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JP5249484B2 - 医薬組成物 - Google Patents

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JP5249484B2
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尚美 島崎
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Description

本発明は、1種又は2種以上のチアゾリジンジオン化合物又はその薬理学上許容される塩及び1種又は2種以上のRXR(レチノイドX受容体)活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩を有効成分として含有する癌を予防又は治療するための医薬組成物に関する。
チアゾリジンジオン化合物としては、下記一般式(A)
Figure 0005249484
[上記式中、Raは、
Figure 0005249484
[式中、Rdは、フェニル基{アミノ基(C1−10アルキル基、C6−10アリール基又はC7−16アラルキル基で置換されてもよい)等で1乃至5個置換されている}等を示し、Reは、水素原子等を示し、Rfは、C1−6アルキル基等を示し、Dは、酸素原子等を示し、Eは、=CH−基等を示す。}で表される基を示し、Rbは、水素原子等を示し、R3は、式
Figure 0005249484
を有する基等を示し、Aは、C1−6アルキレン基を示し、Bは、酸素原子等を示す。]で表される化合物が開示されており、この化合物が抗癌剤として使用できることが記載されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この文献には、この化合物とRXR活性化作用剤を併せて使用することについては記載も示唆もしていない。
また、すでにRXR活性化作用剤が抗癌剤として使用することができることは知られている(例えば、特許文献2及び3、並びに、非特許文献1参照。)。しかし、これらの文献には、RXR活性化作用剤とチアゾリジンジオン化合物を併せて使用することについては記載も示唆もしていない。
チアゾリジンジオン化合物とRXR活性化作用剤からなる脂肪肉腫の治療剤が知られている(例えば、特許文献4参照。)。具体的には、チアゾリジンジオン化合物として、5−[[4−[2−(メチル−2−ピリジニルアミノ)エトキシ]フェニル]メチル]−2,4−チアゾリジンジオン(ロジグリタゾン又はBRL49653)、5−[[4−[(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ]フェニル]メチル−2,4−チアゾリジンジオン(トログリタゾン)及び5−[[4−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]フェニル]メチル−2,4−チアゾリジンジオン(ピオグリタゾン)が記載されており、RXR活性化作用剤として、6−[1−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)シクロプロピル]ニコチン酸(LG100268)及び6−[1−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)エテニル]ニコチン酸(LG268)が知られているが、これらの化合物の併用による抗癌剤としての効果は十分ではなかった。
特開平11−193276号公報 特開平6−107542号公報 国際公開第94/15901号パンフレット 国際公開第98/29120号パンフレット J.Thibonnet et al, Synlett, 1, pp141-143(1999)
発明が解決しようとする課題
本発明の課題は、更に優れた癌細胞の増殖抑制効果を示す化合物の組み合わせを見出し、有用な細胞増殖抑制剤又は抗癌剤を提供することである。
課題を解決するための手段
本発明は、1種又は2種以上の下記一般式(I)
Figure 0005249484
[式中、Arは、アリール基(少なくとも1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至4個の置換基群αから選択される基で置換されていてもよい)又はヘテロアリール基(少なくとも1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至3個の置換基群αから選択される基で置換されていてもよい)を示し、
1及びR2は、それぞれ同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル基、C6−10アリール基又はC7−16アラルキル基を示し、
Xは、酸素原子又は硫黄原子を示し、
Yは、=CH−基又は窒素原子を示す。
上記において、置換基群αは、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロゲン原子及び水酸基からなる置換基群のことである。]で表されるチアゾリジンジオン化合物又はその薬理学上許容される塩及び1種又は2種以上のRXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩を有効成分として含有する、同時に又は時間を置いて別々に投与するための、癌を予防又は治療するための医薬組成物に関する。
本発明のチアゾリジンジオン化合物は、特開平11−193276号公報に記載されている。
本発明の一般式(I)で表されるチアゾリジンジオン化合物として、好適には以下の化合物を挙げることができる。
(1) Arがフェニル基(少なくとも1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至4個の置換基群αから選択される基で置換されていてもよい)又はピリジル基(少なくとも1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至3個の置換基群αから選択される基で置換されていてもよい)である化合物。
(2) Arがフェニル基(1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至4個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)又はピリジル基(1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至3個のアルキル基で置換されていてもよい)である化合物。
(3) Arがフェニル基(少なくとも1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至4個の置換基群αから選択される基で置換されていてもよい)である化合物。
(4) Arがフェニル基(1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至4個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)である化合物。
(5) Arがフェニル基(1個の−NR12基で置換されている)である化合物。
(6) Arがフェニル基(3位又は4位が−NR12基で置換されている)である化合物。
(7) Arがフェニル基(3位が−NR12基で置換されている)である化合物。
(8) Arがピリジル基(1個の−NR12基で置換されており、かつ、1乃至3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい)である化合物。
(9) Arがピリジル基(1個の−NR12基で置換されている)である化合物。
(10)Arが2−ピリジル基(1個の−NR12基で置換されている)である化合物。
(11)Arが2−ピリジル基(5位が−NR12基で置換されている)である化合物。
(12) R1及びR2が、それぞれ同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル基又はC6−10アリール基である化合物。
(13) R1及びR2が、それぞれ同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキル基である化合物。
(14) R1が、C1−6アルキル基であり、R2が水素原子である化合物。
(15) R1が、C1−4アルキル基であり、R2が水素原子である化合物。
(16) R1が、イソプロピル基であり、R2が水素原子である化合物。
(17) Xが酸素原子である化合物。
(18) Yが=CH−基である化合物。
また、本発明のチアゾリジンジオン化合物として下記一般式(I')
Figure 0005249484
[式中、R1'はC3−6分岐アルキル基を示し、R2'は、水素原子、又はC1−6アルキル基を示す]で表される化合物も好適である。
本発明のチアゾリジンジオン化合物として、更に好適には以下の化合物を挙げることができる。
