以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<<第1実施形態>>
(遊技機管理システム)
まず、本実施形態に係る遊技機管理システムの構成について図1を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る遊技機管理システムAのシステム構成を模式的に示すブロック図である。
遊技機管理システムAは、管理コンピュータ110と、リーダ120と、ディスプレイ170と、警告ランプ180と、スピーカ190と、を備える。管理コンピュータ110は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション等の情報処理装置により実現することができる。管理コンピュータ110は通信デバイスを備えており、ネットワーク160を介してリーダ120、ディスプレイ170、警告ランプ180及びスピーカ190の他、複数の遊技機130と通信可能に接続されている。なお、管理コンピュータ110と、その他の構成との間には、台コンピュータや島コンピュータが介在していてもよい。
各遊技機130は、入賞確率を決定する動作条件値を保持しており当該動作条件値に基づいて遊技処理を制御する。また、各遊技機130は、動作条件値の設定作業が行われていることを示す設定中信号を送信する機能を有する。遊技機130は、この動作条件値を設定変更するためのユーザインタフェースを備えており、また、このユーザインタフェースを介して動作条件値が設定変更されている間に、設定作業が行われていることを示す設定中信号を出力する出力端子を備えている。
そして、遊技機130は、ネットワーク160を介して設定中信号を管理コンピュータ110へ送信する。動作条件値の設定作業等については後述する。遊技機130は、本実施形態ではパチスロ機を想定するが、動作条件値の設定作業が行われていることを示す設定中信号を送信する機能を有する各種の遊技機に本発明は適用可能である。
また、遊技場の各従業員には予め記憶媒体140を配布している。なお、本明細書においては、従業員には管理者も含まれるものとする。この記憶媒体140にはそれぞれ固有の識別情報が記憶されており、この識別情報を、識別情報取得手段として機能するリーダ120を用いて読み出すことで取得するものとしている。
なお、本実施形態では、記憶媒体140としてICチップと無線通信用のアンテナが外装に組み込まれたICタグを想定するが、情報を書き込めるならばどのような媒体を採用してもよく、例えば、磁気カード、ディスケット、USBキー等を用いても構わない。また、この記憶媒体140の形状については、カード型やスティック型、鍵型、或いは、後述するICコイン等に組み込んで実現すると従業員の取り扱いが容易となって好適である。
また、上記の記憶媒体140の識別情報を取得するリーダ120としてICリーダを想定する。ここでは、リーダ120として、記憶媒体140と電波を送受信して当該記憶媒体140の記憶内容を読み出す、いわゆる非接触型の構成を例示的に想定するが、これに限られるわけではなく、例えば、記憶媒体140を挿入する挿入口を設け、当該挿入口に挿入された記憶媒体140と電気的に接続して記憶内容を読み出す方式を採用してもよい。
また、リーダ120は図2に示すように呼出ランプ200に内蔵するものとし、この呼出ランプ200を遊技機130毎に設け、リーダ120と遊技機130とを一対一の対応関係としている。なお、リーダ120は遊技機130と一定の対応関係にあればよいため、リーダ120の設置例として、例えば図3に示すように遊技機130間に設置する台間機210にリーダ120を内蔵し、この台間機210と遊技機130とを一対一の対応関係とする構成としてもよいし、台間機210に隣接する複数の遊技機130に対して一つのリーダ120を割り当てて台間機210と遊技機130とを一対二の対応関係としてもよい。更に、リーダ120は遊技機130のグループ毎、例えば島毎に設けるようにしてもよい。
また、リーダ120は通信デバイスを備えており、従業員が記憶媒体140をリーダ120に近接させると、リーダ120は、記憶媒体140に記憶されている識別情報を読み出し、ネットワーク160を介して管理コンピュータ110に読み出した識別情報を送信する。なお、本実施形態の場合、リーダ120は、記憶媒体140から読み出した識別情報と共に、そのリーダ120を特定するためのリーダIDを管理コンピュータ110に送信する。この構成によれば、記憶媒体140から識別情報を読み出したリーダ120がどのリーダであるのか、その特定が容易になる。そして、リーダ120が特定されることにより、対応する遊技機130も特定できる。なお、各リーダ120と各遊技機130との対応関係は、リーダIDと各遊技機130を特定する遊技機IDとにより管理され、この対応関係を示す情報は、管理コンピュータ110の記憶手段、例えばハードディスク等に格納される。当該情報を参照することで識別情報を読み出したリーダ120に対応する遊技機130が特定される。
ディスプレイ170は管理コンピュータ110から出力される各種情報を表示する。ディスプレイ170は遊技場の管理室等、従業員のみが見ることのできる場所に設けてもよいし、遊技場内の任意の位置に1又は複数設けて、遊技場内にいる従業員が見ることができるようにしてもよい。
警告ランプ180は、管理コンピュータ110から出力される信号に応じて点灯又は点滅する。警告ランプ180は遊技場の管理室等、従業員のみが見ることのできる場所に設けてもよいし、遊技場内の任意の位置に1又は複数設けて、遊技場内の作業中の従業員が見ることができるようにしてもよい。
スピーカ190は、管理コンピュータ110から出力される信号に応じて音声を出力する。スピーカ190は遊技場の管理室等、従業員のみが音声を聴くことのできる場所に設けてもよいし、遊技場内の任意の位置に1又は複数設けて、遊技場内の作業中の従業員が音声を聴くことができるようにしてもよい。
上述したディスプレイ170、警告ランプ180及びスピーカ190の少なくともいずれか一つは、後述の、遊技機130に対して不正な設定作業が行われていると管理コンピュータ110が判定した場合、その旨を報知する不正設定作業報知手段として用いることができる。例えば、ディスプレイ170を用いる場合は、不正な設定作業が行われていることを示す情報をディスプレイ170に表示することができるし、警告ランプ180を用いる場合は、これを点灯又は点滅することができる。また、スピーカ190を用いる場合、スピーカ190から不正な設定作業が行われていることを示す所定の音声を出力することができる。
(動作条件値の設定)
次に、遊技機130の動作条件値を設定する手順について図4を参照して説明する。同図は、遊技機130の前面に設けられた前面扉131を開いた様子を模式的に示す図である。なお、以下に述べる遊技機の構成及び動作条件値の設定手順は一例であり、これに限定されるわけではない。
遊技機130の前面扉131を開くと、内部には電源スイッチ132が設けられており、この電源スイッチ132を操作することにより遊技機130の電源のON/OFFを切り替えることができる。
また、この電源スイッチ132の隣には鍵穴133を配置しており、この鍵穴133に遊技機130の動作条件値を設定するときに用いる設定キー133aを挿入する。ここで、設定キー133aは、所定の従業員が所持しているものである。この設定キー133aを挿入していない時に電源スイッチ132をOFFからONにすると、遊技機130は遊技者が遊技を行うための動作モードである通常モードで起動する。この通常モードでは動作条件値を設定することはできない。一方、設定キー133aを鍵穴133に挿入し、設定キー133aを回動した状態で電源スイッチをOFFからONにすると、遊技機130は設定モードで起動する。この設定モードは動作条件値を設定することが可能な動作モードである。
