JP5281837B2 - 曲率半径測定方法および装置 - Google Patents
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Description
干渉計に配置された参照レンズから被測定面に向けて測定光を照射し、被測定面での反射光と参照レンズにより反射される参照光との干渉縞を観察する場合、被測定面からの反射光と参照光との干渉による干渉縞が明瞭に観察されるのは、測定光の集光位置が、被測定面の曲率中心位置に一致するコンフォーカル状態の位置の近傍と、被測定面の面頂と一致するキャッツアイ状態の位置の近傍にある場合である。コンフォーカル状態とキャッツアイ状態とでは、位置ずれによる干渉縞が発生しないため、干渉縞本数が最小となる。そこで、干渉縞を見ながら測定光の集光位置と被測定面とを相対移動させて、コンフォーカル状態とキャッツアイ状態との間の相対移動距離を測定して被測定面の曲率半径を求める曲率半径測定方法が知られている。
この測定方法では、曲率半径の測定精度は、検査者が干渉縞画像を見て行うコンフォーカル状態およびキャッツアイ状態への位置調整の精度に依存するため、調整に時間がかかり、また測定誤差も発生しやすくなっている。
例えば、特許文献1には、レンズ(参照レンズ)と被測定面との相対間隔を変化させる手段と相対間隔を検知する間隔検知手段、並びに干渉縞を画像として取り込むCCDカメラを設け、間隔検知手段からの出力をもとに仮想的に生成した形状と、レンズによる集光点を被測定面の頂点と略一致させたときに生じる干渉縞から求めた前記集光点との一致誤差に起因する仮想的に生成した形状と、レンズによる集光点を被測定面の曲率中心と略一致させたときに生じる干渉縞から求めた前記集光点と曲率中心との一致誤差に起因する仮想的に生成した形状とに基づき、曲率半径を求める曲率半径測定方法及び装置が記載されている。
ここで「仮想的に生成した形状」は、被測定面における照射光の反射高さを、CCD上の画素位置、レンズの曲率半径の設計値およびFナンバーから求めた比例計数を用いて換算して求めている。そして、略コンフォーカル状態および略キャッツアイ状態の干渉縞画像を収差関数解析して、それぞれデフォーカス係数を求める。これらの値からレンズの焦点と被測定面の頂点との一致誤差と、レンズの焦点と被測定面の曲率中心との一致誤差とを求め、レンズと被測定面との間隔の変化量からこれらの一致誤差を差し引いて、レンズの焦点と被測定面の頂点、あるいは被測定面の曲率中心との一致誤差の影響を除去した曲率半径を求めている。
特許文献1に記載の技術は、コンフォーカル状態あるいはキャッツアイ状態から光軸方向にずれたそれぞれの位置で観測される干渉縞画像の波面を解析することにより、コンフォーカル状態あるいはキャッツアイ状態からの位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を用いて被測定面の曲率半径を求めている。
このため、被測定面の曲率半径、Fナンバーなどの設計値や、被測定面や干渉縞を取得する結像レンズの光学特性などから、計算に必要な諸係数を予め求めておく必要があった。これらの諸係数は、検査対象が変更されると変えなくてはならないため、検査効率を低下させる原因になるという問題がある。
また、撮像素子上の距離を光線高さに換算するために被測定面の設計値を仮定するため、被測定面の製造誤差が、測定誤差に反映されてしまうという問題がある。
この発明によれば、コンフォーカル状態およびキャッツアイ状態のうちの一方の調整目標位置の近傍の少なくとも2位置で、干渉縞の画像情報に基づいて波面を測定するとともに、測定された波面に対応する被測定面の相対移動位置の情報を取得する。
次に、位置ずれ評価値算出工程では、波面測定工程で測定された波面を解析して、この波面に対応する被測定面の相対移動位置の、調整目標位置からのずれ量に比例する位置ずれ評価値を算出する。
次に、調整位置目標算出工程では、波面測定工程で取得された、波面に対応する被測定面の相対移動位置の情報と、位置ずれ評価値算出工程で算出された位置ずれ評価値とにより、調整目標位置の推定値、すなわち、調整目標位置からのずれ量0に対応する位置ずれ評価値が得られる被測定面の相対移動位置を算出する。
そして、以上の各工程を、コンフォーカル状態およびキャッツアイ状態のうちの他方の調整目標位置に対して繰り返す。これにより、調整目標位置算出工程でそれぞれ算出された、コンフォーカル状態の調整目標位置の推定値と、キャッツアイ状態の調整目標位置の推定値との差から曲率半径を求めることができる。
このように、調整目標位置近傍の前記光軸方向の少なくとも2位置で、複数枚の干渉縞の画像に基づく波面を解析することで、少なくとも2位置の位置ずれ評価値を算出し、これら少なくとも2位置の位置ずれ評価値から調整目標位置の推定値をそれぞれ算出して曲率半径を求めるので、被測定面の相対移動位置を調整目標位置に移動調整することなく、また位置ずれ量そのものは求めることなく曲率半径を測定することができる。
Z(X,Y)=C0+C1・X+C2・Y+C3・(X2+Y2) ・・・(1)
ここで、(X,Y,Z)は、光軸方向をZ軸方向とするXYZ直角座標系における波面の座標値であり、C0は定数項、C1、C2は1次項、C3は2次項の近似係数である。
