以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、この実施例により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の一実施例である解答集計システムの全体像を示す図である。本システムは、複数台の携帯型ゲーム装置10(解答者端末の一例)と集計サーバ50とがネットワークを介して接続されて構築されている。携帯型ゲーム装置10は、Wi−Fi(登録商標)等の無線通信で最寄りのアクセスポイントにアクセスする。そして、当該アクセスポイントを経由して、集計サーバ50とコネクションを確立することで、集計サーバ50との通信が可能となる。なお、解答者端末については、据え置き型ゲーム装置でもよい。また、本発明は、ゲーム装置のみに適用されるものではなく、一般の情報処理装置(PC)などでも適用可能である。また、解答者端末と集計サーバとは有線通信で接続されてもよい。
図2は、本発明の一実施形態に係る携帯型ゲーム装置10の外観図である。図2において、携帯型ゲーム装置10は、第1のLCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)11および第2のLCD12を含む。ハウジング13は上側ハウジング13aと下側ハウジング13bとによって構成されており、第1のLCD11は上側ハウジング13aに収納され、第2のLCD12は下側ハウジング13bに収納される。第1のLCD11および第2のLCD12の解像度はいずれも256dot×192dotである。なお、本実施形態では表示装置としてLCDを用いているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置など、他の任意の表示装置を利用することができる。また任意の解像度のものを利用することができる。
上側ハウジング13aには、後述するスピーカ19からの音を外部に放出するための音抜き孔14a、14bが形成されている。
上側ハウジング13aと下側ハウジング13bとを開閉可能に接続するヒンジ部にはマイクロフォン用孔21が設けられている。
下側ハウジング13bには、入力装置として、十字スイッチ15a、スタートスイッチ15b、セレクトスイッチ15c、Aボタン15d、Bボタン15e、Xボタン15f、およびYボタン15gが設けられている。また、さらなる入力装置として、第2のLCD12の画面上にタッチパネル16が装着されている。下側ハウジング13bには、電源スイッチ20、メモリカード18を収納するための挿入口、スタイラスペン17を収納するための挿入口が設けられている。
タッチパネル16は、抵抗膜方式のタッチパネルである。ただし、本発明は抵抗膜方式に限らず、任意の押圧式のタッチパネルを用いることができる。タッチパネル16は、スタイラスペン17に限らず指で操作することも可能である。
メモリカード18はゲームプログラムを記録した記録媒体であり、下部ハウジング13bに設けられた挿入口に着脱自在に装着される。
図3は、携帯型ゲーム装置10のブロック図である。図3において、ハウジング13に収納される電子回路基板30には、CPU31が実装される。CPU31には、バス32を介して、コネクタ33が接続されるととともに、入出力インターフェース(I/F)回路34、第1のグラフィック処理ユニット(第1GPU)35、第2のグラフィック処理ユニット(第2GPU)36、RAM37、LCDコントローラ40およびワイヤレス通信部42が接続される。コネクタ33には、メモリカード18が着脱自在に接続される。メモリカード18は、ゲームプログラムを格納するための記憶媒体であり、具体的には、ゲームプログラムを記憶するROM180とバックアップデータを書き換え可能に記憶するRAM185とを搭載する。メモリカード18のROM180に記憶されたゲームプログラムはRAM37にロードされ、RAM37にロードされたゲームプログラムがCPU31によって実行される。CPU31がゲームプログラムを実行して得られる一時的なデータや画像を生成するためのデータがRAM37に記憶される。I/F回路34には、操作スイッチ部15及びタッチパネル16が接続されるとともに、スピーカ19が接続される。スピーカ19は、音抜き孔14a、bの内側位置に配置される。また、図示は省略するが、マイクロフォンが、マイクロフォン用孔21の内側に配置される。
第1GPU35には、第1のビデオRAM(以下「VRAM」)38が接続され、第2GPU36には、第2のビデオRAM(以下「VRAM」)39が接続される。第1GPU35は、CPU31からの指示に応じて、RAM37に記憶される画像を生成するためのデータに基づいて第1のゲーム画像を生成し、第1VRAM38に描画する。第2GPU36は、CPU31からの指示に応じて、RAM37に記憶される画像を生成するためのデータに基づいて第2のゲーム画像を生成し、第2VRAM39に描画する。第1VRAM38および第2VRAM39はLCDコントローラ40に接続される。
LCDコントローラ40はレジスタ41を含む。レジスタ41はCPU31からの指示に応じて0または1の値を記憶する。LCDコントローラ40は、レジスタ41の値が0の場合は、第1VRAM38に描画されたゲーム画像をLCD11に出力し、第2VRAM39に描画されたゲーム画像をLCD12に出力する。また、レジスタ41の値が1の場合は、第1VRAM38に描画されたゲーム画像をLCD12に出力し、第2VRAM39に描画されたゲーム画像をLCD11に出力する。
I/F回路34は、操作スイッチ部15、タッチパネル16、およびスピーカ19などの外部入出力装置とCPU31との間のデータの受け渡しを行う回路である。タッチパネル16(タッチパネル用のデバイスドライバを含む)は、上述のように、スタイラスペン17によって入力(指示)された位置に対応する位置座標のデータを出力するものである。なお、本実施例では、表示画面の解像度は256dot×192dotであり、タッチパネル16の検出精度も表示画面に対応した256dot×192dotとして説明するが、タッチパネル16の検出精度は表示画面の解像度よりも低いものであってもよいし、高いものであってもよい。
ワイヤレス通信部42は、上記アクセスポイントや他の携帯ゲーム装置のワイヤレス通信部42との間で、ゲーム処理に利用されるデータやその他のデータをやりとりする機能を有しており、一例としてIEEE802.11の無線LAN規格に則った無線通信機能を提供する。そして、ワイヤレス通信部42は、受信したデータをCPU31に出力する。また、ワイヤレス通信部42は、CPU31から指示されたデータをサーバ50や他の携帯ゲーム装置へ送信する。なお、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等のプロトコルや所定のブラウザをワイヤレス通信部42や携帯型ゲーム装置10内の記憶部に実装することによって、携帯型ゲーム装置10は、ワイヤレス通信部42を介してインターネット等のネットワークとの接続が可能となる。そして、携帯型ゲーム装置10は、ネットワーク上で公開されている文書や画像等のデータを第1のLCD11および第2のLCD12で閲覧することができる。
図4は、本発明の実施形態にかかる解答集計システムで用いられる集計サーバ(以下、単にサーバと呼ぶ)50の構成を示したブロック図である。図4において、サーバ50は、通信部51と制御部52と記憶部53とで構成される。通信部51は、通信パケットの送受信を行うことで、アクセスポイントを経由で上記携帯型ゲーム装置10と通信を行う。制御部52は、集計処理等の他、通信部2を通じて携帯型ゲーム装置10との通信リンクを確立し、ネットワークにおけるデータ搬送制御や経路選択を行う。記憶部53は、制御部4で実行される集計プログラムや、携帯型ゲーム装置10との通信に必要な各種データが記憶される。
また、以下の実施例ではサーバ50は、単一のサーバマシンから構成されるが、図5に示すように、携帯型ゲーム装置から解答結果データや属性データを受信して記憶するアップロードサーバ、当該記憶されたデータを集計する集計演算サーバ、携帯型ゲーム装置にデータを送信するダウンロードサーバの3つのサーバマシンによって構成するようにしてもよい(また、これら3つのサーバ機能のうちのいずれか2つのサーバー機能を単一のサーバーで実現してもよい。特に、アップロードサーバー機能とダウンロードサーバー機能を単一のサーバーで実現してもよい)。このような構成にすることによって、例えばアップロードサーバやダウンロードサーバを通信を利用する他のゲームと共用する場合であっても、本実施形態のゲームに必要なデータのみを集計演算サーバに転送して必要な処理を行うことができるため、サーバのコストを削減できる可能性がある。なお、複数のサーバーにより構成する場合、これら複数のサーバはインターネットなどの広域ネットワークにそれぞれのサーバが接続されていてもよいし、LANで接続されていてもよい。また、各サーバ間がネットワークで接続される場合、各サーバで実行されるプログラム処理により自動的にデータの送受信処理を実行してもよいし、サーバのオペレータが手動で送信処理または受信処理を起動してもよい。