設定モードで起動している間は、遊技機130は管理コンピュータ110へ、動作条件値の設定作業が行われていることを示す設定中信号を送信する。この設定中信号は、具体的には2値信号のON値であり、この2値信号は動作条件値の設定作業中でない場合、即ち遊技機130を設定モードで起動していない場合はOFF値をとる。
従って、2値信号OFF値からON値へ切り替わったことにより設定作業が開始されたことが示され、2値信号がOFF値からON値へ切り替わってから、再びOFF値へ切り替わるまでが動作条件値の設定作業が行われている期間に該当する。ただし、設定中信号は動作条件値の設定作業が行われていることを示すならばどのような形式のものでもよく、このような信号に限られるわけではない。
なお、設定中信号を送信している遊技機130を管理コンピュータ110において特定することができるように構成する。具体的には、設定中信号を受信する管理コンピュータ110の通信デバイスの入力ポートを遊技機130毎に設定すると、どの入力ポートにおいて設定中信号を受信したかにより、設定中信号を送信した遊技機130を特定することができる。また、これに限らず、設定中信号と共に遊技機130の遊技機IDを遊技機130から受信するようにしてもよい。更に、管理コンピュータ110と遊技機130との間に、島コンピュータ等を介在させる構成の場合は、島コンピュータ等において遊技機130毎に設定中信号を受信する入力ポートを設定しておき、設定中信号が遊技機130から送信されていること、及び、その遊技機130の遊技機IDを島コンピュータ等から管理コンピュータ110が受信するようにしてもよい。
次に、設定スイッチ134は設定モードにおいて動作条件値を設定変更するときに押下するスイッチである。ディスプレイ135は動作条件値を表示し、例えば7セグメントディスプレイにより実現される。遊技場の従業員は、通常はディスプレイ135を見ながら設定スイッチ134を押下して動作条件値の設定変更を行う。なお、一般的なパチスロ機の場合、動作条件値は設定1〜6までの6段階であるため、ここではこのような6段階の動作条件値を有する遊技機130の場合を例示する。
動作条件値の設定変更を行う一連の手順をまとめると以下の通りである。
(1)遊技機130の前面扉131を開く。なお、前面扉131は、通常施錠されており、設定キー133aとは別個の所定の鍵がないと開けることができない。
(2)通常モードで電源がONになっている場合は電源スイッチ132を操作してOFFにする。
(3)鍵穴133に設定キー133aを挿入・回動して電源スイッチ132をOFFからONにする。これにより遊技機130は設定モードで起動するとともに、管理コンピュータ110へ設定中信号が送信される。
(4)所望の動作条件値になるまで設定スイッチ134を押下する。すると、設定スイッチ134の押下に応じてディスプレイ135の表示値が、「5」→「6」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→・・・のように循環的に変化する。設定値が確定していない間は、ディスプレイ135は動作条件値を点滅して表示する。
(5)遊技機130に備えられた遊技のスタートレバー(図示省略)を操作して動作条件値を確定させ、これに応じてディスプレイ135は確定した動作条件値を点灯表示する。
(6)設定キー133aを元の位置に回動して鍵穴133から抜く。これにより、管理コンピュータ110への設定中信号の送信が終了する(2値信号はOFFとなる)。
(管理コンピュータの機能構成)
次に、管理コンピュータ110の機能構成について、図5を参照して説明する。同図に示される各機能ブロックは、管理コンピュータ110のCPU(図示省略)がRAM(図示省略)にロードされたプログラムを実行し、管理コンピュータ110を構成する各ハードウェアと協働することによって実現される。もちろん機能ブロックの一部或いは全てが専用のハードウェアで実現されてもよい。
識別情報受信部301は、リーダ120から識別情報を受信する。具体的には、リーダ120が記憶媒体140から識別情報を読み出し、当該識別情報を識別情報受信部301がリーダ120から受信することによって、管理コンピュータ110は識別情報を取得する。設定中信号受信部302は、遊技機130から、動作条件値の設定作業が行われていることを示す設定中信号を受信する。
取得記録作成部303は、リーダ120が識別情報を取得した場合、つまり、識別情報受信部301がリーダ120から識別情報を受信した場合に、リーダ120に対応する遊技機130を特定して識別情報の取得記録を作成する。取得記録は、識別情報を取得したこと、及び、遊技機130の特定で足りる。したがって、取得記録の作成は、例えば、RAM等の記憶手段に、識別情報を取得したか否かを示すビットを格納する記憶領域を各遊技機130毎に設定しておき、識別情報を取得した場合に、特定された遊技機130に設定された記憶領域のビットをONとする程度の処理で足りる。
不正設定作業判定部304は、設定中信号受信部302が設定中信号を受信した場合に、設定中信号を受信した遊技機130について、上述した取得記録が作成されているか否かに基づいて、不正な設定作業が行われているか否かを判定する。本実施形態では、取得記録が作成されていない場合は不正な設定作業が行われていると判定する。また、この判定による判定結果は履歴情報として履歴情報記憶部305に記憶する。
この履歴情報記憶部305が記憶する履歴情報の構成は、例えば、図6に示すように、履歴を記録した「年月日」欄610、遊技機130を識別するための遊技機IDを記録した「遊技機ID」欄620、遊技機130の動作条件値の設定作業が開始された時刻を記録した「設定作業開始」欄630、動作条件値の設定作業が終了した時刻を記録した「設定作業終了」欄640を含む。なお、設定作業開始時刻630及び設定作業終了時刻640は、管理コンピュータ110が設定中信号を受信した時刻に基づいて決定される。
さらに図6に例示する履歴情報の構成は、識別情報を取得したリーダ120を識別するためのリーダIDを記録した「リーダID」欄650、識別情報を管理コンピュータ110が受信した時刻を記録した「識別情報受信」欄660、受信した識別情報を記録した「識別情報」欄670、不正設定作業判定部304の判定結果を記録した「判定結果」欄680を含む。この「判定結果」欄680において、×は不正な設定作業であると判定したことを、○は不正な設定作業ではなく、正常であると判定したことを示している。
図5に戻り、従業員情報記憶部306は、記憶媒体140に記憶された識別情報と従業員とを対応付けた対応情報を含む従業員情報を記憶する。この従業員情報の構成は、例えば、図7に示すように、各従業員を識別する従業員IDを記録した「従業員ID」欄510、従業員に対応する識別情報を記録した「識別情報」欄520、従業員の氏名が記録された「従業員名」欄530を含む。なお、本実施形態では従業員ID510と識別情報520とが1対1に対応しており、一人の従業員に対して一つの記憶媒体140を配布しているようにしているが、複数の従業員が一つの記憶媒体140を共有するようにしてもよく、その場合、従業員情報上、当該複数の従業員に対して、共通の識別情報が記録されることになる。
(管理コンピュータ110の処理)
次に、管理コンピュータ110が実行する処理について図8に示すフローチャートを参照して説明する。管理コンピュータ110は図8(a)に示す各ステップを繰り返し実行する。なお、本明細書で説明する管理コンピュータ110の処理は、特に断らない限り管理コンピュータ110のCPUが実行する。
ここで、本実施形態の場合、遊技機130の動作条件値の設定作業をする従業員は、その遊技機130に設けられている呼出ランプ200のリーダ120に記憶媒体140を近接させ、リーダ120に記憶媒体140に記憶された識別情報を読み取らせ、設定作業のための事前認証を受ける必要がある。この認証を怠って設定作業を行うと不正な設定作業と判定されることとなる。
