量M2と第3判定量M3との間では、再生時EGR開度EO_REGは、通常のDPF再生運転時よりも小さな開度に、PM堆積量QPMに略比例して小さくなるように設定される。また、PM堆積量QPMが第3判定量M3より大きい場合、再生時EGR開度EO_REGは全閉開度に設定される。
この他、例えば、排気管内のDPFの上流側にエンジンの排気とは別の気体を供給することにより、DPFの流入排気流量を増加側に制御してもよい。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を、図面を参照して説明する。
図7は、本実施形態に係るDPF再生制御処理の手順を示すフローチャートである。
図7において、ステップS11からS13は、それぞれ、図2のステップS1からS3に相当するので、その詳細な説明を省略する。
ステップS14では、PM堆積量QPMに基づいて流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTを算出し、ステップS15に移る。この流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTは、DPFの流入排気流量に対する目標値であり、より具体的には、DPF再生運転を実行している間におけるDPFが過昇温に至らない流入排気流量に対する下限値である。
図8は、流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTとPM堆積量QPMとの関係を示す図であり、流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTを算出する際に参照される制御マップの例を示す。
図8に示すように、流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTは、PM堆積量QPMに略比例して大きくなるように設定される。
図7に戻って、ステップS15では、DPFの流入排気流量QEINが、上記ステップS14で算出された流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTよりも小さいか否かを判別する。この判別がYESの場合には、流入排気流量を増加する制御を実行する必要があると判断し、ステップS16に移る。この判別がNOの場合には、この処理を直ちに終了する。
ステップS16では、アイドルアップ制御を実行し、ステップS17に移る。より具体的には、このアイドルアップ制御では、アイドル回転数のフィードバック制御、すなわち流入排気流量QEINが流入排気流量目標下限値QEIN_TRGT以上となるように、アイドル回転数をアイドル回転数の上限値へ向けて増加する制御を実行する。このアイドル回転数の上限値は、第1実施形態と同様に、アイドル回転数として許容できる回転数の最大値を示すものである。
ステップS17では、アイドルアップ制御を実行することにより、DPFの流入排気流量QEINが、流入排気流量目標下限値QEIN_TRGT以上となったか否かを判別する。この判別がYESの場合には、流入排気流量を増加する制御は不要であると判断し、この処理を直ちに終了する。一方、この判別がNOの場合には、ステップS18に移る。
ステップS18では、アイドル回転数は上記上限値より小さいか否かを判別する。この判別がYESの場合には、この処理を直ちに終了する。すなわち、アイドル回転数が上限値に達するまで、次ステップS19を実行せずにアイドルアップ制御を継続する。一方、この判別がNOの場合には、上限値に達するまでアイドル回転数を上昇させても、流入排気流量QEINを流入排気流量目標下限値QEIN_TRGT以上にできないと判断し、ステップS19に移る。
ステップS19では、排気流量増量制御を実行し、この処理を終了する。より具体的には、この排気流量増量制御では、スロットル弁のフィードバック制御、すなわち流入排気流量QEINが流入排気流量目標下限値QEIN_TRGT以上となるように、スロットル弁の開度を開き側にし、DPFの流入排気流量を増加する制御を実行する。
ここで、図8を参照して、第1実施形態と第2実施形態のDPF再生制御処理について比較する。
第1実施形態では、PM堆積量QPMが第1判定量M1より多い場合にアイドルアップ制御を実行する。そして、PM堆積量QPMが第2判定量M2より多い場合には、アイドルアップ制御に加えて排気流量増量制御を実行しスロットル弁を開き側に制御する。これに対して本実施形態では、流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTが上記第1判定量M1に応じたQE1より大きい場合にはアイドルアップ制御が実行される。さらに流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTが上記第2判定量M2に応じたQE2より大きい場合には、アイドルアップ制御のみではDPFの過昇温を防ぐことができないおそれがあると判断され、排気流量増量制御が実行される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(3)本実施形態によれば、DPF再生運転を実行している間におけるDPFが過昇温に至らない流入排気流量に対する下限値をPM堆積量QPMに基づいて算出し、これを流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTとする。そして、エンジンがアイドル運転状態でありかつDPF再生運転の実行中において、流入排気流量の推定値QEINが流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTよりも小さい場合、すなわちDPFが過昇温に至ると判断される場合には、上記流入排気流量QEINが流入排気流量目標下限値QEIN_TRGT以上となるように、アイドルアップ制御を実行しアイドル回転数を所定の上限値に向けて増加する。これにより、DPFの流入排気流量を適切にし、このDPFの溶損を防止することができる。またこの場合、アイドルアップ制御とは別の排気流量増量制御により流入排気流量を増加する必要も無いので、排気の温度を高く保つためにポスト噴射量を多くする必要もない。このため、オイルダイリューションの発生や燃費の悪化を抑制することができる。
また、アイドルアップ制御を行いアイドル回転数が上限値に達しても流入排気流量QEINが流入排気流量目標下限値QEIN_TRGTよりも小さい場合には、上記流入排気流量QEINが流入排気流量目標下限値QEIN_TRGT以上となるように、排気流量増量制御を実行しDPFの流入排気流量を増加する制御を行う。これにより、DPFの流入排気流量を適切にし、このDPFの溶損を防止することができる。ここで、アイドル回転数の制御に加えて排気流量増量制御を実行することにより、アイドル回転数を過度に高くすることなくDPFを保護できるので、上述のように商品性を損ねることもない。