次に、図6〜図16を用いて、本実施形態が想定している解答集計システムの概要について説明する。本実施形態で想定する解答集計システムは、クイズゲームシステム(以下、クイズゲーム)である。クイズの出題内容は、例えば常識を問う問題等が出題されるものである。図6は、携帯型ゲーム装置10上で実行されるクイズゲームの画面の一例である。ROM180に記憶される問題データに基づいて、LCD11には問題文が表示され、LCD12には、選択肢が4つ表示されている。また、この問題をパスするためのパスボタン60も表示されている。プレイヤは、当該4つの選択肢から、正解だと思うものを選び、スタイラスペン17等でタッチすることで解答していく。また、出題形式としては、複数の選択肢から選択する問題の他にも例えば、漢字を解答させる問題で、タッチパネルに文字を入力して解答する形式のものや、複数の選択肢の正しい組み合わせを解答させる問題であって、タッチパネルに線を入力し、選択肢を結ぶことで組み合わせを解答させる形式のもの等、様々な形式の問題が含まれていてもよい。このように、問題に解答していき、所定の問題数を解答し終えると、結果画面として点数や成績等が表示される。なお、ROM180には、それぞれの問題データに対して正解データが記憶されており、ユーザの解答結果データと正解データとを比較することにより、正解か不正解かの判定がおこなわれる。
図6は、結果画面の一例を示す図である。図6に示すように、結果画面では、5つの項目に分類されたレーダーチャートの形式でプレイヤの成績が表示される。ROM180には複数(ここでは5つ)に分類されて問題データが記憶されており(たとえば、分類識別データを付して問題データが記憶されており)、この分類ごとに成績が算出されて表示される。なお、この成績は、そのときまでにプレイヤがやってきた問題全てについての成績となっている。つまり、今回のプレイで解答した問題数が10問だけとしても、それまでに既に30問解答していれば、これを併せた40問分を総合した成績が結果画面に表示される。この処理は、携帯型ゲーム装置10またはメモリカード18には不揮発性のメモリが設けられており、当該メモリに過去の解答履歴(正誤データまたは解答データ自体)が記憶され、当該解答履歴に基いて、過去の成績が表示される。なお、今回のプレイで解答した問題についてのみ、または、過去の所定回数分や過去の所定期間分に解答した問題についての成績を表示するようにしてもよい。また、この他、ある問題に対する初回の解答結果と現在の解答結果とを用いて、プレイヤの学習度や努力度なども表示される。この処理は、各問題データごとに初めて解答したときに、そのときの解答結果データを不揮発性のメモリに記憶しておき、そのデータと、今回の解答結果データとを比較することにより実現される。
また、本実施形態におけるクイズゲームは、ネットワーク通信に対応している。具体的には、携帯型ゲーム装置10は、上述のように、無線通信で近くのアクセスポイントにアクセスする。そして、当該アクセスポイントを経由して、サーバとコネクションを確立することで、プレイヤの解答結果(正解か不正解かを示すデータであってもよいし、これに加えてパスや未解答を示すデータであってもよく、また、解答した内容自体を示すデータ(たとえば、選択肢を入力される問題の場合に選択肢を識別するデータ)であってもよい。後者の場合には、サーバ50に正解データを記憶し、サーバ50上で正誤判定がおこなわれるようにしてもよい。また、前者に加えて後者を送信してもよい)およびプレイヤの年齢や性別、住所地、成績、プレイ頻度等のプレイヤの属性情報をサーバに送信することができる。同じように、全国のプレイヤからそれぞれの解答結果および属性情報がサーバに送信され、集計されていく。そして、集計した結果は携帯型ゲーム装置10に送信され、例えばプレイヤの成績と全国平均の成績などを比較した画面が表示されたり、プレイヤと同じくらいの成績である他のプレイヤが何人いるのか等が表示される。
更に、本実施形態にかかるクイズゲームでは、上記ネットワーク通信を用いて、複数の問題の組み合わせからなる問題の集合データをダウンロードすることができる。以降、この問題の集合データを「問題パック」と呼ぶ。この「問題パック」とは、上記クイズゲームが有する問題のうち、所定の問題を組み合わせた、一種の問題セットであり、1パックは例えば5問程度の問題を有する。例えば、本実施形態にかかるクイズゲームでは、2000問の問題が収められているとする。そして、上記サーバ上で実行されるプログラム処理により、これらの問題のうち、例えば「20代の男性がよく間違える問題トップ5」の問題のように、所定のテーマに基づいた問題を、上記サーバ50に集計されたデータに基づいて選び出す。この処理は、例えば、各携帯型ゲーム装置10から年齢データを付した解答結果データをサーバ50に送信し、サーバ50では、年齢データが20代を示す解答結果データに基づいて集計処理をし(すなわち、各問題データごとに正誤数や率の算出をおこない)、不正解の数または率が高い問題データが5つ選択されて問題パックが生成される。そして、当該選び出した5問(より正確には、携帯型ゲーム装置10に収められている2000問のうち、この5問を識別するための問題ID)が「問題パック」としてサーバ50上にアップロードされる。それ以外にも、さまざまな条件で生成された問題パックが複数用意され、アップロードされる。より具体的には、それぞれの属性ごとに(すなわち、例えば、20代、30代、40代…のそれぞれについて)、当該属性を示す解答結果データに基づいて集計処理をし、すなわち、当該属性を示す解答結果データに基いて各問題データごとの正解の数・率、不正解の数・率、パスの数・率、未解答の数・率などを算出し、当該属性における正解率が高いトップ5や、不正解率が高いトップ5、パス数の多いトップ5などの生成された問題パックがそれぞれの属性について用意され、アップロードされる(なお、すべての属性について用意する必要はない)。携帯型ゲーム装置10は、上記サーバに接続し、「問題パック」をダウンロードする。このとき、サーバ50上にある全ての問題パックをダウンロードするのではなく、自己の携帯型ゲーム装置10に設定された属性(年齢・性別等)に応じた問題パックを選択的にダウンロードすることができる。これにより、例えば、年齢が20代のプレイヤに「20代の男性がよく間違える問題トップ5」を挑戦させることが可能となる。
このように、本実施形態に係るクイズゲームでは、各プレイヤの解答結果をサーバ50で集計し、その集計結果に基づいて、各属性に適した複数の「問題パック」を作成する。そして、携帯型ゲーム装置10のそれぞれに対して、サーバ50上の複数の「問題パック」のうちの当該携帯型ゲーム装置10の属性データに適した「問題パック」を提供することができる。
なお、サーバ50から携帯型ゲーム装置10にとりあえずすべての問題パック(属性データ付き)を送信し、携帯型ゲーム装置10が自己の属性データと一致する問題パックを選択して記憶するようにしてもよいし、携帯型ゲーム装置10から属性データを送信し、サーバ50が当該属性データと一致する問題パックを送信してもよいし、サーバ50から問題パックID(属性データ付き)を携帯型ゲーム装置10に送信し、携帯型ゲーム装置10で自己の属性データと一致する問題パックIDを選択して、当該問題パックIDをサーバ50に送信して、サーバ50から当該問題パックIDが示す「問題パック」を送信するようにしてもよい。なお、20代に設定された携帯型ゲーム装置10において、30代向けの問題パックをダウンロードできるようにしてもよい。集計結果は、日々異なってくるものであり、例えば上記「20代の男性がよく間違える問題トップ5」という「問題パック」であっても、時期によってこれに含まれる問題の組み合わせは異なってくる。そのため、プレイヤは、集計結果に基づき日々変化する様々な「問題パック」をダウンロードすることができ、飽きのこないクイズゲームを楽しむことが可能となる。また、自分に合った問題を解答させることができるので、学習効果を高めることができる。
なお、問題パックは、問題IDを複数含んだデータであってもよいし、問題データを複数含むものであってもよい。また、携帯型ゲーム装置10において「問題パック」を受信した後、自動的に当該問題パックが示す問題を提示するようにしてもよい。また、1つの携帯型ゲーム装置10を複数のプレイヤが利用する場合、プレイヤごとに属性データを設定して不揮発的に記憶しておき、いずれのプレイヤかを選択入力させて、当該選択されたプレイヤに関して設定された属性データに適した問題パックをダウンロードしてもよい。また、複数のプレイヤについての複数の属性データのそれぞれに適した問題パックをそれぞれダウンロードしておき、いずれかのプレイヤを選択入力させて、当該選択されたプレイヤに関して設定された属性データに適した問題パックのみを実行可能にしてもよい。
