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JP5276891B2 - 耐熱耐油絶縁電線及びその製造方法 - Google Patents

耐熱耐油絶縁電線及びその製造方法 Download PDF

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JP5276891B2 JP2008120549A JP2008120549A JP5276891B2 JP 5276891 B2 JP5276891 B2 JP 5276891B2 JP 2008120549 A JP2008120549 A JP 2008120549A JP 2008120549 A JP2008120549 A JP 2008120549A JP 5276891 B2 JP5276891 B2 JP 5276891B2
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Description

本発明は、必要上十分な機械的強度、耐熱性、耐油性を有し、フッ素系材料のみを被覆した電線との置き換えが低コストで可能な耐熱耐油絶縁電線及びその製造方法に関する。
フッ素ゴムやフッ素樹脂といったフッ素系材料は、耐熱性、耐油性、耐薬品性、難燃性、可撓性に優れていることから、例えば自動車の高温部分やオイル浸漬部分といった過酷な条件下での電線・ケーブルの被覆材料として幅広く使用されている。特にフッ素ゴムは可撓性に優れ、特にフッ素樹脂は機械的強度に優れており、これらを適宜複合して被覆材料に使用することで、更なる特性を付加した電線が開発されている。例えば、特許文献3には、導体周上に種々のフッ素ゴムを2層構造で形成した電線が開示されている。又、特許文献4には、導体周上に種々のフッ素樹脂を2層構造で形成した電線が開示されている。又、特許文献1,2には、導体周上にフッ素ゴムを被覆して内層とし、その外周にフッ素樹脂を被覆して外層とした電線が開示されている。また、このような技術に関連して、当該出願人より、特許文献5が出願されている。
特開平9−288914号公報 実用新案第2561072号公報 特開2000−30535号公報 特開平8−255513号公報 特願2007−167856明細書
しかしながら、上記特許文献1〜5のように、被覆材料全てをフッ素系材料で構成した電線は、フッ素系材料が高価であることからコストが高くなってしまい、市場に適合させることが困難となっていた。そのため、コストを低減しつつも、フッ素系材料のみを被覆した電線と同様の特性を有する電線が要求されていた。
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、必要上十分な機械的強度、耐熱性、耐油性を有し、フッ素系材料のみを被覆した電線との置き換えが低コストで可能な耐熱耐油絶縁電線及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1による耐熱耐油絶縁電線は、導体周上に、アクリルゴムを含有する組成物からなる第一層が被覆され、該第一層の外周にフッ素樹脂からなる第二層が被覆され、上記第一層と上記第二層とが密着していることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の耐熱耐油絶縁電線は、上記第一層の組成物は、アクリルゴムとポリオレフィンを99:1〜61:39(重量比)の範囲で混和したものであることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の耐熱耐油絶縁電線は、上記第一層の組成物が、シリカを含有することを特徴とするものである。
また、請求項4記載の耐熱耐油絶縁電線は、上記第二層のフッ素樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体であることを特徴とするものである。
また、請求項5記載の耐熱耐油絶縁電線は、上記第一層及び第二層が、架橋されていることを特徴とするものである。
また、請求項6記載の耐熱耐油絶縁電線の製造方法は、導体周上に、アクリルゴムを含有する組成物からなる第一層を押出被覆し、上記第一層を押出被覆した後又は上記第一層を押出被覆すると同時に、上記アクリルゴムを含有する組成物が未架橋の状態で、上記第一層の外周にフッ素樹脂からなる第二層を押出被覆することを特徴とするものである。