この発明によれば、光軸方向の測定基準位置からの位置ずれ量と式(1)の2次項の近似係数C3で表される波面のパワー成分との関係から位置ずれ量を評価することができる。
この移動中に、一定の位相増分をΔφとして、位相差が±Δφ・Kを有すると見なすことができるn枚の干渉縞画像(ただし、Kは、Nを1以上の整数として、0≦K≦Nの整数、nは、n=2N+1)が少なくとも2組選択可能な複数枚の干渉縞画像を、時系列画像として取得するとともに、該時系列画像のそれぞれの取得時の前記被測定面の相対移動位置の情報を取得する工程を備え、該工程の終了後、前記時系列画像から前記少なくとも2組の前記n枚の干渉縞画像を選択し、選択された前記n枚の干渉縞画像の画像情報に基づいて、前記調整目標位置近傍の少なくとも2位置での波面を測定するようにした方法とする。
この発明によれば、被測定面の相対移動位置を前記光軸方向の一方向に移動させて、この移動中に、波面の測定を行うためのn枚の干渉縞画像を少なくとも2組み選択可能な複数枚の干渉縞画像を、時系列画像として取得するとともに、各時系列画像の被測定面の相対移動位置の情報とを取得することができる。このため、1回の相対移動によって、調整目標位置近傍の少なくとも2位置での波面の測定に必要なすべての干渉縞の画像情報と波面に対応する被測定面の相対移動位置とを同時に取得してから、位置ずれ評価値算出工程、調整目標位置算出工程を行うことができるので、機械的な動作が少なくてすみ、曲率半径の測定を迅速に行うことができる。
この発明によれば、一定の位相増分Δφよりも小さい位相増分に対応する移動ピッチで被測定面の相対移動位置を移動させるので、少なくとも2位置での波面を測定する位置を細かいピッチで測定することができるため、調整目標位置算出工程での調整目標位置の推定値の推定精度を向上することができる。
この発明によれば、n枚の干渉縞画像の画像情報に基づいて、波面を精度よく測定することができる。
この発明によれば、位置ずれ評価値を回帰分析することで調整目標位置の推定値を算出するので、推定値を高精度に算出することができる。
この発明によれば、何らかの原因で、回帰式に対する乖離が大きいデータが発生した場合に、このデータを除外して、再度、回帰分析を行うので、異常測定値による推定誤差の影響を低減することができる。
この発明によれば、請求項1に記載の曲率半径測定方法に用いることができる曲率半径測定装置になっているので、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を備える。
図1は、本発明の実施形態に係る曲率半径測定装置の概略構成およびコンフォーカル状態の配置を示す模式構成図である。図2は、本発明の実施形態に係る曲率半径測定装置の制御手段の機能構成を示す機能ブロック図である。図3は、本発明の実施形態に係る曲率半径測定装置のキャッツアイ状態の配置を示す模式構成図である。
本実施形態の曲率半径測定装置50の概略構成は、図1に示すように、レーザー光源1、コリメートレンズ2、ビームスプリッタ3、フィゾーレンズ4、直動ステージ16(相対移動機構)、孔あきステージ8、被測定物保持部11、ピエゾ素子9(相対移動機構)、ピエゾ素子コントローラ10、レーザー測長器12(相対移動位置測定部)、集光レンズ6、CCD7、測定制御部13からなる。測定制御部13には、形状測定に必要な操作入力や設定情報の入力を行うため、例えば、キーボード、マウス等からなる操作部15と、CCD7によって撮像された画像や形状測定結果などを表示するためモニタ等からなる表示部14とが電気的に接続されている。
ここで、レーザー光源1、コリメートレンズ2、ビームスプリッタ3、フィゾーレンズ4、および集光レンズ6は、フィゾー型の光学系を有する干渉計51を構成する。
被測定面5aとしては、凸球面でもよいが、以下では、一例として、平凹レンズからなる被測定物5の凹球面からなる場合の例を用いて説明する。被測定面5aが凸球面からなる場合の、干渉計の配置、構成は当業者には容易に理解される。
レーザー光源1によって発生された発散光は、コリメートレンズ2によって平行光30aとされ、ビームスプリッタ3に入射される。
ビームスプリッタ3は、平行光30aを反射してフィゾーレンズ4の光軸C上に導くとともに、フィゾーレンズ4側から入射する後述の被測定面反射光30c、参照面反射光30dを透過する光分岐素子である。
フィゾー面4aの形状は、精度よく仕上げられた球面である。このため、フィゾー面4aは、被測定面5aで反射された被測定面反射光30cの波面を変換して参照面反射光30dとの干渉縞を形成するための参照面を構成している。
フィゾーレンズ4の光軸Cは、干渉計51の光軸を構成している。
また、直動ステージ16は、測定制御部13に電気的に接続され、測定制御部13によって移動量が制御される。
直動ステージ16の移動可能範囲は、被測定面5aの曲率半径よりも大きな範囲に設定される。
孔あきステージ8上に形成された光軸Cに直交する平面8b上には、被測定物保持部11が、ピエゾ素子9を介して取り付けられている。
被測定物保持部11には、被測定物5を光軸Cに沿う方向および光軸Cに直交する方向に位置決めして保持するため、適宜の位置決め機構および位置調整機構(いずれも不図示)が設けられている。これにより、被測定面5aの光軸が、干渉計51の光軸Cに合わされた状態で保持できるようになっている。
