[go: up one dir, main page]

JP5238133B2 - アスファルトの連続的製造方法 - Google Patents

アスファルトの連続的製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5238133B2
JP5238133B2 JP2006033950A JP2006033950A JP5238133B2 JP 5238133 B2 JP5238133 B2 JP 5238133B2 JP 2006033950 A JP2006033950 A JP 2006033950A JP 2006033950 A JP2006033950 A JP 2006033950A JP 5238133 B2 JP5238133 B2 JP 5238133B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
asphalt
penetration
raw material
tank
predetermined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006033950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007211173A (ja
Inventor
好和 中村
徹 塚越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JXTG Nippon Oil and Energy Corp filed Critical JXTG Nippon Oil and Energy Corp
Priority to JP2006033950A priority Critical patent/JP5238133B2/ja
Priority to CN2006101717430A priority patent/CN101007902B/zh
Publication of JP2007211173A publication Critical patent/JP2007211173A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5238133B2 publication Critical patent/JP5238133B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は石油系アスファルトの製造に関するものである。
従来のアスファルト製造は、特定の原油の常圧蒸留残油を減圧蒸留装置で処理し、その際蒸留温度および減圧度を管理して所定の針入度の石油アスファルトを製造していた。このとき,原油の種類を変え減圧蒸留装置の処理温度や減圧度を変更したりして針入度の異なる製品アスファルトを製造し、針入度別に製品タンクで保管し出荷していた。
そのため、アスファルトのJIS規格(K2207)の製品を出荷する場合、ストレートアスファルトの種類が針入度0〜20から針入度200〜300まで10種類のグレードがあるので、それらのうち製品として銘柄化しているグレードを揃えるためには常圧蒸留装置と減圧蒸留装置の運転パターンが銘柄の数だけあり、同時に製品の針入度グレードの数だけ製品タンクが必要であった。
本来、原油処理はガソリンや灯軽油をはじめ燃料油を生産することが主目的であり、副生するアスファルトの生産は2次的な目的である。
しかし、従来は燃料油と同時にアスファルトを生産する場合は、アスファルトの製造条件を優先して行い、そのために原油種を特定し、常圧蒸留装置や減圧蒸留装置の運転条件をアスファルトの性状に合わせていた。そのため、本来、主目的であるはずの燃料油の生産を効率よく行なうことが難しく、結果的に燃料油の得率が低く抑えられる結果となるという欠点があった。
また、実際の原油からの製造としては、原油蒸留装置から蒸留により得られる原料アスファルト類を一旦中間タンクに貯蔵し、その後所定量ずつ製品タンクに移送し該製品タンク内で混合して製品の針入度グレード別の製品タンクにそれぞれ貯蔵し、顧客の針入度の注文に応じて、注文の針入度の製品タンクからタンク車やタンクローリー等に積載し輸送するものである。溶剤脱れき装置からの原料アスファルト類も同様である。
そのため製品タンクとしては製品の針入度グレードの数だけ製品タンクが必要となり、広い設置面積の必要性や管理等の課題がある。
したがって、上記従来技術においては、何らかの理由または手段により中間タンク数を削減できるとしても、依然として製品タンクは製品の針入度グレードの数だけ必要となることにかわりはない。例えば、極端には中間タンクを全く廃止して、製品の針入度グレード別にアスファルトを目的生産するとしても、製品タンクの数は同様である。無論この場合は燃料油生産の効率を全く無視していることになる。