図8(a)において、S101では、取得記録作成処理を実行する。図8(b)はS101の取得記録作成処理の流れを示すフローチャートである。同図において、S111では、リーダ120から識別情報を受信したか否かを判定する。上述したとおり、従業員がリーダ120に記憶媒体140を近接させると、リーダ120は記憶媒体140から識別情報を読み取り、読み取った識別情報と、そのリーダ120のリーダIDとを管理コンピュータ110に送信する。そして、S111において管理コンピュータ110が識別情報とリーダIDとを受信すると、S112へ進み、受信しなかった場合は一単位の取得記録作成処理を終了する。
S112では、従業員情報を参照して、受信した識別情報が従業員情報に登録された識別情報か否かを判定する。登録された識別情報である場合はS113に進み、そうでない場合はS116へ進む。
S113では、S111で受信したリーダIDに基づいて、識別情報を取得したリーダ120に対応する遊技機130を特定する。ここでは、リーダ120のリーダIDに対応する遊技機IDにより遊技機130が特定される。S114ではS113で特定した遊技機130について取得記録を作成する。
S115では、認証が正常に行われたことを従業員に報知する。この報知は、例えば、リーダ120が設けられている呼出ランプ200により行うことができ、呼出ランプ200の表示画面201に認証OKであることを表示して報知したり、或いは、認証OKであることを示す音を出力して報知する。その後、一単位の取得記録作成処理を終了する。
S116では、認証に失敗したことを従業員に報知する。この報知は、例えば、リーダ120が設けられている呼出ランプ200により行うことができ、呼出ランプ200の表示画面201に認証NGであることを表示して報知したり、或いは、認証NGであることを示す音を出力して報知する。その後、一単位の取得記録作成処理を終了する。
図8(a)に戻り、S102では不正設定作業判定処理を実行する。図8(c)はS102の不正設定作業判定処理の流れを示すフローチャートである。S121では、動作条件値の設定作業中であることを示す設定中信号を受信したか否かを判定する。本実施形態の場合、S121の処理においては、設定中信号を示す2値信号がOFFからONに変わった場合に設定中信号を受信したと判定する。受信したと判定する場合はS122へ進み、そうでない場合は一単位の不正設定作業判定処理を終了する。
S122では、設定中信号を受信した遊技機130を特定する。遊技機130の特定の方法は、「動作条件値の設定」欄において上述した通りである。S123では、S122で特定した遊技機130について、識別情報の取得記録が作成されているか否かを判定する。作成されている場合は、正常な設定作業であるとして、S125へ進み、作成されていない場合は不正な設定作業であるとして、S124へ進む。
S124では、不正な設定作業が行われている旨を報知する処理を行う。例えば、ディスプレイ170に不正な設定作業が行われている旨を示す画面を表示する。このとき、不正な設定作業が行われている遊技機130の遊技機ID又はリーダ120のリーダIDを併せて表示すると、不正な設定作業が行われている遊技機130が分かりやすいという利点がある。
また、不正な設定作業が行われている旨の報知は、警告ランプ180が点灯又は点滅するように制御してもよい。また、スピーカ190から不正な設定作業が行われている旨を示す所定の音声を出力するように制御してもよい。このとき、不正な設定作業がなされたと判定された遊技機130又はリーダ120を識別できる音声を出力すると不正な設定作業が行われている遊技機130が分かりやすいという利点がある。不正な設定作業が行われている旨の報知は、上述した通り、ディスプレイ170、警告ランプ180、スピーカ190の少なくともいずれかを用いて行うことができるが、これら以外の報知手段を用いてもよい。
そして、S124において報知を行うとステップS125へ進む。S125では、履歴情報を記録する。履歴情報の例は図6を参照して上述した通りである。S125の処理の後、一単位の不正設定作業判定処理を終了する。
図8(a)に戻り、S103ではその他の処理を行う。ここでは、例えば、設定中信号を示す2値信号がONからOFFに変わった場合に、設定作業が終了した時刻を履歴情報に記録することや、不正設定作業の判定が終了した遊技機130の取得記録の削除、といった処理を行う。以上により、一単位の処理が終了する。
上記のように、本実施形態では、設定中信号を受信した場合に、動作条件値の不正な設定作業が行われているか否かが判定される。したがって、動作条件値の設定変更に対する不正行為を、より直接的に抑制することができる。また、設定中信号を受信した場合に、不正な設定作業が行われたか否かが判定されるので、遊技機130の前面扉131の開閉や、電源スイッチ132のON/OFFといった、頻繁に行われる行為に対して、逐一不正な行為か否かが判定されず、処理の複雑化や煩雑化、さらに上記頻繁に行われる行為に対して誤判定が生じたときの、この誤判定に伴う作業遅延等も防止される。
また、本実施形態の場合、履歴情報には、設定変更の開始時刻や終了時刻が記録されているので、これを参照することで、履歴情報上、一般的には設定変更が行われない時間帯に設定変更が行われており、不正な設定作業とは判定されなかったが不正な設定作業の疑いが高いと判定できる場合等、事後的な不正行為の分析も可能である。また、設定中信号を受信する度に履歴情報が記録されるので、予定していた設定変更が実際になされたか否かを確認でき、履歴情報は業務管理記録として活用できる。
なお、本実施形態では、S113において、識別情報を取得したリーダ120に対応する遊技機130を特定したが、各遊技機130には各リーダ120が対応しているので、リーダ120が分かれば対応する遊技機130も分かる。したがって、データの処理上、S113ではリーダIDにより遊技機130を特定してもよく、このような処理の場合も遊技機の特定に該当する。
また、第1実施形態では、リーダ120と遊技機130とが一対一で対応する場合を想定したが、1つのリーダ120に対して複数の遊技機130を割り当てた場合、識別情報の取得記録については、対応する全遊技機130を対象としておき、設定中信号を最も早く受信した遊技機130について、その取得記録を適用し、他の遊技機130については取得記録を無効とする処理を行ってもよい。
<<第2実施形態>>
次に、設定中信号の受信の前後の所定期間内に識別情報の取得記録が作成されなかった場合に、不正な設定作業が行われていると判定する処理例について説明する。
図9に示すように、第2実施形態では、遊技機130から送信される2値信号がOFF値からON値へ切り替わった時点、即ち設定中信号受信時の前後に適正期間が設定され、この適正期間内に識別情報の取得記録が作成されていない場合は不正な設定作業が行われていると判定する。適正期間は、設定中信号受信前の第1適正期間と、設定中信号受信後の第2適正期間とに区別される。
第1適正期間は、記録媒体140を用いた事前認証後、遊技機130の設定作業を開始するまでの期間を規定するものである。従って、設定中信号受信時を基準として、これよりも第1適正期間として設定された時間の前に事前認証が行われた場合、すなわち、事前認証の時点から設定中信号受信の時点までに第1適正期間より長い時間が経過した場合は、不正な設定作業と判定されることになる。第1適正期間は、例えば、数十秒〜数分に設定される。
第2適正期間は、記録媒体140を用いた事前認証を行わずに、遊技機130の設定作業を開始してしまった場合の救済期間を規定し、第2適正期間内に記録媒体140を用いた認証を行った場合は、不正な設定作業と判定せず、正常な設定作業と判定する。第2適正期間は、例えば、数十秒〜数分に設定される。第1適正期間と第2適正期間は、その長さが異なっていてもよい。
