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JP5279119B2 - 部分改質アルミニウム合金部材及びその製造方法 - Google Patents

部分改質アルミニウム合金部材及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、製品に要求される部位に応じて強度、耐応力腐食割れ性等の特性を部分的に改質したアルミニウム合金部材及びその製造方法に関する。
車両の軽量化を目的に、これまでの鉄部分に替わってアルミニウム合金の採用が広く検討されている。
車両のアルミ部品や機械構造アルミ部品においては、かならずしも部品全体に高強度が要求されるものではなく、例えば、部分的に応力が負荷される部品であっては、他の鉄部品との連結部とは高強度が要求されるものの応力が負荷される部位は、相対的に高強度よりも高い耐応力腐食割れ性が要求される場合もある。
特に、アルミニウム合金がAl−Zn−Mg系のJIS7000系合金である場合には、固溶硬化よりも析出硬化をねらいに合金設計されているが、熱処理により高強度になればなる程、耐応力腐食割れ性が低下するといった負の相関が強い材料特性も存在する。
そこで、要求される部位毎に材料特性を調整できることが期待される。
材料特性を部位毎に調整する部分改質方法として部分熱処理方法が提案されているが、これまで提案されているものは特許文献1,2に示すように鉄系部品に対して部分的に誘導加熱するものや、部分的に高温液体に浸漬するものである。
しかし、これらの方法をアルミニウム合金に適用すると、アルミニウム合金は熱伝導性が良いために部分的加熱制御が難しいだけでなく図6に示すように、加熱部と一般部との境界部に大きく硬度が低下するV字状の熱影響部が生じるという問題がある。
特開2005−330504号公報 特開2003−129131号公報
本発明は、製品に要求される品質特性が部位ごとに異なる場合に、その要求される部位に応じて部分改質されたアルミニウム合金部材の提供を目的とし、特に、部位ごとに要求される品質特性が相互に反する場合に、その両特性を両立させるのに効果的である。
本発明に係る部分改質アルミニウム合金部材は、析出硬化型アルミニウム合金であって、全体を溶体化温度まで加熱後に、部分的に急冷部分と徐冷部分とを相対的に制御することで、その後の人工時効処理にて急冷部分と徐冷部分とで強度差が生じていることを特徴とする。
ここで析出硬化型アルミニウム合金とは、液体化処理後に人工時効により合金マトリックス中に晶出物を析出させて、硬度及び強度を向上できるアルミニウム合金をいい、合金成分中に固溶硬化成分が含まれる場合も含まれる。
また、熱処理により析出硬化特性を有するものであれば、各種アルミニウム合金に適用できる。
溶体化温度とは、アルミニウム合金中に添加された成分がマトリックス中に充分に固溶するのに適した温度をいい、JIS4000系、JIS6000系,JIS7000系等合金系によっても、また添加成分量によっても異なる。
急冷部分と徐冷部分を制御するとは、アルミニウム合金部材全体を溶体化温度まで加熱後に200℃〜100℃以下になるまでの冷却速度を部分的に異ならせることをいい、冷却手段は水冷、油冷、強制空冷等、必要とする冷却速度に応じて選定される。
このような本発明に係る熱処理方法は、析出硬化型アルミニウム合金部材の全体を溶体化温度まで加熱する工程と、部分的に液体冷却する工程と、全体を人工時効処理する工程とを有していることを特徴とする。
析出硬化型アルミニウム合金を溶体化温度まで加熱後に、急冷し、その後に人工時効処理を施し、合金マトリックス中に微細な析出物を均一に晶出させることで引張り強度が向上する。
この際に溶体化温度後の冷却速度が遅いと、冷却過程にて析出物が徐々に成長し、その後の人工時効処理により引張り強度の上昇効果が小さくなるが、耐応力腐食割れ性が改善される。
特に、Al−Zn−Mg系合金は、高強度が得られやすい反面、応力腐食割れが生じやすいアルミニウム合金であり、本発明の適用効果が大きい。
そこで、Al−Zn−Mg系合金における強度及び耐応力腐食割れ性についての成分の影響を考慮すると、下記の範囲が好ましい。
(Zn及びMg成分)
ZnとMg成分は強度向上に効果的である。
Zn成分は押出性の低下を抑えつつ強度向上に寄与でき、6質量%(以下単に%と称する。)以上添加すると高強度が得られるが、8%を超えると耐応力腐食割れ性[耐SCC性(SCC:stress corrosion craking)]が急激に低下するので6〜8%の範囲が好ましく、理想的には7〜8%の範囲である。
Mg成分はZnと同時に添加することで高強度が得られやすいが、押出性の低下をまねきやすく、また添加量が多いと焼入れ感受性が高くなり、焼入れ時(溶体化温度まで加熱後の冷却時)の冷却速度の管理が難しくなる。
そこで、好ましくは、0.9〜2.5%の範囲に設定するのがよく、理想的には1.6〜2.0%の範囲である。
(Cu成分)
Cu成分は、Mgと同時に添加すると強度向上に効果的で、結晶粒界・内の電位差を緩和し、耐SCC性を向上させる効果がある。
しかし、添加量が多くなると、一般耐食性が低下し、焼き入れ感受性が高くなり冷却速度の管理が難しくなるため、0.1〜0.4%の範囲が好ましい。