図8〜図13は、上記携帯型ゲーム装置10およびサーバ50の通信にかかる部分の画面例である。まず、図8で結果画面として上述したチャートが表示されている。ここで送信ボタン61を押す(タッチする)と、図9に示すように、通信開始の旨のメッセージが表示され、Wi−Fi(登録商標)等の通信を利用してプレイヤの解答結果がサーバに送信される。さらに、上述した問題パックや、集計された全国平均のデータ等がサーバからダウンロードされる。なお、サーバでは、各携帯型ゲーム装置10から送信される解答結果データに基づいて、上述のような「問題パック」の生成処理とともに、すべての解答結果データに基づく正解率などの全平均などを演算する処理がされて、携帯型ゲーム装置10に「問題パック」とともに送信する。その後、図10に示すように、自分(プレイヤ)のチャート(自己のメモリに記憶される解答結果データに基づいて表示される)と全国平均のチャート(サーバから送信される全平均データに基づいて表示される)が重なって表示される。更に、この画面で「次へ」ボタン63を押すと、図11に示すように、自分に近い成績のプレイヤ数等が表示される。さらに、図12のように、全国平均の成績や、自分の同じ成績の割合等を示す表示を行ってもよい。そして、この画面で「次へ」ボタン63を押すと、図13に示すように、新しい「問題パック」ができている旨が表示される。ここで、選択ボタン64を押せば、図14に示すような、「問題パック」の選択画面になる。図14では、計6個のダウンロードされた問題パックを示すアイコン65が表示されている。プレイヤはこれらの問題パックの中から自分が挑戦したいものを選び、アイコン65を押すと、当該問題パックに挑戦することが可能となる。なお、アイコン65には、「20代が苦手な問題」や、「男性が得意な問題」のように、当該問題パックのテーマが表示されるようにしてもよい。アイコン選択後は、当該問題パックに含まれる複数の問題を順番に解答していくことになる。この際、問題パックには、問題IDだけでなく、所定の集計結果や説明等の付加情報を含めることが可能であって、それらを利用して、例えば図15(a)に示すように、出題前に当該問題の正解率の高い県を提示したり、図15(b)のように、解答後に、全国の解答率を提示するようにすることもでき、その問題について難易度等の詳細な情報を得ることができる。具体的には、サーバにおいて、解答結果データに基づいて演算された、各問題の正解率や、正解率の高い属性や、選択肢ごとの解答率などのデータを利用して、各問題パックに対して当該データを付して各ゲーム装置に送信される。
ここで、本実施形態におけるデータの流れの概要を図16のデータフロー図を用いて説明する。図16に示すように、まず、複数の携帯ゲーム装置から解答結果データ(上記属性データも含む)がサーバに送信される。その後、サーバで複数の解答結果データが解答者毎に記憶媒体に記憶される(例えば、一定期間内にゲーム装置から送信された解答結果データが記憶される)。属性データも解答結果データに付して記憶される。当該記憶された解答結果データに基づいて集計処理が行われる。当該集計処理においては、全国平均のような統計的なデータが生成されると共に、別途作成された抽出条件データに基づいて解答者データの集計結果から問題が抽出されることで問題パックデータが作成される。この抽出条件は、例えば上述のような「20代の男性よく間違える問題トップ5」のような条件、換言すれば、上記問題パックの基となるデータである。次に、携帯ゲーム装置は、サーバから所定の問題パックをダウンロードする。そして、当該問題パックに含まれる問題が携帯ゲーム機上で出題されることになる。なお、抽出条件データは、例えば、オペレータが編集することにより条件を更新することができる。更新日が設定された抽出条件データをオペレータが予め作成してサーバ上の記憶部に記憶させておき、プログラムで当該更新日になったことを判定して更新してもよい。
次に、本実施形態で用いられる各種データについて説明する。まず、携帯型ゲーム装置10にかかる各種データについて説明する。図17は、図3に示したRAM37のメモリマップを示す図解図である。図17において、RAM37は、ゲームプログラム領域100およびデータ記憶領域103を含む。
ゲームプログラム記憶領域100は、CPU31によって実行されるゲームプログラムが記憶される。ゲームプログラム領域100に記憶されるプログラム・データは、メモリカード18のROM180に記憶されたプログラムがRAM37にコピーされたものである。このゲームプログラムは、ゲームメイン処理プログラム101、通信プログラム102などによって構成される。ゲームメイン処理プログラム101は、主に本実施形態に係るクイズゲームの処理を行うためのプログラムである。また、通信プログラム102は、主にサーバ50との通信に関する処理を行うためのプログラムである。
データ記憶領域103には、問題データ104、解答結果データ108、プレイヤデータ113などのデータが記憶される他、ゲームに登場するキャラクタ等に関するデータや仮想ゲーム空間に関するデータ等、クイズゲーム処理に必要なデータが記憶される。
問題データ104は、本クイズゲームで出題されるクイズ問題についてのデータである。問題データは、メモリカード18のROM180に記憶されたデータがRAM37にコピーされたものである。本実施形態では合計2000問の問題が収められている。そして、問題毎に、問題ID106と問題内容107が含まれる。問題ID106は、各問題を一意に識別するためのIDである。問題内容107は、具体的な問題の内容についてのデータである。問題の形式を示す識別データ、問題文テキスト、選択肢テキストおよびその番号データ、正解情報、問題として使う画像や音楽などのデータがこれに含まれている。
解答結果データ108は、プログラムを実行してユーザの入力に応じて生成されてRAM37に記憶されるデータである。また、このデータは適宜のタイミングでRAM185にもコピーされて記憶され、次回の実行時にはRAM185からRAM37にコピーされる。問題109毎に、問題ID106、解答状態110、初回解答111、最新解答112等から構成される。解答状態110は、初回と最終の解答結果を示すデータである。回答状態110は、正解・誤解答・パスの組み合わせによる9つの状態と未出題という状態の計10個の状態として設定される。例えば、10個の状態を数値によって表すようにして、当該問題が未出題という状態であれば、0という値を解答状態110に設定する。また、初回正解、最終正解であれば、1という値が、初回正解、最終誤解答であれば2という値が、初回正解、最終パスであれば3という値が、設定される。初回解答111は、その問題について初めて解答したときの解答内容である。例えば、4択問題の場合であれば、最初に解答したときの選択肢が格納される。また、文字を入力する形式の問題であれば、入力された文字を表わすコードが格納され、組み合わせを解答する形式の問題の場合には、全ての組み合わせに対応したコードを予め設定し、解答した組み合わせ方に対応するコードを格納するようにする。問題は、復習のために何度も解答することが可能なものであって、最新解答112は、その問題に最後に解答したときの解答内容であって、初回解答111と同様の形式によって、最後に解答した解答が格納される。なお、各問題IDごとに、出題されたかどうか(すなわち、当該問題IDによる問題データの再生がされたかどうか;解答入力がされたかどうかであってもよい)を示すフラグをRAM185に不揮発的に記憶しておく。ある問題IDについての問題データの再生がされたときに(または、その問題についての解答入力がされたときに)、当該フラグが未出題を示すかどうかがプログラムにより判断され、その場合には出題済を示すように変更される。また、解答入力がされたときに、当該フラグに基いて、その問題が初めて解答すると判断されたときには、当該解答入力についての解答データ(例えば、ユーザが選択入力した選択肢データ)、および/または、当該解答データと正解データに基づいて判断された正解/不正解の識別データ(任意で、パス識別データや未解答識別データであってもよい)をRAM185に不揮発的に記憶しておいても良い。
プレイヤデータ113は、本クイズゲームをプレイするプレイヤ自身に関する情報である。プレイヤデータ113は、機種データ114、性別データ115、地域データ116、年齢データ117、正答率チャート118等から構成される。これらのプレイヤに関する情報は、ゲームを最初に起動した場合にプレイヤに入力させたものを記憶しておいてもよいし、データの送受信を行う際にその都度入力するようにしてもよい。プレイヤデータ113(機種データ114以外)は、RAM185に不揮発的に記憶されたものがRAM37にコピーされたものである。
機種データ114は、ゲーム機の機種を示すためのデータである。本実施形態では携帯型ゲーム装置10を例として説明するが、この他、据え置き型ゲーム機等の場合であっても本実施形態のクイズゲームは適用できる。したがって、携帯型ゲーム機と据え置き型ゲーム機の両方がサーバとデータを通信するシステムを構成してもよい。そのため、本クイズゲームが実行されている端末が携帯型ゲーム装置10であるか据え置き型ゲーム装置であるかを識別するための情報が機種データ114に格納される。機種データ114は、ROM180に記憶されたデータがRAM37にコピーされたものである。
性別データ115は、プレイヤの性別を示す情報である。例えば、男性/女性/秘密/未定義の4種類のいずれかを示す値が入る。地域データ116は、プレイヤの住んでいる地域を示すための情報であって、例えば県や地方を示すコードが格納される。年齢データ117は、プレイヤの年齢を示す情報である。