なお以上の背景技術は、技術常識に属するものであり、特に参照すべき先行技術文献はない。
本発明の目的は、原油の選択のフレキシビリティを持たせ、減圧蒸留装置の運転条件の変更を最小化し、製品タンクを廃止して製造コストを大幅に削減するアスファルトの製造方法を提供することにある。
本発明の第1は、2種類以上の針入度の異なる原料アスファルト類を所定量の比率でラインブレンドミキサーにより混合し所定の針入度のアスファルトを製造する方法であって、
以下の工程1)から4)を具備することを特徴とするアスファルトを連続的に製造する方法である。
1)複数の原料アスファルト類の針入度をそれぞれ計測する工程;
2)求めた針入度から所定の針入度になるように別途の計算式により該複数の原料アスファルト類の混合比率を決定する工程;
3)当該決定した混合比率により、吐出ポンプとラインブレンドミキサーの間に設けた流量計で所定の流量にコントロールして該複数の原料アスファルト類を送りこみ、ラインブレンドミキサーでラインブレンドする工程;および
4)次ぎに、得られた所定の針入度を有するアスファルトを、実質的に貯蔵手段を経ることなく直ちに輸送手段に供する工程。
本発明の第2は、本発明の第1において、前記原料アスファルト類が、ストレートアスファルト、溶剤脱れきアスファルト、ブローンアスファルト,セミブローンアスファルト、減圧残油からなる群から選ばれるいずれかのアスファルトであり、その針入度が1〜800であることを特徴とするアスファルトを製造する方法である。
本発明の第3は、異なる動粘度を有する複数の原料アスファルト類を、所定の針入度になるように当該動粘度から別途に求める所定量の比率でもってラインブレンドミキサーにより混合することにより当該所定の針入度を有するアスファルトを製造する方法であって、以下の工程1)から4)を具備することを特徴とするアスファルトを連続的に製造する方法である。
1)異なる複数の原料アスファルトの動粘度を、原料タンクと吐出ポンプあるいは吐出ポンプとラインブレンドミキサーの間に設置したオンライン粘度計でそれぞれ計測する工程;
2)求めた動粘度から所定の針入度になるように別途の計算式により該複数の原料アスファルトの混合比率を決定する工程;
3)当該決定した混合比率により、吐出ポンプとラインブレンドミキサーの間に設けた流量計で所定の流量にコントロールして該複数の原料アスファルト類を送りこみ、ラインブレンドミキサーでラインブレンドする工程;および
4)次ぎに、得られた所定の針入度を有するアスファルトを、実質的に貯蔵手段を経ることなく直ちに輸送手段に供する工程。
原料アスファルト類は、燃料油も併産する原油蒸留装置から得られるが、たとえば当該装置の運転を燃料油の目的生産に設定して運転する。得られる原料アスファルト類は、目的生産の運転条件ではないので、その針入度はケースに応じて幅広いものが得られざるを得ない。
しかしながら、原料アスファルト類は、大きく二つ程度に分けるとして、たとえば、(1)針入度が中位のアスファルト、例えばJISの針入度グレード60〜80のストレートアスファルト、(2)針入度の高いアスファルト、例えばJISの針入度グレード200〜300のストレートアスファルトを貯蔵する中間タンクに振り分ける。
溶剤脱れき装置からの原料アスファルト類は、通常は針入度が低いので、主としてこれを貯蔵するタンクとして、(3)針入度の低いアスファルト、例えばJIS K2207の針入度グレード0〜10の溶剤脱れきアスファルトを中間タンクに貯蔵しておく。むろん、蒸留装置からの原料アスファルト類を入れてもよい。
そして中間タンクではタンクブレンドによりそれぞれ均一にする。
これら(1)、(2)、(3)の原料アスファルトは、必要に応じて、予め針入度を測定し所定の針入度グレードのアスファルトを生産するための混合比を計算しておく。混合量は、ポンプとラインブレンドミキサーの間に設けた流量計で自動または手動コントロールしてラインブレンドミキサーに送り込みラインブレンドすれば所定の針入度の製品アスファルトを得ることができる。
また、針入度を測定する代りに中間タンクとポンプあるいはポンプとラインブレンドミキサーの間のいずれかの位置に設置した粘度計にて粘度を自動または手動で計測しその粘度を針入度に換算して混合比を計算し、原料アスファルトの流量を自動または手動でコントロールしてラインブレンドミキサーに送り込んでもよい。
原料アスファルト類を貯蔵する中間タンクの数としては3個とするケースで説明したが、無論2個でもよい。また場合によっては中間タンクの数が3を超えることも可能ではあるが、あまり多いと経済的に不利である。よって、通常は4以下である。