また、被測定物保持部11の被測定物5の保持位置の裏面側には、貫通孔8aを通過して、光軸Cに平行に入射する光を反射する測長光反射部11aが設けられている。
これにより、被測定物保持部11上に保持される被測定面5aと、フィゾーレンズ4のフィゾー面4aとの間の距離を、λ/8に比べて十分小さな微小量ずつ変化させることができるようになっている。
ピエゾ素子9の移動量は、ピエゾ素子9に電気的に接続されたピエゾ素子コントローラ10によって印加電圧を変化させることで制御される。
ピエゾ素子コントローラ10の概略構成は、図2に示すように、演算部35、タイマー36、D/A変換部37、およびアンプ部38からなる。
演算部35は、測定制御部13から送出される立ち上がり時間、指令電圧の制御信号に応じて、立ち上がり時間内に印加電圧を0Vから指令電圧まで直線的に増大する印加電圧データを生成し、測定制御部13からの移動開始信号によって、印加電圧データを順次D/A変換部37に供給するものである。
タイマー36は、演算部35から適宜周期で印加電圧データを送出するための基準クロックを供給するものである。
D/A変換部37は、演算部35によって供給される印加電圧データを電圧信号に変換するものである。この電圧信号は、アンプ部38により増幅されて、ピエゾ素子9を駆動する印加電圧としてピエゾ素子9に出力される。
このように、本実施形態のピエゾ素子コントローラ10によれば、測定制御部13からの移動開始信号に応じて、ピエゾ素子9を一定方向に連続的に駆動する印加電圧が供給することができるようになっている。
レーザー測長器12は、被測定面5aの相対移動位置を測定する相対移動位置測定部を構成する。
レーザー測長器12の装置構成としては、λ/8の数分の1以下の精度で、測長できるものであれば、適宜の構成を採用することができるが、例えば、レーザー光12aの干渉縞をカウントして測長する構成を好適に採用することができる。
集光位置QRは、本実施形態では、フィゾーレンズ4に入射する光が平行光30aであるため、フィゾーレンズ4の焦点位置に一致している。
以下では、フィゾー面4aと被測定面5aとの位置関係について、集光位置QRが被測定面5aの曲率中心QLに一致する状態(図1参照)をコンフォーカル状態と称し、集光位置QRが被測定面5aの面頂QPと一致する状態(図3参照)をキャッツアイ状態と称する。
また、コンフォーカル状態の被測定面5aの相対移動位置およびキャッツアイ状態の被測定面5aの相対移動位置を、それぞれコンフォーカル状態およびキャッツアイ状態の調整目標位置、あるいは単に調整目標位置と称する。
被測定面反射光30cは、被測定面5aで反射されることで被測定面5aの形状に応じた波面を有する測定光となっている。一方、参照面反射光30dは、フィゾー面4aで反射されることでフィゾー面4aの形状に対応した波面を有する参照光となっている。また、被測定面反射光30cは、被測定面5aで反射されて略同一光路を逆進することで、参照面反射光30dに対して、フィゾー面4aと被測定面5aとの間の光路長の2倍の光路差を有している。
フィゾー面4aは被測定面5aに比べて十分高精度に製作されているので、干渉縞画像は、被測定面5aの収差を表している。同様に、キャッツアイ状態では干渉計自体の有する内部収差を表す干渉縞画像が得られる。
CCD7は、撮像面7a上に投影された干渉縞画像を所定のビデオレートで光電変換する撮像素子である。ビデオレートとしては、必要に応じて適宜の値を採用することができるが、例えば、30fpsのものを好適に採用することができる。
CCD7は、測定制御部13に電気的に接続されており、測定制御部13によって撮像動作を制御され、CCD7で撮像した画像信号は測定制御部13に送出される。
そのため、本実施形態の波面測定部21は、操作部15から測定開始の操作入力を受けると、予め設定された移動距離、移動速度などの測定条件に基づいて、直動ステージ16およびピエゾ素子コントローラ10に制御信号を送出して、被測定物保持部11の移動量を制御し、被測定物保持部11を測定開始位置z1に位置づけ、直動ステージ16の位置を固定して、ピエゾ素子9の伸縮量を光軸Cに沿う方向に連続的に変化させる制御を行う。そして、各移動位置において、レーザー測長器12から座標zを取得できるようになっている。
ここで、測定開始位置z1は、被測定面5aの曲率半径の設計値から決まる設計上のコンフォーカル状態、キャッツアイ状態に対応する被測定物保持部11のそれぞれの位置座標z0cf、z0ceの近傍であり、この近傍で予め被測定面5aを光軸Cに沿う方向に移動して、干渉縞画像を取得し、干渉縞画像の解析が可能となる程度にコントラストを有する移動範囲δの位置を予め調べておき、この移動範囲δの範囲内で、δの中心位置から離間した適宜位置を測定開始位置z1として採用することができる。
本実施形態では、一例として、δの範囲において、被測定面5aが最もフィゾー面4aから遠ざかる位置を測定開始位置z1とし、図1において、被測定物保持部11を図示下側からδの範囲内で、被測定面5aをフィゾー面4a側に向かって近づけながら測定を行うものとして説明する。
例えば、時系列上のi番目に信号変換部20から取得された時系列画像をFi(ただし、i=1,…,m)、レーザー測長器12から取得された座標をziとしたとき、i、Fi、ziが記憶部23に記憶される。