正答率チャート118は、プレイヤの正答率や成績を示すための情報である。すなわち、上記図5で示したようなチャートについての情報が格納される。ここで、本実施形態においては、チャートは上記図6に示したように、5つの項目に分類されて表されている。具体的には、「礼儀」「知恵」「社会」「きまり」「教養」の5種類の項目に分類されている。また、出題される問題についても、この5項目に予め分類されている。(すなわち、ROM180には、問題IDごとに、問題内容データとともに、この5項目のうちのいずれかを示す識別データが記憶されている)そして、自己の解答結果データに基づいて、この項目毎に正答率が累計され、項目毎に正答率が例えば5段階で表される。例えば、正答率チャート118には、「53142」という値が格納される。これは、左から順に、「礼儀」「知恵」「社会」「きまり」「教養」の値を示している。また、この値自体が、チャートのパターン(図6に示す5角形の形状に相当;全3125パターン)を示すチャートパターン番号として用いられる。
次に、集計サーバ50にかかる各種データについて説明する。図18は、図4に示した記憶部53のメモリマップを示す図解図である。図18において、記憶部53は、サーバプログラム記憶領域200およびデータ記憶領域204を含む。
サーバプログラム記憶領域200は、制御部52によって実行される各種プログラムを記憶し、このプログラムは、集計処理プログラム201、問題パック作成プログラム202、通信プログラム203などによって構成される。集計処理プログラム201は、主に集計処理を行うためのプログラムである。問題パック作成プログラムは、上記問題パックを作成するためのプログラムである。また、通信プログラム102は、主に携帯型ゲーム装置10との通信に関する処理を行うためのプログラムである。また、この他、後述する抽出条件データ208の内容を運営者などが手動で更新するための、抽出条件エントリプログラム等も格納されている。
データ記憶領域204には、チャート相関データ205、解答情報データ206、問題パックデータ207、抽出条件データ208、問題パックリスト209、解答者データ210などのデータが記憶される他、携帯型ゲーム装置10との通信に必要なデータが記憶される。
図19は、チャート相関データ205のデータ構造の一例を示す図である。チャート相関データ205は、サーバ50と通信を行った全プレイヤのチャート(図7参照)についてのデータであり、全プレイヤ数301、平均相関チャート302、全相関チャート303等で構成される。全プレイヤ数301は、プレイヤ登録処理を行ったプレイヤの数である。つまり、本クイズゲームの解答結果を一度でもサーバに送信したことのあるプレイヤの数である。平均相関チャート302は、全プレイヤの平均チャートを表すデータである。上述のように、本クイズゲームでは5項目5段階でチャートを表すため、この5項目についての正答率の平均値が取られて、チャートとして表される。全相関チャート303は、上記5項目5段階で表されるチャートの各パターン(図7に示す5角形の形状)について、それぞれどのような属性(地域・年齢・性別)を持ったプレイヤが多いか等、チャートパターン毎のプレイヤの傾向を示すためのデータである。
図20は、解答情報データ206のデータ構造の一例を示す図である。解答情報データ206は、全問題の解答情報が格納されたデータである。問題401毎に、問題ID402、解答者数403、誤解答情報&割合404、正解率405、誤答率406、パス率407等のデータが含まれている。問題ID402は、上記携帯型ゲーム装置10の問題データ104に含まれる問題ID106に対応するIDである。解答者数403は、その問題を解いた人数を示す。誤解答情報&割合404は、その問題について一番多かった間違いと、間違いの中での割合を示す情報である。例えば、選択肢が4つの問題で、正解が1つめの選択肢であった場合、不正解である2つめ〜4つめの選択肢の中で一番よく選ばれた選択肢(最も間違えられた選択肢)がどれであるかの情報と、不正解の各選択肢それぞれの選ばれた割合を示す情報である。その他の形式の問題についても、前述した初回解答111のような所定の形式による解答情報が、割合とともに記憶される。正解率405は、その問題の正解率を示す。誤答率406は、その問題の誤答率を示す。パス率407は、その問題がパスされた割合を示す。上記正解率405、誤答率406、パス率407等のデータについては、全てのデータの平均によるデータだけでなく、地域別や年代別のトップ3やワースト3のようなデータがさらに含まれていてもよい。チャート相関データ205および回答情報データ206は、集計プログラムを制御部52が実行することにより、携帯型ゲーム端末10から受信した解答結果データ108を集計して生成されたデータが記憶される。
図21は、問題パックデータ207のデータ構造の一例を示す図である。問題パックデータ207は、上述した問題パックについてのデータである。各問題パック501毎に、パックタイトル504、パック説明505、および、複数の問題データ506から構成されている。また、それぞれの問題パックのファイル名は、後述するように、条件によって検索可能なファイル名が付与される。
パックタイトル504は、当該問題パックのタイトルを示す文字列データである。例えば、「30代男性がよく間違える問題ベスト5」等である。パック説明505は、当該問題パックについての説明等を示すデータである。また、当該問題パックの更新日や更新回数についても、これに含まれる。
問題データ506は、当該問題パックに含まれる問題(上述のように、1パックに5問含まれる)についての情報であり、具体的には、回答情報データ領域206に記憶された全問題についての解答情報データ206のうち、当該問題パックに含めるとして選択された問題IDについての回答情報データ206のみがコピーされて領域506に記憶される。回答情報データ206には問題IDが含まれており、当該問題IDにより当該問題パックに含まれる問題が特定される。また、、解答情報データ206に含まれるさまざまな統計的なデータ(回答者数データ、誤解答情報&割合データなど)を問題IDと共に提供することで、前述の図15のように、問題パックに解答する際に出題と共に問題の情報を提示することができるようになる。当該問題パックを受信したゲーム端末において、当該問題パックに含まれる問題IDにより、当該問題IDに対応する問題内容データにより問題が出題される際に(当該問題IDに対応する問題が出題されることが決定され、当該問題の問題内容データが出力される直前に(問題開始時に)、または、当該問題の問題内容データが出力されて回答入力がされた直後に(問題終了時に)、当該回答情報データ206に含まれる統計的なデータが出力されて提示される。
図22は、抽出条件データ208のデータ構造の一例を示す図である。抽出条件データ208は、問題パックを作る際に用いられる抽出条件についてのデータである。当該抽出条件データ208は、サーバ管理者や運営者などによって、例えば週に一度、サーバが備える入力手段(キーボードなど)によりその内容が手動で更新される。抽出条件データ208は、パックタイトル601、抽出条件602、パック説明テキスト603等により構成される。
パックタイトル601は、上記問題パックデータ207のパックタイトル504の基となるデータである。換言すれば、問題パック作成時に、パックタイトル601の文字列がパックタイトル504として設定されることになる。
抽出条件602は、問題パックに含めるべき問題ID106を抽出する際の抽出条件が設定される。この抽出条件は、上記プレイヤデータ113の各項目に着目した条件である。例えば、「30代の男性がよく間違える問題ワースト5」や「東京の女性の正解率の高いトップ5」のような、性別データ115、地域データ116、年齢データ117に着目した抽出条件や、「礼儀が1段階の人がよく間違えるワースト5」や「チャートパターン番号が53142番の人がよくパスした問題トップ5」のような、正答率チャート118に着目した抽出条件が設定される。例えば、「30代の男性がよく間違える問題ワースト5」の場合、抽出条件として、「30代男性」を識別するデータ、「誤答率が高い」旨を識別するデータを、抽出条件602に運営者が手動で設定しておく。そして、問題パック作成プログラム202を制御部が実行することにより、その抽出条件を読み出して、回答者データのうち、プレイヤデータが性別および年齢が「30代の男性」を示す回答結果データを問題IDごとに集計することにより、誤答率が高い5つの問題IDを特定して、問題パックに含める問題IDとして設定する。パック説明テキスト603は、当該問題パックの説明や、問題開始・終了時に画面に表示されるメッセージ等の文章が含まれる。抽出条件602は複数の条件が設定可能であり、各条件についてそれぞれ当該条件を満たす問題パックが生成されることになる。
図23は、問題パックリスト209のデータ構造の一例を示す図である。問題パックリスト209は、上記問題パックデータ207に含まれる問題パックの一覧表(インデックス)としての意味をもつデータである。また、詳しくは後述するが、本実施形態では、携帯型ゲーム装置10において、問題パックをダウンロードする際、自己の上記プレイヤデータ113に応じた問題パックを選択する処理が行われる。当該処理の際に、この問題パックリスト209が用いられる。問題パックリスト209は、ファイル名701と、更新日702との集合で構成される。
