JP5241094B2 - 物質の供給方法 - Google Patents
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また、2重構造の配管を用いて、反応真空チャンバーを排気する排気系の配管内に反応副生成物が付着するのを防止する配管内付着防止装置が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、容器内における管への物質の付着や管のつまり防止については何ら開示されていないことから、容器中における管への物質の付着や管のつまりを防止できる反応装置とする工夫の余地があった。
更に、反応器本体から突設されたノズルを有する反応器において、ノズルに不活性ガスを供給する酸化反応器が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この反応装置は、不活性ガスにより、反応容器内における反応ガスの滞留を防止する装置であり、容器に取り付けられた管に物質が付着することを防止することについては、何ら開示されていない。したがって、容器に取り付けられた管への物質の付着、管のつまりを防止することにより、反応装置が安定的に稼働できるようにする工夫の余地があった。
このような方法によると、ノズル先端へ容器中の物質が接近、及び/又は、付着することを防止することを目的としてノズルからの原料供給速度を上げることが反応条件等によりできない反応系においても効果的に原料や、中間体、副生成物、生成物等の物質の付着、蓄積によるノズルの閉塞を防止することができることから、本発明の物質の供給方法は、様々な反応条件により反応が行われる各種製造装置において用いることができるものである。
以下に本発明を詳述する。
物質と該物質とは反応しないガスとが異なる管から容器内に供給される限り、いずれの管から供給されるものであってもよく、また、物質、該物質とは反応しないガスのそれぞれが1つの管から供給されるものであってもよく、複数の管から供給されるものであってもよい。
このような内管が外管より容器側に突出しない構造を有する多重管としては、外管の径(直径)をd1、内管の径(直径)をd2、管の鉛直方向に対する傾きをθ(0<θ≦45)、内管のオフセット距離(外管の先端部に対して内管の先端部がどれだけ奥にあるか)をXとすると、下記式の位置関係を満たすものが好ましい。
0≦X≦|(d1/2)−(d2/2)|/tanθ
なお、
[(d1/2)−(d2/2)]<|(d1/2)−(d2/2)|/tanθ<∞]
である。
より好ましくは、供給ノズルが上述した多重管構造の中の少なくとも1つの内管が外管より容器側に突出しない構造を有し、外管より容器側に突出しない内管にノズルから供給される物質を、該内管より容器側に突出した外管と該内管との間に該物質とは反応しないガスを流通させることである。このような形態とすると、内管、外管いずれの先端部分についても、原料や、中間体、副生成物、生成物等の物質が接近することや、先端部分付近で反応が起こること、及び、相変化することに起因する物質の付着、蓄積が効果的に抑制されることになる。
また、ガス供給ノズルは1つであっても、2つ以上であってもよく、ノズルの向き、物質供給ノズルとの位置関係等は特に制限されない。
また、ガス供給ノズルの向きは、特に制限されないが、物質供給ノズルに対して0°(並行)〜90°(垂直)の範囲であることが好ましい。
また、上記物質供給ノズルと、該物質と反応しないガスを供給する別のノズルとを用いる物質の供給方法に用いる物質供給ノズル付き容器もまた、本発明の1つである。
物質供給ノズル付き容器は、本発明の物質の供給方法に用いられるものである限り、容器の大きさ、ノズルの数や向き等は特に制限されない。また、上記多重管構造のノズルを有するもの、物質供給ノズルと、該物質と反応しないガスを供給する別のノズルとを有するもの、これらの両方を有するもののいずれの形態のものであってもよい。
反応槽においては、反応によって新たに生成する物質や副生ガス等に起因して容器内気流の乱れが生じ、閉塞原因物質のノズル先端部分への接近、及び/又は、付着の可能性(確率)が増すと予想されるため、物質供給ノズル付き容器を用いることにより、効果的にノズル先端部分への閉塞原因物質の付着、蓄積を防止することができる。
冷却による相変化で固化する物質は、冷却される前は液体又は気体の状態にあることから、容器の上部にノズルがある場合でも容易にノズル近傍まで到達し、ノズル近傍で冷却されると、固化してノズルに付着することになる。本発明の物質の供給方法を用いることにより、冷却される前の物質のノズルへの接近を抑制することができるため、冷却による相変化で固化する物質のノズルへの付着、ノズルの閉塞を効果的に抑制することができる。
本発明の物質の供給方法を用いる昇華性物質としては、アルキルアミン塩、ヨウ素、フタル酸、無水フタル酸、シュウ酸、ナフタレン、カテコール、フェノール、ショウノウ、パラジクロロベンゼン、ヒドロキノン等が挙げられる。これらの中でも、メチルアミン塩酸塩に用いられることがより好ましい。
N−アルキルボラジンは、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応により合成される。
なお、上記一般式(2)中、Rで表されるアルキル基は、直鎖、分岐、又は、環状のいずれであってもよい。また、アルキル基の有する炭素数は、特に限定されないが、1〜8であることが好ましい。より好ましくは、1〜4であり、更に好ましくは、1である。
上記一般式(2)で表されるアルキルアミン塩としては、モノメチルアミン塩酸塩(CH3NH3Cl)、モノエチルアミン塩酸塩(CH3CH2NH3Cl)、モノメチルアミンシュウ酸塩(CH3NH3Br)、モノエチルアミンフッ酸塩(CH3CH2NH3F)等が挙げられる。