アスファルトの製造において、ラインブレンドミキサーを用いて原料アスファルトを混合し、各種の針入度グレードのアスファルトを製造することにより、直接にタンク車やタンクローリーに積載することができ、製品タンクを設けることなく、出荷の要望に対応できるようになる。
従来は、針入度グレード毎に原油を選択し減圧蒸留装置あるいは溶剤脱れき装置の運転条件を変更していたため、各種針入度グレードの製品を常に製品タンクで用意しておく必要があった。
製品タンクを設けて出荷する場合、出荷頻度の少ない銘柄はタンク内で劣化しJIS規格に不合格になってしまう可能性があるが、本発明の方式では、出荷時に混合するために製品の劣化がなく要望どおりの針入度の製品を製造することができる。また、製品タンクを設ける必要がないことから敷地面積を大幅に縮小することができる。
以上のように、本願発明によるとアスファルトを製造しつつ燃料油の目的または優先生産が可能となるので、全体としての生産効率が良い。
たとえアスファルトの目的または優先生産をする場合であっても、結果的に2種類または3種類の原料アスファルト類を製造するだけであるので、各針入度グレード毎に製造する場合に比べて原油の選択性にフレキシビリティがあり大幅な効率の向上が可能となる。
本発明のアスファルト製造方法は、まず調合基材として針入度の異なる2種類以上の原料アスファルト類を製造し、それらを一旦中間(原料)タンクに貯蔵する。この場合の製造は、原油を常圧または減圧蒸留する原油蒸留装置からの原料アスファルト類の製造を意味する。さらに溶剤脱れき装置での原料アスファルト類の製造も含む。これらの両装置からの原料アスファルト類を同時に受け入れることもできる。溶剤脱れき装置は減圧蒸留装置に続く潤滑油製造装置に併設されることが多いので、通常は両装置からの原料アスファルト類を同時に受け入れる。
それぞれの中間タンクにおいてはタンクブレンドを行いタンク内を均一にする。タンクブレンドの方法は特に限定されず、たとえばタンク内に直接撹拌器をつけて撹拌してもよいし、別途循環ラインを設けて、この循環ラインにより循環させてブレンドしてもよい。
次いで該中間タンクから所定の混合比で2種以上の原料アスファルトをラインブレンドミキサーに導入しライン中で混合して、所定の針入度グレードのアスファルトを製造して、これを直接タンク車やタンクローリー等に積載して、顧客へ出荷する。この時、直接にタンク車やタンクローリー等に積載するほか、安全確保のために後記するようにバッファータンク等を設けて、ラインブレンドミキサーから一旦バッファータンク等に受けてからタンク車やタンクローリー等に積載して、顧客へ出荷することも許容される。
例えば、JIS K2207「石油アスファルト」の針入度グレード0〜20から200〜300までの10種類のグレードを製造する場合には、3種類の原料アスファルト類が得られるように中間タンクを用意するとよい。
すなわち、中間タンクを3個用意し、各タンクに入れるべきアスファルトの針入度の範囲をそれぞれ予め決めておく。
そして、原油蒸留時に、原油種類、蒸留操作条件等から、ある程度は得られる原料アスファルト類の針入度の見当がつくので、これを元に先の3個の中間タンクのいずれかに移送する。溶剤脱れき装置からの原料アスファルト類でも同様である。
もちろん、別途針入度を測定し、これから移送先タンクを決定すれば、より正確でとなるが、中間タンク内ではタンクブレンドにより均一とするので、多少の偏差は許容される。
各中間(原料)タンクに入れるべき原料アスファルト類の針入度の範囲は、たとえば、以下のとおりとすることができる。
すなわち、
(1)針入度が中位のアスファルト、例えば針入度20〜120、好ましくは40〜100、より好ましくは60〜80のストレートアスファルトであり、針入度が60〜80の場合は混合することなく単独で舗装に一番多く使用されるグレードが確保できるためもっとも好ましく、針入度が20以下であると低沸点成分を多く含む高針入度アスファルトを混合することになり好ましくない。
(2)針入度の高いアスファルト、例えば針入度200〜800、好ましくは200〜500、より好ましくは200〜300のストレートアスファルトであり、針入度が800を超えると、混合製造した製品アスファルト中の低沸点成分が多くなり、JIS規格の引火点、薄膜加熱試験、蒸発試験に不合格となる可能性が高いため好ましくない。また、針入度が200以下であるとJIS規格の200〜300グレードを製造できなくなり好ましくない。
および、
(3)針入度の低いアスファルト、例えば針入度0〜40、好ましくは0〜20、より好ましくは0〜10のストレートアスファルトまたは溶剤脱れきアスファルトである。針入度が40以上であると、JIS規格の針入度グレード0〜10、10〜20および20〜40の製造が出来なくなり好ましくなく、針入度が0〜10であれば、JIS規格の低針入度グレード品全てを製造できるためもっとも好ましい。