ファイル名701は、問題パック501のそれぞれに付与されたファイル名であって、携帯型ゲーム装置10において、自己のプレイヤデータ113に応じた問題パックを選択する際に用いられる情報である。換言すれば、当該問題パックが対象としているプレイヤを示すための情報である。当該ファイル名701は、「ファイルの種類」と「番号」とを結合させた書式で生成される。例えば、「ファイルの種類」は大文字アルファべット1文字で表され、「番号」は数値で表される。以下、ファイル名の例をいくつか示す。例えば、「A27」というファイル名の場合、「A」が地域を表し、「27」がその地域のコード、例えば京都を示す。つまり、「A27」というファイル名のついた問題パックは、「地域」が「京都」であるプレイヤ向けの問題パックであることを示す。また、「B02」であれば、「B」が性別を示し、02が女性であることを示す。すなわち、女性用の問題パックであることを示す。「C23」であれば、「C」が年齢を示し、「23」が年齢を示す。「D22」の場合は、「D」がチャートの各要素を示し、「22」は、「教養」という要素が「2」であることを示す。また、「E06」というファイル名の場合は、「E」がチャートパターン(図6で示される5角形のチャートの形状)であることを示し、「06」は、そのパターン番号(具体的な5角形の形状)を示す。また、これとは別に、全プレイヤ共通用の問題パックの場合は、例えば「auto***」(***は000〜006)というファイル名がつけられ、これは全プレイヤにダウンロードさせたい問題パックがある場合に付与される。なお、問題パックに、その問題パックが対象としているプレイヤを示すための情報を含めておいても良い。この場合にはファイル名で判断する必要がなくなる。
更新日702は、各問題パックが更新された日付を示す。これはすなわち、同じ「A27」(京都向け)という名前のファイルであっても、その内容が時期によって異なるものとなる。例えば、1週間毎に内容を更新すると仮定すれば、同じ「京都」向けの問題パックであっても、先週と今週とでは、この問題パックに含まれる問題が異なっていることになる。そのため、携帯型ゲーム装置10においては、同じファイル名の問題パックを以前ダウンロードしていても、更新日702が新しい日付に更新されていれば、再度その問題パックをダウンロードしなおすという処理が行われる。なお、ダウンロードした問題パックごとにその問題パックを実行したかどうかを示すフラグをRAM185に記憶しておき、当該フラグに基いて、古い日付の問題パックであっても、当該問題パックを実行していない場合には、新しい日付の問題パックをダウンロードしないようにしてもよい。
図18に戻り、解答者データ210は、携帯型ゲーム装置10から送信されてきた解答結果データ108およびプレイヤデータ113を関連付けて、通信を行った全解答者のデータを解答者ごとに記憶しているものである。
次に、第1の実施形態にかかる解答集計システムによって実行される解答集計処理について説明する。まず最初に、事前準備として、携帯型ゲーム装置10にプレイヤの個人データを登録するための、プレイヤ登録処理が行われる。携帯型ゲーム装置10へのプレイヤ登録処理は、本ゲームを初めて起動したときに行われる。具体的には、本クイズゲームを初めて起動したときに、上記プレイヤの年齢、性別、地域について入力させる。そして、これらの情報が、上記プレイヤデータ113の性別データ115、地域データ116、年齢データ117に設定されてRAM185などに記憶される。上記事前準備が終われば、以下に説明するような処理が行われる。
図24は、携帯型ゲーム装置10およびサーバ50によって実行される通信処理を示すフローチャートである。図24において、まず、携帯型ゲーム装置10において、クイズ問題の出題とそれに対する解答入力が行われる(ステップS1)。ここでは、1ゲーム10問を一区切りとしてプレイヤは解答するものとする。このステップS1の処理をより具体的に説明すると、CPU31は、所定の問題を選んで(例えば、問題の出題順がプログラムで設定されている)、LCD11、12に表示する。プレイヤはこれに対して、タッチパネル16等を介して解答を入力する。次に、CPU31は、プレイヤが解答した内容に応じて解答状態110を適宜設定する。また、最新解答112に、解答した内容(選択肢など)の情報が設定される。更に、初めて解答した問題については、初回解答111にも、その解答内容を設定する。
次に、10問分の解答が終わると、CPU31は、結果表示画面を表示し(図7参照)、解答結果データ108を送信する(ステップS2)。このステップS2の処理をより具体的に説明すると、まず、CPU31は、図7で示したような結果表示画面を表示する。この画面で、プレイヤが解答結果データの送信を指示すれば、CPU31は、近くのアクセスポイントにアクセスする。そして、CPU31は、サーバ50とのコネクションを確立する。コネクションが確立すれば、解答結果データ108をサーバ50に送信する。このとき、プレイヤデータ113についても、併せて送信する。なお、回答が終わったときにすぐに送信処理をする必要はなく、ユーザが通信処理の実行入力をするなどの任意のタイミングでそのときに初回回答111や最新回答112に記憶されているデータを送信するようにしてもよい。
次に、サーバ50において、制御部52は、携帯型ゲーム装置10から送信されてきた解答結果データ108とプレイヤデータ113とを対応づけて、記憶部53の解答者データに記憶する(ステップS3)。当該受信、記憶処理は、携帯型ゲーム装置からデータが送信されるたびに、常時行われることになる。
記憶部53に記憶された解答結果データ108に対しては、集計処理が行われる(ステップS4)。ここで、当該集計処理は、例えば1日1回、決まった時刻(夜間等)に、それまでに記憶部53に記憶された解答者データに対して行われるものとする。当該集計処理では、解答情報データ206やチャート相関データ205の生成、更新が行われる。すなわち、問題毎にその解答者数403や正解者数、誤解答者数を集計し、正解率405や誤答率406、パス率407を算出する。また、誤解答の場合は、その内容(間違え方)についての集計も行い、誤解答情報&割合404を更新する。このとき、初回解答と最新解答とで個別に集計しておくことが好ましい。これは、最新解答のみを基準にすると、同じ問題を反復して解答している場合は正解率が高くなってしまい、問題の性質(例えば、世間の「常識」を調べるような問題)などによっては、適切なデータとして利用できないことがあるためである。このように、1日1回集計処理が行われることによって、解答情報データ206の更新が行われる。更に、当該集計処理において、解答平均相関チャートなどが算出され、チャート相関データ205の更新も行われる。
さらに、サーバ50において、解答者データ210の集計によって問題パック作成処理が行われる(ステップS5)。すなわち、上記抽出条件データ208と、上記解答者データ210とを参照しながら、問題パックデータ207を作成・更新する処理が行われる。まず、上記抽出条件データ208の1件目から順に、抽出条件602(例えば、30代の男性で誤答率が高い順に5問、等)を取得し、同時に上記解答者データ210を集計(例えばそれぞれの問題における30代男性の誤答率を算出して比較)することによって当該抽出条件に沿った問題ID106を抽出していく。そして、抽出された問題に対応する解答情報データ206内の問題401それぞれの集合を、パックタイトル504、パック説明505等と共に、後述する所定のファイル名を付与して保存する。このようにして、問題パックデータ207を作成あるいは更新していく。ここで、抽出に用いる正解率等は、初回解答のものを用いるようにしても、最新解答のものを用いるようにしても、問題パックの作成は可能である。初回解答のものを用いる場合は、復習による正解率の増大が反映されていないため、統計的に正確な条件で問題を選択することができ、自分と世間との比較をより正確に行うことができる。また、最新解答のものを用いるようにする場合には、復習によって正解率が増大していることが想定できるので、なかなか身につかない問題や、一度で覚えなければいけない問題のように重要な問題を選択することができる。
次に、サーバ50において、問題パックリスト209の作成が行われる(ステップS6)。具体的には、問題パックデータ207のファイル名が、その更新日とともに書き込まれる。また、既存のファイル名701が付与された問題パックについても、その内容が更新されるとともに、更新日702が新たな日付で更新される。