図10は、第2実施形態における取得記録作成処理の流れを示すフローチャートであり、図8(b)を参照して説明した上記第1実施形態の取得記録作成処理に代わる処理である。以下、異なる点についてのみ説明する。
図10のS131乃至S136の処理は、それぞれ図8(b)のS111乃至S116の処理に相当する。但し、第2実施形態では、S134の取得記録作成時に、遊技機130の特定と共に、取得記録の作成時刻を記録する。
図11は、第2実施形態における不正設定作業判定処理の流れを示すフローチャートであり、図8(c)を参照して説明した上記第1実施形態の不正設定作業判定処理に代わる処理である。
S141では、設定作業中であることを示す設定中信号を受信したか否かを判定する。図8(c)のS121と同様の処理である。受信した場合はS142へ進み、そうでない場合はS149へ進む。S142では設定中信号を受信した遊技機130を特定する。図8(c)のS122と同様の処理である。
S143では、S142で特定した遊技機130について、取得記録が作成されているか否かを判定する。図8(c)のS123と同様の処理である。該当する場合はS146へ進み、該当しない場合はS144へ進む。
S144では、S142で特定した遊技機130を認証待ち遊技機に設定する。認証待ち遊技機とは、設定中信号は受信されたが、記憶媒体140を用いた事前認証がなされていない遊技機である。S144では、認証待ち遊技機に関する設定情報として、遊技機ID及び設定中信号の受信時刻をRAM等の記憶手段に記録する。そしてS145に進み、注意報を出力する。ここでは、設定作業を行っている従業員に対して、記憶媒体140を用いた認証を促す注意報を出力する。
つまり、識別情報の取得記録が作成されていない場合に、いきなり不正な設定作業であると判定せずに、一旦、認証の機会を与える。このときの注意報の出力は、例えば、呼出ランプ200や台間機210により行う。また、ディスプレイ170や、警告ランプ180若しくはスピーカ190を使用して注意報の出力を行ってもよい。ディスプレイ170による注意報の出力は、例えば、設定中信号を受信した遊技機130を示す情報と共に、認証が行われていない旨を表示する。警告ランプ180による注意報の出力は、例えば、認証が行われていない場合のために予め定められたパターンにより、警告ランプ180を点灯、点滅させる。また、スピーカ190による注意報の出力は、例えば、設定中信号を受信した遊技機130を示す音声及び認証が行われていない旨を示す音声を出力する。S145の処理を行うと、S149へ進む。
S146では、S142で特定した遊技機130について作成された識別情報の取得記録に記録された作成時刻と、設定中信号を受信した受信時刻とに基づいて、これらが第1適正期間内にあるか否かを判定する。この第1適正期間内にある場合は、正常な設定作業であるとして、S147へ進み、そうでない場合は不正な設定作業であるとしてS148へ進む。
S147では、履歴情報を記録する。図8(c)のS125と同様の処理である。S148では不正な設定作業が行われている旨を報知する処理を行う。図8(c)のS124と同様の処理である。
S149では、認証待ち遊技機が設定されているか否かを判定する。設定されている場合はS150へ進み、そうでない場合は一単位の不正設定作業判定処理を終了する。S150では、認証待ち遊技機について、識別情報の取得記録が作成されているか否かを判定する。作成されている場合は、S153へ進み、そうでない場合は、S151へ進む。
S151では、認証待ち遊技機の設定情報に記録された設定中信号の受信時刻と現在の時刻とを参照して、当該受信時刻から第2適正期間が経過しているか否かを判定する。経過している場合は不正な設定作業が行われているとして、S152へ進み、経過していない場合は、記憶媒体140による認証の機会が未だ経過していないとして、一単位の不正設定作業判定処理を終了する。
S152では、不正な設定作業が行われている旨を報知する処理を行う。図8(c)のS124と同様の処理である。S152の処理を行うとS155へ進む。
S153では、認証待ち遊技機について作成された識別情報の取得記録に記録された作成時刻と、認証待ち遊技機の設定情報に記録された設定中信号を受信した受信時刻とに基づいて、これらが第2適正期間内にあるか否かを判定する。第2適正期間内にある場合は、正常な設定作業であるとして、S154へ進み、第2適正期間内にない場合は不正な設定作業であるとしてS152へ進む。
S154では、S153で正常な設定作業であると判定された、その判定対象の認証待ち遊技機について、S145で開始された注意報の出力を解除し、また、認証待ち遊技機の設定を解除する。S155では、履歴情報を記録する。図8(c)のS125と同様の処理である。その後、一単位の不正設定作業判定処理を終了する。
上記のように、本実施形態では、設定中信号の受信の前後の所定期間内に識別情報の取得記録が作成されていない場合に不正な設定作業が行われていると判定する。つまり、認証がなされても、第1適正期間内に設定作業を行われなければ不正な設定作業と判定されるので、このことを知らない者、例えば、従業員以外の部外者等による不正な設定作業を検出できる。したがって、上記第1実施形態の上述した効果に加えて、部外者の不正な設定作業の抑制に有効であるという効果を奏する。
また、記憶媒体140を用いた事前認証を従業員がうっかり怠って設定作業を開始した場合や、事前認証が成功していないのに成功したと従業員が誤解して設定作業を開始した場合でも、第2適正期間内に記憶媒体140を用いた認証を行えば、不正な設定作業と判定されないので、実質的に誤判定となる場合を避けることができる。
更に、認証のための時間制限を設けることで、認証した従業員と設定作業を行う者との関連付けができ、この関連付けができない者による設定作業を不正と判定することで、精度良く不正な設定作業を検出することができる。
なお、本実施形態では適正期間として、第1適正期間と第2適正期間とを設定したが、いずれか一方のみとしてもよい。また、本実施形態では、適正期間内か否かの判定において、識別情報の取得記録の作成時刻、設定中信号の受信時刻を参照したが、計時手段により計時することで判定するようにしてもよい。例えば、第1適正期間については、識別情報の取得記録の作成から計時を開始し、また、第2適正期間については、設定中信号の受信時から計時を開始する。計時手段としては、ハードウエアタイマでもソフトウエアタイマでもいずれでもよい。
<<第3実施形態>>
次に、第3実施形態では、従業員が勤務中であるか否かを示す勤務情報を利用する例について説明する。また、本実施形態では、従業員の作業権限を設定し、作業権限を有する従業員のみが遊技機130の動作条件値の設定を行えるようにする。以下、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
(遊技機管理システム)
本発明の第3実施形態に係る遊技機管理システムBのシステム構成を図12を参照して説明する。なお、図1と共通の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
図12において、遊技機管理システムBは、勤務管理用リーダ150を備える。勤務管理用リーダ150は、遊技場の従業員が出勤したこと又は退勤したことを検出するための出退勤検出手段として機能する。勤務管理用リーダ150は、例えば、遊技場の通用口等に設けられ、従業員は出勤するときと退勤するときに必ず記憶媒体140に記憶している識別情報の読み出しを勤務管理用リーダ150に行わせる。例えば、勤務管理用リーダ150が記憶媒体140を読み出したときのみ従業員の通用口のドアが開くようにすると好適である。勤務管理用リーダ150は記憶媒体140から識別情報を読み出し、読み出した識別情報を出退勤情報としてネットワーク160を介して管理コンピュータ110へ送信する。
(管理コンピュータの機能構成)