製造アスファルトが舗装用アスファルトのグレードに限定する場合や針入度範囲が狭い場合は、原料アスファルトは2種類でもよい。すなわち、中間タンク2個でもよい。
2種類の針入度はそれぞれ、
(1)針入度が低いアスファルト、例えば針入度0〜60、好ましくは20〜60、より好ましくは40〜60のストレートアスファルトであり、針入度が40〜60の場合は混合することなく単独で舗装グレードが確保できるためもっとも好ましい。
(2)針入度が高いアスファルト、例えば針入度100〜500、好ましくは100〜200、より好ましくは100〜120のストレートアスファルトであり、針入度が500を超えると、混合製造した製品アスファルト中の低沸点成分が多くなり、日本道路協会規格の引火点、薄膜加熱試験、蒸発試験に不合格となる可能性が高いため好ましくない。また、針入度が100以下であると日本道路協会規格の100〜120グレードを製造できなくなり好ましくない。
原料アスファルト類の製造に用いる原油としては、特に限定されず、混合したときに目標の性状が得られればどんな種類の原油を用いてもよい。例えば、アスファルテン分が多くアスファルト生産に適した原油、カフジ原油、アラビアンヘビー原油、アラビアンミディアム原油、イラニアンヘビー原油、マヤ原油、ドバイ原油、クウェート原油、フート原油、イスムス原油など、また、アスファルテン分が比較的少ない原油、例えば、アラビアンライト原油、イラニアンライト原油、カタールマリン原油、さらにアスファルテン分が非常に少ないがナフサ分、灯油分が多い原油、例えば、ウムシャイフ原油、ベリー原油、ザクム原油、マーバン原油などが挙げられる。これらの原油は混合して用いることができる。
このように、2〜3種類の原料アスファルト類を製造し、これらを中間(原料)タンクで保管する。原料タンクには、前述のようにタンクブレンドにより原料アスファルト類を均一にするための撹拌用のジェットミキサーまたはプロペラミキサー等を設けるのが望ましい。さらに循環ラインを設けることもできる。
原料タンクと吐出ポンプあるいは吐出ポンプとラインブレンドミキサーの間のいずれかの位置に、原料アスファルト類の粘度を測定するための粘度計を設置するとよい。この計測した粘度の値からアスファルトの針入度を計算により求め、所定の針入度のアスファルトを製造するための原料アスファルト類の調合比を計算する。粘度計は手動または自動の適宜の態様で使用できる。たとえば、オンライン粘度計を利用すれば、連続的または間歇的に粘度を測定できるので好ましいが、無論これに限定されるものではない。
粘度から針入度を換算して求めることで説明したが、手動または自動で測定して換算できるような、針入度を求めるのに他に適当な物性があれば、これを利用することもできる。
また原料アスファルト類の針入度はそれぞれの原料タンクから試料を採取して実際に測定してもよい。
粘度から針入度への換算
粘度から針入度の換算は、文献に知られている換算式を用いてもよい。以下の文献1によると、針入度は式1によって動粘度から求めることができる。

logV=−0.911×logP+4.313 ・・・・・・ 式1

V:135℃における動粘度(mm2/s)
P:25℃における針入度(1/10 mm)

文献1:(社)日本アスファルト協会 昭和62年度「舗装用ストレートアスファルトの品質と性状に関する検討結果」報告書

なお、原油系や精製条件によっては誤差が大きくなることがあるため、実際の原料アスファルトを用いて専用の換算式を求めておくことが好ましい。
混合比の針入度からの計算
針入度の異なる2種類の原料アスファルト類を混合して目的の針入度のアスファルトを得る時のそれぞれの混合量は式2および式3から計算することができる。
しかし、原料アスファルト類によっては計算値から外れることがあるので、予め実際の原料アスファルト類を混合し、混合比と針入度の関係を求めておくとよい。

a=100×(logP−logP2)/(logP1−logP2) ・・・・・・ 式2
b=100−a ・・・・・・ 式3

a:原料アスファルトAの混合量(%)
b:原料アスファルトBの混合量(%)
P:混合後のアスファルトの針入度
:原料アスファルトAの針入度
:原料アスファルトBの針入度
所定の針入度のアスファルトを製造するには、予め計測された原料アスファルト類の針入度からそれらの混合比率を計算し、吐出ポンプと配管を兼ねたラインブレンドミキサーの間に設けた流量計で原料アスファルト類の流量を自動または手動でコントロールしてラインブレンドミキサーに送り込み配管内で混合して所定の針入度の製品アスファルトを得る。