ここで、時系列画像Fiは、波面を測定するための波面測定用画像Fjの候補になっているとともに、波面測定用画像Fjとして選択された干渉縞画像に対して、一定の位相増分をΔφとしたとき、位相差が±Δφ・Kを有すると見なすことができるn枚の干渉縞画像(ただし、Kは、Nを1以上の整数として、0≦K≦Nの整数、nは、n=2N+1)の候補となる候補画像を構成している。
波面測定部21がピエゾ素子コントローラ10に設定する移動動作の条件は、本実施形態では、一定の立ち上がり時間T内に、光軸Cに沿う方向にδだけ移動するように、ピエゾ素子9に対する指令電圧を一定速度で変化させる、といった条件を設定する。
波面測定部21は、この立ち上がり時間Tの間に、m枚(ただし、mは4以上の整数)の候補画像を取得するため、サンプリング周期ΔTは、ΔT=T/(m−1)となる。サンプリング周期ΔTの最小値は、CCD7のビデオレートの逆数になる。
すなわち、本実施形態では、波面測定部21は、取得された時系列画像Fiのうちから波面を測定するための時系列画像Fjを波面測定用画像として選択し、この波面測定用画像Fjに対して、一定の位相増分をΔφとしたとき、位相差が±Δφ・Kを有すると見なすことができるn枚の干渉縞画像(ただし、Kは、Nを1以上の整数として、0≦K≦Nの整数、nは、n=2N+1)を用いて波面測定を行う。以下では、このn枚の干渉縞画像を波面測定用画像群Gjと称する。
波面測定の計算方法としては、一例として、P・ハリハラン(P.Hariharan)、B・F・オレブ(B.F.Oreb)、T・エイジュ(T.Eiju)、「アプライドオプティックス」("Applied Optics")、(米国)、1987年、26巻、pp.2504−2506、に開示されている、いわゆる5バケット法を採用している。
この5バケット法について簡単に説明する。例えば、波面測定用画像群Gjが、Gj={Fj2−,Fj1−,Fj,Fj1+,Fj2+}であったとする。ここで、添字jk±(k=1,2)は、それぞれ、Fjに対する位相差が±kΔφ(複合同順)となると見なすことができる時系列画像Fiの添字を表す。
それぞれの干渉縞画像Fj2−、Fj1−、Fj、Fj1+、Fj2+の一定位置(画像上の座標(x,y)で表す)での輝度をそれぞれ位置強度データgk(x,y)(ただし、k=−2,−1,0,1,2)と表すと、座標(x,y)における位相θj(x,y)は、次式から算出することができる。ただし、式(2)では、簡単のため、θj(x,y)、gk(x,y)を、それぞれ、θ、gkで表している。
本実施形態の位置ずれ評価値Pjは、式(3)から求められる波面hjを下記式(1)で近似したときのパワー成分である近似係数C3を採用している。パワー成分は、コンフォーカル状態、キャッツアイ状態では0となる。
ここで、(X,Y,Z)は、光軸方向をZ軸方向とするXYZ直角座標系における波面の座標値であり、C0は定数項、C1、C2は1次項、C3は2次項の近似係数である。
また、式(1)は、2次式による曲面の近似式であり、被測定面5aの光学特性、例えば、曲率半径、Fナンバーなどを仮定していない。したがって、被測定面5aの形状が変わっても、全く同様にして位置ずれ評価値Pjを算出することができる。その結果、被測定面5aの製作誤差によって、光学特性にバラツキがある場合にも、位置ずれ評価値には影響しない。
本実施形態では、調整目標位置の推定値zcf(zce)は、(Pj,zj)のデータを回帰分析して、回帰式z=f(P)を算出し、zcf=f(0)(zce=f(0))を採用している。
図4は、本発明の実施形態に係る曲率半径測定方法の測定フローを示すフローチャートである。図5は、本発明の実施形態に係る曲率半径測定方法の波面測定工程の動作について説明するフローチャートである。図6は、本発明の実施形態に係る曲率半径測定方法の波面測定工程で取得された時系列画像の模式図である。図7(a)、(b)は、それぞれ本発明の実施形態に係る曲率半径測定方法の位置ずれ算出工程で選出される波面測定用画像群の一例および他例の選出方法について説明するための模式的なグラフである。横軸は時系列上の位置情報i、縦軸は位相変化量を示す。図8は、本発明の実施形態に係る曲率半径測定方法の位置ずれ算出工程における回帰分析結果を示すグラフである。横軸は位置ずれ評価値P、縦軸は被測定面の相対移動位置を表す座標zを示す。
平行光30aは、フィゾー面4aによって分割され、一部はフィゾー面4aによってビームスプリッタ3の側に反射されて参照面反射光30dとして進む。その他の光は、透過光30bとして透過し、フィゾーレンズ4のレンズ作用により集光され、集光位置QRに集光されてから、被測定面5aに導かれ、被測定面5aの法線方向に入射することにより、被測定面反射光30cとして反射される。そして、被測定面反射光30cは、透過光30bと同一光路を逆進し、フィゾーレンズ4を透過して、ビームスプリッタ3側に出射される。その際、フィゾー面4a上には、被測定面反射光30cと参照面反射光30dとの光路差に応じた干渉縞画像が形成される。
この干渉縞画像は、集光レンズ6によりCCD7の撮像面7a上に投影される。そして、この干渉縞画像は、CCD7で光電変換されて画像信号として測定制御部13に送出され、表示制御部27を介して表示部14に表示される。
この干渉縞画像は、コンフォーカル状態の場合と同様にして、表示部14に表示される。