5−(4−(6−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−(イソプロピル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−(エチル−イソプロピル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−イソブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−(イソブチル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−(エチル−イソブチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−sec−ブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−(sec−ブチル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−(sec−ブチル−エチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾールー2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−t−ブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(3−ジイソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−(イソプロピル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−(エチル−イソプロピル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−イソブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−(イソブチル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−(エチル−イソブチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−sec−ブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−(sec−ブチル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−(sec−ブチル−エチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−t−ブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−ジイソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−(イソプロピル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−(エチル−イソプロピル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−イソブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−(イソブチル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−(エチル−イソブチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−sec−ブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−(sec−ブチル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−(sec−ブチル−エチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−t−ブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−べンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(2−ジイソピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
5−(4−(6−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、
1−アミノ−7−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]ナフタレン、
1−アミノ−6−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]ナフタレン、
1−アミノ−5−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]ナフタレン、又は、
3−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]アニリン。
これらのうち、特に好適には、
1−アミノ−7−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]ナフタレン、
1−アミノ−6−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]ナフタレン、
1−アミノ−5−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]ナフタレン、
3−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]アニリン、
5−(4−(6−(3−イソプロピルアミノーフェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン、又は、
5−(4−(6−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオンである。
本発明の有効成分の一つであるRXR活性化作用剤は、RXRと結合することにより、レチノイン酸やレチノイン酸様の生理活性を有する化合物(レチノイド)の作用を増強する化合物である。
本発明のRXR活性化作用剤としては、代表的なものとして、例えば、J.Thibonnet et al, Synlett, 1, pp141-143(1999)、特開平6−107542号公報、及び、WO94/15901号公報に記載されている化合物を挙げることができる。
以下に本発明の有効成分であるRXR活性化作用剤として代表的な化合物の構造式を示す。
Figure 0005249484
上記化合物のうち、ATRAは特表平10−511948号公報に記載されており、その化合物名は、(E,E,E,E)−3,7−ジメチル−9−[2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル]−2,4,6,8−ノナテトラエン酸(オールトランス−レチノイン酸)である。ATRAは、そのまま或いはその一部が9−シス−レチノイン酸に変換されることによりRXRに作用する。
9−シス−レチノイン酸は、特開平6−107542号公報に記載されており、その化合物名は、(E,Z,E,E)−3,7−ジメチル−9−[2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン−1−イル]−2,4,6,8−ノナテトラエン酸である。
LG100268は、WO94/15901号公報に記載されており、その化合物名は、6−[1−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)シクロプロピル]ニコチン酸である。
タルグレチンは、WO94/15901号公報に記載されており、その化合物名は、6−[1−(3,5,5,8,8−ペンタメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)エテニル]安息香酸である。
本発明の有効成分であるチアゾリジンジオン化合物及びRXR活性化作用剤は、常法に従って塩にすることができる。そのような塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩;t-オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N-メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N-ベンジル-N-フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸のようなハロゲン化水素酸塩;硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸のような低級アルカンスルホン酸の塩;ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等のようなアリールスルホン酸塩;グルタミン酸、アスパラギン酸等のようなアミノ酸の塩;フマール酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、マレイン酸のようなカルボン酸の塩等の有機酸;及びオルニチン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができ、チアゾリジンジオン化合物の塩として好適にはハロゲン化水素酸塩又は有機酸塩であり、更に好適には塩酸塩である。
また、本発明の有効成分であるチアゾリジンジオン化合物及びRXR活性化作用剤は、大気中に放置しておいたり、再結晶することにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合がある。そのような水和物を形成する場合には、それらの全てが本発明に包含される。
更に、本発明の有効成分であるチアゾリジンジオン化合物及びRXR活性化作用剤は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような溶媒和物も本発明に包含される。
本発明の有効成分であるチアゾリジンジオン化合物及びRXR活性化作用剤には種々の異性体が存在する場合がある。例えば、前記一般式(I)の構造を有するチアゾリジンジオン化合物のチアゾリジン環は不斉炭素を含み、また、置換基上にも不斉炭素が存在する場合があるので、光学異性体を有する。これら異性体の各々、或はそれらを任意の割合で含む化合物のいずれも本発明に包含される。
そのような異性体は、各々の異性体の原料化合物を用いて本発明の化合物を合成するか又は合成した本発明の化合物を所望により通常の分割法若しくは分離法を用いて分割することにより得ることができる。
本発明において、「同時に」投与するとは、ほぼ同じ時間に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、単一の組成物として投与するのが好ましい。
また、「時間を置いて別々に」投与するとは、異なった時間に別々に投与できる投与形態であれば特に限定はないが、例えば、最初にチアゾリジンジオン化合物又はその薬理学上許容される塩を投与し、次いで、決められた時間後に、RXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩を投与する方法が挙げられる。