携帯型ゲーム装置10において、CPU31は、サーバ50にアクセスし、サーバ50に問題パックリスト209の送信を要求する(ステップS7)。より具体的には、まず、上記ステップS1の処理で、携帯型ゲーム装置10上で、問題出題〜解答入力処理が行われる。そして、ステップS2と同様の結果表示および結果の送信が行われるが、このときに、問題パックリスト209の要求画面(上記図13参照)が表示される。そして、プレイヤの要求に応じて問題パックリスト209を要求することになる。これに応じて、サーバ50は、要求のあった携帯型ゲーム装置10に問題パックリスト209を送信する(ステップS8)。ここで、上述のように、集計処理は例えば1日1回程度しか行われないので、このとき送信される問題パックリスト209は、最後に更新されたリストであって、直前に自己が送信したデータが集計に反映されているとは限らないが、問題パックは統計的なデータに基づいて作成されるものであるので、リアルタイムに送信結果が反映されたものでなくとも構わない。なお、本実施例では、S2からS12までの処理(端末)とS3からS11(サーバ)の処理が連続して(一時に)おこなわれる、回答結果データの送信と問題パックの受信が一時におこなわれるため、一度のサーバーへの接続により両方が実現されて効率的である。また、問題パックを受信するためには(または統計的データを受信するためには)自己の回答結果データを送信することが必須となり、より多くの回答結果データを収集することが可能になる。
次に、携帯型ゲーム装置10において、CPU31は、サーバ50から送信された問題パックリスト209を受信する(ステップS9)。続いて、CPU31は、受信した問題パックリスト209の中から、自己のプレイヤデータ113に応じて、所定の問題パックを選択する。具体的には、問題パックリスト209内のそれぞれのファイル名701と、自己のプレイヤデータ113の各項目の値とを付きあわせて、ダウンロードすべき問題パック501を選択する。例えば、プレイヤデータ113が「地域=京都」、「性別=女性」、「年齢=25」という内容である場合は、ファイル名が「A27」、「B02」、「C25」のような名前の問題パックをダウンロード対象として選択する。逆に言うと、「A15」や「B01」というファイル名があっても、これらはダウンロード対象とはしない。さらに、上述した「auto***」のような全ての解答者を対象とするファイル名については、必ず選択されることになる。なお、ここでは、ダウンロード対象とする問題パック数は最大6つとする。そして、これら選択した問題パックのファイル名をサーバに通知することで取得要求を行う(ステップS10)。これに応じて、サーバ50は、当該要求されたファイル名を有する6つの問題パック501のデータを携帯型ゲーム装置10に送信する(ステップS11)。この際、さらに上述のチャート相関データ205等の統計的なデータも送信される。
次に、携帯型ゲーム装置10において、CP30は、サーバ50から送信されてきた6つの問題パック501を受信する(ステップS12)。同時に、チャート相関データ205も受信する。プレイヤは、図14で示すように、受信した6つの問題パック501の中から所望の問題パック501を選択する。CPU31は、プレイヤに選ばれた問題パック501に含まれるのパックタイトル504やパック説明505を表示した後、当該問題パックに含まれる問題に対応する問題ID106に基づいて、自己のRAM37に記憶された問題データ104から所定の問題を読み込み、出題する(ステップS13)。これに応じて、プレイヤは解答入力を行っていく。この際、それぞれの問題について、対応解答情報データ507(すなわち、回答情報データ206に含まれる問題401毎の正解率405等のデータ)が問題パックに含まれているため、図15に示すように、問題毎に正解率の高い県や、全国の解答率等を問題と共に提示することができる。チャート相関データ205については、図10〜図12のように、全国のデータと解答者自身のデータの比較結果を適宜のタイミングで提示するのに利用される。このとき、全国のデータについては、最新解答に基づいたデータは反復によって正解率が上昇していると考えられ、比較対象としての全国レベルを示す指標としては適切でないため、初回解答に基づいて集計された方のデータを提示するのが好ましい。
次に、プレイヤの解答入力が終了次第、CPU31は、結果画面を表示するが、このとき、以前に出題したことのある問題を出題した場合は、初回解答111を用いて、プレイヤの学習度や努力度を表示する(ステップS14)。具体的には、今回出題した問題の解答状態110が「未出題」という状態でなければ、初回解答111の内容と最新解答112の内容とを比較することにより、以前は間違えていたが今回は正解であったか、あるいはその逆であるか等を判別する。そして、その結果を学習度や努力度として表示する。例えば、学習度や努力度として、以前解答した問題、または以前間違えた問題での正解率や、正解数を算出するようにしてもよい。更に、平均相関チャート302を利用して、全国平均とプレイヤの成績の比較などを表示する(上記図10参照)。また、上述の集計処理において、平均相関チャート302に、上述の学習度や努力度によるチャートを含めるようにして、学習度、努力度の比較を行うシステム構成としてもよい。
このように、第1の実施形態では、集計結果に基づいて解答者の属性(地域や年齢、正解率やチャート等)に合わせた問題を選択し、その問題を解答者に解答させることができる。これにより、例えば解答者と同じ属性を持つ解答者が苦手な問題や得意な問題等を半意図的に解答させることができ、解答者の学習効率を上げることができる。また、上記のようなクイズゲームに適用すれば、飽きのこないクイズゲームを提供することが可能となる。
また、初回解答を記録し、これを用いることで、解答者の学習度合い、成長度合いなどを解答者に提示することができる。これによって、解答者は、自己の成長ぶりを実感することができ、学習等に対するモチベーションの低下を防ぐことができる。
また、初回解答を用いることで、解答者の経験度による影響を排除した集計処理や問題選択処理を行うことが可能となる。
なお、上記第1の実施形態において、プレイヤデータ113については、解答結果データを送る際に一緒に送信するようにしていた。これに限らず、サーバ50に対してもプレイヤ登録処理を行うようにしても良い。例えば、サーバと初めて通信するときに1度だけ、プレイヤ登録処理として、性別データ115、地域データ116、年齢データ117をサーバに送信するようにしてもよい。このとき、プレイヤを一意に識別できるようなユーザIDを携帯型ゲーム装置10で生成し、併せて送信しておく。そして、サーバ50では、当該ユーザIDを基に管理する。その後は、携帯型ゲーム装置10から解答結果データを送信する際は、ユーザIDを併せて送信するようにすればよい。これにより、送信データ量を削減することが可能となる。
また、上記ステップS4の集計処理において、集計する際に、上記のような年齢別、地域+年齢別等の、地域・年齢・性別の組み合わせに応じた抽出条件で問題毎の正解率、誤答率、パス率等を予め算出しておき、当該抽出条件と対応づけて一時的に記憶部53に記憶しておいても良い。例えば、正解率、誤答率、パス率に、それぞれ、地域、性別、年齢という3つの条件の組み合わせ方に応じた複数のパターンでプレイヤの割合等を保存する。正解率の場合であれば、「○○地域の男性が20%正解」のような情報を一緒に保存するようにすればよい。但し、全ての情報ではなく、各率のベスト3およびワースト3の情報のみを保存することが好ましい。例えば、正解率の場合、正解率の高い地域ベスト3(例えば、大阪が50%、京都が48%、奈良が35%)、地域および性別で正解率の高いベスト3(例えば、大阪の男性が70%、奈良の男性が60%、京都の女性が55%)、性別および年齢で正解率の高いベスト3(例えば、10代女性が80%、30代女性が75%、10代男性が70%)、地域、年齢、性別でのベスト3(大阪の30代の男性が90%、東京の20代の男性が88%、名古屋の20代の女性が85%)等のパターンで保存される(地域、性別、年齢の3つを組み合わせるため、パターン数は計7パターンとなり、それぞれのパターン毎にベスト3とワースト3とが保存される)。そして、その後の問題パック生成処理において、当該一時的に保存された情報を検索して抽出するようにしてもよい。これにより、問題パック生成処理において、例えば問題パック数が多い状況等においては、その都度、全解答者データを対象として抽出処理を行うよりも処理負荷を軽減することが可能となる。
上記の実施例においては、問題パックには問題IDが含まれ、対応する問題を携帯型ゲーム装置10の問題データ104から読み出して出題する構成であったが、問題パックに問題のデータそのものを含む構成としてもよい。この場合、携帯型ゲーム装置10に記憶されていない新たな問題を追加することも可能となり、さらに学習効果を高めることができる。