ラインブレンドミキサーには、公知のラインブレンドが可能な撹拌器が使用できる。例えば、スタティックミキサーなどを用いることができるもので、具体的には住友重機械工業株式会社製の商品名:住友/スルザー:スタティックミキシングユニットが使用できる。
ラインブレンドミキサーを通過して、混合された製品アスファルトは、製品タンクで保管することなく、タンク車やタンクローリーに直接または直ちに積載し出荷することができる。もちろん一部を製品タンクに保管もできる。なお、操業中の事故等の際のライン保全のために、出荷前等の適宜の位置にバッハータンクを設けることは許される。
また、針入度を用いたJIS規格品以外にも、米国のSUPERPAVE (Superior Performing Asphalt Pavement) バインダ規格(以下SHRP規格という)におけるダイナミックシェアレオメータによる動的粘弾性値(G*/sinδ)を測定し、原料アスファルト類の混合比を計算してSHRP規格のアスファルトを生産することもできる。
図1は、1基の減圧蒸留装置で原油と運転条件を変更して2種の原料アスファルト類を製造し、また1基の溶剤脱れき装置で1種類の原料アスファルト類を製造し、合計3種類の原料アスファルトからJIS K2207「石油アスファルト」に規定する針入度グレード0〜10から200〜300の10種類の製品アスファルトをラインブレンドミキサーにて混合し、製造・出荷するための概略図である。
中間(原料)タンクとしては、中針入度用の原料アスファルトタンク3−1、高針入度用の原料アスファルトタンク3−2および低針入度用の原料アスファルトタンク3−3である。
図1に記載の減圧蒸留装置1で針入度70の中針入度の原料アスファルト類(以下、SRA70と略記する)を製造し、原料アスファルトタンク3−1に保管した。さらに減圧蒸留装置1で原油および運転条件を変更して針入度230の高針入度の原料アスファルト類(以下、SRA230と略記する)を製造し、原料アスファルトタンク3−2に保管した。
一方、溶剤脱れき装置2で針入度7の低針入度の原料アスファルト類(以下、PDA7と略記する)を製造し、原料アスファルトタンク3−3に保管した。
これらの原料アスファルト類は、タンクの循環ライン7により循環してタンク内を均質化し、その後オンライン粘度計5にて動粘度を計測した。動粘度は135℃に換算し、さらに式1を用いて針入度(25℃)に換算した。
JIS K2207「石油アスファルト」の針入度グレード40〜60の製品アスファルト(製品A)を出荷するため、SRA70とPDA7を混合して、目標針入度50の製品Aを製造するため、式2と式3によりそれらの混合比を計算した。
その結果、目標針入度50の製品Aを製造するためには、SRA70を85.4%、PDA7を14.6%混合すればよいと決定された。この比率になるように流量計6−1と6−3をコントロールし、ラインブレンドミキサー8を通じて直接タンクローリーに積載した。この製品Aの実測針入度は52であった。無論、別途に検量線を作成して較正すればさらに精度を上げることが可能であるが、この差でも十分実用可能である。
また、針入度グレード80〜100の製品アスファルト(製品B)を出荷するため、SRA70とSRA230を混合して、目標針入度90の製品Bを製造するため、式2と式3によりそれらの混合比を計算した。その結果、目標針入度90の製品Bを製造するためには、SRA70を78.9%、SRA230を21.1%混合すればよい。この比率になるように流量計6−1と6−2をコントロールし、ラインブレンドミキサー8を通じて直接タンクローリーに積載した。この製品Bの実測針入度は89であった。無論、別途に検量線を作成して較正すればさらに精度を上げることが可能であるが、この差でも十分実用可能である。
ここで原料アスファルト類は大略3種類の範囲で設定されるのみであるので、原油蒸留装置の原油選択、運転条件等は従来よりもその自由度が大きく、生産効率向上に寄与するものであった。
(比較例1)
図2に、1基の減圧蒸留装置21と1基の溶剤脱れき装置22で原油の種類、運転条件を変更して、JIS K2207「石油アスファルト」に規定する針入度グレード0〜10から200〜300の10種類の製品アスファルトを直接製造し、出荷するフローの該略を示す。
直接製品アスファルトを製造するために中間(原料)タンクはない。
図2に記載の減圧蒸留装置21で、原油、運転条件を変更して8種類の製品アスファルト、すなわち針入度グレード20〜40、40〜60、60〜80、80〜100、100〜120、120〜150、150〜200、200〜300を直接製造し、それぞれ専用の製品タンク23−1から23−8に貯蔵する。