次に、第3実施形態における管理コンピュータ110の機能構成を図13を参照して説明すると、管理コンピュータ110は、勤務管理用リーダ150から出退勤情報を受信する出退勤情報受信部307と、従業員が勤務中であるか否かを示す勤務情報を従業員毎に記憶する勤務情報記憶部308と、を備える。この勤務情報記憶部308が記憶する勤務情報の一例としては、図14に示すように、従業員IDを記録した「従業員ID」欄410と、各従業員の勤務状況を記録した「勤務状況」欄420と、を含む。「勤務状況」欄420において、「出」は出勤していることを示し、「欠」は出勤していないことを示す。例えば、従業員IDが31732の従業員は出勤して勤務中であるが、従業員IDが16754の従業員は出勤しておらず、勤務中でないことを示している。
勤務情報は、出退勤情報受信部307が勤務管理用リーダ150から出退勤情報を受信する毎に更新することで常に最新の情報とすることができる。図16(b)は管理コンピュータ110が実行する勤務情報更新処理の流れを示すフローチャートである。勤務情報更新処理は、例えば、図8(a)のS103のその他の処理において実行される。
S171では出退勤情報を受信したか否かを判定する。受信した場合はS172へ進み、受信していない場合は一単位の勤務情報更新処理を終了する。S172では、S171で受信した出退勤情報において示される識別情報に対応する従業員を特定し、その従業員の勤務情報の「勤務状況」欄420が「欠」である場合は「出」に更新し、「出」である場合は「欠」に更新する。以上により一単位の勤務情報更新処理を終了する。
なお、本実施形態では、勤務管理用リーダ150から受信した出退勤情報に基づいて勤務情報を更新する場合を例示的に想定するがこれに限られるわけではない。例えば、各従業員に配布されたPCに勤務管理用アプリケーションをインストールしておき、当該PCへのログインに応じて勤務管理用アプリケーションが出勤を示す情報を管理コンピュータ110へ送信して、勤務情報を更新するように構成することができる。或いは、例えば、従業員の出退勤時刻を管理するためのタイムレコーダから出退勤に関する信号を受け取り、当該信号に基づいて勤務情報を更新するように構成することもできる。或いは、遊技場の人事管理者が管理コンピュータ110を操作して勤務情報を更新するようにしてもよい。
次に、本実施形態では、上述したとおり、従業員の作業権限を設定し、作業権限を有する従業員のみが遊技機130の動作条件値の設定を行えるようにする。このため、本実施形態では、図15に示すように、図7に示した従業員情報に「作業権限」欄540が付加されている。「作業権限」欄540には、各従業員毎に遊技機130の動作条件値を設定変更するための作業権限の有無が記録される。例えば、従業員IDが31732の従業員は、遊技機130の動作条件値を設定変更するための作業権限を有している。また、従業員IDが46892の従業員は、遊技機130の動作条件値を設定変更するための作業権限は有していない。
(管理コンピュータ110の処理)
次に、第3実施形態における管理コンピュータ110の処理について図16を参照して説明すると、(a)は取得記録作成処理の流れを示すフローチャートである。なお、不正設定作業判定処理(図8(a)のS102)については上記第1実施形態と同様である。
S161では、リーダ120から識別情報を受信したか否かを判定する。図8(b)のS111と同様の処理である。受信した場合はS162へ進み、受信していない場合は一単位の取得記録作成処理を終了する。
S162では、従業員情報を参照して、受信した識別情報が従業員情報に登録された識別情報か否かを判定する。図8(b)のS112と同様の処理である。登録された識別情報である場合はS163に進み、そうでない場合はS169へ進む。S163では、従業員情報を参照して、S161で受信した識別情報に対応する従業員を特定する。
S164では、勤務情報を参照して、S163で特定した従業員が勤務中か否かを判定する。勤務中である場合はS165へ進み、勤務中でない場合はS169へ進む。S165では、従業員情報を参照して、S163で特定した従業員が設定作業を行う権限を有しているか否かを判定する。権限を有している場合は、S166へ進み、権限を有していない場合はS169へ進む。
S166では、S111で識別情報と共に受信したリーダIDに基づいて、識別情報を取得したリーダ120に対応する遊技機130を特定する。図8(b)のS113と同様の処理である。S167では、S166で特定した遊技機130について取得記録を作成する。図8(b)のS114と同様の処理である。S168では、認証が正常に行われたことを従業員に報知する。図8(b)のS115と同様の処理である。その後、一単位の取得記録作成処理を終了する。
S169では、認証に失敗したことを従業員に報知する。図8(b)のS115と同様の処理である。その後、一単位の取得記録作成処理を終了する。なお、作業権限がないと判定されたためにS169の処理が実行される場合には、他の場合と異なる報知としてもよい。これにより、作業権限を有していない場合と他の場合との区別がし易くなり、例えば、従業員が作業権限の有無を誤解していた場合に、これを従業員に認識させることができる。
上記のように、本実施形態では、動作条件値の設定変更を行う者が、勤務中の従業員か否かが判定されて、勤務中でないと判定された場合には、識別情報の取得記録が作成されない。したがって、設定作業を開始すると、不正な設定作業と判定されることになる。よって、勤務中でない従業員や、従業員以外の部外者等による不正な設定作業を検出でき、上記第1実施形態の効果に加えて、部外者の不正な設定作業の抑制に有効であるという効果を奏する。
また、勤務中の従業員が、勤務中でない従業員の記憶媒体140を用いて、当該勤務中でない従業員になりすまして不正な設定作業を行うということも防止できる。
更に、本実施形態では、作業権限がない従業員が記憶媒体140を用いて事前認証を行っても、識別情報の取得記録が作成されず、設定作業を開始すると、不正な設定作業と判定されることになる。このため、作業権限のない従業員による設定作業を防止することが可能となる。
なお、本実施形態と上記第2実施形態とを組み合わせることで、第3実施形態においても、記憶媒体140を用いた認証の時間制限を設けることができる。この場合、例えば、上記第2実施形態の取得記録作成処理の場合と同様に、S167の取得記録の作成時に、作成時刻を記録し、また、不正設定作業判定処理として、図11に示した上記第2実施形態の不正設定作業判定処理を用いればよい。
また、本実施形態では、勤務中であるか否か及び作業権限の有無を、識別情報の取得記録の作成要件としたが、これらの少なくともいずれか一方を不正設定作業の判定要件としてもよい。この場合、例えば、S163〜S165の処理を、不正設定作業判定処理において行う。図8(c)の不正設定作業判定処理の場合、S123の処理の後(Yesの場合)に、S163〜S165の処理を挿入し、要件不充足の場合は不正な設定作業としてS124の処理を実行する。また、図11の不正設定作業判定処理の場合、S146の処理の後及びS153の処理の後(いずれもYesの場合)に、S163〜S165の処理を挿入し、要件不充足の場合は不正な設定作業としてS148、S152の処理を実行する。
<<第4実施形態>>
第4実施形態では、上記第3実施形態について、更に、遊技場内における従業員の位置情報を利用することで、不正な設定作業を効果的に抑制する。以下、第3実施形態と同様の構成については説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
(遊技機管理システム)
本発明の第4実施形態に係る遊技機管理システムCのシステム構成を図17に示す。なお、図12と共通の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。また、図17ではディスプレイ170、警告ランプ180、スピーカ190は図示を省略している。