また、上記抽出条件602についても、上述のような、性別データ115、地域データ116、年齢データ117、正答率チャート118に着目した抽出条件だけに限らない。例えば、プレイヤの特性や進捗度(問題を解いた数。100問しか解いていない人と1000問解いた人とでは、初心者とベテランというような差がある)を抽出条件に組み込むようにしても良い。一例としては、「プレイヤのチャートパターンに近似するチャートパターンを有する人がよく間違える問題ワースト5」や、「プレイヤが今までに解答した問題数と同じ数だけ問題を解いている人がよく間違える問題ワースト5」のような条件がある。つまり、プレイヤとチャートが似ている人だけを対象にしたり、プレイヤの進捗度が近似している人だけを対象にするなど、そのプレイヤと同レベルであると考えられる人だけを対象とした抽出条件を用いるようにしても良い。更には、進捗度を利用して、「ベテランがよく間違える問題ワースト5」や「初心者がよく間違える問題ワースト5」等の抽出条件を用いるようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態では、ステップS10において、受信した問題パックリスト209からCPU31がプレイヤデータ113に応じた問題パックを選択していた。これに限らず、受信した問題パックリスト209の一覧を一旦画面に表示して、プレイヤに所望の問題パックを選択させるようにしてもよい。これにより、プレイヤの希望に沿った問題パックに挑戦させることができ、クイズゲームの興趣を高めることが可能となる。
更に、1台の携帯型ゲーム装置10を家族で共用する場合などを想定し、1台の携帯型ゲーム装置10に複数のプレイヤデータ113や各プレイヤの誤解答情報等を保持させるようにしてもよい。この場合は、例えば4人家族である場合は、4人分のプレイヤデータ113を携帯型ゲーム装置10に登録しておく。そして、サーバ50から受信する問題パック501については、家族全員の特性に応じた問題パック501を受信するようにする。そして、問題パック501の受信後に、更に、家族それぞれの正答率チャート118や各プレイヤの誤解答情報に基づいて、携帯型ゲーム装置10で抽出処理を更に行うようにしても良い。例えば、「自分以外の家族3人よりも自分の方が間違いが多い問題」のように、自分の家族との比較で更に問題を抽出して、上記図12で示した画面で表示するようにしてもよい。このようにすることで、家族全体の全国との比較や、家族内における個人の比較等を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に、図25を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、携帯型ゲーム装置10において、プレイヤデータ113に応じた問題パックの選択処理を行っていた。これに対して、第2の実施形態では、サーバ側でプレイヤデータ113に応じた問題パックの選択処理を行う。なお、当該実施形態に係る携帯型ゲーム装置10およびサーバ50の機能ブロック図およびハードウェア構成を示すブロック図は、第1の実施形態と同様である(図2〜図4参照)。また、データ構造も同様である(図17〜図23参照)。しかし、本実施形態では、RAM37および記憶部53には第1の実施形態とは部分的に異なるプログラムが格納され、CPU31、制御部52はそのプログラムを実行することにより、第1の実施形態とは異なる機能をも実現する。
図22は、第2の実施形態にかかる携帯型ゲーム装置10およびサーバ50によって実行される通信集計処理を示すフローチャートである。図22において、ステップS1からステップS6までの処理は、上述の第1の実施形態で図21を用いて説明したステップS1からステップS5の処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
問題パック取得のために、携帯型ゲーム装置10において、問題パックの取得要求をサーバに向けて送信する。この際、携帯型ゲーム装置10は、プレイヤデータ113を併せて送信する(ステップS21)。
これに応じて、サーバ50では、送信されてきたプレイヤデータ113に応じた問題パック501を選択する(ステップS22)。すなわち、記憶部53に記憶されている問題パック501のファイル名と、プレイヤデータ113の各項目の値とを付きあわせて、プレイヤの属性に応じた問題パック501を選択する。そして、選択した問題パック501のみを携帯型ゲーム装置10に送信する。したがって、この実施形態においては、携帯型ゲーム装置10において問題パックの選択を行う必要がないため、問題パックリストの作成を行う必要はなくなる。
次に、携帯型ゲーム装置10は、サーバ50から送信されてきた問題パック501を受信する(ステップS12)。当該ステップS12以降の処理については、上記第1の実施形態で説明したステップS12以降の処理と同じであるため、詳細な説明は省略する。以上で、第2の実施形態にかかる通信処理は終了する。
このように、第2の実施形態では、プレイヤの特性に応じた問題パックの選択をサーバ50で行っている。これにより、携帯型ゲーム装置10の処理負荷を軽減できる。そのため、比較的性能が低い携帯ゲーム装置であっても、本実施形態にかかるようなクイズゲームを楽しむことが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、上記携帯型ゲーム装置10において行われたクイズゲームの結果として表示する点数の計算処理に関して、問題の難度と試験(クイズゲーム)の実施回数とを加味した点数計算を行う。例えば、常識を問う問題を出題するようなクイズの場合であれば、幅広い分野の問題にまんべんなく正解できなければ常識を身に付けているということはできない。したがって、1度の試験結果による点数だけで、常識を身に付けているかどうか判断するのは妥当とはいえない。また、1度の試験結果で高得点が出たり、低すぎる得点が出たりすると継続してプレイする意欲が削がれ、また、繰り返しプレイすることによる得点の変化がないと、問題を繰り返し解答する意欲が削がれるという問題がある。したがって、本発明の第3の実施形態は、クイズゲームにおいてプレイの意欲を高めることができる点数計算方法を提案する。また、幅広い知識が要求される分野において、適正な評価を行うことができる点数計算方法を提案する。上記の点数計算方法を実現するために、本発明の第3の実施形態においては、最初は平均的な点数近くに点数が集まるようにして、試験の実施回数が増えるほど点数の上限、下限の幅が増大するような計算方法で点数の計算を行う。なお、上限のみが増大するようにしてもよいし、下限のみが増大するようにしてもよい。
本実施形態においては、出題される問題には、それぞれ難度が設定されている。この難度は5段階あり、難度「1」が一番易しく、難度「5」が最も難しい問題として設定される。すなわち、ROM180には、問題IDごとに難度識別データが設定して記憶されている。また、本実施形態におけるクイズゲームには、「試験モード」と呼ばれるゲームモードがある。このモードでは、1度の試験で10問の出題が行われる。そして、プレイヤが、当該10問に続けて解答することにより、試験結果として点数表示がなされる。本実施形態では、当該「試験モード」の実施回数に応じて、試験結果の点数の幅が異なる。より具体的には、実施回数が少ない間は、例えば20点〜60点の範囲内でしか点数がつかないが、実施回数が多くなると、例えば、5点〜80点の幅で点数がつくように変化する。
図26は、第3の実施形態におけるデータ記憶領域103を示す図である。図26においては、問題データ104において、各問題105毎にその難度を示す難度情報801が含まれる。また、データ記憶領域103には、試験モード実施回数802および係数テーブル803が更に記憶される。試験モード実施回数802はRAM185に記憶され、係数テーブルはROM180に記憶されたものがRAM37にコピーされたものである。当該試験モード実施回数802は、試験モードが1度実施される度に(すなわち、1度の試験=10問の試験がされるごとに)、1加算される。また、係数テーブル803は、実施回数に応じた最低点および最高点(すなわち、点数の幅)について定義したテーブルである。
図27は、係数テーブル803の一例を示す図である。係数テーブル803には、実施回数804、最低点数805、係数806の集合で構成されている。実施回数804は、試験モードの実施回数を示す。最低点数805は、難度別の正解率が0%の時に与えられる点数であり、難度1〜5のそれぞれに設定されている。係数806は、難度別の正解率が0%以外の時に、その正解率に掛けられる係数である。これも、難度毎に設定されている。
以下、本実施形態における点数の計算処理について説明する。まず、試験モードがプレイヤによって開始されると、問題が10問(「複数の問題」の一例)選び出され、出題される(ROM180で予め定められる順番に出題されてもよいし、ランダムで出題されてもよい)。ここでは、各難度につき2問ずつ含まれているものとする(実施回数802が多くなるにつれて難度が高い問題が多く含まれるようにしてもよい)。続いて、プレイヤは解答を入力する。そして、10問全て解答し、試験が終了すると、実施回数802に1加算される。その後、携帯型ゲーム装置10でプログラムを実行することにより(たとえば、図24のS1などにおいて)、以下の処理が実行される。すなわち、当該10問の回答がそれぞれ正解だったかどうかおよびその問題の難度情報に基づいて、難度毎に正解率を算出する。そして、各難度毎に、実施回数802の値およびその難度に応じて係数テーブルを参照して、対応する最低点数805および対応する係数806を、当該算出した正解率に乗じた値を当該難度の点数とする。ただし、当該得点が当該読み出した最低点数より小さい場合には、当該最低点数を当該難度の得点とする。そして、各難度毎の点数を合計し、この合計値を更に5で割った値を、最終的な点数とする。