また、溶剤脱れき装置22では、運転条件を変更して2種類の製品アスファルト、すなわち針入度グレード0〜10、10〜20を製造し、それぞれ専用の製品タンク23−9および23−10に貯蔵する。
なお、上記製造は、直接製品グレードの製造のために原油の選択、運転条件の選択の幅は狭く極めてシビヤーなものであり、燃料油の生産はもちろん、アスファルトであってもその生産効率を度外視せざるを得ないような製造である。
(比較例2)
図3は、1基の減圧蒸留装置31と1基の溶剤脱れき装置32で原油の種類、運転条件を変更して3種類の原料アスファルト類を製造し、それらをタンク混合によりJIS K2207「石油アスファルト」に規定する針入度グレード0〜10から200〜300の10種類のアスファルトを製造・出荷するフローの該略を示す。
中間(原料)タンクとしては、中針入度用の原料アスファルトタンク33−1、高針入度用の原料アスファルトタンク33−2および低針入度用の原料アスファルトタンク33−3を備える。
図3に記載の減圧蒸留装置31で針入度70程度の中針入度の原料アスファルト類(原料アス1)を製造し、原料アスファルトタンク33−1に保管する。さらに減圧蒸留装置31で原油および運転条件を変更して針入度230程度の高針入度の原料アスファルト(原料アス2)を製造し、原料アスファルトタンク33−2に保管する。一方、溶剤脱れき装置32で針入度5程度の低針入度の原料アスファルト類(原料アス3)を製造し、原料アスファルトタンク33−3に保管する。これらは循環ライン(図3では図示せず)により循環し均質化した後、試料を採取して針入度を測定する。この針入度から式2および式3で混合比率を計算し、原料アス1と原料アス2を所定の比率で製品タンクに張り込み、タンク内で混合して、針入度グレード20〜40から200〜300の8種類の製品アスファルトを製造する。製品タンクの混合は原料タンクのそれと同様である。
一方、原料アス2と原料アス3を所定の比率で製品タンクに張り込み、タンク内で混合して、針入度グレード10〜20の製品アスファルトを製造する。
本比較例の方法では製品タンクの数が製品グレードの数だけ必要となるものである。
3種類の原料アスファルト類からラインブレンドミキサーにて混合し、製品アスファルトを製造・出荷するための説明図 減圧蒸留装置と溶剤脱れき装置から10種類の製品アスファルトを直接製造し、出荷するための説明図 減圧蒸留装置と溶剤脱れき装置で3種類の原料アスファルト類を製造し、それらをタンク混合により10種類の製品アスファルトを製造・出荷するための説明図
符号の説明
1,21,31:減圧蒸留装置
2,22,32:溶剤脱れき装置
3−1,33−1:原料アスファルト(中針入度品)タンク
3−2,33−2:原料アスファルト(高針入度品)タンク
3−3,33−3:原料アスファルト(低針入度品)タンク
4−1,4−2,4−3,24,34−1,34−2,34−3、37:吐出ポンプ
5−1,5−2,5−3:オンライン粘度計
6−1,6−2,6−3,25,35−1,35−2,35−3,38:流量計
7−1,7−2,7−3:循環ライン
8:ラインブレンドミキサー
23−1〜10,36−1〜10:製品タンク

Claims (3)

  1. 2種類以上の針入度の異なる原料アスファルト類を所定量の比率でラインブレンドミキサーにより混合し所定の針入度のアスファルトを製造する方法であって、
    以下の工程1)から4)を具備することを特徴とするアスファルトを連続的に製造する方法。
    1)複数の原料アスファルト類の針入度をそれぞれ計測する工程;
    2)求めた針入度から所定の針入度になるように別途の計算式により該複数の原料アスファルト類の混合比率を決定する工程;
    3)当該決定した混合比率により、吐出ポンプとラインブレンドミキサーの間に設けた流量計で所定の流量にコントロールして該複数の原料アスファルト類を送りこみ、ラインブレンドミキサーでラインブレンドする工程;および
    4)次ぎに、得られた所定の針入度を有するアスファルトを、実質的に貯蔵手段を経ることなく直ちに輸送手段に供する工程。
  2. 前記原料アスファルト類が、ストレートアスファルト、溶剤脱れきアスファルト、ブローンアスファルト,セミブローンアスファルト、減圧残油からなる群から選ばれるいずれかのアスファルトであり、その針入度が1〜800であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 異なる動粘度を有する複数の原料アスファルト類を、所定の針入度になるように当該動粘度から別途に求める所定量の比率でもってラインブレンドミキサーにより混合することにより当該所定の針入度を有するアスファルトを製造する方法であって、
    以下の工程1)から4)を具備することを特徴とするアスファルトを連続的に製造する方法。