また、請求項7記載の耐熱耐油絶縁電線の製造方法は、導体周上に、アクリルゴムを含有する組成物からなる第一層を押出被覆し、上記第一層を押出被覆した後又は上記第一層を押出被覆すると同時に、上記第一層の外周にフッ素樹脂からなる第二層を押出被覆し、上記第一層及び上記第二層を一括して架橋することを特徴とするものである。
また、請求項8記載の耐熱耐油絶縁電線の製造方法は、電離性放射線を使用した照射架橋法によって、上記第一層及び上記第二層を一括して架橋することを特徴とするものである。
本発明による電線は、第二層をフッ素樹脂で構成することにより、機械的強度、耐熱性、耐油性を確保し、第一層についてアクリルゴムを含有する組成物で構成することで、コストを大きく低減するとともに、必要十分な耐熱性と耐油性を得ることができる。
以下、本発明による電線の各構成について説明する。
導体としては、従来公知のものが使用できる。材料としては、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金等やこれらの表面に、ニッケル、スズ、銅、銀等がコーティングされたものなどが考えられる。又、その構成についても、1本の線材からなるものでも良いし、複数本を引き揃え又は撚り合せたものなどを使用しても良い。
本発明で第一層を構成する材料として、アクリルゴムを含有する組成物が使用される。アクリルゴムとしては、例えば、クロロエチルビニルエーテル−アクリル酸共重合体ゴム、カルボキシル−アクリル酸共重合体ゴム、アリルグリシジルエーテル−アクリル酸共重合体ゴム、エチレン−アクリル酸共重合体ゴムなどが挙げられる。これらの中でも、エチレン−アクリル酸共重合体ゴムであれば、照射架橋法による架橋が可能であるため好ましい。本願発明においては、第一層の外周に第二層を被覆するため、照射架橋法ではなく化学架橋法により架橋をする場合は、架橋反応をさせるための加熱制御が非常に困難となる。特にこれは、第一層と第二層を同時に架橋する場合に顕著である。また、アクリルゴムを含有する組成物を混練する際や押出成型する際などの熱により架橋してしまったり、スコーチが発生したりすることも考えられる。
アクリルゴムを含有する組成物には、ポリオレフィンが混和されていても良い。本発明で使用されるポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−プロピレン熱可塑性エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体などが挙げられる。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレンが挙げられる。これらは単一及び2種類以上を混合して使用することもできる。このポリオレフィンを混和していれば、第一層の被覆と第二層の被覆を別工程で行う際には、アクリルゴムを含有する組成物に補強効果をもたらし、型崩れや変形等を防止することができる。更には、アクリルゴムを含有する組成物の電気特性を向上させることができる。
上記のポリオレフィンについては、硬度が高いものの方が耐油性に優れるため好ましい。特に、デュロメータ硬度がD40以上であるものが好ましい。硬度はJIS K7215により測定される。また、結晶融解温度が高いものの方が耐油性に優れるため好ましい。このような観点から、これらポリオレフィンの中でも、特にポリエチレンが好ましく、更に高密度ポリエチレンが好ましい。
アクリルゴムとポリオレフィンの混和量について、ポリオレフィンの混和量の下限値としては、アクリルゴムとポリオレフィンの比率で99:1以上(重量比)であることが好ましい。ポリオレフィンの混和量がこの範囲より少ない場合は、ポリオレフィンを混和する効果を得られないため、電気特性向上の効果も得られない。特に、アクリルゴムとポリオレフィンの比率で95:5以上(重量比)の範囲で混和したものが好ましく、更に、アクリルゴムとポリオレフィンの比率で90:10以上(重量比)の範囲で混和したものが好ましい。また、ポリオレフィンの混和量の上限値としては、アクリルゴムとポリオレフィンの比率で61:39以下(重量比)であることが好ましい。ポリオレフィンの混和量がこの範囲より多い場合は、耐熱性や耐油性の低下を招く可能性がある。特に、アクリルゴムとポリオレフィンの比率で70:30以下(重量比)の範囲で混和したものが好ましく、更に、アクリルゴムとポリオレフィンの比率で80:20以下(重量比)の範囲で混和したものが好ましい。尚、アクリルゴムとポリオレフィンを混和する技術としては、例えば、特許第3275453号公報に記載されたものがある。しかし、この場合において難燃性を得るには、臭素系や塩素系の難燃剤、または、多量の金属水酸化物系の難燃剤を配合する必要がある。本発明においては、アクリルゴムとポリオレフィンを上記の好ましい範囲で混和させた組成物を第一層とし、その外周にフッ素樹脂からなる第二層を形成すれば、このような難燃剤を配合することなく、必要十分な難燃性を得ることができる。