また、投与するチアゾリジンジオン化合物又はその薬理学上許容される塩の種類と、RXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩の種類が、合わせて3種以上ある場合には、「同時に又は時間を置いて別々に」投与するとは、それらの全てを同時に投与する方法、各々時間を置いて別々に投与する方法、2種以上を同時に投与し時間を置いて残りの薬剤を投与する方法又は2種以上を時間を置いて投与し残りの薬剤を同時に投与する方法等を含む。
本発明において、「癌」とは、肉腫・癌種・白血病等を指し、これらには、繊維肉腫・脂肪肉腫・骨肉種・血管肉腫・肺癌・胃癌・大腸癌・乳癌・前立腺癌・腎臓癌・肝臓癌・膵臓癌・食道癌・舌癌・脳腫瘍・咽頭癌・卵巣癌・急性白血病・慢性白血病・リンパ腫等が含まれる。
本発明の有効成分の一つである、一般式(I)で表されるチアゾリジンジオン化合物は、特開平11−193276号公報に記載の方法により容易に製造することができる。
また、本発明の有効成分の一つである、一般式(I)で表されるチアゾリジンジオン化合物のうち、一般式(I')
Figure 0005249484
[式中、R1'はC3−6分岐アルキル基を示し、R2'は、水素原子、又はC1−6アルキル基を示す]で表される化合物は、以下の方法によっても製造することができる。
以下において、R1'、R2'は前述したものと同じである。
(A法)
A法は、R2'がC1−6アルキル基である、化合物(Ia)を製造する方法である。
Figure 0005249484
(第A1工程)
本工程は、アミン(1)をアルキル化してアミン(2)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、アミン(1)を還元剤の存在下にアルデヒドと反応させ、アミン(2)を得る工程である。
本工程で使用されるアミン化合物(1)は、特開平11−193276号公報実施例46により又はそれに準じて製造することができる。
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類などがあげられ、特に好適にはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類である。
使用される還元剤としては、トリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム、水素化シアノほう素ナトリウムなどがあげられ、所望により酢酸などを加えることができる。
反応温度は、化合物、溶剤等により変化するが、通常、0乃至100℃であり。好適には、10乃至30℃である。
反応時間は、化合物、反応温度等により変化するが、通常、30分ないし1週間であり、好適には、1時間ないし1日である。
反応終了後、例えば、減圧下、溶剤を留去し、残査を水と混和しない溶剤、たとえば、酢酸エチル、ジクロロメタンなどで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。所望により、各種クロマトあるいは再結晶法により単離精製することもできる。
(第A2工程)
本工程は、アミン(2)から化合物(Ia)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、アミン(2)を還元剤の存在下にアルデヒドまたはケトンと反応させ、化合物(Ia)を得る工程であり、第A1工程と同様にして行うことができる。
(B法)
B法は、R2'が水素原子である化合物(Ib)を製造する方法及び化合物(Ib)を原料として、A法とは別途化合物(Ia)を製造する方法である。
Figure 0005249484
(B1工程)
本工程は、アミン(1)をアルキル化して、化合物(Ia)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、アミン(1)を還元剤の存在下にアルデヒドまたはケトンと反応させ、化合物(Ia)を得る工程であり、第A1工程と同様にして行うことができる。
(B2工程)
本工程は、化合物(Ib)をアルキル化して化合物(Ia)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、化合物(Ib)を還元剤の存在下にアルデヒドと反応させ、化合物(Ia)を得る工程であり、第A1工程と同様にして行うことができる。
(C法)
本方法は、上記A法又はB法とは別途、化合物(I')を製造する方法である。
Figure 0005249484
(第C1工程)
本工程は、クロロ体(3)をエーテル化してフェニルエーテルである化合物(4)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、クロロ体(3)を塩基の存在下に所望の位置が臭素原子で置換されたフェノールと反応させ、化合物(4)を得る工程である。
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類などがあげられ、特に好適にはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類である。
使用される塩基としては、化合物の他の部分に影響を与えないものであれば特に限定はないが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類などがあげられる。
反応温度は、化合物、溶剤等により変化するが、通常、20乃至160℃であり、好適には80乃至100℃である。
反応時間は、化合物、反応温度等により変化するが、通常、30分乃至1週間であり、好適には1時間乃至1日である。
反応終了後、例えば、減圧下、溶剤を留去し、残渣を水と混和しない溶剤、例えば、酢酸エチル、ジクロロメタンなどで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。所望により、各種クロマトグラフィーあるいは再結晶法により単離精製することもできる。
(第C2工程)
本工程は、ブロモ体である化合物(4)をアミノ化してアミンである化合物(5)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、化合物(4)を触媒、リガンド、塩基の存在下に1級あるいは2級アミンと反応させ、化合物(5)を得る工程である。
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル類があげられ、特に好適にはベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類である。
使用される触媒としては、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)のような含パラジウム化合物があげられる。
使用されるリガンドとしては、2−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニルのようなリン化合物があげられる。
使用される塩基としては、ナトリウム t−ブトキシド、りん酸三カリウムなどがあげられる。
反応温度は、化合物、溶剤等により変化するが、通常、20乃至160℃であり、好適には80乃至100℃である。
反応時間は、化合物、反応温度等により変化するが、通常、30分乃至1週間であり、好適には1時間乃至1日である。
反応終了後、例えば、減圧下、溶剤を留去し、水を加え、希塩酸などで中和した後、酢酸エチル、ジクロロメタンのような水と混和しない溶剤を加え、目的化合物を含む有機層を分離する。この抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。所望により、各種クロマトグラフィーあるいは再結晶法により単離精製することもできる。
(第C3工程)
ニトロ体である化合物(5)を還元してアミン(6)を得る工程である。本反応は、接触還元反応又は一般的なニトロ基の還元法である金属および酸を用いる方法の他、還元剤として亜二チオン酸ソーダを用いて行われる。
接触還元反応の場合、使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはメタノール、エタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類などがあげられ、特に好適にはメタノール、エタノールなどのアルコール類である。
使用される触媒としては、パラジウム−炭素、パラジウム−アルミナ、塩化パラジウム、酸化白金などがあげられる。
反応温度は、化合物、溶剤等により変化するが、通常、0乃至80℃であり。好適には、10乃至30℃である。
反応時間は、化合物、反応温度等により変化するが、通常、30分ないし1週間であり、好適には、1時間ないし1日である。
反応終了後、例えば、反応混合物より触媒を濾去した後、溶剤を留去することによって得られる。
金属および酸を用いる方法の場合、使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはメタノール、エタノールなどのアルコール類、酢酸のような有機カルボン酸類、水あるいはそれらの混合溶剤などがあげられる。
使用される金属としては、亜鉛、鉄、錫などがあげられる。
使用される酸としては、酢酸のような有機カルボン酸、塩酸のような鉱酸の他、塩化アンモニウムなどがあげられる。
反応温度は、化合物、溶剤等により変化するが、通常、0乃至100℃であり。好適には、10乃至80℃である。
反応時間は、化合物、反応温度等により変化するが、通常、30分ないし1週間であり、好適には、1時間ないし1日である。
反応終了後、例えば、反応混合物を適宜中和し、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と酢酸エチルのような混和しない有機溶媒を加え、目的化合物を含む有機層を分離、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。
所望により、各種クロマトグラフィーあるいは再結晶法により単離精製することもできる。
(第C4工程)
アミン(6)とカルボン酸(7)を縮合してアミド(8)を得る工程である。すわわち、不活性溶剤中、カルボン酸(7)を塩基の存在下に混合酸無水物化剤と反応させ、混合酸無水物類を製造した後、アミン(6)と反応させ、アミド(8)を得る工程である。