    1)異なる複数の原料アスファルトの動粘度を、原料タンクと吐出ポンプあるいは吐出ポンプとラインブレンドミキサーの間に設置したオンライン粘度計でそれぞれ計測する工程;
    2)求めた動粘度から所定の針入度になるように別途の計算式により該複数の原料アスファルトの混合比率を決定する工程;
    3)当該決定した混合比率により、吐出ポンプとラインブレンドミキサーの間に設けた流量計で所定の流量にコントロールして該複数の原料アスファルト類を送りこみ、ラインブレンドミキサーでラインブレンドする工程;および
    4)次ぎに、得られた所定の針入度を有するアスファルトを、実質的に貯蔵手段を経ることなく直ちに輸送手段に供する工程。
JP2006033950A 2005-12-27 2006-02-10 アスファルトの連続的製造方法 Active JP5238133B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006033950A JP5238133B2 (ja) 2006-02-10 2006-02-10 アスファルトの連続的製造方法
CN2006101717430A CN101007902B (zh) 2005-12-27 2006-12-27 铺装用沥青组合物及其连续制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006033950A JP5238133B2 (ja) 2006-02-10 2006-02-10 アスファルトの連続的製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007211173A JP2007211173A (ja) 2007-08-23
JP5238133B2 true JP5238133B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=38489888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006033950A Active JP5238133B2 (ja) 2005-12-27 2006-02-10 アスファルトの連続的製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5238133B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5230691B2 (ja) * 2010-06-24 2013-07-10 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 舗装用アスファルトおよびその製造方法
CA2930442C (en) 2014-01-09 2022-07-19 Exxonmobil Research And Engineering Company Selection and blending of feeds for asphalt manufacture

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06116499A (ja) * 1992-10-06 1994-04-26 Nippon Oil Co Ltd 舗装用アスファルトの製造方法
JP3450899B2 (ja) * 1994-05-24 2003-09-29 新日本石油株式会社 セミブローンアスファルトの製造方法
US5743950A (en) * 1995-01-12 1998-04-28 Shell Oil Company Process for preparing an asphalt composition
JP3537598B2 (ja) * 1996-06-18 2004-06-14 株式会社コスモ総合研究所 舗装用ストレートアスファルト組成物
JP4458752B2 (ja) * 2003-02-06 2010-04-28 田島ルーフィング株式会社 改質ブローンアスファルトの製造方法と改質ブローンアスファルト。
JP3837127B2 (ja) * 2003-06-30 2006-10-25 新日本石油株式会社 舗装用ストレートアスファルトの製造方法
JP3865394B2 (ja) * 2003-06-30 2007-01-10 新日本石油株式会社 ストレートアスファルトの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007211173A (ja) 2007-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11578210B2 (en) Asphalt binders containing a glyceride and fatty acid mixture and methods for making and using same