この第4実施形態では、記憶媒体140とは別個に従業員に予め携帯端末220を配布するとともに、遊技機管理システムCには、携帯端末220の遊技場内における位置を検出し、この検出した位置を携帯端末位置情報として出力する位置検出装置230を備える。なお、位置検出装置230は1又は複数設けることができる。そして、この位置検出装置230は、携帯端末220を検出すると、その携帯端末位置情報と携帯端末220を識別する携帯端末IDとを管理コンピュータ110へ送信する。
なお、この携帯端末220は位置検出装置230によって位置を検出できるものであればよく、ICタグ、UWBタグ、GPS(Global Positioning System)機能付タグ、また、これらの少なくとも一つを内蔵した携帯電話、PDA(Personal Digital Assistance)、その他携帯可能な情報処理装置を用いることができる。さらに、これらの携帯端末220はパッシブ型であってもアクティブ型であってもよい。また、携帯端末220の位置を検出する手法は様々なものがあるが、本実施形態では携帯端末220の位置を検出できるならばどのような手法を採用しても構わない。
例えば、携帯端末220が所定の周波数の電波を発する場合は、この電波を受信可能なアンテナを遊技場の壁面や天井等に複数配置し、電波を受信したアンテナの位置に基づいて携帯端末220の位置を検出することができる。このとき例えばアンテナが受信する電波の電界強度から携帯端末220の位置を検出することができる。
上記電波の電界強度を用いる場合は、単一のアンテナの測定値から携帯端末220の大まかな位置を検出することができるが、複数のアンテナの測定値を用いて解析することでより精密な位置を検出することができる。例えば、三角測量の手法を用いることが好適である。また、携帯端末220がアクティブUWBタグのようなアクティブ型の素子を用いて電波を発信する場合は、複数のアンテナを用いれば、携帯端末220から発せられる電波のアンテナまでの到達時間を用いて携帯端末220の位置を検出することができる。
また、携帯端末220がパッシブ型のICタグのような素子を用いたものである場合は、位置検出装置230を遊技場内に複数設置しておき、携帯端末220を検出した位置検出装置230の遊技場内の位置により、携帯端末220の遊技場内の位置を検出することができる。この場合、位置検出精度は、位置検出装置230の数及び配置に依存する。
また、例えば、携帯端末220をGPSアンテナを内蔵したものとして構成した場合は、GPSにより検出された携帯端末220の位置を携帯端末220から位置検出装置230に送信するように構成することができる。この場合、GPS方式の位置検出精度を高めるための公知の技術を適用すると好適である。
(管理コンピュータの機能構成)
次に、本実施形態に係る管理コンピュータ110の機能構成について、図18を参照して説明する。なお、図13と共通の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
図18に示すように、第4実施形態に係る管理コンピュータ110は、位置情報記憶部309及び位置情報受信部310を備える。位置情報記憶部309は各遊技機130の遊技場内における位置を示す遊技機位置情報を記憶するものである。この遊技機位置情報は、予め位置情報記憶部309に記憶している。また、位置情報受信部312は、位置検出装置230から、携帯端末220の携帯端末位置情報及び携帯端末IDを受信する。
各従業員と各携帯端末220との対応関係は、例えば、従業員情報に記録することができる。図19は第4実施形態における従業員情報の例を示しており、図15に示した第3実施形態の勤務情報に「携帯端末ID」欄550が付加されている。携帯端末ID」欄550には、携帯端末220を識別する携帯端末IDが、その携帯端末200を携帯する従業員を識別する従業員IDに対応づけて記録されている。例えば、従業員IDが「31732」の従業員には、携帯端末IDが「1009437」の携帯端末220が配布されている。なお、図19に例示した従業員情報では、従業員IDと携帯端末IDとが1対1に対応しており、一人の従業員に対して一つの携帯端末220を配布しているようにしているが、複数の従業員が一つの携帯端末220を共有するようにしてもよく、その場合、従業員情報上、当該複数の従業員に対して、共通の携帯端末IDが記憶されることになる。
また、位置情報記憶部309が記憶する遊技機位置情報の一例として、図20に示すように、遊技機位置情報には遊技機130を識別する遊技機IDが記録された「遊技機ID」欄810と、その遊技機130の位置座標が記録された「位置座標」欄820と、を含む。
また、第4実施形態において取得記録作成部303は、遊技機130の動作条件値の設定作業を行う者が、勤務中の従業員であるか及び作業権限を有しているかを判定し、勤務中の従業員であり作業権限を有していると判定した場合には、更に、その従業員の携帯端末220の位置と、設定作業の対象である遊技機130の位置とに基づいて、識別情報を取得したリーダ120に対応する遊技機130から所定範囲内にその従業員が存在するか否かを判定する。判定の結果、所定範囲内に従業員が存在しないと判定した場合には取得記録を作成しない。
なお、この所定範囲内にある場合としては、例えば、携帯端末220と遊技機130との距離が1m以内にある場合等とすることができる。また、所定範囲は遊技場の管理者が任意に設定できるようにしてもよく、設定結果は管理コンピュータ110のハードディスク等の記憶手段に保存しておくことができる。所定範囲を任意に設定できるようにすることで、遊技場のレイアウトに応じて最適な範囲を設定できる。
(管理コンピュータ110の処理)
次に、第4実施形態における管理コンピュータ110の処理について説明する。図21(a)は、第4実施形態における管理コンピュータ110が実行する取得記録作成処理の流れを示すフローチャートである。なお、不正設定作業判定処理(図8(a)のS102)については上記第1実施形態と同様である。
S181では、リーダ120から識別情報を受信したか否かを判定する。図8(b)のS111及び図16(a)のS161と同様の処理である。受信した場合はS182へ進み、受信していない場合は一単位の取得記録作成処理を終了する。
S182では、従業員情報を参照して、受信した識別情報が従業員情報に登録された識別情報か否かを判定する。図8(b)のS112及び図16(a)のS162と同様の処理である。登録された識別情報である場合はS183に進み、そうでない場合はS192へ進む。S183では、従業員情報を参照して、S181で受信した識別情報に対応する従業員を特定する。図16(a)のS163と同様の処理である。
S184では、勤務情報を参照して、S183で特定した従業員が勤務中か否かを判定する。図16(a)のS164と同様の処理である。勤務中である場合はS185へ進み、そうでない場合はS192へ進む。S185では、従業員情報を参照して、S183で特定した従業員が設定作業を行う権限を有しているか否かを判定する。図16(a)のS165と同様の処理である。権限を有している場合はS186へ進み、そうでない場合はS192へ進む。
S186では、S181で識別情報と共に受信したリーダIDに基づいて、識別情報を取得したリーダ120に対応する遊技機130を特定する。図8(b)のS113及び図16(a)のS166と同様の処理である。
S187では、従業員情報を参照してS183で特定した従業員に対応する携帯端末220を特定し、その携帯端末位置情報を位置検出装置230から取得する。S188では、遊技機位置情報を参照してS186で特定した遊技機130の遊技機位置情報を取得し、S187で取得した携帯端末位置情報と照合して、両者が所定範囲内に位置しているか照合する。S189では、S188の照合の結果、所定範囲内に位置している場合はS190へ進み、そうでない場合はS192へ進む。