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエンのような芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類、アセトンのようなケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類、ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類、スルホランなどがあげられ、特に好適にはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルのようなエーテル類である。
使用される混合酸無水物化剤としては、塩化炭酸エチル、塩化炭酸イソブチルのようなハロゲン化炭酸アルキル、塩化ピバロイルのようなハロゲン化アルカノイル、シアノホスホン酸ジエチル、シアノホスホン酸ジフェニルのようなシアノホスホン酸ジエステル類があげられる。
使用される塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機アミン類があげられる。
混合酸無水物類を製造する反応における反応温度は、化合物、試薬、溶剤等により変化するが、通常、0乃至100℃であり、好適には10乃至30℃である。
混合酸無水物類を製造する反応における反応時間は、化合物、試薬、反応温度等により変化するが、通常、15分乃至2日であり、好適には30分乃至1日である。
混合酸無水物類とアミン(6)との反応は、不活性溶剤中、塩基の存在下で行われ、使用される塩基および不活性溶剤は、前述の混合酸無水物類を製造する反応において使用されるものと同様である。
混合酸無水物類とアミン(6)との反応における反応温度は、化合物、試薬、溶剤等により変化するが、通常、0乃至100℃であり、好適には10乃至30℃である。
混合酸無水物類とアミン(6)との反応における反応時間は、化合物、試薬、反応温度等により変化するが、通常、30分乃至1週間であり、好適には、1時間乃至1日である。
また、本反応において、シアノりん酸ジエステル類を使用する場合には、塩基の存在下にアミン(6)とカルボン酸(7)を直接反応させることもできる。
反応終了後、例えば、減圧下、溶剤を留去し、残渣を水と混和しない溶剤、例えば、酢酸エチル、ジクロロメタンなどで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。所望により、各種クロマトグラフィーあるいは再結晶法により単離精製することもできる。
(第C5工程)
フェニレンジアミン(8)から本発明のベンゾイミダゾール化合物(I)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤の存在下または非存在下、フェニレンジアミン(8)を酸と反応させ、化合物(I')を得る工程である。
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル類、メタノール、エタノール、t−ブタノール、ジエチレングリコールのようなアルコール類、水、或は、水または上記溶剤の混合溶剤があげられ、特に好適にはジクロロメタン、1,4−ジオキサンである。
使用される酸としては、通常の反応において酸触媒として使用されるものであれば特に限定はないが、好適には塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸のような無機酸、酢酸、蟻酸、p−トルエンスルホン酸、トリフロロ酢酸のような有機酸等のブレンステッド酸、塩化亜鉛、四塩化スズ、三塩化ホウ素、三塩化フッ素、三塩化臭素のようなルイス酸、酸性イオン交換樹脂などがあげられ、特に好適には塩酸、酢酸、トリフロロ酢酸である。
反応温度は、化合物、使用される酸、溶剤等により変化するが、通常、0℃乃至沸点温度であり、好適には20乃至70℃である。
反応時間は、化合物、使用される酸、反応温度等により変化するが、通常、30分乃至2日、好適には1時間乃至1日である。
反応終了後、例えば、減圧下、溶剤を留去し、残渣を水と混和しない溶剤、例えば、酢酸エチル、ジクロロメタンなどで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。所望により、各種クロマトグラフィーあるいは再結晶法により単離精製することもできる。
(D法)
本方法は、C法における中間体である化合物(5)を別途製造する方法である。R2'がC1−6アルキル基である化合物(5a)は、下記D1乃至D3工程、又は、D1、D4及びD5工程を経ることにより、R2'が水素原子である化合物(5b)は、下記D1及びD4工程を経ることにより製造することができる。
Figure 0005249484
(第D1工程)エーテル化
本工程は、クロロ体(3)からフェニルエーテルである化合物(9)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、クロロ体(3)を塩基の存在下に所望の位置がアミノ基で置換されたフェノールと反応させ、化合物(9)を得る工程であり、第C1工程と同様にして行うことができる。
(第D2工程)
アミンである化合物(9)をアルキル化してアミン(10)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、アミン(9)を還元剤の存在下に所望のアルデヒドと反応させ、アミン(10)を得る工程であり、第A1工程と同様にして行うことができる。
(第D3工程)
本工程は、アミン(10)をアルキル化して、アミン化合物(5a)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、アミン(10)を還元剤の存在下に所望のアルデヒドまたはケトンと反応させ、アミン化合物(5a)を得る工程であり、第A1工程と同様にして行うことができる。
(第D4工程)
本工程は、アミン(9)をアルキル化してアミン化合物(5b)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、アミン(9)を還元剤の存在下に所望のアルデヒドまたはケトンと反応させ、アミン化合物(5b)を得る工程であり、第A1工程と同様にして行うことができる。
(第D5工程)
本工程は、アミン化合物(5b)を更にアルキル化してアミン化合物(5a)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、アミン化合物(5a)を還元剤の存在下にアルデヒドと反応させ、アミン化合物(5b)を得る工程であり、第A1工程と同様にして行うことができる。
(E法)
本方法は、C法、D法とは別途、C法における中間体である化合物(5)を製造する方法である。
Figure 0005249484
(第E1工程)
本工程は、ブロモ体(11)をアミノ化してアミンである化合物(12)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、ブロモ体(11)を触媒、リガンド、塩基の存在下に1級あるいは2級アミンと反応させ、化合物(12)を得る工程であり、第C2工程と同様にして行うことができる。
(第E2工程)
本工程は、シリルエーテルである化合物(12)を脱シリル化して、フェノール(13)を得る工程である。すなわち、不活性溶媒中、化合物(12)を弗化物と反応させ、フェノール(13)を得る工程である。
使用される溶剤としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのようなアミド類、水などがあげられ、特に好適にはテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル類である。
使用される弗化物としては、弗化カリウム、弗化テトラ−n−ブチルアンモニウムなどがあげられる。
反応温度は、化合物、溶剤等により変化するが、通常、0乃至100℃であり、好適には10乃至30℃である。
反応時間は、化合物、反応温度等により変化するが、通常、15分乃至2日であり、好適には30分乃至1日である。
反応終了後、例えば、減圧下、溶剤を留去し、残渣を水と混和しない溶剤、例えば、酢酸エチル、ジクロロメタンなどで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶剤を留去することによって得られる。所望により、各種クロマトグラフィーあるいは再結晶法により単離精製することもできる。
(第E3工程)
本工程は、フェノール(13)をエーテル化して、フェニルエーテルである化合物(5)を得る工程である。すなわち、不活性溶剤中、フェノール(13)を塩基の存在下にクロロ体(3)と反応させ、フェニルエーテル(5)を得る工程であり、第C1工程と同様にして行うことができる。
また、本発明の有効成分のうち、RXR活性化作用剤は、例えば、J.Thibonnet et al, Synlett, 1, pp141-143(1999)、特開平6-107542号公報、及び、WO94/15901号公報に記載の方法に従い、容易に製造することができる。例えば、ATRAは、J.Thibonnet et al, Synlett, 1, pp141-143(1999)に記載の方法により、9-シス-レチノイン酸は、M.F.Boehm et al, J.Med.Chem., 37, pp408-414(1994)に記載の方法により、LG100268は、WO94/15901号公報に記載の方法により、タルグレチンは、WO94/15901号公報記載の方法により、それぞれ製造することができる。
本発明の医薬組成物の有効成分であるチアゾリジンジオン化合物又はその薬理上許容される塩と、RXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩は、各々単独で別々の単位投与形態に、又は、混合して物理的に1個の単位投与形態に調整することができる。
本発明の医薬組成物を、上記疾患の予防薬又は治療薬として使用する場合には、本発明の医薬組成物の有効成分であるチアゾリジンジオン化合物又はその薬理学上許容される塩と、RXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩を、各々それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される、腑形剤、希釈剤等と混合し、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤などにより経口的に、又は、注射剤若しくは坐剤等により非経口的に投与することができる。