本発明による耐熱耐油絶縁組成物には、シリカ粉末が含有される。シリカ粉末を含有していれば、補強効果により耐熱耐油絶縁組成物の機械的強度(特に引張強度)を向上させることができる。シリカ粉末としては、平均比表面積が200m/g以上ものを使用することが好ましい。シリカ粉末の含有量の下限値としては、アクリルゴムとポリオレフィンを混和したポリマー分100重量部に対し、シリカ粉末10重量部以上であることが好ましい。シリカ粉末が10重量部未満では補強効果が十分でない。特に、ポリマー分100重量部に対し、シリカ粉末30重量部以上であることが好ましく、更に、ポリマー分100重量部に対し、シリカ粉末45重量部以上であることが好ましい。また、シリカ粉末の含有量の上限値としては、アクリルゴムとポリオレフィンを混和したポリマー分100重量部に対し、シリカ粉末100重量部以下であることが好ましい。100重量部を超えると逆に機械的強度(引張強度及び伸び)が低下してしまう可能性がある。特に、ポリマー分100重量部に対し、シリカ粉末80重量部以下であることが好ましく、更に、ポリマー分100重量部に対し、シリカ粉末70重量部以下であることが好ましい。
上記アクリルゴムを含有する組成物においては、本発明の目的を阻害しない範囲内で、従来、電線、ケーブルの被覆材料において一般的に使用されている各種の添加剤を配合しても良い。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、増量剤、難燃剤、老化防止剤、架橋剤、架橋助剤、滑剤、軟化剤、分散剤、着色剤などが挙げられる。特に、押出成形性を向上させることを目的として、金属炭酸塩粉末及び/又は金属ケイ酸塩粉末を配合することが考えられる。金属炭酸塩粉末としては、例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、などが挙げられ、金属ケイ酸塩粉末としては、例えば、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸アルミニウムなどが上げられ、これらの中でもケイ酸マグネシウムやケイ酸アルミニウムが好適に使用される。これらは単独で用いても複数を混合して用いても構わない。
上記の各構成材料を適宜に配合したものを、ロール、ニーダー、バンバリー、一軸混練機、二軸混練機などの公知の混練機を使用して充分に混練りすることによって本発明のアクリルゴムを含有する組成物を得ることができる。
本発明で第二層として使用されるフッ素樹脂としては、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフロロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。勿論、上記したフッ素樹脂を適宜混和しても良いし、通常使用される添加剤を配合しても良い。これらの中でも、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体であれば機械的強度が良好で、架橋させることにより耐熱性を向上させることできるため好ましい。
上記アクリルゴムを含有する組成物或いは上記フッ素樹脂は、架橋させることにより、耐熱性を大きく向上させることができる。これらを架橋させる際の架橋方法は、特に限定されず、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物や、ポリオール、アミンなどを架橋剤として使用した化学架橋法、X線、γ線、電子線、陽子線、重陽子線、α線、β線などの電離性放射線を使用した照射架橋法などが挙げられる。但し、照射架橋法を使用する場合は、フッ素樹脂として、放射線によって崩壊しないものを選定する必要がある。これらの中でも、照射架橋法であるほうが好ましい。化学架橋法であると、アクリルゴムを含有する組成物やフッ素樹脂を混練する際や押出成型する際などの熱により架橋してしまったり、スコーチが発生したりすることも考えられる。