S190では、S186で特定した遊技機130について取得記録を作成する。図8(b)のS114及び図16(a)のS167と同様の処理である。S191では、認証が正常に行われたことを従業員に報知する。図8(b)のS115及び図16(a)のS168と同様の処理である。その後、一単位の取得記録作成処理を終了する。
S192では、認証に失敗したことを従業員に報知する。図8(b)のS115及び図16(a)のS169と同様の処理である。その後、一単位の取得記録作成処理を終了する。なお、作業権限がないと判定されたためにS192の処理が実行される場合には、上記第3実施形態の場合と同様に、他の場合と異なる報知としてもよい。
上記のように、本実施形態では、従業員が勤務中であると判定した場合であっても、遊技場内におけるその従業員の位置が、設定作業対象の遊技機130近傍に位置していない場合は、識別情報の取得記録が作成されない。したがって、設定作業を開始すると、不正な設定作業と判定されることになる。このため、上記第3実施形態について上述した効果に加えて、設定作業を行う権限を有する従業員がその場に本当にいるのかどうかを推認することができ、作業権限のない者の不正な設定作業の抑制に有効であるという効果を奏する。
なお、本実施形態では、識別情報の受信を契機として位置検出装置230が携帯端末220の位置を検出するように構成したが(S187)、位置検出装置230は周期的に携帯端末220の位置を検出するようにすることで、常時、各従業員の位置を把握できるようにしてもよい。
この場合、S188の位置の照合では、位置検出装置230の最新の検出結果と遊技機130の位置とを照合するようにすることができる。また、この場合は、常時、各従業員の位置を把握できるので、従業員の勤務管理をも行うことができる。
なお、上記第3実施形態の場合と同様に、本実施形態も、上記第2実施形態とを組み合わせることで、記憶媒体140を用いた認証の時間制限を設けることができる。この場合、例えば、上記第2実施形態の取得記録作成処理の場合と同様に、S190の取得記録の作成時に、作成時刻を記録し、また、不正設定作業判定処理として、図11に示した上記第2実施形態の不正設定作業判定処理を用いればよい。
また、第3実施形態では、勤務中であるか否か、作業権限の有無、及び、従業員と遊技機130との位置関係を、識別情報の取得記録の作成要件としたが、これらの少なくともいずれかを不正設定作業の判定要件としてもよい。この場合、例えば、S183〜S185及びS187〜S189の処理を、不正設定作業判定処理において行う。図8(c)の不正設定作業判定処理の場合、S123の処理の後(Yesの場合)に、S183〜S185及びS187〜S189の処理を挿入し、要件不充足の場合は不正な設定作業としてS124の処理を実行する。また、図11の不正設定作業判定処理の場合、S146の処理の後及びS153の処理の後(いずれもYesの場合)に、S183〜S185及びS187〜S189の処理を挿入し、要件不充足の場合は不正な設定作業としてS148、S152の処理を実行する。
<<第5実施形態>>
第5実施形態では、上記第3実施形態について、更に、従業員の生体的特徴を示す生体情報を利用することで、不正な設定作業を更に効果的に抑制する。以下、第3実施形態と同様の構成については説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。
(遊技機管理システム)
本発明の第5実施形態に係る遊技機管理システムDのシステム構成を、図22を参照して説明する。なお、図12と共通の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。また、図22ではディスプレイ170、警告ランプ180、スピーカ190は図示を省略している。
遊技機管理システムDは、遊技機130の動作条件値の設定作業を行う作業者(従業員又は不正行為者)の生体的な特徴を検出し、検出した生体的特徴を出力する生体的特徴検出装置240を備える。生体的特徴としては、顔画像、指紋画像、虹彩情報、掌紋情報、静脈情報等が含まれる。本実施形態では一例として、作業者の顔を生体的特徴とし、生体的特徴検出装置240は、作業者の顔を撮影する撮影装置である場合を想定する。そして、生体的特徴検出装置240は検出した生体的特徴、即ち作業者の顔画像を検出結果として管理コンピュータ110へ送信する。
生体的特徴検出装置240の配置については、設定作業を行う作業者の生態的特徴が検出可能な位置であればいずれでもよい。例えば、各遊技機130に対応して設けることができ、この場合、遊技機130毎に設けて、遊技機130と一対一の対応関係としてもよい。また、各リーダ120に対応して設けてもよい。更に、複数の遊技機130又はリーダ120に対して一つの生体的特徴検出装置240が割り当てられる構成でもよい。本実施形態では遊技機130と生体的特徴検出装置240とが一対一の対応関係にある場合を想定する。
(管理コンピュータの機能構成)
次に、本実施形態に係る管理コンピュータ110の機能構成について、図23を参照して説明する。ここで、図13と共通の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
管理コンピュータ110は、各従業員と、各従業員の生体的な特徴を示す生体情報とを対応付けた生体対応情報を記憶した生体対応情報記憶部311を備える。この生体情報には、例えば、顔の各パーツの位置をベクトル表現したものや、顔の輪郭形状を示す情報等が含まれる。生体情報の形式は公知の生体認証技術で用いられているものを採用することができる。生体情報は、例えば、生体的特徴検出装置240によって、予め従業員の生体的特徴を検出し、その検出結果に基づいて作成しておくことができる。
管理コンピュータ110は、また、生体的特徴検出装置240から生体的特徴の検出結果を受信する検出結果受信部312を備える。
(管理コンピュータ110の処理)
次に、本実施形態における管理コンピュータ110の処理について説明する。図24は、第5実施形態における管理コンピュータ110が実行する取得記録作成処理の流れを示すフローチャートである。なお、不正設定作業判定処理(図8(a)のS102)については上記第1実施形態と同様である。
S201では、リーダ120から識別情報を受信したか否かを判定する。図8(b)のS111及び図16(a)のS161と同様の処理である。受信した場合はS202へ進み、受信していない場合は一単位の取得記録作成処理を終了する。
S202では、従業員情報を参照して、受信した識別情報が従業員情報に登録された識別情報か否かを判定する。図8(b)のS112及び図16(a)のS162と同様の処理である。登録された識別情報である場合はS203に進み、そうでない場合はS212へ進む。S203では、従業員情報を参照して、S201で受信した識別情報に対応する従業員を特定する。図16(a)のS163と同様の処理である。
S204では、勤務情報を参照して、S203で特定した従業員が勤務中か否かを判定する。図16(a)のS164と同様の処理である。勤務中である場合はS205へ進み、そうでない場合はS212へ進む。S205では、従業員情報を参照して、S203で特定した従業員が設定作業を行う権限を有しているか否かを判定する。図16(a)のS165と同様の処理である。権限を有している場合はS206へ進み、そうでない場合はS212へ進む。
S206では、S201で識別情報と共に受信したリーダIDに基づいて、識別情報を取得したリーダ120に対応する遊技機130を特定する。図8(b)のS113及び図16(a)のS166と同様の処理である。
S207では、S206で特定した遊技機130に対応する生体的特徴検出装置240により、設定作業を行おうとしている作業者の生体的特徴を検出する。
