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JP5257960B2 - 回転培養ベッセル及びそれを用いた自動細胞培養装置 - Google Patents

回転培養ベッセル及びそれを用いた自動細胞培養装置 Download PDF

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Description

本発明は、回転培養ベッセル及びそれを用いた自動細胞培養装置に係わり、更に詳しくは培養液の自動交換に適した回転培養ベッセル及び自動培養液交換機能を備えた自動細胞培養装置に関する。
従来から自動細胞培養装置は各種提供されている。例えば、本出願人の先願に係る特許文献1には、培養皿を収容した複数の培養カセットを取り扱い、分注作業等の際にロボットアームで自動的に移動させることが可能であるとともに、インキュベータ内のガス濃度や温度、湿度等の雰囲気を管理することが可能であり、インキュベータ内の汚染は勿論のこと、分注作業等で培養皿を移送する際にも汚染を確実に防止できる自動細胞培養システムが開示されている。
また、特許文献2,3には、2次元培養装置において培養液の交換作業等を汎用の多関節型ロボットで行うことにより自動化した自動細胞培養装置が記載されている。しかし、この自動細胞培養装置は、人の出入りを極力少なくして雑菌の侵入を防ぐという意味では効果的であるが、高価な汎用の産業用ロボットを用いて人と同等な作業を行わせるだけであり、装置コストの高騰は避けられないのである。しかも、通常の2次元細胞培養装置の域を脱せず、3次元培養を実現するための装置ではない。
ところで、骨髄に由来する間葉系幹細胞は、骨、軟骨、脂肪、靭帯などの組織に分化する多分化能を持つが、生体外での通常の培養では、細胞は地球重力によってシャーレの底に沈み、2次元シートしか作らず本来の細胞の形質を失うことが知られている。そこで、無重力に近い微小重力環境での3次元培養を実現するために開発されたのが、RWV(Rotating wall vessel)バイオリアクターによる培養方法であり、適切な分化誘導因子のもとで3次元培養を行うと細胞本来の組織に分化する。RWVを用いた培養装置は、シンセコン社から発売されており、その構造はガス透過膜を裏側に備えた偏平円筒形のベッセルが、回転制御装置の水平な回転軸への取付部を中心に回転するものである。ベッセルが回転することにより、細胞に及ぼす重力の方向が絶えず変化し、時間平均すると、地上重力の100分の1という微小重力環境を作り出すことができ、それにより細胞塊が沈降せずふわふわと浮いた状態で培養できるのである。この装置を一般的に回転培養装置と称する。
しかし、従来の回転培養装置に用いるRWVには、回転軸と直交する正面に、細胞液投入取出口と、一対の細胞液の供給口と排出口を備えたものであり、手作業で培養液の交換を行うものである。つまり、培養液の交換作業には、RWVを回転軸から外して供給口と排出口を上向きに静置し、供給口のゴムキャップを外して新しい培養液が入った供給シリンジの先端を前記供給口に密嵌し、他方空の排出シリンジの先端を前記排出口に密嵌した後、供給口と排出口のコックを開き、一方の手で供給シリンジのピストンを押し込んでベッセル内に培養液を供給し、それと同時に他方の手で排出シリンジのピストンを引き抜いてベッセル内の古い培養液を吸い出すのである。通常、細胞の培養期間は2週間程度である場合が多く、数日毎に培地を交換する必要があるため、前述の煩雑で熟練を要する培地交換作業をその都度行わなければならない。この手作業による培地交換作業は、非常に手間と時間を要し、多数のRWVを稼動させている場合には大変な負担となるばかりでなく、培地交換作業中に予期せぬ環境汚染が生じる恐れもある。また、ベッセルの正面に、細胞液投入口や、供給口と排出口が設けられているので、内部の細胞の様子を確認する際に視野が狭まるといった不都合がある。
そこで、本出願人は、特許文献4に記載されるような自動細胞培養装置を提案した。即ち、この自動細胞培養装置は、密閉筐体内に、水平な回転軸を有する円筒形培養容器に、細胞液投入口と、培養液交換用のセプタムシール構造の供給口と排出口とが設けられた回転培養装置を備え、前記供給口と排出口は対となって前記培養容器の外周円筒面で回転中心に対して互に180°の回転角度離れた位置に半径方向へ向けて設け、該供給口と排出口を鉛直線上に配置し且つ供給口を上に位置させた状態で、前記供給口に新しい培養液が入った供給シリンジの注射針を挿脱するとともに、前記排出口に空の排出シリンジの注射針を挿脱するシリンジ移動手段と、前記供給シリンジを供給口に挿入し且つ前記排出シリンジを排出口に挿入した状態で、供給シリンジのピストンを押し込むと同時に、排出シリンジのピストンを引き抜く操作を行うピストン駆動手段とを備えたものである。
それにより、RWVを用いた回転培養装置において、自動的に培養液を交換する機能を備えているので、研究者等の培養作業従事者の負担を大幅に低減し、細胞培養の効率化を図ることができるとともに、培養中における汚染の可能性を極力少なくすることができる。また、培養期間と培養液の交換回数に応じて、前記供給口と排出口の対を前記培養容器の外周円筒面に等角間隔毎に複数対設けることにより、培養液の交換実施に際して常に新しい供給口と排出口を使うことができるので、培養液交換時の汚染を極力抑制することができるといった利点がある。
特開2006−014675号公報 特開2006−115798号公報 特開2006−149268号公報 特開2008−237203号公報
しかしながら、特許文献4に記載された自動細胞培養装置にも若干の課題が残っている。つまり、初期の細胞液投入の際にエアが完全に置換されずにベッセル中に残ることもあるが、培養中に背面の透過膜を通してエアがベッセル中に入ってくることもある。ベッセル中にガス溜まりが存在すると、回転培養中に培養液に乱れを誘発し、細胞に不規則な負荷がかかるのでエア抜きは必須である。従来の培養液の交換は、ベッセルの培養液供給口と排出口を鉛直方向に向け、且つ供給口が上になるように位置させた状態で、上から供給シリンジで培養液を注入し、下から排出シリンジで吸引するので、ベッセルの上部に溜まったガスを抜くことができない。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、RWVを用いた回転培養技術をもとに細胞播種、培養液交換、品質管理等を自動化することができるとともに、培養液交換時に培養細胞に擾乱を与えずにエア抜きも同時に行うことができる回転培養ベッセル及びそれを用いた自動細胞培養装置を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、細胞と培養液を内部に入れて回転培養装置の水平な回転軸に装着し、細胞を無重力に近い微小重力環境で3次元培養するために用いる回転培養ベッセルであって、偏平円筒形の培養容器の適所に、初期に細胞と培養液を投入し、また培養した細胞を取り出すための単又は複数の出入口を設けるとともに、培養容器の外周円筒面に、培養液交換用の供給口と排出口とを少なくとも一対設け、この対となった供給口と排出口は互いに180°反対向きに配向させるとともに、前記排出口の中心線は回転中心を通り、前記供給口の中心線は回転中心に対して偏心させたことを特徴とする回転培養ベッセルを構成した(請求項1)。