被測定面5aの相対移動位置が、コンフォーカル状態、キャッツアイ状態から光軸C方向にずれている場合、位置ずれ量、光線高さに応じて異なる光路差が発生し、コンフォーカル状態、キャッツアイ状態に比べて干渉縞本数が増大した干渉縞画像が形成される。
すなわち、測定者は、操作部15を通してピエゾ素子9の長さを最短の初期値に設定し、かつ直動ステージ16の移動量を調整して、被測定物保持部11を測定開始位置z1に移動させる。
これにより、被測定面5aの曲率中心QLは集光位置QRの近傍に配置される。
ステップS2では、立ち上がり時間Tの間に、ピエゾ素子9を用いて被測定物保持部11を測定開始位置z1から距離δだけ集光位置QR側に向かって連続的に移動させ、サンプリング周期ΔTごとに、m枚の干渉縞画像を順次取得し、記憶部23に、それらの取得順序を表す時系列上の位置情報iとともに、時系列画像F1、F2、…、Fm(図6参照)として記憶する。
サンプリング周期ΔTは、本実施形態のCCD7のビデオレート30fpsに合わせて、ΔT=1/30(s)としている。すなわち、時間Tの間の各フレーム画像を取り込んで、m=40の時系列画像を取得する場合の例になっている。
ピエゾ素子コントローラ10側では、移動制御部22から立ち上がり時間T、指令電圧の情報を受け取ると、ステップS23を実行する。
ステップS23では、演算部35によって、立ち上がり時間T内に、0Vから指令電圧まで時間に比例する印加電圧データを出力する設定を行う。そして、移動開始信号を受信すると、タイマー36を初期化し、ステップS24を実行する。
ステップS24では、タイマー36の値に応じて、印加電圧データをD/A変換部37により電圧信号に変換し、アンプ部38で適宜増幅して、ピエゾ素子9に印加する。
ステップS25では、タイマー36の値が、立ち上がり時間Tを超えたかどうか判定し、立ち上がり時間Tを超えていない場合は、ステップS24に移行する。
立ち上がり時間Tを超えた場合は、移動制御部22に、移動終了信号101を送出して移動終了を通知し、電圧出力を停止して、ピエゾ素子9の位置を初期状態に復帰させる。
ステップS22では、ピエゾ素子コントローラ10からの移動終了信号101の有無を判定し、移動終了信号101が受信されていない場合は、ステップS21に戻る。
移動終了信号101が受信されている場合は、図4のステップS2の動作を終了し、ステップS3に移行する。
このようにして、ステップS21を繰り返すことにより、被測定物保持部11がピエゾ素子9によって移動され、被測定面5aがフィゾー面4aに対して相対移動している間に、時系列上の位置情報であるカウンタi、座標ziの値とともに、時系列画像Fiがm枚、記憶部23に順次記憶されていく。
ここで、添字jk±(ただし、k=1,2)は、座標zにおけるλ/8の変化がπ/2の位相変化になる関係を用いて取得する。例えば、z(j,k)=zj±k・(λ/8)を計算し、z(j,k)と記憶部23に記憶された各座標ziとを比較し、|zi−z(j,k)|が、許容値以下の最小となるiの値をjk±に設定する。
|zi−z(j,k)|が許容値以下となるiの値が見つからない場合には、そのjに対して、波面測定用画像群Gjは選出できないと判定する。
例えば、時系列上の位置情報iと位相変化量との関係を表す位相変化曲線が、図7(a)、(b)に示す位相変化曲線41で表される場合、波面測定用画像をF16とすると、座標z16と、各座標ziとを比較し、j2−=1、j1−=10、j1+=21、j2+=26が求められ(図7(a)参照)、G16={F1,F10,F16,F21,F26}である。
また、波面測定用画像をF29とすると、座標z29と、各ziとを比較し、j2−=20、j1−=25、j1+=34、j2+=38が求められ(図7(b)参照)、G29={F20,F25,F29,F34,F38}である。
また、図7(a)、(b)から分かるように、本実施形態では、波面測定用画像群Gjは、G16〜G29までの14組を選出することができる。
波面測定部21では、Gj={Fj2−,Fj1−,Fj,Fj1+,Fj2+}を用い、5バケット法によって波面hjを算出する。すなわち、位置(x,y)ごとに、上記式(2)、(3)を用いて、波面hjを算出し、波面hjと、波面hjに対応する座標zjをそれぞれ対応づけて記憶部23に記憶する。
以上で、波面測定工程が終了する。
まず、ステップS5では、各波面hjを上記式(1)に当てはめて近似し、jに対応する近似係数C0j、C1j、C2j、C3jを求める。
次に、ステップS6では、ステップS5で求められた近似係数から位置ずれ評価値Pjを算出し、波面hjおよび座標zjに対応づけて記憶部23に記憶する。本実施形態では、次式(5)のように、2次項の各近似係数C3jを位置ずれ評価値Pjとする。
近似係数C3jは、上記式(1)の2次項の係数であり、波面測定用画像群Gjから算出される波面のパワー成分になっている。
以上で、位置ずれ評価値算出工程が終了する。
まず、ステップS7では、調整目標位置算出部24によって、記憶部23に記憶された座標zjと位置ずれ評価値Pjとからなる、データ群(Pj,zj)を回帰分析して回帰式を求める。
本実施形態では、データ群(Pj,zj)は回帰直線によって良好に近似される。そこで、回帰係数をα、βとして、次式(6)のような回帰式を求める。