S208では、S207で検出した作業者の生体的特徴と、生体対応情報を参照して取得される、S203で特定した従業員の生体情報と、を照合し、生体的特徴が一致するか否かを判定する。なお、S208では、生体情報のデータ方式に応じて、検出した作業者の生体的特徴を適宜解析し、その解析結果と生体情報とを照合することで、生体的特徴が一致するか否かを判定してもよいことはいうまでもない。
S209では、S208の照合の結果、生体的特徴が一致すると判定した場合は、S210へ進み、そうでない場合はS212へ進む。S210では、S206で特定した遊技機130について取得記録を作成する。図8(b)のS114及び図16(a)のS167と同様の処理である。S211では、認証が正常に行われたことを従業員に報知する。図8(b)のS115及び図16(a)のS168と同様の処理である。その後、一単位の取得記録作成処理を終了する。
S212では、認証に失敗したことを従業員に報知する。図8(b)のS115及び図16(a)のS169と同様の処理である。その後、一単位の取得記録作成処理を終了する。なお、作業権限がないと判定されたためにS212の処理が実行される場合には、上記第3実施形態の場合と同様に、他の場合と異なる報知としてもよい。また、生体的特徴の照合は、生体的特徴検出装置240による、作業者の撮影部位が不適切であったことに起因して、誤ってNG判定とされる場合も考えられる。したがって、生体的特徴の照合がNGと判定されたためにS212の処理が実行される場合には、作業者に対して、生体的特徴検出装置240に顔を向けて再認証を行うことを促す報知を行ってもよい。
上記のように、本実施形態では、従業員が勤務中であると判定した場合であっても、設定作業を行う作業者の生体的特徴が、登録された従業員の生体的特徴と一致しない場合は、識別情報の取得記録が作成されない。したがって、設定作業を開始すると、不正な設定作業と判定されることになる。このため、上記第3実施形態について上述した効果に加えて、例えば勤務中の従業員の記憶媒体140を借用や盗用して設定作業を行おうとするような、当該従業員になりすましての不正な設定作業を防止することができる。
なお、上記第3実施形態の場合と同様に、本実施形態も、上記第2実施形態とを組み合わせることで、記憶媒体140を用いた認証の時間制限を設けることができる。この場合、例えば、上記第2実施形態の取得記録作成処理の場合と同様に、S210の取得記録の作成時に、作成時刻を記録し、また、不正設定作業判定処理として、図11に示した上記第2実施形態の不正設定作業判定処理を用いればよい。
また、本実施形態では、勤務中であるか否か、作業権限の有無、及び、設定作業の作業者の生体的特徴を、識別情報の取得記録の作成要件としたが、これらの少なくともいずれかを不正設定作業の判定要件としてもよい。この場合、例えば、S203〜S205及びS207〜S209の処理を、不正設定作業判定処理において行う。図8(c)の不正設定作業判定処理の場合、S123の処理の後(Yesの場合)に、S203〜S205及びS207〜S209の処理を挿入し、要件不充足の場合は不正な設定作業としてS124の処理を実行する。また、図11の不正設定作業判定処理の場合、S146の処理の後及びS153の処理の後(いずれもYesの場合)に、S203〜S205及びS207〜S209の処理を挿入し、要件不充足の場合は不正な設定作業としてS148、S152の処理を実行する。
また、上記第4実施形態と本実施形態とを組み合わせて、勤務中であるか否か、作業権限の有無、従業員と遊技機130との位置関係、及び、設定作業の作業者の生体的特徴を、識別情報の取得記録の作成要件または不正設定作業の判定要件とすることも可能である。
<<その他の実施形態>>
遊技場では、遊技媒体の数量をデータ化して、遊技者による持ち運びを容易にすべく、コイン型の筐体に記憶媒体を内蔵したICコインが用いられている場合がある。このICコインには、内蔵している記憶媒体に、固有の識別情報が記録されている。一方、遊技場のホールコンピュータには、記憶媒体の識別情報に対応させて、遊技者の氏名・会員番号、貯玉数等のデータが記録されている。
例えば、遊技時に遊技者がICコインを使用する場合は、まず遊技機に対応して設置されている台間機のICコイン用投入口にICコインを投入する。これに応じて台間機は内部で記憶媒体の情報を読み取り、ホールコンピュータと通信して遊技者の氏名、貯玉数等の情報を取得し、ディスプレイに表示する。遊技者は、貯玉から引き落としたい場合は、操作パネルを操作して遊技媒体の払い出しを受けることができる。
このように、ICコインは一般的には遊技者が使用するものであるが、このICコインを上記の各実施形態で説明した記憶媒体140として使用してもよい。この場合、既存の装置構成を使用して、上述の実施形態に係る構成を運用することができる。
なお、ICコインは小さいため紛失しやすい。このため、ICコインを記憶媒体140として使用する場合は、電波を送受信可能にするアンテナをICコインに設けるとともに、ICコインを専用ケースに入れたまま情報の読み書きを行えるようにすることが取り扱いの面で好適である。
そこで、ICコイン用の専用ケースを図25を参照して説明する。専用ケース141は所定の肉厚とした平面板142を、略楕円状に成型する。このように略楕円形とすることにより、専用ケース141を扱う従業員が把持し易くなるとともに、特徴的な形状によって他の鍵等から容易に識別可能となる。
また、上記平面板142の略楕円形の長径の一端側に、アンテナ143を内蔵したICコイン144を挿入可能とするとともに、この挿入状態においてICコイン144を支持可能な支持部材145を設ける。この支持部材145は変形可能な弾性を有する材料で構成している。そして、この支持部材145の任意の一箇所はICコイン144を締まり嵌め状に挿入可能な程度に開放している。このように構成することにより、支持部材145の一端から挿入したICコイン144を専用ケース141に容易に固定することが可能となるとともに、ICコイン144は締まり嵌め状に挿入するので専用ケース141から容易に脱落することがない。従って、ICコイン144を挿入した専用ケース141は必ずしも慎重に扱う必要はなく、扱いが容易になる。
また、平面板142の略楕円形の長径の他端側には穴146を設け、この穴146に紐などを通すことによって、従業員が専用ケース141を容易に装着できるようにしている。なお、この平面板142はプラスチックなどの硬質な樹脂材で形成することができるが、平面板142に外部から力が加わった場合でも、挿入したICコイン144が脱落しない程度であれば湾曲してもよい。従って、このような弾性を有する材料で形成してもよい。
なお、ICコイン144の専用ケース141の形状は図25に例示したものに限られない。他の例を図26に示すと、(a)のように、平面板142上に支持部材145を一対配置するとともに、この一対の支持部材145の一端を、ICコイン144を締まり嵌め状に挿入可能な程度に開放し、他端はICコイン144が挿入不能な程度に開放したものでもよい。このように構成することにより、一端からICコイン144が挿入し易くなる。また、他端からは、挿入したICコイン144を抜取る際に棒等で押し出すことができ、抜取り作業がし易いものとなっている。また、図26(b)のように、支持部材145の小片を4箇所に設けてもよい。このように各支持部材145間に隙間を多くする構成することにより、挿入したICコイン144を容易に抜取ることが可能となる。
また、専用ケース141の平面板142の形状は楕円形に限られず、図26(c)のように略長方形の形状を有してもよい。以上のように、専用ケース141は従業員の身体に装着した際に鍵等の他の物から容易に識別できる形状であればよく、また、支持部材145は、ICコイン144を挿入可能としつつ容易には脱落しないように配置しているものであればよい。