架橋させる際には、上記のアクリルゴムを含有する組成物を公知の方法によって導体周上に押出被覆して第一層とし、このアクリルゴムを含有する組成物が未架橋の状態で、第一層の周上に上記フッ素樹脂を公知の方法によって押出被覆して第二層とし、この第一層と第二層を一括して架橋を施すことが生産性の面で好ましい。これにより、第一層と第二層とを接着剤を介することなく接着させるという効果も得ることができる。第一層と第二層とが強固に接着されていれば、電線の加工性や配設時の作業性を向上させることができる。具体的には、端子圧着強度を保持しつつ、ストリップ時の加工性や、ブッシュへの挿入時の作業性について優れたものとなる。又、本願のように、第一層が柔軟なアクリルゴムを含有する組成物、第二層が固いフッ素樹脂と、層ごとの固さが大きく異なる場合や、例えば、第二層の厚さを薄くした際などは、第二層にしわが発生し易くなる。しかし、この接着により、小さい曲げ半径で曲げたり屈曲を繰り返したりした場合でも、第二層にしわが発生することは無い。そのため、電線の加工時や配線時における制約が除かれ、加工性や作業性も良好なものとなる。このように、第一層と第二層とが強固に接着されていれば、電線の加工性や配設時の作業性を向上させることができるのだが、接着剤を介して接着することは好ましくない。これは、例えば、電線をAT装置の近傍などに配置すると、ATフルードの影響により、接着剤が膨潤や溶解を起こしてしまうためである。接着剤が膨潤を起こすと、電線の外形が変形してしまい、又、接着剤が溶解を起こすと、内層と外層が剥離してしまうとともに、溶解した接着剤が周辺の機器に悪影響を及ぼすことになる。第二層を被覆した後に第一層を架橋するということさえ満たしていれば、例えば、第一層を化学架橋とし、第二層を照射架橋とするなど、第一層と第二層を別工程で架橋することも可能である。又、第一層のみ或いは第二層のみを架橋することも可能である。尚、押出被覆の際は、第一層の押出被覆と第二層の押出被覆を別の工程で行っても良いし、所謂、二層押出等の手法で第一層と第二層を同時に押出被覆しても良い。
尚、本発明においては、第一層或いは第二層という表現をしているが、第一層や第二層が単層であるものに限定されるわけではない。例えば、アクリルゴムを含有する組成物を複数層に積層したものを総じて第一層としても良いし、フッ素樹脂を複数層に積層したものを総じて第二層としても良い。又、第二層の外周に別の第三層を被覆しても構わない。
以下に図1を参照して本発明の実施例を比較例と併せて説明する。この実施例で使用した各材料の詳細は表3に示す通りである。
表3に示した配合材料を表1,2に示した配合部数により2軸混練機で十分に混練し、得られたアクリルゴムを含有する組成物を180℃×10分、60kgf/cmの条件にてプレス加硫し、厚さ約1mmのシート状サンプルを作製した。又、得られたアクリルゴムを含有する組成物を素線径0.18mmのスズメッキ軟銅線を19本撚り合わせてなる外径約0.9mmの導体3の周上に厚さ約0.3mmにて被覆して第一層1とし、更にその周上にフッ素樹脂を被覆して第二層2とし、仕上がり外径1.9mmの電線サンプルを作製した。尚、架橋については、電離放射線による照射架橋とし、シート状サンプルについてはシート状にて架橋を行い、電線サンプルについては、第一層1及び第二層2を一括して架橋を行った。
ここで、この様にして得られた合計11種類のシート状サンプルについて、耐熱性、耐油性についてそれぞれ評価を行った。又、電線サンプルについて、機械的強度、電気特性、電線耐熱性、第一層1と第二層2の接着性について、それぞれ評価を行った。結果は各配合材料の配合部数と共に表1、表2に併せて示した。
評価方法は以下の通りである。
(機械的強度)
JIS C3005に準拠して、引張強度及び伸びを測定する。
(第一層耐熱性)
JIS K6251に準拠して、150℃×4日加熱後の引張強度と伸びを測定する。合否の基準としては、強度残率50%以上、及び伸び50%以上を○(合格)とし、これに満たないものを×(不合格)とした。
(第一層耐油性)
市販されているATフルードに165℃×5日浸漬後、JIS K6251に準拠して引張強度、伸びを測定する。合否の基準としては、強度残率50%以上、及び伸び50%以上を○(合格)とし、これに満たないものを×(不合格)とした。
(ブレード磨耗性)
JASO D 608に準拠して、荷重510g、R=0.125にてブレード摩耗性を測定する。合否の基準としては、300回以上を○(合格)とし、これに満たないものを×(不合格)とした。
(電気特性)
JASO D 608に準拠し体積抵抗を測定する。合否の基準としては、10Ω・mm以上のものを○(合格)とし、これに満たないものを×(不合格)とした。
(電線耐熱性)
150℃の恒温槽中に7日間保持した後、上記機械的強度と同様に引張強度及び伸びを測定する。合否の基準としては、強度残率50%以上、及び伸び50%以上を○(合格)とし、これに満たないものを×(不合格)とした。