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤;及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーズワックス、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、乳化剤(例えば、ベントナイト、ビーガムのようなコロイド性粘土;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのような金属水酸化物;ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウムのような陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウムのような陽イオン界面活性剤;及び、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのような非イオン界面活性剤を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。
本発明の医薬組成物の有効成分であるチアゾリジンジオン化合物又はその薬理上許容される塩と、RXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩の投与量と投与比率は、個々の薬剤の活性、患者の症状、年齢、体重等の種々の条件により変化し得る。
その投与量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、各々、1回当たり下限0.1mg(好適には0.5mg)、上限1000mg(好適には500mg)を、非経口的投与の場合には、1回当たり下限0.01mg(好適には0.05mg)、上限100mg(好適には50mg)を、成人に対して1日当たり1乃至6回、症状に応じて、同時に又は時間を置いて別々に投与することができる。
本発明の医薬組成物の有効成分であるチアゾリジンジオン化合物又はその薬理上許容される塩と、RXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩の投与比率は大幅に変わりうるが、一般的に、重量比で1:200乃至200:1の範囲内でありうる。
以下、製造例、試験例、製剤例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(製造例1)
5−(4−(6−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩
0.74gの参考例2で得たN−(2−アミノ−5−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−フェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステル、0.70gの4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−フェノキシ酢酸(特開平11−193276)、0.41gのシアノホスホン酸ジエチル、0.25gのトリエチルアミンおよび30mlの無水テトラヒドロフランの混合物を室温で4.5時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=2/3)で精製して、中間体であるN−(5−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−2−(4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)−フェノキシアセチルアミノ)−フェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルを得た。この中間体を50mlの4規定塩酸/1,4−ジオキサンに溶解後、室温で16時間放置し、析出した成績体を濾取、酢酸エチルで洗浄して、標記化合物(0.76g、収率64%)を得た。
1H-NMR ( DMSO-d6 )δ:1.21( 6H, d, J=6.4Hz ), 3.11( 1H, dd, J=14及び9.0Hz ), 3.34( 1H, dd, J=14及び4.4Hz ), 3.57-3.65( 1H, m ), 3.95( 3H, s), 4.91( 1H, dd, J=9.0及び4.4Hz ),5.63( 2H, s ),6.70-7.20( 3H, m ),7.14( 2H, d, J=8.7Hz ), 7.25( 2H, d, J=8.7Hz ), 7.25( 1H, d, J=3.3Hz ), 7.35-7.45( 1H, m ), 7.68( 1H, d, J=1.9Hz ), 7.83( 1H, d, J=8.9Hz ), 12.05(1H, s;重水添加により消失).
(製造例2)
5−(4−(6−(3−(イソブチル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩
製造例1のN−(2−アミノ−5−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−フェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルの代わりに参考例5で得たN−(2−アミノ−5−(3−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−フェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルを用いて、製造例1と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR ( DMSO-d6 )δ:0.86( 6H, d, J=6.7Hz ), 1.90-1.99( 1H, m ), 2,91( 3H, s ), 3.08-3.14( 3H,m ), 3.34( 1H, dd, J=14及び4.4Hz ), 3.94(3H, s ),4.91( 1H, dd, J=9.0及び4.4Hz ), 5.65( 2H, s ), 6.21( 1H, br ), 6.39 ( 1H, br ), 6.53( 1H, br ), 7.15-7.27( 6H, m ), 7.62( 1H, d, J=2.1Hz ), 7.80( 1H, d, J=8.9Hz ), 12.04( 1H, br;重水添加により消失).
(製造例3)
5−(4−(6−(4−(イソブチル−メチル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾ−ル−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩
製造例1のN−(2−アミノ−5−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−フェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルの代わりに参考例8で得たN−(2−メチル−5−(4−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−フェニル)メチルアミンを用いて、製造例1と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR ( DMSO-d6 )δ:0.90( 6H, d, J=4.4Hz ), 1.75-2.05( 1H, m ), 1.99( 3H, s ), 2.90-3.10( 2H, m ),3.11( 1H, dd, J=14及び8.9Hz ), 3.34( 1H, dd, J=14及び4.4Hz ), 3.92( 3H, s ), 4.91( 1H, dd, J=8.9及び4.4Hz ), 5.62( 2H, s ), 6.65-7.20( 5H, m ), 7.13( 2H, d, J=8.7Hz ), 7.25( 2H, d, J=8.7Hz ), 7.45-7.60( 1H, m ), 7.78( 1H, d, J=8.9Hz ), 12.05( 1H, s;重水添加により消失).
(製造例4)
5−(4−(6−(3−(エチル−イソプロピル−アミノ)−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン
620mgの製造例1で得た5−(4−(6−(3−イソプロピルアミノ−フエノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩、66mgのアセトアルデヒド、90mgの酢酸、318mgのトリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム及び15mlの無水テトラヒドロフランの混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/1)で精製して、標記化合物(260mg,収率48%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6)δ:1.06 (3H, t, J=7.OHz), 1.11 (6H, d, J=6.6Hz), 3.05 (1H, dd, J=14及び9.2Hz), 3.18 (2H, q, J=7.0Hz), 3.31 (1H, dd, J=14及び4.3Hz), 3.79 (3H, s), 3.94-4.04 (1H, m), 4.87 (1H, dd, J=9.2及び4,3Hz), 5.63 (2H, s), 6.11 (1H, dd, J=7.9及び2.0Hz ), 6.34 (1H, t, J=2.2Hz), 6.46 (1H, dd, J=8.5及び2.3Hz), 6.92 (1H, dd, J=8.8及び2.2Hz), 7.06-7.11 (3H, m), 7.19 (1H, d, J=8.7Hz), 7.28 (1H, d, J=2.3Hz), 7.63 (1H, d, J=8.7Hz), 12.02 (1H, s;重水添加により消失).