ここで、前記培養容器の培養空間の半径をrとしたとき、前記供給口の中心線と回転中心との距離を0.5r〜0.9rに設定することがより好ましい(請求項2)。
また、前記供給口と排出口の対を前記培養容器の外周円筒面に3対設けるとともに、各供給口と各排出口は等角間隔毎に設けていることも好ましい(請求項3)。
更に、前記供給口と排出口はセプタムシール構造とし、培養液交換のために用いる供給シリンジと排出シリンジはそれぞれ先端に前記セプタムシールを貫通可能な注射針を有し、前記供給シリンジから新しい培養液を注入しながら前記排出シリンジで古い培養液を吸入するとともにエア抜きをすることを可能とすることが好ましい(請求項4)。
更に、前記培養容器の外周円筒面に、細胞と培養液からなる細胞液を注入する細胞液注入口を設けるとともに、前記培養容器の回転軸に直交する正面にエア抜き口と細胞取出口を設け、前記細胞液注入口とエア抜き口とはセプタムシール構造とし、前記細胞取出口は開口が大きなゴムキャップ構造とした(請求項5)。
また、前記セプタムシール構造の各口は、セプタムシールの背後に注射針を受け入れる直径の大きな導入流路と、該導入流路と前記培養容器の培養空間との間に直径の小さなオリフィス流路を設けた(請求項6)。
そして、本発明は、前述の回転培養ベッセルを用い、細胞を無重力に近い微小重力環境で3次元培養するための自動細胞培養装置であって、空調機能を備えた密閉筐体内の中段に回転培養装置のインキュベータボックスを配置するとともに、下段に培養液を供給する供給シリンジを収納する供給用保冷庫、上段に培養液を回収する排出シリンジを収納する排出用保冷庫を配置し、前記インキュベータボックス、供給用保冷庫及び排出用保冷庫の前面には自動開閉扉が設けられ、前記回転培養装置には前記インキュベータボックス内に設けられた水平な回転軸をその軸方向に前後移動する軸方向移動手段を備え、該回転軸の端部に前記回転培養ベッセルを着脱可能に装着し、前記供給用保冷庫の前面には供給用XYZ軸移動機構を配置するとともに、該機構で駆動される供給可動部に前記供給シリンジを上向きに保持する固定チャックとピストンを押し上げる押上手段とを備え、前記排出用保冷庫の前面には排出用XYZ軸移動機構を配置するとともに、該機構で駆動される排出可動部に前記排出シリンジを下向きに保持する固定チャックとピストンを引き上げる引上手段とを備え、前記各開閉扉を開き、前記軸方向移動手段を駆動して前記インキュベータボックス内から回転培養ベッセルを前面側に出現させるとともに、前記供給口を下側、前記排出口を上側に向けて停止し、前記供給用XYZ軸移動機構と固定チャックを駆動して前記供給用保冷庫内から供給シリンジを取り出して前記回転培養ベッセルの下側に位置させる一方、前記排出用XYZ軸移動機構と固定チャックを駆動して前記排出用保冷庫内から排出シリンジを取り出して前記回転培養ベッセルの上側に位置させ、前記供給用XYZ軸移動機構と排出用XYZ軸移動機構を駆動して前記供給シリンジと排出シリンジを前記供給口と排出口に同時に気密状態で接続した後、前記押上手段と引上手段を同調して駆動し、前記回転培養ベッセル内の培養液を交換することを特徴とする自動細胞培養装置を構成した(請求項7)。
更に、前記供給用保冷庫と排出用保冷庫の内部には、ステッピングモータで制御される鉛直方向の回転軸を備えた回転レボルバー式のスタッカを備え、該スタッカの周囲に前記シリンジを鉛直方向に向けた状態で側方から弾性的に着脱可能なホルダーを複数設けている(請求項8)。
また、前記回転培養装置には、共通の軸方向移動手段で前後移動する複数の回転軸が上下方向に重なることなく並設されているとともに、各回転軸に前記回転培養ベッセルを装着した際に、隣接する回転培養ベッセルが互いに干渉しないように、前記回転軸の端部の前後位置をずらせて設定していることも好ましい(請求項9)。
以上にしてなる本発明の回転培養ベッセルは、偏平円筒形の培養容器の適所に、初期に細胞と培養液を投入し、また培養した細胞を取り出すための単又は複数の出入口を設けるとともに、培養容器の外周円筒面に、培養液交換用の供給口と排出口とを少なくとも一対設け、この対となった供給口と排出口は互いに180°反対向きに配向させるとともに、前記排出口の中心線は回転中心を通り、前記供給口の中心線は回転中心に対して偏心させたので、前記供給口を下向き、排出口を上向きに停止させ、新しい培養液の入った供給シリンジを供給口の接続するとともに、排出シリンジを排出口に接続し、供給シリンジのピストンを押し上げて培養容器内に新しい培養液を注入すると同時に排出シリンジのピストンを引き上げて古い培養液を吸入して培養液を交換することができるが、この際に培養容器の上部に溜まったガスを排出シリンジで吸い出すことができ、更に供給口の中心線が回転中心に対して偏心しているので、培養中の細胞塊が沈降して培養容器の下部に位置する場合でも、供給口が細胞塊を避けた位置にあるので、培養液の注入時の流れで細胞塊がバラバラになるのを防ぐことができる。特に、前記培養容器の培養空間の半径をrとしたとき、前記供給口の中心線と回転中心との距離を0.5r〜0.9rに設定した場合には、その効果は大きい。また、培養容器の正面には、視界を遮る供給口と排出口が存在しないので、培養経過の観察が非常にやり易くなるのである。
また、記供給口と排出口の対を前記培養容器の外周円筒面に3対設けることにより、培養初期に投入する培養液と3回の培養液の交換が可能になるので、通常の2週間程度の細胞培養期間をカバーすることができ、更に培養液の交換時に常に新しい供給口と排出口を用いることができるので、汚染の発生を最小限に抑制できる。また、各供給口と各排出口は等角間隔毎に設けた場合には、供給口と排出口の停止位置の位置決めが容易且つ正確になる。