(電線耐油性)
市販されているATフルードに165℃×5日浸漬後、JIS K6251に準拠して引張強度、伸びを測定する。合否の基準としては、強度残率50%以上、及び伸び50%以上を○(合格)とし、これに満たないものを×(不合格)とした。
(内層と外層の接着性)
長さ5mm、幅25mmのシートサンプルにおいて、第一層1と第二層2の接着部位を速度50mm/minにて剥離試験を行う。合否の基準としては、第一層1と第二層2がきれいに剥がれず材料破壊したものを○、接着はしていたものの第一層1と第二層2の界面にて剥がれが生じたものを△、全く接着しなかったものを×とする。
Figure 0005276891
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いずれの実施例も、実使用上十分な機械的強度、耐熱性及び耐熱性を有していることが確認された。また、第一層1と第二層2との接着性に優れるものであることが確認された。
実施例1、実施例2、実施例3と実施例8とを比較すると、実施例1、実施例2、実施例3は、ポリオレフィンを混和することで電気特性にも優れるという効果を得ていることが確認された。また、実施例1、実施例2、実施例3と実施例9とを比較すると、本発明の好ましい範囲よりも多くポリオレフィンを混和した実施例9は、耐熱性と耐油性にやや劣ることが確認された。
実施例1、実施例4、実施例5を比較すると、硬度が低いポリオレフィンを使用した実施例5は、やや耐油性に劣ることが確認された。また、高密度ポリエチレンを使用した実施例1は、特に優れた接着性を有していることが確認された。
実施例1、実施例6、実施例7と実施例10、実施例11を比較すると、本発明の好ましい範囲よりも少なくシリカ粉末を含有した実施例10は、機械的強度(引張強度)にやや劣り、本発明の好ましい範囲よりも多くシリカ粉末を含有した実施例11は、機械的強度(伸び)、耐熱性にやや劣ることが確認された。
以上詳述したように本発明によれば必要上十分な機械的強度、耐熱性、耐油性を有し、フッ素系材料のみを被覆した電線との置き換えが低コストで可能な耐熱耐油絶縁電線を得ることができる。その為、この電線は、例えば、電気機器内配線、自動車用ハーネスなどのような電線・ケーブルとして好適である。特に、自動車のAT装置内に配置されるような電線として最適なものである。又、使用用途としてはこれらに限定されることはなく、例えば、他の耐熱・耐油要求のある用途としても使用可能である。
本発明の実施例による電線の構成を示す一部切欠斜視図である。
符号の説明
1 第一層
2 第二層
3 導体

Claims (8)

  1. 導体周上に、アクリルゴムを含有する組成物からなる第一層が被覆され、該第一層の外周にフッ素樹脂からなる第二層が被覆され、上記第一層と上記第二層とが密着していることを特徴とする耐熱耐油絶縁電線。
  2. 上記第一層の組成物は、アクリルゴムとポリオレフィンを99:1〜61:39(重量比)の範囲で混和したものであることを特徴とする請求項1記載の耐熱耐油絶縁電線。
  3. 上記第一層の組成物が、シリカを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか記載の耐熱耐油絶縁電線。
  4. 上記第二層のフッ素樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項記載の耐熱耐油絶縁電線。
  5. 上記第一層及び第二層が、架橋されていることを特徴とする請求項4記載の耐熱耐油絶縁電線。
  6. 導体周上に、アクリルゴムを含有する組成物からなる第一層を押出被覆し、上記第一層を押出被覆した後又は上記第一層を押出被覆すると同時に、上記アクリルゴムを含有する組成物が未架橋の状態で、上記第一層の外周にフッ素樹脂からなる第二層を押出被覆することを特徴とする耐熱耐油絶縁電線の製造方法。
  7. 導体周上に、アクリルゴムを含有する組成物からなる第一層を押出被覆し、上記第一層を押出被覆した後又は上記第一層を押出被覆すると同時に、上記第一層の外周にフッ素樹脂からなる第二層を押出被覆し、上記第一層及び上記第二層を一括して架橋することを特徴とする耐熱耐油絶縁電線の製造方法。
  8. 電離性放射線を使用した照射架橋法によって、上記第一層及び上記第二層を一括して架橋することを特徴とする請求項6又は請求項7の何れか記載の耐熱耐油絶縁電線の製造方法。
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