(Mn,Cr及びZr)
Mn,Cr及びZr成分は単独または複合的に添加することで再結晶の成長を抑制できるために、耐SCC性が向上するがこれらの成分も添加量が多いと焼入れ感受性が高くなるために個々において0.5%以下、合計にて0.2〜0.8%の範囲が好ましい。
本発明に係る部分改質アルミニウム合金部材は、溶体化温度に加熱した状態から冷却する焼入れ時の冷却速度を部位間で相対的に急冷する部分と、それよりは徐冷する部分とを制御してあることにより、製品の部位毎に強度、硬度、伸び、耐SCC性等の各品質特性(材料特性)を最適化したアルミニウム合金部材が得られる。
本発明に係る部分改質アルミニウム合金の製造工程例を図1に模式的に示す。
アルミニウム合金部材は、押出材、引抜き材、圧延材、鍛造材、鋳造材等加工方法を問わない。
合金成分が金属マトリックス中に充分に固溶する溶体化温度まで加熱保持する(ステップS1)。
溶体化温度は合金系によって最適温度が設定され、概ね450℃〜580℃の範囲である。
次に部分的に冷却速度を異ならせて焼入れをする(ステップS2)。
図1に示した実施例は、アルミニウム合金部材1の一端(a)を部分的に水又は油に浸漬することで部分的に液体急冷を行ない、他の部分(b)はファン空冷にて冷却制御した例を示す。
このように、液体急冷にて相対的に急冷する部分と、ファン空冷にて相対的に徐冷する部分のように焼入れできる範囲にて急冷部分と徐冷できる部分を制御出来れば冷却方法の手段は問わない。
例えば、部分的にシャワー液体急冷等でもよい。
次に人工時効処理をする(ステップS3)。
人工時効処理は金属マトリックス中に析出物を晶出させるのが目的であり、合金系によって最適条件が異なり、JIS6000系では160〜190℃×4〜6時間の一段時効がよく、JIS7000系合金では、85〜95℃×3〜6時間の一段時効の後に140〜160℃×4〜12時間の二段時効を施すのがよい。
予備的評価として、Zn:7.9%,Mg:1.95%,Mn:0.35%,Cu:0.35%,Cr:0.13%,Zr:0.2%,Ti:0.02%,残部がAlと不純物とからなるJIS7000系合金の押出丸棒(φ=25mm×長さ300mm)を用いて、450〜550℃×1時間の加熱後にa=50mm水冷し、b=250mmファン空冷した。
次に90℃×4時間+145℃×8時間の人工時効処理を施した。
この試験片の硬さ(Hv:ビッカース硬度)分布を図2に示す。
この結果、本発明に係る部分急冷方法では、従来の部分加熱にて発生するV字状の軟化領域が発生しないことが明らかになった。
次に本発明の実施例について説明する。
図3に示した実施例1,2はJIS6000系のAl−Mg−Si系合金、実施例3はJIS4000系のAl−Si系合金の例で、化学成分は質量%の値を示す。
この化学成分からなるφ=25mm,長さ300mmの丸棒(押出材)を用いてa=50mm水冷した。
実施例1〜3において、冷却速度は溶体化温度から100℃以下になるまでの平均冷却速度を示し、人工時効処理は180℃×3時間実施した。
この結果から焼入れ時の冷却速度を部分的に変えることで部分的に硬さの異なる部分改質アルミニウム合金部材が得られることが分かる。
図4に示した実施例4〜12及び比較例1〜2はJIS7000系のAl−Zn−Mg系合金例である。
ここでSi及びFe成分は不純物であり、Siは0.15%以下、Feは0.3%以下が好ましい。
Ti成分は結晶の微細化に効果的であり、0.001〜0.05%の範囲がよい。
φ=25mm,長さ300mmの丸棒(押出材)を用いてa=50mm水冷した。
人工時効処理は90℃×4〜6時間+140〜150℃×6〜12時間の範囲で実施し、耐SCC性は図5に示すようなJIS H8711,2号試験片を用い、引張り強さの約70%の応力を負荷し、JIS H8711に示す交互浸漬法で試験を実施し、ファン空冷部にて90日間、割れが発生しないことを目標とした。
また、硬さは所定の引張り強度を維持するためにHV=120以上を目標とした。
図4にその測定結果を示すように、実施例4〜12は、水冷部と空冷部(ファン冷却部)とに、硬度差10以上があり、目標硬度及び目標耐SCC性ともにクリアーしているのが分かる。
本発明に係る製造工程例を示す。 部分水冷と硬度分布の関係を示す。 評価に用いたJIS6000系及びJIS4000系の合金例を示す。 評価に用いたJIS7000系の合金例を示す。 耐SCC性評価用試験形状を示す。 従来の部分加熱と硬度分布の関係を示す。

Claims (2)

  1. Al−Zn−Mg系の析出硬化型アルミニウム合金であって、
    全体を溶体化温度まで加熱後に、部分的に急冷部分と徐冷部分とを相対的に制御することで、その後の人工時効処理にて急冷部分と徐冷部分とで強度差が生じていることを特徴とする部分改質アルミニウム合金部材。
  2. Al−Zn−Mg系の析出硬化型アルミニウム合金部材の全体を溶体化温度まで加熱する工程と、
    部分的に液体冷却する工程と、全体を人工時効処理する工程とを有していることを特徴とする部分改質アルミニウム合金部材の製造方法。
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