前記供給口と排出口はセプタムシール構造とし、培養液交換のために用いる供給シリンジと排出シリンジはそれぞれ先端に前記セプタムシールを貫通可能な注射針を有する場合には、注射針をセプタムシールに貫通させると気密状態で接続することができ、それにより前記供給シリンジから新しい培養液を注入しながら前記排出シリンジで古い培養液を吸入するとともにエア抜きをすることができる。また、注射針をセプタムシールから抜くと、注射針で開けられた穴は自己修復して閉じるので、供給口や排出口に特別な開閉操作のための構造を必要とせず、供給口や排出口を小型化でき、それにより培養容器の外周円筒面に3対設けることができるのである。
前記培養容器の外周円筒面に、細胞と培養液からなる細胞液を注入する細胞液注入口を設けるとともに、前記培養容器の回転軸に直交する正面にエア抜き口と細胞取出口を設けたので、培養容器の正面を上に向けて水平に保ち、細胞液注入口に細胞液供給シリンジを接続するとともに、エア抜き口にエア排出シリンジを接続し、細胞液供給シリンジから細胞液を注入すると同時にエア排出シリンジで培養容器内のエアを吸引し、培養容器内のエアを細胞液で置換して初期の培養準備をすることができる。特に、前記細胞液注入口とエア抜き口とはセプタムシール構造とすれば、シリンジの注射針をセプタムシールに突き刺すだけで簡単に気密状態で接続することができ、マニュアル作業が簡単になる。また、前記細胞取出口は開口が大きなゴムキャップ構造としたので、培養後の細胞塊を取り出すのが容易になる。
前記セプタムシール構造の各口は、セプタムシールの背後に注射針を受け入れる直径の大きな導入流路と、該導入流路と前記培養容器の培養空間との間に直径の小さなオリフィス流路を設けたので、セプタムシールに注射針を突き刺す位置が多少ずれても注射針を導入流路に受け入れることができ、また供給シリンジから培養液を、オリフィス流路を通して培養空間に供給するので、培養液の流れによる培養空間内の擾乱を最小限に抑制することができ、また導入流路に残ったエアが回転培養中にオリフィス流路を通って培養空間に入ることを抑制することもできるのである。更に、培養空間の円周壁面にはオリフィス流路の小さな孔のみが開口されているので、回転培養中に培養液に擾乱が生じない。
また、本発明の自動細胞培養装置は、RWVを用いた回転培養技術を前提として、自動的に培養液を交換する機能を備えているので、研究者等の培養作業従事者の負担を大幅に低減し、細胞培養の効率化を図ることができるとともに、培養中における汚染の可能性を極力少なくすることができ、GMP対応のCPCを持たない医療機関でも再生医療の臨床適応を目指すことができるようになり、再生医療を飛躍的に普及させることができる。本発明は、回転培養ベッセルの培養容器に、供給口から供給シリンジで新しい培養液を注入すると同時に、排出口から排出シリンジで古い培養液を吸い出すといった従来から手作業で実績のある培養液交換作業を、完全に自動化することができるのである。そして、下向きの供給口から供給シリンジで新しい培養液を回転培養ベッセルの培養空間に注入すると同時に、上向きの排出口から排出シリンジで古い培養液を吸引するとともに、エア抜きを行うことができるのである。また、供給口の中心線が回転中心に対して偏心しているので、細胞塊がバラバラになるのを防ぐことができることは前述の通りである。また、排出シリンジに吸引された古い培養液は、排出用保冷庫に保存するので、後で汚染を検査することができる。
また、通常は供給口と排出口は培養液の交換時に一度きり使用するが、回転培養ベッセルは、小さいもので培養空間の容積が10ml、大きいものでも20mlといったように比較的小さいので、その外周部に設ける供給口と排出口の対の数には制限があるので、長期間培養する場合には、供給口と排出口を複数回使用することも想定され、その場合には供給シリンジと排出シリンジは供給口の数以上の本数が必要になるが、周囲に複数のホルダーを設けた回転レボルバー式のスタッカを用いることにより、供給シリンジと排出シリンジを供給、保管することができる。
また、供給口と排出口を培養液の交換時に一度きりしか使用しない場合でも、回転培養装置に複数の回転軸を備え、その端部に回転培養ベッセルを装着して、複数の回転培養ベッセルで同時に培養する場合には、ベッセルの数に供給口と排出口の対の数を掛けただけの供給シリンジと排出シリンジの本数が必要になるが、その場合にも周囲に複数のホルダーを設けた回転レボルバー式のスタッカを用いることで対応することができる。
本発明に係る自動細胞培養装置の外カバーの一部を省略した全体斜視図である。 同じく自動細胞培養装置の内部構造を示す側面図である。 同じく自動細胞培養装置の内部構造を示す正面図である。 軸方向移動手段を備えた回転培養装置の機構部を示す斜視図である。 供給用XYZ軸移動機構を示す斜視図である。 排出用XYZ軸移動機構を示す斜視図である。 回転レボルバー式のスタッカを備えた供給用保冷庫の斜視図である。 回転レボルバー式のスタッカを備えた排出用保冷庫の斜視図である。 本発明に係る回転培養ベッセルの正面側から見た斜視図である。 同じく回転培養ベッセルの背面側から見た斜視図である。 回転培養ベッセルの正面図である。 回転培養ベッセルの左側面図である。 回転培養ベッセルの背面図である。 図11のA−A線断面図である。 図11のB−B線断面図である。 供給口と排出口の第1対を用いた培養液の交換作業中の状態を示す説明図である。 供給口と排出口の第2対を用いた培養液の交換作業中の状態を示す説明図である。 供給口と排出口の第3対を用いた培養液の交換作業中の状態を示す説明図である。 本発明の自動細胞培養装置(自動培養)と従来の回転培養装置(手動培養)によって、日本白色兎の骨髄細胞を用いた軟骨組織構築実験を行った結果を示す軟骨組織の外観を示す図面代用写真である。 軟骨基質GAGの生産量を比較した結果を示すグラフである。 アルシアンブルー染色した軟骨組織の顕微鏡写真である。 トルイジンブルー染色した軟骨組織の顕微鏡写真である。 HE染色した軟骨組織の顕微鏡写真である。
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1〜図8は本発明の自動細胞培養装置を示し、図9〜図15は本発明の回転培養ベッセルを示し、図中符号1は自動細胞培養装置、2は回転培養ベッセル、3は回転培養装置、4は供給用保冷庫、5は排出用保冷庫、6は軸方向移動手段、7は供給用XYZ軸移動機構、8は排出用XYZ軸移動機構をそれぞれ示している。