以上のように、アイドルアップ制御によるアイドル回転数の制御を優先しつつ、アイドル回転数を上限値まで上昇させてもDPFが過昇温に至ると判断されたときのみ排気流量増量制御を実行し流入排気流量を制御することにより、始動時における急発進、騒音、オイル性能の低下、あるいは燃費の悪化などの排気流量の増加に伴って発生する課題を抑制しながらDPFの溶損を防止することができる。
また、上記流入排気流量QEINが流入排気流量目標下限値QEIN_TRGT以上となるようにアイドルアップ制御および排気流量増量制御により流入排気流量を制御することにより、DPFの溶損をより確実に防止することができる。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
上記実施形態では、DPFの流入排気流量QEINを、吸入空気量QAIR、燃料噴射量QINJ、およびエンジン回転数NEに基づいて推定したが、これに限られるものではない。DPFの流入排気流量は、流量センサにより直に検出してもよい。
1…排気浄化装置
2…エンジン(内燃機関)
22…インジェクタ(フィルタ再生手段)
32…スロットル弁(フィルタ再生手段)
4…排気管(排気系)
45…DPF(排気浄化フィルタ)
7…ECU(フィルタ再生手段、アイドル回転数制御手段、排気流量制御手段、堆積量推定手段)

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ、排気に含まれる粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタと、
    前記内燃機関の吸気系に設けられ、前記内燃機関に吸入される新気の流量を制御するスロットル弁と、
    前記排気系と前記吸気系とを接続するEGR通路に設けられ、当該EGR通路を介して吸気に還流される排気の流量を制御するEGR弁と、
    当該排気浄化フィルタにおける粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定手段と、
    当該排気浄化フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生運転を実行するフィルタ再生手段と、
    前記内燃機関のアイドル運転時における回転数であるアイドル回転数を、通常アイドル運転時の回転数より上昇させるアイドルアップ制御手段と、
    当該アイドルアップ制御手段とは別の手段であり、前記スロットル弁及び前記EGR弁のうち少なくとも何れかの開度を所定のアイドル運転時の開度より排気流量の増量側へ操作し、前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加させる排気流量増量制御手段と、を備える排気浄化装置であって、
    前記内燃機関がアイドル運転状態でありかつ前記フィルタ再生運転の実行中において、
    前記堆積量が所定の第1判定量よりも多くかつ所定の第2判定量よりも少ない場合には、前記排気流量増量制御手段によって排気流量を増加させずに、前記アイドルアップ制御手段によりアイドル回転数を前記通常アイドル運転時の回転数から所定の上限値の間に設定された所定の再生時アイドル回転数になるまで高くし、
    前記堆積量が前記第1判定量より大きな所定の第2判定量よりも多い場合には、前記アイドルアップ制御手段によりアイドル回転数を前記上限値まで上昇させることに加えて、前記排気流量増量制御手段により前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加する制御を行うことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 内燃機関の排気系に設けられ、排気に含まれる粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタと、
    前記内燃機関の吸気系に設けられ、前記内燃機関に吸入される新気の流量を制御するスロットル弁と、
    前記排気系と前記吸気系とを接続するEGR通路に設けられ、当該EGR通路を介して吸気に還流される排気の流量を制御するEGR弁と、
    当該排気浄化フィルタにおける粒子状物質の堆積量を推定する堆積量推定手段と、
    当該排気浄化フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ再生運転を実行するフィルタ再生手段と、
    前記内燃機関のアイドル運転時における回転数であるアイドル回転数を、通常アイドル運転時の回転数より上昇させるアイドルアップ制御手段と、
    当該アイドルアップ制御手段とは別の手段であり、前記スロットル弁及び前記EGR弁のうち少なくとも何れかの開度を所定のアイドル運転時の開度より排気流量の増量側へ操作し、前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加させる排気流量増量制御手段と、
    前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を検出又は推定する排気流量検出手段と、を備える排気浄化装置であって、
    前記フィルタ再生運転を実行している間における排気浄化フィルタが過昇温に至らない排気の流量に対する流量下限値を、前記堆積量に基づいて算出する流量下限値算出手段をさらに備え、
    前記内燃機関がアイドル運転状態でありかつ前記フィルタ再生運転の実行中において、
    前記排気の流量の検出値又は推定値が前記流量下限値より小さい場合には、前記排気流量増量制御手段によって排気流量を増加させずに、前記アイドルアップ制御手段により前記検出値又は推定値が前記流量下限値以上となるように、前記アイドル回転数を所定の上限値へ向けて増加する制御を行い、
    当該アイドル回転数が前記上限値に達しても前記検出値又は推定値が前記流量下限値よりも小さい場合には、前記アイドル回転数を前記上限値に維持したまま前記排気流量増量制御手段により前記検出値又は推定値が前記流量下限値以上となるように、前記排気浄化フィルタに流入する排気の流量を増加する制御を行うことを特徴とする排気浄化装置。
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