(製造例5)
5−(4−(6−(4−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン
製造例4の5−(4−(6−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩の代わりに5−(4−(6−(4−アミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩(特開平11−193276)、アセトアルデヒドの代わりにアセトンを用いて、製造例4と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR ( DMSO-d6 )δ:1.13( 6H, d, J=6.3Hz ), 3.05( 1H, dd, J=14及び9.1Hz ), 3.31( 1H, dd, J=14及び4.3Hz ), 3.45-3.52( 1H, m ), 3.75( 3H, s ), 4.87( 1H, dd, J=9.1及び4.3Hz ), 5.24( 1H, br;重水添加により消失), 5.34( 2H, s ), 6.56( 2H, dd, J=12及び3.3Hz ), 6.81( 2H, d, J=8.6Hz ), 6.83( 1H, dd, J=8.2及び2.3Hz ), 7.04-7.07( 3H, m ), 7.19( 2H, d, J=8.6Hz ), 7.57( 1H, d, J=8.8Hz ), 12.02( 1H, br;重水添加により消失).
(製造例6)
5−(4−(6−(4−sec−ブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン
製造例4の5−(4−(6−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩の代わりに5−(4−(6−(4−アミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩、アセトアルデヒドの代わりにメチルエチルケトンを用いて、製造例4と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR ( DMSO-d6 )δ:0.90( 3H, t, J=7.4Hz ), 2.17( 3H, d, J=6.4Hz ), 1.34-1.46( 1H, m ), 1.48-1.59( 1H, m ), 3.06( 1H, dd, J=14及び9.2Hz ),3.24-3.34( 2H, m ), 3.75( 3H, s ), 4.87( 1H, dd, J=9.2及び4.3Hz ), 5.23( 1H, br;重水添加により消失), 5.34( 2H, s), 6.57( 2H, d, J=8.7Hz ), 6.81 ( 2H, d, J=8.9Hz ), 6.84( 1H, dd, J=8.8及び2.2Hz ), 7.01-7.09( 3H, m ), 7.19( 2H, d, J=8.7Hz ), 7.57( 1H, d, J=8.8Hz ), 12.01( 1H, br;重水添加により消失).
(製造例7)
5−(4−(6−(4−イソブチルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン
製造例4の5−(4−(6−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩の代わりに5−(4−(6−(4−アミノ−フェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩、アセトアルデヒドの代わりにイソブチルアルデヒドを用いて、製造例4と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR ( DMSO-d6 )δ:0.94( 6H, d, J=6.7Hz ), 1.77-1.88( 1H, m ), 2.78-2.81( 2H, m ), 3.05( 1H, dd, J=14及び9.3Hz ), 3.31( 1H, dd, J=14及び4.3Hz ), 3.74( 3H, s ), 4.86( 1H, dd, J=9.3及び4.3Hz ), 5.34( 2H, s ), 5.50( 1H, s;重水添加により消失), 6.57( 2H, dd, J=6.8及び2.0Hz ), 6.81 (2H, d, J=8.8Hz ), 6.83( 1H, dd, J=8.6及び2.4Hz ), 7.04-7.07( 3H, m ), 7.19( 2H, d, J=8.6Hz ), 7.56( 1H, d, J=8.8Hz ), 12.01( 1H, s;重水添加により消失).
(参考例1)
N−(5−(3−アミノフェノキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミシ酸 t−ブチルエステル
2.18gの水素化ナトリウム(55重量%)を含む80mlの無水N,N−ジメチルホルムアミド懸濁液中に5.45gの3−アミノフェノールを加え、室温で20分間攪拌した。次いで、14.3gのN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステル(特開平11−193276)を少しずつ加え、100℃で6時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、水を加え、3規定塩酸及び重曹粉末を用いて中和した。析出した不溶性の成績体を濾取、水洗後、減圧下乾燥して、標記化合物(16.6g、収率92%)を得た。
1H-NMR ( DMSO-d6 )δ:1.23及び1.42(計9H, 各s ), 3.18( 3H, s ), 5.38( 2H, s ;重水添加により消失), 6.25( 1H, dd, J=7.6及び2.4Hz ), 6.31( 1H, s ), 6.46( 1H, dd, J=8.1及び1.0Hz ), 6.88( 1H, dd, J=9.0及び2.1Hz ), 7.09( 1H, t, J=8.0Hz ), 7.16( 1H, s ), 8.00 ( 1H, d, J=9.0Hz ).
(参考例2)
N−(2−アミノ−5−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−フェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステル
14.4gのN−(5−(3−アミノフェノキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステル、2.90gのアセトン、3.00gの酢酸、10.6gのトリアセトキシ水素化ほう素ナトリウム及び200mlの無水テトラヒドロフランの混合物を室温で4日間攪拌した。反応混合物を濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=2/3)で精製して、中間体であるN−(5−(3−イソプロピルアミノ−フェノキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルを得た。この中間体を200mlのメタノールに溶解し、2.02gの10%パラジウム−炭素を加え、水素雰囲気下室温で2.5時間激しく攪拌した。反応終了後、触媒を濾去し、溶媒を留去して、標記化合物(12.0g、収率81%)を得た。
1H-NMR ( DMSO-d6 )δ:1.08( 6H, d, J=6.4Hz ), 1.29( 9H, s ), 2.98( 3H, s ), 3.40-3.47( 1H, m ), 4.78( 2H, s;重水添加により消失), 5.45( 1H, d, J=7.8Hz;重水添加により消失), 5.96( 1H, d, J=7.2Hz ), 6.07( 1H, t, J=2.2Hz ), 6.20 ( 1H, dd, J=8.1及び1.9Hz ), 6.60( 1H, s ), 6.71( 2H, s ), 6.93( 1H, t, J=8.1Hz ).
(参考例3)
N−(5−(3−ブロモフェノキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステル
2.5gの水素化ナトリウム(55重量%)を含む50mlの無水N,N−ジメチルホルムアミド懸濁液中に10.0gの3−ブロモフェノールを加え、氷冷下15分間攪拌した。次いで、16.6gのN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルを70mlの無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解したものを滴下し、100℃で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、水を加えて3規定塩酸を用いて中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。抽出液より酢酸エチルを留去し、析出した不溶性の成績体をヘキサンで洗浄後濾取し、減圧下乾燥して、標記化合物(20.2g、収率83%)を得た。
1H-NMR ( CDC13 )δ:1.24( 9H, s ), 3.19( 3H, s ), 6.97( 1H, dd, J=9.0及び2.4Hz ), 7.22( 1H, d, J=7.9Hz ), 7.29 ( 1H, d, J=1.7Hz ), 7.42-7.51( 3H, m ),8.03 ( 1H, d, J=9.0Hz ).