本発明の自動細胞培養装置1は、回転培養ベッセル2を用い、細胞を無重力に近い微小重力環境で3次元培養するものであり、空調機能を備えた密閉筐体9内の中段に、回転培養ベッセル2を単又は複数個装着して培養する回転培養装置3のインキュベータボックス10を配置するとともに、下段に培養液を供給する供給シリンジ11を収納する供給用保冷庫4、上段に培養液を回収する排出シリンジ12を収納する排出用保冷庫5を配置し、前記インキュベータボックス10、供給用保冷庫4及び排出用保冷庫5の前面には自動開閉扉(図示せず)が設けられ、前記回転培養装置3には前記インキュベータボックス10内に設けられた水平な回転軸13をその軸方向に前後移動する軸方向移動手段6を備え、該回転軸13の端部に前記回転培養ベッセル2を着脱可能に装着し、前記供給用保冷庫4の前面には供給用XYZ軸移動機構7を配置するとともに、該機構で駆動される供給可動部に前記供給シリンジ11を上向きに保持する固定チャック14とピストン11Aを押し上げる押上手段15とを備え、前記排出用保冷庫5の前面には排出用XYZ軸移動機構8を配置するとともに、該機構で駆動される排出可動部に前記排出シリンジ12を下向きに保持する固定チャック16とピストン12Aを引き上げる引上手段17とを備えたものである。本実施形態では、前記回転軸13の軸方向をX軸、それと直交する水平方向をY軸、鉛直方向をZ軸として説明する。
本実施形態では、共通の軸方向移動手段6でX軸方向へ前後移動する複数の回転軸13,…が上下方向に重なることなく並設されているとともに、各回転軸13に前記回転培養ベッセル2を装着した際に、隣接する回転培養ベッセル2,2が互いに干渉しないように、前記回転軸13,…の端部の前後位置をずらせて設定している。本実施形態では、2本の回転軸13,13を平行に並設して、同時に二つの回転培養ベッセル2,2で培養することができるようにしている。
次に、前記回転培養ベッセル2の詳細を図9〜図15に基づいて説明する。前記回転培養ベッセル2は、偏平円筒形の培養容器18の外周円筒面に、細胞と培養液からなる細胞液を注入する細胞液注入口19を設けるとともに、前記培養容器18の前記回転軸13に直交する正面にエア抜き口20と細胞取出口21を設け、そして前記培養容器18の外周円筒面に、培養液交換用の供給口22と排出口23とを少なくとも一対設け、この対となった供給口22と排出口23は互いに180°反対向きに配向させるとともに、前記排出口23の中心線は回転中心を通り、前記供給口22の中心線は回転中心に対して偏心させている。
本実施形態では、供給口22と排出口23を前記培養容器18の外周円筒面に3対設けているので、それらをA,B,Cで区別することにする。また、各供給口22A,22B,22Cと各排出口23A,23B,23Cは等角間隔毎に設けている。本実施形態では、細胞液注入口19と細胞取出口21を別々に設けたが、これを一つの口で供用することも可能である。ここで、前記培養容器18の培養空間の半径をrとしたとき、前記供給口22の中心線と回転中心との距離を0.5r〜0.9rに設定している。
更に、前記回転培養ベッセル2は、背面側の中心部に、前記回転培養装置3の回転軸13の端部に着脱可能に装着する取付部24を突設している。この取付部24の構造は、前記回転軸13の端部に対して常に同じ回転位置で取付けることができるようになっている。また、本実施形態の回転培養ベッセル2の容積は、培養液が高価であることから10〜20mlを想定しているが、それらは培養する細胞塊の大きさに応じて決定すべきである。
また、図10、図13、図14及び図15に示すように、前記回転培養ベッセル2の背面側で取付部24の周囲には、空気の取入口25を設け、その内側に設けたガス透過膜26を通して培養液中に酸素を供給し、二酸化炭素を排出できるようになっており、また正面側は内部を透視可能なように観察窓27となっている。
更に、図15に示すように、前記供給口22と排出口23はセプタムシール構造とし、培養液交換のために用いる供給シリンジ11と排出シリンジ12はそれぞれ先端に前記セプタムシール28を貫通可能な注射針11B,12Bを有し、前記供給口22を下向き、前記排出口23を上向きとし、前記供給シリンジ11から新しい培養液を下側から注入しながら前記排出シリンジ12で古い培養液を上側から吸入するとともにエア抜きをすることができるようになっている。前記供給口22と排出口23をセプタムシール構造としたことにより、前記供給シリンジ11と排出シリンジ12の先端に装着した注射針11B,12Bをセプタムシール28に貫通させて気密状態で接続することができ、また注射針11B,12Bを抜いてもその弾性復元によって貫通穴が塞がり、気密状態を維持することができるようになっている。
更に詳しくは、前記供給口22と排出口23は、図15に示すように、同じ断面構造となっておいる。前記供給口22は、前記培養容器18の外周円筒面の回転中心から偏心して培養空間に連通するように接続したポート29の端部内に、シリコンゴムからなるセプタムシール28を配置し、該セプタムシール28の外周部を、前記ポート29に螺合した押えキャップ30で押圧して密閉した構造となっている。一方、前記排出口23は、前記培養容器18の外周円筒面の回転中心を通る半径方向に向けて培養空間に連通するように接続したポート29の端部内に、シリコンゴムからなるセプタムシール28を配置し、該セプタムシール28の外周部を、前記ポート29に螺合した押えキャップ30で押圧して密閉した構造となっている。更に、前記セプタムシール構造の前記供給口22と排出口23を構成するポート29の内部で、前記セプタムシール28の背後に注射針11B又は12Bを受け入れる直径の大きな導入流路31と、該導入流路31と前記培養容器18の培養空間との間に直径の小さなオリフィス流路32を設けている。
そして、前記供給口22のセプタムシール28を貫通させた前記供給シリンジ11の注射針11Bの先端部は、前記ポート29内の導入流路31に受け入れられるので、前記注射針11Bの位置がセプタムシール28の中心から多少ずれていても、該注射針11Bの先端がポート29に接触することがなく、全く問題なく使用することができる。そのため、前記供給用XYZ軸移動機構7の位置決め精度に対する要求が低くなるので、安価なアクチュエータを用いて構成できる。また、前記オリフィス流路32を設けたので、前記導入流路31に注入された培養液は、直径の小さなオリフィス流路32を通って培養空間に導入されるので、培養空間内に生じる擾乱を最小限に抑制することができる。また、前記排出口23のプタムシール28を貫通させた前記排出シリンジ12の注射針12Bの先端部も前記ポート29内の導入流路31に受け入れられ、吸引することによりオリフィス流路32を通して古い培養液と、内部に溜まったエアを抜くことができる。尚、前記導入流路31にエアが溜まっていても、培養液の表面張力によって回転培養中はエアがオリフィス流路32を通して培養空間に流入することはない。