N−アルキルボラジンとしては、N,N’,N”−トリメチルボラジン、N,N’,N”−トリエチルボラジン、N,N’,N”−トリ(n−プロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(iso−プロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(n−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(sec−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(iso−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(tert−ブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1−メチルブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(2−メチルブチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(neo−ペンチル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1,2−ジメチルプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(1−エチルプロピル)ボラジン、N,N’,N”−トリ(n−ヘキシル)ボラジン、N,N’,N”−トリシクロヘキシルボラジン、N,N’−ジメチル−N”−エチルボラジン、N,N’−ジエチル−N”−メチルボラジン、N,N’−ジメチル−N”−プロピルボラジン等が挙げられる。
攪拌機、冷却管、原料供給管を備えたハステロイ製の100L反応容器を窒素置換した後、脱水処理したメチルアミン塩酸塩8.38kgとトリグライム30.0kgを仕込み、加熱攪拌しながら150℃まで昇温させた。
150℃に保持しながら水素化ホウ素ナトリウム5.25kgとトリグライム22.19kgとの混合液を7.6時間かけて反応容器の気相部に接続した原料供給管から供給し、反応させた。
この原料供給管は、反応容器気相部に接続された25Aのノズルを外管とし、その内側にφ8mmのSUS製配管を内管として配置した二重管構造とした。
また、その二重管の内管部先端は、反応器と外管となるノズルの接合面よりも5mm反応器内反対側に位置するように配置・接続した。
内管外側と外管内側の間に窒素ガスを0.4L/min(線速0.013m/sec)の通気量で通気しながら、水素化ホウ素ナトリウムとトリグライムの混合液を内管より供給した。
この二重管構造をもつ原料供給管を用い、更に内管と外管との間にN2ガスを通気することで原料供給管先端部をN2雰囲気にすることにより先端部分において固化温度以下になりうる物質の接近及びその析出を防ぎ析出及びその蓄積に起因する配管閉塞を防止し、反応途中における原料供給の中断を防止することができた。
原料滴下後、170℃まで反応溶液を昇温させて、更に170℃で2時間熟成し反応を終了した。
攪拌機、冷却管、原料供給管を備えたハステロイ製の100L反応容器を窒素置換した後、脱水処理したメチルアミン塩酸塩8.38kgとトリグライム30.0kgを仕込み、加熱攪拌しながら150℃まで昇温させた。
150℃に保持しながら水素化ホウ素ナトリウム5.25kgとトリグライム22.19kgとの混合液を7.6時間かけて反応容器の気相部に接続した原料供給管から供給しようと試みた。
この原料供給管は反応容器気相部に接続させた40Aのノズルに25AのSUS配管を内挿し、その先端部を反応容器内気相部に配置した。
原料供給開始から、6.5時間後に反応容器内に存在する物質が原料供給管の先端部に固化温度まで冷却され、析出及び蓄積し、原料供給管を閉塞したため、反応原料を供給することができず、反応溶液を冷却し反応を停止させた。
2:原料供給管(外管:25A)
3:原料供給管(内管:φ8mm)
4:原料供給管(外管:40A)
5:原料供給管(内管:25A)
Claims (4)
- 容器内に液体及び/又は固体の物質を供給する物質の供給方法であって、
該供給方法は、多重管構造を有する供給ノズルを用い、多重管構造を構成する異なる管から物質と該物質とは反応しないガスとを容器内に供給し、ノズルの閉塞の原因となる物質がノズルへ接近、及び/又は、付着することを防止するように、少なくとも供給ノズルの先端部を該物質とは反応しないガス雰囲気下にする方法であり、
該ノズルの閉塞の原因となる物質は、昇華性物質であり、
該供給方法は、水素化ホウ素アルカリとアルキルアミン塩との反応に用いられる
ことを特徴とする物質の供給方法。 - 前記供給ノズルは、先端部が鉛直下向き、又は、鉛直下向き方向に対して45°以下の角度の方向を向いている
ことを特徴とする請求項1に記載の物質の供給方法。 - 前記供給ノズルは、多重管構造の中の少なくとも1つの内管が外管より容器側に突出しない構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の物質の供給方法。
- 前記物質の供給方法は、多重管構造を有するノズルを用いて、多重管構造の中の少なくとも1つの内管に物質を流し、内管と外管との間にガス流体を流すことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の物質の供給方法。
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