(参考例4)
N−(5−(3−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステル
700.0mgの参考例3で得たN−(5−(3−ブロモフェノキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステル、0.24mlのイソブチルメチルアミン、151.0mgのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、115.7mgの2−(ジシクロヘキシルフォスフィノ)ビフェニル及び277.7mgのカリウム t−ブトキシドを4mlの無水トルエンに懸濁し、100℃で1.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/7)で精製して、標記化合物(204.2mg、収率29%)を得た。
1H-NMR ( CDC13 )δ:0.80(6H, d, J=6.6Hz), 1.25( 9H, s ), 1.88-2.01( 1H, m ),2.85(3H, s), 2.95(2H, d, J=7.3Hz), 3.14(3H, s), 6.20-6.27( 2H, m ), 6.43( 1H, dd, J=8.8及び2.2Hz ), 6.72-6.83( 2H, m ), 7.11( 1H, t, J=8.1Hz), 7.81 ( 1H, d, J=9.5Hz ).
(参考例5)
N−(2−アミノ−5−(3−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−フェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステル
204.2mgの参考例4で得たN−(5−(3−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルを10mlのエタノ−ルに溶解し、100.0mgの10%パラジウム−炭素を加え、水素雰囲気下室温で2.5時間激しく攪拌した。反応終了後、触媒を濾去し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/4→1/3)で精製して、標記化合物(145.4mg、収率77%)を得た。
1H-NMR ( CDC13 )δ:0.90(6H, d, J=6.6Hz), 1.57( 9H, s ), 1.98-2.09( 1H, m ),2.92(3H, s), 3.06(2H, d, J=7.3Hz), 3.13(3H, s), 3.64(2H,s;重水添加により消失), 6.30( 1H, t, J=2.2Hz), 6.35( 1H, dd, J=8.1及び2.2Hz ), 6.70-6.88( 3H, m ), 7.08 ( 1H, t, J=8.2Hz ), 7.25-7.31(1H, m).
(参考例6)
(4−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−t−ブチルジメチルシラン
5mlの(4−ブロモフェノキシ)−t−ブチルジメチルシラン、 2.9mlのイソブチルメチルアミン、458.0mgの酢酸パラジウム、1.2gの2−(ジt−ブチルフォスフィノ)ビフェニル及び2.9gのナトリウム t−ブトキシドを40mlの無水トルエンに懸濁し、100℃で1.5時間撹拌した。触媒を濾去した後水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を留失し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/40→1/20)で精製して、標記化合物(3.83g、収率64%)を得た。
1H-NMR ( CDC13 )δ:0.16(6H, s), 0.91(6H, d, J=6.6Hz), 0.97(9H, s), 1.94-2.05(1H, m), 2.87(3H, s), 2.98(2H, d, J=7.3Hz), 6.57(2H, d, J=8.8Hz), 6.72(2H, d, J=8.8Hz).
(参考例7)
N−(5−(4−(イソブチル−メチル−アミ)フェノキシ)−2−ニトロフェニル)メチルアミン
3.83gの参考例6で得た(4−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−t−ブチルジメチルシランを、20mlの無水テトラヒドロフランに溶解し、20mlの1M フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム テトラヒドロフラン溶液を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/n−ヘキサン=1/5)で精製した。得られた成績体を4規定塩酸−1,4−ジオキサンに溶解させ、室温で30分間撹拌した。反応液を濃縮し、ジエチルエーテルで洗浄した後、中間体である4−イソブチルメチルアミノフェノール・一塩酸塩を得た。この中間体500.0mgと2.6gの炭酸カリウムを含む20mlの無水N,N−ジメチルホルムアミド懸濁液を室温で15分間攪拌した。次いで、664.7mgのN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルを加え、150℃で3時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/30)で精製し、標記化合物(256.lmg、収率34%)を得た。
1H-NMR ( CDC13 )δ:0.96(6H, d, J=6.8Hz), 2.00-2.13(1H, m), 2.92(3H, d,J=5.9Hz), 2.98(3H, s), 3.12(2H, d, J=7.8Hz), 6.19-6.23(2H, m), 6.68(2H, d, J=8.8Hz), 6.96(2H, d, J=8.8Hz), 8.13(1H, d, J=9.8Hz).
(参考例8)
N−(2−アミノ−5−(4−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−フェニル)メチルアミン
参考例5のN−(5−(3−(イソブチル−メチル−アミノ)フェノキシ)−2−ニトロフェニル)−N−メチルカルバミン酸 t−ブチルエステルの代わりに参考例7で得たN−(5−(4−(イソブチル−メチル−アミ)フェノキシ)−2−ニトロフェニル)メチルアミンを用いて、参考例5と同様にして標記化合物を得た。
1H-NMR ( CDC13 )δ:0.88(6H, d, J=6.6Hz), 1.94-2.04(1H, m), 2.77(3H, s),2.87(3H, s), 2.99(2H, d, J=7.3Hz), 3.22(2H, s), 6.16(1H, dd, J=8.1及び2.5Hz), 6.33(1H, d, J=2.5Hz), 6.57(1H, d, J=8.1Hz), 6.59(2H, d, J=8.8Hz), 6.87(2H, d, J=8.8Hz).