また、前記細胞液注入口19とエア抜き口20は、図14に示すように、前記同様のセプタムシール構造とし、前記細胞取出口21は開口が大きなゴムキャップ構造とした。つまり、前記細胞液注入口19は、前記排出口23と同様に、回転中心を通る半径方向に向けて培養空間に連通するように接続したポート29の端部内に、シリコンゴムからなるセプタムシール28を配置し、該セプタムシール28の外周部を、前記ポート29に螺合した押えキャップ30で押圧して密閉した構造となっている。前記エア抜き口20と細胞取出口21は、前記培養容器18の正面で回転中心に対して反対側の周縁部にそれぞれ設けている。前記エア抜き口20は、培養容器18の正面に突設したポート33の端部内に、シリコンゴムからなるセプタムシール34を配置し、該セプタムシール34の外周部を、前記ポート33に螺合した押えキャップ35で押圧して密閉した構造となっている。そして、前記細胞液注入口19のポート29の内部とエア抜き口20のポート33の内部にも、前記同様に導入流路31とオリフィス流路32を設けている。更に、前記エア抜き口20のオリフィス流路32が培養空間に開口した内部には、前記回転培養ベッセル2を水平に置いたときに、内部のエアを溜める凹部36を形成している。また、前記細胞取出口21は、内径の大きなポート37の内部にゴムキャップ38が密嵌し、該ゴムキャップ38の先端面は、回転培養中に培養液に擾乱が生じないように、培養空間の内壁と面一にしている。
そして、前記回転培養ベッセル2に細胞と培養液を注入するには、該回転培養ベッセル2の観察窓27を上側にして回転軸を鉛直方向に向けて静置し、前記細胞液注入口19のセプタムシール28に細胞と培養液の入った細胞液注入用シリンジ(図示せず)の注射針を突き刺し、前記エア抜き口20のセプタムシール34に空のエア抜き用シリンジ(図示せず)の注射針を突き刺し、細胞液注入用シリンジから細胞液を培養空間に注入しながら、エア抜き用シリンジでエアを吸い出すのである。この際に、前記培養空間のエアは最後に凹部36に溜まり、該凹部36に溜まったエアも培養空間から抜き去られる。
次に、前記回転培養ベッセル2を用いて、培養液を自動的に交換しながら細胞を培養する自動細胞培養装置1の詳細を図1〜図8、図16〜図18に基づいて説明する。前記密閉筐体9は、図1に示すように、正面と一側面に開閉扉を設けてあり、正面には前記回転培養装置3、供給用保冷庫4及び排出用保冷庫5に対応して3枚の点検扉39,…を設けている。尚、前記密閉筐体9の正面パネルは、透明にして内部を透視している。また、前記密閉筐体9の側面には、一枚の作業扉40を設け、一連の培養を行うための準備作業、あるいは培養後の処理において、該作業扉40を開放して前記回転軸13に回転培養ベッセル2を着脱し、また供給用保冷庫4の内部に供給シリンジ11,…を着脱するとともに、排出用保冷庫5の内部に排出シリンジ12,…を着脱する。尚、前記作業扉40は、透明にして内部を透視している。そして、前記密閉筐体9の天井部には、フィルター機能を備えた空調機41を設け、内部を適温に保つとともに、空気を清浄化している。
前記回転培養装置3は、図1〜図4に示すように、温度管理が可能な前記インキュベータボックス10内に、水平な回転軸13を設けるとともに、背後に該回転軸13を所定の回転数で駆動する回転制御機構42を備え、前記回転軸13を回転制御機構42とともに軸方向に前後移動する軸方向移動手段6を備えている。前記インキュベータボックス10は、前面に自動開閉扉を設け、前記作業扉40を設けた側の側面に手動で開閉する扉43を設けている。本実施形態では、2本の回転軸13,13が水平位置に平行に配置され、それぞれが円筒状の軸受44,44で回転可能且つ軸方向スライド可能に支持されている。また、前記軸方向移動手段6は、前記インキュベータボックス10の後部に設けたリニアガイド45に沿って可動部46が前後方向へ移動する構造である。そして、前記インキュベータボックス10の後面から後方へ延びた前記回転軸13,13の端部を、前記軸方向移動手段6の可動部46に取付けられた回転制御機構42に、タイミングベルトを介して連動させている。ここで、前記回転制御機構42は、前記回転軸13,13をそれぞれ独立して回転制御可能なように2系列独立してあり、回転数と回転位置を精確に制御できるように、ステッピングモータあるいはサーボモータで駆動し、回転軸13に固定したマーカーをセンサーで読み取る等により回転位置を制御している。また、前記回転軸13,13の先端位置は、前述のように、前後にずらせており、それぞれに細胞液を満たした回転培養ベッセル2を手作業で着脱するのである。
また、前記供給用保冷庫4は、図1〜図3及び図7に示すように、温度管理が可能なボックスの前面に自動開閉扉を設け、前記作業扉40を設けた側の側面に手動で開閉する扉47を設け、内部に回転レボルバー式のスタッカ48を備えている。前記スタッカ48は、ステッピングモータ49で制御される鉛直方向の回転軸50を備え、該スタッカ48の周囲に前記供給シリンジ11を、注射針11Bを上側にして鉛直方向に向けた状態で側方から弾性的に着脱可能なホルダー51,…を複数設けている。前記スタッカ48のホルダー51は、前記供給シリンジ11の上下部を受け入れて係止するU字溝を備えるとともに、弾性的に両側から挟んで保持する挟持部を備えたものであり、側方から供給シリンジ11を押し込めば自動的に保持され、また供給シリンジ11を掴んで側方へ引き出せば簡単に取り出せるようになっている。
また、前記排出用保冷庫5は、図1〜図3及び図8に示すように、前記供給用保冷庫4と略同じ構造であるが、温度管理が可能なボックスの前面に自動開閉扉を設け、前記作業扉40を設けた側の側面に手動で開閉する扉52を設け、内部に回転レボルバー式のスタッカ53を備えている。前記スタッカ53は、ステッピングモータ54で制御される鉛直方向の回転軸55を備え、該スタッカ53の周囲に前記排出シリンジ12を、注射針12Bを下側にして鉛直方向に向けた状態で側方から弾性的に着脱可能なホルダー56,…を複数設けている。このスタッカ53の前記スタッカ48と略同じ構造である。