点数算出の具体例を以下に示す。まず、(1回の試験、すなわち、10問の回答についての)難度毎の正解率を算出した結果、難度1の正解率が50%、難度2の正解率が100%、難度3の正解率が50%、難度4の正解率が100%、難度5の正解率が0%という場合を仮定する。この場合、実施回数が1回目であれば、
難度1 50×0.7=35点
難度2 100×0.65=65点
難度3 50×0.55=27.5点
難度4 100×0.55=55点
難度5 最低点数が適用され、25点
というように難度毎の点数が算出される。そして、これらを合計を5で割った値(207.5/5=41.5)が最終的な点数となる。
また、実施回数が1回であるときに算出される点数の幅としては、各難度の問題が1問以上出題された場合は、
最低点 (10+15+20+20+25)/5=18点
最高点 (70+65+55+55+50)/5=59点
となる。
また、実施回数が40回である場合は、
最低点 (5+10+10+15+15)/5=11点
最高点 (80+75+65+65+60)/5=69点
というように、実施回数が1回であるときに比べ、算出される点数の幅が広がることになる。
このように、第3の実施形態においては、試験モードの実施回数を重ねる毎に、点数の幅が広がっていく。そのため、よく復習を行うプレイヤは、実施回数を重ねるに連れ、より高い点数が取れるようになっていく。一方、あまり学習しないプレイヤは、より低い点数になっていく。このように、点数の上限や下限を徐々に広げて、最高点/最低点の変化をプレイヤに提示することで、プレイヤのモチベーションを維持し、ゲームに飽きないようにすることができる。
なお、実施回数の代わりに実施頻度を示すデータを利用しても良い。すなわち、ゲーム端末が図示しないタイマーを備え、当該タイマーにより試験モードがプレイされた頻度を算出して、当該頻度に応じて係数テーブルの参照場所を変更してもよい。また、一定期間プレイしなかった場合に、実施回数データを減少させてもよい。
また、上述の実施例では、最低点を設けたが、最低点を設けずに、難度ごとの正解率に当該難度の係数を乗算した値をそのまま得点としてもよい。そうすれば、最低点は変わらずに(0点)、最高点のみ実施回数や実施頻度に応じて上昇するような点数を算出することができる。また、テーブル803に実施回数に応じた最高点数を難度ごとに設定し、難度ごとの正解率に当該難度の係数を乗算した値が、当該最高点数より大きくなったときに当該最高点数を当該難度の得点としてもよい。難度ごとの誤答率に当該難度の係数を乗算した値を100から減算して当該難度の得点としてもよい。
さらに、上述の実施例では、問題ごとに難度を設定して、難度ごとの得点を計算し、それを合計して最終的な得点とするようにしたが、難度を考慮せず、10問の正解率に、実施回数に対応する係数を乗算してそれを得点とするようにしてもよ(この場合、テーブル803には実施回数に対応して係数が1つ記憶されていれば十分である)。
上述のような点数計算方法から、以下のような技術思想が把握される。多数の問題の中からいくつかの問題をプレイヤに回答させて、その得点を提示する場合に、当該いくつかの問題における正解率(または誤答率)の評価だけでは、当該多数の問題に対する正しい評価とならず、また、当該いくつかの問題における正解率(または誤答率)の評価のみで得点を計算してプレイヤに提示した場合、当該いくつかの問題がたまたま自分が得意な問題であって高得点が出た場合などに、それ以外の問題に挑戦しようという意欲がおこらない。この問題は、以下の発明により解決することができる。
複数(n個)の問題データおよび正解データを記憶する問題記憶部と、
前記問題記憶部に記憶された問題データから複数(m個;m<n)の問題データを選択して、当該問題データに基づいて当該複数の問題を提示し、当該問題のそれぞれに対して回答者の回答を受け付け、当該回答と当該問題についての前記正解データが示す正解とを比較して正誤判定をおこない、当該複数の問題についての正解率を演算する出題・回答部と、
前記出題・回答部による実行に応じて、当該実行の回数または頻度を示すデータ記憶する第1記憶部と、
前記演算された正解率と前記第1記憶部に記憶された前記データとをパラメータとして、が前記実行の回数または頻度が高くなるにつれて、同じ正解率であっても高い得点を算出するように、得点を算出する得点算出部と、
前記得点算出部によって算出された得点をユーザに提示する得点提示部とを備える情報処理装置である。
さらに、以下のいずれかの特定を追加してもかまわない。
(A)前記得点算出部は、前記実行の回数または頻度が高くなるにつれて高くなる係数を前記正解率に乗算することにより得点を算出する。
(B)前記得点算出部は、前記演算された正解率に基いて算出される得点が、予め定める最高点よりも高い場合に、得点を当該最高点に設定し、前記実行の回数または頻度が高くなるにつれて当該最高点が高く設定される。
(C)前記正解率に代えて、誤答率を利用することができる。この場合、得点算出部は、前記実行の回数または頻度が高くなるにつれて、同じ誤答率であっても低い得点を算出するように、得点を算出する。この特定によれば、当初のプレイで低すぎる点数が出てプレイ意欲を減退するようなことを防止することができる。
(D)前記得点算出部は、前記演算された正解率に基いて算出される得点が、予め定める最低点よりも低い場合に、得点を当該最低点に設定し、前記実行の回数または頻度が高くなるにつれて当該最高点が低く設定される。
さらに(A)の発明について、以下の特定を追加してもかまわない。
(A´)
・前記実行の回数または頻度ごとに係数データを記憶する第2記憶部をさらに備える
・前記得点算出部は、前記第1記憶部に記憶されたデータに対応する、前記係数データを前記第2記憶部から読み出して利用する
さらに(A´)の発明について、以下の特定を追加してもかまわない。
(A´´)
・前記問題記憶部は、各前記問題データを難易度が特定できるように記憶し(各問題データに対して難易度データを付する、または、難易度が同じ問題データを同じ記憶領域に記憶するなど)、
・前記出題・回答部は、同じ難易度を有する問題についての正解率をそれぞれ演算する、
・前記第2記憶部は、難易度ごとに前記係数データを記憶する
・前記得点算出部は、難易度ごとの正解率と前記係数データを乗算して部分点を演算し、全難易度についての当該部分点を合計して得点を算出する。
なお、上述した各実施例では、プレイヤの端末としては、2つの表示装置を備えた携帯ゲーム装置を例に説明したが、単一の表示装置を備え当該表示装置の画面上にタッチパネルを備えた携帯端末であってもよい。また、携帯ゲーム装置に限らず、据え置き型のゲーム装置であってもよい。また、本実施例では、操作領域に対するプレイヤの指示位置を検出する装置としてタッチパネルを例に上げたが、プレイヤが所定領域内の位置を指示できるいわゆるポインティングデバイスであればよく、例えば、画面上の任意位置を指示可能なマウス、表示画面を持たない操作面上の任意位置を指示するタブレット、遠隔から表示画面や表示画面周囲に配置されたマーカ等を撮像するための撮像手段を備えたデバイスによって、表示画面方向を指し示すことにより得られる撮像画像における表示画面やマーカの位置から、表示画面上の指し示された位置に相当する表示画面上の座標を算出するポインティングデバイスなどでもよい。
また、上述の実施例においては、端末でクイズゲームを実行する例を説明したが、本願発明は、端末で他のゲームを実行する場合にも適用可能である。例えば、端末でレースゲームプログラムを実行し、当該レースゲームプログラムを実行した結果データ(タイムデータなど)を集計サーバに送信し、集計サーバで当該送信されたタイムデータに基づくランキングや平均タイムなどを集計処理し、当該集計処理した結果(ランキングデータ、平均タイムデータなど)を端末に送信するようにしてもよい。この場合、端末において、初回の結果データを識別して初回結果データとして記憶しておき、当該初回結果データを集計サーバに送信して集計し、集計サーバにて集計処理された結果の集計処理結果データを、端末に送信されて端末でユーザーに提示(表示または音声出力)される。これにより、レースゲームなどでも初回のレース結果に基くランキングや平均タイムなどをユーザーに提示することができる。なお、不正を防止するために、レースゲームが開始したときに実行済みのフラグを立てて、途中でレースゲームプログラムの実行を止めた後再度実行した場合には初回データが記憶できないようにしてもよい。更に、この場合において、端末にプログラムが複数記憶されているまたはプログラムが複数のモードで実行可能な場合、プログラムごとまたはモードごとに初回結果データを記憶して集計サーバに送信し、集計サーバではプログラムごとまたはモードごとに集計処理をして、プログラムまたはモードが特定できるように集計処理結果データを端末に送信してもよい。そして、端末では、集計処理結果データをプログラムまたはモードごとに記憶し、複数のプログラムのうちのいずれかの実行開始が選択されたとき、または、いずれかのモードでの実行開始が選択されたときに(たとえば、コースが選択された後レースゲームをスタートする前などに)、当該プログラムまたはモードについての集計処理結果データに基づいて、集計結果をユーザーに提示するようにしてもよい。