z=f(P)=β・P+α ・・・(6)
これにより、測定者は、直線40が、データ群(Pj,zj)を良好に近似する回帰直線となっているかどうか判断することができる。
例えば、図8に示す例では、点(P10、z10)が、他の測定値の分布から著しく乖離していることが分かる。この結果、直線42は大部分のデータに対して良好な近似直線になっていない。
本実施形態では、このような場合、測定者は、操作部15を通して、点(P10、z10)のような異常値をデータ群から除外して、再度、回帰分析を行うための、操作入力が行えるようになっている。図8に示す直線43は、点(P10、z10)を除外して得られた回帰直線を示す。
以上で、調整目標位置算出工程が終了する。
これにより、被測定面5aの面頂QRは集光位置QRの近傍に配置される。
次に行うステップS13、S14は、位置ずれ評価値算出工程であり、上記ステップS5、S6と同様の工程である。
ただし、ステップS10、S12、S14で取得された、時系列画像Fi、波面hjと、波面hjに対応する座標zj、位置ずれ評価値Pjなどの各データは、ステップS2、S4、S6で取得された各データと区別して、記憶部23に記憶される。
これにより、ステップS10、S14で取得された波面hjに対応する座標zj、位置ずれ評価値Pjを用いて、上記式(6)の回帰式を求め、この回帰式から、キャッツアイ状態の調整目標位置の推定値zceを、zce=f(0)として算出し、曲率半径算出部25に送出する。
以上で、本実施形態の曲率半径測定装置50を用いた曲率半径測定方法が終了する。
推定値zcf、zceは、複数のデータ群(Pj,zj)から、回帰分析によって誤差を最小化する値として推定されるため、曲率半径の測定精度を向上することができる。
また、干渉縞画像を見ながら、調整目標位置に向けて被測定面5aの相対移動位置を相対移動させる場合のような厳密な位置調整を行う必要がないため、測定開始位置を決める程度の簡単な位置調整で済み、位置調整の手間が格段に低減される。そのため、検査効率を向上させることができる。
また、調整目標位置からずれた位置の干渉縞画像からデフォーカス係数などを算出して位置ずれ量の絶対値を求める場合のように、被測定面5aの光学特性の情報を用いたり、干渉縞画像上の距離を実距離に換算したりすることは、本実施形態では必要ないため、例えば製作誤差などによって被測定面5aの光学特性値が設計値と異なる場合や、干渉縞画像上の距離の換算値に含まれる誤差の影響を排除することができ、高精度な測定を行うことができる。また同様の理由で、異なる形状の被測定面5aの測定に切り替える場合でも、移動工程における測定開始位置z1を変更するのみで、演算処理の条件は変更する必要がないので、段取り替えする手間がかからず、検査効率を向上することができる。
図9は、本発明の実施形態の第1変形例に係る曲率半径測定装置の概略構成を示す模式構成図である。図10は、本発明の第1変形例に係る曲率半径測定装置の制御手段の機能構成を示す機能ブロック図である。
測定制御部13Aは、上記実施形態の測定制御部13の波面測定部21を波面測定部21Aに代えたものである。
以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
ピエゾ素子9Aは、貫通孔17aを取り囲むリング状とされ一端が支持板17の支持面17b上に固定され、光軸Cに沿う方向に伸縮可能とされたものである。ピエゾ素子9Aの他端には、フィゾーレンズ4を保持する保持部が設けられ、フィゾーレンズ4を光軸Cに沿う方向の移動できるようになっている。
ピエゾ素子9Aの材質や構成は、上記実施形態のピエゾ素子9と同様の材質や構成を採用することができる。これによりフィゾーレンズ4は、光軸Cに沿う方向に、λ/8に比べて十分小さな微小移動が可能となっている。
ピエゾ素子9Aには、光軸Cに沿う方向の歪みを測定するための歪みゲージ9aが設けられている。
ピエゾ素子9Aは、図10に示すように、ピエゾ素子コントローラ10Aのアンプ部38に電気的に接続され、歪みゲージ9aは、ピエゾ素子コントローラ10Aの移動量測定部39に電気的に接続されている。
移動量測定部39は、歪みゲージ9aの抵抗変化を検出して、歪み変化を算出し、ピエゾ素子9の伸縮量を算出し、演算部35Aに送出するものである。
演算部35Aは、波面測定部21Aおよび移動量測定部39に電気的に接続され、上記実施形態の演算部35と同様な機能に加えて、移動量測定部39によって測定されたピエゾ素子9の伸縮量の情報を、例えば、予め歪みと移動量との関係を示す校正曲線を求めておくなどして、フィゾー面4aの光軸Cに沿う方向の移動位置の座標zRに換算し、測定された座標zRを波面測定部21に送出できるようになっている。
波面測定部21Aでは、レーザー測長器12から取得される座標zLと、ピエゾ素子コントローラ10Aから取得される座標zRを用いて、被測定面5aの相対移動位置を表す座標zを次式のように算出する。
z=zL−zR ・・・(10)
ここで、座標zL、zRの正方向は一致させておくものとする。
すなわち、曲率半径測定装置50Aは、直動ステージ16、ピエゾ素子9Aによって、それぞれ被測定面5a、フィゾー面4aを別個に光軸Cに沿う方向に移動させて、それぞれの間の距離を変更し、互いに相対移動させる場合の例になっている。