次に、前記供給シリンジ11を搬送する供給用XYZ軸移動機構7を、図2、図3及び図5に基づいて説明する。前記供給用XYZ軸移動機構7は、前記密閉筐体9内で供給用保冷庫4の前面に設けられ、密閉筐体9内の底部に固定されたY軸移動機構57と、該Y軸移動機構57の可動部に固定されたZ軸移動機構58と、該Z軸移動機構58の可動部に固定されたX軸移動機構59とを備え、更に該X軸移動機構59の可動部に前記供給シリンジ11を上向きに保持する固定チャック14とピストン11Aを押し上げる押上手段15とを備えている。前記Y軸移動機構57、Z軸移動機構58及びX軸移動機構59は、リニアガイドとボールねじ駆動のステッピングモータで構成されているが、特に限定されない。また、前記固定チャック14は、前記供給シリンジ11のシリンダーのフランジ部を係止するU字溝板60と側面を挟持するエア駆動のハンド61とで構成されている。また、前記押上手段15は、前記固定チャック14とともに前記X軸移動機構59の可動部に固定したZ軸移動機構62の可動部に、前記ピストン11Aの下端に当接する押上板63を突設した構造である。
最後に、前記排出シリンジ12を搬送する排出用XYZ軸移動機構8を、図2、図3及び図6に基づいて説明する。前記排出用XYZ軸移動機構8は、前記密閉筐体9内で排出用保冷庫5の前面に設けられ、密閉筐体9内の前側上部に固定されたY軸移動機構64と、該Y軸移動機構64の可動部に固定されたZ軸移動機構65と、該Z軸移動機構65の可動部に固定されたX軸移動機構66とを備え、更に該X軸移動機構66の可動部に前記排出シリンジ12を下向きに保持する固定チャック16とピストン12Aを引き上げる引上手段17とを備えている。前記固定チャック16は、前記排出シリンジ12のシリンダーのフランジ部を係止するU字溝板67と側面を挟持するエア駆動のハンド68とで構成されている。また、前記引上手段17は、前記固定チャック16とともに前記X軸移動機構66の可動部に固定したZ軸移動機構69の可動部に、前記ピストン12Aの上端のフランジ部に係止して引き上げる引上板70を突設した構造である。
本発明に係る自動細胞培養装置1を用いて細胞を培養する手順を以下に示す。先ず、前記密閉筐体9の作業扉40を開き、前記供給用保冷庫4の扉47を開いて、前記スタッカ48に所定数の供給シリンジ11,…を装填し、扉47を閉じる。また、前記排出用保冷庫5の扉52を開いて、前記スタッカ53に前記供給シリンジ11,…と同数の排出シリンジ12,…を装填し、扉52を閉じる。一方、前記回転培養装置3のインキュベータボックス10の扉43を開いて、前記回転軸13の端部に、細胞液を充填した前記回転培養ベッセル2の取付部24を装着し、扉43を閉じる。この際、前記回転軸13に対して回転培養ベッセル2は常に精確な回転位置に固定される。それから、前記作業扉40を閉じ、密閉筐体9の内部をインキュベータボックス10の内部とともに所定温度に維持する。これは、培養液を交換する際に、前記インキュベータボックス10の前面の自動開閉扉を開いたときに、インキュベータボックス10の内部の温度が急激に変化して、培養条件が変化することを防止するためである。また、前記供給用保冷庫4と排出用保冷庫5の内部の温度は、インキュベータボックス10の内部の温度よりも低く設定し、使用前の新しい培養液と使用後の古い培養液を、状態を変化させることなく保存するためである。
そして、前記回転制御機構42を駆動して所定回転数で回転培養ベッセル2を回転させて細胞を培養する。それから、一定期間培養した後、前記回転制御機構42を制御して前記回転培養ベッセル2の第1の前記供給口22Aが鉛直方向下向き、前記排出口23Aが鉛直方向上向きの状態で停止させる。そして、前記インキュベータボックス10の前面の自動開閉扉を開いて、前記軸方向移動手段6を駆動して前方へ移動させ、前記回転培養ベッセル2をインキュベータボックス10の前側空間に位置させる。それと同時に、又は前後して、前記供給用保冷庫4と排出用保冷庫5の前面の自動開閉扉を開き、前記供給用XYZ軸移動機構7と排出用XYZ軸移動機構8をそれぞれ独立して駆動し、前記固定チャック14を供給用保冷庫4の内部に進入させ、所定回転位置にあるスタッカ48に保管されている供給シリンジ11を該固定チャック14で保持した後、供給用保冷庫4の前面空間に取り出すとともに、前記固定チャック16を排出用保冷庫5の内部に進入させ、所定回転位置にあるスタッカ53に保管されている排出シリンジ12を該固定チャック16で保持した後、排出用保冷庫5の前面空間に取り出す。
そして、前記回転培養ベッセル2の第1の前記供給口22Aの直下に供給シリンジ11を位置させる一方、前記排出口23Aの直上に前記排出シリンジ12を位置させる。そして、図16に示すように、前記供給用XYZ軸移動機構7のZ軸移動機構58と、前記排出用XYZ軸移動機構8のZ軸移動機構65を同調させて駆動し、前記供給シリンジ11の注射針11Bを供給口22Aのセプタムシール28を貫通させると同時に、前記排出シリンジ12の注射針12Bを排出口23Aのセプタムシール28を貫通させて接続する。この状態を維持しながら、前記押上手段15の押上板63を上昇させて供給シリンジ11のピストン11Aを押し上げて、新しい培養液を回転培養ベッセル2の培養空間内に注入すると同時に、前記引上手段17の引上板70を上昇させて排出シリンジ12のピストン12Aを引き上げて、回転培養ベッセル2の培養空間内から古い培養液を吸い出し、この際に培養中に培養空間内に溜まったエアも同時に吸い出すのである。こうして、前記回転培養ベッセル2の培養液を交換した後、前記供給用XYZ軸移動機構7のZ軸移動機構58と、前記排出用XYZ軸移動機構8のZ軸移動機構65を同調させて駆動し、前記供給シリンジ11の注射針11Bを供給口22Aから抜き去ると同時に、前記排出シリンジ12の注射針12Bを排出口23Aから抜き去る。そして、前記供給用XYZ軸移動機構7と排出用XYZ軸移動機構8を駆動して、使用済の供給シリンジ11と排出シリンジ12をそれぞれ、前記スタッカ48とスタッカ53の元の位置に装填し、固定チャック14と固定チャック16を開いて供給用保冷庫4と排出用保冷庫5から引き出し、初期位置に待機させる。その一方で、前記軸方向移動手段6を駆動して前記回転培養ベッセル2をインキュベータボックス10の内部に格納し、それぞれの自動開閉扉を閉じた後、前記回転制御機構42を駆動して所定回転数で回転培養ベッセル2を回転させて細胞を培養する。
上記の培養液交換作業を、前記回転培養ベッセル2の供給口22Bと排出口23Bの対を用いて図17に示すように行い、その後、供給口22Cと排出口23Cの対を用いて図18に示すように繰り返し行うのである。その場合、前記スタッカ48とスタッカ53は、順次新しい供給シリンジ11と排出シリンジ12が、正面側に来るように所定角度だけ回転させておくのである。