Polacco et al. Structural and rheological characterization of wax modified bitumens
US9377450B2 (en) Process for predicting the stability of crude oil and employing same in transporting and/or refining the crude oil
CN101007902B (zh) 铺装用沥青组合物及其连续制造方法
US8192510B2 (en) Method for modifying the volatility of petroleum prior to ethanol addition
JP5238133B2 (ja) アスファルトの連続的製造方法
US20050131113A1 (en) Aqueous asphalt emulsions containing liquefied or devulcanized recycled rubber
EP3331946B1 (en) Modified asphalt using phosphorous acid
EA008663B1 (ru) Всесезонная порошкообразная добавка к асфальтам, продукт и способы их получения
WO2015027420A1 (en) A phenalkamine composition
US9422407B2 (en) Process of polymer modified asphalt preparation
JPH10265672A (ja) 常温施工用脱色アスファルト乳剤およびその製造方法
Chipps The industrial manufacture of tire rubber-modified asphalts with enhanced rheological performance and improved longevity
JP7499682B2 (ja) 廃プラスチック処理方法
CN100410348C (zh) 直馏沥青
Taheri et al. Investigation on the Effect of Ethylene Bis (Stearamide) and Polyphosphoric Acid Modification of Bitumen for Paving Applications
Glover et al. Development of a new method for assessing asphalt binder performance durability
JP2022076605A (ja) 廃プラスチック処理システム
UA122020C2 (uk) Спосіб модифікації високомолекулярної діанової епоксидної смоли
Turben et al. Comparison of lab-produced asphalt emulsions by manufacturing equipment type
US20150013271A1 (en) Method and composition for the preparation or cold blending of a bitumen composition for subsequent transport to a selected work cite
US10844303B1 (en) Method for the production of fuel oil
JP5542009B2 (ja) 生コンクリート製造プラントの出荷管理方法
RU2800286C1 (ru) Композиция дорожного битума (варианты) и способ ее получения
US20240325999A1 (en) Automated tank mixing for custody transfer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120501

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5238133

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250