上記実施形態の説明では、位置ずれ評価値Pjとして、上記式(5)のように、波面を式(1)を用いて近似したときのパワー成分である近似係数C3jを用いたが、位置ずれ量の評価はこれには限定されない。
例えば、特許第2951366号公報に開示された技術(同文献の式(1)、(2)参照)を用いて、波面を下記式(11)で近似し、これら近似係数のうち、下記式(12)のように、デフォーカス量を表す近似係数である(2C3−6C8)を位置ずれ評価値Pjとして採用してもよい。
また、式(12)の添字jは、上記式(5)と同様の意味である。
上記実施形態の説明では、光軸方向の調整目標位置の近傍で、時系列画像Fi、座標ziを一方向への1回の相対移動によって取得し、取得した時系列画像Fiから2位置以上のM位置の波面hjと、それに対応するz座標zjを測定した。
本変形例は、光軸方向の調整目標位置の近傍の2位置以上のM位置それぞれで、例えば、特開2000−275007号公報等に開示されているように、位相増分Δφに対応してステップ状に相対移動位置を変えることで、位相シフトされたn枚の干渉縞画像を取得して波面hjを測定するとともに、波面hjに対応するz座標zjを測定することで、2位置以上のM位置の波面hjとそれに対応するz座標zjを測定するようにしたものである。
z座標zjは、波面hjと対応する位置のz座標を実測して取得する(例えば5バケット法であれば、3枚目の画像取得時の瞬間のz座標を実測する)ことが望ましいが、装置構成的に難しい場合は位相シフト開始時や終了時のz座標を実測し、それらのz座標を波面hjに対する位相差に相当する距離によって換算して、z座標zjを取得してもよい。
本変形例は、波面測定に、フリンジスキャン法ではなく、空間的位相シフト法に分類されるキャリアメソッド(空間キャリア法)を採用したものである。このキャリアメソッドは、参照レンズであるフィゾーレンズ4を図示しないチルトステージにより、干渉縞が例えば20本〜30本の所定本数出るように光軸に対して傾けた状態で調整し、干渉縞画像を取得し、これをフーリエ変換して1枚の干渉縞画像から波面を測定する手法である。キャリアメソッドは、例えば、特開2007−86057号公報等に開示されている。
本変形例によれば、2位置以上のM位置の波面を測定する場合でも、M枚の干渉縞画像を取得するだけよいので、波面を迅速に測定することができる。
また、位置調整目標位置の推定値は、必ずしも、回帰分析を行うことなく推定してもよい。例えば、光軸方向における位置調整目標位置の近傍の2位置での波面hjを求めれば、2組の(Pj,zj)から直線が決まるため、この直線とz=0との交点として、位置調整目標位置の推定値が得られる。したがって、波面の測定は、光軸方向における位置調整目標位置の近傍の少なくとも2位置で行えばよい。
2 コリメートレンズ
3 ビームスプリッタ
4 フィゾーレンズ
4a フィゾー面
5a 被測定面
6 集光レンズ
7 CCD
7a 撮像面
9、9A ピエゾ素子(相対移動機構)
9a 歪みゲージ(相対移動位置測定部)
10、10A ピエゾ素子コントローラ
11 被測定物保持部
12 レーザー測長器(相対移動位置測定部)
13、13A 測定制御部
16 直動ステージ(相対移動機構)
21、21A 波面測定部
22 位置ずれ評価値算出部
23 記憶部
24 調整目標位置算出部
25 曲率半径算出部
30a 平行光
30b 透過光
30c 被測定面反射光(測定光)
30d 参照面反射光(参照光)
50、50A 曲率半径測定装置
51 干渉計
Fi、Fj 時系列画像
Gj 波面測定用画像群
Pj 位置ずれ評価値
QL 曲率中心
QP 面頂
QR 集光位置
z、zi 座標(被測定面の相対移動位置)
z1 測定開始位置
Claims (8)
- 干渉計により、1つの光束を測定光と、該測定光と干渉させる参照光とに分割し、この分割された測定光を、曲面からなる被測定面に向けて集光位置に収束させて照射し、前記被測定面を前記測定光の集光位置に対して相対移動させ、前記被測定面での反射光と前記参照光とで形成される干渉縞の画像情報と、前記被測定面の相対移動距離の情報とから前記被測定面の曲率半径を求める曲率半径測定方法であって、
前記測定光の集光位置を基準とした前記被測定面の光軸方向の相対位置を前記被測定面の相対移動位置と称し、前記測定光の集光位置が前記被測定面の曲率中心位置に一致するコンフォーカル状態と、前記測定光の集光位置が前記被測定面の面頂と一致するキャッツアイ状態とにおける前記被測定面の相対移動位置をそれぞれ調整目標位置と称するとき、 前記コンフォーカル状態および前記キャッツアイ状態の調整目標位置ごとに、
前記光軸方向における前記調整目標位置近傍の少なくとも2位置で、前記干渉縞の画像情報に基づいて波面を測定するとともに、該波面に対応する前記被測定面の相対移動位置の情報を取得する波面測定工程と、
該波面測定工程で測定された前記波面を解析して、該波面に対応する被測定面の相対移動位置の、前記調整目標位置からのずれ量に比例する位置ずれ評価値を算出する位置ずれ評価値算出工程と、
前記波面測定工程で取得された、前記波面に対応する前記被測定面の相対移動位置の情報と、前記位置ずれ評価値算出工程で算出された前記位置ずれ評価値とにより、前記調整目標位置の推定値を算出する調整目標位置算出工程とを行い、