本発明で採用している回転培養装置3は、回転培養ベッセル2の内部で細胞は沈降することなく浮遊状態に維持することができるので、三次元集合体を形成することができること、攪拌ストレスによる壊死を回避することができること、効率的に分化誘導物質を作用させることができること、老廃物の除去・養分の供給が可能であること、といった利点がある。本発明では、複数の供給シリンジ11,…を用いて順次培養液を供給することができるので、細胞の培養ステージに応じて最適な成分配合の培養液を用いることもできる。
また、培養期間中に、培養の状況を確認することは重要である。培養の状況としては、(1)培養中にpHの変化や培地添加物の消費、老廃物の蓄積等による培地の色の変化の確認、(2)コンタミネーションによる培地の濁りの有無、(3)浮遊細胞から三次元の組織が形成されたかどうかの確認等が挙げられる。本発明では、前記回転培養ベッセル2の正面には観察窓27を設けているので、該観察窓27に向けて配置した撮像カメラや各種の分析機器を通して内部の状況を観察することができ、また画像処理によって現状を分析し、それに基づいて回転制御機構42をフィードバック制御したり、培養液の交換タイミングを自動的に探るといったことも可能となる。
次に、本発明の自動細胞培養装置と、比較対象として手培養(Synthecon社製RCCS-4Dを用いて目視にて回転数を調整)による回転培養を行った。日本白色兎の骨髄細胞を用いた軟骨組織構築実験を行って両者を比較した。実験手順を以下に示す。
(実験の手順)
(1)日本白色兎10日令2匹の長骨より骨髄細胞を採取し、20mlのstandard mediumに懸濁した。
・Standard Medium: DMEM (Dulbeccco’s Modified Eagles Medium (DMEM, Sigma, St Louis MO) + 10% FBS (fetal bovine serum) + antibiotic-antimicotic(Invitrogen, Carlsbad, CA)
(2)次に75Tフラスコ(BD)に15mlのstandard mediumとともに播種し、5%CO2,37℃で3週間培養した。
(3)次にトリプシンにより細胞を剥がし、bioreactor mediumに懸濁し、50ccベッセルに移した。
・Bioreactor Medium: DMEM + 50μg/ml ascorbic acid (WAKO) + 40μg/ml L-proline +ITS culture suppleent (BD Biosciences), 10-7 dexamethasone (Sigma), 10ng/ml TGF-β3 (Sigma) and abtibiotic-antimicotic (BD)
・実施例で使用した50ccベッセルは、図9〜図15に示したものである。
・使用した細胞数は、自動細胞培養装置による培養(実施例)、手動培養(比較例)とも同じである。
(4)2週間培養し、組織を取りだし、肉眼所見観察、切片を作製し、組織化学的手法により評価した。
本発明の自動細胞培養装置による培養液の交換時に、細胞組織がベッセルの壁面に衝突することはなかった。また、供給シリンジ及び排出シリンジの注射針とセプタムシールから培養液の漏れはなかった。そして、ベッセル中の古い培養液が、下から順に新しい培養液へ交換されることが確認できた。また、培養液交換後にベッセルの上部にガス溜まりは存在しなかった。
(培養結果)
図19に培養によって構築した軟骨組織の外観を示している。図19の左側は自動培養(実施例)の結果を示し、右側は手動培養(比較例)の結果を示している。培養した軟骨組織の肉眼所見では、自動培養より手動培養による組織の方が大きいという結果が得られた。
図20は、軟骨基質GAGの生産量を比較した結果を示すグラフである。この回の培養では自動培養の方が高い値を示している。数回の実験で、軟骨基質GAGの生産量は、自動培養が手動培養に比べ、同じか、高い値を示していた。
最後に、培養によって構築した軟骨組織の組織学的評価を行った結果を図21〜図23に示す。図21は、軟骨組織をアルシアンブルー染色した結果を示す顕微鏡写真である。両者とも、軟骨基質が水色に染色され、豊富に軟骨基質が産生されていることが確認できた。ここで、軟骨基質が水色に染色された部分は、図21中では濃い色で表示されている。
図22は、軟骨組織をトルイジンブルー染色した結果を示す顕微鏡写真である。両者とも軟骨基質が青紫色に染色され、豊富に軟骨基質が産生されていることが確認できた。この場合も、軟骨基質が青紫色に染色された部分は、図22中では濃い色で表示されている。
図23は、軟骨組織をHE染色(ヘマトキシリン・エオシン染色)した結果を示す顕微鏡写真である。軟骨組織はヘマトキシリンによって青紫色に染色され、自動培養、手動培養のいずれも青紫色に染色された成熟軟骨様細胞が見られた。この場合も、青紫色に染色された部分は、図23中では濃い色で表示されている。しかし、エオシンによって、細胞質、軟部組織の結合組織、赤血球、線維素、内分泌顆粒などが明るい赤、あるいは青藍色に染まるので、モノトーンで表示した場合には、同じく濃い色で表示されるので、濃淡のみでは軟骨組織と区別ができない。
以上のように、本発明の自動細胞培養装置を用いた場合と手動にて回転制御を行いながら培養した場合を比較した。兎骨髄細胞をRWVベッセルによる回転培養装置により培養した結果では、自動培養が品質面において手動培養に比べ少なくとも同等以上の品質を与えることが分かった。
本発明の自動細胞培養装置は、GMP(Good Manufacturing Practice)対応のCPC(セルプロセッシングセンター)を持たない医療機関でも再生医療の臨床適応を目指すことができるようになり、再生医療を飛躍的に普及させることができる。代表的にはヒト骨髄細胞から移植可能な軟骨組織を構築するために使用することができる。更に、軟骨再生以外にも再生医療の研究は、網膜剥離症や白内障などを対象とした角膜再生、骨欠損や骨粗しょう症を対象とした骨再生、糖尿病などを対象とした膵臓(ラ氏島)再生、拡張型心筋症などを対象とする心筋再生、パーキンソン病やアルツハイマー症を対象とする神経再生などにも及んでいるので、これら軟骨再生以外の再生医療においても、本発明の自動細胞培養装置が有効であると考えられる。本発明の自動細胞培養装置は、将来的には軟骨再生医療のみならず再生医療全般に適応され得るものであり、再生医療の普及のための必須かつ重要な基盤技術となるものと確信する。