(試験例1)ヒト急性前骨髄性白血病細胞株HL-60細胞に対する抗腫瘍効果の増強
1群9匹のBALB/cヌードマウス(雌性、6週齢)の皮下に、ヒト急性前骨髄性白血病細胞株HL-60の腫瘍片(5mm×5mm角)を移植した。被検化合物は、2.5%ジメチルアセトアミド含有5%エマルフォア生食にて懸濁し、移植翌日〜4日、7日〜11日、14日〜18日目に1日1回、計14回経口投与した。
効果の判定は腫瘍の短径(mm)及び長径(mm)を電子デジタルノギスで計測し、以下に示す計算式により移植後21日目の腫瘍増殖抑制率(GI%)で評価する。
【数1】
GI(%)=(1−A/B)×100
A:化合物投与群の21日目の平均腫瘍体積(*)
B:無処置対照群の21日目の平均腫瘍体積(*)
*:腫瘍体積とは、1/2×[腫瘍長径]×[腫瘍短径]2をいう。
(試験例2)ヒト胃癌株St-40細胞に対する抗腫瘍効果の増強
1群10匹のBALB/cヌードマウス(雌性、6週齢)の皮下に、ヒト胃癌株St-40の腫瘍片(5mm×5mm角)を移植した。被検化合物は、2.5%ジメチルアセトアミド含有5%エマルフォア生食にて懸濁し、移植翌日〜4日、7日〜11日、14日〜18日目、21日〜25日目に1日1回、計19回経口投与した。
効果の判定は腫瘍の短径(mm)及び長径(mm)を電子デジタルノギスで計測し、実施例1と同じく移植後28日目の腫瘍増殖抑制率(GI%)を算出する。
(試験例3)ヒト急性前骨髄性白血病細胞HL-60に対する癌細胞増殖抑制活性の増強
HL-60細胞を96wellプレートに1×103cells/well播種し、同時にDMSOに溶解した各種濃度の薬剤をDMSO濃度が0.1%になるように添加する。薬剤の濃度はチアゾリジンジオン化合物を10μM、RXR活性化剤を1μMで検討する。薬剤を添加後、細胞は5日間培養する。その後、MTS(プロメガ(株))試薬を各40μl/well添加し、37℃、5%CO2下で2時間培養後、各wellのOD490をMICROPLATE READER (BIO RAD)を用いて測定する。細胞増殖抑制活性は、各群の平均吸光度から下記の式により算出する。
【数2】
癌細胞増殖抑制率(%)=[1-(平均吸光度(細胞+薬剤)−平均吸光度(培地)) /(平均吸光度(細胞+DMSO)-平均吸光度(培地))]×100
(試験例4)ヒト大腸癌細胞COL-2-JCKに対する併用効果
チアゾリジンジオン化合物とRXR活性化剤の癌細胞増殖抑制活性に関する併用効果について、ヒト大腸癌細胞COL-2-JCKを用いて検討した。COL-2-JCK細胞を96wellプレートに4x103 cells/well 播種し、同時にDMSOに溶解した各種濃度の薬剤をDMSO濃度が0.1%になるように添加した。薬剤の濃度はチアゾリジンジオン化合物を各10 μM、RXR活性化剤を各10 μMで検討した(n=4)。薬剤を添加後、細胞は4日間培養した。その後、50%トリクロロ酢酸(和光純薬工業)を各50 μl/well添加して1時間4℃で固定し、水道水で洗浄後、0.4% スルホローダミンB(Molecular Probe社)−1% 酢酸溶液を150 μl-/well 添加して室温で30分染色し、1% 酢酸で洗浄した。プレートを風乾した後に10 mMトリスを150 μl/well 添加し、各wellのOD490をMICROPLATE READER (BIO RAD) を用いて測定した。細胞増殖抑制活性は、各群の平均吸光度から下記の式により算出した。
【数3】
癌細胞増殖抑制率(%)=[1-{(平均吸光度(細胞+薬剤)−平均吸光度(培地)) /(平均吸光度(細胞+DMSO)-平均吸光度(培地))}]×100
本試験においては、チアゾリジンジオン化合物として以下の化合物を使用した。
1−アミノ−7−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾ−ル−6−イルオキシ]ナフタレン(以下、「化合物A」と言う。)、
Figure 0005249484
1−アミノ−6−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]ナフタレン(以下、「化合物B」と言う。)、
Figure 0005249484
1−アミノ−5−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]ナフタレン(以下、「化合物C」と言う。)、
Figure 0005249484
3−[2−[4−(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イルメチル)フェノキシメチル]−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−イルオキシ]アニリン(以下、「化合物D」と言う。)、
Figure 0005249484
製造例1の化合物
Figure 0005249484
(以下、「化合物E」と言う。)。
及び
5−(4−(6−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン・二塩酸塩(以下「化合物F」と言う。)
Figure 0005249484
また、RXR活性化作用剤として、前述のタルグレチン及びLG100268を使用した。
結果は表1に示した。
【表1】
―――――――――――――――――――――――――――――――
被検化合物 増殖抑制率(%)
―――――――――――――――――――――――――――――――
化合物A 14%
LG100268 6%
化合物A+LG100268 48%
―――――――――――――――――――――――――――――――
化合物C 22%
タルグレチン 10%
LG100268 3%
化合物C+タルグレチン 42%
化合物C+LG100268 37%
―――――――――――――――――――――――――――――――
化合物D 27%
タルグレチン 10%
LG100268 3%
化合物D+タルグレチン 40%
化合物D+LG100268 39%
―――――――――――――――――――――――――――――――
化合物B 21%
LG100268 1%
化合物B+LG100268 39%
―――――――――――――――――――――――――――――――
化合物E 26%
LG100268 1%
化合物E+LG100268 37%
―――――――――――――――――――――――――――――――
化合物F 28%
タルグレチン 11%
化合物F+タルグレチン 42%
―――――――――――――――――――――――――――――――
表1から明らかなように、チアゾリジンジオン化合物である化合物A、B、C、D、E又はF及びRXR活性化剤であるLG100268又はタルグレチンそれぞれ単独投与と比較して、両者を併用することにより顕著な増殖抑制活性を示すことが明らかとなった。
(製剤例)
本発明の化合物を有効成分とする薬剤は、例えば次の方法により製造することができる。
錠剤
製造例1の化合物 4.0mg、タルグレチン 100.0mg、乳糖 244.0mg、トウモロコシデンプン 50.0g及びステアリン酸マグネシウム 2.0mgの粉末を混合した後、打錠機により打錠すると1錠400mgの錠剤が得られる。
発明の効果
本発明のチアゾリジンジオン化合物又はその薬理上許容される塩と、RXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩は、それらが組み合わせて使用されることにより、各々単剤で投与された場合に比べ、優れた効果を示す。
本発明のチアゾリジンジオン化合物又はその薬理上許容される塩と、RXR活性化作用剤又はその薬理学上許容される塩を、同時に又は時間を置いて別々に投与するための医薬組成物は、優れた細胞増殖抑制効果を有するため、癌(特に、肺癌、胃癌又は大腸癌)の治療剤又は予防剤(特に治療剤)として有用である。

Claims (1)

  1. 5−(4−(6−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)−ベンジル)−チアゾリジン−2,4−ジオン又はその薬理学上許容される塩を有効成分として含有する、大腸癌を予防又は治療するための医薬組成物。
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