前記調整目標位置算出工程でそれぞれ算出された、前記コンフォーカル状態の調整目標位置の推定値と、前記キャッツアイ状態の調整目標位置の推定値との差から前記曲率半径を求めることを特徴とする曲率半径測定方法。 - 前記位置ずれ評価値算出工程では、
前記波面を、次式で表される2次式で近似し、該2次式の2次項の近似係数を、前記位置ずれ評価値とすることを特徴とする請求項1に記載の曲率半径測定方法。
Z(X,Y)=C0+C1・X+C2・Y+C3・(X2+Y2) ・・・(1)
ここで、(X,Y,Z)は、光軸方向をZ軸方向とするXYZ直角座標系における波面の座標値であり、C0は定数項、C1、C2は1次項、C3は2次項の近似係数である。 - 前記波面測定工程では、
前記被測定面の相対移動位置を前記光軸方向の一方向に移動させ、
この移動中に、一定の位相増分をΔφとして、位相差が±Δφ・Kを有すると見なすことができるn枚の干渉縞画像(ただし、Kは、Nを1以上の整数として、0≦K≦Nの整数、nは、n=2N+1)が少なくとも2組選択可能な複数枚の干渉縞画像を、時系列画像として取得するとともに、該時系列画像のそれぞれの取得時の前記被測定面の相対移動位置の情報を取得する工程を備え、
該工程の終了後、前記時系列画像から前記少なくとも2組の前記n枚の干渉縞画像を選択し、選択された前記n枚の干渉縞画像の画像情報に基づいて、前記調整目標位置近傍の少なくとも2位置での波面を測定するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の曲率半径測定方法。 - 前記波面測定工程では、
前記一定の位相増分Δφよりも小さい位相増分に対応する移動ピッチで前記被測定面の相対移動位置を移動させて、前記時系列画像を取得するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の曲率半径測定方法。 - 前記波面測定工程では、
前記被測定面の相対移動位置を前記光軸方向に移動させ、一定の位相増分をΔφとして、位相差が±Δφ・Kを有すると見なすことができるn枚の干渉縞画像(ただし、Kは、Nを1以上の整数として、0≦K≦Nの整数、nは、n=2N+1)を取得するとともに、少なくともK=0に対応する干渉縞画像が取得された際の前記被測定面の相対移動位置の情報を取得し、前記n枚の干渉縞画像の画像情報に基づいて、1つの波面を測定する工程を備え、
該工程を、前記調整目標位置近傍の少なくとも2位置で繰り返すようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の曲率半径測定方法。 - 前記調整目標位置算出工程では、
前記波面に対応する前記被測定面の相対移動位置の情報と、前記位置ずれ評価値とを回帰分析することで、前記調整目標位置の推定値を算出することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の曲率半径測定方法。 - 前記調整目標位置算出工程では、
前記回帰分析により回帰式を求めた後、前記回帰分析に用いたデータの前記回帰式に対する乖離が大きいデータが発生した場合に、該乖離が大きいデータを除外して、再度、回帰分析を行うことを特徴とする請求項6に記載の曲率半径測定方法。 - 干渉計により、1つの光束を測定光と、該測定光と干渉させる参照光とに分割し、この分割された測定光を、曲面からなる被測定面に向けて集光位置に収束させて照射し、前記被測定面を前記測定光の集光位置に対して相対移動させ、前記被測定面での反射光と前記参照光とで形成される干渉縞の画像情報と、前記被測定面の相対移動距離の情報とから前記被測定面の曲率半径を求める曲率半径測定装置であって、
前記測定光の集光位置を基準とした前記被測定面の光軸方向の相対位置を前記被測定面の相対移動位置と称し、前記測定光の集光位置が前記被測定面の曲率中心位置に一致するコンフォーカル状態と、前記測定光の集光位置が前記被測定面の面頂と一致するキャッツアイ状態とにおける前記被測定面の相対移動位置をそれぞれ調整目標位置と称するとき、 前記コンフォーカル状態および前記キャッツアイ状態の前記調整目標位置の前記光軸方向におけるそれぞれの近傍の少なくとも2位置に前記被測定面の相対移動位置を相対移動させる相対移動機構と、
前記被測定面の相対移動位置を測定する相対移動位置測定部と、
前記相対移動機構によって前記被測定面の相対移動位置を前記調整目標位置の近傍の前記光軸方向の少なくとも2位置に相対移動させ、前記干渉縞の画像情報に基づいて波面を測定し、該波面に対応する前記被測定面の相対移動位置の情報とともに記憶させる波面測定部と、
該波面測定部で測定された前記波面を解析して、該波面に対応する被測定面の相対移動位置の、前記調整目標位置からのずれ量に比例する位置ずれ評価値を算出する位置ずれ評価値算出部と、
前記波面測定部で取得された、前記波面に対応する前記被測定面の相対移動位置の情報と、前記位置ずれ評価値算出部で算出された前記位置ずれ評価値とにより、前記調整目標位置の推定値を算出する調整目標位置算出部とを備え、
該調整目標位置算出部で算出された前記コンフォーカル状態の調整目標位置の推定値と、前記キャッツアイ状態の調整目標位置の推定値との差から前記曲率半径を求めることを特徴とする曲率半径測定装置。
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