1 自動細胞培養装置、 2 回転培養ベッセル、
3 回転培養装置、 4 供給用保冷庫、
5 排出用保冷庫、 6 軸方向移動手段、
7 供給用XYZ軸移動機構、 8 排出用XYZ軸移動機構、
9 密閉筐体、 10 インキュベータボックス、
11 供給シリンジ、 11A ピストン、
11B 注射針、 12 排出シリンジ、
12A ピストン、 12B 注射針、
13 回転軸、 14 固定チャック、
15 押上手段、 16 固定チャック、
17 引上手段、 18 培養容器、
19 細胞液注入口、 20 エア抜き口、
21 細胞取出口、
22,22A,22B,22C 供給口、
23,23A,23B,23C 排出口、
24 取付部、 25 取入口、
26 ガス透過膜、 27 観察窓、
28 セプタムシール、 29 ポート、
30 キャップ、 31 導入流路、
32 オリフィス流路、 33 ポート、
34 セプタムシール、 35 キャップ、
36 凹部、 37 ポート、
38 ゴムキャップ、 39 点検扉、
40 作業扉、 41 空調機、
42 回転制御機構、 43 扉、
44 軸受、 45 リニアガイド、
46 可動部、 47 扉、
48 スタッカ、 49 ステッピングモータ、
50 回転軸、 51 ホルダー、
52 扉、 53 スタッカ、
54 ステッピングモータ、 55 回転軸、
56 ホルダー、 57 Y軸移動機構、
58 Z軸移動機構、 59 X軸移動機構、
60 U字溝板、 61 ハンド、
62 Z軸移動機構、 63 押上板、
64 Y軸移動機構、 65 Z軸移動機構、
66 X軸移動機構、 67 U字溝板、
68 ハンド、 69 Z軸移動機構、
70 引上板。

Claims (9)

  1. 細胞と培養液を内部に入れて回転培養装置の水平な回転軸に装着し、細胞を無重力に近い微小重力環境で3次元培養するために用いる回転培養ベッセルであって、偏平円筒形の培養容器の適所に、初期に細胞と培養液を投入し、また培養した細胞を取り出すための単又は複数の出入口を設けるとともに、培養容器の外周円筒面に、培養液交換用の供給口と排出口とを少なくとも一対設け、この対となった供給口と排出口は互いに180°反対向きに配向させるとともに、前記排出口の中心線は回転中心を通り、前記供給口の中心線は回転中心に対して偏心させたことを特徴とする回転培養ベッセル。
  2. 前記培養容器の培養空間の半径をrとしたとき、前記供給口の中心線と回転中心との距離を0.5r〜0.9rに設定した請求項1記載の回転培養ベッセル。
  3. 前記供給口と排出口の対を前記培養容器の外周円筒面に3対設けるとともに、各供給口と各排出口は等角間隔毎に設けている請求項1又は2記載の回転培養ベッセル。
  4. 前記供給口と排出口はセプタムシール構造とし、培養液交換のために用いる供給シリンジと排出シリンジはそれぞれ先端に前記セプタムシールを貫通可能な注射針を有し、前記供給シリンジから新しい培養液を注入しながら前記排出シリンジで古い培養液を吸入するとともにエア抜きをすることを可能とした請求項1〜3何れかに記載の回転培養ベッセル。
  5. 前記培養容器の外周円筒面に、細胞と培養液からなる細胞液を注入する細胞液注入口を設けるとともに、前記培養容器の回転軸に直交する正面にエア抜き口と細胞取出口を設け、前記細胞液注入口とエア抜き口とはセプタムシール構造とし、前記細胞取出口は開口が大きなゴムキャップ構造とした請求項1〜4何れかに記載の回転培養ベッセル。
  6. 前記セプタムシール構造の各口は、セプタムシールの背後に注射針を受け入れる直径の大きな導入流路と、該導入流路と前記培養容器の培養空間との間に直径の小さなオリフィス流路を設けた請求項4又は5記載の回転培養ベッセル。
  7. 請求項1〜6何れかに記載した前記回転培養ベッセルを用い、細胞を無重力に近い微小重力環境で3次元培養するための自動細胞培養装置であって、空調機能を備えた密閉筐体内の中段に回転培養装置のインキュベータボックスを配置するとともに、下段に培養液を供給する供給シリンジを収納する供給用保冷庫、上段に培養液を回収する排出シリンジを収納する排出用保冷庫を配置し、前記インキュベータボックス、供給用保冷庫及び排出用保冷庫の前面には自動開閉扉が設けられ、前記回転培養装置には前記インキュベータボックス内に設けられた水平な回転軸をその軸方向に前後移動する軸方向移動手段を備え、該回転軸の端部に前記回転培養ベッセルを着脱可能に装着し、前記供給用保冷庫の前面には供給用XYZ軸駆動機構を配置するとともに、該機構で駆動される供給可動部に前記供給シリンジを上向きに保持する固定チャックとピストンを押し上げる押上手段とを備え、前記排出用保冷庫の前面には排出用XYZ軸駆動機構を配置するとともに、該機構で駆動される排出可動部に前記排出シリンジを下向きに保持する固定チャックとピストンを引き上げる引上手段とを備え、前記各開閉扉を開き、前記軸方向移動手段を駆動して前記インキュベータボックス内から回転培養ベッセルを前面側に出現させるとともに、前記供給口を下側、前記排出口を上側に向けて停止し、前記供給用XYZ軸駆動機構と固定チャックを駆動して前記供給用保冷庫内から供給シリンジを取り出して前記回転培養ベッセルの下側に位置させる一方、前記排出用XYZ軸駆動機構と固定チャックを駆動して前記排出用保冷庫内から排出シリンジを取り出して前記回転培養ベッセルの上側に位置させ、前記供給用XYZ軸駆動機構と排出用XYZ軸駆動機構を駆動して前記供給シリンジと排出シリンジを前記供給口と排出口に同時に気密状態で接続した後、前記押上手段と引上手段を同調して駆動し、前記回転培養ベッセル内の培養液を交換することを特徴とする自動細胞培養装置。
  8. 前記供給用保冷庫と排出用保冷庫の内部には、ステッピングモータで制御される鉛直方向の回転軸を備えた回転レボルバー式のスタッカを備え、該スタッカの周囲に前記シリンジを鉛直方向に向けた状態で側方から弾性的に着脱可能なホルダーを複数設けている請求項7記載の自動細胞培養装置。
  9. 前記回転培養装置には、共通の軸方向移動手段で前後移動する複数の回転軸が上下方向に重なることなく並設されているとともに、各回転軸に前記回転培養ベッセルを装着した際に、隣接する回転培養ベッセルが互いに干渉しないように、前記回転軸の端部の前後位置をずらせて設定している請求項7又は8記載の自動細胞培養装置。
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